JP2001059796A - 石油タンクの強度予知装置及びその方法 - Google Patents
石油タンクの強度予知装置及びその方法Info
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- JP2001059796A JP2001059796A JP11235332A JP23533299A JP2001059796A JP 2001059796 A JP2001059796 A JP 2001059796A JP 11235332 A JP11235332 A JP 11235332A JP 23533299 A JP23533299 A JP 23533299A JP 2001059796 A JP2001059796 A JP 2001059796A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 例えば地震等の発生により石油タンクの側板
と底端板との溶接部の亀裂発生及び側板歪み等を検知す
る石油タンクの強度予知装置及びその方法を提供するこ
とを課題とする。 【解決手段】 基台11上に設けられた石油タンクの側
板12に敷設した光ファイバ13と、該光ファイバ13
を介して外力の作用により生じた歪みを測定する歪み計
測器14と、上記歪み測定器14で測定した歪み量から
側板12と底端板17との溶接部15近傍の塑性歪みや
亀裂発生等を監視する監視装置16とを具備するもので
ある。
と底端板との溶接部の亀裂発生及び側板歪み等を検知す
る石油タンクの強度予知装置及びその方法を提供するこ
とを課題とする。 【解決手段】 基台11上に設けられた石油タンクの側
板12に敷設した光ファイバ13と、該光ファイバ13
を介して外力の作用により生じた歪みを測定する歪み計
測器14と、上記歪み測定器14で測定した歪み量から
側板12と底端板17との溶接部15近傍の塑性歪みや
亀裂発生等を監視する監視装置16とを具備するもので
ある。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば地震等の発
生時に基礎の不等沈下による石油タンクの側板と底端板
との溶接部近傍の亀裂の発生及び側板歪み等を検知する
石油タンクの強度予知装置及びその方法に関する。
生時に基礎の不等沈下による石油タンクの側板と底端板
との溶接部近傍の亀裂の発生及び側板歪み等を検知する
石油タンクの強度予知装置及びその方法に関する。
【0002】
【背景技術】石油備蓄基地等においては、長期間に亙っ
て石油を備蓄しておく必要があり、例えば地震等の大き
な外力が作用した場合に、石油タンク等の設備の健全性
が保持されているか把握する必要がある。
て石油を備蓄しておく必要があり、例えば地震等の大き
な外力が作用した場合に、石油タンク等の設備の健全性
が保持されているか把握する必要がある。
【0003】石油備蓄基地等の備蓄タンクが満杯の状態
での内部検査は不可能であり、通常の保守点検では、石
油タンクの外観を目視により亀裂等がないかどうか定期
的に監視を行っている。
での内部検査は不可能であり、通常の保守点検では、石
油タンクの外観を目視により亀裂等がないかどうか定期
的に監視を行っている。
【0004】一方、歪みゲージ等は局部歪みしか測定で
きないことに対し、本方法は、タンク全周に渡り歪みを
測定できる。
きないことに対し、本方法は、タンク全周に渡り歪みを
測定できる。
【0005】本発明は上記問題に鑑み、例えば地震等の
発生により石油タンクの側板と底端板との溶接部近傍の
亀裂の発生及び側板歪み等を検知する石油タンクの強度
予知装置及びその方法を提供することを目的とする。
発生により石油タンクの側板と底端板との溶接部近傍の
亀裂の発生及び側板歪み等を検知する石油タンクの強度
予知装置及びその方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前述した課題を解決する
[請求項1]の発明は、石油タンクの側板と底端板との
溶接部近傍の亀裂の発生及び側板歪みを検知する石油タ
ンクの強度予知装置であって、石油タンク側板の下部近
傍周囲に、軸方向に折り返しつつ連続して敷設した光フ
ァイバと、上記光ファイバを介して外力の作用により生
じた歪みを測定する歪み計測器と、上記歪み測定器で測
定した歪み量から側板と底端板との溶接部近傍の塑性歪
みや亀裂発生等を監視する監視装置とを具備することを
特徴とする。
[請求項1]の発明は、石油タンクの側板と底端板との
溶接部近傍の亀裂の発生及び側板歪みを検知する石油タ
ンクの強度予知装置であって、石油タンク側板の下部近
傍周囲に、軸方向に折り返しつつ連続して敷設した光フ
ァイバと、上記光ファイバを介して外力の作用により生
じた歪みを測定する歪み計測器と、上記歪み測定器で測
定した歪み量から側板と底端板との溶接部近傍の塑性歪
みや亀裂発生等を監視する監視装置とを具備することを
特徴とする。
【0007】[請求項2]の発明は、石油タンクの側板
と底端板との溶接部近傍の亀裂の発生及び側板歪みを検
知する石油タンクの強度予知方法であって、石油タンク
側板の下部近傍周囲に、軸方向に折り返しつつ連続して
敷設した光ファイバを介して外力の作用により生じた歪
みを測定し、上記歪み量から側板と底端板との溶接部近
傍の塑性歪みや亀裂発生等を監視することを特徴とす
る。
と底端板との溶接部近傍の亀裂の発生及び側板歪みを検
知する石油タンクの強度予知方法であって、石油タンク
側板の下部近傍周囲に、軸方向に折り返しつつ連続して
敷設した光ファイバを介して外力の作用により生じた歪
みを測定し、上記歪み量から側板と底端板との溶接部近
傍の塑性歪みや亀裂発生等を監視することを特徴とす
る。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を以下に説明
するが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるもの
ではない。
するが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるもの
ではない。
【0009】本発明の実施の形態を図1を用いて説明す
る。図1(A)は装置構成の概略図であり、図1(B)
は光ファイバの設置状況を示す概略図である。図1に示
すように、本実施の形態にかかる石油タンクの強度予知
装置10は、基台11上に設けられた石油タンクの側板
12に敷設した光ファイバ13と、該光ファイバ13を
介して外力の作用により生じた歪みを測定する歪み計測
器14と、上記歪み測定器14で測定した歪み量から溶
接部15近傍の亀裂を監視する監視装置16とを具備す
るものである。
る。図1(A)は装置構成の概略図であり、図1(B)
は光ファイバの設置状況を示す概略図である。図1に示
すように、本実施の形態にかかる石油タンクの強度予知
装置10は、基台11上に設けられた石油タンクの側板
12に敷設した光ファイバ13と、該光ファイバ13を
介して外力の作用により生じた歪みを測定する歪み計測
器14と、上記歪み測定器14で測定した歪み量から溶
接部15近傍の亀裂を監視する監視装置16とを具備す
るものである。
【0010】上記光ファイバ13は、図1(A)に示す
ように、石油タンクの側板12にその軸方向に沿った複
数の直線部分13aをループ部13bにより折り返しつ
つ接着剤等で全周に亙って敷設したものである。
ように、石油タンクの側板12にその軸方向に沿った複
数の直線部分13aをループ部13bにより折り返しつ
つ接着剤等で全周に亙って敷設したものである。
【0011】上記光ファイバ13は、石油タンクの側板
12と底端板17との溶接部15の近傍付近に設置する
ことが好ましく、例えば底端板から高さ1〜2m以内に敷
設するようにしている。
12と底端板17との溶接部15の近傍付近に設置する
ことが好ましく、例えば底端板から高さ1〜2m以内に敷
設するようにしている。
【0012】なお、光ファイバ13を敷設する接着剤は
特に限定されるものではなく、例えばシリコン系、エポ
キシ系等の屋外の環境下において十分な接着力を保持で
きる各種接着剤を例示することができる。
特に限定されるものではなく、例えばシリコン系、エポ
キシ系等の屋外の環境下において十分な接着力を保持で
きる各種接着剤を例示することができる。
【0013】この装置を用いたシステムは、石油タンク
の側板12の周囲に光ファイバ13を敷設し、歪み計測
器14を用いて光ファイバ13の全長に亙って歪みを計
測する。この計測された歪み情報(定常又は異常)を基
に、データ処理装置で危険予知の判定を行い、歪み量が
設定値を超えていれば、警報を出すとともに、タンクの
歪みの発生位置を表示する等により、予知情報を提供す
るものである。よって、本発明によれば、地震等の異常
事象に素早くしかも的確に応急対応や、設備寿命の予
測、危険予知等、設備保全の有効な支援が可能となる。
の側板12の周囲に光ファイバ13を敷設し、歪み計測
器14を用いて光ファイバ13の全長に亙って歪みを計
測する。この計測された歪み情報(定常又は異常)を基
に、データ処理装置で危険予知の判定を行い、歪み量が
設定値を超えていれば、警報を出すとともに、タンクの
歪みの発生位置を表示する等により、予知情報を提供す
るものである。よって、本発明によれば、地震等の異常
事象に素早くしかも的確に応急対応や、設備寿命の予
測、危険予知等、設備保全の有効な支援が可能となる。
【0014】上記光ファイバを用いた歪み計測原理は、
歪み分布測定器(BOTDR:Brillouin Optical Time
Domain Reflectometer)によっている。この歪み分布
測定器は、光ファイバの一端に入射光を入射し、該光フ
ァイバ内でブリルアン散乱光(光ファイバ中を伝搬する
光がファイバを構成する例えば石英ガラス等の分子と衝
突して向きが散乱する光の一つ)が発生する。該ブリル
アン散乱光の周波数が、光ファイバに歪みが生じるとそ
の歪みの大きさに対応してある量だけシフト(周波数シ
フト量:ΔFとして検出)する。この周波数シフト量
(ΔF)を検出して光ファイバに生じている歪み値を計
測する。また、光ファイバのどの位置で歪みが生じてい
るかは、パルス光を出してからブリルアン散乱光が帰っ
てくるまでの時間を測定し、歪みの発生位置を検出す
る。
歪み分布測定器(BOTDR:Brillouin Optical Time
Domain Reflectometer)によっている。この歪み分布
測定器は、光ファイバの一端に入射光を入射し、該光フ
ァイバ内でブリルアン散乱光(光ファイバ中を伝搬する
光がファイバを構成する例えば石英ガラス等の分子と衝
突して向きが散乱する光の一つ)が発生する。該ブリル
アン散乱光の周波数が、光ファイバに歪みが生じるとそ
の歪みの大きさに対応してある量だけシフト(周波数シ
フト量:ΔFとして検出)する。この周波数シフト量
(ΔF)を検出して光ファイバに生じている歪み値を計
測する。また、光ファイバのどの位置で歪みが生じてい
るかは、パルス光を出してからブリルアン散乱光が帰っ
てくるまでの時間を測定し、歪みの発生位置を検出す
る。
【0015】ここで、溶接部近傍の亀裂の発生及び側板
歪みの検出は、歪み解析による。図2は溶接部近傍の亀
裂と角変化量との関係を示すグラフである。石油タンク
の側板12と底端板17との溶接部15近傍に亀裂が発
生する条件として、ある角以上になると亀裂が生ずる。
すなわち、図2に示すように、底端板17と側板12と
のなす角度の変化量(Δθf )がある値以上になれば、
溶接部近傍にミクロ亀裂やマクロ亀裂が発生する。そこ
で、溶接部近傍の亀裂検知手法として、側板12に生じ
る歪みからこの角変化量(Δθf )を推定する。なお、
石油タンク側板に生じる歪みから角変化量(Δθf)の推
定は、有限要素法の解析による。
歪みの検出は、歪み解析による。図2は溶接部近傍の亀
裂と角変化量との関係を示すグラフである。石油タンク
の側板12と底端板17との溶接部15近傍に亀裂が発
生する条件として、ある角以上になると亀裂が生ずる。
すなわち、図2に示すように、底端板17と側板12と
のなす角度の変化量(Δθf )がある値以上になれば、
溶接部近傍にミクロ亀裂やマクロ亀裂が発生する。そこ
で、溶接部近傍の亀裂検知手法として、側板12に生じ
る歪みからこの角変化量(Δθf )を推定する。なお、
石油タンク側板に生じる歪みから角変化量(Δθf)の推
定は、有限要素法の解析による。
【0016】図3は側板の軸方向歪み分布の解析結果を
示すグラフである。ここで、横軸は軸方向歪み(%)で
あり、縦軸は高さ(mm)である。解析条件は、石油タ
ンク下の地盤が沈下した場合を想定し、底端板17の上
下方向拘束を一部外した解析を行った。ここで、ケース
1は石油タンクが健全時のものである。ケース2は円周
方向5°、側板から半径方向への距離(2400mm)
の領域におけるZ方向拘束を外した場合(5°ケーキカ
ットした場合)である。ケース3は円周方向10°、側
板から半径方向への距離(2400mm)の領域におけ
るZ方向拘束を外した場合(10°ケーキカットした場
合)である。
示すグラフである。ここで、横軸は軸方向歪み(%)で
あり、縦軸は高さ(mm)である。解析条件は、石油タ
ンク下の地盤が沈下した場合を想定し、底端板17の上
下方向拘束を一部外した解析を行った。ここで、ケース
1は石油タンクが健全時のものである。ケース2は円周
方向5°、側板から半径方向への距離(2400mm)
の領域におけるZ方向拘束を外した場合(5°ケーキカ
ットした場合)である。ケース3は円周方向10°、側
板から半径方向への距離(2400mm)の領域におけ
るZ方向拘束を外した場合(10°ケーキカットした場
合)である。
【0017】図4は上記有限要素方法の解析結果より求
めた側板の軸方向歪みと、角変化量(Δθf )との関係
を示すグラフである。図4により、角変化量が大きくな
ると側板の軸方向歪みもそれに従って大きくなることが
判明した。すなわち、予め軸方向歪みと角変化量との関
係を求めておくことにより、側板の軸方向歪みを光ファ
イバで計測することで、角変化量(Δθf )を推定する
ことができる。この角変化量(Δθf )を基にして予め
求めていた溶接部近傍の塑性歪みの亀裂の発生及び進行
状況のパラメータにより、総合的に判断することができ
る。
めた側板の軸方向歪みと、角変化量(Δθf )との関係
を示すグラフである。図4により、角変化量が大きくな
ると側板の軸方向歪みもそれに従って大きくなることが
判明した。すなわち、予め軸方向歪みと角変化量との関
係を求めておくことにより、側板の軸方向歪みを光ファ
イバで計測することで、角変化量(Δθf )を推定する
ことができる。この角変化量(Δθf )を基にして予め
求めていた溶接部近傍の塑性歪みの亀裂の発生及び進行
状況のパラメータにより、総合的に判断することができ
る。
【0018】また、石油タンク側板の温度を計測し、温
度条件を加味して歪み値を補正するようにすることで、
歪み値の測定精度を向上させることができる。
度条件を加味して歪み値を補正するようにすることで、
歪み値の測定精度を向上させることができる。
【0019】以下に、石油タンクの強度予知の処理手順
を説明する。光ファイバの計測値は連続的に得ることは
できるが、折り返して敷設している部分の石油タンク1
2上の位置と光ファイバ13上の位置とが対応している
必要があるので、これについては予め求めておく。ま
た、処理番号と光ファイバ13上の位置と、石油タンク
12の位置及び各位置の初期歪みはテーブルとして保存
しておく。実際の処理は、歪みの分布を計測後、光ファ
イバ及びタンクでの各位置(=各処理番号)について歪
み分布の中から歪みの計測値を取得し、その値に予め敷
設時に計測しておいた歪みの初期値を差し引く事で初期
状態からの変化量を求める。歪みの変化量Δε(N)(こ
こで、(N)は、処理番号を示す。図5のフローチャート
では、添え字のNで示す。)を図4のグラフの縦軸に当
てはめ、グラフと交差する位置からグラフの横軸を読み
取ることで、底端板の角変化量Δθf(N)に変換する。
前述した図2に示すようにΔθf(N)が約4度以上にな
ると溶接部近傍は塑性歪みが発生し、約12度以上でミ
クロ亀裂の発生、約30度以上でマクロ亀裂の発生とな
る。したがって本発明の装置では、予め求めておいた図
2のような特性をもとに、Δθf(N)から塑性歪みの発
生及び亀裂の発生を推定して警報を発する機能を奏する
ことになる。
を説明する。光ファイバの計測値は連続的に得ることは
できるが、折り返して敷設している部分の石油タンク1
2上の位置と光ファイバ13上の位置とが対応している
必要があるので、これについては予め求めておく。ま
た、処理番号と光ファイバ13上の位置と、石油タンク
12の位置及び各位置の初期歪みはテーブルとして保存
しておく。実際の処理は、歪みの分布を計測後、光ファ
イバ及びタンクでの各位置(=各処理番号)について歪
み分布の中から歪みの計測値を取得し、その値に予め敷
設時に計測しておいた歪みの初期値を差し引く事で初期
状態からの変化量を求める。歪みの変化量Δε(N)(こ
こで、(N)は、処理番号を示す。図5のフローチャート
では、添え字のNで示す。)を図4のグラフの縦軸に当
てはめ、グラフと交差する位置からグラフの横軸を読み
取ることで、底端板の角変化量Δθf(N)に変換する。
前述した図2に示すようにΔθf(N)が約4度以上にな
ると溶接部近傍は塑性歪みが発生し、約12度以上でミ
クロ亀裂の発生、約30度以上でマクロ亀裂の発生とな
る。したがって本発明の装置では、予め求めておいた図
2のような特性をもとに、Δθf(N)から塑性歪みの発
生及び亀裂の発生を推定して警報を発する機能を奏する
ことになる。
【0020】次に、 歪み計測から亀裂測定のアルゴリ
ズムを図5を参照して説明する。 (1) 先ず、前述の所定の前処理及び測定点の設定(N)
を行う(ステップ1(S1)を参照)。 (2) 次に、歪み分布計測ε(x)を行う(ステップ2(S
2)を参照)。 (3) 処理番号に対応した光ファイバ上の位置 XN 、初期
値εN0を取得する(ステップ3(S3)を参照)。 (4) 対応位置の歪み値εNを取得する[ εN ε(XN ) ]
(ステップ4(S4)を参照)。 (5) 歪み値から初期歪みを引いて歪み変化量ΔεNを取
得する[ ΔεN =εN−ε N0] (ステップ5(S5)を
参照)。 (6) 歪み変化と底端板角度変化対応テーブルΔθf(Δ
ε)から底端板角度変化量Δθ fN を取得する[ Δθ fN
Δθf ΔεN ) ] (ステップ6(S6)を参照)。 (7) 溶接部は、弾性変形の範囲内であるか、底端板角度
変化量Δθ fN が塑性変形角度θmicroよりも小さいか
を判定する(ステップ7(S7)を参照)。 (8) S7の判定の結果、小さい(Yes)場合には、つぎの
場所N+1について繰り返す(ステップ8(S8)を参
照)。 (9) S7の判定の結果、大きい(No) 場合には、底端板
角度変化量( Δθ fN )の値により、以下の三状態(塑
性変形、ミクロ亀裂、マクロ亀裂)を判定し、表示ある
いは警報を発生する。 塑性変形:図2において約4〜12度の場合 ミクロ亀裂:図2において約12〜30度の場合 マクロ亀裂:図2において約30度以上の場合 この場合、上記臨界角度は石油タンクの設計条件によ
り、変化するので、適宜設計条件により変更すればよ
い。
ズムを図5を参照して説明する。 (1) 先ず、前述の所定の前処理及び測定点の設定(N)
を行う(ステップ1(S1)を参照)。 (2) 次に、歪み分布計測ε(x)を行う(ステップ2(S
2)を参照)。 (3) 処理番号に対応した光ファイバ上の位置 XN 、初期
値εN0を取得する(ステップ3(S3)を参照)。 (4) 対応位置の歪み値εNを取得する[ εN ε(XN ) ]
(ステップ4(S4)を参照)。 (5) 歪み値から初期歪みを引いて歪み変化量ΔεNを取
得する[ ΔεN =εN−ε N0] (ステップ5(S5)を
参照)。 (6) 歪み変化と底端板角度変化対応テーブルΔθf(Δ
ε)から底端板角度変化量Δθ fN を取得する[ Δθ fN
Δθf ΔεN ) ] (ステップ6(S6)を参照)。 (7) 溶接部は、弾性変形の範囲内であるか、底端板角度
変化量Δθ fN が塑性変形角度θmicroよりも小さいか
を判定する(ステップ7(S7)を参照)。 (8) S7の判定の結果、小さい(Yes)場合には、つぎの
場所N+1について繰り返す(ステップ8(S8)を参
照)。 (9) S7の判定の結果、大きい(No) 場合には、底端板
角度変化量( Δθ fN )の値により、以下の三状態(塑
性変形、ミクロ亀裂、マクロ亀裂)を判定し、表示ある
いは警報を発生する。 塑性変形:図2において約4〜12度の場合 ミクロ亀裂:図2において約12〜30度の場合 マクロ亀裂:図2において約30度以上の場合 この場合、上記臨界角度は石油タンクの設計条件によ
り、変化するので、適宜設計条件により変更すればよ
い。
【0021】本システムによれば、石油備蓄基地等に設
置された石油タンクの側板に光ファイバを設置して、歪
みをリアルタイムに計測することで、側板及び底端板に
発生する応力蓄積状況、経年歪み変化、座屈、亀裂、破
壊等を、現場で観察することなく遠隔地において中央で
集中監視、確認することができる。
置された石油タンクの側板に光ファイバを設置して、歪
みをリアルタイムに計測することで、側板及び底端板に
発生する応力蓄積状況、経年歪み変化、座屈、亀裂、破
壊等を、現場で観察することなく遠隔地において中央で
集中監視、確認することができる。
【0022】
【発明の効果】以上述べたように、[請求項1]の発明
によれば、石油タンクの側板と底端板との溶接部近傍の
亀裂の発生及び側板歪みを検知する石油タンクの強度予
知装置であって、石油タンク側板の下部近傍周囲に、軸
方向に折り返しつつ連続して敷設した光ファイバと、上
記光ファイバを介して外力の作用により生じた歪みを測
定する歪み計測器と、上記歪み測定器で測定した歪み量
から側板と底端板との溶接部近傍の塑性歪みや亀裂発生
等を監視する監視装置とを具備するので、計測された歪
み情報(定常又は異常)をデータ処理装置で危険予知の
判定を行い、歪み量が設定値を超えていれば、警報を出
すとともに、タンクの歪みの発生位置を表示する等によ
り、予知情報を提供することができる。この結果、地震
等の異常事象に素早くしかも的確に応急対応や、設備寿
命の予測、危険予知等、設備保全の有効な支援が可能と
なる。
によれば、石油タンクの側板と底端板との溶接部近傍の
亀裂の発生及び側板歪みを検知する石油タンクの強度予
知装置であって、石油タンク側板の下部近傍周囲に、軸
方向に折り返しつつ連続して敷設した光ファイバと、上
記光ファイバを介して外力の作用により生じた歪みを測
定する歪み計測器と、上記歪み測定器で測定した歪み量
から側板と底端板との溶接部近傍の塑性歪みや亀裂発生
等を監視する監視装置とを具備するので、計測された歪
み情報(定常又は異常)をデータ処理装置で危険予知の
判定を行い、歪み量が設定値を超えていれば、警報を出
すとともに、タンクの歪みの発生位置を表示する等によ
り、予知情報を提供することができる。この結果、地震
等の異常事象に素早くしかも的確に応急対応や、設備寿
命の予測、危険予知等、設備保全の有効な支援が可能と
なる。
【0023】[請求項2]の発明によれば、石油タンク
の側板と底端板との溶接部近傍の亀裂の発生及び側板歪
みを検知する石油タンクの強度予知方法であって、石油
タンク側板の下部近傍周囲に、軸方向に折り返しつつ連
続して敷設した光ファイバを介して外力の作用により生
じた歪みを測定し、上記歪み量から側板と底端板との溶
接部近傍の塑性歪みや亀裂発生等を監視するので、計測
された歪み情報(定常又は異常)をデータ処理装置で危
険予知の判定を行い、歪み量が設定値を超えていれば、
警報を出すとともに、タンクの歪みの発生位置を表示す
る等により、予知情報を提供することができる。この結
果、地震等の異常事象に素早くしかも的確に応急対応
や、設備寿命の予測、危険予知等、設備保全の有効な支
援システムが可能となる。
の側板と底端板との溶接部近傍の亀裂の発生及び側板歪
みを検知する石油タンクの強度予知方法であって、石油
タンク側板の下部近傍周囲に、軸方向に折り返しつつ連
続して敷設した光ファイバを介して外力の作用により生
じた歪みを測定し、上記歪み量から側板と底端板との溶
接部近傍の塑性歪みや亀裂発生等を監視するので、計測
された歪み情報(定常又は異常)をデータ処理装置で危
険予知の判定を行い、歪み量が設定値を超えていれば、
警報を出すとともに、タンクの歪みの発生位置を表示す
る等により、予知情報を提供することができる。この結
果、地震等の異常事象に素早くしかも的確に応急対応
や、設備寿命の予測、危険予知等、設備保全の有効な支
援システムが可能となる。
【図1】本実施の形態にかかる石油タンクの強度予知装
置の概略図である。
置の概略図である。
【図2】溶接部近傍の亀裂と角変化量との関係を示すグ
ラフである。
ラフである。
【図3】側板の軸方向歪み分布の解析結果を示すグラフ
である。
である。
【図4】側板の軸方向歪みと、角変化量(Δθf )との
関係を示すグラフである。
関係を示すグラフである。
【図5】歪み計測から亀裂測定のフローチャートであ
る。
る。
10 石油タンクの強度予知装置 11 基台 12 石油タンクの側板 13 光ファイバ 14 歪み測定器 15 溶接部 16 監視装置 17 底端板
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年10月5日(1999.10.
5)
5)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】次に、 歪み計測から亀裂測定のアルゴリ
ズムを図5を参照して説明する。 (1) 先ず、前述の所定の前処理及び測定点の設定(N)
を行う(ステップ1(S1)を参照)。 (2) 次に、歪み分布計測ε(x)を行う(ステップ2(S
2)を参照)。 (3) 処理番号に対応した光ファイバ上の位置 XN 、初期
値εN0を取得する(ステップ3(S3)を参照)。 (4) 対応位置の歪み値εNを取得する[ εN =ε(XN ) ]
(ステップ4(S4)を参照)。 (5) 歪み値から初期歪みを引いて歪み変化量ΔεNを取
得する[ ΔεN =εN−ε N0] (ステップ5(S5)を
参照)。 (6) 歪み変化と底端板角度変化対応テーブルΔθf(Δ
ε)から底端板角度変化量Δθ fN を取得する[ Δθ fN
=Δθf ΔεN ) ] (ステップ6(S6)を参照)。 (7) 溶接部は、弾性変形の範囲内であるか、底端板角度
変化量Δθ fN が塑性変形角度θmicroよりも小さいか
を判定する(ステップ7(S7)を参照)。 (8) S7の判定の結果、小さい(Yes)場合には、つぎの
場所N+1について繰り返す(ステップ8(S8)を参
照)。 (9) S7の判定の結果、大きい(No) 場合には、底端板
角度変化量( Δθ fN )の値により、以下の三状態(塑
性変形、ミクロ亀裂、マクロ亀裂)を判定し、表示ある
いは警報を発生する。 塑性変形:図2において約4〜12度の場合 ミクロ亀裂:図2において約12〜30度の場合 マクロ亀裂:図2において約30度以上の場合 この場合、上記臨界角度は石油タンクの設計条件によ
り、変化するので、適宜設計条件により変更すればよ
い。
ズムを図5を参照して説明する。 (1) 先ず、前述の所定の前処理及び測定点の設定(N)
を行う(ステップ1(S1)を参照)。 (2) 次に、歪み分布計測ε(x)を行う(ステップ2(S
2)を参照)。 (3) 処理番号に対応した光ファイバ上の位置 XN 、初期
値εN0を取得する(ステップ3(S3)を参照)。 (4) 対応位置の歪み値εNを取得する[ εN =ε(XN ) ]
(ステップ4(S4)を参照)。 (5) 歪み値から初期歪みを引いて歪み変化量ΔεNを取
得する[ ΔεN =εN−ε N0] (ステップ5(S5)を
参照)。 (6) 歪み変化と底端板角度変化対応テーブルΔθf(Δ
ε)から底端板角度変化量Δθ fN を取得する[ Δθ fN
=Δθf ΔεN ) ] (ステップ6(S6)を参照)。 (7) 溶接部は、弾性変形の範囲内であるか、底端板角度
変化量Δθ fN が塑性変形角度θmicroよりも小さいか
を判定する(ステップ7(S7)を参照)。 (8) S7の判定の結果、小さい(Yes)場合には、つぎの
場所N+1について繰り返す(ステップ8(S8)を参
照)。 (9) S7の判定の結果、大きい(No) 場合には、底端板
角度変化量( Δθ fN )の値により、以下の三状態(塑
性変形、ミクロ亀裂、マクロ亀裂)を判定し、表示ある
いは警報を発生する。 塑性変形:図2において約4〜12度の場合 ミクロ亀裂:図2において約12〜30度の場合 マクロ亀裂:図2において約30度以上の場合 この場合、上記臨界角度は石油タンクの設計条件によ
り、変化するので、適宜設計条件により変更すればよ
い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 塚野 正純 長崎県長崎市飽の浦町1番1号 三菱重工 業株式会社長崎造船所内 (72)発明者 高橋 孝 東京都新宿区西新宿五丁目1番14号 北海 道石油共同備蓄株式会社内 (72)発明者 越後 武彦 東京都新宿区西新宿五丁目1番14号 北海 道石油共同備蓄株式会社内 Fターム(参考) 2F065 AA65 FF00 LL02 2G086 CC02 DD05
Claims (2)
- 【請求項1】 石油タンクの側板と底端板との溶接部近
傍の亀裂の発生及び側板歪みを検知する石油タンクの強
度予知装置であって、 石油タンク側板の下部近傍周囲に、軸方向に折り返しつ
つ連続して敷設した光ファイバと、 上記光ファイバを介して外力の作用により生じた歪みを
測定する歪み計測器と、 上記歪み測定器で測定した歪み量から側板と底端板との
溶接部近傍の塑性歪みや亀裂発生等を監視する監視装置
とを具備することを特徴とする石油タンクの強度予知装
置。 - 【請求項2】 石油タンクの側板と底端板との溶接部近
傍の亀裂の発生及び側板歪みを検知する石油タンクの強
度予知方法であって、 石油タンク側板の下部近傍周囲に、軸方向に折り返しつ
つ連続して敷設した光ファイバを介して外力の作用によ
り生じた歪みを測定し、 上記歪み量から側板と底端板との溶接部近傍の塑性歪み
や亀裂発生等を監視することを特徴とする石油タンクの
強度予知方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11235332A JP2001059796A (ja) | 1999-08-23 | 1999-08-23 | 石油タンクの強度予知装置及びその方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11235332A JP2001059796A (ja) | 1999-08-23 | 1999-08-23 | 石油タンクの強度予知装置及びその方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001059796A true JP2001059796A (ja) | 2001-03-06 |
Family
ID=16984547
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11235332A Withdrawn JP2001059796A (ja) | 1999-08-23 | 1999-08-23 | 石油タンクの強度予知装置及びその方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001059796A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005257570A (ja) * | 2004-03-12 | 2005-09-22 | Kajima Corp | 光ファイバによる構造物の診断方法及びシステム |
JP2010518356A (ja) * | 2006-12-22 | 2010-05-27 | オクサン | 封込建物の損傷の危険性を確認するための方法およびシステム |
CN112781514A (zh) * | 2019-11-07 | 2021-05-11 | 中国石油化工股份有限公司 | 检测储罐非正常内压形变的方法、装置及系统 |
-
1999
- 1999-08-23 JP JP11235332A patent/JP2001059796A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005257570A (ja) * | 2004-03-12 | 2005-09-22 | Kajima Corp | 光ファイバによる構造物の診断方法及びシステム |
JP2010518356A (ja) * | 2006-12-22 | 2010-05-27 | オクサン | 封込建物の損傷の危険性を確認するための方法およびシステム |
CN112781514A (zh) * | 2019-11-07 | 2021-05-11 | 中国石油化工股份有限公司 | 检测储罐非正常内压形变的方法、装置及系统 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20061107 |