JP2001069116A - 通信装置および通信方法 - Google Patents

通信装置および通信方法

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JP2001069116A
JP2001069116A JP24101499A JP24101499A JP2001069116A JP 2001069116 A JP2001069116 A JP 2001069116A JP 24101499 A JP24101499 A JP 24101499A JP 24101499 A JP24101499 A JP 24101499A JP 2001069116 A JP2001069116 A JP 2001069116A
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communication
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communication method
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JP24101499A
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Wataru Matsumoto
渉 松本
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Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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  • Error Detection And Correction (AREA)
  • Detection And Prevention Of Errors In Transmission (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 エラー訂正処理の処理単位として適切な値を
取ることにより、マルチキャリア変復調方式によりデー
タ通信を行う場合に、ISDN等の他の通信方式への干
渉ノイズ等による影響を与えないで、かつなるべくデー
タ通信の際の遅延を抑えることができ、データ伝送効率
を上げて、最適なエラー訂正を実現する。 【解決手段】 サブフレーム内の処理単位数が10シン
ボルである場合、初期化シーケンス実行時にエラー訂正
処理に関する情報R−Sコードワード毎のDMTシンボ
ル数S及びR−Sコードワード毎の冗長バイト数R、イ
ンターリーブ処理に関する情報であるインターリーブ幅
Dの設定を、サブフレーム内の処理単位数10シンボル
の約数単位である2シンボル及び5シンボルで行うよう
にしたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数のトーン(キ
ャリアともいう)にデータを割り当ててデータ通信を行
うDMT(Discrete MultiTone)変復調方式等のマルチ
キャリア変復調方式によりデータ通信を行うようにした
通信システムおよび通信装置および通信方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】近年、有線系ディジタル通信方式とし
て、既設の電話用銅線ケーブルを使用して高速ディジタ
ル通信を行うADSL(Asymmetric Digital Subscribe
r Line)通信方式や、HDSL(high-bit-rate Digita
l Subscriber Line)通信方式、VDSL(Very-high-b
it-rate Digital Subscriber Line)通信方式等のxD
SL通信方式が注目されている。これに用いられている
主な変復調方式に、DMT(Discrete MultiTone)変復
調方式やOFDM(Orthogonal Frequency Division Mu
ltiplex)変復調方式等のマルチキャリア変復調方式が
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、マルチキャリ
ア変復調方式を用いたxDSL通信の伝送路と、既存の
ISDN等の時分割二重方式通信の伝送路とが途中の集
合線路で束ねられて隣接している場合に、相互の干渉ノ
イズ等による影響を考慮する必要がある。
【0004】したがって、xDSL通信装置では、IS
DN等の他の通信方式への干渉ノイズの影響を与えない
でデータを送信することが必要となるが、このような干
渉ノイズの影響を与えないで効率よく最適なエラー訂正
を行って伝送する方法は提案されていなかった。
【0005】本発明はこのような問題を解決するために
なされたもので、エラー訂正処理の処理単位として適切
な値を取ることにより、マルチキャリア変復調方式によ
りデータ通信を行う場合に、ISDN等の他の通信方式
への干渉ノイズの影響を与えないで、かつなるべくデー
タ通信の際の遅延を抑えることができ、データ伝送効率
を上げて、最適なエラー訂正を実現することのできる通
信装置および通信方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る通信装置
は、複数のトーンにデータを割り当ててデータを通信す
る通信方法を用い、データ誤りが生じた場合エラーを訂
正するエラー訂正処理を行う通信装置において、前記デ
ータ通信の際に前記通信方法とは異なる他の通信方法を
用いた通信装置に対して影響を及ぼす場合、前記他の通
信方法の周期に応じた論理フレームであるサブフレーム
内の処理単位数の約数単位で前記エラー訂正処理を行う
エラー訂正処理手段を備えるものである。
【0007】また、データ通信に先立って行う初期化処
理実行時に前記エラー訂正処理に関する情報の設定を行
う初期化設定手段を備えるものである。
【0008】また、前記初期化設定手段は、初期化処理
実行時に所定の規則に従ったビットの並び替え及び再生
を行うインターリーブ処理に関する情報の設定を行うと
ともに、前記インターリーブ処理を前記サブフレーム内
の処理単位数の約数単位で行うインターリーブ処理手段
を備えるものである。
【0009】また、前記インターリーブ処理を行う経路
と行わない経路が存在する場合、前記エラー訂正処理手
段は、前記インターリーブ処理を行わない経路における
エラー訂正処理を前記サブフレーム内の処理単位数の約
数単位で行うものである。
【0010】本発明に係る通信方法は、複数のトーンに
データを割り当ててデータ通信を行い、データ誤りが生
じた場合エラーを訂正するエラー訂正処理を行う通信方
法において、この通信方法が他の通信方法に対して影響
を及ぼす場合、前記他の通信方法の周期に応じた論理フ
レームであるサブフレーム内の処理単位数の約数単位で
前記エラー訂正処理を行うとともに、データ通信に先立
って行う初期化処理実行時に前記エラー訂正処理に関す
る情報の設定を行うものである。
【0011】
【発明の実施の形態】実施の形態1.以下の実施の形態
では、通信装置はADSL通信方式を行うものとして説
明するが、マルチキャリア変復調方式によりデータ通信
を行う通信装置であればよく、これに限られない。ここ
で、ADSL通信方式は、ANSIのT1.423等に
おいて標準化されており、また、ITU−TによるAD
SLの勧告により、G992.1(G.dmt)および
G992.2(G.lite)の次期バージョンにあた
るG.dmt.bisおよびG.lite.bisの日
本向け仕様(AnnexC)の高効率化,高品質化が進
められている。また、G.dmtおよびG.liteの
日本向け仕様においては、ADSL伝送路と半二重通信
方式のISDN通信システム例えばTCM−ISDN通
信のISDN伝送路が、途中の集合線路で束ねられて隣
接している場合に、相互の干渉が起きないように各装置
を制御する。従って、上記日本向け仕様では、既知のT
CM−ISDN周期(2.5ms)、および米国向け仕
様(Annex A)のDMTシンボルの管理単位であ
るスーパーフレーム(Superframe:17ms)の双方を
両立するために、すなわち、両者との同期を確立するた
めに、両者の最小公倍数である85msを単位するハイ
パーフレーム(Hyperframe)と呼ばれるフレームを採用
する。
【0012】図1は、ADSL通信方式におけるハイパ
ーフレームのシンボル形式を示す図である。ADSLサ
ービスにおいては、図1に示すように、遅延を考慮した
境界(図示の点線)を設け、例えば、局側装置ATU−
CおよびOCU(Office Channel Unit :局内回線終端
装置)のもつTTR(TCM-ISDN Timing Reference)の
タイミングに同期して、TCM−ISDNのDS(Down
stream)時にADSLもDSとし、TCM−ISDNの
US(Upstream)時にADSLもUSとする。具体的に
いうと、OCUによるISDN−DS送信時に、ATU
−CにてFEXT(Far End Cross Talk)−DS送信を
行い、DSU(Digital Service Unit:ディジタル回線
終端装置)によるISDN−US送信時に、端末側装置
ATU−RにてFEXT(Far End Cross Talk)−US
送信を行う。
【0013】なお、図1においては、1ハイパーフレー
ムが通常のシンボル340シンボルと、同期用のシンボ
ルSS、ISS5シンボルとの345シンボル(85m
s)にて構成され、ここでは、代表してサイクリックプ
レフィックスを含むハイパーフレームの例を示している
が、サイクリックプレフィックスを含まないハイパーフ
レームにおいても、同様に動作するものとする。ただ
し、その場合は、1ハイパーフレーム(345シンボ
ル)が80msとなる。また、図1における網掛け部分
をFEXT期間のシンボルすなわちFEXTシンボルと
呼び、その他のデータをNEXT(Near End Cross Tal
k)期間のシンボルすなわちNEXTシンボルと呼ぶ。
【0014】また、上記ハイパーフレームにおいて、連
続する10個のDMTシンボル(1DMTシンボルは
0.246ms)に相当する各サブフレーム(Subfram
e:ただし、図示のSSおよびISSを除く)では、T
CM−ISDNの漏話雑音であるFEXTノイズおよび
NEXTノイズを回避するため、FEXTシンボルおよ
びNEXTシンボルの数が、各周期によってそれぞれ3
個と7個である場合と、4個と6個である場合がある
(図1参照)。そして、上記のような構成のハイパーフ
レームを単位とするADSL通信方式では、FEXT期
間のシンボルに配分するビット数を多くし、NEXT期
間のシンボルに配分するビット数を少なくする或いはN
EXT期間にシンボルを配分しないことにより、影響の
大きいNEXTノイズを回避する。
【0015】つぎに、上記ADSL通信方式における各
DMTシンボルのビットの配分方法を説明する。Ann
exCにおける通信方式では、FEXTシンボルおよび
NEXTシンボルに対して個別に均等にビットを配分し
ている。従って、例えば、ネットデータレートRが16
0kbps、ノイズの影響の大きいNEXT期間のシン
ボルに配分できる最大のビット数nが20ビットの場
合、FEXTシンボルに配分されるビット数は、下記の
式により求められる。 f={(R×85ms)−(n×214)}/126 ≒74ビット (1)式 ただし、上記(1)式の85msはハイパーフレームの
長さを示すものであり、126はハイパーフレーム中の
FEXTシンボル数であり、214はハイパーフレーム
中のNEXTシンボル数である。
【0016】図2は、上記(1)式により求められたD
MTシンボルのビット配分を図示したものである。以
降、これを通常モードと呼ぶ。図2は、レートコンバー
ト前の1シンボル40ビットの均一レートデータを、レ
ートコンバート後のFEXTシンボルには74ビット、
レートコンバート後のNEXTシンボルには20ビット
を割り当てた場合を示している。
【0017】しかしながら、上記通常モードでは、レー
トコンバータによりビット配分を変えるとき、図示のと
おり、TCM−ISDN周期毎に伝送されるビット数に
偏りがある。そのため、送信側である、例えば、ATU
−Cでは、レートコンバータにデータをある程度蓄積し
てから、すなわち、偏りを吸収するためのバッファ処理
を行ってから、シンボルを出力することになり、伝送遅
延を増加させることになる。
【0018】図3は、上記通常モードにおける伝送遅延
を具体的に説明するための図である。なお、図3は、ネ
ットデータレートR=64kbps、NEXTシンボル
に配分できる最大ビット数n=0の条件で、レートコン
バータによりビット配分を行った場合の伝送遅延を示す
ものである。図示のとおり、ATU−Cでは、レートコ
ンバータにデータをある程度蓄積してから、シンボルを
出力することになり、ここでは、レートコンバータによ
る遅延3.904ms及び0.075msと、IFFT
及びFFTによる遅延0.246ms×2を合わせた
4.472msが伝送遅延となっている。
【0019】そこで、ADSL通信方式においては、上
記通常モードに加え、さらにFEC(フォワードエラー
コレクション)にてFEC用コードの付加すなわちリー
ドソロモン(以後、R−Sと呼ぶ)多項式によるエラー
訂正だけを実行し、インタリーブによるスクランブル処
理を行わないファーストデータバッファ経路の使用によ
り、伝送遅延を抑える低遅延伝送モードを採用する。な
お、もう1つの経路である、FEC(フォワードエラー
コレクション)にてFEC用コードの付加すなわちR−
S多項式によるエラー訂正を実行し、さらにインタリー
ブによるスクランブル処理を行うインターリーブバッフ
ァ経路を併用することにより、低遅延伝送に加えて、さ
らに高レートを実現できる。以下、この低遅延伝送モー
ドおよび高レートについて説明する。
【0020】低遅延伝送モードでは、TCM−ISDN
周期に応じた論理フレーム(サブフレーム)毎に、一定
量のビットを送信する。従って、例えば、ネットデータ
レートrが64kbpsで、かつノイズの影響の大きい
NEXT期間のビット配分に余裕があり、FEXTシン
ボルおよびNEXTシンボルへのビット配分が均等にで
きる場合、FEXTシンボルおよびNEXTシンボルに
配分されるビット数nは、下記の式により求められる。 n=(r×2.5ms)/10 =16 (2)式
【0021】図4は、低遅延伝送モードにおけるDMT
シンボルのビット配分を図示したものである。図4は、
ファストデータについては、レートコンバート前の1シ
ンボル16ビットの均一レートデータを、レートコンバ
ート後も16ビットの均一レートデータとして処理し、
インターリブドデータについては、レートコンバート前
の1シンボル16ビットの均一レートデータを、レート
コンバート後のFEXTシンボルには28ビット、レー
トコンバート後のNEXTシンボルには9ビットを割り
当てた場合を示している。16ビットのすなわち、この
ような場合には、図4に示すとおり、ファーストデータ
バッファに16ビットづつ配分することにより、データ
を16ビットだけ蓄積し、1シンボル分の遅延を付加さ
れるだけでデータを出力することができ、低遅延伝送モ
ードが実現される。さらに、ここでは、インターリーブ
ドデータバッファを併用することにより、伝送ロスのな
い高レートが同時に実現される。
【0022】また、例えば、ネットデータレートrが1
60kbpsで、かつノイズの影響の大きいNEXT期
間のビット配分に余裕がなく、NEXT期間のシンボル
に配分できる最大のビット数nが20ビットの場合、F
EXTシンボルに配分されるビット数は、下記の式によ
り求められる。 f3={(r×2.5ms)−(n×7)}/3 ≒87ビット (3)式 f4={(r×2.5ms)−(n×6)}/4 =70ビット (4)式 ただし、上記(3)式のf3は、サブフレーム中に3個
のFEXTシンボルがある場合のFEXTシンボルに配
分されるビット数を示すものであり、上記(4)式のf
4は、サブフレーム中に4個のFEXTシンボルがある
場合のFEXTシンボルに配分されるビット数を示すも
のである。また、上記(3)および(4)式の2.5m
sはサブフレームの長さを示すものであり、3および4
はサブフレーム中のFEXTシンボル数であり、7およ
び6はサブフレーム中のNEXTシンボル数である。
【0023】図5は、上記(3)式および(4)式によ
り求められたDMTシンボルのビット配分を図示したも
のである。以降、上記(2)式、(3)式および(4)
式によるビット配分を低遅延伝送モードと呼ぶ。図5
は、レートコンバート前の1シンボル40ビットの均一
レートデータを、レートコンバート後のサブフレーム中
に4個のFEXTシンボルがある場合のFEXTシンボ
ルには70ビット、レートコンバート後のサブフレーム
中に3個のFEXTシンボルがある場合のFEXTシン
ボルには87ビット、レートコンバート後のNEXTシ
ンボルには20ビットを割り当てた場合を示している。
【0024】図6は、上記低遅延伝送モードにおける伝
送遅延を説明するための図である。なお、図6は、ネッ
トデータレートr=64kbps、NEXTシンボルに
配分できる最大ビット数n=0の条件で、レートコンバ
ータによりビット配分を行った場合の伝送遅延を示すも
のである。図示のとおり、ATU−Cでは、レートコン
バータにデータをある程度蓄積してから、シンボルを出
力することになるが、ここでは、ファーストデータバッ
ファがサブフレーム単位の構成でよいことから、通常モ
ードより伝送遅延が短くなり、レートコンバータによる
遅延1.746ms及び0.196msと、IFFT及
びFFTによる遅延0.246ms×2を合わせた2.
434msが伝送遅延となっている。
【0025】図7は、低遅延伝送モードかつ高レートの
データ通信を示す図である。図7は、ファストデータに
ついては、レートコンバート前の1シンボル16ビット
の均一レートデータを、レートコンバート後のサブフレ
ーム中に4個のFEXTシンボルがある場合のFEXT
シンボルには27ビット、レートコンバート後のサブフ
レーム中に3個のFEXTシンボルがある場合のFEX
Tシンボルには33ビット、レートコンバート後のNE
XTシンボルには9ビットを割り当て、インターリーブ
ドデータについては、レートコンバート前の1シンボル
16ビットの均一レートデータを、レートコンバート後
のサブフレーム中に4個のFEXTシンボルがある場合
のFEXTシンボルには45ビット、レートコンバート
後のサブフレーム中に3個のFEXTシンボルがある場
合のFEXTシンボルには39ビットを割り当てた場合
について示している。ファーストデータバッファに加え
て、インターリーブドデータバッファを併用する場合に
は、例えば、インターリーブドデータバッファ経路のr
=64kbps,ファーストデータバッファ経路のr=
64kbps,およびNEXT期間の最大ビット数n=
9としたう7に示すとおり、ファーストデータバッファ
(fastdata buffer)にレートコンバート前の均一レー
トデータのサブフレーム中に含まれるビット数すなわち
160ビットづつ配分することにより、データを160
ビットだけ蓄積し、1サブフレーム分の遅延を付加され
るだけでデータを出力することができ、低遅延伝送モー
ドが実現されている。さらに、ここでは、インターリー
ブドデータバッファ(interleaved data buffer)を併
用することにより、伝送ロスのない高レートが同時に実
現されている。なお、図示のサブフレーム単位における
162ビットのうち、2ビットは、ダミービットである
ため使われない。
【0026】このように、上述のADSL通信方式にお
ける通信装置では、通常モードおよび低伝送遅延モード
の2つのモードを使い分けることにより、またはこの2
つのモードにて同時に動作させることにより、低伝送遅
延および高レートの通信を可能としている。
【0027】ここで、上記通信装置では、ADSL通信
方式におけるG992.1(G.dmt)においての
み、すなわち、インターリーブドデータバッファおよび
ファーストデータバッファの2種類のバッファを備える
通信装置においてのみ、前記低遅延伝送で、しかも高レ
ートのデータ通信を行うことが可能であり、インターリ
ーブドデータバッファしか持たないG992.2(G.
lite)における通信装置にて低遅延伝送を行うよう
な場合は、ビットロスが発生し、高レートでの動作がで
きなくなる。
【0028】具体的にいうと、例えば、G992.2
(G.lite)における通信装置が、図5に示すよう
な、低遅延伝送を行うような場合、この通信装置では、
サブフレーム単位に同一のビット数を配分するため、F
EXT期間が3個と4個の場合でビット配分が異なるこ
とになる。そのため、当然3個のFEXT期間のビット
数が最大ビット数nとなり、4個のFEXT期間におい
ては、3個のFEXT期間のビット数より少ないビット
数n´が配分されることになり、データ通信においてn
−n´のビットロスが発生することから、それに伴って
高レートでのデータ通信が実現できなくなる。
【0029】また、G992.2(G.lite)にお
ける通信装置では、さらに低遅延伝送を行おうとする
と、現行の規格にて、サブフレーム単位にFEC用コー
ドすなわちR−S多項式によるエラー訂正およびインタ
ーリーブがかけられないため、エラー訂正特性が劣化す
る。
【0030】すなわち、以上のことからG992.2
(G.lite)における通信装置では、低遅延伝送が
できないことになり、通常モードにおいては、特にIS
DNの製品スペックである2〜3msの遅延クリティカ
ル量を満たすことができない。
【0031】また、G992.1(G.dmt)におけ
る通信装置では、前述したとおり、低遅延伝送かつ高レ
ートでのデータ通信が可能となるが、現行の規格では、
サブフレーム単位のインターリーブがかけられないため
(現行では、インターリーブ幅(Interleave depth)D
が1,2,4,8,16,32,64)、バーストエラ
ーによる最適なエラー訂正を行うことができない。
【0032】そこで、以下に、インターリーブドデータ
バッファ経路およびファーストデータバッファ経路の2
つの経路を備える場合(G.dmt)における低伝送遅
延、高レートでのデータ通信、および最適なエラー訂正
を実現するとともに、インターリーブドデータバッファ
経路しか持たない場合(G.lite)における低伝送
遅延、および高レートでのデータ通信も実現可能とする
通信装置について説明する。
【0033】図8は、本発明にかかる通信装置(ADS
Lの局側装置であるATU−Cに相当する)によるデー
タ通信において、FECおよびインターリーブを実行す
る際に必要となるパラメータである。例えば、ADSL
通信方式においては、ハンドシェーク(G.hs:G.
994.1)のときに、現行の機能をいかしてベンダ情
報を交換することで、ベンダ特有の機能を実現してもよ
いことになっている。そこで、各メーカでは、標準規格
に基づく開発をすすめると同時に、それぞれ個別の特徴
をだすため、ベンダ特有の機能をもり込むことにより、
他社との差別化をはかっている。
【0034】ここで、まず、本発明にかかる通信装置の
ポイントを説明する前に、上述のような通信方法を実行
可能な通信装置の基本動作を図面に基づいて説明する。
DMT(Discrete Multi Tone)変復調方式を用いて、
データ通信を行う有線系ディジタル通信方式としては、
既設の電話回線を使用して数メガビット/秒の高速ディ
ジタル通信を行うADSL(Asymmetric Digital Subsc
riber Line)通信方式、およびHDSL(high-bit-rat
e Digital Subscriber Line)通信方式等のxDSL通
信方式がある。なお、この方式は、ANSIのT1.4
13等において標準化されている。
【0035】図9は、本発明にかかる通信装置の送信系
の構成を示すものであり、例えば、ATU−Cの送信系
の構成を示すものである。なお、ATU−Rの送信系の
構成も同様の構成である。図9において、ATU−Cの
送信系は、送信データをマルチプレックス/シンクコン
トロール(図示のMUX/SYNC CONTROLに相当)41にて多
重化し、多重化された送信データに対してサイクリック
リダンダンシィチェック(CRC : Cyclic redundancy ch
eckに相当)42、43にて誤り検出用コードを付加
し、さらに、フォワードエラーコレクション(SCRAM&FE
Cに相当)44、45にてFEC用コードの付加および
スクランブル処理が行われる。
【0036】なお、マルチプレックス/シンクコントロ
ール41から、トーンオーダリング49に至るまでには
2つの経路があり、一つはインターリーブ(INTERLEAV
E)46が含まれるインターリーブドデータバッファ(I
nterleaved Data Buffer)経路、もう一方はインターリ
ーブ46を含まないファストデータバッファ(Fast Dat
a Buffer)経路であり、インターリーブ処理を行うイン
ターリーブドデータバッファ経路の方の遅延が大きくな
る。
【0037】その後、送信データは、レートコンバータ
ー(RATE-CONVERTORに相当)47、48にてレートコン
バート処理を行い、トーンオーダリング(TONE ORDERRI
NG)49にてトーンオーダリング処理を行う。そして、
トーンオーダリングされた送信データに基づいて、コン
ステレーションエンコーダ・ゲインスケーリング(CONS
TELLATION AND GAIN SCALINGに相当)50にてコンステ
レーションデータを作成し、逆高速フーリエ変換部(IF
FT:Inverse Fast Fourier transformに相当)51にて
逆高速フーリエ変換を行う。
【0038】最後に、インプット・パラレル/シリアル
・バッファ(INPUT PARALLEL/SERIAL BUFFERに相当)5
2にてフーリエ変換後のパラレルデータをシリアルデー
タに変換し、アナログ・プロセッシング・アンド・DA
C(ANALOG PROCESSING ANDDACに相当)53にてD/A
コンバータを通してディジタル波形をアナログ波形に変
換し、続いてローパスフィルタをかけて、送信データを
電話回線上に送信する。
【0039】図10は、本発明にかかる通信装置の受信
系の構成を示すものであり、例えば、ATU−Rの受信
系の構成を示すものである。なお、ATU−Cの受信系
の構成も同様の構成である。図10において、ATU−
Rの受信系は、受信データ(前述の送信データ)に対
し、アナログ・プロセッシング・アンド・ADC(図示
のANALOG PROCESSING AND ADCに相当)141にてロー
パスフィルタをかけ、その後、A/Dコンバータを通し
てアナログ波形をディジタル波形に変換し、タイムドメ
インイコライザ(TECに相当)142にて時間領域の適
応等化処理を行う。
【0040】その時間領域の適応等化処理がされたデー
タは、インプット・シリアル/パラレル・バッファ(IN
PUT SERIAL / PARALLEL BUFFERに相当)143にてシリ
アルデータからパラレルデータに変換され、そのパラレ
ルデータに対して高速フーリエ変換部(FFT:Fast Four
ier transformに相当)144にて高速フーリエ変換を
行い、その後、周波数ドメインイコライザ(FECに相
当)145にて周波数領域の適応等化処理を行う。
【0041】そして、その周波数領域の適応等化処理が
されたデータは、コンステレーションエンコーダ・ゲイ
ンスケーリング(CONSTELLATION AND GAIN SCALINGに相
当)146およびトーンオーダリング(TONE ORDERRIN
G)147にて行われる複合処理(最尤複合法)および
トーンオーダリング処理により、シリアルデータに変換
され、その後、レートコンバーター(RATE-CONVERTORに
相当)148,149によるレートコンバート処理、デ
インターリーブ(DEINTERLEAVEに相当)150によるデ
インターリーブ処理、DESCRAM&FEC151,
152によるFEC(forward error correction:前方
誤り訂正)およびデスクランブル処理、サイクリックリ
ダンダンシィチェック(CRC : Cyclic redundancy chec
kに相当)153,154によるCRC(cyclic redund
ancy check:巡回冗長検査)等の処理が行われ、最終的
にマルチプレックス/シンクコントロール(図示のMUX/S
YNC CONTROLに相当)155から受信データが再生され
る。
【0042】また、上記基本動作を行う通信装置(G.
dmtおよびG.lite)では、FEXTシンボルお
よびNEXTシンボルに対して個別に均等にビットを配
分する通常モードによる動作を行う。従って、例えば、
ネットデータレートrが160kbps、かつノイズの
影響の大きいNEXT期間のシンボルに配分できる最大
のビット数nが20ビットの場合、FEXTシンボルに
配分されるビット数が、先に説明した(1)式により求
められる。
【0043】しかしながら、上記通常モードでは、レー
トコンバータ47および48によりビット配分を変える
とき、TCM−ISDN周期毎に伝送されるビット数に
偏りがあり、例えば、ATU−Cでは、レートコンバー
タ47および48にデータをある程度蓄積してから、シ
ンボルを出力することになり、伝送遅延を増加させるこ
とになる(図2,図3参照)。具体的にいうと、最大伝
送遅延は、4.472msとなる。
【0044】そこで、G.dmtにおける通信装置にお
いては、さらに、フォワードエラーコレクション44に
てFEC処理だけを実行し、インタリーブによるスクラ
ンブル処理を行わないファーストデータバッファ経路の
使用により、伝送遅延を抑える低遅延伝送モードを採用
している(図5,図6参照)。また、もう1つの経路、
すなわち、フォワードエラーコレクション45にてFE
C処理を実行し、さらにインタリーブ46にてスクラン
ブル処理を行うインターリーブドバッファ経路を併用す
ることにより、低遅延伝送に加えて、さらに高レートの
データ通信を実現している(図4、図7参照)。具体的
にいうと、最大伝送遅延は、2.434msとなる。
【0045】このように、本実施の形態における通信装
置でも、従来と同様に、G.liteにおける通信装置
が通常モードでの動作を行い、G.dmtにおける通信
装置が通常モードに加えて、局側装置ATU−Cと端末
側装置ATU−Rでテーブルを交換することにより設定
される低伝送遅延モードを採用し、この2つのモードを
使い分けることにより、またはこの2つのモードにて同
時に動作させることにより、低伝送遅延および高レート
のデータ通信を可能としている。
【0046】例えば、上記のように、G.dmtにおけ
る通信装置が低遅延伝送モードにて動作を行う場合は、
ATU−CおよびATU−RがG.994.1における
ハンドシェークおよびその後の情報の交換(確認)によ
り、すなわち、初期化シーケンスにおいて、相互に低遅
延伝送モードでの動作が可能なことを認識したうえでデ
ータ通信を行う。
【0047】図11は、G.dmtに規定されている初
期化シーケンスである。なお、ここでは、本実施の形態
にかかわる部分についてのみ説明する。
【0048】まず、G.994.1(G.hs)におい
て、ベンダ特有の情報であるベンダ情報の確認を行う。
具体的にいうと、ベンダ情報を交換するために、ATU
−RがATU−Cに対してCLR(Capabilities List
+ Request:ATU−RのCapability mode Listを送出
し、ATU−CのCapability mode List送出を要求)を
送出し、その応答として、ATU−CがATU−Rに対
してCL(Capabilities List)を送出する。
【0049】図12は、G.994.1において交換さ
れる情報のフォーマットの例を示す図である。ここで
は、Identification (I) fieldのMessage type fieldに
メッセージの種別(CLR,CL等)が設定され、Vend
or ID fieldにベンダ情報(各メーカのコード)が設定
され、Standard Information (s) fieldにG.lit
e、G.dmt、または他の規格が設定される。なお、
低遅延伝送モードにて動作する場合は、本実施の形態で
はベンダ情報を設定することとしているが、例えば、低
遅延伝送モードにて動作可能かどうかを判断するための
固有のモード情報を設定または交換することとしてもよ
い。
【0050】図13は図11におけるC−RATES1
およびR−RATES1の情報を示す図であり、所定の
データ交換後、図13(a)のC−RATES1および
(b)のR−RATES1に示すように、R(R−Sコ
ードワード毎の冗長バイト数)、S(R−Sコードワー
ド毎のDMTシンボル数)、D(Interleave Depth)の
情報を交換する。
【0051】図14は図11におけるC−MSG1およ
びR−MSG1の情報を示す図であり、その後、さら
に、図14に示すC−MSG1およびR−MSG1のリ
ザーブビットm13,m12(ここでは、Low payload tran
sfer delay modeに相当)を使用して、ファーストデー
タバッファ経路/インターリーブドデータバッファ経路
の選択と、低伝送遅延モード/通常モードの選択を行
う。
【0052】なお、例えば、 m12=0:ファーストデータバッファ経路は通常モード
で処理 m12=1:ファーストデータバッファ経路は低遅延伝送
モードで処理 m13=0:インターリーブドバッファ経路は通常モード
で処理 m13=1:インターリーブドバッファ経路は低遅延伝送
モードで処理 を意味する。
【0053】このように、G.dmtにおける伝送装置
は、上記各テーブルを低遅延伝送モードに設定後、低遅
延伝送モードによるデータ通信が可能となる。
【0054】つぎに、G.dmtおよびG.liteに
おける通信装置にて、ファーストデータバッファおよび
インターリーブドデータバッファに蓄えられるデータの
フォーマットについて説明する。
【0055】図15は、各バッファに蓄えられるデータ
のフォーマットを示す図である。なお、G.liteで
は、インターリーブドデータバッファだけを備えてお
り、ファーストデータバッファを持たない。
【0056】例えば、図示のとおり、ファーストデータ
バッファに格納される1DMTシンボルは、fast byt
e,…,FEC redundancy(FEC用データ,冗長ビット
数:R)から構成され、このデータ単位でファーストデ
ータバッファに格納される。一方、インターリーブドデ
ータバッファに格納される1DMTシンボルは、FEC
処理およびインターリーブ後のインターリーブデータと
して構成される。
【0057】図16はインターリーブドデータのフォー
マットを示す図であり、例えば、図16に示すように、
所定ビット数:KIバイトの各データにFEC用冗長コ
ードが付加され、さらにインターリーブされたNIバイ
トのインターリーブデータが、インターリーブドデータ
バッファに格納される。
【0058】しかしながら、現行の規定によるADSL
通信方式における通信装置では、ADSL通信方式にお
けるG992.1(G.dmt)においてのみ、すなわ
ち、インターリーブドデータバッファおよびファースト
データバッファの2種類のバッファを備える通信装置に
おいてのみ、先に説明したように、前記低遅延伝送で、
しかも高レートのデータ通信を行うことが可能である
が、インターリーブデータバッファしか持たないG99
2.2(G.lite)における通信装置では、低遅延
伝送を行うような場合にビットロスが発生し、高レート
での動作ができない。
【0059】そこで、本実施の形態1においては、G.
liteにおける通信装置にて、FEC処理実行時に必
要となるパラメータに、すなわち、図8に示すインター
リーブドバッファ経路での処理におけるパラメータに、
サブフレーム単位のFEC処理すなわちR−S多項式に
よるエラー訂正が可能となるようなR−Sコードワード
毎のDMTシンボル数S=10を設けた。設定方法につ
いては、先に説明したG.dmtにおける初期化シーケ
ンスにより、すなわち、ATU−CおよびATU−R間
でベンダ情報(G.994.1)、S、R(図11にお
けるC−RATES1、R−RATES1)およびモー
ドの設定(図11におけるC−MSGS1、R−MSG
S1)を行うことにより、S=10を設定する。なお、
このとき、RはSの整数倍であることから、R=10と
なる。
【0060】これにより、G.liteにおける通信装
置では、サブフレーム単位にFEC処理をかけることが
可能となり、インターリーブドデータバッファ経路にお
けるバッファリング処理の遅延を減少させることがで
き、すなわち、データの送信に1サブフレーム分の遅延
(約2.46ms)しかかからないため、高レートでの
データ通信が可能となる。この値は、音声サービスの遅
延クリティカル量である2〜3msを満たすことにな
る。
【0061】また、本実施の形態1においては、さら
に、G.liteにおける通信装置にて、インターリー
ブ実行時に必要となるパラメータに、すなわち、図8に
示すインターリーブドバッファ経路での処理におけるパ
ラメータに、サブフレーム単位のインターリーブが可能
となるようなインターリーブ幅D=10を設けた。な
お、設定方法については、ATU−CおよびATU−R
間でD=10、S=10(図11におけるC−RATE
S1,R−RATES1)の設定を行う以外は、上記と
同様のため、説明を省略する。
【0062】これにより、G.liteにおける通信装
置では、サブフレーム単位にFEC処理をかけることが
可能となり、さらに、サブフレーム単位でインターリー
ブをかけることも可能となるため、低遅延モードにおい
ても、エラー訂正の特性を向上させることができるよう
になる。なお、SおよびDのパラメータについては、1
0のときに最大のエラー訂正性能が得られるが、D=2
およびS=2の場合でも、サブフレーム単位のバッファ
リングが可能であるため、低遅延伝送モードでの動作が
可能となる。また、D=5においても、サブフレーム単
位のバッファリングが可能であるため、同様の効果が得
られる。
【0063】また、本実施の形態1においては、G.d
mtにおける通信装置にて、インターリーブドデータバ
ッファ経路を選択する際のパラメータを、前記G.li
teにおける通信装置と同様の方法で設定可能とする。
さらに、G.dmtにおける通信装置では、ファースト
データバッファ経路を選択する際のFEC処理実行時に
必要となるパラメータに、すなわち、図8に示すファー
ストデータバッファ経路での処理におけるパラメータ
に、サブフレーム単位のFEC処理(R−S多項式によ
る)が可能となるようなR−Sコードワード毎のDMT
シンボル数:S=10を設けた。なお、設定方法につい
ては、ATU−CおよびATU−R間でS=10(図1
1におけるC−RATES1,R−RATES1)の設
定を行う以外は、上記と同様のため、説明を省略する。
【0064】これにより、G.dmtにおける通信装置
でも、ファーストデータバッファ経路を選択した場合に
おいても、サブフレーム単位のFEC処理がかけられる
ため、最適なエラー訂正を行うことができる。
【0065】実施の形態2.上記実施の形態1では、サ
ブフレーム単位(10シンボル単位)にFEC処理をか
けることができるようにするために、R−Sコードワー
ド毎のDMTシンボル数S=10の場合について説明し
たが、本実施の形態では、要求されるエラー訂正能力に
合わせてR−Sコードワード毎のDMTシンボル数Sを
変えて処理する場合について説明する。
【0066】本発明に係る通信装置の送信系及び受信系
の構成は、上記実施の形態1における構成を示した図9
及び図10と同一であるため、構成の説明は省略して、
図9及び図10を参照して動作のみを説明する。
【0067】なお、本実施の形態2においてエラー訂正
処理を行うのは、例えば図9におけるエラー訂正処理手
段としてのSCRAM&FEC44,45、図10にお
けるエラー訂正処理手段としてのDESCRAM&FE
C151,152である。また、初期化シーケンス実行
時にエラー訂正処理に関する情報であるR−Sコードワ
ード毎のDMTシンボル数S及びR−Sコードワード毎
の冗長バイト数R、インターリーブ処理に関する情報で
あるインターリーブ幅Dの設定を行うのは、初期化設定
手段としての図示しない通信装置内のF/Wである。
【0068】図17は、本発明にかかる通信装置による
データ通信において、FECおよびインターリーブを実
行する際に必要となるパラメータである。図17に記載
されたパラメータは図8と同一である。本実施の形態2
においては、G.liteにおける通信装置にて、FE
C処理実行時に必要となるパラメータに、すなわち、図
17に示すインターリーブドバッファ経路での処理にお
けるパラメータに、サブフレーム単位のFEC処理すな
わちR−S多項式によるエラー訂正が可能となるような
R−Sコードワード毎にDMTシンボル数S=2及び5
を設けた。2及び5はサブフレーム単位である10シン
ボルの約数である。設定方法については、先に説明した
G.dmtにおける初期化シーケンスにより、すなわ
ち、ATU−CおよびATU−R間でベンダ情報(G.
994.1)、R−Sコードワード毎のDMTシンボル
数S、R−Sコードワード毎の冗長バイト数R(図11
におけるC−RATES1、R−RATES1)および
モードの設定(図11におけるC−MSGS1,R−M
SGS1)を行うことにより、R−Sコードワード毎の
DMTシンボル数S=2或いは5を設定する。なお、こ
のとき、R−Sコードワード毎の冗長バイト数RはSの
整数倍であることから、S=2のときR=2、4、8、
10となり、S=5のときR=5、10となる。
【0069】これにより、G.liteにおける通信装
置では、サブフレーム単位にFEC処理をかけることが
可能となり、インターリーブドデータバッファ経路にお
けるバッファリング処理の遅延を減少させることがで
き、かつ要求されるエラー訂正能力に合わせたR−Sコ
ードワード毎のDMTシンボル数Sを使用することがで
きる。すなわち、データの送信に1サブフレーム分の遅
延(約2.46ms)しかかからないため、高レートで
のデータ通信が可能となる。それと同時に、R−S符号
化によるエラー訂正能力はR/Sが大きいほどエラー訂
正能力は高くなるため、例えば、R−Sコードワード毎
のDMTシンボル数S=2を設定し、それに合わせてR
−Sコードワード毎の冗長バイト数R=2、4、8、1
0のいずれかを設定することができ、要求されるエラー
訂正能力に合わせた柔軟な設定をすることができる。S
=5を設定した場合も同様に、それに合わせてR=5、
10のいずれかを設定することができ、要求されるエラ
ー訂正能力に合わせた柔軟な設定をすることができる。
また、R−Sコードワード毎のDMTシンボル数Sを小
さくすることにより、符号をデコードする際のバッファ
を小さくすることができる。また、上記遅延時間の値
は、音声サービスの遅延クリティカル量である2〜3m
sを満たすことになる。
【0070】また、本実施の形態2においては、さら
に、G.liteにおける通信装置にて、インターリー
ブ実行時に必要となるパラメータに、すなわち、図1に
示すインターリーブドバッファ経路での処理におけるパ
ラメータに、サブフレーム単位のインターリーブが可能
となるようなインターリーブ幅D=5を設けた。なお、
設定方法については、ATU−CおよびATU−R間で
インターリーブ幅D=2、R−Sコードワード毎のDM
Tシンボル数S=2(図11におけるC−RATES
1,R−RATES1)或いはD=5、S=5の設定を
行う以外は、上記と同様のため、説明を省略する。
【0071】これにより、G.liteにおける通信装
置では、サブフレーム単位にFEC処理をかけることが
可能となり、さらに、サブフレーム単位でインターリー
ブをかけることも可能となり、かつ要求されるエラー訂
正能力に合わせたR−Sコードワード毎のDMTシンボ
ル数Sを使用することができるため、低遅延モードにお
いても、エラー訂正の特性を向上させることができ、か
つ要求されるエラー訂正能力に合わせた柔軟な処理を行
うことができるようになる。
【0072】また、本実施の形態2においては、G.d
mtにおける通信装置にて、インターリーブドデータバ
ッファ経路を選択する際のパラメータを、前記G.li
teにおける通信装置と同様の方法で設定可能とする。
さらに、G.dmtにおける通信装置では、ファースト
データバッファ経路を選択する際のFEC処理実行時に
必要となるパラメータに、すなわち、図17に示すファ
ーストデータバッファ経路での処理におけるパラメータ
に、サブフレーム単位のFEC処理(R−S多項式によ
る)が可能となるようなR−Sコードワード毎のDMT
シンボル数S=2及び5を設けた。なお、設定方法につ
いては、ATU−CおよびATU−R間でS=2及び5
(図11におけるC−RATES1,R−RATES
1)の設定を行う以外は、上記と同様のため、説明を省
略する。
【0073】これにより、G.liteにおける通信装
置では、サブフレーム単位にFEC処理をかけることが
可能となり、インターリーブドデータバッファ経路にお
けるバッファリング処理の遅延を減少させることがで
き、かつ要求されるエラー訂正能力に合わせたR−Sコ
ードワード毎のDMTシンボル数Sを使用することがで
きる。すなわち、データの送信に1サブフレーム分の遅
延(約2.46ms)しかかからないため、高レートで
のデータ通信が可能となる。それと同時に、R−S符号
化によるエラー訂正能力はR/Sが大きいほどエラー訂
正能力は高くなるため、例えば、R−Sコードワード毎
のDMTシンボル数S=2を設定し、それに合わせてR
−Sコードワード毎の冗長バイト数R=2、4、8、1
0のいずれかを設定することができ、要求されるエラー
訂正能力に合わせた柔軟な設定をすることができる。S
=5を設定した場合も同様に、それに合わせてR=5、
10のいずれかを設定することができ、要求されるエラ
ー訂正能力に合わせた柔軟な設定をすることができる。
また、R−Sコードワード毎のDMTシンボル数Sを小
さくすることにより、符号をデコードする際のバッファ
を小さくすることができる。また、上記遅延時間の値
は、音声サービスの遅延クリティカル量である2〜3m
sを満たすことになる。
【0074】また、本実施の形態2では初期化シーケン
ス実行時にエラー訂正処理に関する情報R−Sコードワ
ード毎のDMTシンボル数S及びR−Sコードワード毎
の冗長バイト数R、インターリーブ処理に関する情報で
あるインターリーブ幅Dの設定を行っているが、エラー
訂正処理手段としてのSCRAM&FEC44、45、
DESCRAM&FEC151、152で、例えばS=
R=D=2と決めて処理するようにしてもよい。
【0075】また、本実施の形態2では、サブフレーム
内の処理単位数が10シンボルであり、初期化シーケン
ス実行時にエラー訂正処理に関する情報R−Sコードワ
ード毎のDMTシンボル数S及びR−Sコードワード毎
の冗長バイト数R、インターリーブ処理に関する情報で
あるインターリーブ幅Dの設定を、サブフレーム内の処
理単位数10シンボルの約数単位である2シンボル及び
5シンボルで行う場合について説明したが、これに限ら
れず、サブフレーム内の処理単位数が12シンボルであ
り、初期化シーケンス実行時にエラー訂正処理に関する
情報R−Sコードワード毎のDMTシンボル数S及びR
−Sコードワード毎の冗長バイト数R、インターリーブ
処理に関する情報であるインターリーブ幅Dの設定を、
サブフレーム内の処理単位数12シンボルの約数単位で
ある2シンボル、3シンボル、4シンボル、6シンボル
で行う等他の値を用いても同様の効果を得ることができ
る。
【0076】
【発明の効果】以上説明したように、複数のトーンにデ
ータを割り当ててデータを通信する通信方法を用い、デ
ータ誤りが生じた場合エラーを訂正するエラー訂正処理
を行う通信装置において、前記データ通信の際に前記通
信方法とは異なる他の通信方法を用いた通信装置に対し
て影響を及ぼす場合、前記他の通信方法の周期に応じた
論理フレームであるサブフレーム内の処理単位数の約数
単位で前記エラー訂正処理を行うエラー訂正処理手段を
備えることにより、サブフレーム単位にFEC処理をか
けることが可能となり、インターリーブドデータバッフ
ァ経路におけるバッファリング処理の遅延を減少させる
ことができ、かつ要求されるエラー訂正能力に合わせた
柔軟な設定をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ADSL通信方式におけるハイパーフレーム
のシンボル形式を示す説明図
【図2】 通常モードにおけるDMTシンボルのビット
配分を示す説明図
【図3】 通常モードにおける伝送遅延を具体的に説明
した説明図
【図4】 低遅延伝送モードにおけるDMTシンボルの
ビット配分を示す説明図
【図5】 低遅延伝送モードにおけるDMTシンボルの
ビット配分を示す説明図
【図6】 低遅延伝送モードにおける伝送遅延を説明し
た説明図
【図7】 低遅延伝送モードかつ高レートのデータ通信
を示す説明図
【図8】 本発明にかかる通信装置によるデータ通信に
おいて、FECおよびインターリーブを実行する際に必
要となるパラメータを示す説明図
【図9】 本発明にかかる通信装置の送信系の構成を示
す構成図
【図10】 本発明にかかる通信装置の受信系の構成を
示す構成図
【図11】 G.dmtに規定されている初期化シーケ
ンスを示す説明図
【図12】 G.994.1において交換される情報の
フォーマットを示す説明図
【図13】 C−RATES1およびR−RATES1
の情報を示す説明図
【図14】 C−MSG1およびRMSG1の情報を示
す説明図
【図15】 各バッファに蓄えられるデータのフォマッ
トを示す説明図
【図16】 インターリブドデータのフォーマットを示
す説明図
【図17】 本発明にかかる通信装置によるデータ通信
において、FECおよびインターリーブを実行する際に
必要となるパラメータを示す説明図
【符号の説明】
41 マルチプレックス/シンクコントロール 42、43 サイクリックリダンダンシィチェック(C
RC) 44、45 フォワードエラーコレクション(FEC)
(エラー訂正手段) 46 インターリーブ 47,48 レートコンバーター 49 トーンオーダリング 50 コンステレーションエンコーダ・ゲインスケーリ
ング 51 逆高速フーリエ変換部(IFFT) 52 インプット・パラレル/シリアル・バッファ 53 アナログ・プロセッシング・アンド・DAC 141 アナログ・プロセッシング・アンド・ADC 142 タイムドメインイコライザ(TEC)、 143 インプット・シリアル/パラレル・バッファ 144 高速フーリエ変換部(FFT) 145 周波数ドメインイコライザ(FEC) 146 コンステレーションエンコーダ・ゲインスケー
リング 147 トーンオーダリング 148、149 レートコンバーター 150 デインターリーブ 151,152 DESCRAM&FEC(エラー訂正
手段) 153,154 サイクリックリダンダンシィチェック
(CRC) 155 マルチプレックス/シンクコントロール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5J065 AA02 AA03 AB01 AC02 AD11 AE02 AG06 5K014 AA01 BA08 FA13 FA16 5K022 AA12 AA22 AA41 AA43 DD00 DD13 DD19 DD22 DD32 5K028 AA02 CC02 EE05 FF11 KK01 KK03 MM09 RR04

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のトーンにデータを割り当ててデー
    タを通信する通信方法を用い、データ誤りが生じた場合
    エラーを訂正するエラー訂正処理を行う通信装置におい
    て、 前記データ通信の際に前記通信方法とは異なる他の通信
    方法を用いた通信装置に対して影響を及ぼす場合、前記
    他の通信方法の周期に応じた論理フレームであるサブフ
    レーム内の処理単位数の約数単位で前記エラー訂正処理
    を行うエラー訂正処理手段を備えたことを特徴とする通
    信装置。
  2. 【請求項2】 データ通信に先立って行う初期化処理実
    行時に前記エラー訂正処理に関する情報の設定を行う初
    期化設定手段を備えるとともに、 前記エラー訂正処理手段は、前記初期化設定手段により
    設定された前記エラー訂正処理に関する情報に基づいて
    エラー訂正処理を行うことを特徴とする請求項1記載の
    通信装置。
  3. 【請求項3】 前記初期化設定手段は、初期化処理実行
    時に所定の規則に従ったビットの並び替え及び再生を行
    うインターリーブ処理に関する情報の設定を行うととも
    に、前記インターリーブ処理を前記サブフレーム内の処
    理単位数の約数単位で行うインターリーブ処理手段を備
    えたことを特徴とする請求項2記載の通信装置。
  4. 【請求項4】 前記インターリーブ処理を行う経路と行
    わない経路が存在する場合、前記エラー訂正処理手段
    は、前記インターリーブ処理を行わない経路におけるエ
    ラー訂正処理を前記サブフレーム内の処理単位数の約数
    単位で行うことを特徴とする請求項3記載の通信装置。
  5. 【請求項5】 複数のトーンにデータを割り当ててデー
    タ通信を行い、データ誤りが生じた場合エラーを訂正す
    るエラー訂正処理を行う通信方法において、 データ通信に先立って行う初期化処理実行時に前記エラ
    ー訂正処理に関する情報の設定を行うとともに、 前記通信方法が前記通信方法とは異なる他の通信方法に
    対して影響を及ぼす場合、前記設定されたエラー訂正処
    理に関する情報に基づいて、前記他の通信方法の周期に
    応じた論理フレームであるサブフレーム内の処理単位数
    の約数単位で前記エラー訂正処理を行うことを特徴とす
    る通信方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007513557A (ja) * 2003-12-07 2007-05-24 アダプティブ スペクトラム アンド シグナル アラインメント インコーポレイテッド 適応fec符号語管理

Cited By (2)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007513557A (ja) * 2003-12-07 2007-05-24 アダプティブ スペクトラム アンド シグナル アラインメント インコーポレイテッド 適応fec符号語管理
JP4718479B2 (ja) * 2003-12-07 2011-07-06 アダプティブ スペクトラム アンド シグナル アラインメント インコーポレイテッド 適応fec符号語管理

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