JP2001062473A - 覆土式屎尿浄化槽 - Google Patents

覆土式屎尿浄化槽

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JP2001062473A
JP2001062473A JP24467999A JP24467999A JP2001062473A JP 2001062473 A JP2001062473 A JP 2001062473A JP 24467999 A JP24467999 A JP 24467999A JP 24467999 A JP24467999 A JP 24467999A JP 2001062473 A JP2001062473 A JP 2001062473A
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Tsuneo Aoyama
経夫 青山
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、屎尿を含んだ汚水を、天候や気温
変化や時間の経過などの自然現象、ミミズ,ムカデ,ト
ビムシ,ダニ等の地中生物の繁殖、成育、生息、好気性
菌及び嫌気性菌等のバクテリア類の繁殖、また土壌によ
るろ過や草木などの植物の育成を通じてきれいな水に分
解して、適宜下水として排水することができる、極めて
有用な覆土式屎尿浄化槽を提供することを目的とする。 【構成】 本発明は、多数の土壌接触孔を有する仕切板
2により囲まれて形成された屎尿貯留槽3と便器Kとが
汚水の導入管4で連通されており、この仕切板2は礫層
を中心とした土壌接触層5で囲まれ、さらにその上方及
び周側方が汚水を分解するバクテリアの生息するバクテ
リア育成土壌層6で囲まれ、このバクテリア育成土壌層
6の周囲と下部が椀形状の汚水流出防止板8で仕切ら
れ、この汚水流出防止板8の内壁に沿った箇所に、きれ
いな水に分解された土中飽和含水を汚水流出防止板8の
外側に排出させる集排水管10を備えたことを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、いわゆる簡易浄化
槽に関し、詳しくは屎尿や汚水を自然現象、つまり地中
生物類、バクテリア類を活用して屎尿や汚水を分解、浄
化して、これを外部に排出する地中埋設型の覆土式屎尿
浄化槽に関する。
【0002】
【従来の技術】下水道が整備されていない地域において
も水洗便器と略同様の便利さと清潔感が得られるものと
して簡易水洗便器があり、この簡易水洗便器に組み合わ
される屋外設備として浄化槽がある。
【0003】浄化槽は汲み取り式の便槽とは異なり、浄
化槽内に溜めた汚水を浄化させて下水として排出できる
ものであり、一般的な公知技術の浄化槽として、例えば
特開平9−103793号公報に記載の浄化槽が挙げら
れる。この浄化槽は、沈澱分離質内の汚水を上下2槽に
分け、上層部では好気性菌により好気性消化が行われる
一方、下層部では嫌気性菌による嫌気性消化が行われる
のであり、該下層部より次室へと汚水の移流が行われ、
上層部では屎尿(汚水)の上昇に伴う当該屎尿(汚水)
の循環が室前面にわたって行われるのであり、沈殿室で
は、屎尿(汚水)の上昇に伴う当該屎尿(汚水)の循環
が汚水の全表面にわたって行われ、好気性菌及び嫌気性
菌により汚水をきれいな水にまで分解し、これを外部に
排出する構造を有するものである。
【0004】しかしながら、この浄化層においては、浄
化槽本体が蓋で閉じられて空気との接触が少なくなって
好気性菌及び嫌気性菌の働きが阻害されるので、これを
防ぐために空気ポンプを用いて浄化槽本体内に空気を送
出し、また汚水を空気ポンプから送出した空気で攪拌し
て物理的に汚水の分解を促進させる構造になっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たように浄化槽内の屎尿(汚水)の分解に空気ポンプを
用いて曝気させる構造になっていると、これら設備費が
至極高額になるだけでなく、常に、空気ポンプを作動さ
せる必要があるので、維持費(ランニクングコスト)に
相当の費用がかかり、定期点検等の維持管理も欠かせな
い、という課題がある。
【0006】又、上述したように浄化槽を用いた場合、
家族の人数にもよるが、汲み取りと浄化層本体内の清掃
を繰り返し行う必要があり、大変煩わしいものとなる。
【0007】ところで、最近、公衆衛生の観点や文化水
準の向上を目指して、各都市において下水整備の改善、
促進が行われている。ところで、我国においては、国道
や県道更に市道を利用し、これを掘り下げて下水管を配
設しているが、これら道路の起伏によって下水のポンプ
アップや下水を強制的にポンプ輸送する必要があり、そ
の工事費やメンテナンスに相当の費用が必要となる。
【0008】本発明者は、このような従来技術の浄化槽
が有する問題を背景に、如何なる浄化槽が望ましいのか
について鋭意・検討し、研究を重ねてきた。その結果、
地面に立設された木製の電柱において、その地中に埋ま
っている電柱の中間部が地中生物類やバクテリア類の作
用によって分解、空洞になっていることに着目し、これ
ら地中生物類やバクテリア類の分解力を利用して屎尿
(汚水)を分解し、このアンモニア等の分解成分を土壌
に吸着させ、植物の栄養源にすると悪臭の発生が全く無
いか、殆どしないことを見い出し本発明を完成するに至
った。
【0009】又、本発明者は、地中生物類やバクテリア
類の分解力を利用して屎尿(汚水)を分解すると、屎尿
における固形分が殆ど分解される結果、従来技術の浄化
槽の場合に比較すると、分解後の残留固形分が殆どな
く、従って、汲み取りと浄化層本体内の清掃を殆ど行う
必要が殆ど無いとの知見を得た。
【0010】本発明は、屎尿を含んだ汚水を、天候や気
温変化や時間の経過などの自然現象、ミミズ,ムカデ,
トビムシ,ダニ等の地中生物の繁殖や成育更に生息、好
気性菌及び嫌気性菌等のバクテリア類の繁殖、また土壌
によるろ過や分解成分の吸着、これを栄養源とする芝,
植木,草花、葉菜類や根菜類等の植物の育成を通じて、
魚が住めるまできれいな水に分解して、適宜下水として
排水することができるようにしたものであり、安価にて
設置でき、使い勝手が良好で、しかも衛生的であり、
又、地面のある所であればその設置場所を問わず簡単、
容易、更に廉価に設置できるのであり、加えて、維持管
理やこれに伴う費用を要せず、使用後に不要になった場
合でも汚物が自然に無くなるために後始末を殆ど必要と
しない、極めて有用な覆土式屎尿浄化槽を提供すること
を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】以上の目的を達成するた
めに、本発明に係る覆土式屎尿浄化槽は、多数の土壌接
触孔を有する仕切板により上方及び周側方が覆われた空
間で形成された屎尿貯留槽と便器とが屎尿を含む汚水の
導入管で連通されており、この仕切板は礫層を中心とし
た土壌接触層で囲まれ、さらにその上方及び周側方が汚
水を分解するバクテリアの生息するバクテリア育成土壌
層で囲まれ、このバクテリア育成土壌層の周側方及び下
方と前記屎尿貯留槽の下方に形成された沈殿槽の周側方
及び下部が、前記屎尿貯留槽の上端よりも高い周縁を有
し上部に開口を有する幅広容器状に一体形成された汚水
流出防止板で仕切られており、前記汚水流出防止板の内
壁に沿ったバクテリア育成土壌層内における前記屎尿貯
留槽内の汚水基準面の高さに相当する位置に、汚水が前
記バクテリア育成土壌層内に滲み入ってきれいな水に分
解された土中飽和含水を前記汚水流出防止板の内壁に沿
って位置している集排水管が備えられてなることを特徴
とする。
【0012】本発明に係る覆土式屎尿浄化槽は、地中埋
設型のもので、屎尿貯留槽内とその周囲のバクテリア育
成土壌層で、天候や気温変化や時間の経過などの自然現
象、ミミズ,ムカデ,トビムシ,ダニ等の地中生物の繁
殖や成育更に生息、好気性菌及び嫌気性菌等のバクテリ
ア類の繁殖、成育、また土壌によるろ過や分解成分の吸
着、又、これを栄養源とする芝,植木,草花、葉菜類や
根菜類等の植物の育成を通じて、魚が住めるまで汚水を
きれいな水に分解し、適宜下水として排水するところに
最も大きな特徴がある。
【0013】本発明に係る覆土式屎尿浄化槽において、
浄化槽とは、1容器としての浄化槽というものではな
く、屎尿貯留槽、その周りのバクテリア育成土壌層と集
排水管及び汚水流出防止板、汚水の導入管、排水管など
を含めたもの全体を指し、覆土式とは、屎尿貯留槽と汚
水流出防止板の上端が地中浅く位置する程度に、これら
全体が土中に所定の深さ埋設されているものをいう。
【0014】本発明に係る覆土式屎尿浄化槽の大きさや
埋設の程度を判り易くするために、好適な一例として数
値を挙げて説明すると、覆土式屎尿浄化槽全体の底面で
もある沈殿槽の底面は地上から1250mm程度の深さ
に位置し、この沈殿槽の底面から沈殿槽と一体となって
その上方に位置する汚水流出防止板の上端までの高さは
1100mm程度である。つまり汚水流出防止板の上端
は地上面から150mm程度の深さに位置することにな
る。上部を開口させた容器状を有する汚水流出防止板の
幅は1500mm程度であり、この汚水流出防止板で囲
まれた中央位置に、幅500mm程度の屎尿貯留槽が位
置し、この屎尿貯留槽の上端は汚水流出防止板の上端よ
りも50mm程度低く構成している。集排水管は、前記
汚水流出防止板の内壁に沿ったバクテリア育成土壌層内
における前記屎尿貯留槽内の汚水基準面の高さに相当す
る位置、つまり地上から300mm程度の深さに埋設し
てあり、この集排水管は周壁面に多数の通水孔が開設さ
れている。
【0015】屎尿貯留槽及び汚水流出防止板は、平面
視、円形、角形、楕円形等のあらゆる形状のものがその
対象になるが、このうち、平面視、円形、つまり屎尿貯
留槽が上下面を閉じた円筒形状のもので、汚水流出防止
板は椀形のものが最適である。その理由は、汚水流出防
止板の内壁に沿って位置している集排水管が平面視、環
状を有し、屎尿貯留槽から集排水管に至る間隔が均等に
なっていると、屎尿貯留槽の周囲のどの向きの土中に汚
水が滲み出しても、同環境条件下で汚水が分解されて集
排水管に至るからである。尚、集排水管はバクテリア育
成土壌層に含まれて飽和状態になった水分を取り入れる
ために、その周面には無数の通水孔が形成され、この集
排水管の周りは、礫層で囲まれて、水が集排水管内に浸
入し易いように構成してある。
【0016】バクテリア(細菌)は幾つかの種類に分類
され、このうち生育環境の違いによるものとして、細菌
が生育するのに汚物を含む有機物を必要とする有機栄養
細菌と、無機物だけで生育する無機栄養細菌とがある。
この無機栄養細菌にはアンモニアを亜硝酸に変える作用
を有する亜硝酸菌があり、本発明におけるバクテリア育
成土壌層内に生息して汚水を分解するバクテリアは、こ
れら全ての種類のものが相当する。
【0017】またバクテリアには、その形状や特性によ
り、各種に分けられ、酵母菌等が挙げられ、本発明で適
用されるバクテリアは、土壌中で有機物を分解して生育
する、ペニシリウム、フザリウム、アスベルギルス等の
糸状菌、土壌中で難分解性有機物のセルローズやリグニ
ンの分解に関与したり、有機物の腐食の生成や分解、土
壌病原菌防除の働きをする放射菌、脱窒素反応を利用し
て汚水を浄化する脱窒菌、分解途中の有機物を栄養源と
する腐生菌等を含めた、あらゆるものが対象になる。
尚、例えば、これらの菌(バクテリア)は、市販されて
いるものを一度購入して、土中に生育させると、後は汚
水中の有機物等を栄養にして増殖する。
【0018】なお、地中のある程度深い位置では空気が
少なくバクテリアが繁殖し難く、また汚水の流通が極め
て悪くなる場合がある。このため、本発明では、例えば
地表面から600mm程度の深さに至るバクテリア育成
土壌層部分を、ミミズ,ムカデ,トビムシ,ダニ等の地
中生物の生息範囲とし、これら地中生物が通った無数の
通り穴によって空気や汚水の流通が良くなるように構成
すると共に、屎尿(汚水)の分解を促進するようにした
ものである。
【0019】これらミミズ,ムカデ,トビムシ,ダニ等
の地中生物は汚水流出防止板で囲まれたバクテリア育成
土壌層で生育すれば問題ないが、これら地中生物が入っ
ていないバクテリア育成土壌層では、外部からこれら地
中生物の浸入を容易する必要がある。このため、本発明
においては、汚水流出防止板の土中埋設深さを、ミミ
ズ,ムカデ,トビムシ,ダニ等の地中生物が汚水流出防
止板の上端縁を超えて汚水流出防止板で囲まれたバクテ
リア育成土壌層内に容易に浸入し易い程度の深さに構成
したものである。
【0020】また、汚水流出防止板で囲まれた箇所の上
方の地表面を、芝,植木,葉菜類や根菜類、草花等の植
物の栽培面にすることによって、表土の固形化防止を図
ると共に、バクテリア育成土壌層内に含まれる水分の吸
収を図り、地中生物の育成環境を良好にし、土壌に栄養
分を補給したり酸素を供給して汚物との接触土壌の活性
化を図るようにしたものである。
【0021】便器から屎尿貯留槽内に通じている汚水の
導入管は、汚水が流れ易いように斜下方に向けることが
望ましく、この導入管の先端は屎尿貯留槽内の下部に至
る。尚、この導入管の先端を屎尿貯留槽内の上下途中箇
所又はその上部に至らせても良いのである。
【0022】便器には汚臭が逆流するのを防ぐトラップ
が形成されているが、さらに、この導入管の途中に、屎
尿貯留槽内の汚水基準面の高さよりも高く位置させた汚
水予備槽を配設したり、トラップを設けたりすると、汚
臭の逆流は殆ど無くなる。
【0023】集排水管は汚水流出防止板の外側に配設し
た排水管に接続されてきれいな水に浄化された下水とし
て排出されるが、この下水に大腸菌などの有害な細菌が
生息している場合がある。このため、本発明では、この
排水管に、排水を消毒する消毒槽を接続した。尚、この
消毒槽内に入れられている消毒材としては、塩素系消毒
材が用いられている。
【0024】ところで、屎尿貯留槽とその下方の沈殿槽
とは、多数の開孔を有する仕切り板で仕切られており、
沈殿槽内に溜まったスカム等の汚泥は自然分解して殆ど
消滅するが、長年の使用により、汚泥が分解されないで
溜まる場合もあり得る。このため、本発明では、沈殿槽
に、その内部に溜まった汚泥を外部から取り出すための
除去管を接続した。この除去管は地表面において蓋で塞
がれており、汚泥の除去時には、この蓋を外し、バキュ
ームポンプで汲み出す。
【0025】
【作用】便器から導入管を通じて屎尿貯留槽内に屎尿を
含む汚水が流されて溜まる。この屎尿貯留槽内に溜まっ
た汚水中の比重の軽い汚物やペーパーは汚水面に浮上
し、長期間の使用によりこれらが堆積する。また屎尿貯
留槽内の汚水は仕切り板や礫層を通り抜けてバクテリア
育成土壌層内に至り、このバクテリア育成土壌層内で、
自然現象や、地中生物類による生育や、バクテリア類の
繁殖によって汚物が分解され、きれいな水となってバク
テリア育成土壌層に含まれる。
【0026】バクテリア育成土壌層内で生息しているバ
クテリア類は、礫層から土壌接触孔を通り抜けて屎尿貯
留槽内の汚水及び、汚水面に堆積した汚物やペーパー等
の堆積物に至りここで繁殖し、屎尿貯留槽内でも汚水や
堆積物の分解が始まる。また堆積物の表面の水分が蒸散
して次第に固まり、ここにもバクテリア類やミミズ,ム
カデ,トビムシ,ダニ等の地中生物が移動して繁殖し、
堆積物の分解が始まる。尚、堆積物の表面の水分が蒸散
しても屎尿貯留槽が土壌で覆土されているから完全に乾
燥固形するようなことはなく、地中生物により接触分解
され易くなる。しかし、降雨や日照りによって堆積物の
表面部の含湿度が変化し、堆積物の収縮、膨張が繰り返
されることで、堆積物の固形化が防がれる。
【0027】また、長期間使用しないときには、堆積物
の表面の水分が自然自然蒸散して汚水面が低くなるた
め、地中生物の行動範囲は広くなる。
【0028】このようにして分解されたきれいな水が、
バクテリア育成土壌層に含まれて飽和状態になりこれが
一定以上の高さになると、集排水管を通じて排水される
が、その排水は消毒槽で消毒されて下水として排出され
る。バクテリア育成土壌層に含まれているきれいな水
は、地表に植えてある植物の根からも吸収される。
【0029】例えば、大雨による雨水が、地表から屎尿
貯留槽やバクテリア育成土壌層に滲み入るようなことが
あっても、一定量以上の雨水は集排水管を通じて排水さ
れる。
【0030】尚、本発明に係る覆土式屎尿浄化槽を長期
間全く使用しない場合、屎尿貯留槽やバクテリア育成土
壌層内の汚水や堆積物は完全に分解されて無くなる。
【0031】
【発明の実施の形態】本発明の目的及び構成は以上の通
りであり、続いて本発明に係る覆土式屎尿浄化槽の具体
的な実施例を添付図面に従って説明する。
【0032】図1は本発明の1実施例に係る覆土式屎尿
浄化槽の設置例を示した正面断面図であり、図2は同じ
く拡大正面断面図であり、これら各図において共通する
箇所には同一符号を付して、説明を重複を避けるように
した。
【0033】図1及び図2により本実施例に係る覆土式
屎尿浄化槽1を説明すると、この覆土式屎尿浄化槽1は
地中埋設型のもので、多数の土壌接触孔を有する仕切板
2により上方及び周側方が覆われて円筒容器状の筒形状
を有する屎尿貯留槽3と、便器Kとが、屎尿を含む汚水
Uの導入管4で連通されており、この導入管4の途中箇
所には、汚水予備層31が備えられている。この仕切板
2は礫層を中心とした土壌接触層5で囲まれており、さ
らにその上方及び周側方は、汚水を分解するバクテリア
の生息するバクテリア育成土壌層6で囲まれている。V
は汚水U中の比重の軽い汚物やペーパーが汚水U面に浮
上して堆積した堆積物であり、Fは分解ガスを含む空気
層である。
【0034】このバクテリア育成土壌層6の周側方及び
下方及び、前記屎尿貯留槽3の下方に形成された沈殿槽
7の周側方及び下部は、略椀形状に一体形成された汚水
流出防止板8で囲まれており、この汚水流出防止板8の
上縁は屎尿貯留槽3よりも、ある程度高く形成してあ
る。そしてこの汚水流出防止板8の内壁に沿ったバクテ
リア育成土壌層内6における、前記屎尿貯留槽内3の汚
水基準面WLの高さに合わした深さ箇所には、土中飽和
含水を前記汚水流出防止板8の外側に排出するための、
多数の通水孔が周面に形成された環状の集排水管10が
備えられており、この集排水管10の周囲にも、水の流
通を良くするために、礫層を中心とした土壌接触層5で
囲まれており、さらに汚水流出防止板8の内壁にも礫層
を中心とした土壌接触層5が形成されている。
【0035】この集排水管10は汚水流出防止板8の周
側の1箇所において、塩素系の消毒剤11が入れられて
いる消毒槽12と連通しており、この消毒槽12は下水
に通じる排水管13が接続されている。
【0036】そして、屎尿貯留槽3の下方は、汚水流出
防止板8により沈殿槽7が一体形成されており、この屎
尿貯留槽3と沈殿槽7とは屎尿貯留槽3の下面を構成す
る仕切り板15で仕切られている。さらにこの沈殿槽7
の下部には汚泥を外部から取り出すための除去管17が
接続されている。尚、この除去管17の上端は、図1に
示すように地表面GLまで配設されており、その上端の
開口は蓋18で閉じられている。
【0037】さらに、汚水流出防止板8で囲まれたバク
テリア育成土壌層6の地上面には、植木等の植物Pが植
えられており、屎尿貯留槽3上方には、地上面GLとの
空気の流通を良くするために、花等を植えた植木鉢30
が埋められている。
【0038】次に図2を基に、本発明に係る覆土式屎尿
浄化槽1の大きさと設置状態を示すと、この覆土式屎尿
浄化槽1の一部を構成する汚水流出防止板8は、その上
端縁の直径W3が1500mm以上あり、汚水Uの沈殿
層7を含めた汚水流出防止板8の全体高さh8は、12
50mm以上ある。
【0039】この汚水流出防止板8の中央に固定されて
いる屎尿貯留槽3は、直径W1が500mmを有し、汚
水流出防止板8の上端縁よりも150mm低いものであ
る。汚水流出防止板8の上端縁は地表面GLからの深さ
h1が150mmの位置にあり、屎尿貯留槽3の上端は
この深さh1より、さらに50mm深い深さh2に位置
する。
【0040】汚水流出防止板8において、屎尿貯留槽3
の下端縁を受けている箇所からその上方途中箇所までの
周側面は、高さh5が300mmの斜面で形成されてお
り、この途中箇所からさらに高さh4が400mm上方
に、排水管13の下面が位置する。尚、沈殿層7の深さ
h6は150mmあり、集排水管10の直径は100m
mあり、この集排水管10は地表面GLからその上端面
までの深さH7が300mmになる位置に備えられてい
る。この結果、屎尿貯留槽3の上端と排水管13の上面
との深さの差h3は、100mm分屎尿貯留槽3の上端
が高い位置にある。このため、仮に雨水が屎尿貯留槽3
や汚水流出防止板8内に滲み入るようなことがあって
も、屎尿貯留槽3内上部の空気層が無くなるまで浸水し
て、汚水Uの上面上に浮いている汚物やペーパー等の堆
積物Vが浸かったりするようなことはない。このため地
中生物類、バクテリア類の繁殖に必要な空気が足りなく
なるようなこともないのである。
【0041】
【発明の効果】以上説明した本発明に係る覆土式屎尿浄
化槽によれば、屎尿を含んだ汚水を、天候や気温変化や
時間の経過などの自然現象、ミミズ,ムカデ,トビム
シ,ダニ等の地中生物の生息、好気性菌及び嫌気性菌等
のバクテリア類の繁殖、また土壌によるろ過やや分解成
分の吸着、これを栄養源とする芝,植木,草花、葉菜類
や根菜類等の植物の育成を通じて、魚が住めるまできれ
いな水に分解して、適宜下水として排水することができ
る効果を奏するのである。
【0042】しかも、本発明においては、地表面から沈
澱層底面までの深さの略半分程度の深さに相当するバク
テリア育成土壌層部分が、ミミズ,ムカデ,トビムシ,
ダニ等の地中生物の生息させることによって、これら地
中生物により土壌層の空気や水の流通を促すことがで
き、さらにこれら地中生物の生育過程で、この土壌層部
分や屎尿貯留槽内の汚水や堆積物の分解を促すことがで
きる結果、汚水等の浄化効果を一層高めることが出来た
のである。
【0043】また、本発明においては、汚水流出防止板
の土中埋設深さを、ミミズ,ムカデ,トビムシ,ダニ等
の地中生物が汚水流出防止板の上端縁を超えて汚水流出
防止板で囲まれたバクテリア育成土壌層内に容易に浸入
し易い程度の深さにしたことによって、これら地中生物
の浸入が自然に行われるようになるのである。
【0044】更に、本発明においては、汚水流出防止板
の周側壁及び屎尿貯留槽の周側壁を、平面視円形に形成
したことによって、屎尿貯留槽から環状の集排水管まで
の距離を均等にすることができる結果、汚水が浄化しき
れないまま外部に排出されるようなことも無くなる効果
を奏するのである。
【0045】加えて、本発明においては、汚水流出防止
板の外側に配設した排水管に、排水を消毒する消毒槽を
接続したことによって、排水を衛生的な状態で排出する
ことができるのである。
【0046】本発明においては、沈殿槽に、その内部に
溜まった汚泥を外部から取り出すための除去管を接続し
たことによって、分解されないまま長期間少しずつ沈殿
した溜まった汚泥を、強制的に取り出すことができるの
であり、この結果、沈殿槽の機能低下により、浄化機能
が低下するようなことも無くなるのである。
【0047】又、本発明においては、便器と屎尿貯留槽
とを連通している汚水の導入管の途中に、屎尿貯留槽内
の汚水基準面の高さよりも高く位置させた汚水予備槽を
備えたことによって、汚臭の逆流を防ぐことが出来るよ
うになったのである。
【0048】本発明においては、汚水流出防止板で囲ま
れた箇所の上方の地表面を、芝,植木,草花等の植物の
栽培面にしたことによって、バクテリア育成土壌層内の
空気や水や栄養分の補給が行われ、この結果、この土壌
層内に生息する地中生物やバクテリアの生息環境を良好
にすることができるのであり、従って、汚水の分解能力
を高めることができる効果を奏するのである。
【0049】この他、本発明においては、本発明に係る
覆土式屎尿浄化槽は、安価にて設置することができるの
であり、使い勝手も良好であり、衛生的で、地面のある
所であればその設置場所を問わず設置できるのであり、
しかも維持管理やこれに伴う費用を要せず、使用後に不
要になった場合でも汚物が自然に無くなるために後始末
を殆ど必要としない、極めて有用なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施例に係る覆土式屎尿浄
化槽の設置例を示した正面断面図である。
【図2】図2は、同じく拡大正面断面図である。
【符号の説明】
1 覆土式屎尿浄化槽 2 仕切板 3 屎尿貯留槽 4 導入管 5 土壌接触層 6 バクテリア育成土壌層 7 沈殿槽 8 汚水流出防止板 10 集排水管 11 消毒剤 12 消毒槽 13 排水管 17 除去管 GL 地表面 WL 汚水基準面 K 便器 U 汚水 V 堆積物

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数の土壌接触孔を有する仕切板により
    上方及び周側方が覆われた空間で形成された屎尿貯留槽
    と便器とが屎尿を含む汚水の導入管で連通されており、
    この仕切板は礫層を中心とした土壌接触層で囲まれ、さ
    らにその上方及び周側方が汚水を分解するバクテリアの
    生息するバクテリア育成土壌層で囲まれ、このバクテリ
    ア育成土壌層の周側方及び下方と前記屎尿貯留槽の下方
    に形成された沈殿槽の周側方及び下部が、前記屎尿貯留
    槽の上端よりも高い周縁を有し上部に開口を有する幅広
    容器状に一体形成された汚水流出防止板で仕切られてお
    り、前記汚水流出防止板の内壁に沿ったバクテリア育成
    土壌層内における前記屎尿貯留槽内の汚水基準面の高さ
    に相当する位置に、汚水が前記バクテリア育成土壌層内
    に滲み入ってきれいな水に分解された土中飽和含水を前
    記汚水流出防止板の内壁に沿って位置している集排水管
    が備えられてなることを特徴とする覆土式屎尿浄化槽。
  2. 【請求項2】 地表面から沈澱層底面までの深さの略半
    分程度の深さに相当するバクテリア育成土壌層部分が、
    ミミズ,ムカデ,トビムシ,ダニ等の屎尿を栄養源と
    し、これを分解する地中生物の生息範囲である請求項1
    に記載の覆土式屎尿浄化槽。
  3. 【請求項3】 汚水流出防止板の土中埋設深さが、ミミ
    ズ,ムカデ,トビムシ,ダニ等の屎尿を栄養源とし、こ
    れを分解する地中生物が汚水流出防止板の上端縁を超え
    て汚水流出防止板で囲まれたバクテリア育成土壌層内に
    容易に浸入し易い程度の深さである請求項1又は2に記
    載の覆土式屎尿浄化槽。
  4. 【請求項4】 汚水流出防止板の周側壁及び屎尿貯留槽
    の周側壁が、平面視円形である請求項1ないし3のいず
    れか1項に記載の覆土式屎尿浄化槽。
  5. 【請求項5】 汚水流出防止板の外側に配設した排水管
    に、排水を消毒する消毒槽が接続されている請求項1な
    いし4のいずれか1項に記載の覆土式屎尿浄化槽。
  6. 【請求項6】 沈殿槽に、その内部に溜まった汚泥を外
    部から取り出すための除去管が接続されている請求項1
    ないし5のいずれか1項に記載の覆土式屎尿浄化槽。
  7. 【請求項7】 便器と屎尿貯留槽とを連通している汚水
    の導入管の途中に、屎尿貯留槽内の汚水基準面の高さよ
    りも高く位置させた汚水予備槽が備えられている請求項
    1ないし6のいずれか1項に記載の覆土式屎尿浄化槽。
  8. 【請求項8】 汚水流出防止板で囲まれた箇所の上方の
    地表面を、芝,植木,草花、葉菜類や根菜類等の植物の
    栽培面に形成した請求項1ないし7のいずれか1項に記
    載の覆土式屎尿浄化槽。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009150720A1 (ja) * 2008-06-10 2009-12-17 冨安洋子 汚水浄化システム及び同浄化システムを利用した植物の栽培方法
CN108314284A (zh) * 2018-03-20 2018-07-24 黑龙江鸿盛农业科技开发股份有限公司 卫生间污水收集净化系统
CN113906879A (zh) * 2021-09-30 2022-01-11 东北农业大学 利用跳虫肠道复合菌剂原位制作秸秆还田缓释基肥的方法及其施埋装置

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