JP2001062185A - ドラム式洗濯機 - Google Patents

ドラム式洗濯機

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JP2001062185A
JP2001062185A JP24292899A JP24292899A JP2001062185A JP 2001062185 A JP2001062185 A JP 2001062185A JP 24292899 A JP24292899 A JP 24292899A JP 24292899 A JP24292899 A JP 24292899A JP 2001062185 A JP2001062185 A JP 2001062185A
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JP
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drum
water
eccentric load
rotation speed
water injection
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JP24292899A
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English (en)
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Tomoya Kawaguchi
智也 川口
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Sanyo Electric Co Ltd
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Sanyo Electric Co Ltd
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  • Main Body Construction Of Washing Machines And Laundry Dryers (AREA)
  • Control Of Washing Machine And Dryer (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ドラムに設けたバランサへの迅速な注水を行
いつつ、ドラム回転速度が共振点に近付いて大きな振動
が発生することを回避する。 【解決手段】 共振点よりも十分に低く、且つ洗濯物が
遠心力によってドラム5内周壁に張り付いて回転するよ
うな回転速度でドラムを回転させて偏心荷重を検知し
(S1、S2)、そのときの偏心量が大きいほど、バラ
ンサへの注水時の回転速度を低く設定する(S6、S
7、S10、S11、S14)。回転速度が低いほど遠
心力が小さいため、注水された水がバランサへ入るのに
時間を要するが、共振点からは離れているため振動発生
は確実に回避できる。一方、偏心量が小さい場合には回
転速度が共振点に近くても大きな振動が発生する恐れが
ないから、注水された水が迅速にバランサへ入り、短時
間でバランス調整が達成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はドラム式洗濯機に関
し、更に詳しくは、ドラム式洗濯機における遠心脱水運
転時のバランス調整に関する。なお、本発明に係る洗濯
機は、水を利用した洗濯機のみならず、洗濯用溶剤を利
用したドライクリーニングのための洗濯機も含むことと
する。
【0002】
【従来の技術】ドラム式洗濯機では、脱水運転時に洗濯
物が回転軸回りにアンバランスに分散していると、ドラ
ムや外槽が大きく振動し異常騒音が発生してしまう。そ
こで、一般的なドラム式洗濯機では、異常振動を抑制す
るためにドラムを内装する外槽周囲に重錘を取り付けて
いる。このため、ドラム式洗濯機は非常に重く、設置場
所が限られると共に移動や運搬も困難であった。
【0003】このような問題に対し、脱水を立ち上げる
前に(つまり、実質上脱水が行われるような回転速度ま
でドラムの回転速度を上昇させる前に)、ドラムの内周
上に洗濯物を適切に分散させて偏心荷重を減らすような
バランス調整方法が幾つか提案されている。例えば本出
願人は、特願平9−249917号(特開平10−23
0096号公報参照)において、ドラム内周壁に複数設
けたバッフルの内の一個に水を一時的に保持可能なポケ
ット状のバランサを形成し、洗濯物の偏在による偏心荷
重がドラム内周上で該バランサに対向する位置の近傍に
存在する場合には、その偏心荷重の大きさ(偏心量)に
見合った適宜の量の水をバランサに注入することにより
ドラム全体のバランスを調整する、という新規な構成の
遠心脱水装置を備えた洗濯機を提案している。このよう
な遠心脱水装置では、洗濯物の偏在による偏心荷重がバ
ランサの対向位置に存在しさえすれば、その偏心量に拘
らず(但し所定の範囲内で)バランス調整が可能とな
る。
【0004】上記記載の洗濯機では、バランサへの水の
注入機構は次のようになっている。即ち、内周側に大き
な注水開口を有し、外周側に遠心力によって水を保持可
能な略円盤形状の水案内室をドラムの背面に設けると共
に、その注水開口に向けて水を噴射する注水ノズルを外
槽側に固定して設ける。水案内室の外周側には上記バラ
ンサに連通する注水孔が形成されており、ドラムが所定
の回転速度以上で回転しているときに注水ノズルから水
が放出されると、その水は注水開口を通して水案内室内
に入り、遠心力によって外周側へ移動し保持される。更
に、この水は注水孔を通してバランサ内へ流入し、遠心
力によってバランサ内部に保持される。
【0005】
【発明の解決しようとする課題】従って、大きな遠心力
が作用する状態、つまり回転速度が大きいときほど水案
内室に注入された水がバランサに迅速に流入するので、
水の注入時には回転速度が大きいことが好ましい。一
方、このような水の注入は、ドラムの振動が大きくな
る、共振点よりも低い状態で行う必要があるが、回転速
度を大きくするということはそれだけ共振点に近付くこ
とになり、大きな振動が発生する恐れが高くなる。即
ち、上述した二つの条件は相反するものであり、共振周
波数よりも極力離れた回転速度でもって水の注入を行う
と、バランサに水が溜まるのに時間を要し、洗濯時間が
長引く一因になる。一方、大きな回転速度でもって水の
注入を行って注入に要する時間を短縮化しようとする
と、大きな振動が発生する危険性が高くなる。
【0006】また、このような洗濯機では、洗濯物の偏
在に起因する偏心荷重がバランサのちょうど対向する位
置若くはその対向位置の近傍にある場合にのみ、バラン
サへの注水によるバランス調整が可能である。偏心荷重
の位置の検知は例えばドラムの速度変動に基づいて行わ
れるが、実際上、精度の高い検知は難しい。偏心荷重が
バランサの対向位置に存在しないにも拘わらず、存在し
ているものと誤って認識してバランサへの注水を行って
しまうと、バランス調整が行えないのみならず、一旦バ
ランサへ貯留した水を全て排出してバランス調整をやり
直さなければならず、脱水運転時間が長引く原因とな
る。
【0007】本発明はこのような点に鑑みて成されたも
のであって、その第1の目的は、上述したようなバラン
サを用いてバランス調整を行う場合に、そのバランス調
整に要する時間をできる限り短縮しつつ、その際の振動
も確実に抑制することができる遠心脱水装置を備えたド
ラム式洗濯機を提供することにある。また、本発明の第
2の目的は、偏心荷重の位置検知の正確性を判断するこ
とにより、無駄な注水によるバランス調整を避け、ひい
ては脱水運転の所要時間が長引くことを防止することが
できる遠心脱水装置を備えたドラム式洗濯機を提供する
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段、発明の実施の形態及び効
果】上記課題を解決するために成された第1発明に係る
ドラム式洗濯機は、籠状のドラム内に洗濯物を収容し、
該ドラムを水平軸を中心に回転させることにより該洗濯
物の遠心脱水を行うドラム式洗濯機において、 a)ドラム壁面の一部に形成した中空体の水保持部と、遠
心力によって該水保持部に水を注入する注水手段とから
成る可変重錘部と、 b)ドラムの偏心荷重を検知する偏心荷重検知手段と、 c)前記水保持部に水が注入されていない状態で検知され
た偏心荷重の位置がドラム内周上で該水保持部の対向位
置近傍であるというバランス調整可能条件を満たすか否
かを判定する判定手段と、 d)該判定手段によりバランス調整可能条件を満たしてい
ると判定された場合、水保持部に水が注入されていない
状態で検知された偏心荷重の大きさに応じた回転速度で
もってドラムを回転させる回転制御手段と、 e)該回転制御手段によりドラムが回転されているときに
前記注水手段により水保持部に水を注入してドラムのバ
ランス調整を行う注水制御手段と、を備えることを特徴
としている。
【0009】第1発明に係るドラム式洗濯機では、水保
持部に水が注入されていないときにはドラム自体は偏心
荷重を有しておらず、注水手段により水保持部に水が注
入されると該水量に応じた偏心荷重をドラム自体が有す
る。従って、洗濯物による偏心荷重がドラム内周上で水
保持部の対向位置近傍に在るとき、その偏心荷重の大き
さに応じた量の水を水保持部に注入することによりドラ
ム全体のバランスをとることが可能となる。そこで、偏
心荷重検知手段は、水保持部に水が注入されていない状
態、つまり偏心荷重が洗濯物の偏在のみに起因する状態
のときに偏心荷重を検知する。偏心荷重の位置が水保持
部の対向位置近傍である場合には、回転制御手段は、そ
の偏心荷重の大きさに応じて偏心量が大きいほど相対的
に低い回転速度を設定してドラムを回転させる。偏心量
に応じた回転速度の設定可変範囲は、最低でも注水手段
による水保持部への注水が行えるような遠心力が作用す
る回転速度とし、最高でもドラムの共振周波数に相当す
る回転速度よりも低い回転速度とする。注水制御手段
は、ドラムが上述したような回転速度で回転されている
ときに注水手段により注水を行わせる。
【0010】即ち、このドラム式洗濯機によれば、偏心
量が相対的に小さいとき、つまりドラムの回転速度が共
振点に近くてもドラムの振動が比較的小さいと想定され
る場合には、相対的に高い回転速度において注水が実行
される。従って、より大きな遠心力が注水される水に作
用し、迅速に水保持部に水が導入されて、バランス調整
が短時間で終了する。一方、偏心量が大きいとき、つま
りドラムの回転速度が共振点に近くなるとドラムの振動
が大きくなる恐れが高い場合には、相対的に低い回転速
度において注水が実行される。従って、注水される水に
作用する遠心力は小さくなるためバランス調整に要する
時間は若干長くなるものの、注水時の回転速度は共振点
から離れ、振動の発生を確実に回避することができる。
【0011】第1発明に係るドラム式洗濯機では、前記
回転制御手段は、水保持部に水を注入していって偏心荷
重が減少するに従い、ドラムの回転速度を上昇させ、よ
り高い回転速度でもって注水を行うことが好ましい。
【0012】即ち、バランス調整開始前に偏心量が大き
く、相対的に低い回転速度でドラムを回転させた状態で
注水を開始した場合でも、バランス調整が終了するまで
その回転速度を維持するのではなく、注水が進行して偏
心量が減少するに伴い注水時の回転速度を上昇させる。
これにより、水保持部へ水が流入する速度が速まるの
で、同一回転速度を維持した場合と比較して、バランス
調整に要する時間を短縮化することができる。
【0013】上記課題を解決するために成された第2発
明に係るドラム式洗濯機は、籠状のドラム内に洗濯物を
収容し、該ドラムを水平軸を中心に回転させることによ
り該洗濯物の遠心脱水を行うドラム式洗濯機において、 a)ドラム壁面の一部に形成した中空体の水保持部と、遠
心力によって該水保持部に水を注入する注水手段とから
成る可変重錘部と、 b)ドラムの偏心荷重を検知する偏心荷重検知手段と、 c)ドラム又はドラムを内装する外槽の振動振幅を検出す
る振動検出手段と、 d)前記水保持部に水が注入されていない状態で検知され
た偏心荷重の位置がドラム内周上で該水保持部の対向位
置近傍であるというバランス調整可能条件を満たすか否
かを判定する判定手段と、 e)該判定手段によりバランス調整可能条件を満たしてい
ると判定された場合、前記振動検出手段により検出され
た振動振幅に応じた回転速度でもってドラムを回転させ
る回転制御手段と、 f)該回転制御手段によりドラムが回転されているときに
前記注水手段により水保持部に水を注入してドラムのバ
ランス調整を行う注水制御手段と、を備えることを特徴
としている。
【0014】即ち、この第2発明に係るドラム式洗濯機
では、バランス調整実行時に振動検出手段により実際に
発生している振動振幅を把握し、その振動振幅が大きい
ほど相対的に低い回転速度を設定してドラムを回転さ
せ、その状態で、注水制御手段は注水手段により注水を
行わせる。偏心荷重の大きさは、発生する振動の大きさ
を推定する指標であるのに対し、この第2発明に係るド
ラム式洗濯機では、外槽又はドラムの振動振幅を実際に
計測し、その実測値に基づいて注水時の回転速度を決め
ているので、共振により振動が異常に大きくなることを
一層確実に回避することができる。
【0015】また、この第2発明に係るドラム式洗濯機
においても、前記回転制御手段は、前記振動検出手段に
より検出された振動振幅が減少するに従いドラムの回転
速度を上昇させ、より高い回転速度でもって注水を行う
構成とすれば、バランス調整に要する時間を一層短縮化
することができる。
【0016】上記課題を解決するために成された第3発
明に係るドラム式洗濯機は、籠状のドラム内に洗濯物を
収容し、該ドラムを水平軸を中心に回転させることによ
り該洗濯物の遠心脱水を行うドラム式洗濯機において、 a)ドラム壁面の一部に形成した中空体の水保持部と、遠
心力によって該水保持部に水を注入する注水手段とから
成る可変重錘部と、 b)ドラムの偏心荷重を検知する偏心荷重検知手段と、 c)前記水保持部に水が注入されていない状態で検知され
た偏心荷重の位置がドラム内周上で該水保持部の対向位
置近傍であるというバランス調整可能条件を満たすか否
かを判定する判定手段と、 d)該判定手段によりバランス調整可能条件を満たしてい
ると判定された場合、前記注水手段により所定量の水を
水保持部に注入する注水制御手段と、 e)該注水制御手段による所定量の注水の結果、到達する
と想定される偏心荷重を計算する偏心荷重算出手段と、 f)該偏心荷重算出手段により得られる計算上の偏心荷重
と、所定量の水が注入されたあとに前記偏心荷重検知手
段により検知された偏心荷重とに基づいて、先に検知さ
れた偏心荷重の位置の妥当性を判断する偏心位置検証手
段と、を備えることを特徴としている。
【0017】即ち、洗濯物の偏在に起因する偏心荷重が
水保持部のちょうど対向位置に存在する場合、水保持部
に注入された水の重量は全てその偏心荷重を相殺するよ
うに作用し、偏心荷重がその対向位置からずれた場合に
は、そのずれ角度に応じた計算により求まる、偏心荷重
と反対方向の成分のみが偏心荷重を相殺するように作用
する。従って、既知重量を有する水が水保持部に付加さ
れると、その重量と上記ずれ角度とから注水後のドラム
の偏心荷重を計算により求めることができる。
【0018】偏心位置検証手段は、このようにして計算
により求まった偏心荷重と実際に検知された偏心荷重と
がほぼ近い値であるときには、先に検知した偏心位置が
正確であると判断し、逆に、計算により求まった偏心荷
重と実際に検知された偏心荷重とがかけ離れているとき
には先に検知した偏心位置が不正確であると判断する。
偏心位置が正確である場合には、そのまま水保持部に水
を追加してゆくことによってドラム全体の偏心荷重を小
さくすることができるから、上記第3発明のドラム式洗
濯機では、偏心位置が妥当であると判断が下されたと
き、前記注水手段により前記水保持部に水を追加注入し
てバランス調整を実行する構成とすることができる。
【0019】この第3発明に係るドラム式洗濯機によれ
ば、注水によるバランス調整の初期に偏心位置の正確性
が判断されるので、偏心位置が誤っており注水によるバ
ランス調整が不可能である場合には、注水によるバラン
ス調整を即座に中止することができる。従って、無駄な
注水による時間と水の浪費とを防止することができる。
【0020】
【実施例】以下、まず第1発明に係るドラム式洗濯機の
一実施例(以下「第1実施例」という)を図面を参照し
て説明する。図1はこのドラム式洗濯機の側面断面図、
図2はこのドラム式洗濯機の要部を示す背面透視図であ
る。
【0021】機枠1の内部には外槽2がバネ3及びダン
パ4に吊支され、外槽2内部には洗濯物を収容するため
のドラム5が主軸8に軸支されている。機枠1の前面に
は外槽2の前面開口を開閉するドア7が設けられ、洗濯
物はこのドア7を開放してドラム5内部へと収容され
る。ドラム5の周壁には多数の通水孔6が設けられてお
り、外槽2内に給水された水は通水孔6を通してドラム
5内へ流入し、また逆にドラム5内で洗濯物から脱水さ
れた水は通水孔6を通して外槽2へと飛散される。ドラ
ム5の内周には、回転に伴って洗濯物をかき上げるため
のバッフル9が互いに回転角90°を保って設けられて
いる。そのバッフル9の内の一個は、その内部に水を保
持するバランサ10を兼ねている。ドラム5の背面に
は、主軸8を中心とした円周の内周側に大きな注水開口
12を有する略円盤形状の水案内室11が設けられてい
る。水案内室11には、ドラム5側にバランサ10と連
通する注水孔13が形成され、主軸8に対し注水孔13
と略180°対向する外槽2側に排水孔14が形成され
ている。
【0022】主軸8は外槽2に装着された軸受15によ
り保持されており、その先端には主プーリ16が取り付
けられている。外槽2の下面にはモータ17が配置さ
れ、モータ17の回転駆動力はモータプーリ18、Vベ
ルト19を介して主プーリ16に伝達される。また、外
部の水道栓等から給水口20に供給された水は、給水バ
ルブ21を介して外槽2内へ注水されると共にバランス
用注水バルブ22を介して外槽2に設けられた注水ノズ
ル23から放出される。一方、外槽2底部に連結された
排水管24には排水ポンプ25が設けられ、外槽2内に
溜まった水は排水ポンプ25が駆動されることにより外
部に排出される。
【0023】主プーリ16のリング体には開口が円周上
に一箇所設けられており、該リング体を挟んで両側に発
光部と受光部とから成る回転センサ26が配置されてい
る。回転センサ26は、発光部から発した光がドラム5
の一回転期間中に一回だけ上記開口を通過して受光部に
到達したことを検出することにより、ドラム5の回転に
同期した検出信号(回転マーカ)を出力する。なお、光
学式の回転センサ26を用いる代わりに、ドラム5側に
磁石を取り付けると共に、機枠1又は外槽2側に磁力に
より開閉するリードスイッチを設け、ドラム5の一回転
期間に一回だけ導通するリードスイッチにより検出信号
を出力する構成としてもよい。
【0024】次に、バランサ10への注水及び排水につ
いて図3を用いて説明する。図3は、水案内室11周囲
の水の移動状態を示す概略断面図である。ドラム5が所
定速度以上で回転しているときに注水ノズル23から水
が放出されると、その水は注水開口12を介して水案内
室11に入り、ドラム5後壁面を伝わる等しつつ遠心力
により外周側へ移動する。そして、図3(a)に示すよ
うに、水は遠心力により水案内室11外周壁内側に張り
付いて保持される。なお、注水開口12は面積が広いた
め、水圧のばらつき等により注水ノズル23から放出さ
れた水の落下方向がばらついても、その大部分は確実に
水案内室11に飛び込む。
【0025】バランサ10は、水案内室11よりも更に
外周側に広がる中空体となっている。このため、水案内
室11に注水された水は遠心力により注水孔13を通っ
てバランサ10内に流れ込み、図3(b)に示すように
バランサ10の外周壁側つまりドラム5内周壁面に張り
付いて保持される。なお、水案内室11の外周側には排
水孔14も開口しており、この排水孔14を通して水案
内室11から水が逃げるが、その排水量は水案内室11
に注水される水の量に比較して極めて少ない。
【0026】このようにしてバランサ10内に溜まった
水を排出する際には、バランサ10を回転円周上の最高
位置で停止させる。すると、バランサ10内の水に作用
する遠心力が失われるため、図3(c)に示すように、
水は注水孔13を通って水案内室11へ流れ出て、水案
内室11底部に溜まった水は回転円周上の最低位置にき
ている排水孔14を通って外槽2へ流出する。注水孔1
3や排水孔14の開口面積は小さいが、バランサ10を
上記位置に保って暫時経過すれば、バランサ10及び水
案内室11内の水はほぼ完全に外槽2へ排出される。
【0027】次に、このドラム式洗濯機の要部の電気系
構成を図4を参照して説明する。制御部30はCPU、
ROM、RAM等を含むマイクロコンピュータを中心に
構成されており、中央制御部31、PWM制御部32、
偏心荷重検知部33、注水制御部34等を機能的に含ん
でいる。中央制御部31は脱水運転を進めるための運転
プログラムが予め記憶されたメモリを含み、この運転プ
ログラムの遂行の過程において、所望のドラム回転速度
に対応したモータ17の目標回転速度をPWM制御部3
2に指示する。
【0028】モータ駆動部40は直流電圧供給部41と
インバータ回路42とから構成されており、PWM制御
部32と共にモータ17の回転制御手段として機能す
る。モータ17には回転数検出器43が付設され、実際
のモータ17の回転速度に対応した検出信号が制御部3
0にフィードバックされる。具体的には、回転数検出器
43はパルスエンコーダであって、モータ17が所定角
度回転する毎に一個のパルス信号を発生する構成になっ
ており、ドラム5が一回転する期間に12個のパルス信
号(このパルス信号を、以下「回転数パルス信号」とい
う)が出力されるようになっている。図5は、この回転
数パルス信号の一例を示す波形図である。モータ17つ
まりドラム5の回転速度が高いときには回転数パルス信
号の立上り間隔Pは狭くなり、逆にドラム5の回転速度
が低いときには該間隔Pは広がる。このように、間隔
(以下「回転数パルス幅」という)Pはモータ17及び
ドラム5の回転速度に対応したものとなる。
【0029】PWM制御部32は、所定周期を有するパ
ルス信号であるPWM制御信号をインバータ回路42へ
供給し、目標回転速度と実際の回転速度との差に応じて
一周期期間内の「H」レベル時間を変化させることによ
りPWM制御を実行する。即ち、実際の回転速度が目標
回転速度よりも低く回転速度を上昇させる必要がある場
合には「H」レベル時間を長くし、逆に実際の回転速度
が目標回転速度よりも高く回転速度を下降させる必要が
ある場合には「H」レベル時間を短くする。PWM制御
部32では、回転数検出器43から回転数パルス信号を
得る毎に実際の回転速度を算出し、必要に応じてPWM
制御信号の「H」レベル時間幅を修正する。このような
制御によりモータ17の各巻線にはそれぞれ方形波状の
電圧が印加される。
【0030】偏心荷重検知部33は、次のようにして偏
心荷重を検知している。ドラム5内に収容されている洗
濯物に作用する遠心力と重力とが略均衡する回転速度
(以下「均衡回転速度」という)以上の回転速度でもっ
てドラム5が回転されていると、洗濯物はドラム5の内
周壁面に押し付けられ、ドラム5の回転に伴って回る。
いま、洗濯物が偏在して偏心荷重が生じている場合、該
偏心荷重が図6中の位置Aに示すようにドラム5最低位
置を通過して上方に持ち上げられようとしているときに
は、該偏心荷重に作用する重力は回転方向と反対向きに
なる。このため、該重力はドラム5を減速させるように
作用する。一方、偏心荷重が図6中の位置Bに示すよう
にドラム5最高位置を通過して下方に運ばれているとき
には、該偏心荷重に作用する重力は回転方向と同一向き
になる。このため、該重力はドラム5を加速させるよう
に作用する。
【0031】ドラム5の回転速度が一定に維持されるよ
うに一定の目標回転速度が指示されると、PWM制御部
32はPWM制御信号の「H」レベル時間幅(つまりP
WMデューティ比)を変化させてモータ17の回転速度
を一定に維持するように機能する。一方、PWM制御部
32がPWM制御を行わずにPWMデューティ比を一定
に維持すると、モータ17への印加電圧が一定となり上
述のような偏心荷重の影響を受けてドラム5の回転速度
は変動する。実際には主軸8と軸受15との間の摩擦力
の影響などもあり、偏心荷重がドラム5最高位置の手前
付近に達したときに回転速度は最も低くなり、偏心荷重
がドラム5最低位置の手前付近に達したときに最も高く
なる。回転数パルス幅Pを縦軸にとって時間経過に従っ
てプロットすると、図7に示すような関係を示す。図7
において、黒丸のプロット点は実際に得られた回転数パ
ルス幅Pのデータであって、Mは回転センサ26により
得られる、ドラム5内周上の特定位置に対応して発生す
る回転マーカである。
【0032】図7に示すように、回転数パルス幅Pはド
ラム5の回転に同期して変動する。ここで、ドラム5の
一回転期間内で最大の回転数パルス幅Pmaxと最小の回
転数パルス幅Pminとの差αは偏心量を反映している。
或いは、差をとる代わりにPmaxとPminとの比でも同様
である。そこで、予め多数の実験を行って偏心量と差α
(又は比)との対応関係を調べ、それにより例えばテー
ブルを作成して偏心荷重検知部33内のROMに格納し
ておく。偏心荷重の検知処理時に偏心荷重検知部33
は、回転数検出器43より与えられる回転数パルス幅P
のデータを順次RAMに格納し、少なくともドラム5が
一回転する期間のデータが収集された時点で最大回転数
パルス幅Pmax及び最小回転数パルス幅Pminを見つけ
る。そして差αを算出し、上記テーブルを参照して偏心
量を取得する。
【0033】また、上述のように最小回転数パルス幅P
minが出現するときのドラム5内周上での偏心荷重の位
置はほぼ決まっている(具体的にはドラム5の最低位置
の手前付近)。一方、回転マーカMが発生するときのド
ラム5の回転位置は構造的に任意に定めることができる
から、例えば、バランサ10がドラム5の最高位置の手
前付近に達したとき(つまり、バランサ10の対向位置
がドラム5の最低位置の手前付近に達したとき)に回転
マーカMが発生するように定めておく。
【0034】偏心位置は、回転マーカMの発生位置に対
する最小回転数パルス幅Pminの出現位置のずれ角度K
(0〜180°)で表す。従って、回転マーカMの発生
位置と最小回転数パルス幅Pminの出現位置とが一致し
ている場合にずれ角度Kは0となり、これは、バランサ
10の対向位置にちょうど偏心荷重が位置していること
を意味している。
【0035】次に、この第1実施例のドラム式洗濯機に
おける脱水行程時の制御の手順を、図8のフローチャー
トに沿って説明する。以下の説明では、ドラム5の径を
460mmとしたときの数値を例に挙げているが、ドラ
ム径が相違する場合には各回転速度等の数値を適宜変更
することにより対応可能であることは明白である。
【0036】脱水行程が開始されるとき、ドラム5内の
全ての洗濯物は充分に水を含んだ状態にあり、ドラム5
底部に積み重なった状態にある。このとき、バランサ1
0には全く水が入っておらず(つまり、完全に排水され
た状態にあり)、ドラム5自体は偏心荷重を有しない状
態となっている。
【0037】まず、PWM制御部32はドラム5の目標
回転速度を130rpmとしてPWMデューティ比を制
御する(ステップS1)。この回転速度は均衡回転速度
(この例では約65rpm)よりも高いため、洗濯物は
遠心力によってドラム5の内周壁面に押し付けられ、ド
ラム5の回転に伴って回る。ドラム5の回転速度が13
0rpm近傍に到達したならば、その回転速度が130
rpm程度に維持されるようにPWMデューティ比を固
定し、そのときの回転数検出器43から得られる回転数
パルス信号により偏心荷重検知部33は上述したように
偏心量及び偏心位置を検知する(ステップS2)。そし
て、中央制御部31は、偏心量が予め定めた許容値、つ
まり350g以下であるか否かを判定する(ステップS
3)。
【0038】もし偏心量が350g以下である場合に
は、そのままドラム5の回転速度を上昇させても異常振
動が生じる可能性はきわめて低いため、ステップS18
へ進み脱水運転を立ち上げる。一方、ステップS3で偏
心量が350gを越えている場合には、次いで偏心位置
がバランサ10と180°対向する位置の前後に設定さ
れた所定角度範囲内であるか否かを判定する(ステップ
S4)。偏心位置がこの範囲内に存在する場合には、バ
ランサ10に水を導入して重量を増加させることにより
偏心量を減少させることが可能である。逆に、偏心位置
がこの範囲内に存在しない場合には、バランサ10を用
いたバランス調整は不可能である。そこで、偏心位置が
上記範囲内に存在しない場合には、ドラム5の回転を一
旦停止させ、ほぐし運転を実行し(ステップS5)、そ
のあとステップS1に戻ってドラム5の回転速度を再び
上昇させる。ほぐし運転では、例えば、洗いやすすぎを
行う程度の回転速度(例えば50〜60rpm)でもっ
てドラム5を回転させ、洗濯物を撹拌することにより一
枚一枚の洗濯物を剥がれ易くする。
【0039】上記ステップS4にて偏心位置が所定角度
範囲内であると判定されると、次に偏心量が800g以
下であるか否かを判定し(ステップS6)、800gよ
りも大きい場合にはPWM制御部32は注水時の回転速
度を130rpmに設定し、注水制御部34はバランス
用注水バルブ22を開放して注水を開始する(ステップ
S7)。そして、注水開始からt1秒が経過するまで注
水を継続し、t1秒が経過したならばバランス用注水バ
ルブ22を閉鎖して注水を一旦停止する(ステップS
8)。そのあと、回転速度を130rpmに維持した状
態で、偏心荷重検知部33は偏心量の検知を実行する
(ステップS9)。中央制御部31はこのときに検知さ
れた偏心量が350g以下であるか否かを判定し(ステ
ップS17)、350gを越えていればステップS6に
戻る。
【0040】ステップS6にて偏心量が800g以下で
あると判定されると、次いで偏心量が600g以下であ
るか否かを判定する(ステップS10)。偏心量が60
0gよりも大きい場合、つまり800g以下600gよ
り大である場合には、PWM制御部32は注水時の回転
速度を140rpmに設定し、注水制御部34はバラン
ス用注水バルブ22を開放して注水を開始する(ステッ
プS11)。そして、注水開始からt2秒が経過するま
で注水を継続し、t2秒が経過したならば注水を一旦停
止する(ステップS12)。そのあと、回転速度を14
0rpmに維持した状態で、偏心荷重検知部33は偏心
量の検知を実行する(ステップS13)。中央制御部3
1は、上記ステップS17で偏心量が350g以下であ
るか否かを判定し、350gを越えていればステップS
6に戻る。
【0041】ステップS10にて偏心量が600g以下
であると判定されると、PWM制御部32は注水時の回
転速度を150rpmに設定し、注水制御部34はバラ
ンス用注水バルブ22を開放して注水を開始する(ステ
ップS14)。そして、注水開始からt3秒が経過する
まで注水を継続し、t3秒が経過したならば注水を一旦
停止する(ステップS15)。そのあと、回転速度を1
50rpmに維持した状態で、偏心荷重検知部33は偏
心量の検知を実行する(ステップS16)。中央制御部
31は、上記ステップS17で偏心量が350g以下で
あるか否かを判定し、350gを越えていればステップ
S6に戻る。
【0042】ここで、t1、t2、t3は、注水ノズル2
3からの標準的な想定放出流量においてそれぞれ、上記
ステップS2又はS9で検知された偏心量から800g
の偏心量まで減少させるため、上記ステップS2、S9
又はS13で検知された偏心量から600gの偏心量ま
で減少させるため、上記ステップS2、S9、S13又
はS16で検知された偏心量から350gの偏心量まで
減少させるために必要と見込まれる時間に定められる。
従って、例えば、始めに偏心量が800gを越えていた
場合には、通常、ステップS6→S7→S8→S9→S
17という処理を行ったあとステップS6へ戻り、ステ
ップS6からS10へ進み、ステップS10→S11→
S12→S13→S17という処理を行ってステップS
6へ戻ったあとS6→S10→S14と進み、ステップ
S14→S15→S16→S17という処理を実行する
ことになる。即ち、ステップS8、S12又はS15で
注水が行われることによって偏心量が減少してゆく毎に
ドラム5の回転速度は130rpm→140rpm→1
50rpmと段階的に上昇され、より高い回転速度でも
って注水が実行されることになる。
【0043】図9は、このときのドラム5の回転速度の
変化の一例を示すグラフであって、偏心量が減少してゆ
くに従い、ドラム5自体の共振点に相当する回転速度
(200rpm前後だが負荷量等に依存する)に近付い
てゆく。なお、注水ノズル23からの水の放出流量は水
道栓の水圧等によって変動するから、好ましくは、流量
センサやそれに相当する流量検出手段によってその流量
を実測し、それに基づいて上記注水時間t1、t2、t3
の設定を行うとよい。
【0044】上述したように、水案内室11に注水され
た水は遠心力によってバランサ10内へと送り込まれる
から、より大きな遠心力が作用する状態、つまり高い回
転速度であるほどバランサ10への水の導入は短時間で
行われることになる。
【0045】以上説明したように、この第1実施例によ
るドラム式洗濯機では、偏心量が大きい場合には低い回
転速度、つまり共振点からより離れた回転速度で注水が
行われるため、共振による大きな振動が発生することを
確実に回避できる。一方、偏心量が小さい場合には高い
回転速度で、つまり共振点にはより近いものの、バラン
サ10への水の導入がより短時間で行われる回転速度で
注水が行われるため、バランス調整を迅速に終了するこ
とができる。この場合、偏心量が元々小さいため、回転
速度が共振点に近くとも共振による異常振動の発生の可
能性は低い。
【0046】次いで、第2発明に係るドラム式洗濯機の
一実施例(以下「第2実施例」という)を図面を参照し
て説明する。このドラム式洗濯機は基本的構成は上記第
1実施例によるドラム式洗濯機と同一であるが、外槽2
の振動振幅を検出するための手段として、図10に示す
ように、例えば機枠1の内側に、外槽2の側周壁に向け
て超音波を発射し、外槽2で反射した超音波を受けて、
その往復距離を計算する超音波センサ27を設けてお
く。即ち、この超音波センサ27によって、外槽2が静
止状態からどの程度の振幅をもって振動しているのかを
実時間で検出することができる。
【0047】図11は、この第2実施例によるドラム式
洗濯機の脱水行程時の制御フローチャートである。第1
実施例と相違するステップ21以降の動作について説明
する。
【0048】上記ステップS4にて偏心位置が所定角度
範囲内であると判定されると、PWM制御部32は注水
時の回転速度を130rpmに設定し、注水制御部34
はバランス用注水バルブ22を開放して注水を開始する
(ステップS21)。次に上記超音波センサ27により
取得された外槽2の振動振幅が10mm以下であるか否
かを判定し(ステップS22)、10mmを越えている
場合にはステップS22の判定を繰り返す。バランサ1
0に水が溜まって偏心量が減少してくると、外槽2の振
動は小さくなってくる。外槽2の振動振幅が10mm以
下になると、ドラム5の回転速度を130rpmから1
40rpmに上昇させ、更に注水を継続する(ステップ
S23)。
【0049】次いで、超音波センサ27により取得され
た外槽2の振動振幅が8mm以下であるか否かを判定し
(ステップS24)、8mmを越えている場合にはステ
ップS24の判定を繰り返す。バランサ10に更に水が
溜まって偏心量が減少し、外槽2の振動振幅が8mm以
下になると、ドラム5の回転速度を140rpmから1
50rpmに上昇させ、更に注水を継続する(ステップ
S25)。そして、外槽2の振動振幅が6mm以下にな
ったならば(ステップS26で「Y」)注水制御部34
はバランス用注水バルブ22を閉鎖して注水を停止する
(ステップS27)。
【0050】そのあと、回転速度を130rpmに落と
し、偏心荷重検知部33は偏心量を検知する(ステップ
S28)。そして、このときに検知された偏心量が35
0g以下であれば(ステップS29で「Y」)、ステッ
プS18へ進み脱水運転を立ち上げる。ステップS29
で偏心量が350gを越えている場合には、PWM制御
部32はドラム5の回転速度を150rpmに上昇さ
せ、注水制御部34はバランス用注水バルブ22を開放
して注水を開始する(ステップ30)。そして、5秒
間、注水を継続したあと(ステップS31)ステップS
27へ戻り、注水を停止して再度偏心量が350g以下
になったか否かを確認する。
【0051】なお、外槽2の振動振幅は洗濯物の量、つ
まり負荷量によっても影響を受けるため、ステップS2
2、S24、S26における振動の判定基準は負荷量に
応じて適宜変えることが望ましい。
【0052】以上説明したように、この第2実施例によ
るドラム式洗濯機では、実際に外槽2の振動振幅を検知
しつつバランサ10への注水を行い、振動振幅が小さく
なってくるに従い回転速度を段階的に上昇させる。従っ
て、第1実施例よりも一層確実に異常振動の発生を回避
することができる。
【0053】次に、第3発明に係るドラム式洗濯機の一
実施例(以下「第3実施例」という)を図面により説明
する。この第3実施例のドラム式洗濯機は、基本的に第
1実施例のドラム式洗濯機と同一の構成を有している
が、制御部30の制御処理、つまり制御プログラムが相
違している。
【0054】図12は、第3実施例によるドラム式洗濯
機の脱水行程時の制御フローチャートである。まず、脱
水行程が開始されると、PWM制御部32はドラム5の
回転速度を130rpmまで上昇させるように制御を行
い(ステップS41)、偏心荷重検知部33はその速度
近傍で偏心量H1及び偏心位置(ずれ角度K)を検知す
る(ステップS42)。中央制御部31は、偏心量H1
が予め定めた許容値、つまり350g以下であるか否か
を判定し(ステップS43)、もし偏心量H1が350
g以下である場合には、ステップS58へ進み脱水運転
を立ち上げる。ステップS43で偏心量H1が350g
を越えている場合には、ずれ角度Kが10°未満である
か否かを判定する(ステップS44)。ずれ角度Kが1
0°以上である場合には、バランサ10を用いたバラン
ス調整は不可能であるから、ドラム5の回転を一旦停止
させ、上述したようなほぐし運転を実行し(ステップS
45)、そのあとステップS41に戻ってドラム5の回
転速度を再び上昇させる。
【0055】上記ステップS44でずれ角度Kが10°
未満であると判定されると、次いで偏心量H1が500
g以上であるか否かを判定する(ステップS46)。偏
心量H1が500g未満である場合には、偏心量が相対
的に小さいため、後述のような偏心位置の精度の検証処
理を行わずにステップS55以降に進み、注水によるバ
ランス調整を実行する。
【0056】上記ステップS46にて偏心量H1が50
0g以上であると判定されると、次に偏心量H1が13
00g以上であるか否かを判定する(ステップS4
7)。バランサ10に貯留可能な水量には限界があり、
この例では偏心量H1が1300g以上である場合には
バランサ10に水を最大限入れてもバランス調整を行う
ことができない。そこで、偏心量H1が1300g以上
である場合には、上記ステップS45へ進み、ほぐし運
転を実行する。
【0057】上記ステップS47にて偏心量H1が13
00g未満であると判定されると、注水制御部34はバ
ランス用注水バルブ22を開放して10秒間バランサ1
0への注水を実行する(ステップS48)。そのあと、
偏心荷重検知部33は偏心量の検知を再び実行し、注水
後の偏心量H2を取得する(ステップS49)。10秒
間の注水によってバランサ10に貯留される水の量は予
め実験等により推測し得る。具体的には、予め注水ノズ
ル23からの標準的な放出流量を想定し、その流量でも
って10秒間の注水を行った場合のバランサ10の増加
重量W(g)を求めておく。上述したように放出流量は
水道栓の水圧等により変動する可能性があるから、より
好ましくは、流量センサ又はそれに相当する流量検出手
段を設け、注水ノズル23からの放出流量を実測してバ
ランサ10の増加重量Wを推定するとよい。
【0058】更に、中央制御部31は、次のようにして
10秒間の注水の後の理論上の偏心量H3を計算する。
図13に示すように、重量Wを有するバランサ10の対
向位置からK(°)だけずれた位置に偏心量H1の偏心
荷重が存在している場合、偏心量H1のうちの重量Wに
作用する力と反対方向の成分(cosK成分)はバランサ
10で相殺されてWとの差が残り、それに直交する方向
の成分(sinK成分)はバランサ10では相殺されずに
そのまま残る。即ち、理論上の偏心量H3は(1)式により
求まる(ステップS50)。 H3=√{(H1・cosK−W)+(H1・sinK)} …(1)
【0059】理想的には、(1)式により求まるH3は実測
値H2と一致する筈であるが、偏心量の検知誤差、偏心
位置の検知誤差、或いは重量Wの計算上の誤差などがH
2とH3との差の要因となり得る。このうち、最も甚だし
いのは偏心位置の検知誤差である。そこで、H2とH3と
の差ΔHを計算し(ステップS51)、そのΔHが50
g未満であるか否かを判定する(ステップS52)。Δ
H>50gである場合には、先に検知した偏心位置の精
度が低い可能性が高く、そのままバランサ10へ注水を
行ってもバランス調整が達成されない可能性が高いと判
断できる。そこで、注水によるバランス調整を諦め、上
述したようにしてバランサ10からの排水を行い(ステ
ップS53)、ステップS41へと戻る。
【0060】他方、ステップS52でΔHが50g未満
である場合には、偏心位置の検知誤差が小さいと判断で
きるから、ステップS55→S56→S57と進み、偏
心量が350g以下になるまでバランサ10への注水を
断続的に行う。そして、偏心量が350g以下になった
ならば、ドラム5の回転速度を上昇させて脱水を実行す
る(ステップS58)。
【0061】以上のように、この第3実施例のドラム式
洗濯機では、本格的にバランサ10への注水を実行する
以前に予備的に既知の少量の水をバランサ10に注入
し、その結果によって、始めに検知した偏心位置が妥当
であるか否かが検証される。従って、偏心位置の検知誤
差が大きくバランサ10を用いたバランス調整が不可能
である場合に、無駄にバランサ10への注水を実行する
ことがなくなるので、時間と水の浪費を防止し得る。
【0062】なお、上記各実施例は一例であって、本発
明の趣旨の範囲で適宜変更や修正を行えることは明らか
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1発明の一実施例(第1実施例)によるド
ラム式洗濯機の側面断面図。
【図2】 図1のドラム式洗濯機の要部の背面透視図。
【図3】 第1実施例のドラム式洗濯機におけるバラン
サへの注水及び排水の動作を示す概略断面図。
【図4】 第1実施例のドラム式洗濯機の要部の電気系
構成図。
【図5】 回転数検出器から得られる回転数パルス信号
の一例を示す波形図。
【図6】 ドラム内の偏心荷重に作用する力の関係を示
す模式図。
【図7】 偏心荷重が存在する場合の回転数パルス幅の
変動を示すグラフ。
【図8】 第1実施例における脱水行程時の制御動作を
示すフローチャート。
【図9】 第1実施例におけるドラムの回転速度の変化
の一例を示すグラフ。
【図10】 第2発明の一実施例(第2実施例)のドラ
ム式洗濯機の要部の背面透視図。
【図11】 第2実施例における脱水行程時の制御動作
を示すフローチャート。
【図12】 第3実施例における脱水行程時の制御動作
を示すフローチャート。
【図13】 第3実施例における脱水行程時の制御動作
を説明するための模式図。
【符号の説明】
5…ドラム 10…バランサ 11…水案内室 17…モータ 22…バランス用注水バルブ 23…注水ノズル 26…回転センサ 27…超音波センサ 30…制御部 31…中央制御部 32…PWM制御部 33…偏心荷重検知部 34…注水制御部 40…モータ駆動部 43…回転数検出器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3B155 AA06 BA04 BA16 BB14 CA02 DC07 FA03 FA31 KA33 KA34 KA35 KA36 KB02 KB07 KB11 KB14 KB16 KB27 LA14 LB18 LB29 LC08 LC14 LC15 LC30 LC32 LC33 MA01 MA02 MA05 MA06

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 籠状のドラム内に洗濯物を収容し、該ド
    ラムを水平軸を中心に回転させることにより該洗濯物の
    遠心脱水を行うドラム式洗濯機において、 a)ドラム壁面の一部に形成した中空体の水保持部と、遠
    心力によって該水保持部に水を注入する注水手段とから
    成る可変重錘部と、 b)ドラムの偏心荷重を検知する偏心荷重検知手段と、 c)前記水保持部に水が注入されていない状態で検知され
    た偏心荷重の位置がドラム内周上で該水保持部の対向位
    置近傍であるというバランス調整可能条件を満たすか否
    かを判定する判定手段と、 d)該判定手段によりバランス調整可能条件を満たしてい
    ると判定された場合、水保持部に水が注入されていない
    状態で検知された偏心荷重の大きさに応じた回転速度で
    もってドラムを回転させる回転制御手段と、 e)該回転制御手段によりドラムが回転されているときに
    前記注水手段により水保持部に水を注入してドラムのバ
    ランス調整を行う注水制御手段と、 を備えることを特徴とするドラム式洗濯機。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のドラム式洗濯機におい
    て、前記回転制御手段は、水保持部に水を注入していっ
    て偏心荷重が減少するに従いドラムの回転速度を上昇さ
    せ、より高い回転速度でもって注水を行うことを特徴と
    するドラム式洗濯機。
  3. 【請求項3】 籠状のドラム内に洗濯物を収容し、該ド
    ラムを水平軸を中心に回転させることにより該洗濯物の
    遠心脱水を行うドラム式洗濯機において、 a)ドラム壁面の一部に形成した中空体の水保持部と、遠
    心力によって該水保持部に水を注入する注水手段とから
    成る可変重錘部と、 b)ドラムの偏心荷重を検知する偏心荷重検知手段と、 c)ドラム又はドラムを内装する外槽の振動振幅を検出す
    る振動検出手段と、 d)前記水保持部に水が注入されていない状態で検知され
    た偏心荷重の位置がドラム内周上で該水保持部の対向位
    置近傍であるというバランス調整可能条件を満たすか否
    かを判定する判定手段と、 e)該判定手段によりバランス調整可能条件を満たしてい
    ると判定された場合、前記振動検出手段により検出され
    た振動振幅に応じた回転速度でもってドラムを回転させ
    る回転制御手段と、 f)該回転制御手段によりドラムが回転されているときに
    前記注水手段により水保持部に水を注入してドラムのバ
    ランス調整を行う注水制御手段と、 を備えることを特徴とするドラム式洗濯機。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のドラム式洗濯機におい
    て、前記回転制御手段は、前記振動検出手段により検出
    された振動振幅が減少するに従いドラムの回転速度を上
    昇させ、より高い回転速度でもって注水を行うことを特
    徴とするドラム式洗濯機。
  5. 【請求項5】 籠状のドラム内に洗濯物を収容し、該ド
    ラムを水平軸を中心に回転させることにより該洗濯物の
    遠心脱水を行うドラム式洗濯機において、 a)ドラム壁面の一部に形成した中空体の水保持部と、遠
    心力によって該水保持部に水を注入する注水手段とから
    成る可変重錘部と、 b)ドラムの偏心荷重を検知する偏心荷重検知手段と、 c)前記水保持部に水が注入されていない状態で検知され
    た偏心荷重の位置がドラム内周上で該水保持部の対向位
    置近傍であるというバランス調整可能条件を満たすか否
    かを判定する判定手段と、 d)該判定手段によりバランス調整可能条件を満たしてい
    ると判定された場合、前記注水手段により所定量の水を
    水保持部に注入する注水制御手段と、 e)該注水制御手段による所定量の注水の結果、到達する
    と想定される偏心荷重を計算する偏心荷重算出手段と、 f)該偏心荷重算出手段により得られる計算上の偏心荷重
    と、所定量の水が注入されたあとに前記偏心荷重検知手
    段により検知された偏心荷重とに基づいて、先に検知さ
    れた偏心荷重の位置の妥当性を判断する偏心位置検証手
    段と、 を備えることを特徴とするドラム式洗濯機。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載のドラム式洗濯機におい
    て、前記偏心位置検証手段により偏心位置が妥当である
    と判断が下されたとき、前記注水制御手段は、前記注水
    手段により水保持部に水を追加注入してバランス調整を
    実行することを特徴とするドラム式洗濯機。
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