JP2001041694A - 飛しょう体 - Google Patents

飛しょう体

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JP2001041694A
JP2001041694A JP11214892A JP21489299A JP2001041694A JP 2001041694 A JP2001041694 A JP 2001041694A JP 11214892 A JP11214892 A JP 11214892A JP 21489299 A JP21489299 A JP 21489299A JP 2001041694 A JP2001041694 A JP 2001041694A
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JP
Japan
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bomb
aircraft
lift
wing
flying
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JP11214892A
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English (en)
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Kenichi Sugimori
健一 杉森
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 航空機から所定の目標体に向けて推進装置を
持たずに飛しょうする飛しょう体において、飛しょう体
が航空機に搭載されている間には、飛しょう体の搭載可
能数を十分確保しながら、飛しょう体が目標体の対空火
器の射程範囲の外部から投下されても、目標体まで十分
到達可能なものを提案する。 【解決手段】 航空機から所定の目標体に向けて飛しょ
うする爆弾1において、飛しょう中の爆弾1の揚抗比を
増加させる高アスペクト比の主翼4と、主翼4を折り畳
む展開機構5と、前記主翼4の後退角を変化させるアク
チュエータ6と、飛しょう中の旋回加速度を検出する加
速度センサー7と、前記加速度センサー7の検出値から
高度とマッハ数を推定し、この推定値に基づいて機体の
揚抗比が最大になるようにアクチュエータ6を制御する
コントローラー10とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、航空機から投下
され所定の目標体に向けて落下する推進装置を持たない
爆弾などの飛しょう体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図7は機軸前方へ向かう推進力を発生さ
せる推進装置を持たない飛しょう体である従来の爆弾の
構成図である。1は爆弾、2は前記爆弾1の胴体、3は
爆弾1の安定翼であり、アは気流、イは胴体2と安定翼
3の揚力、ウは胴体2と安定翼3の抗力である。図8は
従来の爆弾の説明図であり、図8(a)は爆弾の揚抗比と
飛しょう距離との関係を示す説明図であり、図8(b)は
爆弾の投下母機と目標体である攻撃目標との相対位置関
係を示す説明図であり、図において、エは従来の爆弾の
揚抗比であり、オは従来の爆弾の飛しょう距離であり、
カは爆弾の投下母機であり、キは対空火器をもつ攻撃目
標であり、クは攻撃目標キの対空火器の射程範囲であ
る。
【0003】図7において、爆弾1が飛しょうする際に
は、胴体後方に設けられた安定翼3により重心まわりで
頭下げの方向に働くモーメントを発生させる等して、縦
方向と横方向のそれぞれで静的に安定な姿勢で目標に向
かって飛しょうを行う。その際、爆弾1は気流アを受
け、機体全体で揚力イ及び抗力ウを発生するが、揚力イ
及び抗力ウを用いて爆弾1の揚抗比k0は数1のごとく
表わされる。
【0004】
【数1】
【0005】数1に示す揚抗比k0は、爆弾1の飛しょ
う距離を決定するパラメータの一つであり、揚抗比と飛
しょう距離との間には、定性的には図8(a)のごとき関
係が成立するため、爆弾1の揚抗比エが決定されると相
応の爆弾1の飛しょう距離オが設定されることになる。
爆弾1の飛しょう距離オと爆弾1の投下母機カの残存性
との間には密接な関係があり、爆弾の投下母機と攻撃目
標との相対位置関係を示す図8(b)において、爆弾1の
飛しょう距離オが不十分である場合には、爆弾1の投下
母機カは爆弾1が攻撃目標キに十分到達できるように、
攻撃目標キの対空火器の射程範囲クの内部まで飛行する
必要があり、特に攻撃目標キが重要な施設や軍事艦船の
場合には、通常、防空用レーダーと対空砲や短距離対空
ミサイル等の対空火器が備えられているため、結果とし
て爆弾1の投下母機カは攻撃目標キに備えられた対空火
器で迎撃される等の問題があった。
【0006】なお、従来の爆弾1では、高価な誘導装置
を備えていない場合には、攻撃目標キに対して多大なダ
メージを与えるために近距離投下をせざるを得ない運用
形態となっており、爆弾1の投下母機カが攻撃目標キに
備えられた対空火器の脅威にさらされることは不可避な
ことであった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】爆弾の投下母機が攻撃
目標に備えられた対空火器で迎撃されることを防ぐため
には、攻撃目標の対空火器の射程範囲の外部から投下さ
れても、攻撃目標まで十分到達できるように、飛しょう
距離を長くすれば良い。しかしながら、飛しょう距離を
長くするためには、爆弾の機体揚力面を増加させ、数1
に示す揚抗比k0を大きくすることが必要であるが、こ
れには爆弾の外形寸法の大型化を伴うため、投下母機に
対して、飛行時の搭載物抵抗の増加や、爆弾搭載可能数
の減少等の相反する問題点が発生する。すなわちこの発
明は、航空機から所定の攻撃目標に向けて飛しょうする
爆弾において、一方では爆弾が航空機に搭載されている
間には、爆弾の搭載物抵抗を抑制する他、爆弾搭載可能
数を従来品相当分確保しながら、他方では爆弾が攻撃目
標の対空火器の射程範囲の外部から投下されても、攻撃
目標まで十分到達することができる飛しょう距離の長い
爆弾を提案するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】第1の発明による飛しょ
う体は、機体が航空機から投下され所定の目標体に向け
て落下する推進装置を持たない飛しょう体において、前
記飛しょう体の胴体後方に設けられ飛しょう体の縦方向
と横方向の空力的静安定性を確保する安定翼と、前記飛
しょう体の胴体中央部に設けられ揚抗比を増加させる高
アスペクト比の主翼と、機体が前記航空機から投下され
る前に前記主翼を折りたたみ、機体が前記航空機から投
下された後に前記主翼を展開させるとともに、飛しょう
中のマッハ数と高度に基づいて機体の揚抗比が最適にな
るように前記主翼の後退角を変化させる展開機構とを備
えたものである。
【0009】また、第2の発明による飛しょう体は、前
記飛しょう体の胴体内部に設けられた飛しょう中の旋回
加速度を検出する加速度センサーと、前記加速度センサ
ーで検出された飛しょう中の旋回加速度検出値と爆弾の
投下時の初期条件とから飛しょう中の高度とマッハ数を
推定計算する計算機と、前記計算機により推定計算され
た飛しょう中の高度とマッハ数と前記加速度センサーに
より検出された飛しょう中の旋回加速度検出値とを検索
キーとして機体の揚抗比が最大になる前記主翼の後退角
を検索し、前記後退角検索値を制御目標値として指令信
号を発生するコントローラーとを備え、前記展開機構は
この指令信号に基づいて前記主翼の後退角を変化させる
アクチュエータを備えたものである。
【0010】また、第3の発明による飛しょう体は、前
記胴体前方に設けられ前記飛しょう体の飛しょう中の総
圧を計測するピトー管と、前記胴体壁面に設けられ前記
飛しょう体の飛しょう中の大気圧を計測する静圧孔と、
前記計算機内部に設けられ前記ピトー管により計測され
た総圧計測値と前記静圧孔により計測された大気圧計測
値とから実測値に基づいた飛しょう中の高度とマッハ数
の換算計算値を得る予備制御系統とを備えて成るもので
ある。
【0011】また、第4の発明による飛しょう体は、前
記展開機構に設けられ前記主翼の後退角を検出する角度
センサーと、前記角度センサーと前記コントローラーと
の間に設けられ前記角度センサーにより検出された前記
主翼の後退角検出値をコントローラーに送るフィードバ
ック信号線と、前記コントローラー内部に設けられ機体
の揚抗比が最大になる前記主翼の後退角の制御目標値と
前記主翼の後退角検出値との偏差量をもとにフィードバ
ック制御を行う閉ループ回路とを備えて成るものであ
る。
【0012】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1はこの発明の
実施の形態1を示す構成図であり、図1(a)は飛しょう
体である爆弾の機構を示す構成図であり、図1(b)は爆
弾の飛しょう中の様子を示した構成図であり、図におい
て1は爆弾、2は前記爆弾1の胴体、3は胴体2に設け
られた安定翼であり、4は高アスペクト比の主翼であ
り、5は胴体2中央部に設けられた主翼4の展開機構で
あり、6は展開機構5に設けられたアクチュエーターで
あり、7は胴体2内部に設けられた加速度センサーであ
り、8は胴体2内部に設けられた高度とマッハ数を計算
する計算機であり、9は投下母機と計算機8との間に設
けられたアンビリカルケーブルであり、10は胴体2内
部に設けられたコントローラーであり、アは気流、イは
胴体2と安定翼3の揚力、ウは胴体2と安定翼3の抗
力、ケは主翼4の揚力、コは主翼4の抗力、サは主翼4
の後退角でありその大きさをΛとする。図2はこの発明
の実施の形態1を示す説明図であり、図2(a)は爆弾の
揚抗比と飛しょう距離との関係を示す説明図であり、図
2(b)は爆弾の投下母機と目標体である攻撃目標との相
対位置関係を示す説明図であり、図において、エは図8
と同じ従来の爆弾の揚抗比であり、オは図8と同じ従来
の爆弾の飛しょう距離であり、カは図8と同じ爆弾の投
下母機であり、キは図8と同じ対空火器をもつ攻撃目標
であり、クは図8と同じ攻撃目標キの対空火器の射程範
囲であり、シは増加した爆弾1の揚抗比であり、スは増
加した爆弾1の飛しょう距離である。
【0013】まず図1(a)において、この発明の実施の
形態1の機構を説明する。図において、爆弾1は、従来
の爆弾と同様の構成部品である胴体2と、爆弾1が縦方
向と横方向のそれぞれで静的に安定な姿勢で飛しょうす
るための安定翼3の他に、高アスペクト比の主翼4を取
付けるが、主翼4においては、分割された左右翼とそれ
ぞれの翼根部で互いに連結された歯車とから成る展開機
構5により主翼4をスパンの長くなる方向に展開可能な
機構となっている。更に前記展開機構5には、主翼4の
翼根部の歯車に連結されたアクチュエータ6が設けられ
ており、アクチュエータ6はコントローラー10から主
翼4の後退角に関する所定の制御指令値を受け、主翼4
の後退角の大きさを逐次変化させることが可能な機構と
なっている。なお、図1において、モータの回転軸に直
結したウォームギアで主翼4の回転軸に直結したウォー
ムホイールを回転させ、このウォームホイールの回転に
応じて主翼4を回転させるようなアクチュエータ6の1
例を示しているが、アクチュエータ6としてはこれ以外
の他の駆動機構を用いても良い。
【0014】次に図1(a)及び図1(b)において、この発
明の実施の形態1の飛しょう中の様子を説明する。爆弾
1は母機に搭載されている段階では、図1(a)のごとく
主翼4を折り畳みコンパクトな外形形状にしておくが、
投下母機から投下される段階では、まず投下直前に、計
算機8は投下母機からアンビリカルケーブル9を介して
爆弾1の投下時の初期値情報を入手し、次に投下直後か
らは、加速度センサー7にて飛しょう中の旋回加速度の
検出を開始し、計算機8においては、前記爆弾1の投下
時の初期値情報と加速度センサー7にて検出した爆弾1
の旋回加速度検出値とから数2のごとき計算式により爆
弾1の飛しょう中の高度とマッハ数を刻々と推定計算し
続ける。
【0015】
【数2】
【0016】更に計算機8は、前記爆弾1の飛しょう中
の高度とマッハ数の推定計算値と加速度センサー7にて
検出した爆弾1の旋回加速度検出値の3つの信号を爆弾
1のマニューバー情報としてコントローラー10に送
り、コントローラー10においては、前記マニューバー
情報を検索キーとして、内部に組み込まれたデータベー
スと照合することにより、数3のごとく爆弾1の揚抗比
が最大になる主翼4の後退角目標値を検索し、更に前記
後退角目標値を制御指令値としてアクチュエータ6に送
信し、アクチュエータ6においては、主翼4の後退角を
図1(b)のごとく爆弾1の揚抗比が最大になる主翼4
の後退角目標値に変化させる。
【0017】
【数3】
【0018】爆弾1が主翼4を展開して飛しょうする
と、爆弾1は気流アを受け、胴体2と安定翼3で発生す
る揚力イ及び抗力ウの他に、高アスペクト比の主翼4で
新たな揚力ケ及び抗力コが発生するため、爆弾1の全機
としては、数4のごとき揚力L'(Λ)と、数5のごとき
抗力D'(Λ)を発生することになる。
【0019】
【数4】
【0020】
【数5】
【0021】したがって爆弾1の揚抗比k'(Λ)は数6
のごとく表され、主翼4を取付けることにより、揚抗比
k'(Λ)の大きさは従来の爆弾の揚抗比k0に比べ増加す
る。
【0022】
【数6】
【0023】数6に示す揚抗比k'(Λ)は、爆弾1の飛
しょう距離を決定するパラメータの一つであり、揚抗比
と飛しょう距離との間には、定性的には図2(a)のごと
き関係が成立するため、爆弾1の揚抗比がエからシに増
加すると、爆弾1の飛しょう距離はオからスに増加する
ことになる。爆弾1の飛しょう距離を十分増加させるこ
とにより、爆弾1の投下母機カは図2(b)のごとく攻撃
目標キの対空火器の射程範囲クの外部から爆弾1を投下
して、爆弾1を攻撃目標キに到達させることができる。
すなわち、爆弾1の投下母機カは攻撃目標キに備えられ
た対空砲や対空ミサイル等で迎撃されること無く、攻撃
目標を攻撃することができる。なお、攻撃目標に対する
命中精度を要する場合には、安定翼3を操舵翼にして、
所要の誘導装置を用いて爆弾を誘導制御すれば良い。
【0024】また、この発明の実施の形態1では、爆弾
1の揚抗比k'(Λ)が最大になるように主翼4の後退角
を制御しているため、主翼4の後退角を固定する場合と
比較して、爆弾1の飛しょう距離である射程をより延伸
することができる。
【0025】また、この発明の実施の形態1では、爆弾
が航空機に搭載されている間には、主翼を折り畳むこと
によりコンパクトな外形形状にしておくことができるた
め、爆弾の投下母機に対しては、搭載物抵抗を抑制する
他、爆弾搭載可能数を従来品相当分確保することができ
る。
【0026】実施の形態2.図3はこの発明の実施の形
態2を示す構成図であり、図3(a)は飛しょう体である
爆弾の機構を示す構成図であり、図3(b)は爆弾の飛し
ょう中の様子を示した構成図であり、図において1は爆
弾、2は前記爆弾1の胴体、3は胴体2に設けられた安
定翼であり、4は高アスペクト比の主翼であり、5は胴
体2中央部に設けられた主翼4の展開機構であり、6は
展開機構5に設けられたアクチュエーターであり、7は
胴体2内部に設けられた加速度センサーであり、8は胴
体2内部に設けられた計算機であり、9は投下母機と計
算機8との間に設けられたアンビリカルケーブルであ
り、10は胴体2内部に設けられたコントローラーであ
り、11は胴体2前方に設けられたピトー管であり、1
2は胴体2壁面に設けられた静圧孔であり、アは気流、
イは胴体2と安定翼3の揚力、ウは胴体2と安定翼3の
抗力、ケは主翼4の揚力、コは主翼4の抗力、サは主翼
4の後退角でありその大きさをΛとする。図4はこの発
明の実施の形態2を示す説明図であり、図において10
は図3(a)と同じコントローラーである。
【0027】まず図3(a)において、この発明の実施の
形態2の機構を説明する。図において、爆弾1は、従来
の爆弾と同様の構成部品である胴体2と、爆弾1が縦方
向と横方向のそれぞれで静的に安定な姿勢で飛しょうす
るための安定翼3の他に、高アスペクト比の主翼4を取
付けるが、主翼4においては、分割された左右翼とそれ
ぞれの翼根部で互いに連結された歯車とから成る展開機
構5により主翼4をスパンの長くなる方向に展開可能な
機構となっている。更に前記展開機構5には、主翼4の
翼根部の歯車に連結されたアクチュエータ6が設けられ
ており、アクチュエータ6はコントローラー10から主
翼4の後退角に関する所定の制御指令値を受け、主翼4
の後退角の大きさを逐次変化させることが可能な機構と
なっている。
【0028】次に図3(a)、図3(b)及び図4において、
この発明の実施の形態2の飛しょう中の様子を説明す
る。爆弾1は母機に搭載されている段階では、図3(a)
のごとく主翼4を折り畳みコンパクトな外形形状にして
おくが、投下母機から投下される段階では、まず投下直
前に、計算機8は投下母機からアンビリカルケーブル9
を介して爆弾1の投下時の初期値情報を入手し、次に投
下直後からは、加速度センサー7にて飛しょう中の旋回
加速度の検出を開始し、計算機8においては、前記爆弾
1の投下時の初期値情報と加速度センサー7にて検出し
た爆弾1の旋回加速度検出値とから数2のごとき計算式
により爆弾1の飛しょう中の高度とマッハ数を刻々と推
定計算し続ける。
【0029】また、爆弾1の飛しょう時の高度とマッハ
数を導く別系統の手段として、投下直後から、ピトー管
11及び静圧孔12にて飛しょう中の総圧と大気圧の計
測を開始し、計算機8においては、前記ピトー管11及
び静圧孔12にて計測した飛しょう中の総圧と大気圧の
計測とから数7のごとき計算式により爆弾1の飛しょう
中の高度とマッハ数を刻々と換算計算し続け、図4のご
とく万が一前記推定計算値が発散した場合には、本換算
計算値にて代用する。
【0030】
【数7】
【0031】更に計算機8は、数2あるいは数7のいず
れかによって求められた前記爆弾1の飛しょう中の高度
とマッハ数の計算値と、加速度センサー7にて検出した
爆弾1の旋回加速度検出値との3つの信号を爆弾1のマ
ニューバー情報としてコントローラー10に送り、コン
トローラー10においては、前記マニューバー情報を検
索キーとして、内部に組み込まれたデータベースと照合
することにより、数3のごとく爆弾1の揚抗比が最大に
なる主翼4の後退角目標値を検索し、更に前記後退角目
標値を制御指令値としてアクチュエータ6に送信し、ア
クチュエータ6においては、主翼4の後退角を図3
(b)のごとく爆弾1の揚抗比が最大になる主翼4の後
退角目標値に変化させる。
【0032】爆弾1が主翼4を展開して飛しょうする
と、爆弾1は気流アを受け、胴体2と安定翼3で発生す
る揚力イ及び抗力ウの他に、高アスペクト比の主翼4で
新たな揚力ケ及び抗力コが発生するため、爆弾1の全機
としては、数4のごとき揚力L'(Λ)と、数5のごとき
抗力D'(Λ)を発生することになる。したがって爆弾1
の揚抗比k'(Λ)は数6のごとく表され、主翼4を取付
けることにより、揚抗比k'(Λ)の大きさは従来の爆弾
の揚抗比k0に比べ増加する。数6に示す揚抗比k'(Λ)
は、爆弾1の飛しょう距離を決定するパラメータの一つ
であり、揚抗比と飛しょう距離との間には、定性的には
図2(a)のごとき関係が成立するため、爆弾1の揚抗比
がエからシに増加すると、爆弾1の飛しょう距離はオか
らスに増加することになる。爆弾1の飛しょう距離を十
分増加させることにより、爆弾1の投下母機カは図2
(b)のごとく攻撃目標キの対空火器の射程範囲クの外部
から爆弾1を投下して、爆弾1を攻撃目標キに到達させ
ることができる。すなわち、爆弾1の投下母機カは攻撃
目標キに備えられた対空砲や対空ミサイル等で迎撃され
ること無く、攻撃目標を攻撃することができる。なお、
攻撃目標に対する命中精度を要する場合には、安定翼3
を操舵翼にして、所要の誘導装置を用いて爆弾を誘導制
御すれば良い。
【0033】また、この発明の実施の形態2では、爆弾
1の揚抗比k'(Λ)が最大になるように主翼4の後退角
を制御しているため、主翼4の後退角を固定する場合と
比較して、爆弾1の飛しょう距離である射程をより延伸
することができる。
【0034】また、この発明の実施の形態2では、爆弾
が航空機に搭載されている間には、主翼を折りたたむこ
とによりコンパクトな外形形状にしておくことができる
ため、爆弾の投下母機に対しては、搭載物抵抗を抑制す
る他、爆弾搭載可能数を従来品相当分確保することがで
きる。
【0035】また、この発明の実施の形態2では、主翼
4の後退角目標値を得る上での検索キーとなる爆弾1の
飛しょう中の高度とマッハ数を計算する手段として、爆
弾1の投下時の初期値情報から推定計算する方法の他
に、実測値に基づいて換算計算する方法も予備系統で備
えているため、万が一前者の推定計算値が発散した場合
でも後者の換算計算値にて代用できるため、爆弾1の飛
しょう性能の信頼性の面で実施の形態1より優れてい
る。
【0036】実施の形態3.図5はこの発明の実施の形
態3を示す構成図であり、図5(a)は飛しょう体である
爆弾の機構を示す構成図であり、図5(b)は爆弾の飛し
ょう中の様子を示した構成図であり、図において1は爆
弾、2は前記爆弾1の胴体、3は胴体2に設けられた安
定翼であり、4は高アスペクト比の主翼であり、5は胴
体2中央部に設けられた主翼4の展開機構であり、6は
展開機構5に設けられたアクチュエーターであり、7は
胴体2内部に設けられた加速度センサーであり、8は胴
体2内部に設けられた計算機であり、9は投下母機と計
算機8との間に設けられたアンビリカルケーブルであ
り、10は胴体2内部に設けられたコントローラーであ
り、13は展開機構5に設けられた角度センサーであ
り、14は前記角度センサー13と前記コントローラー
10との間に設けられたフィードバック信号線であり、
アは気流、イは胴体2と安定翼3の揚力、ウは胴体2と
安定翼3の抗力、ケは主翼4の揚力、コは主翼4の抗
力、サは主翼4の後退角でありその大きさをΛとする。
図6はこの発明の実施の形態3を示す説明図であり、図
において6は図5(a)と同じアクチュエーターであ
り、10は図5(a)と同じコントローラーであり、1
3は図5(a)と同じ角度センサーであり、14は図5
(a)と同じフィードバック信号線である。
【0037】まず図5(a)において、この発明の実施の
形態3の機構を説明する。図において、爆弾1は、従来
の爆弾と同様の構成部品である胴体2と、爆弾1が縦方
向と横方向のそれぞれで静的に安定な姿勢で飛しょうす
るための安定翼3の他に、高アスペクト比の主翼4を取
付けるが、主翼4においては、分割された左右翼とそれ
ぞれの翼根部で互いに連結された歯車とから成る展開機
構5により主翼4をスパンの長くなる方向に展開可能な
機構となっている。更に前記展開機構5には、主翼4の
翼根部の歯車に連結されたアクチュエータ6が設けられ
ており、アクチュエータ6はコントローラー10から主
翼4の後退角に関する所定の制御指令値を受け、主翼4
の後退角の大きさを逐次変化させることが可能な機構と
なっている。
【0038】次に図5(a)、図5(b)及び図6において、
この発明の実施の形態3の飛しょう中の様子を説明す
る。爆弾1は母機に搭載されている段階では、図5(a)
のごとく主翼4を折り畳みコンパクトな外形形状にして
おくが、投下母機から投下される段階では、まず投下直
前に、計算機8は投下母機からアンビリカルケーブル9
を介して爆弾1の投下時の初期値情報を入手し、次に投
下直後からは、加速度センサー7にて飛しょう中の旋回
加速度の検出を開始し、計算機8においては、前記爆弾
1の投下時の初期値情報と加速度センサー7にて検出し
た爆弾1の旋回加速度検出値とから数2のごとき計算式
により爆弾1の飛しょう中の高度とマッハ数を刻々と推
定計算し続ける。更に計算機8は、前記爆弾1の飛しょ
う中の高度とマッハ数の推定計算値と加速度センサー7
にて検出した爆弾1の旋回加速度検出値の3つの信号を
爆弾1のマニューバー情報としてコントローラー10に
送り、コントローラー10においては、前記マニューバ
ー情報を検索キーとして、内部に組み込まれたデータベ
ースと照合することにより、数3のごとく爆弾1の揚抗
比が最大になる主翼4の後退角目標値を検索する。
【0039】また他方では、展開機構5に設けられた角
度センサー13にて実際の主翼4の後退角を検出し、前
記角度センサー13にて検出された主翼4の後退角検出
値をフィードバック信号線14を介してコントローラー
10に送信する。
【0040】コントローラー10においては、図6のご
とく前記主翼4の後退角目標値と前記主翼4の後退角検
出値との偏差量をもとにフィードバック制御を行う閉ル
ープを備えており、具体的には、前記主翼4の後退角目
標値と前記主翼4の後退角検出値との偏差量を数8によ
り計算し、前記偏差量を制御指令値としてアクチュエー
タ6に送信し、アクチュエータ6においては、主翼4の
後退角を図5(b)のごとく爆弾1の揚抗比が最大にな
る主翼4の後退角目標値に刻々と追従させる。
【0041】
【数8】
【0042】爆弾1が主翼4を展開して飛しょうする
と、爆弾1は気流アを受け、胴体2と安定翼3で発生す
る揚力イ及び抗力ウの他に、高アスペクト比の主翼4で
新たな揚力ケ及び抗力コが発生するため、爆弾1の全機
としては、数4のごとき揚力L'(Λ)と、数5のごとき
抗力D'(Λ)を発生することになる。したがって爆弾1
の揚抗比k'(Λ)は数6のごとく表され、主翼4を取付
けることにより、揚抗比k'(Λ)の大きさは従来の爆弾
の揚抗比k0に比べ増加する。数6に示す揚抗比k'(Λ)
は、爆弾1の飛しょう距離を決定するパラメータの一つ
であり、揚抗比と飛しょう距離との間には、定性的には
図2(a)のごとき関係が成立するため、爆弾1の揚抗比
がエからシに増加すると、爆弾1の飛しょう距離はオか
らスに増加することになる。爆弾1の飛しょう距離を十
分増加させることにより、爆弾1の投下母機カは図2
(b)のごとく攻撃目標キの対空火器の射程範囲クの外部
から爆弾1を投下して、爆弾1を攻撃目標キに到達させ
ることができる。すなわち、爆弾1の投下母機カは攻撃
目標キに備えられた対空砲や対空ミサイル等で迎撃され
ること無く、攻撃目標を攻撃することができる。なお、
攻撃目標に対する命中精度を要する場合には、安定翼3
を操舵翼にして、所要の誘導装置を用いて爆弾を誘導制
御すれば良い。
【0043】また、この発明の実施の形態3では、爆弾
1の揚抗比k'(Λ)が最大になるように主翼4の後退角
の大きさを制御しているため、主翼4の後退角を固定す
る場合と比較して、爆弾1の飛しょう距離、すなわち爆
弾1の射程をより延伸することができる。
【0044】また、この発明の実施の形態3では、爆弾
が航空機に搭載されている間には、主翼を折りたたむこ
とによりコンパクトな外形形状にしておくことができる
ため、爆弾の投下母機に対しては、搭載物抵抗を抑制す
る他、爆弾搭載可能数を従来品相当分確保することがで
きる。
【0045】また、この発明の実施の形態3では、主翼
4の後退角を制御するにあたり、機体の揚抗比が最大に
なる主翼4の後退角目標値と検出値との偏差量を小さく
するフィードバック制御を行っていることから、実際の
主翼4の後退角の後退角目標値に対する追従性や外乱に
対する対処能力が高く、爆弾1の揚抗比においては最大
値に近い状態で飛しょうできるため、結果として爆弾1
の飛しょう距離である射程の面で実施の形態1より優れ
ている。
【0046】
【発明の効果】第1、第2の発明によれば、航空機から
所定の目標体に向けて飛しょうする推進装置を持たない
爆弾などの飛しょう体において、一方では飛しょう体が
航空機に搭載されている間には、飛しょう体の搭載物抵
抗を抑制する他、飛しょう体搭載可能数を従来品相当分
確保しながら、他方では飛しょう体が目標体である攻撃
目標の対空火器の射程範囲の外部から投下されても、飛
しょう体は主翼の後退角を変えて揚抗比が最大に近い状
態で飛しょうしながら、目標体まで十分到達することが
できるため、結果として自機を損傷すること無く目標体
を攻撃することができる。
【0047】また、第3の発明によれば、第1の発明と
比べて飛しょう体の飛しょう性能の信頼性を向上でき
る。
【0048】また、第4の発明によれば、第1の発明と
比べて飛しょう体の射程をさらに延伸できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1を示す構成図であ
る。
【図2】 この発明の実施の形態1を示す説明図であ
る。
【図3】 この発明の実施の形態2を示す構成図であ
る。
【図4】 この発明の実施の形態2を示す説明図であ
る。
【図5】 この発明の実施の形態3を示す構成図であ
る。
【図6】 この発明の実施の形態3を示す説明図であ
る。
【図7】 従来の爆弾の構成図である。
【図8】 従来の爆弾の説明図である。
【符号の説明】
1 爆弾 2 胴体 3 安定翼 4 高アスペクト比の主翼 5 主翼4の展開機構 6 アクチュエーター 7 加速度センサー 8 高度とマッハ数を計算する計算機 9 アンビリカルケーブル 10 コントローラー 11 ピトー管 12 静圧孔 13 角度センサー 14 フィードバック信号線 ア 気流 イ 胴体2と安定翼3の揚力 ウ 胴体2と安定翼3の抗力 エ 従来の爆弾の揚抗比 オ 従来の爆弾の飛しょう距離 カ 爆弾の投下母機 キ 対空火器をもつ攻撃目標 ク 攻撃目標キの対空火器の射程範囲 ケ 主翼4の揚力 コ 主翼4の抗力 サ 主翼4の後退角 シ 増加した爆弾1の揚抗比 ス 増加した爆弾1の飛しょう距離

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機体が航空機から投下され所定の目標体
    に向けて落下する推進装置を持たない飛しょう体におい
    て、前記飛しょう体の胴体後方に設けられ飛しょう体の
    縦方向と横方向の空力的静安定性を確保する安定翼と、
    前記飛しょう体の胴体中央部に設けられ揚抗比を増加さ
    せる高アスペクト比の主翼と、機体が前記航空機から投
    下される前に前記主翼を折りたたみ、機体が前記航空機
    から投下された後に前記主翼を展開させるとともに、飛
    しょう中のマッハ数と高度に基づいて機体の揚抗比が最
    適になるように前記主翼の後退角を変化させる展開機構
    とを備えたことを特徴とする飛しょう体。
  2. 【請求項2】 前記飛しょう体の胴体内部に設けられた
    飛しょう中の旋回加速度を検出する加速度センサーと、
    前記加速度センサーで検出された飛しょう中の旋回加速
    度検出値と爆弾の投下時の初期条件とから飛しょう中の
    高度とマッハ数を推定計算する計算機と、前記計算機に
    より推定計算された飛しょう中の高度とマッハ数と前記
    加速度センサーにより検出された飛しょう中の旋回加速
    度検出値とを検索キーとして機体の揚抗比が最大になる
    前記主翼の後退角を検索し、前記後退角検索値を制御目
    標値として指令信号を発生するコントローラーとを備
    え、前記展開機構はこの指令信号に基づいて前記主翼の
    後退角を変化させるアクチュエータを備えたことを特徴
    とする請求項1記載の飛しょう体。
  3. 【請求項3】 前記胴体前方に設けられ前記飛しょう体
    の飛しょう中の総圧を計測するピトー管と、前記胴体壁
    面に設けられ前記飛しょう体の飛しょう中の大気圧を計
    測する静圧孔と、前記計算機内部に設けられ前記ピトー
    管により計測された総圧計測値と前記静圧孔により計測
    された大気圧計測値とから実測値に基づいた飛しょう中
    の高度とマッハ数の換算計算値を得る予備制御系統とを
    備えて成ることを特徴とする請求項1記載の飛しょう
    体。
  4. 【請求項4】 前記展開機構に設けられ前記主翼の後退
    角を検出する角度センサーと、前記角度センサーと前記
    コントローラーとの間に設けられ前記角度センサーによ
    り検出された前記主翼の後退角検出値をコントローラー
    に送るフィードバック信号線と、前記コントローラー内
    部に設けられ機体の揚抗比が最大になる前記主翼の後退
    角の制御目標値と前記主翼の後退角検出値との偏差量を
    もとにフィードバック制御を行う閉ループ回路とを備え
    て成ることを特徴とする請求項1記載の飛しょう体。
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