JP2001061802A - 生体電気現象模擬装置 - Google Patents
生体電気現象模擬装置Info
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Landscapes
- Measurement And Recording Of Electrical Phenomena And Electrical Characteristics Of The Living Body (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 生体磁気計測装置の校正のために、生体内の
磁界の発生原理をより忠実に再現したファントムを提供
する。 【解決手段】 電流双極子100は絶縁性材質のケース
110で密封されている。撚り線対108を介して両電
極102a、102b間に電圧を印加したときに水平導
線部104を流れる電荷(電流)は、電極102a、1
02b間の容量に蓄積され、電流双極子の外部の導電性
液体(生理食塩水)には流れ出ない。誘電材料112の
層を設けることにより、必要な容量を確保している。水
平導線部104を流れる電流により、電流双極子100
の周囲に磁界が発生する。電流双極子100の構造は、
外部への積極的な電流供給を行っていない神経細胞の細
胞内電流をより忠実に模擬したものと言える。
磁界の発生原理をより忠実に再現したファントムを提供
する。 【解決手段】 電流双極子100は絶縁性材質のケース
110で密封されている。撚り線対108を介して両電
極102a、102b間に電圧を印加したときに水平導
線部104を流れる電荷(電流)は、電極102a、1
02b間の容量に蓄積され、電流双極子の外部の導電性
液体(生理食塩水)には流れ出ない。誘電材料112の
層を設けることにより、必要な容量を確保している。水
平導線部104を流れる電流により、電流双極子100
の周囲に磁界が発生する。電流双極子100の構造は、
外部への積極的な電流供給を行っていない神経細胞の細
胞内電流をより忠実に模擬したものと言える。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生体磁気計測装置
の校正に用いる、いわゆるファントムに関する。
の校正に用いる、いわゆるファントムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、SQUID(Superconducting QU
antum Interference Device)などの高感度な磁束計に
より、神経等の電気活動によって生じる磁界を計測する
生体磁気計測装置が、脳や心臓などの機能診断、研究に
用いられるようになっている。この生体磁気計測装置で
は、生体内の磁場の原因である電流源を微小な電流双極
子と仮定し、計測した生体の磁場を満足する電流双極子
の分布を、逆問題を解くことにより推定している。この
装置は、生体内の電流源の位置を数mm程度の精度で推
定できる。
antum Interference Device)などの高感度な磁束計に
より、神経等の電気活動によって生じる磁界を計測する
生体磁気計測装置が、脳や心臓などの機能診断、研究に
用いられるようになっている。この生体磁気計測装置で
は、生体内の磁場の原因である電流源を微小な電流双極
子と仮定し、計測した生体の磁場を満足する電流双極子
の分布を、逆問題を解くことにより推定している。この
装置は、生体内の電流源の位置を数mm程度の精度で推
定できる。
【0003】このような生体磁気計測装置の校正は、位
置や向きなどが既知の電流双極子をその装置で実際に測
定し、計算で推定した電流双極子の位置等が実際の位置
等と等しくなるように行う。このような校正作業のため
には、生体内の電気活動を模擬するファントムが用いら
れる。
置や向きなどが既知の電流双極子をその装置で実際に測
定し、計算で推定した電流双極子の位置等が実際の位置
等と等しくなるように行う。このような校正作業のため
には、生体内の電気活動を模擬するファントムが用いら
れる。
【0004】図4は、生体電気現象模擬用の従来のファ
ントムの概略構成を模式的に示す図である。このファン
トムは、アクリル樹脂等からなる球形の中空容器10に
生理食塩水を満たし、その中に電流双極子20を配置し
たものである。電流双極子20は、電気絶縁材で被覆さ
れた一対の被覆導線22をT字形に折り曲げ、被覆導線
22の水平部分24の先端の被覆を剥がして形成され
る。電流双極子20へは、電源30から被覆導線22の
垂直部分26を介して電流が供給される。垂直部分26
は、2本の被覆導線22をより線などの形にして構成し
ている。
ントムの概略構成を模式的に示す図である。このファン
トムは、アクリル樹脂等からなる球形の中空容器10に
生理食塩水を満たし、その中に電流双極子20を配置し
たものである。電流双極子20は、電気絶縁材で被覆さ
れた一対の被覆導線22をT字形に折り曲げ、被覆導線
22の水平部分24の先端の被覆を剥がして形成され
る。電流双極子20へは、電源30から被覆導線22の
垂直部分26を介して電流が供給される。垂直部分26
は、2本の被覆導線22をより線などの形にして構成し
ている。
【0005】電源30から電力を供給すると、図5に示
すように、被覆導線22の水平部分24では、一方の電
極28から他方の電極28へ向かって、その方向に電流
40が流れているとみなすことができ、この部分が電流
双極子となる。この電流40により誘導される磁界が生
体磁気計測装置で検出され、校正に用いられる。
すように、被覆導線22の水平部分24では、一方の電
極28から他方の電極28へ向かって、その方向に電流
40が流れているとみなすことができ、この部分が電流
双極子となる。この電流40により誘導される磁界が生
体磁気計測装置で検出され、校正に用いられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来ファントムで
は、図5に示したように電極28が生理食塩水の中に露
出しており、一方の電極28から他方の電極28へ生理
食塩水の中を電流42が流れることになる。ところが、
脳磁界などの生体内磁界の本来の発生起源は、神経細胞
内の細胞内電流のベクトル和であり、細胞外への電流供
給を積極的に行っているわけではない。この点で従来の
ファントムは原理的に問題があると言える。なお、生理
食塩水内を流れる電流42を生体内の2次電流(second
ary current)を模擬するものと解している例もあった
が、2次電流は本来細胞内の1次電流による磁場によっ
て細胞外に誘導される電流であり、電流双極子20から
流れ出した電流42は強度、分布などの点で本来の2次
電流を模擬しているとは言えない。
は、図5に示したように電極28が生理食塩水の中に露
出しており、一方の電極28から他方の電極28へ生理
食塩水の中を電流42が流れることになる。ところが、
脳磁界などの生体内磁界の本来の発生起源は、神経細胞
内の細胞内電流のベクトル和であり、細胞外への電流供
給を積極的に行っているわけではない。この点で従来の
ファントムは原理的に問題があると言える。なお、生理
食塩水内を流れる電流42を生体内の2次電流(second
ary current)を模擬するものと解している例もあった
が、2次電流は本来細胞内の1次電流による磁場によっ
て細胞外に誘導される電流であり、電流双極子20から
流れ出した電流42は強度、分布などの点で本来の2次
電流を模擬しているとは言えない。
【0007】また、従来のファントムでは、生理食塩水
内を電流が流れるため、電流の流れる領域が広くなり、
電流双極子の位置推定の精度を確認する用途には適さな
いという問題もある。
内を電流が流れるため、電流の流れる領域が広くなり、
電流双極子の位置推定の精度を確認する用途には適さな
いという問題もある。
【0008】また、上記従来ファントムでは、電流双極
子20の外に電流が流れ出るので、電流双極子20を複
数用いた場合、ある電流双極子20から流れ出た電流が
他の電流双極子20に流入し、干渉してしまうなど、電
流双極子20同士の間でクロストークが起こってしまう
という問題がある。このようなクロストークにより、個
々の電流双極子20の双極子強度の信頼性が低下してし
まう。
子20の外に電流が流れ出るので、電流双極子20を複
数用いた場合、ある電流双極子20から流れ出た電流が
他の電流双極子20に流入し、干渉してしまうなど、電
流双極子20同士の間でクロストークが起こってしまう
という問題がある。このようなクロストークにより、個
々の電流双極子20の双極子強度の信頼性が低下してし
まう。
【0009】また、神経内の電流を模擬するには、電流
双極子20を微小電流駆動にする必要があるが、上記従
来技術では外部の生理食塩水に電流を流すため、微小電
流駆動が困難であるという問題もある。生理食塩水は、
図6に示すような非線形な電流−電圧特性を持つため、
微小電流を流そうとすると電源電圧の制御が非常に困難
である。また、従来は電流双極子の導線端から生理食塩
水に電流を流すにもかかわらず、液面電位を考慮してい
なかったため、導線端(金属)と生理食塩水との接触電
位差が駆動を困難なものにしていた。
双極子20を微小電流駆動にする必要があるが、上記従
来技術では外部の生理食塩水に電流を流すため、微小電
流駆動が困難であるという問題もある。生理食塩水は、
図6に示すような非線形な電流−電圧特性を持つため、
微小電流を流そうとすると電源電圧の制御が非常に困難
である。また、従来は電流双極子の導線端から生理食塩
水に電流を流すにもかかわらず、液面電位を考慮してい
なかったため、導線端(金属)と生理食塩水との接触電
位差が駆動を困難なものにしていた。
【0010】本発明は上記問題を解決するために、生体
内の電気現象の原理により忠実で、クロストーク等の心
配のないファントム、すなわち生体電気現象模擬装置を
提供することを目的とする。
内の電気現象の原理により忠実で、クロストーク等の心
配のないファントム、すなわち生体電気現象模擬装置を
提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る生体電気現象模擬装置は、導電性材料
を充填した容器の中に電流双極子を配設してなる生体電
気現象模擬装置であって、前記電流双極子を絶縁材料の
ケースに収容し、前記電流双極子の両電極及びこれら両
電極間の導線部を前記導電性材料から電気的に絶縁した
ことを特徴とする。
に、本発明に係る生体電気現象模擬装置は、導電性材料
を充填した容器の中に電流双極子を配設してなる生体電
気現象模擬装置であって、前記電流双極子を絶縁材料の
ケースに収容し、前記電流双極子の両電極及びこれら両
電極間の導線部を前記導電性材料から電気的に絶縁した
ことを特徴とする。
【0012】この構成では、電流双極子の電極間の容量
により電流が流れ、この電流が生体内の活動電流を模擬
する。電流双極子の電極及び導線部は電気絶縁性のケー
スに収容されているため、外部の導電性材料(例えば生
理食塩水)に電流が流れ出すことはない。この構成は、
生体内の電流の原理により適合したものであり、電流双
極子の外に電流が流れ出ないので位置精度の良いモデル
を提供できる。
により電流が流れ、この電流が生体内の活動電流を模擬
する。電流双極子の電極及び導線部は電気絶縁性のケー
スに収容されているため、外部の導電性材料(例えば生
理食塩水)に電流が流れ出すことはない。この構成は、
生体内の電流の原理により適合したものであり、電流双
極子の外に電流が流れ出ないので位置精度の良いモデル
を提供できる。
【0013】また、本発明は、導電性材料を充填した容
器と、この容器内に配置した電流双極子と、前記電流双
極子に接続された一対の給電線と、この一対の給電線を
介して前記電流双極子に電流を供給する電源と、を有す
る生体電気現象模擬装置であって、前記電流双極子は、
間隔をあけて配置された一対の電極と、前記各電極に接
続され、前記両電極間をほぼ同一直線に沿って延び前記
給電線に接続される一対の導線と、前記電極及び前記導
線対を収容し、前記導電性材料から電気的に絶縁する双
極子ケースと、前記双極子ケース内の前記電極同士の間
に設けられた誘電材料層とを備えることを特徴とする。
器と、この容器内に配置した電流双極子と、前記電流双
極子に接続された一対の給電線と、この一対の給電線を
介して前記電流双極子に電流を供給する電源と、を有す
る生体電気現象模擬装置であって、前記電流双極子は、
間隔をあけて配置された一対の電極と、前記各電極に接
続され、前記両電極間をほぼ同一直線に沿って延び前記
給電線に接続される一対の導線と、前記電極及び前記導
線対を収容し、前記導電性材料から電気的に絶縁する双
極子ケースと、前記双極子ケース内の前記電極同士の間
に設けられた誘電材料層とを備えることを特徴とする。
【0014】この構成では、電流双極子の電極及び導線
を導電性材料から絶縁し、両電極間を流れる電流を十分
なものとするために誘電材料層を設けた。なお、双極子
ケースと誘電材料層とを同一の材質で一体に形成しても
もちろんよい。
を導電性材料から絶縁し、両電極間を流れる電流を十分
なものとするために誘電材料層を設けた。なお、双極子
ケースと誘電材料層とを同一の材質で一体に形成しても
もちろんよい。
【0015】この構成で、容器に電流双極子内に複数の
電流双極子を配置したとしてもクロストークの問題が起
こらず、生体内の複数の場所での電流による磁界発生を
精度良く模擬できる。
電流双極子を配置したとしてもクロストークの問題が起
こらず、生体内の複数の場所での電流による磁界発生を
精度良く模擬できる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態(以下
実施形態という)について、図面に基づいて説明する。
実施形態という)について、図面に基づいて説明する。
【0017】図1は、本発明に係るファントム、すなわ
ち生体電気現象模擬装置の構成を模式的に示す図であ
る。図に示すファントムは脳を模擬するものであり、頭
蓋骨を模擬する球形の中空容器10の中に、脳内組織等
を模擬する導電性液体14、例えば生理食塩水を充填
し、その中に電流双極子100を配置したものである。
例えば、中空容器10としては、アクリル樹脂等の非磁
性材質で、直径15cm程度、球殻厚さ5mm程度のも
のを用いることができる。電流双極子100は給電線1
20を介して電源130に接続されている。電源130
は交流電源である。
ち生体電気現象模擬装置の構成を模式的に示す図であ
る。図に示すファントムは脳を模擬するものであり、頭
蓋骨を模擬する球形の中空容器10の中に、脳内組織等
を模擬する導電性液体14、例えば生理食塩水を充填
し、その中に電流双極子100を配置したものである。
例えば、中空容器10としては、アクリル樹脂等の非磁
性材質で、直径15cm程度、球殻厚さ5mm程度のも
のを用いることができる。電流双極子100は給電線1
20を介して電源130に接続されている。電源130
は交流電源である。
【0018】なお、図1では省略しているが、中空容器
10には電流双極子100を挿入するための挿入孔が設
けられている。この挿入孔から、給電線120に接続さ
れた電流双極子100を中空容器10内に所望の深さま
で挿入することにより、中空容器10内に電流双極子1
00を配置する。給電線120が柔軟な場合は、給電線
120を非磁性体硬質材料の筒に通し、この筒で電流双
極子100を支持するようにすることにより、電流双極
子100の配置位置を固定することができる。なお、電
流双極子100を挿入した挿入孔から導電性液体14が
漏出しないようにするための漏出防止機構が設けられて
いることは言うまでもない。
10には電流双極子100を挿入するための挿入孔が設
けられている。この挿入孔から、給電線120に接続さ
れた電流双極子100を中空容器10内に所望の深さま
で挿入することにより、中空容器10内に電流双極子1
00を配置する。給電線120が柔軟な場合は、給電線
120を非磁性体硬質材料の筒に通し、この筒で電流双
極子100を支持するようにすることにより、電流双極
子100の配置位置を固定することができる。なお、電
流双極子100を挿入した挿入孔から導電性液体14が
漏出しないようにするための漏出防止機構が設けられて
いることは言うまでもない。
【0019】中空容器10の挿入孔は、1つでもよいし
複数設けてもよい。複数設ければ、中空容器10内の電
流双極子100の配置位置を様々に変えたり、複数の電
流双極子100を同時に中空容器10内に配置したりす
ることが可能になる。使用しない挿入孔は栓で塞がれ
る。
複数設けてもよい。複数設ければ、中空容器10内の電
流双極子100の配置位置を様々に変えたり、複数の電
流双極子100を同時に中空容器10内に配置したりす
ることが可能になる。使用しない挿入孔は栓で塞がれ
る。
【0020】本実施形態の電流双極子100の構造を図
2を参照して説明する。図2は電流双極子100の断面
を模式的に示している。
2を参照して説明する。図2は電流双極子100の断面
を模式的に示している。
【0021】図2の構成では、一対の板状の電極102
a及び102bが、間隔を隔て、対向して配置されてい
る。電極102aと電極102bとの間隔は例えば5〜
10mm程度である。各電極102a及び102bに
は、それぞれ導線が接続されている。それら2つの導線
は、図中水平方向にほぼ同一直線に沿って電極102a
と102bとの中央まで延び、そこで折れ曲がって撚り
線対(ツイストペア)108を構成する。導線のうち図
中で水平に延びている部分が、両電極102a及び10
2b間を流れる双極子電流(等過電流)の経路となり、
この電流が磁界を発生させる。ここではその水平部分の
ことを水平導線部104と呼ぶ。
a及び102bが、間隔を隔て、対向して配置されてい
る。電極102aと電極102bとの間隔は例えば5〜
10mm程度である。各電極102a及び102bに
は、それぞれ導線が接続されている。それら2つの導線
は、図中水平方向にほぼ同一直線に沿って電極102a
と102bとの中央まで延び、そこで折れ曲がって撚り
線対(ツイストペア)108を構成する。導線のうち図
中で水平に延びている部分が、両電極102a及び10
2b間を流れる双極子電流(等過電流)の経路となり、
この電流が磁界を発生させる。ここではその水平部分の
ことを水平導線部104と呼ぶ。
【0022】これに対し、撚り線対108の部分は、電
源130に接続されており、電流双極子100に対する
給電線120の役割を果たす。すなわち、撚り線対10
8では、それら2本の導線に互いに逆向きの等しい大き
さの電流が流れるので、相互の磁界が打ち消し合う。ま
た、撚り線の効果により磁界の発生が更に抑制される。
これにより、給電線120は、ノイズとなる磁界を発生
させずに、電流双極子100に電力を供給できる。
源130に接続されており、電流双極子100に対する
給電線120の役割を果たす。すなわち、撚り線対10
8では、それら2本の導線に互いに逆向きの等しい大き
さの電流が流れるので、相互の磁界が打ち消し合う。ま
た、撚り線の効果により磁界の発生が更に抑制される。
これにより、給電線120は、ノイズとなる磁界を発生
させずに、電流双極子100に電力を供給できる。
【0023】なお、この撚り線対108の部分では、導
線は導電性液体の中を通る。したがって、この撚り線対
108の部分では、導線からの電流の漏出を防ぐため、
導線を合成樹脂などの電気絶縁材料で被覆する。これに
対し、ケース110内の導線部分は、ケース110等に
より導電性液体から絶縁されるので、基本的には被覆の
必要はない。
線は導電性液体の中を通る。したがって、この撚り線対
108の部分では、導線からの電流の漏出を防ぐため、
導線を合成樹脂などの電気絶縁材料で被覆する。これに
対し、ケース110内の導線部分は、ケース110等に
より導電性液体から絶縁されるので、基本的には被覆の
必要はない。
【0024】両電極102a及び102bとその間の水
平導線部104の部分は、電気絶縁材料からなる密閉型
のケース110に封入されており、外界から完全に遮断
されている。そして、ケース110内の電極102aと
電極102bの回りは、高誘電率の誘電材料112が充
填されている。
平導線部104の部分は、電気絶縁材料からなる密閉型
のケース110に封入されており、外界から完全に遮断
されている。そして、ケース110内の電極102aと
電極102bの回りは、高誘電率の誘電材料112が充
填されている。
【0025】図3に、本実施形態のファントムの機能の
原理を示す。まず(A)に示すように電源130から電
流双極子100に電圧を印加すると、電極102bが正
極、電極102aが負極となり、電流双極子100内の
水平導線部104では、矢印で示すように電極102b
から電極102aに向かう方向に電流が流れる。この電
流により、電流双極子100の周りに磁界が形成され
る。
原理を示す。まず(A)に示すように電源130から電
流双極子100に電圧を印加すると、電極102bが正
極、電極102aが負極となり、電流双極子100内の
水平導線部104では、矢印で示すように電極102b
から電極102aに向かう方向に電流が流れる。この電
流により、電流双極子100の周りに磁界が形成され
る。
【0026】ここで、電流双極子100は絶縁性材質の
ケース110で密封されているため、電流は電流双極子
100の外部の導電性液体14には流れ出ない。すなわ
ち、本実施形態の電流双極子100では、水平導線部1
04を流れる電荷(電流)は、電極102a、102b
間の容量に蓄積され、外部には流れ出ない。誘電材料1
12の層を設けることにより、必要な容量を確保してい
る。
ケース110で密封されているため、電流は電流双極子
100の外部の導電性液体14には流れ出ない。すなわ
ち、本実施形態の電流双極子100では、水平導線部1
04を流れる電荷(電流)は、電極102a、102b
間の容量に蓄積され、外部には流れ出ない。誘電材料1
12の層を設けることにより、必要な容量を確保してい
る。
【0027】電圧の印加を中止すると、(B)に示すよ
うに、電極102a、102b間に蓄積された電荷が放
電され、(A)の時点とは逆向きに電極102bから1
02aに向けて電流が流れる。この電流により、(A)
の時点とは逆向きの磁界が発生する。
うに、電極102a、102b間に蓄積された電荷が放
電され、(A)の時点とは逆向きに電極102bから1
02aに向けて電流が流れる。この電流により、(A)
の時点とは逆向きの磁界が発生する。
【0028】このように、本実施形態では、電流双極子
100を絶縁体のケース110で密封し、外部の導電性
液体14を通さずに、内部の電極間の静電容量によって
双極子電流を流すようにした。本実施形態は、低周波的
に見れば、開放回路を構成したものといえる。この方式
は、外部への積極的な電流供給を行っていない神経細胞
の細胞内電流を、従来方式よりも忠実に模擬していると
考えられる。また、導電性液体内に電流が流れないた
め、電流双極子100によって生じる磁界の範囲が従来
よりもシャープになり、精度の高い構成が可能になる。
100を絶縁体のケース110で密封し、外部の導電性
液体14を通さずに、内部の電極間の静電容量によって
双極子電流を流すようにした。本実施形態は、低周波的
に見れば、開放回路を構成したものといえる。この方式
は、外部への積極的な電流供給を行っていない神経細胞
の細胞内電流を、従来方式よりも忠実に模擬していると
考えられる。また、導電性液体内に電流が流れないた
め、電流双極子100によって生じる磁界の範囲が従来
よりもシャープになり、精度の高い構成が可能になる。
【0029】また、本実施形態では、電極102a、1
02bが導電性液体14に露出していないので、中空容
器10内に電流双極子100を複数個配置したとして
も、クロストークはほとんど生じない。
02bが導電性液体14に露出していないので、中空容
器10内に電流双極子100を複数個配置したとして
も、クロストークはほとんど生じない。
【0030】また、本実施形態は、双極子内の電流経路
と導電性液体とが電気的に絶縁されているため、単純な
2電極間電圧駆動で安定的に動作させることが可能であ
り、電流双極子の強度について良好な再現性・信頼性が
得られる。
と導電性液体とが電気的に絶縁されているため、単純な
2電極間電圧駆動で安定的に動作させることが可能であ
り、電流双極子の強度について良好な再現性・信頼性が
得られる。
【0031】発明者らが行ったシミュレーションによれ
ば、本実施形態の構造の電流双極子が、一般的な回路定
数の素子と簡単な電圧駆動回路を用いて、生体磁気計測
装置の構成のために要求される電流強度・周波数帯域の
双極子電流を実現できることが分かった。
ば、本実施形態の構造の電流双極子が、一般的な回路定
数の素子と簡単な電圧駆動回路を用いて、生体磁気計測
装置の構成のために要求される電流強度・周波数帯域の
双極子電流を実現できることが分かった。
【0032】なお、図2に例示した電流双極子100で
は、電極102a、102b間の一対の水平導線部10
4が水平に同一直線に沿って設けられていたが、このよ
うに厳密な配置構成は必ずしも必要ない。ただし、一対
の水平導線部104が同一直線を通る構造とした方が、
精度がよいものとなる。また、両電極102a及び10
2bは同サイズである必要はない。
は、電極102a、102b間の一対の水平導線部10
4が水平に同一直線に沿って設けられていたが、このよ
うに厳密な配置構成は必ずしも必要ない。ただし、一対
の水平導線部104が同一直線を通る構造とした方が、
精度がよいものとなる。また、両電極102a及び10
2bは同サイズである必要はない。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
生体内磁界の発生原理により忠実な模擬生体内磁界を提
供するファントムが得られる。
生体内磁界の発生原理により忠実な模擬生体内磁界を提
供するファントムが得られる。
【図1】 本発明に係る生体電気現象模擬装置(ファン
トム)の構成を模式的に示す図である。
トム)の構成を模式的に示す図である。
【図2】 本発明に係るファントムに用いる電流双極子
の構造を示す図である。
の構造を示す図である。
【図3】 本発明に係るファントムの機能原理を説明す
るための図である。
るための図である。
【図4】 従来のファントムの構成を模式的に示す図で
ある。
ある。
【図5】 従来のファントムにおける電流双極子の機能
原理を説明するための図である。
原理を説明するための図である。
【図6】 ファントムに充填される生理食塩水の電流−
電圧特性を示す図である。
電圧特性を示す図である。
10 中空容器、14 導電性液体、100 電流双極
子、102a,102b 電極、104 水平導線部、
108 撚り線対、110 ケース、112誘電材料、
120 給電線、130 電源。
子、102a,102b 電極、104 水平導線部、
108 撚り線対、110 ケース、112誘電材料、
120 給電線、130 電源。
Claims (3)
- 【請求項1】 導電性材料を充填した容器の中に電流双
極子を配設してなる生体電気現象模擬装置であって、 前記電流双極子を絶縁材料のケースに収容し、前記電流
双極子の両電極及びこれら両電極間の導線部を前記導電
性材料から電気的に絶縁したことを特徴とする生体電気
現象模擬装置。 - 【請求項2】 導電性材料を充填した容器と、この容器
内に配置した電流双極子と、前記電流双極子に接続され
た一対の給電線と、この一対の給電線を介して前記電流
双極子に電流を供給する電源と、を有する生体電気現象
模擬装置であって、 前記電流双極子は、 間隔をあけて配置された一対の電極と、 前記各電極に接続され、前記両電極間をほぼ同一直線に
沿って延び前記給電線に接続される一対の導線と、 前記電極及び前記導線対を収容し、前記導電性材料から
電気的に絶縁する双極子ケースと、 前記双極子ケース内の前記電極同士の間に設けられた誘
電材料層と、 を備えることを特徴とする生体電気現象模擬装置。 - 【請求項3】 請求項2記載の生体電気現象模擬装置で
あって、 前記容器内に複数の前記電流双極子を配置したことを特
徴とする生体電気現象模擬装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23643299A JP2001061802A (ja) | 1999-08-24 | 1999-08-24 | 生体電気現象模擬装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23643299A JP2001061802A (ja) | 1999-08-24 | 1999-08-24 | 生体電気現象模擬装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001061802A true JP2001061802A (ja) | 2001-03-13 |
Family
ID=17000676
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23643299A Pending JP2001061802A (ja) | 1999-08-24 | 1999-08-24 | 生体電気現象模擬装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001061802A (ja) |
-
1999
- 1999-08-24 JP JP23643299A patent/JP2001061802A/ja active Pending
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