JP2001042805A - マイクロレンズアレイおよびマイクロレンズアレイを用いた表示装置 - Google Patents

マイクロレンズアレイおよびマイクロレンズアレイを用いた表示装置

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JP2001042805A
JP2001042805A JP11218313A JP21831399A JP2001042805A JP 2001042805 A JP2001042805 A JP 2001042805A JP 11218313 A JP11218313 A JP 11218313A JP 21831399 A JP21831399 A JP 21831399A JP 2001042805 A JP2001042805 A JP 2001042805A
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Hiroshi Egawa
寛 江川
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Comoc Kk
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 二次元表示画像を立体感のある画像のように
表示する表示装置および焦点距離の制御が容易な微小レ
ンズを多数配列したマイクロレンズアレイを提供する事
が課題である。 【解決手段】 連続した図柄からなる二次元表示画像
と、有効領域の一辺の長さに対して充分短い配列ピッチ
で配列された微小レンズの集まりからなるマイクロレン
ズアレイとを備え、マイクロレンズアレイのレンズ曲面
が該二次元表示画像から離れ、かつ該二次元表示画像に
対面する位置に配置される。また、レンズ曲面を形成す
る境界面を挟む両材質に透明液体または透明固体を適用
して焦点距離の制御を行い、レンズ曲面以外の境界面で
のレンズ効果を押さえてマイクロレンズアレイを構成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、屋内あるいは屋外
に置かれる看板、案内板、表示塔などの表示装置に関
し、特に、2次元画像を遠近感のある立体的な像として
表示せしめる表示装置に関する。また、この表示装置に
用いるマイクロレンズアレイの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】写真、印刷物などの2次元画像を立体的
な画像として見る方法としてすでに幾つかの方法が周知
で、大越孝敬著「三次元画像工学」に整理して提示され
ている。代表的な例としては、対象とする物体を異なる
2方向から撮影した写真( あるいは描画像) をそれぞれ
個別に左眼と右眼でみるもので、両眼視差により立体感
を感じ取るものである。この方法では左右の眼でそれぞ
れ別の画像が見て取れるように作られた装置を覗き込む
必要があり、通常の看板、案内板としては適性に欠けて
いる。
【0003】また、別の例としてレンティキュラ板を用
いた三次元画像がある。これは、かまぼこ状の縦長のレ
ンズを横方向に多数配列したレンティキュラ板の焦点面
である裏面に複数の異なる方向から見た画像を縦縞状に
配置して、右眼と左眼は別々の画像を見て三次元像とし
て認識する方法である。最近ではコンピュータを用いて
ある方向から見た単一の画像を元にして異なる方向から
見た画像を縦縞状に配置することが比較的容易になり、
看板、案内板として一部で実用に供されている。
【0004】この方法ではレンティキュラ板を構成する
円筒レンズの1配列ピッチの間に複数の位置から見た表
示画像を並べる必要があり、表示画像の位置精度が極め
て厳しく要求される。このため、レンティキュラ板の焦
点面に極近い位置にあたる裏面に印刷するなどしてこの
要求性能満たしている。
【0005】この従来から周知のレンティキュラ板三次
元画像表示技術を以下LS表示技術と呼称する。LS表
示技術に用いる表示画像は短冊状の画像が縦縞状に連続
して並べられ、画像全体は連続した図柄ではなく、図柄
としては不連続な縦縞状の独立した画像が連続して連な
った特殊な表示画像を用意する必要があり、また表示画
像を置く位置も焦点面に極近い位置に厳しい条件で置く
事が要求される。
【0006】さらに、大越孝敬著「三次元画像工学」に
は立体画像として示唆に富んだ概要次のような記述があ
る。 「天眼鏡を通して、片目で写真を見ると、適切な位置関
係で、片眼の画像に、意外なほど強い立体感が現れ
る。」 この理由として、同書に概要が次のように説明されてい
る。
【0007】「片眼であるから眼の両眼視差、輻輳は機
能を果たさないが、眼の調節機能だけは有効であり、虚
像の位置が実際の画像のある位置から移った結果、平面
か立体かの手がかりを失い、経験に基づき立体と脳が判
断する。」すなわち、像が実際の画像の位置からずれた
位置に出来ると、錯覚により脳が立体的に感じ取ってし
まう現象であると説明されている。
【0008】この天眼鏡を通して見る表示画像はLS表
示技術の場合と異なり、画像全体が一つの図柄として連
続する普通に見られる写真などの二次元画像である。い
わゆる通常見られる写真、絵の類のものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述したように実用化
されているレンティキュラ板を用いた大形の看板・案内
板は、異なる方向から見た画像を連続的、縦縞状に配置
する特殊な画像を作る必要があり、単一の地点から単眼
で眺めた連続した図柄からなる普通の写真などは用いる
ことが出来ない。さらに、画像は比較的高い精度でレン
ズに対して位置を合わせる必要がある。このため多大の
費用が掛かり、表示画像も誰もが容易に作成出来るもの
ではなく、取り替えも容易ではない等の欠点がある。
【0010】また、凸レンズを用いた立体表示は普通の
写真などの二次元画像が簡単に立体的に見え、しかもプ
ラスチック加工技術の進展によりフレンネルレンズ形式
の大形の凸レンズが比較的容易に入手出来るようになっ
たにもかかわらず、看板、案内板としては未だ実用化さ
れるに至っていない。この理由は必ずしも明確ではない
が、その理由の一つは像が拡大するためにレンズの後ろ
に置かれる画像全体を同時に見ることが出来ず、一部し
か見ることが出来ない欠点があることによると推定され
る。この一部しか見えない欠点は見る方向により見て取
れる表示範囲が変わることで、表示装置として致命的な
欠点でもある。
【0011】本発明は、上記問題点を解決するべく提案
されたもので、通常の手段で撮られた写真、あるいは通
常の方法で描かれた絵などの連続した図柄からなる二次
元画像を立体的な奥行き感のある像に変え、またより艶
やかな像に変えて表示する表示装置を提供するものであ
る。その技術的なよりどころは従来の技術の欄で説明し
た「レンズを通して見る像が実際の画像の位置からずれ
た所に出来ると、錯覚により脳が立体的に感じとる」こ
の現象を活用するところにある。
【0012】本発明の第一の目的は像の大きさを等価的
に変えることなく像の位置だけを変え、二次元画像を立
体感のある三次元的な像として見ることのできる表示装
置を提供することにある。
【0013】本発明の第二の目的は第一の目的で提供す
る表示装置等に適用する焦点距離の長い微小レンズを多
数配列したマイクロレンズアレイを提供することにあ
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するため、以下の手段を採用した。請求項1の発明
は、連続した図柄からなる二次元表示画像を支持する画
像支持体と、有効領域の一辺の長さに対して充分短い配
列ピッチで配列された微小レンズの集まりからなるマイ
クロレンズアレイとを備え、上記マイクロレンズアレイ
のレンズ曲面が上記画像支持体に支持されて置かれる上
記二次元表示画像から離れ、かつ上記二次元表示画像に
対面する位置に配置されることを特徴とする表示装置で
ある。
【0015】請求項1の発明によれば、マイクロレンズ
アレイを構成する各微小レンズの作る像を新たな画素と
して、その画素の集まりを画像支持体に取りつけられた
表示画像全体の像として見ることになる。このため、表
示画像全体としての像は拡大も縮小もされず、その位置
だけが微小レンズのレンズの法則によって表示画像の位
置からずれることになる。また、画像支持体は表示画像
とマイクロレンズアレイのレンズ曲面の位置関係を定め
る事ができ、表示画像が交換されてもその位置関係を維
持できる。
【0016】請求項2の発明は、連続した図柄からなる
二次元表示画像と、有効領域の一辺の長さに対して充分
短い配列ピッチで配列された微小レンズの集まりからな
るマイクロレンズアレイとを備え、上記マイクロレンズ
アレイのレンズ曲面が上記二次元表示画像から離れ、か
つ上記二次元表示画像に対面する位置に配置されること
を特徴とする表示装置である。
【0017】請求項2の発明によれば、マイクロレンズ
アレイを構成する各微小レンズの作る像を新たな画素と
して、その画素の集まりを表示画像全体の像として見る
ことになる。このため、表示画像全体としての像は拡大
も縮小もされず、その位置だけが微小レンズのレンズの
法則によって表示画像の位置からずれることになる。
【0018】請求項3の発明は、互いに屈折率が異な
り、かつ空気の屈折率よりは充分大きい屈折率を有する
第1と第2の透明部材が互いに接する境界面を有し、上
記境界面が有効領域の一辺の長さより充分小さい配列ピ
ッチで配列された微小曲面の集まりからなるレンズ曲面
を形成し、上記境界面における上記微小曲面の曲率半径
rと、微小曲面に接する一方の材質の絶対屈折率n
p と、微小曲面に接する他方の材質の絶対屈折率n
s と、上記境界面と対峙するレンズ曲面としない他の境
界面の曲率半径Rと、レンズ曲面としない他の境界面に
接する一方の材質の絶対屈折率Np と、レンズ曲面とし
ない他の境界面に接する他方の材質の絶対屈折率をNs
との関係に下記の不等式(1)が成立することを特徴と
するマイクロレンズアレイである。 |R/(Np −Ns )|≫|r/(np −ns )|……………(1) 請求項3の発明によれば、不等式(1)の関係が成立す
ることからレンズとしての機能として最も強い働きをす
る境界面は第1と第2の透明部材が互いに接する微小曲
面からなる境界面とすることができ、レンズの性能をこ
の境界面で決めることができる。しかもこのレンズ曲面
を境界面とする両側の透明部材の屈折率を適切に選ぶ事
により焦点距離を制御可能になる。特に境界面を空気と
する場合に比較して、レンズの焦点距離の絶対値を容易
に大きくする事ができる。
【0019】請求項4の発明は、互いに屈折率が異な
り、かつ空気の屈折率よりは充分大きい屈折率を有する
3つ以上の透明部材が互いに順に積層することにより2
つ以上の境界面を有し、上記境界面が有効領域の一辺の
長さより充分小さい配列ピッチで配列された微小曲面の
集まりからなるレンズ曲面を形成し、それぞれの上記境
界面における上記微小曲面の曲率半径rと、微小曲面に
接する一方の材質の絶対屈折率np と、微小曲面に接す
る他方の材質の絶対屈折率ns と、上記境界面と対峙す
るレンズ曲面としない他の境界面の曲率半径Rと、レン
ズ曲面としない他の境界面に接する一方の材質の絶対屈
折率Np と、レンズ曲面としない他の境界面に接する他
方の材質の絶対屈折率をNs とのそれぞれの関係に下記
の不等式(2)が成立することを特徴とするマイクロレ
ンズアレイである。 |R/(Np −Ns )|≫|r/(np −ns )|……………(2) 請求項4の発明によれば、不等式(2)の関係が成立す
ることからレンズとしての機能として最も強い働きをす
る境界面は3つ以上の透明部材が互いに接する微小曲面
からなる2つ以上の境界面とすることができ、レンズの
性能をこれらの全境界面で決めることができる。しかも
このレンズ曲面を境界面とする両側の透明部材の屈折率
を適切に選ぶ事により焦点距離を制御可能になる。特に
境界面を空気とする場合に比較して、レンズの焦点距離
の絶対値を容易に大きくする事ができる。
【0020】請求項5の発明は、互いに屈折率が異な
り、かつ空気の屈折率よりは充分大きい屈折率を有する
2つ以上の透明部材を互いに積層することにより、上記
透明部材が相互に接する1つ以上の境界面を有し、上記
境界面の少なくとも1つが有効領域の一辺の長さより充
分小さい配列ピッチで配列された微小曲面の集まりから
なるレンズ曲面を形成し、レンズ曲面である境界面の各
々が上記レンズ曲面である境界面と対峙するレンズ曲面
としない外界との境界面を含む他の境界面のいずれに対
しても、上記レンズ曲面である境界面の上記微小曲面の
曲率半径rと、微小曲面に接する一方の材質の絶対屈折
率np と、微小曲面に接する他方の材質の絶対屈折率n
s と、他の境界面の曲率半径Rと、他の境界面に接する
一方の材質の絶対屈折率Np と、他の境界面に接する他
方の材質の絶対屈折率Ns との関係に下記の不等式
(3)が成立することを特徴とするマイクロレンズアレ
イである。 |R/(Np −Ns )|≫|r/(np −ns )|……………(3) 請求項5の発明によれば、不等式(3)の関係が成立す
ることからレンズとしての機能として最も強い働きをす
る境界面は2つ以上の透明部材が互いに接する微小曲面
からなる1つ以上の境界面とすることができ、レンズの
性能をこの境界面で決めることができる。しかもこのレ
ンズ曲面を境界面とする両側の透明部材の屈折率を適切
に選ぶ事により焦点距離を制御可能になる。特に境界面
を空気とする場合に比較して、レンズの焦点距離の絶対
値を容易に大きくする事ができる。
【0021】請求項6の発明は、請求項3乃至5の何れ
か1項記載のマイクロレンズアレイであって、上記透明
部材の少なくとも1つを透明液体とし、他の透明部材を
透明固体とすることを特徴とするマイクロレンズアレイ
である。
【0022】請求項6の発明によれば、レンズ曲面を構
成する境界面の一方はレンズ曲面の形状を固定する事の
できる固体で、他方が固体の形状に沿って柔軟に変形可
能な透明液体であり、密着性の高い境界面の形成が容易
である。
【0023】請求項7の発明は、請求項6記載のマイク
ロレンズアレイにあって、上記透明液体をグリセリン、
あるいは水、あるいはグリセリンと水の混合液、あるい
はシリコンオイルとすることを特徴とするマイクロレン
ズアレイである。
【0024】請求項7の発明によれば、グリセリンの絶
対屈折率は約1.47程度と比較的大きく、また水の絶
対屈折率は1.33と液体としては比較的小さく、これ
らを混合すると1.47と1.33の間の絶対屈折率を
有する透明液体となる。また、シリコンオイルも屈折率
は大小多様で、シリコンオイルも種類によって混ぜる事
ができ、適切な種類を選択して使用することで屈折率を
容易に制御した透明液体とする事ができる。
【0025】請求項8の発明は、請求項3乃至5の何れ
か1項記載のマイクロレンズアレイであって、上記透明
部材の少なくとも1つを透明固体とし、他の透明部材を
透明粘着材あるいは透明接着剤とすることを特徴とする
マイクロレンズアレイである。
【0026】請求項8の発明によれば、透明粘着剤、透
明接着剤は柔軟性があり、曲面を形成した部材に塗布、
あるいは圧着する事により密着した境界面を比較的容易
に形成してレンズ曲面とする事ができると共に、レンズ
曲面を固定してマイクロレンズアレイを形成するための
粘着剤、接着剤として作用させる事ができる。
【0027】請求項9の発明は、請求項3乃至5の何れ
か1項記載のマイクロレンズアレイであって、窓ガラス
の外壁面に対面して上記レンズ曲面を配置し、窓ガラス
の外壁面からレンズ曲面までを空隙無く透明固体あるい
は透明液体で満たすことを特徴とするマイクロレンズア
レイである。
【0028】請求項9の発明によれば、反射率の大きい
空気との境界層が窓ガラスの外壁面とレンズ曲面との間
に存在しなくなり, 反射による表示画像の見え難さを低
減できる。また、マイクロレンズアレイと窓ガラスを一
体化できる。
【0029】請求項10の発明は、請求項3乃至9の何
れか1項記載のマイクロレンズアレイと、上記マイクロ
レンズアレイのレンズ曲面に対面してレンズ曲面から離
れた位置に配置された表示画像を支持するための画像支
持体とを具備することを特徴とする表示装置である。
【0030】請求項10の発明によれば、マイクロレン
ズアレイを介して見る画像支持体に固定された表示画像
の全体像は拡大も縮尺もされず、像の位置だけが表示画
像の位置からずれた位置に来るように見える。また、マ
イクロレンズアレイの各微小レンズの焦点距離はレンズ
曲面に接する一方が空気とするマイクロレンズアレイの
場合に比較して焦点距離が長く、表示画像の位置をレン
ズ曲面から離すことができ、さらに屈折率を適切に選ん
だ部材を選ぶ事により焦点距離を制御して、表示画像の
置く位置を変えることができる。また、画像支持体は表
示画像とマイクロレンズアレイのレンズ曲面の位置関係
を定める事ができ、表示画像が交換されてもその位置関
係を維持できる。
【0031】請求項11の発明は、請求項3乃至9の何
れか1項記載のマイクロレンズアレイと表示画像とを具
備し、上記マイクロレンズアレイのレンズ曲面に対面し
てレンズ曲面から離れた位置に表示画像を配置すること
を特徴とする表示装置である。
【0032】請求項11の発明によれば、マイクロレン
ズアレイを介して見る表示画像の全体像は拡大も縮尺も
されず、像の位置だけが表示画像の位置からずれた位置
に来るように見える。また、マイクロレンズアレイの各
微小レンズの焦点距離はレンズ曲面に接する一方が空気
とするマイクロレンズアレイの場合に比較して焦点距離
が長く、表示画像の位置をレンズ曲面から離すことがで
き、さらに屈折率を適切に選んだ部材を選ぶ事により焦
点距離を制御して、表示画像の置く位置を変えることが
できる。
【0033】請求項12の発明は、請求項1または10
記載の表示装置であって、上記マイクロレンズアレイが
凸レンズに機能する場合にあっては上記画像支持体を上
記レンズ曲面より遠く、焦点距離の2倍の距離よりも上
記レンズ曲面に近い位置で、焦点から至近距離にある位
置を避けた位置に、上記マイクロレンズアレイが凹レン
ズに機能する場合にあっては上記画像支持体を上記レン
ズ曲面より遠く、焦点距離の2倍の距離よりも上記レン
ズ面に近い位置に置くことを特徴とする表示装置であ
る。
【0034】請求項12の発明によれば、マイクロレン
ズアレイが凸レンズに機能する場合にあっては各微小レ
ンズを介して見える像が、画像支持体に支持された表示
画像の一部を拡大して見ている事になり、互いに隣り合
う微小レンズを介して見える表示画像の領域が重なり合
うことが無く、全体像の画素となる微小レンズ像の領域
が互いに分離する。また、画像支持体が焦点から至近距
離にある位置を避けた位置にあるため、表示画像の位置
に多少のずれで像の位置が大きく変わることはない。ま
た、マイクロレンズアレイが凹レンズに機能する場合に
あっては各微小レンズを介して見える像は縮尺されて見
えるが、最も縮尺されても1/2までで、隣り合う微小
レンズ、すなわち隣り合う画素の像が混ざり合う程度に
限定される。
【0035】請求項13の発明は、請求項2または11
記載の表示装置であって、上記マイクロレンズアレイが
凸レンズに機能する場合にあっては上記表示画像を上記
レンズ曲面より遠く、焦点距離の2倍の距離よりも上記
レンズ曲面に近い位置で、焦点から至近距離にある位置
を避けた位置に、上記マイクロレンズアレイが凹レンズ
に機能する場合にあっては上記表示画像を上記レンズ曲
面より遠く、焦点距離の2倍の距離よりも上記レンズ面
に近い位置に置くことを特徴とする表示装置である。
【0036】請求項13の発明によれば、マイクロレン
ズアレイが凸レンズに機能する場合にあっては各微小レ
ンズを介して見える像が表示画像の一部を拡大して見て
いる事になり、互いに隣り合う微小レンズを介して見え
る表示画像の領域が重なり合うことが無く、全体像の画
素となる微小レンズ像の領域が互いに分離する。また、
表示画像が焦点から至近距離にある位置を避けた位置に
あるため、表示画像の位置に多少のずれで像の位置が大
きく変わることはない。また、マイクロレンズアレイが
凹レンズに機能する場合にあっては各微小レンズを介し
て見える像は縮尺されて見えるが、最も縮尺されても1
/2までで、隣り合う微小レンズ、すなわち隣り合う画
素の像が混ざり合う程度に限定される。
【0037】請求項14の発明は、請求項1または10
記載の表示装置であって、上記画像支持体を上記レンズ
曲面より遠く、焦点位置よりも上記レンズ曲面に近い位
置に置くことを特徴とする表示装置である。
【0038】請求項14の発明によれば、微小レンズで
作られる像は正立の拡大像となり、画像支持体に支持さ
れる表示画像の全体像で画素となる微小レンズで作られ
る像は隣同士で重なり合うことが無くなる。
【0039】請求項15の発明は、請求項2または11
記載の表示装置であって、上記表示画像を上記レンズ曲
面より遠く、焦点位置よりも上記レンズ曲面に近い位置
に置くことを特徴とする表示装置である。
【0040】請求項15の発明によれば、微小レンズで
作られる像は正立の拡大像となり、表示画像の全体像で
画素となる微小レンズで作られる像は隣同士で重なり合
うことが無くなる。
【0041】請求項16の発明は、請求項2、11、1
3、15の何れか1項記載の表示装置であって、上記レ
ンズ曲面と上記表示画像との両面で形成される間隙を空
隙無く透明固体あるいは透明液体または透明固体と透明
液体とで満たすことを特徴とする表示装置である。
【0042】請求項16の発明によれば、レンズ曲面と
上記表示画像との間に屈折率の小さい空気と接する境界
面がなくなり、この境界面で生じる大きな反射を低減で
きる。
【0043】請求項17の発明は、請求項2、11、1
3、15、16の何れか1項記載の表示装置であって、
上記レンズ曲面と上記表示画像との両面で形成される間
隙に向けて照射するための照明光源を具備することを特
徴とする表示装置である。
【0044】請求項17の発明によれば、マイクロレン
ズアレイの表側から、あるいは表示画面を裏側から照ら
すことなく、表示画面を直接照明光で表側から照らすこ
とができる。
【0045】請求項18の発明は、画素を一定の配列ピ
ッチで配列してなる表示デバイスと、有効領域の一辺の
長さに対して充分短い配列ピッチで配列された微小レン
ズの集まりからなるマイクロレンズアレイとを具備する
表示装置において、画素の配列ピッチの方向に対する微
小レンズの配列ピッチが画素の配列ピッチの整数倍、あ
るいは整数分の一であることを特徴とする表示装置であ
る。
【0046】請求項18の発明によれば、表示画素の1
配列ピッチの間隔に対して微小レンズの整数個が対応す
るか、あるいは逆に微小レンズの1配列ピッチの間隔に
対して表示画素の整数個が対応する関係が成立る。
【0047】請求項19の発明は、画素を一定の配列ピ
ッチで配列してなる画素配列面と、有効領域の一辺の長
さに対して充分短い配列ピッチで配列された微小レンズ
からなるレンズ配列面とを具備し、上記レンズ配列面が
上記画素配列面に対面して配置されると共に、画素の配
列ピッチの方向に対する微小レンズの配列ピッチが画素
の配列ピッチの整数倍、あるいは整数分の一であること
を特徴とする表示デバイスである。
【0048】請求項19の発明によれば、表示デバイス
の中に表示画素の配列面と微小レンズからなるレンズ配
列面とがともに組み込まれた構造となる。さらに、表示
画素の1配列ピッチの間隔に対して微小レンズの整数個
が対応するか、あるいは逆に微小レンズの1配列ピッチ
の間隔に対して表示画素の整数個が対応する関係が成立
する。
【0049】請求項20の発明は、請求項1、10、1
2、14の何れか1項記載の表示装置であって、上記画
像支持体とレンズ曲面との距離を可変とする機構を具備
することを特徴とする表示装置である。
【0050】請求項20の発明によれば、表示画像のレ
ンズ曲面からの距離を画像支持体の位置を変える事によ
り容易に変えることができる。請求項21の発明は、請
求項2、11、13、15乃至17の何れか1項記載の
表示装置であって、上記表示画像とレンズ曲面との距離
を可変とする機構を具備することを特徴とする表示装置
である。
【0051】請求項21の発明によれば、表示画像のレ
ンズ曲面からの距離を容易に変えることができる。請求
項22の発明は、請求項18記載の表示装置であって、
上記表示デバイスとレンズ曲面との距離を可変とする機
構を具備することを特徴とする表示装置である。
【0052】請求項22の発明によれば、表示デバイス
のレンズ曲面からの距離を容易に変えることができる。
【0053】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施の形態について詳細に説明する。図1は、本発明
の第1の実施の形態における表示装置を示す斜視図であ
る。
【0054】図1において、10はマイクロレンズアレ
イ、11は表示する図柄を描いた表示画像を支持する画
像支持体である。画像支持体11の表面に直接表示画像
を描くか、すでに紙などに描かれた表示体を画像支持体
11に固定する。この実施の形態では画像支持体は板状
でマイクロレンズアレイ10に対面する側の面に表示画
像が描かれている。なお、画像そのものは図1では省略
されているが、通常の写真あるいは印刷物などで周知の
連続した図柄からなる二次元画像である。表示装置は画
像支持体11に支持されている表示画像を、マイクロレ
ンズアレイ10を介して見ることになる。なお、マイク
ロレンズアレイ10と画像支持体11との間は空気で満
たされた通常の空間である。
【0055】マイクロレンズアレイ10は透明部材で構
成され、外に凸の小さな円筒レンズが多数配列されてい
る。このレンズ曲面は空気に接していてレンティキュラ
板として周知のもので、この例では円筒レンズの軸方向
を垂直方向としている。表示画像の置かれる位置はこの
微小な円筒レンズのレンズ曲面から離れた位置に置かれ
る。表示画像の位置と像の位置および倍率の関係に付い
てはこれから説明する他の実施の形態を含めて統合する
形で数式を用いて後に詳細に説明する。ここでは定性的
に表示装置として像の見え方について説明する。
【0056】画像支持体11に支持固定されている表示
画像は各円筒レンズの像の集まりとして見られる。すな
わち、一つの微小な円筒レンズの像が新たな線状の画素
となる。この画素となる円筒レンズの像は表示画像の位
置からずれた位置にでき、拡大あるいは縮尺等の変形を
受けている。しかし、表示画像の全体像は円筒レンズの
像を画素とした集まりとなることから拡大も圧縮もされ
ない。従って、表示画像の全体像は、表示画像の大きさ
をそのままに、位置だけが変わったように見える。従っ
て従来の技術の欄で説明したように目の調節機能に基づ
く錯覚で立体感のある像として見て取ることができる。
【0057】なお、画像支持体11は表示画像のレンズ
曲面との位置を決める機能があり、表示画像の交換を容
易にする。図2は、本発明における表示装置の第2の実
施の形態における表示装置を示す斜視図である。
【0058】この第2の実施の形態は第1の実施の形態
のマイクロレンズアレイを改良し、各円筒レンズのレン
ズ曲面に接して空気に比較して屈折率の大きい透明液体
を配することにより焦点距離を制御したものである。
【0059】図2において、1は第1の板状透明部材
で、外に向かって凸の微小な円筒面状の突起が多数配列
された面を有し、この第1の板状透明部材1の微小な円
筒面状の突起が多数配列された面に対面するもう一つの
面は平面で、この第1の板状透明部材が単独ではレンテ
ィキュラ板として周知の構造をしている。2は第1の板
状透明部材1の微小な円筒面状の突起のある面に対面し
て配置される平板状の第2の板状透明部材、3は第1の
板状透明部材1と第2の板状透明部材2との間に形成さ
れる隙間に挿入された透明液体である。透明液体3が流
れ出ない様に第1の板状透明部材1と第2の板状透明部
材2とで容器を形成している。通常、透明液体の蒸発防
止、埃の混入防止のために容器部分を密閉状態にする。
このための底やふた等の部分は図2では省略して図示し
ていない。なお、以下、透明液体を使用する実施の形態
では、これらの容器を構成する底やふた等の部分は特に
断らない限り省略して図示していない。
【0060】各円筒状の突起を形成する曲面はレンズ面
を形成する。第1の板状透明部材1と第2の板状透明部
材2と透明液体3とにより微小な円筒レンズが配列され
たマイクロレンズアレイ4が形成される。
【0061】5は表示する図柄を描いた表示画像を支持
する画像支持体である。画像支持体5の表面に直接表示
画像を描くか、すでに紙などに描かれた表示体を画像支
持体5に固定する。この実施の形態では画像支持体5は
板状でマイクロレンズアレイ4に対面する面に表示画像
が描かれている。なお、描かれた画像は図3では省略さ
れている。表示装置は画像支持体5に支持されている表
示画像を、マイクロレンズアレイ4を介して見ることに
なる。画像支持体5は表示画像のレンズ曲面との位置を
決める機能があり、表示画像の交換を容易にする。
【0062】以上の説明から明らかなようにマイクロレ
ンズアレイ4は第1の実施の形態のマイクロレンズアレ
イ10に相当し、マイクロレンズアレイ4と表示画像と
の関係は第1の実施の形態の場合と同様である。したが
って表示画像の像の見え方の概要は第1の実施の形態の
場合と類似で立体感のある像として見ることができる。
基本的な違いはマイクロレンズアレイ4の焦点距離が長
くなる結果、表示画像の置く位置に自由度が増えて表示
装置の構成上の優位さがあるが、詳細に付いては後にレ
ンズの式を提示して詳しく説明する。
【0063】図3は、本発明における表示装置について
の第3の実施の形態を垂直面で切断した断面図で、図4
は同じく第3の実施の形態を水平面で切断した切断面で
ある。なお、図3に示すA−A' は図4の水平切断図の
切断位置を示し、図4に示すB−B' は図3の水平切断
図の切断位置を示している。
【0064】20は外に向かって凸の微小な円筒面状の
突起が多数配列された面を有するレンティキュラ板とし
て周知の構造を有する板状透明部材であり、板状透明部
材20の周縁部は微小な円筒面状の突起のある側の面を
窓ガラス22の内側の面に向けて接着剤あるいは粘着剤
25で固定され、窓ガラス22との板状透明部材20と
で挟まれた間には透明液体21が挿入されて密閉されて
おり、各円筒状の突起を形成する曲面はレンズ面を形成
する。すなわち板状透明部材20と窓ガラス22と透明
液体21とにより微小な円筒レンズが配列されたマイク
ロレンズアレイ23が形成される。以上の説明で明らか
なようにマイクロレンズアレイ23は図2に示す第2の
実施の形態のマイクロレンズアレイ4と基本構造は同じ
である。レンズ曲面の凸面が表示画像を向いているか反
対側を向いているかの違いがあるがレンズとしての役割
は同じであり、表示装置としての像の見え方も同様にな
る。この像の見え方についても後に詳しく説明する。
【0065】なお、この第3の実施の形態では、レンズ
曲面は板状透明部材20に形作られているが、窓ガラス
22の面にレンズ曲面を形作り、板状透明部材20を単
なる平板状の透明部材としても同様である。
【0066】このようにマイクロレンアレイと窓ガラス
が一体化すると窓ガラスの外壁面からレンズ曲面の間に
空気との境界面が無くなり、空気を境界面として生じる
大きな反射を防止する事ができ、表示画像が見易くな
る。マイクロレンズアレイと窓ガラスが一体化される。
【0067】マイクロレンズアレイ23の後側には表示
画像24がマイクロレンズアレイ23に対面して置かれ
ている。この表示画像24は画像支持体により支持され
ている。なお、画像支持体は天井から吊るされている
が、図3、図4では省略されている。例えば、表示画像
24は紙でできたポスターで画像支持体はこのポスター
を吊り下げる冶具である。
【0068】この場合の画像支持体も表示画像のレンズ
曲面との位置を決める機能があり、表示画像の交換を容
易にする。26は棒状蛍光灯で、27は反射板である。
棒状蛍光灯26と反射板27からなる光源は照明光をレ
ンズ曲面と表示画像24とで挟まれた間隙の側端面から
照射している。照明光がアレイレンズの外側から照らす
しアレイレンズを通ってきた光で表示画像を照らすので
はなく、直接表示画像を照らすことができるのでレンズ
表面での反射が無く照明効率が良くなるばかりでなく、
照明灯などの照明器具を屋外に置く必要も無く、またレ
ンズの表面、すなわち窓ガラス表面での反射光で見難く
なるのが防止できる。
【0069】この例では光源を下の側端面側に置いてい
るが、上部、あるいは左右の側端面側においても良く、
またこれらを複合して置いても良い。図5は、本発明に
おける表示装置の第4の実施の形態を垂直面で切断した
断面図で、図6は同じく第4の実施の形態を水平面で切
断した切断面である。なお、図5に示すA−A' は図6
の水平切断図の切断位置を示し、図6に示すB−B'は
図5の水平切断図の切断位置を示している。
【0070】30は第1の板状透明部材で、外に向かっ
て凸の微小な円筒面状の突起が多数配列された面を有
し、この面に対面するもう一つの面は平面である。この
構造はレンティキュラ板として周知の構造である。32
は第1の板状透明部材30の微小な円筒面状の突起のあ
る面に対面して配置される平板状の第2の板状透明部
材、31は第1の板状透明部材と第2の板状透明部材と
の間に形成される隙間に挿入された透明液体である。各
円筒状の突起を形成する曲面はレンズ面を形成する。第
1の板状透明部材30と第2の板状透明部材32と透明
液体31とにより微小な円筒レンズが配列されたマイク
ロレンズアレイ33形成される。
【0071】第2の板状透明部材32のレンズ曲面に対
面する側と反対の側には表示画像を挿入して支持するた
めの画像支持体34を形成するため、表示画像35が挿
入できるだけの間隙を置いて平板36が置かれ、この平
板36と第2の板状透明部材32とで囲まれる容器部分
が画像支持体34となる。表示画像35はこの容器部分
に挿入され、さらにこの容器には水37が入れられ、マ
イクロレンズアレイ33の外側面と表示画像35との間
は気体より充分高い屈折率である液体あるは固体で満た
された状態となっている。なお、当然のことながら表示
画像35の挿入される容器部分には水が漏れないように
底38と側壁39が設けられている。また、水の蒸発を
押さえるために必要に応じてふたをする事もある。な
お、ここでは水を例としたが、透明な液体であれば良
い。
【0072】表示装置としての像の見え方に付いては後
に詳しく説明する。40は棒状蛍光灯で、41は反射板
である。蛍光灯40と反射板41からなる光源は照明光
をレンズ曲面と表示画像とで挟まれた間隙の側端面から
照射されている。この側端面から入った光で直接表示画
像の方向に進む光は、光路が全て比較的屈折率の大きい
部材でできているため、空気などの気体の層との境界で
生じる全反射によって戻される光が無く、効率良く照明
できる。この照明の機能・働きは本発明の発明者が日本
国特許庁に出願した特願平9- 330986号(特開平
11- 149269号)の明細書の中でマイクロレンズ
アレイを適用しない状態ではあるが透明部材の一つの表
面に表示画像を空隙無く密着させ、透明部材の側端面か
ら光を照射する形式の表示装置を詳しく説明しているの
で、ここでは詳細な説明を省略するが、概要次のような
ものである。
【0073】側端面から照射された光の内、表示画像の
方向に向かった光はそのまま表示画像に到達する。一方
レンズ曲面の方向に向かった光はレンズ曲面を抜けてマ
イクロレンズアレイの空気と接する外側の面に到達する
が、ここで臨界角θを超える角度で入射した光は全反射
によって表示画像の方に戻され、表示画像を照らす光と
なる。このようにレンズ曲面と表示画像で挟まれる間隙
が空気に比較して十分高い透明物質で満たされると、レ
ンズを透過して外に出ていた光の一部が照明光として利
用できるようになる。しかも、空気と接する部分の材質
をアクリルあるはガラスなどの一般的な材料を使用する
場合、臨界角θは50度以下であり、側端部にごく近い
部分を除くほとんどの部分で、空気と接する外側の面に
到達した光のほぼ100%に近い光が全反射で反射させ
られ照明光として利用できる。
【0074】以上述べた様に効率良く照明ができるため
には表示画像が屈折率の小さい気体の層を介することな
くてアレイレンズに対面して配置されることが重要で、
この第4の実施の形態では表示画像を入れる容器には水
などの透明液体を入れているが、このような容器の構造
では無く、表示画像を透明な粘着材あるいは接着剤で第
2の板状透明部材32に直接張り付けても良い。当然の
ことながら第2の板状透明部材32と表示画像35との
間に気体の層が生じない様に粘着材あるいは接着剤は表
示画像の全面に塗られて両者は密着していなければなら
ない。また、第2の板状透明部材に直接表示画像を描い
てもよい。
【0075】以上の説明から明らかなように第2の板状
透明部材はその一部でマイクロレンズアレイを形成する
ための部材でもあり、他の一部では画像支持体を形成す
る部材でもある。
【0076】この第4の実施の形態では、光源を下の側
端面側に置いているが、上部、あるいは左右の側端面側
においても良く、またこれらを複合して置いても良い。
この第4の実施の形態に係わらず、円筒レンズを微小レ
ンズとして構成されたマイクロレンズアレイを用いた表
示装置では、光源を用いて表示画像を照明する際にレン
ズ曲面に当たる照明光の方向が円筒レンズの軸を含む面
に沿うようにすれば、レンズ曲面での照明光の入射面が
等価的に平面とみなすことができ、一部に収束したり、
発散したりすることが無く効率の良い照明となる。下側
から照明光を当てる場合は、第4の実施の形態の様にレ
ンズの軸が上下方向になるように、左側、あるいは右側
から照明する場合はレンズの軸の方向を左右の方向に設
定すると良い。円筒レンズの軸の方向は必ずしも照明だ
けではなく、表示装置を見る方向も考慮する要因であ
る。左右方向から眺める事を重視するか、仰ぎ見る位置
に表示装置を置くかなどによってレンズの軸の方向を決
めるのが良い場合がある。特に凹凸の激しいレンズ曲面
の場合には、この軸の方向を考慮するのが望ましい。
【0077】以上の実施の形態の説明から明らかなよう
に、本発明は有効領域の一辺の長さに対比して充分小さ
な配列ピッチで並べられた小さなレンズからなるマイク
ロレンズアレイを介して表示画像を見ることを一つの特
徴としており、当然のことながらブラウン管、液晶ディ
スプレイ、プラズマディスプレイなどの表示画素の並ん
だ画素配列面を二次元表示画像とする表示デバイスに対
しても、画素配列面でもある二次元表示画像の前にマイ
クロレンズアレイを置く事により立体的な表示ができ
る。
【0078】さらに積極的に本発明をブラウン管あるい
はプラズマディスプレイ等の表示デバイスの中に組み込
むこともできる。図7はブラウン管に本発明を適用した
第5の実施の形態で、マイクロレンズアレイを構成する
円筒レンズの円筒軸に直交する面を切断面とした断面図
で示している。
【0079】50は通常のガラスでできたブラウン管の
外壁部分である。この部分をガラス外壁と呼称する。5
0Aはガラス外壁50の内側の面で、表示画像に当たる
部分で電子ビームが当たる事によって光を発する蛍光膜
がピクセルと称する表示単位に分けられて塗布されてい
る。ガラス外壁の外側の面には円筒状突起が一定のピッ
チで形成され、さらにこの外にガラス外壁の屈折率と異
なる屈折率を有する透明部材51が円筒状突起の窪みを
埋める形で塗布されている。透明部材51は例えばガラ
ス外壁とは異なる材質のガラスであっても、またプラス
チックであっても良い。この透明部材51の外側に透明
部材51を保護するために他の部材を配置しても良い。
この実施の形態ではガラス外壁はマイクロレンズアレイ
を構成する部材でもあり表示画像を支持する画像支持体
でもある。
【0080】この実施の形態ではブラウン管を例として
表示デバイスの外壁に使用する部材をガラスとしたが、
広く一般に透明な部材であれば良い。以上、第1の実施
の形態から第5の実施の形態まで5種類の実施の形態で
本発明の構成を説明したが、次にこれら5種類の実施の
形態を統合する形で、表示画像の像の見え方をマイクロ
レンズアレイと表示画像の位置関係で説明する。
【0081】本発明に係わる表示装置は画像支持体に支
持されている表示画像を、マイクロレンズアレイを介し
て見ることになる。すなわち個々の微小な円筒レンズの
像が新たな線状の画素となって、その画素の集まりが表
示画像の全体像となって表示されることになる。画素と
なる個々の微小レンズ単位の像も画素の集合体である全
体像もその像の位置はレンズの法則に従って表示画像と
は異なる位置にできる。しかし、像の大きさは、画素と
なる個々の微小レンズ単位の像と全体像とでは大きく異
なる。前者では表示画像の位置により像は拡大されるこ
とも縮尺されることもある。しかし、後者の表示画像の
全体像は元の表示画像と同じ寸法で圧縮されることも拡
大されることも無い。すなわち表示画像としての全体像
は表示画像と大きさを変えることなく位置だけを変える
事ができ、表示画像がそのままの大きさで見えるため通
常のレンズを介して見るように拡大されてその一部分だ
けしか見えなかったり、全体が縮尺されて見辛くなるな
どの違和感を覚えることなく広い範囲から表示画像の全
体を立体感を感じて見て取る事ができ、像の位置が変わ
ることにより立体感を感じるようになる。
【0082】ここで、微小な円筒レンズについて数式を
用いて表示画像の位置と像の位置との関係を詳細に説明
する。円筒状のレンズは円筒軸方向にはレンズとしての
機能は無く、円筒軸に直交する方向にのみレンズとして
の機能がある。
【0083】ここで厚さがd、絶対屈折率がnの材質を
(d、n)と表記する。レンズ曲面をL境界面としてこ
のレンズ曲面から表示画像の置かれる方向に順に
(dp1、n p1)、(dp2、np2)、(dp3、np3)、
(P、np4)の材質が並び、表示画像は材質(P、
p4)と接して厚さにしてPの位置に置かれ、またレン
ズ曲面から表示画像と反対方向に順に(ds1、ns1)、
(ds2、ns2)、(S、ns3)の材質が並び、材質
(S、ns3)と接して厚さにしてSの位置に表示画像の
像ができるとすると、次式(A)が成立する。なお、P
とSはその前の境界面からの距離を表す事になる。 1/(dp1/np1+dp2/np2+dp3/np3+P/np4)+1/(ds1/ns1+ ds2/ns2−S/ns3)=(np1−ns1)/r……………(A) ただし、rは円筒状のレンズの曲率半径を表している。
【0084】なお、式(A)で距離Pは正量に取り、像
の位置を表す距離Sが正量の場合はレンズ曲面より表示
画像側の方向にその距離を取る事にし、負量の場合はレ
ンズ曲面に対して表示画像と反対側の方向にその距離を
取る事になる。また、レンズ曲面の曲率半径の中心がレ
ンズ曲面より表示画像側にある場合はレンズ曲面の曲率
半径rを正量に取り、その反対側にある場合は負量に取
る。
【0085】式(A)はマイクロレンズアレイの厚さを
考慮しているため複雑である。マイクロレンズアレイを
構成する部材の厚さは距離P、距離Sに比較して充分薄
いものとすると見なして近似した次式(B)で本発明を
詳細に説明する。 np4/P−ns3/S=(np1−ns1)/r……………( B) ここでns3は空気であり近似的に真空の屈折率の1と等
しいと見なせるので、式(B)は次式(C)となる。 np4/P−1/S=(np1−ns1)/r……………(C) 第1から第3の実施の形態では表示画像は空気に接して
いる。したがってnp4=1とおける。
【0086】また、これらの実施の形態で表示画像がラ
ミネートされている場合もラミネートシートの層の厚さ
が充分薄くこれを無視できるので空気に接しているとし
ても良い。
【0087】第4の実施の形態では表示画像は水などの
透明液体に接しているが、この場合も透明液体が薄く、
第2の板状透明部材3に接しているとしても良く、np4
は第2の板状透明部材3の絶対屈折率となる。このよう
にnp4は等価的に表示画像に接すると見なせる材質の絶
対屈折率を適用する事になる。そこで、np4は表示画像
に接する材質の絶対屈折率としてnp と表記することに
する。また、距離Pもこの材質とこの材質に接してレン
ズ曲面側にある材質との境界面からの距離である。
【0088】焦点距離はレンズ曲面の表示画像を置く側
の焦点距離fp とその反対側の焦点距離fs とがあり、
それぞれ式(C)から明らかなように次式(D)と
(E)で与えられる。 fs =r/(np1−ns1)……………(D) fp =r・np /(np1−ns1)……………(E) 像のでき方は表示画像を焦点との関係でどのような位置
に置くかで定まる。したがって、以後は、式(E)で表
される表示画像を置く側の焦点距離fp を焦点距離とし
て説明する。
【0089】焦点距離が正量ならば凸レンズとなり、負
量ならば凹レンズと成ることは周知であり、式(D)と
式(E)とから明らかなようにレンズ曲面で接する両側
の材質の屈折率によって凸レンズにも凹レンズにもな
り、また両側の材質を適切に選ぶことにより焦点距離f
p を制御できることも明白である。
【0090】第1から第5の実施の形態では、レンズ曲
面だけが有意な曲率半径rの曲面で、その他の境界面は
無限大の曲率半径である平面としたが、有意な複数の曲
面からなる場合についての焦点距離fp は次式(F)で
与えられることは明白である。 1/fp =np ・Σ(npi−nsi)/ri ……………(F) ここで、ri 、npi、nsiはそれぞれi番目の境界層の
曲率半径、表示画像側の材質の絶対屈折率、表示画像と
反対側の材質の絶対屈折率である。
【0091】式(F)から明らかなように、レンズ曲面
とする境界面における微小レンズの曲率半径をr、表示
画像側の材質の絶対屈折率をnp 、表示画像と反対側の
材質の絶対屈折率をns とし、レンズ曲面に対峙するレ
ンズ曲面としない他の境界面の曲率半径をR、表示画像
側の材質の絶対屈折率をNp 、表示画像と反対側の材質
の絶対屈折率をNs とするとき、下記の不等式(G)が
成立する場合はマイクロレンズアレイの微小レンズのレ
ンズ特性はレンズ曲面の境界面で支配され、他の境界面
のレンズ特性に対しての影響を弱める事ができる。 |R/(Np −Ns )|≫|r/(np −ns )|……………(G) これまで説明してきた第1〜第5の実施の形態ではレン
ズ曲面は一つであった。しかし、マイクロレンズアレイ
の中に複数のレンズ曲面を形成する境界面が存在しても
良い。この場合レンズの機能は複数のレンズ曲面の複合
作用として機能する事は周知であり、詳細な説明は省略
する。また、レンズ曲面が複数の場合の上記不等式
(G)における曲率半径r、表示画像側の材質の絶対屈
折率np 、表示画像と反対側の材質の絶対屈折率n
s は、複数の境界面のうちの任意の境界面について成立
すればよい。
【0092】なお、各レンズ曲面と全てのレンズ曲面を
除く他の境界面との間に不等式Gが成立する場合にマイ
クロレンズアレイのレンズ特性はレンズ曲面の境界面で
支配され、他の境界面のレンズ特性に対しての影響を弱
める事ができるのは当然である。
【0093】以上、レンズを構成する部材の厚さが無視
できる程度に薄い場合について焦点距離を説明したが、
無視できない場合は式(A)を基本に距離Sを無限大に
して距離Pを求める事で、レンズ曲面に対して表示画像
側の焦点距離fp を求める事ができ, 距離Pを無限大に
して距離Sを求める事で、レンズ曲面に対して表示画像
と反対側の焦点距離fs を求める事ができる。この無視
できない場合でも基本的な特性としては無視できる場合
と類似であることは明白である。
【0094】本発明に係わるマイクロレンズアレイは後
に詳しく説明するが、焦点距離の制御のできるマイクロ
レンズアレイの提供を目的とするが、なかでも焦点距離
を長くすることであり、不等式(G)を満たすことによ
り曲率半径rのレンズ曲面の条件でレンズ特性を決定で
き、他の境界面のレンズ効果を無視できることは効果的
である。
【0095】従来レンズは屈折率の大きい材質と屈折率
の小さい空気の作る境界面で効果的な良質のレンズが追
求されてきており、この材質の間に屈折率の比較的大き
い材質の層を挟んだとしても、これらは厚さの薄いコー
ティング材としてであり、コーティング材で新たにでき
た境界面の曲率半径は挟む前の曲率半径と変わらないた
めに、レンズの基本的な特性には大きく影響を与えるも
のではなかった。比較的屈折率が近い値である二つの材
料の境界面をレンズ面として、不等式(G)を満たす条
件で焦点距離の長いレンズを構成する事はこれまでの一
般的なレンズ構成の概念に反しているとも言える。
【0096】2種類の材質を選べる事から、焦点距離が
曲率半径だけに限定されず、両材料の相対的な屈折率に
よっても制御できる。また、両材質の相対屈折率が小さ
いだけレンズ曲面上の傷によるレンズへの影響が少なく
なるなどの利点も生じる。
【0097】次に、表示画像の像としての見え方につい
て説明する。各円筒レンズの作る像が新たな画素となっ
て表示像を見ることになる。円筒レンズの倍率が1より
小さいと円筒レンズの面積より広い表示画像の領域が縮
尺されて円筒レンズの領域を占める像となる。すなわ
ち、表示画像の一部が隣り合う円筒レンズを介して同時
に見られることになる。縮尺の度合いが強くなるにした
がってそれぞれの円筒レンズを介してみる表示画像の領
域は円筒レンズの面積より広がり等価的に画素の領域が
大きくなったのと等しくなる。隣り合う画素が表示画像
の同じ部分を表すようになる。このため縮尺の度合いが
強くなるにしたがって全体像のボケの度合いが強くなっ
ていく。
【0098】一方、倍率が1より大きい場合では、表示
画像の円筒レンズの面積より小さい部分が拡大されて円
筒レンズの面積と等しい画素の画素情報となる。この場
合は隣り合う画素間で表示情報が重なる事も無く比較的
シャープな像となって見る事ができる。また、増幅率が
1の場合は隣り合う円筒レンズの作る像が完全に連続と
なるが、表示画像と像の位置が一致した状態であり立体
感は得られない。この場合、マイクロレンズアレイを介
して見る意味も無くなる。
【0099】隣り合う画素の情報が一部欠落しても、欠
落の度合いが少なければ少ないほど画素の間がより連続
的に見えるので、解像度の点からはできるだけ増幅率が
1に近い状態で、立体感のある像として見ることのでき
る位置に表示画像を置く事が望ましい。
【0100】凸レンズと凹レンズのいずれの場合も、像
の位置が表示画像の位置からある程度のずれが生じると
立体感を感じる事ができる。次に、凸レンズと凹レンズ
の各々について表示画像の位置と表示像との関係を詳細
に説明する。
【0101】まず、凸レンズの場合について説明する。
レンズ曲面の位置よりも焦点の位置に近く、焦点よりも
レンズ曲面に近い位置に置くと、表示画像の位置よりレ
ンズ曲面から離れた位置に倍率が1より大きい正立の像
ができる。例えばレンズ曲面から焦点距離の1/2の位
置に表示画像を置くと倍率が2倍の正立像が焦点の位置
にでき、さらに焦点の位置に近づけるに従って像の倍率
は順次大きくなり、像は焦点よりもさらに遠ざかってい
く。焦点の位置に表示画像が来ると像の位置は無限遠点
になり、倍率も無限大となる。表示画像の位置が焦点の
位置を過ぎた瞬間、非常に大きな倍率の倒立像がレンズ
曲面を挟んで表示画像と反対の側の遠く離れた位置にで
きる。ここからさらに遠ざけていくと、倒立像のまま次
第に小さくなっていき、焦点距離の2倍の位置まで遠ざ
けるとレンズ曲面の反対側にある焦点の位置に倍率1の
倒立像ができる。さらに表示画像を遠ざけて行くと像は
レンズ曲面に近づきつつ順次縮尺されていく。
【0102】焦点の極めて近い所に表示画像を置く場合
には、像の倍率は極めて大きく、像の位置も表示画像の
位置から極めて遠くなる。特に焦点の前後では像の位置
がレンズ曲面を挟んで前後に大きく変わり、像の形も正
立像と倒立像と極端に変化する。このため表示画像の位
置が少し変化するだけで新たな表示の画素像が大きく変
化してギラギラ感が強く現れる。また焦点の極めて近い
所に表示画像を置くと表示画像のごく一部の光しか利用
できなくなり、全体像が暗くなる欠点もある。
【0103】表示画像を焦点よりも遠くに置くと像は倒
立するので画素の連続性は大きく失われる等の欠点が生
じてくるが、焦点距離の2倍の距離までは拡大像である
ため隣同士の画素に重なった部分が生じる事は無く、表
示像としてある程度の品質は確保される。さらに焦点距
離の2倍の距離よりも離れた位置に置くと、像は縮尺さ
れて等価的に画素領域が大きくなりぼやけた像となって
見えるようになる。
【0104】以上の説明から明らかなように、表示画像
を微小レンズのレンズ曲面より遠く、焦点距離の2倍の
距離よりもレンズ面に近い位置で、焦点から至近距離に
ある位置を避けた位置に置くと像もぼやける事も無く比
較的安定な表示像が得られる。さらに、表示画像をレン
ズ曲面から離れて焦点よりも近い位置に置くように限定
すれば、隣り合う画素の連続性の度合いが高くなり、よ
り解像度の高い安定のある表示像が得られる。具体的な
位置は要求される立体感の程度と画素に起因する表示像
の滑らかさの程度を勘案して決める事になる。
【0105】次に、凹レンズの場合について説明する。
像の位置は表示画像の位置よりもレンズ曲面に近い位置
にできて、倍率が1より小さい正立像になる。焦点の位
置に置くと像は焦点距離の1/2の位置にでき,倍率は
1/2であり、さらに遠ざけると倍率はより小さくな
り,その位置は順次焦点の位置に近づいていく。
【0106】この凹面の場合は像が縮尺されるので等価
的に画素範囲が広がる。したがって表示画像の置く位置
をある程度制限して像がぼける度合いを制限する必要が
ある。例えば表示画像を焦点距離の位置に置けば、焦点
距離の1/2の位置に1/2に縮尺された正立像ができ
る。縮尺により多少のボケは生じるが、焦点距離を大き
くすれば立体感のある表示装置として場合によっては十
分使用可能である。
【0107】表示画像の置く位置により、立体的に見え
る感じも変化する。表示の内容によって見える感じを変
えたい場合がある。美術的な表示で立体感を押さえて表
示したい場合、人の気を引くために立体感を強めたい場
合など多様である。画像支持体をレンズ曲面からの距離
を可変とする機構にしておくとかかる要望に簡単に対応
できる。
【0108】表示画像の置く位置について焦点、あるい
は焦点距離との関係で説明してきたが、次にマイクロレ
ンズアレイの焦点距離の制御について説明する。本発明
に係わる表示装置にとって焦点距離は下記のような重要
性がある。 (1)凸レンズでは、焦点距離が短いと広い表示画像の
あらゆる場所の位置を焦点に対して均一と見なせる位置
に保持する事が難しく、さらには風などでその位置が変
わり焦点の位置に近づいたり、焦点位置を挟んで前後に
移ったりすると表示像が不安定になる。ある程度の焦点
距離を確保して安定な位置に表示画像を置けるようにさ
せたい。 (2)凹レンズでは焦点距離がある程度大きくないと、
表示画像と表示像との位置の差が大きくできず、所望の
立体感が得られなくなる。焦点距離を大きくして立体感
を得たくなる。 (3)第3と第4の実施の形態のようにレンズ曲面と表
示画像との両面で形成される間隙に向けて照明光を効率
良く照射するためには表示画像をレンズ曲面から大きく
離す必要があり、焦点距離を大きくする必要がある。 (4)表示画像の取替えを容易にするためには焦点距離
を大きくして表示画像の置く位置の許容範囲を大きくし
たい。 (5)表示画素の規則的に配列された表示デバイスにマ
イクロレンズアレイを適用して表示装置を構成する場
合、円筒レンズの配列ピッチとの関連で生じるモアレ縞
の度合いは、表示画像が焦点位置に近いほど強く現れ
る。これを緩和するため焦点距離を大きくして、焦点か
ら離れた位置に表示画像を置いてきれいな立体感のある
表示をしたい。
【0109】これらの焦点距離についての要望を認識し
た上で、マイクロレンズアレイの焦点距離の制御を詳し
く説明する。第1から第5の実施の形態でマイクロレン
ズアレイを通して見る表示画像の像が違和感無くきれい
な連続的な画像として見えるためには表示像の画素とな
る円筒レンズの配列ピッチが許容範囲内に無ければなら
ない。許容値は要求される精細さに依存し、表示装置の
表示画像の大きさ、表示画像から見る人までの距離など
によっても変化する。大きなビルディングの屋上に置く
表示装置では例えば表示画像も非常に大きく、見る人ま
での距離も遠い。このため円筒レンズのピッチは10m
mでも充分許容できるが、卓上に置く写真などの表示で
は例えば1mmでも不足で、250μm程度が要求され
ることもある。
【0110】ちなみに図1に示す第1の実施の形態で板
状透明部材10だけで構成されるレンティキュラ板をマ
イクロレンズアレイとして使用する場合について構成条
件をみてみる。
【0111】板状透明部材10の絶対屈折率が1. 5の
アクリルを用いる場合で円筒レンズの配列ピッチをパラ
メータとして焦点距離とレンズ曲面の高低差を求めて見
る。レンズ曲面の周りは空気であるから、円筒レンズの
ピッチが10mmの場合で、レンズ曲面の曲率半径を1
0mm、20mm、50mmとすると、焦点距離fp
それぞれ20mm、40mm、100mmとなり、レン
ズ曲面の高低差はそれぞれ1.34、0.635、0.
25となる。曲率半径、焦点距離が大きくなるにしたが
ってレンズ曲率の高低差を小さくする必要があり、レン
ズを作る条件は厳しくなる。曲率半径が10mmの場合
は適用可能でも、20mm、50mmとなるにしたがっ
て技術的、価格的な面からも適用が難しくなっていく。
屋上に置く大形の看板を全面に渡って焦点距離の20m
mの前後に配置する事は設置上からもそれほど簡単なこ
とではない。また、レンズ曲面と表示画像で挟まれる間
隙に向けて照明光を照射することなども難しい。
【0112】同じく絶対屈折率が1. 5のアクリルで、
円筒レンズの配列ピッチが1mmの場合、レンズ曲面の
高低差が0.1mmではレンズ曲面の曲率半径rは1.
13mm、焦点距離fp は2.26mmとなる。円筒レ
ンズの配列ピッチが0.25mmの場合、レンズ曲面の
高低差を配列ピッチの1/10の0.025では曲率半
径rは0.325mm、焦点距離fp は0.65mmと
なる。このような配列ピッチを小さくする必要のある近
くに置く表示装置では、製作上の条件から曲率半径、焦
点距離も小さくせざるおえない。このような条件では表
示画像を適切な位置に置く事すら難しくなる。
【0113】第2から第5の実施の形態ではこれらを解
決するためにレンズ曲面に接して空気に替わり屈折率の
大きい材質を配置する事により焦点距離を大きくしてい
る。第5の実施の形態ではこの材質にプラスチックある
いはガラスなどの固体を適用した例を示し、第2から第
4の実施の形態は透明液体を適用した例を示している。
【0114】ここで、第2と第3の実施の形態の場合に
ついて、部材が絶対屈折率1. 5のアクリルで、曲率半
径rが1.13mmの円筒レンズを配列ピッチ1mmで
並べた形状とし、透明液体にグリセリンと水を適用して
焦点距離を試算して示す。なお、このレンズの配列条件
ではレンズ曲面の高低差は0.1mmで、レンズ曲面に
空気が接している場合の焦点距離fp は2.26mmと
なることはすでに示した通りである。
【0115】この場合、表示画像は空気に接しているた
め、焦点距離をあらわす式(E)のnp は1とおけるか
ら、透明液体にグリセリン100%を用いると、絶対屈
折率は1.47となり焦点距離fp は37.3mmとな
り、単純なレンティキュラ板の場合の2.26mmに対
して約16.6倍になる。また、グリセリンに少量の水
を加えて透明液体の絶対屈折率を1.45にすると焦点
距離fp は22.6mmとなり、空気の場合に比べて1
0倍になる。また絶対屈折率1.33の水100%を用
いると焦点距離fp は6.65mmとなる。なお、これ
らは全て凸レンズである。
【0116】このようにグリセリンと水を用いることに
より、レンズ曲面の形状を変えることなく空気の場合に
比較してその焦点距離を大きくでき、しかも広い範囲に
わたって容易に変えることができる。
【0117】シリコンオイルも大きな屈折率から小さな
屈折率のものまで多様で、ある種類のシリコンオイルは
混ぜ合わせて屈折率を変えた透明液体を作り得る。例え
ば信越化学工業株式会社のKF−54は屈折率の公称値
は1.505でKF−53の屈折率の公称値は1.48
5である。これらは混ぜ合わせても透明性が確保でき、
混合比率を変える事により屈折率を1.505から1.
485まで変えた透明液体を得ることができる。ちなみ
に1.505のKF−54が100%の状態で上記構造
のマイクロレンズアレイに適用すると、焦点距離は−2
26mmと凹レンズになり、1.485のKF−53が
100%の状態で適用すると、焦点距離は75.3mm
の凸レンズになる。このように適切な材料を選ぶ事によ
りレンズ曲面の形状を変えることなく凸レンズでも凹レ
ンズでも実現でき、所望の焦点距離を得ることができ
る。
【0118】上記条件を第4と第5の実施の形態に適用
すると、表示画像が空気ではなく絶対屈折率np をもっ
た部材に密着しているので焦点距離fp は上記算出値の
p倍になる。
【0119】以上の説明から明らかなように屈折率の近
接した材質の境界面をレンズ曲面とすることにより焦点
距離を大きくでき、さらに焦点距離の制御が容易にな
る。以上の第1から第5の実施の形態では、マイクロレ
ンズアレイの微小レンズは円筒レンズで、この円筒レン
ズの軸が垂直方向に配列したレンズ曲面で説明した。こ
の円筒レンズの軸は水平方向に配列しても差し支えな
い。また斜め方向に配列しても良い。また、微小レンズ
は円筒レンズである必要は無く、球面レンズとしたハエ
の目レンズと類似のレンズ曲面であってもよいことはこ
れまでの説明で明らかである。また、各微小レンズの像
を画素として全体像を見ることから、微小レンズのレン
ズ曲面の幾何学的な完全性はそれほど要求されない。円
筒面、球面といった厳密性はそれほど要求されない。曲
面の完全性が崩れると焦点位置が場所により変化する事
になるが、これも出来の悪いレンズと見れば良く、その
中心位置を焦点と見なすなり、最も近い位置, あるいは
最も遠い位置を焦点と適宜見なしながら表示装置を設計
すれば良い。
【0120】第2から第5の実施の形態で、マイクロレ
ンズアレイのレンズ曲面となる境界面を形成する片側の
材質を透明液体としているが、透明な固体であっても良
い。境界面を形成する両物質の屈折率の違いにより焦点
距離を制御するものであり、透明性が確保できれば固体
あるいは液体のいずれであっても、どのような材料を使
用しても良い事は明白である。
【0121】図3と図4で説明した第3の実施の形態で
は窓ガラスにレンズ曲面の形成された別の透明部材を配
置している形態であるが、窓ガラス自身にレンズ曲面を
形成しても良いことは明白である。要は、窓ガラスの外
壁面に対面してレンズ曲面を配置し、窓ガラスの外壁面
からレンズ曲面までを空隙無く透明固体あるいは透明液
体で満たしておれば良い。
【0122】以上説明した第1から第5の実施の形態で
はいずれも立体的で艶やかな像となって表示する事がで
きる。しかも、いずれの表示画像も通常の写真などの連
続した図柄からなる二次元表示画像であり、LS表示技
術のように複数の位置から見た画像を短冊状にして縦縞
状に並べた複雑なものではなく、また表示画像の置く位
置もLS表示技術のように焦点面に近接して精度良く置
く必要も無く、比較的広い範囲に置くことが許容され
る。
【0123】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明には、
以下のような効果がある。請求項1の発明は、画像支持
体に支持された表示画像の全体としての像は拡大も縮小
もされず、その位置だけが表示画像の位置からずれる結
果、二次元の表示画像を拡大も縮尺も無い立体感のある
像として見ることができる。また、画像支持体により表
示画像が交換されても表示画像とマイクロレンズアレイ
のレンズ曲面の位置関係を容易に維持でき, 表示画像の
交換が容易になる。
【0124】請求項2の発明は、表示画像の全体として
の像は拡大も縮小もされず、その位置だけが表示画像の
位置からずれる結果、二次元の表示画像を拡大も縮尺も
無い立体感のある像として見ることができる。
【0125】請求項3の発明は、レンズとしての機能と
して最も強い働きをする境界面を微小曲面からなる境界
面に限定して、レンズの性能をこの境界面で決めること
ができる。さらに、このレンズ曲面を境界面とする両側
の透明部材の絶対屈折率を適切に選ぶ事により焦点距離
を制御可能になる。特に境界面を空気とする場合に比較
して、レンズの焦点距離の絶対値を容易に大きくする事
ができる。
【0126】請求項4の発明は、レンズとしての機能と
して最も強い働きをする境界面を3つ以上の透明部材が
互いに接する微小曲面からなる2つ以上の全ての境界面
で決めることができる。さらに、このレンズ曲面を境界
面とする両側の透明部材の屈折率を適切に選ぶ事により
焦点距離を制御可能になる。特に境界面を空気とする場
合に比較して、レンズの焦点距離の絶対値を容易に大き
くする事ができる。
【0127】請求項5の発明は、レンズとしての機能と
して最も強い働きをする境界面を2つ以上の透明部材が
互いに接する微小曲面からなる1つ以上の境界面で決め
ることができる。さらに、このレンズ曲面を境界面とす
る両側の透明部材の屈折率を適切に選ぶ事により焦点距
離を制御可能になる。特に境界面を空気とする場合に比
較して、レンズの焦点距離の絶対値を容易に大きくする
事ができる。
【0128】請求項6の発明は、密着性の高いレンズ曲
面を容易に作る事ができる。請求項7の発明は、水とグ
リセリンを単独あるいは混合液の状態で使用することで
多様な焦点距離のマイクロレンズアレイを容易に作れ
る。また、屈折率の大、小の同種のシリコンオイルを単
独あるいは混ぜる事で多様な焦点距離のマイクロレンズ
アレイを容易に作れる。
【0129】請求項8の発明は、透明粘着剤、あるいは
透明接着剤は柔軟性に優れ、曲面を形成した部材に塗
布、あるいは圧着するだけで容易にレンズ曲面とする事
ができる。また、レンズ曲面を支持体に固定してマイク
ロレンズアレイを形成するための粘着剤、接着剤として
使用することもできる。
【0130】請求項9の発明は、反射率の大きい空気と
の境界層が窓ガラスとレンズ曲面との間に存在しなくな
り, 反射による表示画像の見え難さを一段と低減でき
る。窓ガラスとマイクロレンズアレイが一体化され、小
型化でき、工場で一貫生産ができる。
【0131】請求項10の発明は、表示画像の位置の自
由度が得られ、立体感に優れた像をうることができる。
また、同じく焦点距離の適切化で、レンズ曲面と表示画
像の間隙から表示画像に対する照明光を照射できるよう
になり、照明効率を高めることができ、さらにモアレ縞
などを低減することもできる。また、画像支持体により
表示画像が交換されても表示画像とマイクロレンズアレ
イのレンズ曲面の位置関係を容易に維持でき、表示画像
の交換が容易になる。
【0132】請求項11の発明は、表示画像の位置の自
由度が得られ、立体感に優れた像をうることができる。
また、同じく焦点距離の適切化で、レンズ曲面と表示画
像の間隙から表示画像に対する照明光を照射できるよう
になり、照明効率を高めることができ、さらにモアレ縞
などを低減することもできる。
【0133】請求項12の発明は、画像支持体が支持す
る表示画像の全体像を構成する各画素の像に混在する表
示画像の部分に制限が掛かり、全体像を一定の品質で保
証できる。
【0134】請求項13の発明は、表示画像の全体像を
構成する各画素の像に混在する表示画像の部分に制限が
掛かり、全体像を一定の品質で保証できる。請求項14
の発明は、画像支持体が支持する表示画像の全体像を構
成する各画素の像に隣同士で重なり合うことが無くな
り、すぐれた立体像が得られる。
【0135】請求項15の発明は、表示画像の全体像を
構成する各画素の像に隣同士で重なり合うことが無くな
り、すぐれた立体像が得られる。請求項16の発明は、
レンズ曲面と前記表示画像との間に反射率の大きい空気
と接する境界層がなくなり、無用な反射光が少なくなっ
て表示画像が見え易く、また照明の効率も高くなる。
【0136】請求項17の発明は、表示画面を直接の照
明光で表側から照らすことができ、効率良く照明ができ
る。請求項18の発明は、モアレ縞の発生を防止でき、
表示品質を向上できる。
【0137】請求項19の発明は、表示デバイスの中に
表示画素の配列面と微小レンズからなるレンズ配列面と
がともに組み込まれた構造となり、コンパクトで予めモ
アレ縞の対策のされた表示デバイスが得られる。
【0138】請求項20の発明は、画像支持体が支持す
る表示画像の所望の表示品質に合せて画像支持体とレン
ズ曲面との距離の調整が容易に実行できる。請求項21
の発明は、表示画像の所望の表示品質に合せて表示画像
とレンズ曲面との距離の調整が容易に実行できる。
【0139】請求項22の発明は、表示デバイスが表示
する画像の所望の表示品質に合せて表示デバイスとレン
ズ曲面との距離の調整が容易に実行できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】レンティキュラ板として周知の構造をもつマイ
クロレンズアレイを連続する図柄からなる二次元表示画
像に対面して配置する形式の第1の実施の形態における
表示装置の斜視図である。
【図2】焦点距離の長い微小レンズを多数配列した本発
明に係わるマイクロレンズアレイを連続する図柄からな
る二次元表示画像に対面して配置しする形式の第2の実
施の形態における表示装置の斜視図である。
【図3】本発明に係わるマイクロレンズアレイのレンズ
曲面を窓ガラスに対面して配置した第3の実施の形態に
おける表示装置の垂直面で切断した断面図である。
【図4】第3の実施の形態における表示装置の水平面で
切断した断面図である。
【図5】焦点距離の長い微小レンズを多数配列した本発
明に係わるマイクロレンズアレイを連続する図柄からな
る二次元表示画像に対面して配置し、レンズ曲面と表示
画像に挟まれる間を空隙無く屈折率の大きい部材で満た
し、この部材の側端面に向けて照明光を照射する形式の
第4の実施の形態における表示装置を垂直面で切断した
断面図である。
【図6】第4の実施の形態における表示装置を水平面で
切断した断面図である。
【図7】ブラウン管の表示画素を形成する面に対面する
面に本発明に係わるマイクロレンズアレイのレンズ曲面
を形成した第5の実施の形態の断面図である。
【符号の説明】
1 第1の板状透明部材 2 第2の板状透明部材 3 透明液体 4 マイクロレンズアレイ 5 画像支持体 10 マイクロレンズアレイ 11 画像支持体 20 板状透明部材 21 透明液体 22 窓ガラス 23 マイクロレンズアレイ 24 表示画像 25 接着剤あるいは粘着剤 26 棒状蛍光灯 27 反射板 30 第1の板状透明部材 31 透明液体 32 第2の板状透明部材 33 マイクロレンズアレイ 34 画像支持体 35 表示画像 36 平板 37 水 38 底 39 側壁 40 棒状蛍光灯 41 反射板 50 ガラス外壁 50A ガラス外壁内側面 51 透明部材

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続した図柄からなる二次元表示画像を
    支持する画像支持体と、 有効領域の一辺の長さに対して充分短い配列ピッチで配
    列された微小レンズの集まりからなるマイクロレンズア
    レイとを備え、 該マイクロレンズアレイのレンズ曲面が該画像支持体に
    支持されて置かれる該二次元表示画像から離れ、かつ該
    二次元表示画像に対面する位置に配置されることを特徴
    とする表示装置。
  2. 【請求項2】 連続した図柄からなる二次元表示画像
    と、 有効領域の一辺の長さに対して充分短い配列ピッチで配
    列された微小レンズの集まりからなるマイクロレンズア
    レイとを備え、 該マイクロレンズアレイのレンズ曲面が該二次元表示画
    像から離れ、かつ該二次元表示画像に対面する位置に配
    置されることを特徴とする表示装置。
  3. 【請求項3】 互いに屈折率が異なり、かつ空気の屈折
    率よりは充分大きい屈折率を有する第1と第2の透明部
    材が互いに接する境界面を有し、該境界面が有効領域の
    一辺の長さより充分小さい配列ピッチで配列された微小
    曲面の集まりからなるレンズ曲面を形成し、該境界面に
    おける該微小曲面の曲率半径rと、微小曲面に接する一
    方の材質の絶対屈折率np と、微小曲面に接する他方の
    材質の絶対屈折率ns と、該境界面と対峙するレンズ曲
    面としない他の境界面の曲率半径Rと、レンズ曲面とし
    ない他の境界面に接する一方の材質の絶対屈折率N
    p と、レンズ曲面としない他の境界面に接する他方の材
    質の絶対屈折率Ns との関係に下記の不等式(1)が成
    立することを特徴とするマイクロレンズアレイ。 |R/(Np −Ns )|≫|r/(np −ns )|……………(1)
  4. 【請求項4】 互いに屈折率が異なり、かつ空気の屈折
    率よりは充分大きい屈折率を有する3つ以上の透明部材
    が互いに順に積層することにより2つ以上の境界面を有
    し、該境界面が有効領域の一辺の長さより充分小さい配
    列ピッチで配列された微小曲面の集まりからなるレンズ
    曲面を形成し、それぞれの該境界面における該微小曲面
    の曲率半径rと、微小曲面に接する一方の材質の絶対屈
    折率n p と、微小曲面に接する他方の材質の絶対屈折率
    s と、該境界面と対峙するレンズ曲面としない他の境
    界面の曲率半径Rと、レンズ曲面としない他の境界面に
    接する一方の材質の絶対屈折率Np と、レンズ曲面とし
    ない他の境界面に接する他方の材質の絶対屈折率Ns
    のそれぞれの関係に下記の不等式(2)が成立すること
    を特徴とするマイクロレンズアレイ。 |R/(Np −Ns )|≫|r/(np −ns )|……………(2)
  5. 【請求項5】 互いに屈折率が異なり、かつ空気の屈折
    率よりは充分大きい屈折率を有する2つ以上の透明部材
    を互いに積層することにより、該透明部材が相互に接す
    る1つ以上の境界面を有し、該境界面の少なくとも1つ
    が有効領域の一辺の長さより充分小さい配列ピッチで配
    列された微小曲面の集まりからなるレンズ曲面を形成
    し、レンズ曲面である境界面の各々が該レンズ曲面であ
    る境界面と対峙するレンズ曲面としない外界との境界面
    を含む他の境界面のいずれに対しても、該レンズ曲面で
    ある境界面の該微小曲面の曲率半径rと、微小曲面に接
    する一方の材質の絶対屈折率np と、微小曲面に接する
    他方の材質の絶対屈折率ns と、他の境界面の曲率半径
    Rと、他の境界面に接する一方の材質の絶対屈折率Np
    と、他の境界面に接する他方の材質の絶対屈折率Ns
    の関係に下記の不等式(3)が成立することを特徴とす
    るマイクロレンズアレイ。 |R/(Np −Ns )|≫|r/(np −ns )|……………(3)
  6. 【請求項6】 請求項3乃至5の何れか1項記載のマイ
    クロレンズアレイであって、前記透明部材の少なくとも
    1つを透明液体とし、他の透明部材を透明固体とするこ
    とを特徴とするマイクロレンズアレイ。
  7. 【請求項7】 請求項6記載のマイクロレンズアレイに
    あって、前記透明液体をグリセリン、あるいは水、ある
    いはグリセリンと水の混合液、あるいはシリコンオイル
    とすることを特徴とするマイクロレンズアレイ。
  8. 【請求項8】 請求項3乃至5の何れか1項記載のマイ
    クロレンズアレイであって、前記透明部材の少なくとも
    1つを透明粘着材あるいは透明接着剤とし、他の透明部
    材を透明固体とすることを特徴とするマイクロレンズア
    レイ。
  9. 【請求項9】 請求項3乃至5の何れか1項記載のマイ
    クロレンズアレイであって、窓ガラスの外壁面に対面し
    て前記レンズ曲面を配置し、窓ガラスの外壁面からレン
    ズ曲面までを空隙無く透明固体あるいは透明液体で満た
    すことを特徴とするマイクロレンズアレイ。
  10. 【請求項10】 請求項3乃至9の何れか1項記載のマ
    イクロレンズアレイと、該マイクロレンズアレイのレン
    ズ曲面に対面してレンズ曲面から離れた位置に配置され
    た表示画像を支持するための画像支持体とを具備するこ
    とを特徴とする表示装置。
  11. 【請求項11】 請求項3乃至9の何れか1項記載のマ
    イクロレンズアレイと表示画像とを具備し、該マイクロ
    レンズアレイのレンズ曲面に対面してレンズ曲面から離
    れた位置に表示画像を配置することを特徴とする表示装
    置。
  12. 【請求項12】 請求項1または10記載の表示装置で
    あって、前記マイクロレンズアレイが凸レンズに機能す
    る場合にあっては前記画像支持体を前記レンズ曲面より
    遠く、焦点距離の2倍の距離よりも前記レンズ曲面に近
    い位置で、焦点から至近距離にある位置を避けた位置
    に、前記マイクロレンズアレイが凹レンズに機能する場
    合にあっては前記画像支持体を前記レンズ曲面より遠
    く、焦点距離の2倍の距離よりも前記レンズ面に近い位
    置に置くことを特徴とする表示装置。
  13. 【請求項13】 請求項2または11記載の表示装置で
    あって、前記マイクロレンズアレイが凸レンズに機能す
    る場合にあっては前記表示画像を前記レンズ曲面より遠
    く、焦点距離の2倍の距離よりも前記レンズ曲面に近い
    位置で、焦点から至近距離にある位置を避けた位置に、
    前記マイクロレンズアレイが凹レンズに機能する場合に
    あっては前記表示画像を前記レンズ曲面より遠く、焦点
    距離の2倍の距離よりも前記レンズ面に近い位置に置く
    ことを特徴とする表示装置。
  14. 【請求項14】 請求項1または10記載の表示装置で
    あって、前記画像支持体を前記レンズ曲面より遠く、焦
    点位置よりも前記レンズ曲面に近い位置に置くことを特
    徴とする表示装置。
  15. 【請求項15】 請求項2または11記載の表示装置で
    あって、前記表示画像を前記レンズ曲面より遠く、焦点
    位置よりも前記レンズ曲面に近い位置に置くことを特徴
    とする表示装置。
  16. 【請求項16】 請求項2、11、13、15の何れか
    1項記載の表示装置であって、前記レンズ曲面と前記表
    示画像との両面で形成される間隙を空隙無く透明固体あ
    るいは透明液体または透明固体と透明液体とで満たすこ
    とを特徴とする表示装置。
  17. 【請求項17】 請求項2、11、13、15、16の
    何れか1項記載の表示装置であって、前記レンズ曲面と
    前記表示画像との両面で形成される間隙に向けて照射す
    るための照明光源を具備することを特徴とする表示装
    置。
  18. 【請求項18】 画素を一定の配列ピッチで配列してな
    る表示デバイスと、 有効領域の一辺の長さに対して充分短い配列ピッチで配
    列された微小レンズの集まりからなるマイクロレンズア
    レイとを具備する表示装置において、 画素の配列ピッチの方向に対する微小レンズの配列ピッ
    チが画素の配列ピッチの整数倍、あるいは整数分の一で
    あることを特徴とする表示装置。
  19. 【請求項19】 画素を一定の配列ピッチで配列してな
    る画素配列面と、 有効領域の一辺の長さに対して充分短い配列ピッチで配
    列された微小レンズからなるレンズ配列面とを具備し、 該レンズ配列面が該画素配列面に対面して配置されると
    共に、画素の配列ピッチの方向に対する微小レンズの配
    列ピッチが画素の配列ピッチの整数倍、あるいは整数分
    の一であることを特徴とする表示デバイス。
  20. 【請求項20】 請求項1、10、12、14の何れか
    1項記載の表示装置であって、前記画像支持体とレンズ
    曲面との距離を可変とする機構を具備することを特徴と
    する表示装置。
  21. 【請求項21】 請求項2、11、13、15乃至17
    の何れか1項記載の表示装置であって、前記表示画像と
    レンズ曲面との距離を可変とする機構を具備することを
    特徴とする表示装置。
  22. 【請求項22】 請求項18項記載の表示装置であっ
    て、前記表示デバイスとレンズ曲面との距離を可変とす
    る機構を具備することを特徴とする表示装置。
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