JP2001054899A - 電圧印加に応じて湾曲することのできる可撓性積層体 - Google Patents
電圧印加に応じて湾曲することのできる可撓性積層体Info
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- JP2001054899A JP2001054899A JP11228058A JP22805899A JP2001054899A JP 2001054899 A JP2001054899 A JP 2001054899A JP 11228058 A JP11228058 A JP 11228058A JP 22805899 A JP22805899 A JP 22805899A JP 2001054899 A JP2001054899 A JP 2001054899A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 融点の低い化合物を含まず、安定性に優れて
いるとともに導電性高分子層に対しては、不活性である
が接着性を有する固体電解質を選択、使用することによ
りアクチュエータとしての動作性を向上させた新規な可
撓性積層体の提供。 【解決手段】 柔かい対電極を接触または埋め込んだ固
体電解質層、導電性高分子層および支持部材層よりなる
可撓性積層体であって、前記固体電解質層が、側鎖およ
び/または主鎖にポリエチレンオキシドまたはエチレン
オキシドとプロピレンオキシドの共重合体を有すること
によりイオン伝導性を示す有機高分子よりなることを特
徴とする電圧印加に応じて湾曲することのできる可撓性
積層体。
いるとともに導電性高分子層に対しては、不活性である
が接着性を有する固体電解質を選択、使用することによ
りアクチュエータとしての動作性を向上させた新規な可
撓性積層体の提供。 【解決手段】 柔かい対電極を接触または埋め込んだ固
体電解質層、導電性高分子層および支持部材層よりなる
可撓性積層体であって、前記固体電解質層が、側鎖およ
び/または主鎖にポリエチレンオキシドまたはエチレン
オキシドとプロピレンオキシドの共重合体を有すること
によりイオン伝導性を示す有機高分子よりなることを特
徴とする電圧印加に応じて湾曲することのできる可撓性
積層体。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロマシン、
人工筋肉などとして有用な、電圧印加に応じて湾曲する
ことのできる可撓性積層体(全固体アクチュエータ)に
関する。
人工筋肉などとして有用な、電圧印加に応じて湾曲する
ことのできる可撓性積層体(全固体アクチュエータ)に
関する。
【0002】
【従来の技術】Materials Science
and Engineering C6(1998)p
65〜72によれば、ドープされたポリアニリン繊維の
まわりを、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネ
ート、ポリアクリロニトリルおよび過塩素酸第二銅(そ
れぞれ38、38、13、11モル%)より製造した固
体高分子電解質により被覆してなるポリアニリン繊維製
アクチュエータが開示されている。しかし、エチレンカ
ーボネートの融点が39℃であるようにエチレンカーボ
ネ−トやプロピレンカーボネ−トはその融点が非常に低
い物質であり、固体電解質としての安定性に乏しいもの
であった。
and Engineering C6(1998)p
65〜72によれば、ドープされたポリアニリン繊維の
まわりを、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネ
ート、ポリアクリロニトリルおよび過塩素酸第二銅(そ
れぞれ38、38、13、11モル%)より製造した固
体高分子電解質により被覆してなるポリアニリン繊維製
アクチュエータが開示されている。しかし、エチレンカ
ーボネートの融点が39℃であるようにエチレンカーボ
ネ−トやプロピレンカーボネ−トはその融点が非常に低
い物質であり、固体電解質としての安定性に乏しいもの
であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、融点の低い化合物を含まず、安定性に優れていると
ともに導電性高分子層に対しては、不活性であるが接着
性を有する固体電解質を選択、使用することによりアク
チュエータとしての動作性を向上させた新規な可撓性積
層体を提供する点にある。
は、融点の低い化合物を含まず、安定性に優れていると
ともに導電性高分子層に対しては、不活性であるが接着
性を有する固体電解質を選択、使用することによりアク
チュエータとしての動作性を向上させた新規な可撓性積
層体を提供する点にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、柔かい対電極
を接触または埋め込んだ固体電解質層、導電性高分子層
および支持部材層よりなる可撓性積層体であって、前記
固体電解質層が、側鎖および/または主鎖にポリエチレ
ンオキシドまたはエチレンオキシドとプロピレンオキシ
ドの共重合体を有することによりイオン伝導性を示す有
機高分子よりなることを特徴とする電圧印加に応じて湾
曲することのできる可撓性積層体に関する。
を接触または埋め込んだ固体電解質層、導電性高分子層
および支持部材層よりなる可撓性積層体であって、前記
固体電解質層が、側鎖および/または主鎖にポリエチレ
ンオキシドまたはエチレンオキシドとプロピレンオキシ
ドの共重合体を有することによりイオン伝導性を示す有
機高分子よりなることを特徴とする電圧印加に応じて湾
曲することのできる可撓性積層体に関する。
【0005】前記導電性高分子層を構成する材料として
は、とくに制限はないが、薄膜形成性に優れたものが好
ましい。導電性高分子としては、ポリアニリン類、ポリ
ピロール類をはじめ、例えば1994年1月5日株式会
社産業調査会発行、「実用プラスチック事典」第677
〜682頁記載のものや特開昭63−39916号公報
に記載のものなど、各種導電性高分子が使用できるが、
現状ではポリアニリンが最も好ましい。
は、とくに制限はないが、薄膜形成性に優れたものが好
ましい。導電性高分子としては、ポリアニリン類、ポリ
ピロール類をはじめ、例えば1994年1月5日株式会
社産業調査会発行、「実用プラスチック事典」第677
〜682頁記載のものや特開昭63−39916号公報
に記載のものなど、各種導電性高分子が使用できるが、
現状ではポリアニリンが最も好ましい。
【0006】前記ポリアニリン類の具体例としては、例
えば特公昭61−197633号公報、特開平1−30
1714号公報、特開平2−240139号公報、特表
平5−503953号公報、特表平5−504153号
公報、特表平6−506723号公報、特表平6−50
7434号公報、特開平7−118524号公報、特開
平7−196791号公報、USP.4,956,44
1号、USP.5,109,070号、USP.5,1
15,057号、USP.5,208,301号、US
P.5,256,454号、USP.5,437,89
3号、USP.5,589,108号などがあり、アク
チュエータに応用した例としては、応用物理第65巻第
8号(1996)、p803〜810、高分子第43巻
12月号(1994)p856〜859などがあり、本
発明も基本的原理はこれらと変るものではない。
えば特公昭61−197633号公報、特開平1−30
1714号公報、特開平2−240139号公報、特表
平5−503953号公報、特表平5−504153号
公報、特表平6−506723号公報、特表平6−50
7434号公報、特開平7−118524号公報、特開
平7−196791号公報、USP.4,956,44
1号、USP.5,109,070号、USP.5,1
15,057号、USP.5,208,301号、US
P.5,256,454号、USP.5,437,89
3号、USP.5,589,108号などがあり、アク
チュエータに応用した例としては、応用物理第65巻第
8号(1996)、p803〜810、高分子第43巻
12月号(1994)p856〜859などがあり、本
発明も基本的原理はこれらと変るものではない。
【0007】これらの導電性高分子は、ドープされてい
ないものでも使用できる場合もあるが、ドープされてい
るものが好ましい。このためのドーパンドについては何
等制限はない。例えばポリアニリンの場合には、各種プ
ロント酸のほか、酸化ドーピングできるような各種アニ
オン(ClO4 −など)が使用できる。
ないものでも使用できる場合もあるが、ドープされてい
るものが好ましい。このためのドーパンドについては何
等制限はない。例えばポリアニリンの場合には、各種プ
ロント酸のほか、酸化ドーピングできるような各種アニ
オン(ClO4 −など)が使用できる。
【0008】本発明に用いる固体電解質は、前述のとお
り有機高分子の側鎖および/または主鎖としてポリエチ
レンオキシド鎖またはエチレンオキシドとプロピレンオ
キシドとの共重合体鎖を有し、使用温度範囲において1
0−5Scm−1以上のイオン伝導性を示す固体電解質
としたものであり、固体でさえあれば分子量はとくに問
題にならない。通常1000〜10000程度のものを
用いる。前記ポリエチレンオキシド鎖は下記式
り有機高分子の側鎖および/または主鎖としてポリエチ
レンオキシド鎖またはエチレンオキシドとプロピレンオ
キシドとの共重合体鎖を有し、使用温度範囲において1
0−5Scm−1以上のイオン伝導性を示す固体電解質
としたものであり、固体でさえあれば分子量はとくに問
題にならない。通常1000〜10000程度のものを
用いる。前記ポリエチレンオキシド鎖は下記式
【化1】−O−(CH2CH2O)n−H で示されるが、nは通常3〜20、好ましくは6〜1
2、とくに好ましくは6〜8である。エチレンオキシド
とプロピレンオキシドの共重合鎖の場合も、合計モル数
はほぼ前記nの数と類似したものとなるが、共重合割合
におけるプロピレンオキシドの割合が多くなるほどイオ
ン伝導性が低下する傾向がある。
2、とくに好ましくは6〜8である。エチレンオキシド
とプロピレンオキシドの共重合鎖の場合も、合計モル数
はほぼ前記nの数と類似したものとなるが、共重合割合
におけるプロピレンオキシドの割合が多くなるほどイオ
ン伝導性が低下する傾向がある。
【0009】固体電解質の母体である有機高分子として
は、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニルおよびその
部分けん化物、ポリエーテル、ポリ(メタ)アクリル
酸、ポリ(メタ)アクリル酸エステル(メチルエステ
ル、エチルエルテルなど)、ポリアクリルアミド、ポリ
エチレンテレフタレートなどのポリエステル、6−ナイ
ロンや6,6−ナイロンのようなポリアミドなどの側鎖
導入可能なものであれば何でも使用できるが、可撓性の
よいものが適している。
は、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニルおよびその
部分けん化物、ポリエーテル、ポリ(メタ)アクリル
酸、ポリ(メタ)アクリル酸エステル(メチルエステ
ル、エチルエルテルなど)、ポリアクリルアミド、ポリ
エチレンテレフタレートなどのポリエステル、6−ナイ
ロンや6,6−ナイロンのようなポリアミドなどの側鎖
導入可能なものであれば何でも使用できるが、可撓性の
よいものが適している。
【0010】本発明で用いることのできる導電性ポリマ
ーは、前述のとおり、もっとも好ましいものが、ポリア
ニリンであり、ついでポリピロールであるが、これらの
ポリマーはドープ状態でもいずれもアルコールに不溶性
であるから、本発明のイオン伝導性を示す有機高分子が
アルコール可溶性であることは大へん好都合である。す
なわち、例えば、ドープされた導電性高分子層のうえに
固体電解質層を形成するにあたり、本発明の固体電解質
は、その側鎖のもつ特性からアルコール可溶性であるた
め、固体電解質はアルコール溶液の形で簡単に導電性高
分子層上に層形成することができ、その際、アルコール
は導電性高分子やドープされた導電性高分子を全く溶解
させないので、導電性高分子層からドーパントなどが溶
けだすなどの恐れがなく、導電性の低下現象は全く発生
しない。しかも本発明の固体電解質層は、このような操
作のみで導電性高分子層に実用に堪える充分な接着性を
有し剥離することがなく、また長期間導電性高分子層と
接触していても導電性高分子層のドーパントが移行する
などといった導電性高分子層の変質を招くことがない。
ーは、前述のとおり、もっとも好ましいものが、ポリア
ニリンであり、ついでポリピロールであるが、これらの
ポリマーはドープ状態でもいずれもアルコールに不溶性
であるから、本発明のイオン伝導性を示す有機高分子が
アルコール可溶性であることは大へん好都合である。す
なわち、例えば、ドープされた導電性高分子層のうえに
固体電解質層を形成するにあたり、本発明の固体電解質
は、その側鎖のもつ特性からアルコール可溶性であるた
め、固体電解質はアルコール溶液の形で簡単に導電性高
分子層上に層形成することができ、その際、アルコール
は導電性高分子やドープされた導電性高分子を全く溶解
させないので、導電性高分子層からドーパントなどが溶
けだすなどの恐れがなく、導電性の低下現象は全く発生
しない。しかも本発明の固体電解質層は、このような操
作のみで導電性高分子層に実用に堪える充分な接着性を
有し剥離することがなく、また長期間導電性高分子層と
接触していても導電性高分子層のドーパントが移行する
などといった導電性高分子層の変質を招くことがない。
【0011】前記アルコールとしては、メチルアルコー
ルおよび/またはエチルアルコールのように低分子量
で、沸点の低いものが好ましい。このように低沸点のア
ルコールは、導電性高分子層上に固体電解質のアルコー
ル溶液として塗布した後、簡単な操作で完全にアルコー
ル分を除去できるからである。
ルおよび/またはエチルアルコールのように低分子量
で、沸点の低いものが好ましい。このように低沸点のア
ルコールは、導電性高分子層上に固体電解質のアルコー
ル溶液として塗布した後、簡単な操作で完全にアルコー
ル分を除去できるからである。
【0012】本発明の可撓性積層体の各層の厚みは、全
体が電圧印加に応じて所期の湾曲状態を呈する程度の可
撓性が発揮できる程度の厚みであれば格別の制限はない
が、一応の目安を示せばつぎのとおりである。
体が電圧印加に応じて所期の湾曲状態を呈する程度の可
撓性が発揮できる程度の厚みであれば格別の制限はない
が、一応の目安を示せばつぎのとおりである。
【0013】固体電解質層の厚さは、通常5μm〜1c
m、好ましくは10μm〜1mm、とくに好ましくは4
0μm〜200μmであり、導電性高分子層の厚さは、
通常5〜100μm、好ましくは5〜30μm、とくに
好ましくは10〜20μmであり、支持部材層の厚さ
は、通常20〜500μm、好ましくは20〜200μ
m、とくに好ましくは30〜100μmである。
m、好ましくは10μm〜1mm、とくに好ましくは4
0μm〜200μmであり、導電性高分子層の厚さは、
通常5〜100μm、好ましくは5〜30μm、とくに
好ましくは10〜20μmであり、支持部材層の厚さ
は、通常20〜500μm、好ましくは20〜200μ
m、とくに好ましくは30〜100μmである。
【0014】本発明で使用する柔かい対電極を構成する
材料としては、金、銀、白金、銅、クロムなどを例示す
ることができるが、アクチュエータの動きを妨げない程
度の柔らかさであればよい。十分に細い細線か薄い箔に
すればほとんどすべての金属を用いることができる。
材料としては、金、銀、白金、銅、クロムなどを例示す
ることができるが、アクチュエータの動きを妨げない程
度の柔らかさであればよい。十分に細い細線か薄い箔に
すればほとんどすべての金属を用いることができる。
【0015】本発明の可撓性積層体に印加する電圧は、
通常±0.5〜±12V、好ましくは±0.5〜±6
V、とくに好ましくは±1.5V〜±3Vである。
通常±0.5〜±12V、好ましくは±0.5〜±6
V、とくに好ましくは±1.5V〜±3Vである。
【0016】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明はこれにより何等限定されるものではな
い。
るが、本発明はこれにより何等限定されるものではな
い。
【0017】実施例1(固体電解質の作製) ポリビニルアルコールのOH基のところにエチレンオキ
サイドを付加重合して得られたポリエチレンオキシド側
鎖をもつポリエチレン〔住友化学(株)の商品名STO
−288〕を削ってシャーレに入れ、これにメタノール
を加えて約40wt%の溶液とした。この溶液を4つに
分け、それぞれに支持電解質成分となる下記表中の各1
つの無機塩化合物を加え、該化合物濃度が5.2×10
−4モル/gとなるようにした。該モル濃度は、下記表
中の重量%濃度に対応している。
サイドを付加重合して得られたポリエチレンオキシド側
鎖をもつポリエチレン〔住友化学(株)の商品名STO
−288〕を削ってシャーレに入れ、これにメタノール
を加えて約40wt%の溶液とした。この溶液を4つに
分け、それぞれに支持電解質成分となる下記表中の各1
つの無機塩化合物を加え、該化合物濃度が5.2×10
−4モル/gとなるようにした。該モル濃度は、下記表
中の重量%濃度に対応している。
【0018】
【表1】 (注)Nap−TSAはp−トルエンスルホン酸ナトリ
ウム LiTFSiは、リチウムビス(トリフルオロメタンス
ルホニル)イミドであり、下記式
ウム LiTFSiは、リチウムビス(トリフルオロメタンス
ルホニル)イミドであり、下記式
【化2】(CF3SO2)2N−Li+ で示すことができる。
【0019】完全に前記STOと無機塩(支持電解質)
がメタノールに溶解した後、ドラフト中で65℃のホッ
トプレート上でメタノールを蒸発させる(この蒸発乾固
に約6時間を要する)と、支持電解質を含んだ固体電解
質が得られる。この固体電解質は、室温で非結晶性の少
し粘性のある粘土状固体である。
がメタノールに溶解した後、ドラフト中で65℃のホッ
トプレート上でメタノールを蒸発させる(この蒸発乾固
に約6時間を要する)と、支持電解質を含んだ固体電解
質が得られる。この固体電解質は、室温で非結晶性の少
し粘性のある粘土状固体である。
【0020】(アクチュエータの組立てと作動)延伸し
た導電性ポリアニリンフィルム(厚さ16μm)の裏側
に支持部材層となるポリプロピレンテープ(厚さ50μ
m)を貼り、ポリアニリンフィルムの表側に前記の粘土
状固体電解質をスパチュラで塗布する(図1参照)。そ
の上に金線(直径0.05mm)を数本延伸方向と平行
に等間隔で乗せ、さらにその上に前記粘土状固体電解質
をもう一度塗布する(図2参照)。これにより前記金線
を固体電解質に埋め込み、ついで圧力をかけて固体電解
質層を薄層とし厚さ90μmの層とした。この積層体の
ポリアニリン側に図2に示す作用電極を、金線群には対
電極を接続する(図3参照)。作用電極(ポリアニリン
フィルム側)にマイナスの、対電極(金線側)にはプラ
スの電圧をかけると、ポリアニリン側からドーパントが
マイナスイオンとして出ていき、ポリアニリンフィルム
は延伸方向で縮み(支持部材層は伸縮しないので)、積
層体が曲がる(図4参照)。電圧を反転すると、ドーパ
ンドがポリアニリンフィルムに入り、ポリアニリンフィ
ルムが延伸方向に膨張し、積層体が伸びる。
た導電性ポリアニリンフィルム(厚さ16μm)の裏側
に支持部材層となるポリプロピレンテープ(厚さ50μ
m)を貼り、ポリアニリンフィルムの表側に前記の粘土
状固体電解質をスパチュラで塗布する(図1参照)。そ
の上に金線(直径0.05mm)を数本延伸方向と平行
に等間隔で乗せ、さらにその上に前記粘土状固体電解質
をもう一度塗布する(図2参照)。これにより前記金線
を固体電解質に埋め込み、ついで圧力をかけて固体電解
質層を薄層とし厚さ90μmの層とした。この積層体の
ポリアニリン側に図2に示す作用電極を、金線群には対
電極を接続する(図3参照)。作用電極(ポリアニリン
フィルム側)にマイナスの、対電極(金線側)にはプラ
スの電圧をかけると、ポリアニリン側からドーパントが
マイナスイオンとして出ていき、ポリアニリンフィルム
は延伸方向で縮み(支持部材層は伸縮しないので)、積
層体が曲がる(図4参照)。電圧を反転すると、ドーパ
ンドがポリアニリンフィルムに入り、ポリアニリンフィ
ルムが延伸方向に膨張し、積層体が伸びる。
【0021】実施例においては、電圧が低すぎると積層
体(アクチュエータ)の動きが遅いので、変位は印加電
圧3〜6Vの範囲内で測定し、アクチュエータが曲がる
ときの変位の速さを、レーザー変位計で測定したデータ
から計算した。そのやり方の概要は図4に示すとおりで
ある。すなわち、電圧をかけて、ポリアニリンフィルム
の収縮(−δ)と伸長(+δ)の基準点からフィルム先
端までの距離を、レーザー変位計で読む。アクチュエー
タそのものにレーザーを当てるとその表面の凹凸まで読
んでしまうので、下端に平らなテープを貼りそこにレー
ザーを当てる。できれば的になるテープはレーザー光線
と垂直であることが望ましい。
体(アクチュエータ)の動きが遅いので、変位は印加電
圧3〜6Vの範囲内で測定し、アクチュエータが曲がる
ときの変位の速さを、レーザー変位計で測定したデータ
から計算した。そのやり方の概要は図4に示すとおりで
ある。すなわち、電圧をかけて、ポリアニリンフィルム
の収縮(−δ)と伸長(+δ)の基準点からフィルム先
端までの距離を、レーザー変位計で読む。アクチュエー
タそのものにレーザーを当てるとその表面の凹凸まで読
んでしまうので、下端に平らなテープを貼りそこにレー
ザーを当てる。できれば的になるテープはレーザー光線
と垂直であることが望ましい。
【0022】
【表2】 *LiTFSi(HClドーピング)を除き、支持電解
質に相当するプロトン酸によりドープされたポリアニリ
ンフィルムの導電性を示す。
質に相当するプロトン酸によりドープされたポリアニリ
ンフィルムの導電性を示す。
【0023】
【効果】本発明は、特定の積層構成を採用することおよ
び特定の固体電解質を使用することにより、液中でな
く、空気中において充分満足できる変位速度で可動する
積層体を提供することができた。この積層体は人工筋肉
やマイクロマシンなど各用途のアクチュエータとして有
用である。
び特定の固体電解質を使用することにより、液中でな
く、空気中において充分満足できる変位速度で可動する
積層体を提供することができた。この積層体は人工筋肉
やマイクロマシンなど各用途のアクチュエータとして有
用である。
【図1】実施例1における導電性高分子層であるポリア
ニリンフィルム上に粘土状の固体電解質を塗布している
状態を示す斜視図である。
ニリンフィルム上に粘土状の固体電解質を塗布している
状態を示す斜視図である。
【図2】図1で形成された固体電解質層の上に柔かい対
電極を埋め込もうとしている状態を示す斜視図である。
電極を埋め込もうとしている状態を示す斜視図である。
【図3】図2の作業を終ったものに作用電極をとりと
け、印加電圧により可動する本発明積層体の斜視図であ
る。
け、印加電圧により可動する本発明積層体の斜視図であ
る。
【図4】図3に示す本発明積層体よりなるアクチュエー
タに負の電圧を印加したり、正の電圧を印加したりし
て、変位の速度を求めるための実施態様を示す図であ
る。
タに負の電圧を印加したり、正の電圧を印加したりし
て、変位の速度を求めるための実施態様を示す図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 厳 虎 山口県小野田市大字小野田397番地の3 県営住宅3棟404号 (72)発明者 大野 尚典 山口県小野田市大字須恵西2593番地の1 (72)発明者 大野 弘幸 東京都江戸川区一之江町3002番地 ライオ ンズガーデン一之江314号 (72)発明者 福岡 直彦 兵庫県神戸市中央区東川崎町1丁目3番3 号 ケミプロ化成株式会社内 Fターム(参考) 4F100 AA05H AA18H AK01A AK01B AK04A AK07 AK21 AK35B AK35K AK54A AL01A AL03A AR00A AS00C BA03 BA07 BA26 CA21 GB51 GB61 GB90 JB20A JG01B JK17 JL00 JL15 4J002 BE02X BF02X BG07X BG13X CE00W CF07X CF10X CH02X CM01W FD11W GF00 GQ02
Claims (3)
- 【請求項1】 柔かい対電極を接触または埋め込んだ固
体電解質層、導電性高分子層および支持部材層よりなる
可撓性積層体であって、前記固体電解質層が、側鎖およ
び/または主鎖にポリエチレンオキシドまたはエチレン
オキシドとプロピレンオキシドの共重合体を有すること
によりイオン伝導性を示す有機高分子よりなることを特
徴とする電圧印加に応じて湾曲することのできる可撓性
積層体。 - 【請求項2】 前記導電性高分子層がポリアニリン類よ
りなるものである請求項1記載の電圧印加のたびに湾曲
することのできる可撓性積層体。 - 【請求項3】 側鎖および/または主鎖にポリエチレン
オキシド鎖またはエチレンオキシドとプロピレンオキシ
ドの共重合体鎖を有することによりイオン伝導性を示す
有機高分子が、側鎖および/または主鎖にポリエチレン
オキシド鎖またはエチレンオキシドとプロピレンオキシ
ドの共重合体鎖を有することによりイオン伝導性を示す
ポリエチレンである請求項1または2記載の電圧印加に
応じて湾曲することのできる可撓性積層体。
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