JP2001061225A - 回動部材をケーブルによって接続する方法、並びに同接続する機構および器具 - Google Patents

回動部材をケーブルによって接続する方法、並びに同接続する機構および器具

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JP2001061225A
JP2001061225A JP23569099A JP23569099A JP2001061225A JP 2001061225 A JP2001061225 A JP 2001061225A JP 23569099 A JP23569099 A JP 23569099A JP 23569099 A JP23569099 A JP 23569099A JP 2001061225 A JP2001061225 A JP 2001061225A
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ring groove
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gear
movable
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JP23569099A
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English (en)
Inventor
Yuji Saiyama
裕治 雜山
Mutsumi Higashiyama
睦 東山
Yasusuke Hodohara
庸介 程原
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Hitachi Kokusai Electric Inc
Original Assignee
Hitachi Kokusai Electric Inc
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  • Electric Cable Arrangement Between Relatively Moving Parts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 固定部材1と回動部材2との間を、フレキシ
ブルな任意のケーブル7によって容易に接続する。 【解決手段】 回動部材2の回動中心2aと同心に位置
せしめて固定歯車3を固定部材1に固着するとともに、
可動歯車6を上記固定歯車3に噛合せしめて、該可動歯
車6を回動部材2に対して回動自在に装着し、かつ、ケ
ーブル7を固定部材1から引き出して、固定歯車3と同
心のリング溝3aに巻き掛け、更に、可動歯車6と同心
のリング溝6aに対して、湾曲方向が反対となるように
巻き掛けて、該可動歯車6の中心軸付近から回動部材2
に引き込む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、相対的に回動する
二つの部材の間を、フレキシブルなケーブルによって電
気的に接続する方法、および、フレキシブルなケーブル
で接続する機構(器具を含む)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】固定部材と回動部材との間をフレキシブ
ルなケーブルによって接続する技術,および、さらに広
義に、相対的に回動する2個の部材の間をフレキシブル
なケーブルによって接続する技術は、例えば電気機器の
表示装置など、多くの場合に必要となる。このような場
合、ケーブルの芯線に生じる捩り応力や曲げ応力が過大
とならないように気をつけないと、芯線の金属材料が疲
労によって早期に破損する虞れが有る。従来一般に、相
互に回動する部材の間をフレキシブルなケーブルで接続
する場合、該ケーブルの長さに充分な余裕を与えて、湾
曲した状態に配置されていた。このように充分な長さを
与えて撓ませておくと、ケーブルで接続されている2個
の部材の相対的な回動によって該ケーブルの芯線に発生
する応力が長さ方向に分散されて局部的に集中しないの
で、芯線の金属材料が疲労破損することが防止される。
【0003】しかしながら、徒らに長いケーブルを蛇行
せしめて配置すると、当該2個の部材を含む機器の小型
化,軽量化が妨げられたり、ケーブルが可動部分に噛み
込まれてトラブルを誘発するなどの不具合を生じ易い。
そこで、機器の小型,軽量化を妨げることなく、回動す
る部材相互をケーブルで接続し、しかも該ケーブルの芯
線に過大な応力が発生しないようにする技術として、特
開平6−318045号公報に記載された「回動表示装
置」が公知である。図7は、公知文献である特開平6−
318045号公報に係る回動表示装置において、図1
として示された1実施例の要部斜視図である。符号4を
付されているのは静止部材としての表示回路であり、こ
れに対して符号5を付されている表示ユニットが回動す
る。上記双方の部材が、渦巻きバネ状の平行信号ケーブ
ル16で接続されている。17は上部コネクタであっ
て、上記表示ユニット5と一緒に回動する部材であり、
18は下部コネクタであって、前記表示回路4に取り付
けられた静止部材である。
【0004】図8は、前記公知文献(特開平6−318
045号公報)において、図3として示された、内部構
成を描いた斜視図であって、図の上下方向に引き伸ばし
た状態が描かれている。符号16は、前掲の図1に示さ
れた平行信号ケーブルと同一の部材である。19は上記
平行信号ケーブルを緩やかに覆っているカバーであっ
て、上面カバー19aと下部カバー19bとが相互に回
動可能に構成されている。16aは前記平行信号ケーブ
ル16の上端であって、上面カバー19aと一緒に往復
円弧矢印A−Bのように回動する部分である。16bは
前記平行信号ケーブル16の下端であって、下部カバー
19bと一緒に静止している部分である。
【0005】図9は、前掲の図6に示された公知技術に
係る回動表示装置の作動を説明するための模式図であっ
て、(A)は中立状態を、(B)は右回りした状態を、
(C)は左回りした状態を、それぞれ描いてある。本図
9(A)に示した中立状態から回動部材を右回り(時計
方向・矢印B方向)に回すと同図(B)のようになり、
平行信号ケーブル16の渦巻き形状が前記標準状態(A
図)に比して若干密となるが、局部的に著しく変形する
箇所は生じない。従って局部的に応力が集中して疲労破
損を誘発する虞れが無い。
【0006】また、(A)の中立状態から左回り(反時
計方向・矢印A方向)に回すと(C)のようになり、平
行信号ケーブル16の渦巻き形状が若干疎となるが、局
部的に著しく変形する箇所は生じない。従って局部的に
応力が集中して疲労破損を誘発する虞れが無い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】先に従来技術として説
明した公知文献(特開平6−318045号公報)に記
載された発明を適用すると、装置全体をコンパクトに構
成することができ、ケーブルが可動部材に噛み込まれる
虞れが無く、しかもケーブルに局部的な変形を生じない
ので、応力集中に因る疲労破損を誘発する虞れが無いと
いう優れた実用的効果が得られ、まことに優れた発明で
あって電装品技術の発展に寄与した功績は多大である。
しかしながら、上述した公知発明に係る回動表示装置
(特開平6−318045号)について実用試験研究を
積み重ねたところ、次のように更なる改善の要請が生ま
れた。 (イ) 使用されるケーブルがフラットケーブルに限定
されるが、各種形式のケーブルを使用できればベターで
ある。 (ロ) 渦巻き形状に成形するため、ケーブルの長さ
(展開長)が長い。これを短縮できればベターである。 (ハ) ケーブルが渦巻形状であるため、組立作業員に
格別の技能を必要とし、組立作業性が良くない。組立性
が良くなればベターである。
【0008】本発明は上述の事情に鑑みて為されたもの
であって、相対的に回動する2個の部材の間で信号を授
受するようにケーブルか接続することができ、装置全体
がコンパクトで耐久性に優れ、かつケーブルが可動部材
に噛み込まれる虞れが無く、しかも、 イ.使用するケーブルの形式が限定されず、フレキシブ
ルでさえあれば、例えば光ケーブルを適用することを可
能であり、 ロ.使用するケーブルの必要長さが比較的短く、 ハ.組立性の良い、接続方法および接続機構(接続器具
を含む)を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに創作した本発明の基本的原理について、その実施形
態に対応する図1を参照して略述すると、固定部材1と
回動部材2との間を、フレキシブルな任意のケーブル7
によって容易に接続するため、回動部材2の回動中心2
aと同心に位置せしめて固定歯車3を固定部材1に固着
するとともに、可動歯車6を上記固定歯車3に噛合せし
めて、該可動歯車6を回動部材2に対して回動自在に装
着し、かつ、ケーブル7を固定部材1から引き出して、
固定歯車3と同心のリング溝3aに巻き掛け、更に、可
動歯車6と同心のリング溝6aに対して、湾曲方向が反
対となるように巻き掛けて、該可動歯車6の中心軸付近
から回動部材2に引き込む。
【0010】以上に説明した原理に基づいて請求項1に
係る発明方法の構成は、固定部材に対して回動部材が、
一定の軸を中心として回動する場合、上記双方の部材を
ケーブルによって接続する方法において、1対の歯車、
もしくは1対の摩擦車を用い、上記1対の歯車もしくは
1対の摩擦車のそれぞれに対してリング溝を設け、もし
くはリング溝を有する部材を同心に取り付け、前記1対
の歯車もしくは摩擦車の内の片方を、前記の固定部材に
対して、回動部材の回動中心線と同心に固着するととも
に、前記1対の歯車もしくは摩擦車の他方を、前記の回
動部材に対して回動自在に装着して、該1対の歯車相互
を噛合せしめ、または、前記1対の摩擦車相互を、反対
方向に同期して回転するように摩擦伝動せしめ、前記の
ケーブルを固定部材から引き出して、固定歯車側のリン
グ溝もしくは固定摩擦車側のリング溝に巻き掛け、上述
のようにして固定側のリング溝に巻き掛けられたケーブ
ルを、該リング溝から接線方向に引き出し、固定側リン
グ溝から引き出したケーブルを、回動自在な歯車もしく
は摩擦車に設けられているリング溝に巻き掛け、上述の
ようにして回動側のリング溝に巻き掛けたケーブルを、
回動自在な歯車もしくは摩擦車の周辺部に相当する箇所
を経て、その回動中心軸付近から回動部材に引き入れて
接続することを特徴とする。
【0011】以上に説明した請求項1の発明方法による
と、回動部材の回動中心線と同心に固定歯車もしくは固
定摩擦車が設置されるとともに、回動部材に装着された
可動歯車が上記固定歯車と噛合し、もしくは可動摩擦車
が上記固定摩擦車との間で摩擦伝動するので、上記の可
動歯車(もしくは可動摩擦車)は、回動部材の回動に伴
って、固定歯車(もしくは固定摩擦車)の周囲を自転し
つつ公転する。上述のように可動歯車(摩擦車)が固定
歯車(摩擦車)の周囲を自・公転するので、その公転に
伴ってケーブルが固定歯車(摩擦車)と同心のリング溝
に対して公転角度だけ巻き付けられ、もしくは巻き出さ
れる。上記の巻付け・巻出しと同期して、可動歯車(摩
擦車)側のリング溝からケーブルが巻き出され、もしく
は巻き付けられる。上述の作動における固定側リング溝
に対するケーブルの巻付け・巻出し角度と、可動側リン
グ溝に対するケーブルの巻出し・巻付け角度とは、共に
可動歯車(摩擦車)の公転角度に等しい。すなわち、巻
付け角度と巻出し角度とが常に等しくなる。従って、ケ
ーブルの1端が固定側リング溝に巻きつけられ、巻き出
される長さ寸法と、上記ケーブルの他端が可動側リング
溝から巻き出され、巻き付けられる長さ寸法とが常に等
しい。このため、双方のリング溝の間に張り渡されてい
るケーブルは、弛みもせず、無理に引っ張られもしな
い。上述のように、ケーブルが無理なく張り渡されてい
て、リング溝に沿って湾曲せしめられるだけであるか
ら、該ケーブルの全長寸法が比較的短くて足り、組立作
業性が良く、しかも、ケーブルの種類を限定されない。
【0012】請求項2に係る発明方法の構成は、相対的
に回動する2個の部材の間を、フレキシブルなケーブル
によって電気的に、もしくは光学的に接続する場合、上
記2個の部材の何れか片方を基準部材とし、他方を可動
部材として、上記2個の部材の相対的な回動の中心線と
同心に位置せしめて、基準部材に歯車を固定するととも
に、該固定側の歯車と同心にリング溝を有する部材を取
り付け、前記の可動部材に、前記と異なる歯車を回転自
在に取り付けて、この可動歯車を前記の固定歯車に対し
て噛合せしめることにより、該可動歯車が前記固定歯車
をサンギヤとするプラネタリギヤに類似した自転・公転
を行なう歯車機構を形成し、前記のプラネタリギヤとし
て作動する可動歯車と同心に、リング溝を有する部材を
固着し、もしくは、相対的回動可能に装着し、前記基準
部材に対して電気的に、もしくは光学的に接続するとと
もに機械的に連結したケーブルを、固定歯車と同心のリ
ング溝に巻き掛け、上記固定歯車と同心のリング溝に巻
き掛けたケーブルを、該リング溝から接線方向に引き出
して、前記可動歯車と同心のリング溝に巻き掛け、上述
のようにして可動歯車と同心のリング溝に巻き掛けたケ
ーブルを、該可動歯車の周辺部近傍を経て、該可動歯車
の回転軸近傍から可動部材に引き込んで、電気的に、も
しくは光学的に接続するとともに、機械的に連結するこ
とを特徴とする。
【0013】以上に説明した請求項2の発明方法による
と、2個の部材が相対的に回動する場合、基準とされる
側の部材に固着された歯車の周囲を、回動側の部材に装
着された可動歯車が自転しつつ公転するので、それぞれ
の歯車と同心のリング溝に巻き掛けられているケーブル
が、片方のリング溝から巻き出されつつ他方のリング溝
に巻きつけられて、弛むことも無く、無理に引張られる
ことも無く、常に適正な張力を保たしめられる。上述の
ように作動するので、比較的短いケーブルを、迅速,容
易に取り付けて信号伝達を行なわせることができ、無理
な力を受けないので早期に損耗する虞れが無くて耐久性
に優れる。特に、ケーブルの種類や性状に関する制約が
少なく、適宜の太さのフレキシブルなケーブルであれ
ば、必ずしも電線に限られることなく、光ケーブルを用
いることもできる。
【0014】請求項3の発明に係る機構の構成は、相対
的回動の基準とする部材と、上記基準部材に対して一定
の軸の周りを相対的に往復回動する回動部材との間を、
フレキシブルなケーブルで接続する機構において、基準
部材に対して、上記一定の軸と同心に固着された固定歯
車と、回動部材に対して回転自在に装着されて、上記の
固定歯車に噛合された可動歯車と、前記固定歯車と同心
に配置された、リング溝を有する部材と、前記可動歯車
と同心に配置された、リング溝を有する部材とを具備し
ており、かつ、ケーブルの片方の端が固定歯車側のリン
グ溝を有する部材に巻き掛けられて基準部材に接続され
るとともに、上記ケーブルの他方の端は可動歯車側のリ
ング溝を有する部材に巻き掛けられて、可動歯車の軸心
付近を経由して前記の回動部材に接続されていることを
特徴とする。
【0015】以上に説明した請求項3の発明機構による
と、それぞれリング溝を備えた歯車が相互に噛合してい
るので、回動部材に装着されている可動歯車は、固定歯
車の周囲を公転しながら自転する。このため「可動歯車
側のリング溝から巻き出され、巻き取られるケーブルの
長さ寸法」と「固定歯車側のリング溝に巻き取られ、巻
き出されるケーブルの長さ寸法」とが等しくなる。従っ
て、固定部材と回動部材との間を接続しているケーブル
は、弛むことも無く、無理に引っ張られることもない。
このため、該ケーブルが回動部材の回動を妨げることが
無く、また、該ケーブルが早期に損耗する虞れも無い。
このような構造,機能の結果として、ケーブルの取付状
態に余分な長さ寸法の余裕を必要としない(比較的短い
ケーブルで接続できる)上に、ケーブルの取付を迅速,
容易に行ない得る(組立作業性が良い)。しかも、優れ
た耐久性が得られる。さらに、使用されるケーブルの性
状に関する制約が少なく、リング溝に巻き掛け得る太さ
とフレキシビリティを有していれば、電線であっても光
ケーブルであっても適用することができる。
【0016】請求項4の発明に係る機構の構成は、相対
的回動の基準とする部材と、上記基準部材に対して一定
の軸の周りに相対的に往復回動する回動部材との間を、
フレキシブルなケーブルで接続する機構において、基準
部材に対して、上記一定の軸と同心に固着された固定摩
擦車と、回動部材に対して回転自在に装着されて、上記
の固定摩擦車に対して反対方向に回転するように摩擦伝
動される可動摩擦車と、前記固定摩擦車と同心に配置さ
れた、リング溝を有する部材と、前記可動摩擦車と同心
に配置された、リング溝を有する部材とを具備してお
り、かつ、ケーブルの片方の端が固定摩擦車側のリング
溝を有する部材に巻き掛けられ、固定摩擦車の軸心付近
を経由して前記の基準部材に接続されるとともに、上記
ケーブルの他方の端は可動摩擦車側のリング溝を有する
部材に巻き掛けられて、可動摩擦車の軸心付近を経由し
て前記の回動部材に接続されていることを特徴とする。
【0017】以上に説明した請求項4の発明機構による
と、リング溝を備えた可動摩擦車が、リング溝を備えた
固定摩擦車の周囲を公転しつつ自転するので、双方のリ
ング溝に巻き掛けられたケーブルが、過度に弛んだり過
度に引っ張られたりすること無く、常に適正な張力で張
り渡されながら、双方のリング溝から巻き出され、巻き
込まれる。特に、リング溝を有する2つの部材の相互
が、摩擦伝動によって同期せしめられるので、歯車伝動
の場合におけるがごとくバックラッシの影響を受けるこ
と無く、円滑,静粛に作動する。摩擦伝動は歯車伝動に
比して、滑りを生じる虞れが有る、という短所を有して
いるが、本発明の機構においては前述のごとくケーブル
に対して大きい張力が掛からない。すなわち、双方の摩
擦車の摩擦接触面に滑りを生じさせようとする大きい力
が掛からない。その上、本発明に係る機構の回動部材
は、基準となる部材に対して連続回転するのではなく、
ケーブルの長さによって自ずから定まる回動角ストロー
クの範囲内で往復回動するので、滑りによる悪影響が発
現する虞れは無く、微小な滑りが発生したとしても、次
のサイクルにおける逆転作動の際に反対方向の滑りによ
って打ち消される。
【0018】請求項5に係る発明機構の構成は、前記請
求項3もしくは請求項4の発明の構成要件に加えて、前
記基準部材に対して相対的に回動する回動部材が、回動
角度ストロークのほぼ中央に相当する中立位置にある状
態で、ケーブルの長さ方向について片方の側の約半分が
固定歯車側もしくは固定摩擦車側のリング溝を有する部
材に巻き掛けられているとともに、この状態で上記ケー
ブルの他方の側の約半分が可動歯車側もしくは可動摩擦
車側のリング溝を有する部材に対して、前記片方の側に
比して反対向きに湾曲する形に巻き掛けられていること
を特徴とする。
【0019】以上に説明した請求項5の発明機構による
と、往復回動する回動部材が、その中立位置から両方の
側へそれぞれ同じ角度ずつ回動することができ、かつ、
ケーブルの巻き掛け状態が何れの側にも過不足無く、円
滑に作動できる。このような機構を、例えばアナログ形
式のメータ類における表示装置に適用すると、ゼロ点合
わせの操作を高精度で行なうことができ、かつ、ゼロ点
を中心としてプラス側とマイナス側とを対称的に表示す
ることができる。
【0020】請求項6の発明に係る器具の構成は、1対
の歯車、もしくは1対の摩擦車から成り、上記1対の歯
車のそれぞれ、もしくは1対の摩擦車のそれぞれは、こ
れらと同心のリング溝を有する部分が一体的に連設さ
れ、または、リング溝を有する別体の部材が同心状に配
置されており、かつ、前記1対の歯車の少なくとも何れ
か片方、もしくは1対の摩擦車の少なくとも何れか片方
は、その中心軸に沿わしめて、ケーブルを挿通し得る孔
が設けられるとともに、前記1対の歯車の周辺部近傍も
しくは1対の摩擦車の周辺部近傍に、前記のケーブルを
固定的に取り付ける手段が設けられていることを特徴と
する。
【0021】以上に説明した請求項6の発明器具による
と、1対の歯車もしくは1対の摩擦車のそれぞれに対し
てリング溝、もしくはリング溝を有する部材が同心に配
置されているので、これら1対の歯車もしくは1対の摩
擦車のそれぞれを、相対的に往復回動する2個の部材に
取り付けて、噛合させ、もしくは摩擦伝動させると、該
1対の歯車もしくは摩擦車のリング溝にケーブルを巻き
掛けて双方の部材の間で信号を伝達させることができ
る。この場合、1対の歯車もしくは1対の摩擦車のう
ち、片方の歯車もしくは片方の摩擦車は回動部材に対し
て回動可能に装着しなければならないが、中心軸に沿わ
しめてケーブルを挿通し得るようになっているので、該
中心軸に挿通されたケーブルは、歯車もしくは摩擦車が
回動しても振り回されることが無い。
【0022】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る接続方法を
実施するために構成した本発明のケーブル接続機構の1
実施形態を示す模式的な平面図である。符号1を付して
示したのは固定部材であり、符号2を付して示したのは
回動部材である。該回動部材2は、回動中心2aを中心
として往復回動する部材であって、連続回転する部材で
はない。符号3は固定歯車であって、前記の回動中心2
aと同心に、固定部材1に対して固着されている。符号
6は可動歯車であって、前記固定歯車3に対して噛合さ
れて、回動部材3に対して回動自在に装着(本例では軸
支)されている。前記固定歯車3と同心にリング溝3a
が設けられるとともに、前記可動歯車6と同心にリング
溝6aが設けられている。これらのリング溝の具体的な
構成については、図2を参照して後に説明する。
【0023】符号7で示したのは信号伝達用のケーブル
である。本例のケーブルは、フレキシブルな多芯の電線
である。本発明を実施する際、上記のケーブルとして光
ケーブルを適用することもできる。上記のケーブル7の
片方の端は固定部材1に対して電気的に、もしくは光学
的に接続されるとともに機械的に連結されている。該ケ
ーブル7は、固定部材1から引き出され、固定歯車側の
リング溝3aに対して右回り(時計方向)に約半周巻き
掛けられ、該リング溝3aから接線方向に引き出され
て、可動歯車側のリング溝6aに対して左回り(反時計
方向)に約半周巻き掛けられた後、可動歯車6の回動中
心点6eを経て回動部材2に引き入れられ、電気的もし
くは光学的に接続されている。上述のケーブル7に関す
る説明において、引き出し、巻き掛け、引き入れ、の語
は、構成を理解するに便なるごとく用いたものであっ
て、その作成の工程を限定するものではない。
【0024】以上のように構成された本実施形態に係る
接続機構の作動については、後に図3を参照して説明す
るが、本図1から明らかに理解されるように可動歯車6
は、固定歯車3をサンギヤとするプラネタリギヤに類似
した動作をする。すなわち、回動部材2が回動中心2a
の回りに回動するに伴って、可動歯車6は固定歯車3の
周囲を公転しつつ自転する。本図1に示した実施形態に
おいて、ケーブル7がリング溝3aとリング溝6aとの
それぞれに対して約半周巻き掛けられているので、後に
図3,図4を参照して説明するように、回動部材2が図
示の状態から右回り(時計方向)にも左回り(反時計方
向)にも、それぞれ約半周することができる。
【0025】すなわち、本図1に示した状態は、回動部
材2の回動角度ストロークの中央付近に相当する中立状
態であって、固定歯車側のリング溝3aに巻き掛けられ
ているケーブル7の長さ寸法と、可動歯車側のリング溝
6aに巻き掛けられているケーブル7の長さ寸法とが等
しいので、回動部材2がこの状態から左回りに回動して
も右回りに回動しても、ケーブル7は弛みもせず引っ張
られもしない。従って該ケーブル7が回動部材2の回動
を妨げることが無い。図1についての以上の説明は、符
号1の部材を固定部材としていた。しかし、これと同一
の原理に基づく構造機能として、符号1の部材と符号2
の部材とが両方とも回動する部材であって、両者の回動
角度、および/または回動角速度が異なっている場合に
も、ケーブル7は両者の相対的回動を妨げること無く、
両者の間で信号の伝達を行なうことができる。符号1の
部材、符号2の部材の両方が回動する場合、両者のうち
の何れか片方(例えば符号1の部材)を基準として、こ
の基準部材1に対する回動部材2の回動を考えれば、符
号1の部材名称の「固定部材」を「基準部材」と読み替
えて、前述の実施形態の構造,機能の説明はそのまま成
立する。
【0026】図2は、前掲の図1に示した実施形態に係
る回動部材の接続機構の要部を抽出した模式的な正面図
である。図示のz1は固定歯車軸3bの中心線であり、
2は可動歯車軸6bの中心線である。ケーブル7は、
図外の固定部材から固定歯車軸3bに沿って引き出さ
れ、固定歯車3の周辺部に挿通されて緩やかに固着さ
れ、さらに固定歯車3側のリング溝3aに巻き掛けられ
ている。そして、可動歯車6側のリング溝6aに巻き掛
けられた後、可動歯車6の周辺部に挿通して緩やかに固
着され、可動歯車軸6bに沿って引き出され、図外の回
動部材に引き入れられている。ケーブル7の取付けにつ
いて図2に表されている事項のうち、欠くことのできな
い構成と、そうでない構成とを選別すると次のごとくで
ある。すなわち、固定歯車3は回らない。従って、図外
の固定部材から引き出すについて、固定歯車軸3bに沿
わしめることは、必ずしも常に欠くことのできない事項
ではない。しかし乍ら、この固定歯車の周囲を可動歯車
6が公転するから、該可動歯車6と干渉しないように気
を付けておかねばならない。
【0027】ケーブル7を、固定歯車3の周辺部に挿通
することは必須の要件ではないが、リング溝3aの溝底
付近に導くため、該リング溝3a付近に対して取り付け
ておくことが必要である。ただし、緩やかに固着もしく
は緩やかに係着しておけば足りる。上記のケーブル7を
可動歯車6の周辺部に挿通することは必須の要件ではな
いが、可動歯車側のリング溝6a付近に取り付けておく
ことは必要である。可動歯車6は図外の回動部材に対し
て回動するので、その可動歯車軸6b付近を経由して回
動部材に引き入れることは必要である。その理由は、も
し可動歯車6の中央部以外の箇所からケーブル7を引き
出すと、該可動歯車が回動したときケーブル7が張り回
されるからである。
【0028】図3は、前掲の図1に示した実施形態に係
るケーブル接続機構の作動を説明するために示したもの
で、(A)は図1におけると同様に回動角ストロークの
中央に相当する中立状態を、(B)は約45度右回りし
た状態を、(C)は約150度右回りした状態を、それ
ぞれ描いてある。(B)図に仮想線で示した2′は、中
立状態における回動部材2の位置を表している。この中
立状態から、回動部材が円弧矢印aのように約45度右
回り方向に回動すると、可動歯車6は固定歯車3の周囲
を円弧矢印bのように約45度公転しつつ、矢印cのよ
うに自転する。この場合の自転角度は公転角度の2倍と
なる。いま、公転角をθとし、自転角をφ=2θとする
と、可動歯車6と一緒にリング溝6aが角φだけ自転す
ることにより、ケーブル7はリング溝6aから角φ(=
2θ)に相当する長さだけ巻き出されるが、これと同時
に角θだけ公転するので角θに相当する長さだけ巻きつ
けられる。従って、差引き角θに相当する長さだけ巻き
出される。上述のごとく可動歯車6と一緒にリング溝6
aが角θだけ公転することにより、固定歯車側のリング
溝3aに対して、角θに相当する長さのケーブル7が巻
きつけられる。
【0029】以上の作用を総合して、可動歯車側のリン
グ溝6aから巻き出されるケーブルの長さ寸法と、固定
歯車側のリング溝3aに巻きつけられるケーブルの長さ
寸法とが等しいので、ケーブル7に弛みを生じることも
無く、無理に引っ張られることも無い。ケーブル7に対
して無理な張力が掛からないので、該ケーブル7が回動
部材2の回動を妨げる虞れも無い。(図3(C)参照)
回動部材が更に回動を続け、可動歯車6が円弧矢印b′
のごとく全ストローク回動するまで、ケーブル7に弛み
を生じることも無く、無理な張力が掛かることも無い。
【0030】図4は、前掲の図1に示した実施形態に係
るケーブル接続機構が、前掲の図3におけると反対方向
に回動したときの作動を説明するために示したもので、
(A)は図1におけると同様に回動ストロークの中央に
位置している状態を、(B)は左回り方向に全ストロー
ク回動した状態を、それぞれ描いてある。(A)図の中
立状態から(B)図の状態まで、可動歯車6が円弧矢印
dのごとく公転するとともに自転すると、固定歯車側の
リング溝3aから公転角θに相当する長さのケーブルが
巻き出され、それと同じだけの長さのケーブルが可動歯
車側のリング溝6aに巻きつけられ、これらの作動を総
合してケーブル7に弛みを生じることも無く、無理な張
力が掛かることも無い。
【0031】図5は、前掲の図5と異なる実施形態にお
ける要部を抽出して模式的に描いた正面図である。前掲
の図2の実施形態においては、固定歯車3の歯幅方向の
中央付近にリング溝3aを設けるとともに、可動歯車6
の歯幅方向の中央部にリング溝6aを設けたが、本図5
の実施形態においては固定歯車3′と同心に、ドラム状
部3cを挟んでフランジ3dを設けるとともに、可動歯
車6′と同心に、ドラム状部6cを挟んでフランジ6d
を設けてある。このように構成しても、可動歯車6′が
固定歯車3′の周囲を公転しつつ自転し、かつドラム状
部6cがドラム状部3cの周囲を公転しつつ自転するの
で、前述の実施形態(図1〜図4)におけると同様に作
動する。本図5の実施形態において、それぞれのドラム
状部3c,6cおよびフランジ3d,6dは、必ずしも
固定歯車3′,6′に対して一体の部材であることを要
せず、別体に構成して組み付けても良い。上記の組み付
けは、同心に、ほぼ当接せしめてあれば良く、必ずしも
相対的な回動が係止されなくても良い。その理由は、前
掲の図3について説明したように、本発明におけるリン
グ溝(もしくはリング溝を形成するドラム状部6c)
は、ケーブル7を巻きつけて、その長さの余裕を調整す
る部分である。すなわち、例えばウィンチのケーブルド
ラムのようにケーブルを巻き取って強力な張力を与えつ
つ巻き込む作用をするものではない。従って、ドラム状
部3c,6cを、中心線z1,z2まわりの回転自在に支
承することも可能である。
【0032】図6は、前掲の図5に類似した実施形態を
示し、図5に対応する要部を抽出して描いた正面図であ
る。本図6の実施形態が図5の実施形態に比して異なる
ところは、歯車に代えて摩擦車を設けたことである。す
なわち、固定歯車3′に代えて固定ゴムローラ8を設け
るとともに、可動歯車6′に代えて可動ゴムローラ9を
設けてある。摩擦伝動は歯車伝動に比して静粛,円滑に
作動することができる上に、バックラッシの影響を受け
ることが無く、しかも、組み付け時に双方の歯車の歯と
歯溝とを嵌め合わせる手数を要しない。
【0033】摩擦伝動は歯車伝動に比して滑りを生じる
という問題が有るが、本発明において歯車もしくは摩擦
車は自転・公転作動を行なわせるためのものであって大
きい力を伝動するものではないから、不具合を誘発する
ような大きい滑りを生じる虞れは無い。さらに、本発明
における回動部材は、360度連続回転するものではな
く、往復回動を繰り返すので、仮りに微小な滑りを生じ
ても、次のサイクルにおける逆転時の滑りによって打ち
消される。
【0034】図5に示した固定歯車3′にフランジ3d
とドラム状部3cとを付属させるとともに、可動歯車
6′にフランジ6dとドラム状部6cとを付属させ、こ
れら双方の歯車3′,6′を組部品として生産,供給す
ると、2個の相対的回動部材のそれぞれに、これらの歯
車を1個ずつ装着して適宜のケーブルを巻き掛けて、上
記2個の相対的回動部材の間で信号の伝達を行なわせる
に好適であって実用的価値が高い。同様に、図2に示し
た2個の歯車、もしくは図6に示した2個の摩擦車(ゴ
ムローラ)を組部品として供給することによっても同様
の作用,効果が得られる。
【0035】
【発明の効果】以上に本発明の実施形態を上げてその構
成,機能を明らかならしめたように、請求項1の発明方
法によると、回動部材の回動中心線と同心に固定歯車も
しくは固定摩擦車が設置されるとともに、回動部材に装
着された可動歯車が上記固定歯車と噛合し、もしくは可
動摩擦車が上記固定摩擦車との間で摩擦伝動するので、
上記の可動歯車(もしくは可動摩擦車)は、回動部材の
回動に伴って、固定歯車(もしくは固定摩擦車)の周囲
を自転しつつ公転する。上述のように可動歯車(摩擦
車)が固定歯車(摩擦車)の周囲を自・公転するので、
その公転に伴ってケーブルが固定歯車(摩擦車)と同心
のリング溝に対して公転角度だけ巻き付けられ、もしく
は巻き出される。上記の巻付け・巻出しと同期して、可
動歯車(摩擦車)側のリング溝からケーブルが巻き出さ
れ、もしくは巻き付けられる。上述の作動における固定
側リング溝に対するケーブルの巻付け・巻出し角度と、
可動側リング溝に対するケーブルの巻出し・巻付け角度
とは、共に可動歯車(摩擦車)の公転角度に等しい。す
なわち、巻付け角度と巻出し角度とが常に等しくなる。
従って、ケーブルの1端が固定側リング溝に巻きつけら
れ、巻き出される長さ寸法と、上記ケーブルの他端が可
動側リング溝から巻き出され、巻き付けられる長さ寸法
とが常に等しい。このため、双方のリング溝の間に張り
渡されているケーブルは、弛みもせず、無理に引っ張ら
れもしない。上述のように、ケーブルが無理なく張り渡
されていて、リング溝に沿って湾曲せしめられるだけで
あるから、該ケーブルの全長寸法が比較的短くて足り、
組立作業性が良く、しかも、ケーブルの種類を限定され
ない。
【0036】請求項2の発明方法によると、2個の部材
が相対的に回動する場合、基準とされる側の部材に固着
された歯車の周囲を、回動側の部材に装着された可動歯
車が自転しつつ好転するので、それぞれの歯車と同心の
リング溝に巻き掛けられているケーブルが、片方のリン
グ溝から巻き出されつつ他方のリング溝に巻きつけられ
て、弛むことも無く、無理に引張られることも無く、常
に適正な張力を保たしめられる。上述のように作動する
ので、比較的短いケーブルを、迅速,容易に取り付けて
信号伝達を行なわせることができ、無理な力を受けない
ので早期に損耗する虞れが無くて耐久性に優れる。特
に、ケーブルの種類や性状に関する制約が少なく、適宜
の太さのフレキシブルなケーブルであれば、必ずしも電
線に限られることなく、光ケーブルを用いることもでき
る。
【0037】請求項3の発明機構によると、それぞれリ
ング溝を備えた歯車が相互に噛合しているので、回動部
材に装着されている可動歯車は、固定歯車の周囲を公転
しながら自転する。このため「可動歯車側のリング溝か
ら巻き出され、巻き取られるケーブルの長さ寸法」と
「固定歯車側のリング溝に巻き取られ、巻き出されるケ
ーブルの長さ寸法」とが等しくなる。従って、固定部材
と回動部材との間を接続しているケーブルは、弛むこと
も無く、無理に引っ張られることもない。このため、該
ケーブルが回動部材の回動を妨げることが無く、また、
該ケーブルが早期に損耗する虞れも無い。このような構
造,機能の結果として、ケーブルの取付状態に余分な長
さ寸法の余裕を必要としない(比較的短いケーブルで接
続できる)上に、ケーブルの取付を迅速,容易に行ない
得る(組立作業性が良い)。しかも、優れた耐久性が得
られる。さらに、使用されるケーブルの性状に関する制
約が少なく、リング溝に巻き掛け得る太さとフレキシビ
リティを有していれば、電線であっても光ケーブルであ
っても適用することができる。
【0038】請求項4の発明機構によると、リング溝を
備えた可動摩擦車が、リング溝を備えた固定摩擦車の周
囲を公転しつつ自転するので、双方のリング溝に巻き掛
けられたケーブルが、過度に弛んだり過度に引っ張られ
たりすること無く、常に適正な張力で張り渡されなが
ら、双方のリング溝から巻き出され、巻き込まれる。特
に、リング溝を有する2つの部材の相互が、摩擦伝動に
よって同期せしめられるので、歯車伝動の場合における
がごとくバックラッシの影響を受けること無く、円滑,
静粛に作動する。摩擦伝動は歯車伝動に比して、滑りを
生じる虞れが有る、という短所を有しているが、本発明
の機構においては前述のごとくケーブルに対して大きい
張力が掛からない。すなわち、双方の摩擦車の摩擦接触
面に滑りを生じさせようとする大きい力が掛からない。
その上、本発明に係る機構の回動部材は、基準となる部
材に対して連続回転するのではなく、ケーブルの長さに
よって自ずから定まる回動角ストロークの範囲内で往復
回動するので、滑りによる悪影響が発現する虞れは無
く、微小な滑りが発生したとしても、次のサイクルにお
ける逆転作動の際に反対方向の滑りによって打ち消され
る。
【0039】請求項5の発明機構によると、往復回動す
る回動部材が、その中立位置から両方の側へそれぞれ同
じ角度ずつ回動することができ、かつ、ケーブルの巻き
掛け状態が何れの側にも過不足無く、円滑に作動でき
る。このような機構を、例えばアナログ形式のメータ類
における表示装置に適用すると、ゼロ点合わせの操作を
高精度で行なうことができ、かつ、ゼロ点を中心として
プラス側とマイナス側とを対称的に表示することができ
る。
【0040】請求項6の発明器具によると、1対の歯車
もしくは1対の摩擦車のそれぞれに対してリング溝、も
しくはリング溝を有する部材が同心に配置されているの
で、これら1対の歯車もしくは1対の摩擦車のそれぞれ
を、相対的に往復回動する2個の部材に取り付けて、噛
合させ、もしくは摩擦伝動させると、該1対の歯車もし
くは摩擦車のリング溝にケーブルを巻き掛けて双方の部
材の間で信号を伝達させることができる。この場合、1
対の歯車もしくは1対の摩擦車のうち、片方の歯車もし
くは片方の摩擦車は回動部材に対して回動可能に装着し
なければならないが、中心軸に沿わしめてケーブルを挿
通し得るようになっているので、該中心軸に挿通された
ケーブルは、歯車もしくは摩擦車が回動しても振り回さ
れることが無い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る接続方法を実施するために構成し
た本発明のケーブル接続機構の1実施形態を示す模式的
な平面図である。
【図2】前掲の図1に示した実施形態に係る回動部材の
接続機構の要部を抽出した模式的な正面図である。
【図3】前掲の図1に示した実施形態に係るケーブル接
続機構の作動を説明するために示したもので、(A)は
図1におけると同様に回動角ストロークの中央に相当す
る中立状態を、(B)は約45度右回りした状態を、
(C)は約150度右回りした状態を、それぞれ描いて
ある。
【図4】前掲の図1に示した実施形態に係るケーブル接
続機構が、前掲の図3におけると反対方向に回動したと
きの作動を説明するために示したもので、(A)は図1
におけると同様に回動ストロークの中央に位置している
状態を、(B)は左回り方向に全ストローク回動した状
態を、それぞれ描いてある。
【図5】前掲の図5と異なる実施形態における要部を抽
出して模式的に描いた正面図である。
【図6】前掲の図5に類似した実施形態を示し、図5に
対応する要部を抽出して描いた正面図である。
【図7】公知文献である特開平6−318045号公報
に係る回動表示装置において、図1として示された1実
施例の要部斜視図である。
【図8】前記公知文献(特開平6−318045号公
報)において、図3として示された、内部構成を描いた
斜視図であって、図の上下方向に引き伸ばした状態が描
かれている。
【図9】前掲の図6に示された公知技術に係る回動表示
装置の作動を説明するための模式図であって、(A)は
中立状態を、(B)は右回りした状態を、(C)は左回
りした状態を、それぞれ描いてある。
【符号の説明】
1…固定部材(基準となる回動部材)、2…回動部材、
2a…回動中心、3,3′…固定歯車、3a…リング
溝、3b…固定歯車軸、3c…ドラム状部、3d…フラ
ンジ、4…表示回路、5…表示ユニット、6,6′…可
動歯車、6a…リング溝、6b…可動歯車軸、6c…ド
ラム状部、6d…フランジ、6e…回動中心点、7…ケ
ーブル、8…固定ゴムローラ、9…可動ゴムローラ、1
6…平行信号ケーブル、16a…ケーブル上端、16b
…ケーブル下端、17…上部コネクタ、18…下部コネ
クタ、19…ケーブルカバー。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定部材に対して回動部材が、一定の軸
    を中心として回動する場合、上記双方の部材をケーブル
    によって接続する方法において、 1対の歯車、もしくは1対の摩擦車を用い、 上記1対の歯車もしくは1対の摩擦車のそれぞれに対し
    てリング溝を設け、もしくはリング溝を有する部材を同
    心に取り付け、 前記1対の歯車もしくは摩擦車の内の片方を、前記の固
    定部材に対して、回動部材の回動中心線と同心に固着す
    るとともに、 前記1対の歯車もしくは摩擦車の他方を、前記の回動部
    材に対して回動自在に装着して、 該1対の歯車相互を噛合せしめ、または、前記1対の摩
    擦車相互を、反対方向に同期して回転するように摩擦伝
    動せしめ、 前記のケーブルを固定部材から引き出して、固定歯車側
    のリング溝もしくは固定摩擦車側のリング溝に巻き掛
    け、 上述のようにして固定側のリング溝に巻きかけられたケ
    ーブルを、該リング溝から接線方向に引き出し、 固定側リング溝から引き出したケーブルを、回動自在な
    歯車もしくは摩擦車に設けられているリング溝に巻き掛
    け、 上述のようにして回動側のリング溝に巻き掛けたケーブ
    ルを、回動自在な歯車もしくは摩擦車の周辺部に相当す
    る箇所を経て、その回動中心軸付近から回動部材に引き
    入れて接続することを特徴とする、回動部材をケーブル
    によって接続する方法。
  2. 【請求項2】 相対的に回動する2個の部材の間を、フ
    レキシブルなケーブルによって電気的に、もしくは光学
    的に接続する場合、 上記2個の部材の何れか片方を基準部材とし、他方を可
    動部材として、 上記2個の部材の相対的な回動の中心線と同心に位置せ
    しめて、基準部材に歯車を固定するとともに、該固定側
    の歯車と同心にリング溝を有する部材を取り付け、 前記の可動部材に、前記と異なる歯車を回転自在に取り
    付けて、この可動歯車を前記の固定歯車に対して噛合せ
    しめることにより、該可動歯車が前記固定歯車をサンギ
    ヤとするプラネタリギヤに類似した自転・公転を行なう
    歯車機構を形成し、 前記のプラネタリギヤとして作動する可動歯車と同心
    に、リング溝を有する部材を固着し、もしくは、相対的
    回動可能に装着し、 前記基準部材に対して電気的に、もしくは光学的に接続
    するとともに機械的に連結したケーブルを、固定歯車と
    同心のリング溝に巻き掛け、 上記固定歯車と同心のリング溝に巻き掛けたケーブル
    を、該リング溝から接線方向に引き出して、前記可動歯
    車と同心のリング溝に巻き掛け、 上述のようにして可動歯車と同心のリング溝に巻き掛け
    たケーブルを、該可動歯車の周辺部近傍を経て、該可動
    歯車の回転軸近傍から可動部材に引き込んで、電気的
    に、もしくは光学的に接続するとともに、機械的に連結
    することを特徴とする、回動部材をケーブルによって接
    続する方法。
  3. 【請求項3】 相対的回動の基準とする部材と、上記基
    準部材に対して一定の軸の周りを相対的に往復回動する
    回動部材との間を、フレキシブルなケーブルで接続する
    機構において、 基準部材に対して、上記一定の軸と同心に固着された固
    定歯車と、 回動部材に対して回転自在に装着されて、上記の固定歯
    車に噛合された可動歯車と、 前記固定歯車と同心に配置された、リング溝を有する部
    材と、 前記可動歯車と同心に配置された、リング溝を有する部
    材とを具備しており、 かつ、ケーブルの片方の端が固定歯車側のリング溝を有
    する部材に巻き掛けられて基準部材に接続されるととも
    に、 上記ケーブルの他方の端は可動歯車側のリング溝を有す
    る部材に巻き掛けられて、可動歯車の軸心付近を経由し
    て前記の回動部材に接続されていることを特徴とする、
    回動部材をケーブルによって接続する機構。
  4. 【請求項4】 相対的回動の基準とする部材と、上記基
    準部材に対して一定の軸の周りに相対的に往復回動する
    回動部材との間を、フレキシブルなケーブルで接続する
    機構において、 基準部材に対して、上記一定の軸と同心に固着された固
    定摩擦車と、 回動部材に対して回転自在に装着されて、上記の固定摩
    擦車に対して反対方向に回転するように摩擦伝動される
    可動摩擦車と、 前記固定摩擦車と同心に配置された、リング溝を有する
    部材と、 前記可動摩擦車と同心に配置された、リング溝を有する
    部材とを具備しており、 かつ、ケーブルの片方の端が固定摩擦車側のリング溝を
    有する部材に巻き掛けられ、固定摩擦車の軸心付近を経
    由して前記の基準部材に接続されるとともに、 上記ケーブルの他方の端は可動摩擦車側のリング溝を有
    する部材に巻き掛けられて、可動摩擦車の軸心付近を経
    由して前記の回動部材に接続されていることを特徴とす
    る、回動部材をケーブルによって接続する機構。
  5. 【請求項5】 前記基準部材に対して相対的に回動する
    回動部材が、回動角度ストロークのほぼ中央に相当する
    中立位置にある状態で、 ケーブルの長さ方向について片方の側の約半分が固定歯
    車側もしくは固定摩擦車側のリング溝を有する部材に巻
    き掛けられているとともに、 この状態で上記ケーブルの他方の側の約半分が可動歯車
    側もしくは可動摩擦車側のリング溝を有する部材に対し
    て、前記片方の側に比して反対向きに湾曲する形に巻き
    掛けられていることを特徴とする、請求項3もしくは請
    求項4に記載した回動部材をケーブルによって接続する
    機構。
  6. 【請求項6】 1対の歯車、もしくは1対の摩擦車から
    成り、 上記1対の歯車のそれぞれ、もしくは1対の摩擦車のそ
    れぞれは、これらと同心のリング溝を有する部分が一体
    的に連設され、または、リング溝を有する別体の部材が
    同心状に配置されており、 かつ、前記1対の歯車の少なくとも何れか片方、もしく
    は1対の摩擦車の少なくとも何れか片方は、その中心軸
    に沿わしめて、ケーブルを挿通し得る孔が設けられると
    ともに、 前記1対の歯車の周辺部近傍もしくは1対の摩擦車の周
    辺部近傍に、前記のケーブルを固定的に取り付ける手段
    が設けられていることを特徴とする、回動部材をケーブ
    ルによって接続する器具。
JP23569099A 1999-08-23 1999-08-23 回動部材をケーブルによって接続する方法、並びに同接続する機構および器具 Pending JP2001061225A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106724426A (zh) * 2016-11-17 2017-05-31 金陵科技学院 一种展示盘

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106724426A (zh) * 2016-11-17 2017-05-31 金陵科技学院 一种展示盘

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