JP2001066647A - 光屈折装置 - Google Patents

光屈折装置

Info

Publication number
JP2001066647A
JP2001066647A JP24362799A JP24362799A JP2001066647A JP 2001066647 A JP2001066647 A JP 2001066647A JP 24362799 A JP24362799 A JP 24362799A JP 24362799 A JP24362799 A JP 24362799A JP 2001066647 A JP2001066647 A JP 2001066647A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
transmitting element
electric field
light transmitting
substance
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP24362799A
Other languages
English (en)
Inventor
Masataka Shingu
正孝 新宮
Hisayoshi Yamoto
久良 矢元
Toru Sugimoto
徹 杉本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP24362799A priority Critical patent/JP2001066647A/ja
Publication of JP2001066647A publication Critical patent/JP2001066647A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光透過素子を介して透過する光を所望の方向
に屈折させて、屈折光の出射先を高速かつ確実に制御す
る。 【解決手段】 所定の電界を印加した共役系電子を保有
する物質よりなる光透過素子2に、光源3から光Lを入
射し、光透過素子3に電界印加手段4により電界を印加
し、この電界の方向、強度を変化させ、共役系電子を保
有する物質の電子状態を変化させることにより、光透過
素子2の屈折率を変化させて出射光の屈折角を制御す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光屈折装置に係わ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、物質の光の屈折率は、その物質固
有の値であり、該物質に入射しここから透過した光の焦
点位置は、その物質でレンズ等を作製したときの表面の
形状によって設定されるものである。
【0003】例えば、ガラスよりなる凸レンズに平行光
線を入射すると、凸レンズから出射した光は焦点Fで集
光する。焦点位置を精密に制御するためには、凸レンズ
の表面を厳密に研磨して形状を整える必要がある。ま
た、レンズによってより効率的な集光を行う場合には、
径の大きいレンズや鏡を使用する必要があるが、これら
レンズや鏡の表面形状を厳密に制御することは、技術的
に困難な点を有するため製作コスト高を招来している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ように凸レンズを研磨して形状を厳密に制御すること
は、レンズ作製や、その後このレンズを使用した場合の
作業性を低下させるおそれがあった。また、複数のレン
ズを組み合わせて使用すると、焦点がぼやけたり、視野
が狭くなったりしてさらに作業性を低下させる原因とな
った。
【0005】焦点がぼやけないようにするためには、レ
ンズの口径の大きいものを適用することが考えられる
が、口径の大きいレンズは、曲率の精密な制御が困難で
あり、また、製作コストが高くなるという問題がある。
【0006】そこで、本発明は、入射した光を所望の角
度をもって屈折させ、焦点位置を自在に制御できる光屈
折装置を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の光屈折装置は、
共役系電子を保有する物質よりなる光透過素子と、光透
過素子に電界を印加する電界印加手段と、光透過素子に
光を入射する光源とを有するものとし、光透過素子に印
加する電界の大きさ、あるいは向きの双方あるいはいず
れかを変化させて共役系電子を保有する物質の電子状態
を変化させ、光透過素子の屈折率を変化させるものとす
る。
【0008】また、本発明の光屈折装置は、共役系電子
を保有する物質よりなる第1の光透過素子と、この第1
の光透過素子と同一あるいは異なる物質の共役系電子を
保有する物質よりなる第2の光透過素子と、少なくとも
第1の光透過素子、第2の光透過素子のいずれかに電界
を印加する電界印加手段と、第1の光透過素子および第
2の光透過素子に光を入射する光源とを有するものと
し、第1の光透過素子、第2の光透過素子の少なくとも
いずれかに印加する電界の大きさ、あるいは向きの変化
によって、共役系電子を保有する物質の電子状態を変化
させて、これらの屈折率を変化させ、第1の光透過素子
あるいは第2の光透過素子から出射する光の屈折角を制
御するものである。
【0009】本発明の光屈折装置は、この装置を構成す
る光透過素子の屈折率を、これに印加した電界の大きさ
あるいは向きの双方あるいはいずれかを変化させること
により、所望の値に制御し、光透過素子から出射する光
を所望の角度をもって屈折させるものである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の光屈折装置は、共役系電
子を保有する物質より成る1以上の光透過素子と、この
光透過素子に電界を印加する電界印加手段と、光透過素
子に光を入射する光源により構成されるものとし、1以
上の光透過素子の内の少なくともいずれかに印加する電
界の大きさ、あるいは向きを変化させることにより、光
透過素子の共役系電子を保有する物質の電子状態を変化
させて、これらの屈折率を所要の値に変化させ、これを
制御するものである。
【0011】以下、本発明の光屈折装置の例について、
図を参照して説明するが、本発明装置は以下に示す例に
限定されるものではない。
【0012】図1に、本発明の光屈折装置100の一例
の概略斜視図であって、光源3から、電界印加手段4に
より電界を印加した光透過素子2に光Lを入射させた状
態図を示す。図1に示す光透過素子2は、互いに非平行
な面である第1の光学面2aと、第2の光学面2bとを
有する共役系電子を保有する物質よりなり、これには例
えば対の電極の第1の電極11と第2の電極12よりな
る電界印加手段4によって電界Eが印加される。
【0013】電界印加手段4は、第1の電極11と第2
の電極12とが光透過素子2を挟んで対向して配置さ
れ、これらの間に所定の電圧をかけてこれを制御するこ
とによって、光透過素子2に対する印加電界Eを所定の
強度に制御する。このとき、印加する電界の強度、方向
を変化させることによって光透過素子2の構成物質の電
子状態が変化し、この光透過素子の屈折率を変化させる
ことができる。
【0014】図1中、光源3からの光、例えば赤色、緑
色、青色の三原色の光が、それぞれ光透過素子2を透過
するが、このとき、光透過素子2の電子状態の変化によ
りこれの屈折率が変化すると、光透過素子2から出射す
る光の方向が電界の強度あるいは方向の変化の前後にお
いて、高速に変化する。例えば図1中に示すように、出
射光の方向をL1 からL2 のように、図1中z方向にお
いて、屈折角を高速に変化させることができる。
【0015】ここで、光透過素子2の材料である共役系
電子を保有する物質には、以下に説明する構造のものが
含まれる。
【0016】分子理論上、二重結合と単結合とが一つお
きにつながった構造を共役二重結合の構造といい、三重
結合と単結合とが一つおきにつながった構造を共役三重
結合の構造という。これらをまとめて共役多重結合の構
造という。このような分子構造を有しているものを、光
透過性素子2を構成するものとして適用する。
【0017】また、二重結合を一つだけ有する構造の場
合や、三重結合を一つだけ有する構造の場合も、共役多
重結合の構造に含められる。これらにおいては、同一の
原子が結合するものに限られず、異なる種類の原子が結
合して共役多重結合を形成する構造のものも含まれる。
また、例えば、アリル基のように二重結合と不対電子と
を有する構造のものや、例えばアセトアミドのように、
二重結合と孤立電子対とを有する構造のものも含まれ
る。また、例えばメチル基のように擬π(パイ)電子に
よる超共役がある場合も、ここでは、共役系電子を保有
する物質に含められる。
【0018】すなわち、共役系電子とは、π電子であ
り、あるいは不対電子であり、あるいは孤立電子対であ
り、あるいは擬π電子である。このように、共役系電子
の少なくともいずれかの電子を含む物質を共役系電子を
保有する物質と呼称する。
【0019】上述したような共役系電子は、外部電界の
影響を受けやすいという性質を有している。これは、外
部電界が加えられると共役系電子が原子間結合に沿って
移動するためである。特に、多くのπ電子からなる共役
系多重結合の構造を有する物質においては、π電子の広
がりが大きくなるため、π電子はそれだけ動きやすくな
り、外部電界の影響を強く受ける。
【0020】また、分子が電気的に中性ではなく、プラ
スやマイナスの電気的な偏りを有している場合には、外
部電界の影響をさらに強く受ける。このように、共役系
電子を保有する物質に外部電界が加わると、分子内での
共役系電子の分布が、外部電界が加わらない場合と比較
して変化する。この電子状態の変化は、共役系電子を保
有する物質に加えられる外部電界の方向や強さに依存し
て変化する。すなわち、分子本来の電子状態が外部電界
の影響を受けると、異なる電子状態に変化する。このこ
とは、印加する外部電界の向き、大きさによって新たな
電気特性を有する物質となることを意味している。
【0021】また、共役系電子を保有する物質は、外部
電界が加わると、その分子による光吸収強度も変化す
る。この分子が電気的に中性ではなく、プラスやマイナ
スの電気的な偏りがある場合には、外部電界の影響をさ
らに強く受け、光吸収強度も大きく変化する。
【0022】ここで、上述した共役系電子を保有する物
質の分子の外部影響によって状態変化が生じる場合の、
この状態変化にかかる時間を、光吸収を例に挙げて説明
する。
【0023】上述した共役系電子を保有する物質は、紫
外線、可視光線、赤外線等の光を、共役系電子の運動エ
ネルギーの増加として吸収し、その結果、電子の運動範
囲は広くなる。光吸収は、光が分子を通過するのに必要
な時間内に起こっている。例えば、波長が500〔n
m〕の光が、一波長分進むためにかかる時間は、500
×10-9〔m〕/3×108 〔m/s〕により求めら
れ、これより、1.67×10-15 〔s〕、すなわち、
約2フェムト秒(10-15 秒)である。すなわち、共役
系電子を保有する物質の分子の、光吸収による電子状態
変化が、約2フェムト秒(10-15 秒)で起こることが
わかる。
【0024】共役系電子を保有する物質の分子の、外部
影響による状態変化として、他の諸特性についても上述
した光吸収と同様のことが言える。すなわち、共役系電
子を保有する物質の分子の、外部電界による電子状態変
化は、約2フェムト秒〔10 -15 秒〕で起こることがわ
かる。
【0025】上記外部影響により変化する物質の状態と
しては、例えば光学的諸特性、例えば、屈折率が挙げら
れる。物質の屈折率については、屈折率の2乗=(誘電
率)×(透磁率)という関係があり、物質固有の物理量
である。したがって、この屈折率も、外部電界の影響に
より状態変化が起こり、その変化は2フェムト秒(10
-15 秒)程度で起こることがわかる。このように、共役
系電子を保有する物質の外部電界による状態変化にかか
る時間が極めて短時間であることは、本発明の露光装置
においては、原子に比べて質量が1/1800程度であ
る電子(共役系電子)を動かせばよいことに起因してい
る。
【0026】例えば、ニオブ酸リチウム結晶が外部電界
により屈折率nが変化することが知られている。例え
ば、波長λ=682.8〔nm〕の光を入射させ、外部
電界の強度を5〔V/μm〕とすると、屈折率の変化Δ
n=5×10-4であることが確かめられている(特開昭
52−111739号公報) また、Sr0.75Ba0.25Nb2 6 についても、同様
に、外部電界の強度を0.05〔V/μm〕とすると、
屈折率の変化Δn=4×10-4であることが確かめられ
ている(特開昭50−115547号公報)
【0027】また、図1に示した光屈折装置100にお
いては、光透過素子2を挟んで、紙面、すなわち、図1
中、yz平面に対して垂直に、対の電極が配置された場
合について説明したが、本発明装置は、この例に限定さ
れるものではなく、紙面、すなわち、yz平面と平行と
なるような面方向に、光透過素子2を挟んで平行に対の
電極を設けて、2対以上の電極による電界印加手段を配
置した場合にも同様に適用することができる。
【0028】図2に、紙面、すなわち図中のyz平面に
対して垂直に、対の電極が配置され、さらにyz平面と
平行になるような面方向に、第3の電極13と第4の電
極14よりなる電界印加手段40を、光透過素子2を挟
んで平行に配置した構成を有する光屈折装置200の概
略図を示す。このような配置の電界印加手段4、40が
それぞれ光透過素子2に電界を印加し、この強さ、方向
を変化させると、光透過素子2の電子状態が変化し屈折
率が変化するため出射光の屈折角が変わる。
【0029】また、図3に示すように、3対の電極を配
置した構成とすることもできる。この場合、紙面、すな
わち図3中のyz平面と垂直になるような面方向であっ
て、第1の電極11および第2の電極12とは垂直にな
るような位置関係に、入射光に対して透明である対の電
極の、第5の電極15および第6の電極16よりなる電
界印加手段50を配置した構成に係るものである。これ
らの入射光に対して透明である電極である第5の電極1
5および第6の電極16は、例えば、ITOやSiOx
等を適用することができる。
【0030】また、上述した例においては、第5の電極
15および第6の電極16を、入射光に対して透明であ
る対の電極とした場合について説明したが、本発明は、
この例に限定されるものではなく、入射光に対して透明
である部分を一部に有する電極や、半透明である部分を
一部に有する電極、全面的に半透明である電極について
も同様に適用することができる。
【0031】上述したような電極対を複数配置した例に
おいては、第1の電極11と第2の電極12との間に所
定の電界をかけ、第3の電極13と第4の電極14との
間にも所定の電界をかけ、さらに、第5の電極15と第
6の電極16との間にも所定の電界をかけ、これらの電
界の方向、強度を調整すると、光透過素子2に入射した
光が光透過素子を透過して、これより出射する側の空間
において、自在に屈折させることができる。
【0032】次に、光屈折素子を複数配置した光屈折装
置の例について説明する。図4に本発明の光屈折装置3
0の他の一例の概略斜視図を示す。この例においては、
共役系電子を保有する物質よりなる第1の光透過素子3
1と、第2の光透過素子32の、2つの光透過素子が同
一直線上に配列されて成る。第2の光透過素子32は、
この例においては、第1の光透過素子31と、同形状の
ものを、図1中、y軸回りに90°回転させたものとす
るが、本発明装置はこのような例に限定されるものでは
なく、第1および第2の光透過素子の形状を異なるもの
とした場合についても同様に適用できる。
【0033】第1の光透過素子31の第1の光学面31
a側には、紫外線、赤外線、可視光線、単色光、多色光
のうちのいずれかを発射する光源33が配置され、この
光源33から照射した光は、第1の光透過素子31およ
び第2の光透過素子32を介して、反対側に出射される
ようになされている。
【0034】また、第1の光透過素子31および第2の
光透過素子32の双方に、あるいはいずれかに所定の大
きさ、向きの電界を印加する電界印加手段35が設けら
れている。この電界印加手段35は、例えば第1および
第2の光透過素子31および32を挟んで平行に配置さ
れた対の電極36および37、電極38および電極37
を適用することができる。
【0035】第1の光透過素子31の光入射面である第
1の光学面31aは、図4中、z軸方向に傾いている。
また、第2の光透過素子32は、第1の光透過素子31
をy軸回りに90°回転させたものであるので、第2の
光透過素子32の光入射面である第2の光学面32aは
x軸方向に傾いている。
【0036】対の電極36および37、電極38および
37のそれぞれの対の電極により構成される第1の電界
印加手段35a、第2の電界印加手段35bにより、第
2の光透過素子32、第1の光透過素子31にそれぞれ
所定の電界Eを印加し、光源33から光Lを第1の光学
面31aから入射する。この場合、第1の電界印加手段
35aと、第2の電界印加手段35bとでは、それぞれ
異なる電界E1 ,E2 を印加することができる。
【0037】第1の光透過素子31は、図4中、yz面
内で入射面と出射面とが傾いているので、第1の光透過
素子31からの出射光は、第1の光透過素子に印加した
電界の強度、方向を変化させることにより、z方向に屈
折方向が変化する。また、第2の光透過素子32は、図
4中、xy平面で入射面と出射面とが傾いているので第
2の光透過素子32からの出射光は、第2の光透過素子
に印加した電界の強度、方向を変化させることによりx
方向に屈折方向が変化する。
【0038】このように、光透過素子31および32の
光の入射面と出射面とを、図4中に示すxy平面、yz
平面、xz平面のいずれかにおいて傾いているようにす
ることによって、各光透過素子からの出射光を、所望の
方向に屈折させ、さらに電界E1 ,E2 の強度、方向の
調整を行うことにより、光の出射方向を自在に調整する
ことができる。
【0039】図4に示した例においては、第1の光透過
素子31と第2の光透過素子32とが、互いに分離され
て配置された場合について示したが、以下に示す他の一
例においては、2以上の光透過素子を互いの一主面にお
いて接し、全体としては一つの、異方性の光透過素子を
適用した場合について説明する。
【0040】図5に本発明の光屈折装置の要部である光
透過素子の他の一例の概略斜視図を示す。また、図6A
に、光透過素子150をyz平面側から見た側面図を示
し、図6Bに光透過素子150をxy平面側から見た上
面図を示す。
【0041】図5に示した光透過素子150のa面は、
図6Aの側面図に示すように、その斜辺はyz平面に対
して傾いている。また、光透過素子150のb面は、図
6Bの上面図に示すように、その斜辺は、xz平面に対
して傾いている。
【0042】図7に、図5に示した光透過素子150
に、例えば対の電極111および112よりなるよりな
る電界印加手段110によって所定の強さ、方向の電界
を印加し、光源33から光透過素子150に光を入射さ
せた状態の概略側面図を示す。図7に示すように、入射
光Lは、まずa面によって屈折し、図7中、z方向で変
化する。さらに図8に、上面図を示すようにb面によっ
て屈折し、図8中、x方向で変化する。すなわち、図5
に示すような異方性の光透過素子150を用いると、最
終的に出射光をxz平面内において自在に屈折光の方向
を制御することができる。
【0043】上述した本発明の光屈折装置の各例を構成
する光透過素子は、以下に示す各種共役系電子を保有す
る物質によって構成することができる。例えば、カロチ
ノイド系の材料としては、β−カロチン、フィコキサン
チン等や、フラボン、フラボノール、アントシアン系材
料としては、フラビン、アントシアニン等や、ポルフィ
リン系材料としては、テトラピロール誘導体等を適用す
ることができる。また、アミノ酸や核酸、エチレン等の
炭化水素系化合物、その他、三重結合を有する共役系電
子保有物質としてはポリアセチレン等、超共役電子を保
有する物質として、ビタミンA等も適用することができ
る。
【0044】また、いわゆる共役系電子を有する物質で
あれば、有機物に限定されることなく、無機物、例えば
ガラス、二酸化珪素についても同様に適用することがで
きる。
【0045】また、上記各種有機物、各種無機物の混合
物、さらに、これら有機物と無機物との混合物について
も、用途に応じて適用することができる。
【0046】また、本発明の光屈折装置の各例を構成す
る光透過素子は、上述の各実施例において示した形状に
限定されるものではなく、図9A〜図9Hにその他の例
の一部を示すように、種々の形状に適用することができ
る。例えば、図9Aに示す板状、四角柱状、図9Bに示
す多面体、図9Cに示す回転楕円体状、図9Dに示すメ
ニスカスレンズ形状、図9Eに示す三角柱形状、図9F
に示す球を平面で切断した形状、図9Gに示す半円柱形
状、図9Hに示す中空を有する棒状、その他球状、円錐
状、三角錐状、リング状、多角棒状、瓢箪形状、四角錐
を底面に平行な面で切った台状の立体、四角柱の側面を
外側にわん曲させた立体、多角柱の少なくとも一の側面
を外側にわん曲させた立体、円錐の母線を外側にわん曲
させた立体、その他、曲面と平面とを組み合わせた立
体、複数の曲面を組み合わせた立体等、入射光を屈折さ
せることのできる各種形状のものを適用することができ
る。
【0047】また、上記共役系電子を保有する物質が、
固体である場合には、これらを各種形状に加工すること
ができ、液体である場合には、各種形状のガラスや石英
等の入射光に対して透明な素材からなる容器で封じるこ
とにより、光透過素子として適用できる。また、上記共
役系電子を保有する物質が、気体である場合には、上記
各種形状のガラスや石英等の、入射光に対して透明の素
材からなる容器を密閉してこれを適用することができ
る。
【0048】なお、光透過素子に入射する光の波長は、
光透過素子に適用する物質によって選定することが必要
である。以下、これについて説明する。光透過素子2に
適用する物質として、ブタジエン、ヘキサトリエン、ト
リプトファン、フィトクロモビリンを用いた場合に、そ
れぞれにおいて適用する入射光Lの波長の例を(表1)
に示す。(表1)中、共役系の大きさとは、π電子の広
がり範囲であり、最長の吸収帯の波長とは、最も長波長
側にある吸収帯のピークの位置を示す波長である。
【0049】
【表1】
【0050】(表1)に示すように、ブタジエンにおい
ては、最長の吸収帯の波長、すなわち吸収帯の最大の吸
収を示す波長が235nmであり、吸収帯の広がりを考
慮すると、適用する光の波長は、この1.4倍程度の長
さの300nm以上であるものとすることができる。ヘ
キサトリエンについては、最長の吸収帯の波長が273
nmであり、吸収帯の広がりを考慮すると、適用する光
の波長は、350nm以上であるものとすることができ
る。トリプトファンについては、最長の吸収帯の波長が
280nmであり、吸収帯の広がりを考慮すると、適用
する光の波長は、400nm以上であるものとすること
ができる。フィトクロモビリンについては、最長の吸収
帯の波長が690nmであり、吸収帯の広がりを考慮す
ると、適用する光の波長は、800nm以上であるもの
とすることができる。
【0051】上述のように、適用する光の波長を最長の
吸収波長よりも長い波長に選定するのは、共役系電子を
保有する物質の吸収は、線スペクトルではなく、吸収帯
に幅があるため、少なくとも最長の吸収波長よりもさら
に吸収帯の幅の分だけ長い波長を有する光でなければ吸
収されてしまうためである。
【0052】次に、図10に示すように、上記共役系電
子を保有擦る物質よりなるプリズム70に入射角=60
°として、光を入射させる場合であって、プリズム70
の屈折率nを、1.28〜1.32の範囲で変化させた
場合の、出射光の屈折角rと、nが1.30の場合を基
準とした屈折角の変化量Δrを、(表2)に示す。
【0053】
【表2】
【0054】なお、入射角=60°、屈折角をr°、屈
折率をnとした場合には、以下に示す関係式が成立す
る。 r=sin-1{n×sin〔90°−sin-1(sin
60°/n)〕}
【0055】この(表2)によれば、屈折率nが、0.
01だけ変化すると、出射光の進行方向は、約3.57
°程度も変化することがわかる。また、このとき、誘電
率の変化は、約1.69から約1.72のわずか0.0
3程度、すなわち、1.5%程度だけ変化した。
【0056】上述したように、本発明の光屈折装置によ
れば、共役系電子を保有する物質よりなる光透過素子に
所定の電界を印加し、この電界の大きさあるいは方向を
変化させることにより、光透過素子の電子状態を変化さ
せ、この屈折率を変化させることができる。これにより
光透過素子に入射した光がここから屈折して出射する際
の出射光の方向を所望の方向に制御することが可能にな
る。
【0057】
【発明の効果】本発明の光屈折装置によれば、共役系電
子を保有する物質よりなる光透過素子に所定の電界を印
加し、この電界の大きさあるいは方向を変化させること
により、光透過素子の電子状態を変化させ、この屈折率
を変化させることができ、これに応じて出射光を迅速か
つ正確に所望の方向、角度に屈折させることができた。
【0058】本発明の光屈折装置によれば、これを構成
する光透過素子に印加する電界の強度、方向を調節する
ことにより、出射光を迅速かつ正確に所望の方向、角度
に屈折させることができ、これにより、各種表示装置、
高速スイッチ、高速メモリ、光学機器に適用するとき、
これらの機器の小型化、省エネルギー化を図ることが可
能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光屈折装置の一例の概略図を示す。
【図2】本発明の光屈折装置の他の一例の概略図を示
す。
【図3】本発明の光屈折装置の他の一例の概略図を示
す。
【図4】本発明の光屈折装置であって、光透過素子を2
個配列した例の概略図を示す。
【図5】光透過素子の一例の概略斜視図を示す。
【図6】A 光透過素子の概略側面図を示す。 B 光透過素子の概略上面図を示す。
【図7】図5に示した光屈折素子に光を入射させた概略
側面図を示す。
【図8】図5に示した光屈折素子に光を入射させた概略
上面図を示す。
【図9】A〜H 本発明の光屈折装置を構成する光透過
素子の形状の例を示す。
【図10】プリズムへの光の入射角を60°とした場合
の出射光の屈折の状態図を示す。
【符号の説明】
2,150 光透過素子、2a 第1の光学面、2b
第2の光学面、3,33光源、4,40,35,50
電界印加手段、11 第1の電極、12 第2の電極、
13 第3の電極、14 第4の電極、15 第5の電
極、16 第6の電極、30 光屈折装置、31 第1
の光透過素子、32 第2の光透過素子、35a 第1
の電界印加手段、35b 第2の電界印加手段、36
第1の電極、37 第2の電極、38 第3の電極、7
0 プリズム、100,200,300 光屈折装置、
111,112 電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 矢元 久良 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 杉本 徹 神奈川県横浜市青葉区黒須田22−15 Fターム(参考) 2K002 AA07 AB06 AB07 AB08 CA03 CA06 HA03

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 共役系電子を保有する物質よりなる光透
    過素子と、 上記光透過素子に電界を印加する電界印加手段と、 上記光透過素子に光を入射する光源とを有し、 上記光透過素子に印加する電界の大きさ、あるいは向き
    の双方あるいはいずれかを変化させて上記共役系電子を
    保有する物質の電子状態を変化させ、上記光透過素子の
    屈折率を変化させ、上記光透過素子より出射する光の屈
    折角を変化させることを特徴とする光屈折装置。
  2. 【請求項2】 共役系電子を保有する物質よりなる第1
    の光透過素子と、 上記第1の光透過素子と同一あるいは異なる物質の共役
    系電子を保有する物質よりなる第2の光透過素子と、 上記第1の光透過素子および第2の光透過素子に電界を
    印加する電界印加手段と、 上記第1の光透過素子および上記第2の光透過素子に光
    を入射する光源とを有し、 上記第1の光透過素子、第2の光透過素子の少なくとも
    いずれかに印加する電界の大きさ、あるいは向きの変化
    によって、上記共役系電子を保有する物質の電子状態を
    変化させ、上記第1および第2の光透過素子の屈折率を
    変化させ、上記第2の光透過素子から出射する光の屈折
    角を変化させることを特徴とする光屈折装置。
  3. 【請求項3】 上記第1の光透過素子と上記第2の光透
    過素子とが、互いの一主面において接して配置されて成
    ることを特徴とする請求項2に記載の光屈折装置。
  4. 【請求項4】 上記第1の光透過素子と上記第2の光透
    過素子とが、互いの一主面において対向して分離されて
    配置されて成ることを特徴とする請求項2に記載の光屈
    折装置。
  5. 【請求項5】 上記電界印加手段は、上記光透過素子を
    挟み込んで平行に配列された少なくとも一対の電極であ
    ることを特徴とする請求項1に記載の光屈折装置。
  6. 【請求項6】 上記電界印加手段は、上記第1の光透過
    素子および第2の光透過素子を挟み込んで平行に配置さ
    れた少なくとも一対の電極であることを特徴とする請求
    項2に記載の光屈折装置。
  7. 【請求項7】 上記電界印加手段の少なくとも一部が、
    入射光を透過する透明あるいは半透明となされているこ
    とを特徴とする請求項1に記載の光屈折装置。
  8. 【請求項8】 上記電界印加手段の少なくとも一部が、
    入射光を透過する透明あるいは半透明となされているこ
    とを特徴とする請求項2に記載の光屈折装置。
  9. 【請求項9】 上記光透過素子に入射する光は、紫外
    線、赤外線、可視光線、単色光、多色光のうちのいずれ
    かであることを特徴とする請求項1に記載の光屈折装
    置。
  10. 【請求項10】 上記光透過素子に入射する光は、紫外
    線、赤外線、可視光線、単色光、多色光のうちのいずれ
    かであることを特徴とする請求項2に記載の光屈折装
    置。
JP24362799A 1999-08-30 1999-08-30 光屈折装置 Pending JP2001066647A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24362799A JP2001066647A (ja) 1999-08-30 1999-08-30 光屈折装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24362799A JP2001066647A (ja) 1999-08-30 1999-08-30 光屈折装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001066647A true JP2001066647A (ja) 2001-03-16

Family

ID=17106648

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24362799A Pending JP2001066647A (ja) 1999-08-30 1999-08-30 光屈折装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001066647A (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS643633A (en) * 1987-06-26 1989-01-09 Ricoh Kk Second harmonic wave intensity modulating system
JPH0421825A (ja) * 1990-05-16 1992-01-24 Matsushita Electric Ind Co Ltd 光走査装置
JPH05313212A (ja) * 1991-01-08 1993-11-26 Jiesu:Kk 光偏向器及び光交換機
JPH08211423A (ja) * 1995-02-03 1996-08-20 Sharp Corp 偏向装置及びそれを用いた画像シフト型撮像装置
JPH11231002A (ja) * 1998-02-16 1999-08-27 Toyota Central Res & Dev Lab Inc 光センサ素子
JP2001066646A (ja) * 1999-08-30 2001-03-16 Sony Corp 光屈折装置

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS643633A (en) * 1987-06-26 1989-01-09 Ricoh Kk Second harmonic wave intensity modulating system
JPH0421825A (ja) * 1990-05-16 1992-01-24 Matsushita Electric Ind Co Ltd 光走査装置
JPH05313212A (ja) * 1991-01-08 1993-11-26 Jiesu:Kk 光偏向器及び光交換機
JPH08211423A (ja) * 1995-02-03 1996-08-20 Sharp Corp 偏向装置及びそれを用いた画像シフト型撮像装置
JPH11231002A (ja) * 1998-02-16 1999-08-27 Toyota Central Res & Dev Lab Inc 光センサ素子
JP2001066646A (ja) * 1999-08-30 2001-03-16 Sony Corp 光屈折装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5142356B2 (ja) 立体画像変換パネル
US7010211B2 (en) Fiber optical attenuator
CN1178091C (zh) 具有改进的光学系统的彩色液晶投影器
US4564267A (en) Variable-focal-length lens
US20160265749A1 (en) Light-emitting device including photoluminescent layer
DE60112659T2 (de) Moden-anpassung für "cavity-ring-down"-spektroskopie in einer auf retroreflektoren mit brewsterwinkeln basierenden kavität
CN104379993A (zh) 结构化光学膜
JP2000111851A (ja) 波長以下の径の貫通孔を有する金属薄膜を利用する光透過制御装置
ITTO960454A1 (it) Dispositivo a microfiltri e microschopper per la selezione dinamica di colori ed immagini.-
JP4600238B2 (ja) 画像表示装置
US6654168B1 (en) Inorganic visible light reflection polarizer
JP4589805B2 (ja) 偏光制御素子
CN1518679A (zh) 具有与极低偏振有关的损耗和偏振模色散的动态光谱均衡器和波长选择开关
JP2002014419A5 (ja)
CN100378491C (zh) 干涉滤光片
JP2007240709A (ja) 多焦点眼鏡
JP2001066647A (ja) 光屈折装置
JPH0990310A (ja) 反射型液晶表示素子及びその応用装置
JP2001066646A (ja) 光屈折装置
KR101866193B1 (ko) 이중 초점 렌즈 및 그 제조 방법
JP2001066645A (ja) 集光装置
JP2001067007A (ja) ディスプレイ装置
JPH0713146A (ja) 液晶表示素子およびそれを用いた応用装置
KR102662182B1 (ko) 빔 조향 장치
JPH0815689A (ja) 液晶表示器

Legal Events

Date Code Title Description
RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20040227

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060308

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081006

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081014

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090407