JP2001064836A - 耐摩耗性を有する不燃糸、不燃性布帛及びその製造方法 - Google Patents

耐摩耗性を有する不燃糸、不燃性布帛及びその製造方法

Info

Publication number
JP2001064836A
JP2001064836A JP24080499A JP24080499A JP2001064836A JP 2001064836 A JP2001064836 A JP 2001064836A JP 24080499 A JP24080499 A JP 24080499A JP 24080499 A JP24080499 A JP 24080499A JP 2001064836 A JP2001064836 A JP 2001064836A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fiber
yarn
resistant
combustible
heat
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP24080499A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4044249B2 (ja
Inventor
Yuji Fujita
雄二 藤田
Yoshitoyo Hongo
欣豊 本郷
Jiyunkan Takiguchi
順寛 瀧口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
IST Corp Japan
Original Assignee
IST Corp Japan
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by IST Corp Japan filed Critical IST Corp Japan
Priority to JP24080499A priority Critical patent/JP4044249B2/ja
Publication of JP2001064836A publication Critical patent/JP2001064836A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4044249B2 publication Critical patent/JP4044249B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • DTEXTILES; PAPER
    • D02YARNS; MECHANICAL FINISHING OF YARNS OR ROPES; WARPING OR BEAMING
    • D02GCRIMPING OR CURLING FIBRES, FILAMENTS, THREADS, OR YARNS; YARNS OR THREADS
    • D02G3/00Yarns or threads, e.g. fancy yarns; Processes or apparatus for the production thereof, not otherwise provided for
    • D02G3/44Yarns or threads characterised by the purpose for which they are designed
    • D02G3/443Heat-resistant, fireproof or flame-retardant yarns or threads

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Textile Engineering (AREA)
  • Knitting Of Fabric (AREA)
  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
  • Woven Fabrics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 不燃性、柔軟性、風合い等を失わずに、耐摩
耗性を向上させた不燃糸、その不燃糸を用いた不燃性布
帛及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 少なくとも1種の耐熱長繊維と少なくと
も1種の耐摩耗繊維とからなる合撚糸に、未焼成フッ素
樹脂を含浸し焼成した不燃糸を構成する。また、その不
燃糸を用いて不燃性布帛を作製する。不燃糸の製造に際
しては、耐熱長繊維と耐摩耗繊維を合撚加工する際に、
耐熱長繊維にかかる張力を耐摩耗繊維にかかる張力より
も大きくして、合撚糸の外周部に配置された耐摩耗繊維
の割合が、耐熱長繊維の割合よりも大となるように合撚
加工する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば列車、バス、航
空機、ホテル等に用いるのに好適な、柔軟で肌触りがよ
く、不燃性に優れるとともに耐摩耗性にも優れた不燃性
布帛に関し、特に、少なくとも2種の耐熱長繊維を用い
た合撚糸の表面にフッ素樹脂を被覆した不燃糸、その不
燃糸を用いた不燃性布帛、及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】不燃性材料はその用途に応じて多くのも
のが開発され市場に出されている。例えば、建築材料、
インテリア材料、産業資材など、防災における安全性の
面、または信頼性の面などの要求に対して幅広い分野で
不燃性材料の開発がなされている。超高層ビルや病院、
老人ホーム等の内装インテリア材料、さらに、新幹線な
どの車両内装材等は、不燃性の特性やインテリア特性、
風合い、人が触れた時の感触とともに耐摩耗性などの耐
久性が要求されてきている。
【0003】従来、耐熱性繊維にフッ素樹脂を含浸ある
いは被覆して不燃性布帛を製作する技術は知られてお
り、フィラメント、撚糸、紡績糸等にフッ素樹脂を含
浸、被覆し防汚性、耐薬品性の改良、ミシン性、耐紫外
線性などの改良がなされたヤーンが市販されている。そ
の製造方法は、特公平4−016339号公報に開示さ
れている。
【0004】また、同様に耐熱長繊維にフッ素樹脂を含
浸、被覆した繊維を用いた布帛で、無煙性、かつ皮膚に
対するチクチク感等の不快感がなく、クリーニング性、
色彩、風合いなどが改良されたものが、特開平8−14
4173号公報において提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の繊維、例え
ば、ガラス繊維の表面にフッ素樹脂を含浸、被覆した繊
維では、縫製糸としてのミシン性は改良されているが、
壁などに貼る断熱クロスやカーテン等に用途に用いる繊
維としては、擦れ等による繊維の破損が起こるという問
題があった。
【0006】本発明は、従来の課題を解決するため、不
燃性、柔軟性、風合い等を失わずに、耐摩耗性を向上さ
せた不燃糸、その不燃糸を用いた不燃性布帛及びその製
造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の不燃糸は、少なくとも1種の耐熱長繊維と
少なくとも1種の耐摩耗繊維とからなる合撚糸に、未焼
成フッ素樹脂を含浸し焼成したことを特徴とする。この
構成により、不燃性、柔軟性、風合い等に優れ、しかも
耐摩耗性の向上した不燃糸を得ることができる。
【0008】好ましくは、合撚糸の外周部に配置された
耐摩耗繊維の割合が、耐熱長繊維の割合よりも大である
ように撚糸した合撚糸を用いる。それにより、合撚糸の
外側に配置された耐摩耗繊維による耐摩耗性が効果的に
発揮される。
【0009】好ましくは、耐摩耗繊維の繊維径を耐熱長
繊維の繊維径よりも大とする。それにより、耐摩耗繊維
が合撚糸の外周部により多く配置され易くなる。
【0010】また、耐熱長繊維をガラス繊維及びカーボ
ン繊維から選ばれた少なくとも1種とし、耐摩耗繊維を
ポリイミド繊維、芳香族系ポリアミド繊維、芳香族ポリ
エステル繊維、ポリアリレート繊維及びPBP(ポリパ
ラフェニレンベンゾビスオキサザール)樹脂から選ばれ
た少なくとも1種とすることが、好ましい。より好まし
くは、耐熱長繊維としてガラス繊維を、耐摩耗繊維とし
て芳香族系ポリアミド繊維を用いる。
【0011】さらに好ましくは、ガラス繊維の繊維径よ
りも芳香族ポリアミド繊維の繊維径を大きくし、芳香族
ポリアミド繊維の混合割合を30〜70重量%の範囲と
する。ガラス繊維の繊維径より芳香族ポリイミド繊維の
繊維径が大きい構成で繊維を撚り合わせた場合、合撚糸
の表面で芳香族ポリアミド繊維が外側に配置されやすく
なり、耐摩耗性が向上する。ガラス繊維に対する芳香族
ポリイミド繊維の混合割合は、ガラス繊維を多く使用す
ると不燃性は完全なものになるが耐摩耗性は低下するの
で、不燃性を損なわず、なおかつ耐摩耗性を両立させる
ためには、耐摩耗繊維の割合を30〜70重量%の範囲
とするのが良い。より好ましくは、耐摩耗繊維の割合を
40〜60重量%の範囲とする。
【0012】また、ガラス繊維と芳香族系ポリアミド織
維を用い、1インチ間の撚り数を1〜10回とすること
が好ましい。撚り数が10回を超えた場合は、手で触れ
るとチクチクした感触があって、実用に適さない。
【0013】合撚糸にフッ素樹脂を含浸および焼成した
ときの付着率は5〜30重量%の範囲とする。フッ素樹
脂は不燃性樹脂であり、なおかつ防汚特性を兼ね備えて
いると同時に、ガラス繊維と芳香族ポリイミド繊維の合
撚糸の表面保護材としての特徴を持つ。すなわちガラス
繊維は毛羽立ちやすく屈強性が弱い材料であるが、フッ
素樹脂加工することにより製織加工時の毛羽立ちや摩耗
を防止できる。フッ素樹脂の付着量は5〜30重量%の
範囲が好ましく、より好ましくは15〜25%である。
【0014】フッ素樹脂には着色剤を含有させることが
好ましい。このフッ素樹脂で着色した不燃糸は、布帛の
デザインや目で見た感覚を向上させ、糸の状態で着色材
の混合されたフッ素樹脂加工を行うため、製織設計にお
ける着色不燃糸の組み合わせで幅広いデザイン性を持つ
布帛を作ることができる。
【0015】上記の不燃糸を用いて布帛を構成すること
により、実用上好ましい特性を有する不燃性布帛を得る
ことができる。不燃糸製布帛は、アルコールの燃焼試験
において着火、着炎がなく、発煙が僅少でありカストム
式耐摩耗破壊回数が1,000回以上であることが好ま
しい上記燃焼試験における着火、着炎および発煙が僅少
であると、高層ビルや車両内装材料、あるいは老人ホー
ムなどのインテリア材料などに使用した場合でも安全
で、不慮の災害に十分に対応できる。また、耐摩耗破壊
回数は回数が多いほど摩耗耐久性がよくなり好ましい
が、1000回以上であれば、不特定多数の人々がいろ
いろな形で接触する車輪内装材料や一般家屋のカーテン
のように頻繁に開け閉めするところに使用されても十分
に対応できる。
【0016】次に本発明の不燃糸の製造方法は、少なく
とも1種の耐熱長繊維と少なくとも1種の耐摩耗繊維と
からなる合撚糸に、未焼成フッ素樹脂を含浸し焼成した
不燃糸の製造方法であって、耐熱長繊維と耐摩耗繊維を
合撚加工する際に、耐熱長繊維にかかる張力を耐摩耗繊
維にかかる張力よりも大きくして、合撚糸の外周部に配
置された耐摩耗繊維の割合が、耐熱長繊維の割合よりも
大となるように合撚加工することを特徴とする。すなわ
ち耐摩耗性を向上させるためには、耐熱長繊維の外側に
耐摩耗繊維を配置することが効果的である。耐熱長繊維
と耐摩耗繊維を合撚するときに、耐熱長繊維にかかる張
力を耐摩耗繊維にかかる張力よりも大きくして撚糸する
と、その張力により合撚糸の内側に耐熱長繊維が配置さ
れることになり、この構造を保持したまま製織加工して
布帛の耐摩耗性を改良できる。
【0017】ガラス繊維と芳香族系ポリアミド繊維の合
撚糸を用いて不燃糸を製造する場合には、ガラス繊維と
芳香族系ポリアミド繊維を合撚加工する際に、ガラス繊
維に40〜150gの張力をかけ、芳香族系ポリアミド
繊維には通常の巻き取りに必要な張力のみがかかるよう
にして合撚加工することが、好ましい。
【0018】また、耐熱長繊維と耐摩耗繊維を用いた合
撚糸に未焼成フッ素樹脂を含浸させた後加熱焼成を行う
工程においては、合撚糸の巻き出しから巻き取りの間に
おいて耐摩耗繊維の熱収縮を抑制するための張力をかけ
て加熱焼成を行うことが好ましい。耐熱長繊維としてガ
ラス繊維を用い、耐摩耗繊維として芳香族系ポリアミド
繊維を用いる場合には、合撚糸に未焼成フッ素樹脂を含
浸させた後加熱焼成を行う工程において、合撚糸の巻き
出しから巻き取りの間において40g以上の張力をかけ
て加熱焼成を行う。
【0019】フッ素樹脂は一般的に250℃以上の融点
を持ち、未焼成フッ素樹脂を合撚糸に含浸した後、フッ
素樹脂の融点以上に合撚糸および含浸されたフッ素樹脂
を加熱する必要がある。たとえばポリテトラフルオロエ
チレン樹脂(PTFE)は327℃に融点があり、この
温度以上に加熱して焼成する必要がある。このように高
温度で加熱焼成を行う工程において、合撚糸の中の芳香
族ポリイミド繊維は収縮しようとする。
【0020】ガラス繊維と芳香族ポリイミド繊維の合撚
糸において、芳香族ポリイミド繊維が熱収縮すると、芳
香族ポリイミド繊維が引張られて張力がかかったような
状態になり、芳香族ポリイミド繊維が撚り糸の内部に配
置される構造に動き、ガラス繊維が合撚糸の外側に出て
くることになる。すなわち、芳香族ポリイミド繊維が熱
収縮して突っ張ったような状態になるのに対して、ガラ
ス繊維は熱収縮しないため、芳香族ポリイミド繊維の熱
収縮に伴ってたるみができ、合撚糸の外側にガラス繊維
が配置されることになる。この状態では耐摩耗性は低下
する。そのような現象を抑制するために、未焼成フッ素
樹脂を合撚糸に含浸した後フッ素樹脂を焼成する工程
で、40g以上の張力をかけることが効果的である。但
し、張力をかけすぎると糸切れが発生する。
【0021】なお、上記の熱収縮に起因する対策の作用
効果は、他の種類の繊維を用いた場合についても同様で
ある。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態における不燃
糸は、不燃性を維持したまま優れた耐摩耗性を改善する
ために、不燃材料である耐熱長繊維と、不燃材料ではな
いが耐摩耗性に優れている耐摩耗繊維とから作製した合
撚糸を用いて構成する。特に、耐熱長繊維の周囲に耐摩
耗繊維を配置した構造をとることにより、耐摩耗性を効
果的に発揮させることができる。より正確には、合撚糸
の外周部に配置された耐摩耗繊維の割合が、耐熱長繊維
の割合よりも大となるように撚糸した合撚糸を用いる。
耐摩耗繊維の繊維径を耐熱長繊維の繊維径よりも大とす
ることにより、容易にそのような形態をとることが可能
となる。
【0023】上記の合撚糸には、未焼成フッ素樹脂を含
浸し焼成することにより、合撚糸の表面保護材としての
被覆を形成する。
【0024】耐熱長繊維としては、ガラス繊維あるいは
カーボン繊維を用いることができる。 本発明に用いる
ガラス繊維は、特に限定されるものではないが、ガラス
長繊維のフィラメントの外径が大きくなると、ガラス繊
維が人間の皮膚に対していわゆるチクチクした触感を与
える現象が出てきて不快感の原因となるため、フィラメ
ントの外径は6ミクロン以下が望ましい。ガラス繊維の
呼称はそのフィラメント外径やフィラメントの本数およ
び構成で一般的に表示されている。
【0025】また耐摩耗繊維は、ポリイミド繊維、芳香
族系ポリアミド繊維、芳香族ポリエステル繊維、ポリア
リレート繊維、PBP繊維(ポリパラフエニレンベンソ
ヒスオキサザール)などを用いることができる。芳香族
系ポリアミド繊維ではメタ、パラ系でそれぞれノーメッ
クス、コーネックス、およびケブラー(いずれも商品
名)などがあり、また芳香族ポリエステル繊維ではテク
ノーラ(商品名)、ポリアリレート繊維ではベクトラン
(商品名)、PBP繊維ではザイロン(商品名)など
が、それぞれ繊維メー力一から市販されている。
【0026】次に合撚糸にフッ素加工を行う工程におい
て用いるフッ素樹脂は、フッ素樹脂の一次粒子を界面活
性で水中に分散したディスパージョンと呼ばれる水分散
懸濁液を使用することができる。フッ素樹脂も特に限定
されるものではないが、ポリテトラフロロエチレン樹脂
(PTFE樹脂)、テトラフロロエチレン−ヘキサフロ
ロプロピレン共重合体(FEP樹脂)、テトラフロロエ
チレン−パーフロロビニルエーテル共重合体(PFA樹
脂)などが一般的であり、用途に応じて混合したりある
いは水分散液以外に、溶媒に分散したフッ素樹脂エナメ
ル液などを用いることができる。
【0027】着色剤としては、市販されている顔料、染
料を使用することが出来る。着色剤とフッ素樹脂ディス
パージョンとの混合は、顔料や染料の粉体を直接混合す
ることも出来るが、あらかじめ着色材料を水中に分散さ
せた分散液(カラーディスパージョン)を用いても良
い。ただし、フッ素樹脂の焼成温度は300℃を超える
ものもあり、この温度に耐える着色材料としては顔料を
使うことがが好ましい。
【0028】耐熱長繊維、耐摩耗性繊維およびフッ素樹
脂、着色剤などの選定あるいは組合わせは、車両内装材
料や、家屋のインテリア材料、壁材などの要求に応じて
自由に選定し組みあわせることができる。更に各繊維の
大きさ、織物の織り組織、着色不撚糸の糸使いなどによ
って、そのデザイン性なども幅広く対応することができ
る。
【0029】本発明の不燃糸の製造方法は、要約する
と、耐熱長繊維と耐摩耗繊維を合撚加工する工程におい
て、耐熱長繊維にかかる張力を耐摩耗繊維にかかる張力
よりも大きくすることと、合撚糸に未焼成フッ素樹脂を
含浸させた後加熱焼成を行う工程において、耐摩耗繊維
の熱収縮を抑制するための張力をかけて加熱焼成を行う
ことに特徴を有する。
【0030】例えばガラス繊維と芳香族ポリアミド繊維
の少なくとも2種類からなる合撚糸を作製する工程にお
いては、ガラス繊維に40〜150gの張カをかけて撚
糸する。芳香族系ポリアミド繊維には通常の巻き取りに
必要な張力のみをかける。また、合撚糸にフッ素加工を
行う工程においては、未焼成フッ素樹脂を含浸し加熱焼
成する際に、合撚糸に40g以上の張力をかけて加熱焼
成を行う。
【0031】上記の製造方法により、不燃性を維持した
まま優れた耐摩耗性を有する合撚糸を効果的に得ること
が可能となる。すなわち不燃材料であるガラス繊維と、
耐摩耗性は優れているが燃焼する芳香族ポリアミド繊維
との合撚糸において、ガラス繊維の外側に耐摩耗性の優
れた芳香族ポリアミド繊維を配置した構成を実現し、不
燃性と耐摩耗性を両立させることができる。ガラス繊維
と芳香族ポリアミド繊維を合撚するときに、ガラス繊維
に40〜150gの張力をかけて撚糸すると、合撚糸の
内側にガラス繊維が配置され、張力のかかっていない芳
香族ポリアミド繊維がガラス繊維の周囲により多く突出
したような状態になり、耐摩耗性が有効に発揮される。
【0032】各工程中の張力の測定は、中浅測器(株)
のテンションメータ(型式T−101−10)を使用す
ると、それぞれの繊維を走行させた状態でも簡単に張力
を測定することが出来る。
【0033】図1は、本発明の一実施の形態における不
燃糸に関し、合撚糸に対してフッ素樹脂を被覆する工程
を行うための製造装置の一例を示す図である。図1にお
いて、Gは上記のような合撚糸を示す。合撚糸Gは糸巻
きパッケージ1から解舒されて、ガイドロール2、3、
4、6、7を通過し、フッ素樹脂を含む分散液11の中
に存在するガイドロール8に導かれて浸漬される。ガイ
ドロール4には、ニップロール5が当接し、合撚糸Gを
挟み付けている。これにより、合撚糸Gには張力がかけ
られる。すなわち、合撚糸はガイドロール4とニップロ
ール5のロールの回転速度により一定の速度で送り出さ
れ、フッ素加工終了後の合撚糸は引き取りローラー2
1、22の回転速度に合わせて引き取られることにな
る。従ってガイドロール4とニップロール5のロールの
回転速度と、引き取りローラー21、22の回転速度に
速度差を付けることにより、撚糸の巻出しから巻き取り
の間において、張力を自由に調整することができる。合
撚糸Gにかかる張力の大きさは、例えばガラス繊維と芳
香族系ポリアミド繊維の合撚糸を用いた場合であれば、
40g以上とする。40g未満だと、フッ素樹脂の被覆
加工後に耐摩耗性が不十分となる。
【0034】フッ素樹脂を含む分散液11は分散液槽1
0に貯蔵され、合撚糸Gに付着して減る分は、供給槽9
aから供給ライン9bを通じて供給される。フッ素樹脂
を含む分散液11に浸漬された合撚糸Gは、上方のガイ
ドロール15に向かって引き上げられる。そしてフッ素
樹脂が付着している合撚糸Gの表面をドクターロール2
8に沿わせ、余分に付着したフッ素樹脂を絞り除去す
る。これにより、フッ素樹脂の付着率を所望の範囲に制
御する。このように、ドクターロール28を用いて絞る
ことにより、フッ素樹脂余剰付着分を取り除き、これを
含浸槽に返すことができるので、製造コストを安価にで
きる。
【0035】次いで合撚糸Gは、乾燥ゾーンAの糸通過
孔14で乾燥される。乾燥ゾーンAには例えば熱板12
の中にヒーター13が埋め込まれており、温度コントロ
ーラーT1によって温度100〜300℃の範囲に調節
可能である。
【0036】次いで乾燥された合撚糸Gは、焼成ゾーン
Bで焼成される。焼成ゾーンBは、温度コントローラー
T3によって温度700℃の範囲まで調節可能である。
なお、乾燥ゾーンAと焼成ゾーンBの境界部には、温度
コントローラーT2を設けて、たとえば温度280〜4
50℃の範囲にコントロールする。乾燥から焼成までの
各ゾーンにおける設定温度は、各ゾーンを通過する合撚
糸Gの通過速度あるいは供給する合撚糸Gの本数、フッ
素樹脂の付着量などに応じて、最適の条件に設定するこ
とができる。
【0037】以上のようにしてフッ素樹脂が焼成被覆さ
れた合撚糸Gは、ガイドロール15、16、17、1
8、19とテンションロール20を通過し、引き取りロ
ーラー21、22とテークアップローラー23によって
巻き取られる。図1においては、わかりやすくするため
に1本の合撚糸Gを用いた加工例を示したが、実用的に
は複数本、たとえば30〜150本程度を並列させて処
理することが好ましい。
【0038】以上のようにして得られた未焼成成分を含
むフッ素樹脂で被覆した繊維を布帛に形成する。布帛は
織物、編物、不織布から選ばれるが、公知の方法で形成
することができる。たとえば織物の場合は公知の織機を
用い、編物の場合は公知の編機を用い、不織布の場合
は、ニードルパンチなどを用いる。その場合、織物や編
物に形成したのち、これらに含まれている微小な油分
(界面活性剤)等の有機物成分は、発煙物質になるた
め、無煙化処理が必要になる。
【0039】図2は、以上のようにして得られた布帛の
少なくとも一方の面を加熱無煙化処理する工程の一例を
示す。図2において、31は加熱ロール、32はニップ
ロール、30は供給布帛、33は加熱処理後の布帛であ
る。加熱ロール31により、供給布帛30の形成時に使
用する油剤等の有機物成分が蒸発又は高温分解されて、
それらを効果的に除去することができる。この処理を行
うと、燃焼試験における発煙を無くせるか僅少にするこ
とができる。また、加熱ロール31の表面に接触してい
る面は平滑で、毛羽が少なく、極薄くフッ素樹脂被膜の
焼成層に覆われるため、クリーニング性、摩耗堅牢度が
向上する。
【0040】加熱ロール31としては、たとえば直径4
00mmの金属製ロールを用い、約200℃〜500℃
に加熱できるようにする。そして布帛を約1m/分〜5
m/分で通過させることにより、無煙化を行うと同時
に、布帛が加熱ロール31に接触する面は、フッ素樹脂
が再溶融し平滑な面が得られる。
【0041】次に、以下の実施例と比較例を比較するた
めに用いた燃焼試験の方法について、図3を参照して説
明する。この燃焼試験は、鉄道営業法で定められている
鉄道車両用材料の燃焼性規格に準じたものである(「車
両に係わる普通鉄道構造規則及び特殊鉄道構造規則の運
用等について」(昭和62年4月1目付け官鉄保代16
号、地車第50号)記のIVによる試験(鉄道車両用材
料燃焼試験)を参照のこと)。
【0042】図3において、41は測定器の台、42は
供試材(布帛)47を45°の角度で保持するための傾
斜保持具である。43はアルコール容器45をのせるた
めのアーム、44はアルコール容器45をのせるための
コルク台である。アルコール容器45は鉄製であり、エ
チルアルコールを用いる。46は炎を示す。
【0043】供試材(布帛)47は、B5判(182m
m×257mm)の大きさで、傾斜保持具42により4
5°の角度で保持される。アルコール容器45の底の中
心が、供試材(布帛)47の下面中心の垂直下方25.
4mm(1インチ)のところにくるように、熱伝導率の
低いコルク台44の上にアルコール容器45をのせる。
そして純エチルアルコール0.5ccを入れて着火し、
燃料が燃え尽きるまで放置する。
【0044】燃焼性判定は、アルコールの燃焼中と燃焼
後に分けて、燃焼中は供試材への着火、着炎、発煙状
態、炎の状態などを観察し、燃焼後は、残炎、残じん、
炭化、変形状態を調査する。なお、供試材の試験前処理
は、吸湿性材料の場合、通気性のある室内で直射日光を
避け、床面から1m以上離して5日以上経過させる。
【0045】試験室内の条件は、 温度:15°C〜30°C 湿度:60%〜75% で、空気の流動はない状態とする。燃焼性の判定規格は
表1に示す通りである。
【0046】
【表1】
【0047】次に、以下の実施例と比較例を比較するた
めに用いた摩耗試験の方法について説明する。この摩耗
試験は、JIS L1096ユニバーサル形A−1法に
準じた試験である。
【0048】試料は、試験片の採取に十分な大きさと
し、原則として織物の端末から100cm以上、耳のあ
るものは耳端から10cm以上離れた部分から採取し、
標準状態とする。ただし、これによれないときは、織物
を代表する部分から採取し、標準状態とする。また、試
料が製品の場合は、無作為に採取し、標準状態とする。
なお、温度及び湿度が影響しない試験を行う場合は、こ
の限りではない。
【0049】試験場所は、標準状態の試験室とする。試
験室が標準状態に保てない場合は、できるだけ標準状態
に近い場所で試験を行い、試験時の温度及び湿度を試験
結果に付記する。ただし、温度及び湿度が影響しない試
験を行う場合は、この限りではない。上記の状態によっ
て調整した試料から直径12cmの試験片を5枚採取
し、これを図4の装置により試験する。
【0050】図4において、50は往復台であり、その
上にゴム膜51が取り付けられている。ゴム膜51の下
方から圧縮空気が送られて、ゴム膜51は上方に凸とな
るように支持される。ゴム膜51の上に試験片53をク
ランプ52を用いて取り付ける。54はラチェット、5
5はクランプである。試験片53の上面には研磨紙56
が配置され、押圧荷重57により試験片53に押しつけ
られる。58はバランスウエイト、59はカウンタであ
る。
【0051】図4のようにゴム膜51の上に載せた試験
片53を、600番研磨紙で多方向に摩擦し、試験片5
3が破壊したときの回数を測り、5回の平均値で表す
(整数位まで)。摩擦速度は1分間当たり125±5
回、押圧荷重4.45N(0.454kgf)とする。
摩擦回数100回について試験片が1回転するものとす
る。空気圧は、原則として2.76×l04Pa(0.
281Kgf/cm2)とし、その他の場合は試験結果
に付記する。
【0052】
【実施例】以下、本発明について、その具体的な実施
例、及び比較例を挙げて更に詳しく説明する。
【0053】(実施例)ECDE150 1/2 3.
8Sのガラス繊維と、20/2の芳香族系ポリアミド繊
維(デュポン(抹)ノーメックス繊維)を意匠撚糸機
((抹)共立機械製作所製 FT−20型)を使用して
芳香族系ポリアミド繊維が47重量%となる合撚糸を作
製した。上記のECDE150 1/2 3.8Sは、
ガラス繊維業界の品種記号である。Eは無アルカリ硝
子、Cは長繊維、DEはフィラメント直径6μm、15
0はストランド表示、1/2は撚糸のストランド合糸
数、3.8Sは1インチ当りS撚り3.8回を意味す
る。以下同様である。また、20/2も繊維業界の品種
記号である。20は綿番手、/2は双糸を意味する。以
下同様である。
【0054】ダイヤルゲージで測定した前記ガラス繊維
及び芳香族ポリイミド繊維の繊維径は、それぞれ90μ
mと230μmであった。
【0055】合糸前に各原糸に下撚りとしてインチ間に
4.5回のS撚りをかけた。下撚りをかけた各原糸をイ
ンチ間に4.5回のZ撚りに合糸加工した。合糸加工時
に、ガラス繊維にのみ約80gの荷重をかけた。この合
糸繊維を、図1に示したような、フッ素樹脂含浸、被覆
製造プロセスにより処理した。まずPTFE樹脂(旭ガ
ラス(株)製AD−1)ディスパージョン水溶液を、比
重1.075g/ccになるように調整した。なおこの
PTFEディスパージョンには、着色剤として大日精化
工業(株)製の着色剤分散液、黒色(EP−510)と
白色(EP−677)を、PTFE樹脂の固形分に対し
て黒色1.8%および白色3%混合し、灰色のPTFE
ディスパージョンに調合した。このPTFEディスパー
ジョンに前記の合撚糸を浸漬した。
【0056】次いで乾燥ゾーンに入る前にフッ素樹脂が
付着している合撚糸の表面をドクターロールに沿わせ、
余分に付着しているフッ素樹脂を除去し付着量を調整し
た。次いで、乾燥ゾーン300℃(滞留時間約6S)、
焼成ゾーン450℃(滞留時間約9S)でフッ素樹脂を
焼成処理した。これらの一連の処理は10m/分の線速
で連続的に行った。この時の糸にかかる張力は、中浅測
器(株)製のテンションメータ(形式T−101−1
0)を用い、図1のガイドローラー19、20の間で測
定した結果、50gであった。焼成後のPTFE樹脂の
付着量は16.8重量%であり、灰色に着色されたフッ
素樹脂被覆不燃糸を得た。
【0057】このフッ素樹脂被覆繊維を用い、経糸とし
て41本/インチ、緯糸33本/インチの織り組織で1
30mm幅の平織の織物を作製した。織り上がった織物
を加熱ロールに供給し、無煙化処理を行った。この織物
は柔軟性に富み風合いがあり、手で触れてもチクチクす
るような不快感の無い織物が完成した。
【0058】この織物をカストム式織物摩耗試験機(研
磨紙600番)を用いてユニバーサル形A−1法(JI
S L1096)の摩耗試験を行ったところ、1,61
0回で破壊した。後述の従来例2のガラス繊維単体の織
物と比較して、約3倍の耐摩耗性の性能を有していた.
また、この織物を「軍両に係わる普通鉄道構造規則及ぴ
特殊鉄道構造規則の運用等について」(昭和62年4月
1日付け官鉄保代16号、地軍第50号)記のIVによ
る試験(鉄道車両用材料燃焼試験)に準じた燃焼試験を
行ったところ、着火、着炎もなく、煙の発生は僅少であ
り、炭化も100mm以下であった。すなわち不燃性で
あった。
【0059】(比較例1)フッ素樹脂含浸、被覆プロセ
スにおいて、糸の張力を35gとした以外は実施例と同
様の条件でフッ素樹脂含浸、被覆繊維を作製した。焼成
後のPTFE樹脂の付着量は18.1重量%であった。
この繊維の表面を実態顕微鏡で観察すると、ガラス繊維
が芳香族系ポリアミド繊維の外側に巻き付いている状態
であった。この繊維を用いて、実施例と同様の規格で織
物を製作した。その後、加熱ロールを用いて実施例と同
様の処理を行った。この織物は前記撚焼試験では着炎、
着火及び発煙量、炭化長とも実施例と同様問題の無い特
性であった。すなわち不燃性であった。しかしながら前
記の摩耗試験を実施すると、884回にて穴があき、実
用的に問題があった。
【0060】(比較例2)芳香族系ポリアミド繊維の混
合割合を28重量%になるようにした合撚糸を作製し、
実施例と同様の条件でフッ素樹脂含浸、被覆繊維を作製
した。この繊維を用いて実施例と同様の条件にて平織の
織物を作製した。その後、加熱ロールを用いて実施例と
同様の処理を行った.この織物は前記燃焼試験では、着
炎、着火及び発煙量、炭化長とも実施例と同様問題の無
い特性であった。すなわち不燃性であった。しかしなが
ら、前記摩耗試験を実施すると、574回にて穴があ
き、実用的に問題があった。
【0061】(比較例3)芳香族系ポリアミド繊維の混
合割合を72重量%になるようにした合撚糸を作製し、
実施例と同様の条件でフッ素樹脂含浸、被覆繊維を作製
した。この繊維を用いて実施例と同様の条件にて平織り
の織物を作製した。その後、加熱ロールを用いて実施例
と同様の処理を行った。この織物は前記摩耗試験を実施
すると、2,100回にて穴があいた。しかしながら、
前記燃焼試験では着炎、着火がおこり、発煙量は僅少レ
ベルではなく、炭化長100mmを超えた。すなわち不
燃性とはならなかった。
【0062】(比較例4)1インチ間の撚り数を11回
になるようにした以外は、実施例と同様の条件にて合撚
糸を作製した。この合撚糸の表面を実態顕微鏡で観察す
ると、ガラス繊維のフィラメントが切れ、毛羽立ったよ
うな状態であった。この合撚糸を用いて実施例と同様の
条件でフッ素樹脂含浸、被覆繊維を作製した。次いで、
この繊維を用いて実施例と同様の条件にて平織の織物を
作製した。その後、加熱ロールを用いて実施例と同様の
処理を行った。この繊維は手で触れた際、テクテクする
感触があり、実用上問題のある物であった. (比較例5)芳香族系ポリアミド繊維にガラス繊維と同
様の荷重をかけた以外は、実施例と同様の条件にて合撚
糸を作製した。この合撚糸の表面を実態顕微鏡で観察す
ると、ガラス繊維が芳香族系ポリアミド繊維の外側に巻
き付いている状態であった。すなわち、耐摩耗性に弱い
成分が外周に存在していた。この合撚糸を用いて、実施
例と同様の条件でフッ素樹脂含浸、被覆繊維を作製し
た。次いで、この繊維を用いて実施例と同様の条件にて
平織の織物を作製した。その後、加熱ロールを用いて実
施例と同様の処理を行った。この織物は、前記燃焼試験
では、実施例と同様の特性であった。すなわち不燃性で
あった。しかしながら、前記摩耗試験を実施すると、7
47回で穴があき、実用的には問題があった。
【0063】(比較例6)ガラス繊維にのみ35gの荷
重をかけた以外は、実施例と同様の条件にて合撚糸を作
製した。この合撚糸の表面を実態顕微鏡で観察すると、
比較例5同様ガラス繊維が芳香族系ポリアミド繊維の外
側に巻き付いている状態であった。すなわち、耐摩耗性
に弱い成分が外周に存在しており、繊維として耐摩耗性
が弱いものとなった。
【0064】(比敏例7)ガラス繊維にのみ170gの
荷重をかけた以外は、実施例と同様の条件にて合撚糸を
作製した。この合撚糸を作製する際に、ガラス繊維の糸
切れが頻繁に起った。又、実態顕微鏡で表面を観察する
と、比較例4と同様、フィラメントが切れ、毛羽だった
状態となっていた。
【0065】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、不燃
性、柔軟性、風合い等を失わずに、耐摩耗性を向上させ
た不燃糸を実現でき、その不燃糸を用いることにより、
真に実用的な、耐摩耗性を有する不燃性布帛を提供でき
る。
【0066】また、本発明の不燃糸の製造方法によれ
ば、十分な実用的特性を有する本発明の不燃糸を効率よ
く製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態における合撚糸のフッ
素樹脂被覆プロセスを示す断面図
【図2】 本発明の一実施の形態における布帛を加熱無
煙化処理する工程を示す図
【図3】 本発明の実施例、及び比較例において用いた
燃焼試験の方法を示す図
【図4】 本発明の実施例、及び比較例において用いた
織物摩耗試験の方法を示す図
【符号の説明】
1 糸巻きパッケージ 2,3,4,6.7,8,15,16,17,18,1
9 ガイドロール 5 ニップロール 9a フッ素樹脂を含む分散液の供給槽 9b フッ素樹脂を含む分散液の供給ライン 10 フッ素樹脂を含む分散液槽 11 フッ素樹脂を含む分散液 12 熱板 13 ヒーター 14 糸通過孔 20 テンションローラー 21,22 引き取りローラー 23 テークアップローラー 24 排気ファン 28 ドクターロール 30 供給布帛 31 加熱ロール 32 ニップロール 33 加熱処理後の布帛 41 測定器の台 42 傾斜保持具 43 アーム 44 コルク台 45 エチルアルコール鉄製容器 46 炎 47 供試材(布帛) 50 往復台 51 ゴム膜 52 クランプ 53 試験片 54 ラチェット 55 クランプ 56 研磨紙 57 押圧荷重 58 バランスウエイト 59 カウンタ A 乾燥ゾーン B 焼成ゾーン G 合撚糸 T1,T2,T3 温度コントローラー
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // D06M 101:40 (72)発明者 瀧口 順寛 滋賀県大津市一里山5丁目13番13号 株式 会社アイ.エス.テイ内 Fターム(参考) 4L002 AB02 AC00 DA01 DA03 EA00 FA06 4L033 AA06 AA07 AA08 AA09 AB01 AB03 AC05 CA17 CA69 CA70 4L036 MA04 PA21 UA08 UA25 4L048 AA03 AA25 AA53 AA56 AB16 AC14 AC17 BA01 BA02 CA06 CA09 CA12 DA24

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1種の耐熱長繊維と少なくと
    も1種の耐摩耗繊維とからなる合撚糸に、未焼成フッ素
    樹脂を含浸し焼成した不燃糸。
  2. 【請求項2】 合撚糸の外周部に配置された耐摩耗繊維
    の割合が、耐熱長繊維の割合よりも大であることを特徴
    とする請求項1に記載の不燃糸。
  3. 【請求項3】 耐摩耗繊維の繊維径を耐熱長繊維の繊維
    径よりも大としたことを特徴とする請求項2に記載の不
    燃糸。
  4. 【請求項4】 耐熱長繊維がガラス繊維及びカーボン繊
    維から選ばれた少なくとも1種であり、耐摩耗繊維がポ
    リイミド繊維、芳香族系ポリアミド繊維、芳香族ポリエ
    ステル繊維、ポリアリレート繊維及びPBP(ポリパラ
    フェニレンベンゾビスオキサザール)樹脂から選ばれた
    少なくとも1種である請求項1に記載の不燃糸。
  5. 【請求項5】 耐熱長繊維がガラス繊維であり、耐摩耗
    繊維が芳香族系ポリアミド繊維である請求項4に記載の
    不燃糸。
  6. 【請求項6】 ガラス繊維の繊維径よりも芳香族系ポリ
    アミド繊維の繊維径が大きく、芳香族系ポリアミド繊維
    の混合割合が30〜70重量%の範囲である請求項5に
    記載の不燃糸。
  7. 【請求項7】 1インチ間の撚り数が1〜10回である
    請求項5に記載の不燃糸。
  8. 【請求項8】 フッ素樹脂の付着率が下記式(数1)で
    算出して5〜30重量%の範囲である請求項1に記載の
    不燃糸。 【数1】S=[(W1 −W0 )/W1 ]×100 (ただし、S:付着率 W0 :フッ素樹脂被覆前の加工糸の重量 W1 :フッ素樹脂被覆後の加工糸の重量)
  9. 【請求項9】 表面に被覆したフッ素樹脂が着色剤を含
    有している請求項1に記載の不燃糸。
  10. 【請求項10】 請求項1に記載の不燃糸を用いた不燃
    性布帛。
  11. 【請求項11】 エチルアルコールの燃焼炎試験におい
    て、着火、着炎がなく、発煙が僅少である請求項10に
    記載の不燃性布帛。
  12. 【請求項12】 カストム式織物摩耗試験機による試験
    において、耐摩耗破壊回数が、1,000回以上である
    請求項10に記載の不燃性布帛。
  13. 【請求項13】 請求項10に記載の不燃性布帛を用い
    た車両内装壁装材。
  14. 【請求項14】 少なくとも1種の耐熱長繊維と少なく
    とも1種の耐摩耗繊維とからなる合撚糸に、未焼成フッ
    素樹脂を含浸し焼成した不燃糸の製造方法であって、前
    記耐熱長繊維と前記耐摩耗繊維を合撚加工する際に、前
    記耐熱長繊維にかかる張力を前記耐摩耗繊維にかかる張
    力よりも大きくして、合撚糸の外周部に配置された前記
    耐摩耗繊維の割合が、前記耐熱長繊維の割合よりも大と
    なるように合撚加工することを特徴とする不燃糸の製造
    方法。
  15. 【請求項15】 耐熱長繊維としてガラス繊維を用い、
    耐摩耗繊維として芳香族系ポリアミド繊維を用い、前記
    ガラス繊維と前記芳香族系ポリアミド繊維を合撚加工す
    る際に、前記ガラス繊維に40〜150gの張力をか
    け、前記芳香族系ポリアミド繊維には通常の巻き取りに
    必要な張力のみがかかるようにして合撚加工する請求項
    14に記載の不燃糸の製造方法。 【討求項16】 少なくとも1種の耐熱長繊維と少なく
    とも1種の耐摩耗繊維とからなる合撚糸に、未焼成フッ
    素樹脂を含浸し焼成した不燃糸の製造方法であって、前
    記耐熱長繊維と前記耐摩耗繊維を用いた合撚糸に未焼成
    フッ素樹脂を含浸させた後加熱焼成を行う工程におい
    て、前記合撚糸の巻き出しから巻き取りの間の少なくと
    も加熱が行われる区間に前記耐摩耗繊維の熱収縮を抑制
    するための張力をかけて加熱焼成を行う不燃糸の製造方
    法。 【討求項17】 耐熱長繊維としてガラス繊維を用い、
    耐摩耗繊維として芳香族系ポリアミド繊維を用い、合撚
    糸に未焼成フッ素樹脂を含浸させた後加熱焼成を行う工
    程において、前記合撚糸の巻き出しから巻き取りの間の
    少なくとも加熱が行われる区間に40g以上の張力をか
    けて加熱焼成を行う請求項16に記載の不燃糸の製造方
    法。
JP24080499A 1999-08-27 1999-08-27 耐摩耗性を有する不燃糸、不燃性布帛及びその製造方法 Expired - Fee Related JP4044249B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24080499A JP4044249B2 (ja) 1999-08-27 1999-08-27 耐摩耗性を有する不燃糸、不燃性布帛及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24080499A JP4044249B2 (ja) 1999-08-27 1999-08-27 耐摩耗性を有する不燃糸、不燃性布帛及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001064836A true JP2001064836A (ja) 2001-03-13
JP4044249B2 JP4044249B2 (ja) 2008-02-06

Family

ID=17064944

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24080499A Expired - Fee Related JP4044249B2 (ja) 1999-08-27 1999-08-27 耐摩耗性を有する不燃糸、不燃性布帛及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4044249B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006080166A1 (ja) * 2005-01-28 2006-08-03 Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. ガラス母材延伸用ピンチローラ
JP2007090546A (ja) * 2005-09-27 2007-04-12 Suminoe Textile Co Ltd 列車用内装布帛
JP2009174104A (ja) * 2007-12-27 2009-08-06 Gosen:Kk 電気自動車用モーター用結束紐
CN107130439A (zh) * 2017-07-10 2017-09-05 骆驼(福建)户外用品有限公司 一种户外背包用的功能性面料及其制作工艺
WO2020213416A1 (ja) 2019-04-17 2020-10-22 日東紡績株式会社 複合糸織物及びそれを用いる繊維強化樹脂成形品の製造方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58109648A (ja) * 1981-12-18 1983-06-30 東レ株式会社 複合糸の製造方法と装置
JPS62223332A (ja) * 1986-03-24 1987-10-01 東レ株式会社 被覆糸
JPS6334181U (ja) * 1986-08-22 1988-03-04
JPH0874174A (ja) * 1994-09-02 1996-03-19 I S T:Kk フッ素樹脂被覆繊維及びその製造方法
JPH0892838A (ja) * 1994-09-22 1996-04-09 Teijin Ltd セールクロス用芯鞘構造糸

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58109648A (ja) * 1981-12-18 1983-06-30 東レ株式会社 複合糸の製造方法と装置
JPS62223332A (ja) * 1986-03-24 1987-10-01 東レ株式会社 被覆糸
JPS6334181U (ja) * 1986-08-22 1988-03-04
JPH0874174A (ja) * 1994-09-02 1996-03-19 I S T:Kk フッ素樹脂被覆繊維及びその製造方法
JPH0892838A (ja) * 1994-09-22 1996-04-09 Teijin Ltd セールクロス用芯鞘構造糸

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006080166A1 (ja) * 2005-01-28 2006-08-03 Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. ガラス母材延伸用ピンチローラ
JP2007090546A (ja) * 2005-09-27 2007-04-12 Suminoe Textile Co Ltd 列車用内装布帛
JP2009174104A (ja) * 2007-12-27 2009-08-06 Gosen:Kk 電気自動車用モーター用結束紐
CN107130439A (zh) * 2017-07-10 2017-09-05 骆驼(福建)户外用品有限公司 一种户外背包用的功能性面料及其制作工艺
WO2020213416A1 (ja) 2019-04-17 2020-10-22 日東紡績株式会社 複合糸織物及びそれを用いる繊維強化樹脂成形品の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4044249B2 (ja) 2008-02-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7001857B2 (en) Basalt containing fabric
CN106715772B (zh) 含有膨胀型聚四氟乙烯纤维的织物
US10328677B2 (en) Textile composite article
US20150159304A1 (en) Flame and heat resistant yarns and fabrics
JPH03147839A (ja) 耐火性織物
US5433997A (en) Textured glass yarn fabric for use in wallcoverings, acoustical panels and ceiling tiles
NO162571B (no) Garn omfattende en baerende kjerne og en mantel.
WO2018123290A1 (ja) 合成皮革
JP2015197614A (ja) 光拡散透過性膜材
KR20010102270A (ko) 내열성 권축사
JP2001064836A (ja) 耐摩耗性を有する不燃糸、不燃性布帛及びその製造方法
US20130288553A1 (en) Fabrics comprising inorganic fibers and uses in garments and coverings
Kolar et al. Synergistic effect of screen-printed Al (OH) 3 nanoparticles and phosphorylated cellulose nanofibrils on the thermophysiological comfort and high-intensive heat protection properties of flame-retardant fabric
JPH02289143A (ja) 炭素被覆セラミック織物材料
JP4171480B2 (ja) 耐熱性捲縮糸
JP2997392B2 (ja) フッ素樹脂被覆繊維及びその製造方法
JP2969055B2 (ja) 不燃性布帛及びその製造方法
JP2006249611A (ja) 難燃性に優れた布帛物およびその製造方法
RU2127536C1 (ru) Защитная одежда от теплового воздействия
JP5392445B1 (ja) 樹脂被覆難燃性繊維糸及びそれを用いる樹脂被覆難燃性繊維織物
JP2016198901A (ja) 建築資材用透明不燃シート
EP1608805A1 (en) Basalt containing fabric
JPH04219350A (ja) 不燃織物用着色原糸の製造方法
JPH03837A (ja) 航空機座席用シート
CN209700030U (zh) 一种阻燃柔软面料

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060620

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070813

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071002

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071010

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20071101

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20071115

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101122

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101122

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111122

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111122

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121122

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121122

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20171122

Year of fee payment: 10

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees