JP2001047041A - 光触媒反応装置 - Google Patents

光触媒反応装置

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JP2001047041A
JP2001047041A JP11228089A JP22808999A JP2001047041A JP 2001047041 A JP2001047041 A JP 2001047041A JP 11228089 A JP11228089 A JP 11228089A JP 22808999 A JP22808999 A JP 22808999A JP 2001047041 A JP2001047041 A JP 2001047041A
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Japan
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optical fiber
photocatalytic reaction
photocatalyst
photocatalytic
treated
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JP11228089A
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English (en)
Inventor
Shigeo Sato
茂雄 佐藤
Hiroshi Noguchi
寛 野口
Miyoko Kusumi
美代子 久住
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Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エネルギー効率の高い実用的な光触媒反応装
置を新たに提供する。 【解決手段】 当該光触媒反応装置は、被処理水が供給
される光触媒反応槽11と、前記光触媒反応槽11に導入さ
れ、光触媒反応により前記被処理水中に含まれる有機物
を酸化分解させる光ファイバー素線14を供給するファイ
バーケーブル13と、前記光触媒反応槽11内に設置される
光ファイバー素線保護部材12とからなる。光ファイバー
素線保護部材12には二つ以上の貫通孔17が設けられ、こ
の貫通孔17に一本または数本の光ファイバー素線14を挿
通させることで、槽11内に供給された光ファイバー素線
14全てを前記光触媒反応槽11内を移動する流体の衝撃か
ら保護する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光触媒反応を利用
して被処理水中の有機物等を酸化分解させる光触媒反応
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】二酸化チタンに代表される光触媒の応用
が近年盛んに行われているが、ここで二酸化チタンを用
いた光触媒反応の特徴について述べると以下の3点が挙
げれられる。第1の特徴として、この反応は二酸化チタ
ンの表面で起こることである。すなわち、二酸化チタン
が光励起されると電子と正孔の対が生成し、これらと二
酸化チタン上に存在する物質とが酸化還元反応を引き起
こす。このとき、二酸化チタン自身は酸化も還元もされ
ずまったく変化しない。いわゆる触媒の役割を担うので
ある。この特性のために、二酸化チタン光触媒の応用に
あたっては、その効果が半永久的に持続することにな
る。
【0003】第2の特徴は、二酸化チタン光触媒におい
ては、励起電子のもつ還元力よりも、正孔のもつ酸化力
が非常に強いことである。光励起された二酸化チタンの
表面は、+3.0Vという非常に高い酸化電位をもつこと
が知られている。これによって有機化合物や窒素酸化物
などを酸化分解することができる。水処理に用いられる
塩素(1.36V)やオゾン(2.07V)の酸化電位と比較して
も、酸化チタンが強力な酸化力を有することが明らかで
ある。
【0004】第3の特徴は、二酸化チタンのバンドキャ
ップは約3eVであり、波長にすると約400nm、すな
わち400nm以下の紫外光を照射することによって光化
学反応が進行することである。
【0005】また、これらの特徴を有する光触媒反応を
環境浄化技術に応用しようとする場合、次の二通りの考
え方があることが分かってきた。すなわち、分解型と表
面改質型である。
【0006】分解型は、二酸化チタンの持つ強い酸化力
を利用して、表面に拡散してきた物質を分解しようとい
う考え方である。大気中を拡散して二酸化チタン表面に
やってくる悪臭物質やタバコのヤニなどを分解できるこ
とが確かめられ、また二酸化チタン薄膜の上に塗ったサ
ラダ油も分解されたことも確かめられている。あるい
は、大腸菌などを含む菌液を滴下しても、光を当てると
殺菌効果があることが分かってきた。このように二酸化
チタン光触媒は、消臭、防汚、抗菌作用を合わせ持つこ
とが明らかとなっており、環境浄化への応用研究が本格
化している。
【0007】表面改質型は、分解型のように光触媒反応
により外部の物質に働きかけるのではなく、二酸化チタ
ン薄膜表面の性質自体を親水性あるいは疎水性に変化さ
せる考え方である。二酸化チタン表面に紫外光照射を行
うと、表面が非常に強い親水性になる。水の接触角でこ
の親水性を評価すると5°以下、条件を最適化するとほ
ぼ0°になることが確認されている。また、この状態
(超親水性)は光照射を止めても数時間から1週間程度
持続し、徐々に光照射前の疎水的な状態に戻り、疎水性
になった後も、再び紫外光照射により超親水性が回復す
ることも確認されている。さらに、最近になって、光照
射後の表面は、油に対して非常に親和性の高い、超親油
的な性質も併せもつことが見出された。すなわち、光照
射によって二酸化チタン表面は両親媒性となるのであ
る。このような二酸化チタン表面の特性によって防汚
性、防曇性、易洗性及び易乾性の性質を備えた材料を創
り出すことが可能となってきた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】光触媒反応を浄水シス
テムに応用しようとする場合、実用化における大きなポ
イントの一つに処理コストが適正であることが必要とさ
れる。処理コストには、処理設備としてのイニシャルコ
ストとその性能維持管理に必要なランニングコストがあ
る。イニシャルコストについては、十分な普及が進んで
いない現在では割高であるが、需要が拡大すれば大幅な
コストの削減が可能となる。問題はランニングコストで
あり、光触媒反応を導入した浄水設備のランニングコス
トは、その大半が紫外線を照射するランプの電力費とな
っている。
【0009】前述のように、光触媒反応のエネルギー
は、光触媒表面に照射した紫外線によって供給される。
理想的には、一つの光子が一対の電子と正孔を作り出
し、光触媒表面で電子が還元反応、正孔が酸化反応に携
わる。しかしながら、大部分の電子と正孔が光触媒内部
で再結合し、実際には最も効率の高い光触媒でも、受光
した光量の3〜4%程度しか反応に寄与しない。また、
水の浄化においては、照射した光が光触媒表面に到達す
る前に水中に溶解する有機物や浮遊固形物等により吸収
される場合が多く、照射した光が反応に寄与する効率は
更に低下する。
【0010】したがって、エネルギー効率を上げるに
は、できるだけ小さい反応部容積において、できるだけ
少量の紫外光照射によって反応部全域で実現されること
が望まれる。このような目的で検討されている光触媒反
応構成として光触媒光ファイバーの応用がある。図5
は、種々の光ファイバー素線の構造説明図である。光触
媒光ファイバーは、通常の光ファイバーがコアの外周を
クラッドで覆い、全反射を利用して一方の端点から入射
した光をほとんど減衰なしにもう一本の端点に送る構造
であるのに対し、クラッドの外周に光触媒(例えば、二
酸化チタン)をコーティングした構造になっており、光
がファイバーを通過していく間に、徐々に光が漏れ出す
構造を成している。これによって比較的小容積に比較的
少量の紫外線を照射させることができる。
【0011】しかしながら、この光触媒ファイバーは、
二酸化チタンをコーティングする工程で高温度処理を必
要とするため、クラッドの材料としてプラスチック等の
可撓性を有する材料が使用できない。したがって、光触
媒光ファイバーは脆く、折れやすくなる。特に、水の浄
化手段に応用する場合は、この脆さが問題となり実用化
が阻まれている。
【0012】本発明は、上記の事情に鑑み創作されたも
のであり、エネルギー効率の高い実用的な光触媒反応装
置を新たに提供することを課題としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するた
めの手段として、第1発明は、被処理水が供給される光
触媒反応槽と、前記光触媒反応槽内に導入され、光触媒
反応により前記被処理水中に含まれる有機物を酸化分解
させる光ファイバー素線を供給するファイバーケーブル
と、前記光触媒反応槽内に設置される光ファイバー素線
保護部材とからなることを特徴としている。
【0014】第2発明は、被処理水が供給される光触媒
反応槽と、前記光触媒反応槽内に導入され、光ファイバ
ー素線を供給するファイバーケーブルと、前記光触媒反
応槽内に固定され、前記光ファイバー素線の漏光によっ
て生起させた光触媒反応により前記被処理水中に含まれ
る有機物を酸化分解させる光触媒または光触媒担体とか
らなることを特徴としている。
【0015】第3発明は、被処理水が供給される光触媒
反応槽と、前記光触媒反応槽内に導入され、光ファイバ
ー素線を供給するファイバーケーブルと、前記光触媒反
応槽内で流動し、前記光ファイバー素線の漏光によって
生起させた光触媒反応により前記被処理水中に含まれる
有機物を酸化分解させる光触媒または光触媒担体とから
なることを特徴としている。
【0016】第4発明は、第1発明に係る光ファイバー
素線において、その素線表面に光触媒が被覆され、素線
内部からの漏光により光触媒反応を生起させることを特
徴としている。
【0017】第5発明は、第1、2または4発明に係る
前記光触媒反応槽内に設置固定された光ファイバー素線
保護部材、光触媒及び光触媒担体には、二つ以上の貫通
孔が設けられ、この貫通孔に一本または数本の光ファイ
バー素を挿通させることを特徴している。かかる構成に
よって前記光ファイバー素線群は前記光触媒反応槽内を
移動する流体の衝撃から保護される。
【0018】第6発明は、第2発明に係る光触媒反応槽
内に充填固定された光触媒の空隙に、一本または数本の
光ファイバー素線を挿通させることを特徴としている。
かかる構成によって、光ファイバーから照射された紫外
光と光触媒との接触効率が高まり、槽内を移動する流体
の衝撃による光ファイバー素線の破損をも防ぐことも可
能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。 (第1形態)本形態に係る光触媒反応装置は、光触媒光
ファイバーと保護部材を組合せて光ファイバー素線の強
度、耐久性を確保させている。図1は、第1形態に係る
光触媒反応装置の概要図である。当該装置は、被処理水
が供給される光触媒反応槽11と、前記光触媒反応槽11内
に導入され、光触媒反応により前記被処理水中に含まれ
る有機物を酸化分解させる光ファイバー素線14を供給す
るファイバーケーブル13と、前記光触媒反応槽11内に設
置される光ファイバー素線保護部材12とから構成され
る。
【0020】光ファイバー素線保護部材12には二つ以上
の貫通孔17が設けられ、さらにこの貫通孔17には槽11内
に引込まれたファイバーケーブル13から供給された複数
の光触媒光ファイバー素線14のうち一本または数本が挿
通される。かかる構成によって槽内に供給された光ファ
イバー素線14全てが前記光触媒反応槽11内を移動する流
体の衝撃から保護されている。光ファイバー素線保護部
材12は、例えば図1のようなハニカム構造を成し、挿通
された各ファイバー素線14が水流によって大きく振れな
いような構造となっている。槽内に供給させる光ファイ
バー素線の径、長さ及び数は、光触媒単位表面当りの被
処理物質(有機物)負荷量によって定められる。
【0021】光触媒光ファイバー素線14は、その素線表
面に光触媒が被覆され、素線内部からの漏光により光触
媒反応を生起させることを特徴としている。すなわち、
コア部の外周にクラット部として光触媒(二酸化チタ
ン)がコーティングされており、照射光がファイバーを
通過していく間に、徐々に紫外光が漏れ出す構造となっ
ている(図5(b)参照)。先の課題で述べたように、
光触媒光ファイバーは、製造時における二酸化チタンを
コーティングさせる工程において高温処理されるため
に、反応槽11内に供給された流体の流れの衝撃よって破
損し易い性質となっている。そこで、前述のように光触
媒光ファイバー素線14を保護部材12の貫通孔17に挿通さ
せることで流体の流れによる衝撃を緩衝させて前記課題
を克服させている。また、槽内の通水面は保護部材12の
貫通孔17によって仕切られており、槽内に供給された被
処理水は必ず保護部材12のいずれかの貫通孔17を通過す
るので、液相中に含まれる被処理物質と光ファイバー素
線14との接触効率が高まり、被処理物質を効率的に酸化
分解処理させることも可能となる。これにより被処理水
の滞留時間は短縮され、装置の小型化と紫外光照射量の
低減化が可能となる。
【0022】被処理水は、光触媒反応槽11の底部に取付
けられた被処理水供給口15から供給される。光触媒光フ
ァイバー14から漏れ出した紫外光は、同ファイバー素線
14表面にコーティングされた光触媒(二酸化チタン)に
吸収されて光触媒反応を起こす。光ファイバー素線14表
面の近傍部位まで拡散してきた液相中の有機物は、この
反応によって酸化分解される。また、光ファイバー素線
14表面近傍に滞留する水分子や酸素分子も、前記反応に
よってそれぞれ酸化、還元されて酸化力を有したヒドロ
キシラジカル(・OH)やスーパーオキシドアニオン
(・O2 -)のような反応活性種へと変換され、前記有機
物の酸化分解処理の一助となる。処理水は光触媒反応槽
11上部の処理水流出口16から系外に移送される。 (第2形態)図2は第2形態に係る光触媒反応装置の概
要図である。当該装置は、被処理水が供給される光触媒
反応槽21と、前記光触媒反応槽2内1に導入され、光ファ
イバー素線24を供給するファイバーケーブル23と、前記
光触媒反応槽21内で設置固定させて前記光ファイバー素
線24の漏光によって生起させた光触媒反応により前記被
処理水中に含まれる有機物を酸化分解させる光触媒22と
から構成される。
【0023】光触媒(二酸化チタン)22は、第1形態と
同様に二つ以上の貫通孔27が設けられ、その貫通孔27に
はファイバーケーブル23から供給された複数の光触媒光
ファイバー素線24のうち一本または数本が挿通される。
本形態に係る光触媒も、第1形態と同様にハニカム構造
を成している。かかる構成によって、光ファイバー素線
24は槽21内を移動する流体の衝撃から保護される。ま
た、光ファイバー素線24からの紫外光と光触媒22及び被
処理物質との接触効率が高まり、これにより被処理水の
滞留時間が短縮化され、装置の小型化と紫外光照射量の
低減化が可能となる。
【0024】本形態に係る光ファイバーは、第1形態の
ような光触媒光ファイバーではなく、通常の光ファイバ
ーのコア部材料とクラッド部材料の屈折率の大小を反対
にして屈折率の小さな材料の外周を屈折率の大きな材料
で覆った光ファイバーであり、照射光(紫外光)がファ
イバーを通過していく間に徐々に光が漏れ出す構造とな
っている(図5(c))。以下、この光ファイバーを単
純漏光型光ファイバーと称す。単純漏光型光ファイバー
は、二酸化チタンをコーティングするための熱処理が不
要となるため、可撓性を有するプラスチック材料を用い
ることができ、またガラス性の単純漏型光ファイバーの
外周をプラスチックでコーティングして可撓性を与える
ことも可能である(単純漏光型光ファイバーの「単純」
は、光触媒材料をコーティングしたものではないという
意味で用いた。また、クラッド材料の屈折率>コア材料
の屈折率である)。尚、槽内に導入させる光ファイバー
素線の径、長さ及び数は、光触媒への紫外線照射強度に
よって定められる。
【0025】被処理水は、光触媒反応槽21の底部に取付
けられた被処理水供給口25から供給される。単純漏光型
光ファイバー素線24から漏れ出した紫外光は、光触媒22
表面に吸収されて光触媒反応を起こす。光触媒22表面の
近傍部位まで拡散してきた液相中の有機物は、この反応
によって酸化分解される。第1形態と同様に、光触媒22
表面近傍に滞留する水分子や酸素分子も、前記反応によ
ってそれぞれ酸化、還元されて酸化力を有したヒドロキ
シラジカル(・OH)やスーパーオキシドアニオン(・
2 -)のような反応活性種へと変換され、前記有機物の
酸化分解処理の一助となる。処理水は光触媒反応槽21上
部の処理水流出口26から系外に移送される。 (第3形態)本形態に係る光触媒反応装置は、光触媒を
流動化させることで光触媒と光ファイバーからの紫外光
との接触効率をさらに高めている。図3は第3形態に係
る光触媒反応装置である。当該装置は、光触媒反応槽31
に光触媒32が投入され、さらに同槽31内に導入されたフ
ァイバーケーブル33から第2形態に係る複数の光ファイ
バー素線(単純漏光型光ファイバー素線34)が供給され
ることで構成される。
【0026】光触媒32(二酸化チタン)は、粉末または
ボール状あるいはビーズ状に加工されている。光触媒32
と光ファイバー素線34は槽31内に供給された被処理水の
水流によって攪拌される。この攪拌による光触媒32の流
動によって紫外光と光触媒32との接触効率が高まり、液
相中の被処理物質を効率的に酸化処理させることが可能
となる。これにより被処理水の滞留時間が短縮化され、
装置の小型化と紫外光照射量の低減化が可能となる。
尚、光触媒の充填量は、供給される被処理水の被処理物
質(有機物)負荷に応じて任意に調整することができ
る。
【0027】光ファイバー素線34は、第2形態に係る光
ファイバー素線24を用いている。当該光ファイバー素線
は、可撓性を有しており、槽内を移動する流体や光触媒
の衝撃を緩衝させることができるので破損することはな
い。尚、槽内に導入させる光ファイバー素線34の径、長
さ及び数は、光触媒への紫外線照射強度によって定めら
れる。
【0028】また、光触媒反応槽31の内壁面を鏡面加工
してもよい。紫外光と光触媒32との接触する回数が増加
することで、光触媒32による紫外線吸収量が増加し、被
処理物質の分解処理が促進されるからである。
【0029】被処理水は、光触媒反応槽31の底部に取付
けられた被処理水供給口35から供給される。単純漏光型
光ファイバー素線34から漏れ出した紫外光は、液相内に
滞留する光触媒32表面に吸収されて光触媒反応を起こ
す。光触媒32表面の近傍部位まで拡散してきた液相中の
有機物は、この反応によって酸化分解される。前形態と
同様に、光触媒32表面近傍に滞留する水分子や酸素分子
も、それぞれ前記反応によって酸化、還元されて酸化力
を有したヒドロキシラジカル(・OH)やスーパーオキ
シドアニオン(・O2 -)のような反応活性種へと変換さ
れ、前記有機物の酸化分解処理の一助となる。処理水は
光触媒反応槽31上部の処理水流出口36から系外に移送さ
れる。 (第4形態)図4は第4形態に係る光触媒反応装置であ
る。当該装置は、光触媒反応槽41に光触媒担体42が充填
固定され、さらに同槽41内に導入されたファイバーケー
ブル43から供給された光ファイバー素線44が前記充填さ
れた光触媒担体42の空隙に挿通されることで構成され
る。槽内に供給される光ファイバー素線44の径、長さ及
び数は、光触媒への紫外線照射強度によって定められ
る。また、光触媒42の充填量は、光触媒単位表面当りの
被処理物質(有機物)負荷量によって定められる。
【0030】光触媒担体42は、被処理物質との接触表面
積をなるべく広くさせた三次元構造の担体、例えばボー
ル状、ビーズ状またはハニカム構造を成したボール状の
セラミックスの全面に二酸化チタンを坦持させることに
より構成される。
【0031】光ファイバー素線44としては、第2、3形
態と同様の単純漏光型光ファイバー素線が用いられてい
る。単純漏光型光ファイバー素線は可撓性を有している
ので、充填された光触媒担体の空隙に任意に挿通させる
ことができる。これは光ファイバーから照射された紫外
光と光触媒との接触効率が高まるばかりでなく、槽内を
移動する流体の衝撃による光ファイバー素線の破損をも
防ぐことにもなる。
【0032】このように、光触媒担体42と光ファイバー
素線44の組み合わせにより、被処理水の滞留時間は短縮
され、装置の小型化と紫外光照射量の低減化が可能とな
る。尚、第3形態と同様の趣旨で光触媒反応槽41の内壁
面に対し鏡面加工を施して被処理物質の分解処理を促進
させてもよい。
【0033】被処理水は、光触媒反応槽41の底部または
上部から供給される。単純漏光型光ファイバー素線44か
ら漏れ出した紫外光は、光触媒担体42表面に吸収されて
光触媒反応を起こす。光触媒担体42表面の近傍部位まで
拡散してきた液相中の有機物は、この反応によって酸化
分解される。前形態と同様に、光触媒42表面近傍に滞留
する水分子や酸素分子も、前記反応によってそれぞれ酸
化、還元されて酸化力を有したヒドロキシラジカル(・
OH)やスーパーオキシドアニオン(・O2 -)のような
反応活性種へと変換され、前記有機物の酸化分解処理の
一助となる。処理水は光触媒反応槽41底部または上部の
処理水流出口45または46から系外に移送される。
【0034】
【発明の効果】本発明に係る光触媒反応装置によれば、
光触媒光ファイバーとハニカム構造の保護部材を組合せ
たことで、光ファイバー素線に強度性、耐久性が確保さ
れるばかりでなく、被処理物質と光触媒の接触効率が高
まり、光触媒反応を効率良く進行させ液相中の有機物を
容易に酸化除去させることができる。これにより被処理
水の滞留時間は短縮され、装置の小型化と紫外線照射光
量の低減化が可能となる。
【0035】このように、光ファイバーに対し強度性、
耐久性を確保させながら、これを反応系に導入させたこ
とでエネルギー効率の高い光触媒反応が実現され結果的
に処理コストを安価に抑えることができることから、本
発明に係る光触媒反応装置によって光触媒反応を利用し
た浄水システムの実用性がより一層高まる。
【0036】尚、本明細書では光触媒反応を利用した有
機物の酸化を目的として説明したが、本発明に係る光触
媒反応装置は有機物の還元や無機物の酸化及び還元を目
的とした反応処理にもそのまま適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1形態に係る光触媒反応装置の概要図。
【図2】第2形態に係る光触媒反応装置の概要図。
【図3】第3形態に係る光触媒反応装置の概要図。
【図4】第4形態に係る光触媒反応装置の概要図。
【図5】種々の光ファイバー素線構造説明図。(a)は
通常の光ファイバー素線、(b)は光触媒光ファイバー
素線、(c)は単純漏光型光ファイバー素線である。
【符号の説明】
11、21、31、41…光触媒反応槽 12…光ファイバー素線保護部材 13、23、33、43…ファイバーケーブル 14…光触媒光ファイバー素線 17、27・・・貫通孔 22、32…光触媒 24、34、44…単純漏光型光ファイバー素線 42…光触媒担体
フロントページの続き (72)発明者 久住 美代子 東京都品川区大崎2丁目1番17号 株式会 社明電舎内 Fターム(参考) 4D037 AA01 AA11 AB01 AB02 BA18 CA12 4D050 AA01 AA12 AB07 AB12 BB01 BC06 BC09 BD02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被処理水が供給される光触媒反応槽と、
    前記光触媒反応槽内に導入され、光触媒反応により前記
    被処理水中に含まれる有機物を酸化分解させる光ファイ
    バー素線を供給するファイバーケーブルと、前記光触媒
    反応槽内に設置される光ファイバー素線保護部材とから
    なることを特徴とする光触媒反応装置。
  2. 【請求項2】 被処理水が供給される光触媒反応槽と、
    前記光触媒反応槽内に導入され、光ファイバー素線を供
    給するファイバーケーブルと、前記光触媒反応槽内に固
    定され、前記光ファイバー素線の漏光によって生起させ
    た光触媒反応により前記被処理水中に含まれる有機物を
    酸化分解させる光触媒または光触媒担体とからなること
    を特徴とする光触媒反応装置。
  3. 【請求項3】 被処理水が供給される光触媒反応槽と、
    前記光触媒反応槽内に導入され、光ファイバー素線を供
    給するファイバーケーブルと、前記光触媒反応槽内で流
    動し、前記光ファイバー素線の漏光によって生起させた
    光触媒反応により前記被処理水中に含まれる有機物を酸
    化分解させる光触媒または光触媒担体とからなることを
    特徴とする光触媒反応装置。
  4. 【請求項4】 前記光ファイバー素線は、その素線表面
    に光触媒が被覆され、素線内部からの漏光により光触媒
    反応を生起させることを特徴とする請求項1記載の光触
    媒反応装置。
  5. 【請求項5】 前記光触媒反応槽内に固定された光ファ
    イバー素線保護部材及び光触媒には、二つ以上の貫通孔
    が設けられ、この貫通孔に一本または数本の光ファイバ
    ー素線を挿通させたことを特徴とする請求項1、2また
    は4記載の光触媒反応装置。
  6. 【請求項6】 前記光触媒反応槽内に充填固定された光
    触媒の空隙に、一本または数本の光ファイバー素線を挿
    通させたことを特徴とする請求項2記載の光触媒反応装
    置。
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