JP2001061812A - 磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents

磁気共鳴イメージング装置

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JP2001061812A
JP2001061812A JP24616799A JP24616799A JP2001061812A JP 2001061812 A JP2001061812 A JP 2001061812A JP 24616799 A JP24616799 A JP 24616799A JP 24616799 A JP24616799 A JP 24616799A JP 2001061812 A JP2001061812 A JP 2001061812A
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magnetic resonance
pulse
resonance imaging
imaging apparatus
signal intensity
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Yoshio Machida
好男 町田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】脳表感度が信号強調され、一方、脳室部分は信
号抑制されることで視認性がよい脳表面の解析画像を、
表面コイルを用いることなくパルスシーケンスの工夫に
よって簡便に得ることができる磁気共鳴イメージング装
置を提供すること 【解決手段】FASE法の90°RFパルス(励起パル
ス)P1として、TONE型のものと同様のRFパルス
を印加する。90°RFパルスP1の信号強度分布10
は、スライス方向に沿って非平坦形であり、スライス厚
11のほぼ中心を挟んで非対称であり、単調変化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は核磁気共鳴現象を利
用してイメージングを行う磁気共鳴イメージング装置に
関し、特に脳表面の解析画像を得ることが可能な磁気共
鳴イメージング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気共鳴イメージング装置は、軟部組織
間のコントラストが高く臨床的にきわめて有用であり、
このことは近年の急速な普及からもうかがわれる。磁気
共鳴イメージング装置の画像コントラストとしては、解
剖学的な情報を多く提供するT1強調画像と、病巣検出
能に優れるT2強調画像との2つに大別される。T2強
調画像は長い繰り返し時間TRとエコー時間TEを必要
とするため、撮影時間が10分程度と長く、その短縮が
大きな技術的課題とされていた。
【0003】撮影時間の短縮に係りRFパルスによるマ
ルチエコーを収集するワンショットスキャンに成功した
のは、J. HennigによるRARE法(参考文献:Multiec
ho imaging sequences with a low flip angles, JMR,
78:397-407,1988)である。RARE法の実現のために
は、スピンエコーと擬似エコーの重ね合せのため、RF
送受信ハードウェアの精度向上および安定性確保が重要
である。そして、RAREをマルチスライス・マルチシ
ョット化した高速スピンエコー(FSE: Fast Spin Ech
o)法が実現され、実用性が高い撮影方法であるとして
臨床現場への急速な普及が進んでいる。
【0004】RARE法、FSE法、又は長いエコート
レインとハーフ収集再構成法をFSE法に併用すること
でわずかワンショット数秒の撮影を行い得るFASE法
(参考文献:葛西由守、FastASE とその臨床応用、メデ
ィカルレビュー69号,p.28-34,1998)もしくはHAS
TE法(参考文献:Keifer B, et.al, Image acquisiti
on in a second with half Fourier acquisition singl
e shot turbo spin echo, JMRI 1994;4(P):86)によ
り、厚いスライスの撮影を行い、厚めの撮影領域から強
いT2強調の信号を得て、脳脊髄液の透視像を得ること
で脳表面を可視化する撮影法(「SAS(Surface Anato
my System)法」と称する)が知られている。
【0005】公知のSAS法については、参考文献
(「片田和広、他:MRIによる脳表面構造撮像法の考
案、日磁医誌 Vol. 9 No. 3:215-225(1989)」、及び
「K. Katada:MR Imaging of Brain Surface Structure
s: Surface Anatomy Scanning(SAS):Neuroradiology, V
ol 32:439-448,1990」)の記載を参考にできる。
【0006】従来から知られているSAS法の原型は、
TEを250ms程度まで延長した強い(ヘビー:heavy)
T2強調パルスシーケンスを適用し、スライスを厚く設
定し、及び表面コイルを用いるものである。表面コイル
を用いるSAS法の従来例を図7(a)に示す。当初、
撮影時間は10分以上を要したこともあり、脳表感度の
強調や脳室部分の信号抑制による視認性のよさが得られ
るようにRFコイルの設定に十分な配慮を行っていた。
【0007】しかしながら、現在の臨床現場ではFAS
E法等によるワンショット撮影が提供されたことで撮影
がきわめて簡単になった。このため、表面コイルを装着
し詳細な設定を行うこと自体が煩雑な作業であるとみな
されるようになり、実際上行われなくなった。
【0008】つまり、現状では単なる厚切りスライスの
SAS法が主流であり、表面コイルを用いることによっ
てはじめて発揮される脳表感度の強調および脳室部分の
信号抑制による視認性のよさは活用されていない。この
従来例を図7(b)に示す。
【0009】なお、マルチスライス撮影や3D撮影によ
り原画像データを3次元的に収集し、後処理として表面
コイルの効果を出すための重み付け加算を行うSAS法
も試みられた(参考文献:町田好男、他:画像の重みづ
け加算法による脳表面構造の描出について、日磁医誌 V
ol.9No. S-1:155(1989))。この従来例を図7(c)に
示す。しかしながら、この従来例は、最も実用性が高い
とされる2次元の撮影には適用できない。3次元データ
であっても元の画像が既に感度分布をもっているのであ
れば単純に加算処理や最大値投影(Maximum Intensity P
rojection: MIP)処理を施すことができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
では単なる厚切りスライスのSAS法が主流であり、表
面コイルを用いることによってはじめて発揮される脳表
感度の強調および脳室部分の信号抑制による視認性のよ
さは活用されていないという問題点があった。
【0011】本発明は上記事情を考慮してなされたもの
であり、脳表感度が信号強調され、一方、脳室部分は信
号抑制されることで視認性がよい脳表面の解析画像を、
表面コイルを用いることなくパルスシーケンスの工夫に
よって簡便に得ることができる磁気共鳴イメージング装
置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決し目的を
達成するために本発明の磁気共鳴イメージング装置は、
次のように構成されている。
【0013】(1)本発明の磁気共鳴イメージング装置
は、RFリフォーカスパルスによりマルチエコーを収集
する磁気共鳴イメージング装置において、信号強度分布
特性がスライス方向に沿って非平坦形となるRFパルス
を印加する手段を具備することを特徴とする。
【0014】(2)本発明の磁気共鳴イメージング装置
は、上記(1)に記載の装置であって、且つ前記信号強
度分布特性は、スライス厚のほぼ中心を挟んで非対称で
あることを特徴とする。
【0015】(3)本発明の磁気共鳴イメージング装置
は、上記(1)又は(2)に記載の装置であって、且つ
前記信号強度分布特性は、スライス方向に沿って単調に
変化することを特徴とする。
【0016】(4)本発明の磁気共鳴イメージング装置
は、上記(1)に記載の装置であって、且つスライス厚
中心付近における前記RFパルスの信号強度を他の部分
よりも大としたことを特徴とする。
【0017】(5)本発明の磁気共鳴イメージング装置
は、上記(1)乃至(4)に記載の装置であって、且つ
前記印加手段により印加されるRFパルスは、画像化対
象領域の全体を一様に励起する低フリップ角のRFパル
スであることを特徴とする。
【0018】(6)本発明の磁気共鳴イメージング装置
は、RFリフォーカスパルスによりマルチエコーを収集
する磁気共鳴イメージング装置において、撮影対象物の
ほぼ表面に沿う3次元の信号強度分布特性を有するRF
パルスを印加する手段を具備することを特徴とする。
【0019】(7)本発明の磁気共鳴イメージング装置
は、上記(1)乃至(6)のいずれかに記載の装置であ
って、且つ前記印加手段が印加するRFパルスはフリッ
プパルスを含み、かつフリップ角度の変更を含む当該フ
リップパルスの選択励起特性の変更により前記信号強度
分布特性を変更することを特徴とする。
【0020】(8)本発明の磁気共鳴イメージング装置
は、上記(1)乃至(7)のいずれかに記載の装置であ
って、且つ組織のT2が強調されたT2強調画像を撮影
することを特徴とする。
【0021】(9)本発明の磁気共鳴イメージング装置
は、上記(1)乃至(8)のいずれかに記載の装置であ
って、且つ脂肪が強調された脂肪強調画像を撮影するこ
とを特徴とする。
【0022】(10)本発明の磁気共鳴イメージング装
置は、上記(1)乃至(7)のいずれかに記載の装置で
あって、且つ脂肪及び脳脊髄液が抑制されると共に、脳
実質部が強調された画像を撮影する。
【0023】(11)本発明の磁気共鳴イメージング装
置は、フィールドエコー系列のパルスシーケンスにより
強いT2強調画像を撮影する磁気共鳴イメージング装置
において、信号強度分布特性がスライス方向に沿って非
平坦形となるRFパルスを印加する手段を具備すること
を特徴とする。
【0024】(12)本発明の磁気共鳴イメージング装
置は、上記(1)乃至(11)のいずれかに記載の装置
であって、且つスライス方向に沿ったRFパルスの信号
強度分布若しくはフリップ角度分布の少なくともいずれ
かを表示し、又はこれらに応じたマークを表示する表示
手段をさらに具備し、前記表示手段による表示に基づい
てスキャン計画が行われることを特徴とする。
【0025】(13)本発明の磁気共鳴イメージング装
置は、上記(12)に記載の装置であって、且つ前記ス
ライス方向に沿った信号強度の高低又はフリップ角度の
高低に応じた方向特性を表示する手段をさらに具備す
る。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施形態を説明する。
【0027】厚いスライスの撮影を行い、厚めの撮影領
域から強いT2強調の信号を得て、脳表面に存在する髄
液を画像化することで脳表面の解析画像を得るSAS法
について、およびFASE法等によるワンショット撮影
が提供されたことで撮影がきわめて簡単になり、表面コ
イルを用いない簡便な撮影が主流となったことについて
は既に述べた。より詳しくは、FASE法等による従来
のSAS法(図7(b)参照)では標準頭部用のコイル
を用いるのが一般的であり、このようなコイルではスラ
イス方向に沿ってほぼ均一な感度分布となる。このた
め、脳表感度の強調および脳室部分の信号抑制が図られ
ず、視認性は十分なものではなかった。
【0028】一方、本発明の実施形態は、パルスシーケ
ンスを工夫することで、表面コイルを用いずに脳表面が
明瞭に描出された画像を得ることのできる斬新なSAS
法を提供するものである。以下、代表的な実施形態とし
て、FASE法による本発明のSAS法について説明す
る。
【0029】図1は、FSE法のパルスシーケンスを示
す図である。
【0030】同図に示すように、第1エコー,第2エコ
ー,第3エコー,...という具合にマルチエコーを発
生させ、各エコー信号に異なった位相エンコード情報を
付与して画像再構成に必要なエコーデータセットを収集
し、これを二次元フーリエ変換して1枚の磁気共鳴画像
を得る。このようなFSE法のパルスシーケンスに、A
FI(Advanced Fourier Imaging)法が適用された撮影
方法がFASE法である。図2に示すように、AFI法
(「ハーフフーリエ法」とも称される)は、位相エンコ
ード方向または周波数エンコード方向の約半分以上のデ
ータに基づいて、K空間(K-space)データの複素共役
対称性を利用し、不足分のデータを補ってから再構成を
行うことによりK空間での対称データ(全データ)を用
いたものに近い、ぼけの少ない画像を得る再構成手法で
ある。FASE法では、位相エンコード方向にAFI法
を適用することにより実用的なTEの長さと、エコーフ
ァクタの増加(撮影時間の短縮)とを両立させている。
【0031】ところで、3D−TOF−MRA(3次元
タイムオブフライトMRアンジオグラフィー)の変形手
法として、選択励起パルスのフリップ角をスライス方向
に傾斜させることにより血流の描出能を均一にしようと
する試みが行われてきた。かかる撮影手法はTONE法
(参考文献:Purdy D, et.al, The design of a variab
le flip angle slab selection(TONE)pulses for impro
ved 3D MR angiography. ISMRM'92, p.882)と呼ばれて
おり、典型的には、血流の流入側ではフリップ角を10
°程度とし、流出側では30°程度とし、スライス内で
ほぼ線形に変化するフリップ角分布を有する。
【0032】そして本実施形態では、図1に示したFA
SE法の90°RFパルス(励起パルス)P1として、
このTONE型のものと同様のRFパルスを印加する。
【0033】図3は、本実施形態のSAS法を説明する
ための図である。
【0034】同図(a)に示すように、90°RFパル
ス(励起パルス)P1の信号強度分布10は、スライス
方向に沿って非平坦形であり、スライス厚11のほぼ中
心を挟んで非対称であり、単調変化するものである。
【0035】同図(b)はスライス方向のフリップ角の
分布を示している。3D−TOF−MRA用のTONE
型パルスではフリップ角が10°乃至30°と浅めであ
ったが、ここでは、例えば20°から90°といった分
布を持つように設定するのが好適である。
【0036】同図(c)はスライス方向の信号強度の分
布を示している。あるスライス位置の信号強度は、si
n(フリップ角)であり、フリップ角20°とフリップ
角90°の信号強度は、それぞれ、sin(20°)≒
0.34であり、sin(90°)=1である。つま
り、同図(c)に示すスライス方向の信号強度分布
(「感度分布」)10は、フリップ角20°からフリッ
プ角90°までスライス方向に沿って約1:3の割合で
変化する。
【0037】このような本実施形態によれば、表面コイ
ルを用いなくとも脳表感度が強調され、および脳室部分
の信号抑制がされる。したがって、脳表面が明瞭に描出
された画像を得ることができる。
【0038】ところで、FSE系シーケンスにおいて
は、CPMG(Carr Purcell MeiboomGill)条件を満たす
ことが最も本質的であり、スライス方向にフリップ角が
分布を持っても、原理的に信号の生成に悪影響を及ぼさ
ない。ただし、フリップが浅いために縦磁化成分が残
り、この残存のため後続のリフォーカス用のパルス(以
下では「フロップパルス」という)印加時にFID信号
を生じて、これが収集データに混入するとアーチファク
トが出やすくなる可能性が高くなる。この場合にはフロ
ップパルスの後のスポイラー傾斜磁場を強化してFID
信号の分散効果を高めて影響を抑制すれば良い。
【0039】ここまでの記述はFASE法を中心に行っ
たが、RARE法、FSE法をSASとして使用する場
合にも全く同じように考えることができる。従って、適
用の対象となるシーケンスは「FSE系」シーケンス全
般、あるいは「RFリフォーカスパルスを用いたマルチ
エコー型のパルスシーケンス」全般といってよい。
【0040】次に、実際の撮影を想定したスキャンのプ
ラニング(スキャン計画)について図4を参照しながら
説明する。
【0041】図4(a)は最も一般的な頭頂部の撮影、
図4(b)は側方からの撮影、図4(c)は前後からの
スキャンプランを示している。また図4(d)は大脳半
球の内側面の表面構造の画像化に好適なスキャンプラン
である。特に、図4(d)に示すものは、表面コイルに
よるSAS法では設定不能なスキャンプランであり、こ
の点において本実施形態は有利である。また、大脳の下
側面を描出するスキャンプランとしては、スライス厚中
心付近の感度を上げる(他の部分よりも大とする)こと
が適当であると思われる。このスキャンプランを図5に
示す。
【0042】(スライス特性の3次元化)SASの撮影
対象である頭部は、大まかに言えば球型をしており、脳
の表面だけを強調するために、フリップ角度を脳表面の
球面に沿って大きくするようにしても良い。このように
3次元的に分布を持った励起特性を有するRFパルスの
設計技術は既に知られている。
【0043】(スキャンプラン操作における工夫)実際
の撮影に当たっては、パイロットとなる画像から撮影の
プラン(スキャンプラン)を行い、撮影領域を指定す
る。この際に、期待される信号強度分布(「感度分
布」)を明示することが好ましい。特に、非対称で単調
な感度分布を持つものが最も有用性が高いと思われ、操
作者にその非対称性を明示するだけでもよい。かかる実
施形態を図6に示す。
【0044】図6(a)は、撮影領域を示すマークM1
を表示し、該マークM1の袖に信号強度分布(スライス
特性)を示すマークM2を表示するもの、図6(b)
は、撮影領域を示すとともに模式的な信号強度分布を示
すマークM3を表示するもの、図6(c)は、撮影領域
を示すとともに信号強度が高い側に印が付されているマ
ークM4を表示するもの、そして図6(d)は、撮影領
域を示すマークM5を表示し、信号強度の高い側を視線
側と想定し、該方向を示す矢印M6を表示するものであ
る。
【0045】(低フリップ角撮影)これまでの説明によ
れば、SAS撮影の自由度が高くなり、従来にも増して
活用の幅が広がることは容易に理解されよう。
【0046】例えば、全脳を包含するような広い撮影領
域のSAS像を得、これを最終目標のSAS像を得るた
めのパイロット画像として活用する。
【0047】かかるSAS像を撮影するに際しては、信
号強度が大きくなり受信信号が飽和する場合が起こり得
ることを考慮し、標準の90度条件を満たしたフリップ
角ではなく、スライス全体にわたって低フリップ角化し
たRFパルスを励起パルスとして用いる。より詳しく
は、フリップ角30°の励起であれば信号強度はsin
(30°)=0.5倍程度となり、受信信号の飽和抑制
が期待される。この撮影方式は、受信のゲインに余裕の
無い装置ではさらに活用の幅が広がる。
【0048】(フリップのみの設定でない場合)ここま
では、励起パルスの変形によりスライス方向の信号強度
分布(スライス特性)を変えるSAS法について述べ
た。従来より知られているように、信号強度はリフォー
カスパルスの角度(フロップ角)によっても変化する。
つまり、リフォーカスパルス(図1に示す一連のRFパ
ルスP2)の特性を変形することでも上述した本発明の
作用効果を得ることができる。ただしこの場合の「スラ
イス特性」は関心対象の緩和時定数等にも依存するの
で、フリップ角による調整のほうが直接的である。
【0049】(強いT2強調以外のコントラストの例)
ここまでは、強いT2強調コントラストを想定して記述
してきた。具体的にはTEが概略200ms程度以上の
シーケンスを想定している。例えばTE80程度であれ
ば実質部に対し脂肪信号が強調される。そこで、フレア
ー(FLAIR)型のプリパルスを付加して脳脊髄液を
抑制すると脂肪強調の画像が得られる。脂肪強調画像イ
メージングに上述した本発明のSAS法を組み合わせる
ことにより、例えば顔面の表情を出すなどの撮影も可能
となろう。
【0050】また、TEを短めにするとともに脂肪と脳
脊髄液の両者をプリパルスなどにより抑制するように
し、かつ本発明のSAS法による撮影を行えば、実質部
からの信号に基づいて脳の表面を直接的に描出すること
も可能である。
【0051】(GFE法系シーケンスの場合)脳脊髄液
の強調イメージングに、グラディエントフィールドエコ
ー法(GFE法)系シーケンスを用いる場合もある。こ
れは、CE−FAST法や、CISS法(参考文献:Ca
sselman J.W., et.al, Constructive interference in
steadystate-3DFT MR imaging of the inner ears and
cerebellopontine angle. AJNR14:47-57,1993)などとし
て知られている。この場合についてもスライス方向の信
号強度分布をフリップ角の設定によって得ることができ
る。つまり、本発明の撮影手法は、高速スピンエコー系
のみならず、グラディエントフィールドエコー法にも適
用され得る。
【0052】なお、本発明は上述した実施形態に限定さ
れず種々変形して実施可能である。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
脳表感度が信号強調され、一方、脳室部分は信号抑制さ
れることで視認性がよい脳表面の解析画像を、表面コイ
ルを用いることなくパルスシーケンスの工夫によって簡
便に得ることができる磁気共鳴イメージング装置を提供
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るFSE系のパルスシー
ケンスを示す図
【図2】AFI(Advanced Fourier Imaging)法を説明
するための図
【図3】(a)は本実施形態のSAS法を説明するため
の図、(b)はスライス方向のフリップ角の分布を示す
図、(c)はスライス方向の信号強度分布を示す図
【図4】実際の撮影を想定したスキャンのプラニング
(スキャン計画)例を示す図であって、(a)は最も一
般的な頭頂部の撮影、(b)は側方からの撮影、(c)
は前後からの撮影、(d)は大脳半球の内側面の表面構
造の撮影、にそれぞれ用いられるスキャンプランを示す
【図5】大脳の下側面の描出に好適なスキャンプランを
示す図
【図6】スキャンプランにおける信号強度分布の表示例
を示す図
【図7】従来例に係るSAS法を説明するための図であ
って、(a)は表面コイルを用いるSAS法の原型、
(b)はFASE法における従来のSAS法、(c)は
マルチスライスSAS法、をそれぞれ示す図
【符号の説明】
P1…90°RFパルス(励起パルス) P2…180°RFパルス(リフォーカスパルス) 10…90°RFパルス(励起パルス)P1の信号強度
分布 11…スライス厚

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 RFリフォーカスパルスによりマルチエ
    コーを収集する磁気共鳴イメージング装置において、信
    号強度分布特性がスライス方向に沿って非平坦形となる
    RFパルスを印加する手段を具備することを特徴とする
    磁気共鳴イメージング装置。
  2. 【請求項2】 前記信号強度分布特性は、スライス厚の
    ほぼ中心を挟んで非対称であることを特徴とする請求項
    1に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  3. 【請求項3】 前記信号強度分布特性は、スライス方向
    に沿って単調に変化することを特徴とする請求項1又は
    2に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  4. 【請求項4】 スライス厚中心付近における前記RFパ
    ルスの信号強度を他の部分よりも大としたことを特徴と
    する請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  5. 【請求項5】 前記印加手段により印加されるRFパル
    スは、画像化対象領域の全体を一様に励起する低フリッ
    プ角のRFパルスであることを特徴とする請求項1乃至
    4のいずれかに記載の磁気共鳴イメージング装置。
  6. 【請求項6】 RFリフォーカスパルスによりマルチエ
    コーを収集する磁気共鳴イメージング装置において、撮
    影対象物のほぼ表面に沿う3次元の信号強度分布特性を
    有するRFパルスを印加する手段を具備することを特徴
    とする磁気共鳴イメージング装置。
  7. 【請求項7】 前記印加手段が印加するRFパルスはフ
    リップパルスを含み、かつフリップ角度の変更を含む当
    該フリップパルスの選択励起特性の変更により前記信号
    強度分布特性を変更することを特徴とする請求項1乃至
    6のいずれかに記載の磁気共鳴イメージング装置。
  8. 【請求項8】 組織のT2が強調されたT2強調画像を
    撮影する請求項1乃至7のいずれかに記載の磁気共鳴イ
    メージング装置。
  9. 【請求項9】 脂肪が強調された脂肪強調画像を撮影す
    る請求項1乃至8のいずれかに記載の磁気共鳴イメージ
    ング装置。
  10. 【請求項10】 脂肪及び脳脊髄液が抑制されると共
    に、脳実質部が強調された画像を撮影する請求項1乃至
    7のいずれかに記載の磁気共鳴イメージング装置。
  11. 【請求項11】 フィールドエコー系列のパルスシーケ
    ンスにより強いT2強調画像を撮影する磁気共鳴イメー
    ジング装置において、信号強度分布特性がスライス方向
    に沿って非平坦形となるRFパルスを印加する手段を具
    備することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  12. 【請求項12】 スライス方向に沿ったRFパルスの信
    号強度分布若しくはフリップ角度分布の少なくともいず
    れかを表示し、又はこれらに応じたマークを表示する表
    示手段をさらに具備し、前記表示手段による表示に基づ
    いてスキャン計画が行われることを特徴とする請求項1
    乃至11のいずれかに記載の磁気共鳴イメージング装
    置。
  13. 【請求項13】 前記スライス方向に沿った信号強度の
    高低又はフリップ角度の高低に応じた方向特性を表示す
    る手段をさらに具備する請求項12に記載の磁気共鳴イ
    メージング装置。
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