JP2001036340A - アンテナ装置 - Google Patents

アンテナ装置

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JP2001036340A
JP2001036340A JP2000066216A JP2000066216A JP2001036340A JP 2001036340 A JP2001036340 A JP 2001036340A JP 2000066216 A JP2000066216 A JP 2000066216A JP 2000066216 A JP2000066216 A JP 2000066216A JP 2001036340 A JP2001036340 A JP 2001036340A
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Japan
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antenna
horn
antenna device
width
waveguide
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JP2000066216A
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English (en)
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Toshihiro Teraoka
俊浩 寺岡
Koichi Ogawa
晃一 小川
Tomoya Maekawa
智哉 前川
Toshio Ishizaki
俊雄 石崎
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】簡単な構成維持して水平面内での広い放射特性
を確保する。 【解決手段】 アンテナ装置において、複数の指向性ア
ンテナ1a、1bを有し、指向性アンテナ1a、1bの
それぞれを、一方向に沿った同一軸上に位置しながら互
いの主放射方向が前記一方向と直交する方向に沿って位
置ずれした状態で配置することで、アレイファクタによ
る指向性の落ち込みの防止と、前記一方向に直交する平
面での放射特性を広げる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアンテナ装置にかか
り、特には、準ミリ波・ミリ波帯の無線通信システムに
おける基地局用アンテナとして使用されるアンテナ装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】現在の情報化社会における膨大な情報量
を効率よく、かつ高速に伝達するために、光ファイバを
敷設する試みもされてはいるが、敷設コストが高く、一
般家庭の通信料金におけるアクセス回線料金の占める比
率(固定料金部分)を押し上げる原因となる。
【0003】このような環境の下でミリ波帯を用いた無
線通信システムの構築(ローカル無線網WLL)が最近
注目されている。このシステムを利用することにより、
ユーザ宅までの回線敷設が不要になることや、あるエリ
アに限定した局地的なユニークなサービスを安く提供す
ることができる等の利点が得られる。
【0004】無線通信システムの構築において重要なこ
とは、1つの基地局においてどれだけ多くの端末ユーザ
をカバーし、多くの情報を高速に、かつ正確に伝達でき
るかであり、この問題に対する1つの回答としてアンテ
ナ装置の開発が急務となっている。
【0005】上記ミリ波帯を用いた無線通信システムに
おける基地局アンテナとしては、ホーンアンテナを用い
たアンテナ装置が検討されているが、広いサービスエリ
アをカバーするためには水平面内で広い放射特性を備え
たアンテナ装置が必要となる。
【0006】図19はホーンアンテナを用いた従来のア
ンテナ装置の1例を示している。このアンテナ装置を構
成するホーンアンテナ102は、アンテナ開口面102
aの幅寸法A1が導波管101の開口部101aの幅寸
法より大きい、いわゆる角錐型ホーンアンテナの形状を
備えている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ミリ波
帯の無線通信において、よく用いられるホーンアンテナ
は通常ビームを絞った高利得なアンテナとして使われる
ことが多く、その半値幅は一般的に狭い。
【0008】したがって、本発明の主たる目的は、簡単
な構成でありながら水平面内での広い放射特性を容易に
確保することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ためには、本発明は、要するに、アンテナ装置におい
て、複数の指向性アンテナを有し、前記指向性アンテナ
のそれぞれを、一方向に沿った同一軸上に位置しながら
互いの主放射方向が前記一方向と直交する方向に沿って
位置ずれした状態で配置している。この構成によれば、
各指向性アンテナから放射される電波が、少なくとも前
記一方向に沿った同一軸と合致した点を中心としながら
放射されるので、アレイファクタによる指向性の落ち込
みが発生することを防止できる。また、このアンテナ装
置における指向性は、指向性アンテナそれぞれの指向性
を合成したものとなるので、各指向性アンテナの主放射
方向を前記一方向に沿って位置ずれさせることで、前記
一方向に直交する平面での放射特性が広がる。
【0010】なお、前記一方向は、垂直方向であるのが
好ましく、そうすれば、水平面内での放射特性を広げる
ことができる。
【0011】なお、前記指向性アンテナそれぞれに電力
を分配して給電する分配回路を備えるのが好ましい。
【0012】この場合、 ・前記分配回路により、前記指向性アンテナのそれぞれ
に、振幅及び位相がともに同一の電力を給電する、 ・前記指向性アンテナのそれぞれに、振幅が同一であり
ながら位相の異なる電力を給電する、 ・前記指向性アンテナのそれぞれに、位相が同一であり
ながら振幅の異なる電力を給電する、 ・前記指向性アンテナのそれぞれに、振幅及び位相がと
もに異なる電力を給電する、ことにより、種々の指向性
を得ることができる。
【0013】なお、給電部導波管を有し、前記指向性ア
ンテナは、前記給電部導波管に接続されるホーンアンテ
ナであるのが好ましい。この場合、前記指向性アンテナ
の少なくともひとつを、そのアンテナ開口面幅が前記給
電部導波管の開口部の幅より狭くすることで、さらに半
値幅を広げることができる。
【0014】なお、前記一方向と直交する方向に沿って
配置された固定板を有し、前記指向性アンテナに、前記
一方向と直交する方向に平行な載置面を設け、この載置
面を前記固定板の表裏面上それぞれに当接させて、前記
指向性アンテナを前記固定板に設置するのが好ましい。
この場合、さらに、前記固定板に設置された前記指向性
アンテナそれぞれの主放射方向を自在に調節する取り付
け角度設定部を設けることで、ホーンアンテナからなる
指向性アンテナの角度を自由に設定することができるよ
うになる。
【0015】また、給電部導波管に接続されるホーンア
ンテナを有するアンテナ装置において、前記ホーンアン
テナのアンテナ開口面の幅が、前記給電部導波管の開口
部の幅より狭くすることで、その半値幅を広くすること
ができる。
【0016】この場合、前記ホーンアンテナの側面を、
前記給電部導波管の開口部からアンテナ開口面にかけて
先窄まりとなった斜面形状にすれば、大きな利得低下を
招くことなく、さらには、アンテナ内部容積を大きくす
ることなく、前記ホーンアンテナのアンテナ開口面の幅
を前記給電部導波管の開口部の幅より狭くすることがで
きる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。 (第1の実施の形態)本実施形態にかかるアンテナ装置
は、図1、図2で示すように、水平方向の指向性を有す
る指向性アンテナである第1のホーンアンテナ1aおよ
び第2のホーンアンテナ1bと、ホーンアンテナ1a,
1bのそれぞれに電力を分配して給電する分配回路2と
を備えている。
【0018】なお、本実施形態では、アンテナ装置の基
準方向となるひとつの方向として垂直方向を設定し、さ
らには、この一方向に直交する方向として水平方向を設
定しているが、これらの方向設定は、一例に過ぎず、他
のどの方向を上記一方向として設定してもよいのはいう
までもない。
【0019】ホーンアンテナ1a,1bそれぞれは、各
々の放射中心が垂直方向に沿った同一軸P上に配置され
ている。さらには、互いの主放射方向X,Yが水平方向
に沿って位置ずれした状態、つまり、主放射方向X,Y
同士が同一軸P上でもって交差した状態でこれらホーン
アンテナ1a,1bは上下に配置されている。
【0020】図1、図2ではホーンアンテナ1a,1b
の放射中心がアンテナ開口面上に存在するとしている
が、放射中心がアンテナ開口面よりも内側に存在してい
ることも多いので、実際的には、解析あるいは実験によ
ってホーンアンテナ1a,1bの放射中心を予め求めた
うえで重ね合わせ配置することが行われる。
【0021】ホーンアンテナ1a,1bそれぞれと分配
回路2とは給電線路3a,3bを介したうえで接続され
ており、分配回路2には無線機(図示省略)と接続され
た入出力端子4が設けられている。入出力端子4から分
配回路2へと入力された電力は分配回路2でもって分配
され、分配された電力は給電線路3a,3bを介してホ
ーンアンテナ1a,1bへと給電される。
【0022】本実施形態では、ホーンアンテナ1a、1
bをこのように配置しているのは次のような理由によっ
ている。従来の構成においては、複数のホーンアンテナ
を同一の水平面内に配置しようとしても、その物理的な
大きさの関係からホーンアンテナがぶつかり合い、各々
の放射中心同士を同一軸P上に配置することができな
い。そのため、いずれかひとつのホーンアンテナを同一
軸Pから位置ずれ配置せざる得ず、その結果、アレイフ
ァクタによる指向性の落ち込みが発生するのは避けられ
ない。
【0023】これに対して、本実施形態では、ホーンア
ンテナ1a,1bを同一軸P上に配置したうえで、垂直
方向に沿って位置ずれさせる。さらには、この状態で各
ホーンアンテナ1a、1bを、その主放射方向X、Yが
左右に振られるように各ホーンアンテナ1a、1bの水
平設置角度を設定する。
【0024】このような本実施形態の構成によれば、ホ
ーンアンテナ1a,1bそれぞれから放射される水平面
内における電波は、垂直方向に沿った同一軸Pと合致し
た点を放射中心として放射されるので、アレイファクタ
による指向性の落ち込みは有効に抑制される。さらに
は、主放射方向X,Yが水平方向に沿って位置ずれした
ホーンアンテナ1a,1bの指向性が合成されるので、
アンテナ装置全体として、水平面内での放射特性が広が
る。
【0025】本実施形態のアンテナ装置により、水平面
内の放射特性を120度の範囲で維持する必要がある場
合には、次のようにすればよい。すなわち、水平方向の
半値幅が60度となるホーンアンテナ1a,1bを用意
する。そして、これらホーンアンテナ1a、1bを垂直
方向に沿う同一軸P上においてその上下に配置する。そ
の際、ホーンアンテナ1a、1bをその放射中心が同一
軸Pに位置するように配置する。そのうえでさらに、ホ
ーンアンテナ1a,1bのそれぞれを各々の主放射方向
X,Yが60度だけ水平方向に位置ずれするように、水
平設定角度を設定する。
【0026】以上のホーンアンテナ1a、1bの配置構
造に対して、分配回路2を次のように構成する。分配回
路2としては例えば1:1のウィルキンソン電力分配回
路、つまり、振幅及び位相がともに同一の電力をホーン
アンテナ1a,1bの双方へと給電し得る分配回路2を
用いる。給電線路3a,3bとしては同一長さを有する
同軸ケーブルを用いる。これにより、ホーンアンテナ1
a,1bに、導波同軸変換器(図示省略)を介して同一
振幅かつ同一位相の電力を給電する。
【0027】以上の構成を有するアンテナ装置では、図
3で示すような水平方向の合成指向性5Aが得られる。
合成指向性5Aは、主放射方向X,Yが水平方向に沿っ
て位置ずれしたホーンアンテナ1a,1bの水平方向の
指向性6A,7Aを合成して構成される。この合成指向
性5Aによれば、水平面内での120度の範囲をカバー
するのに十分な放射特性が得られる。なお、図3中の符
号Pは同一軸を示しており、この同一軸Pは重ね合わせ
配置されたホーンアンテナ1a,1bの放射中心と合致
している。
【0028】このとき、ホーンアンテナ1a,1bの双
方に対して同一位相の電力を給電することで水平方向に
沿って強い放射特性を得ることができる。しかしなが
ら、例えば、給電線路3a,3bの長さを互いに相違さ
せることによってホーンアンテナ1a,1bのそれぞれ
に給電される電力の位相のみを異ならせることも可能で
ある。ホーンアンテナ1a,1bに対して給電される電
力の振幅が同一でありながら位相が互いに異なっている
場合には、水平方向よりも上方あるいは下方へと変位し
た方向に沿って広い放射特性を得ることができる。
【0029】さらに、1:1のウィルキンソン電力分配
回路に代えて1:n(n≠1)のウィルキンソン電力分
配回路、つまり、位相が同一でありながら振幅の異なる
電力をホーンアンテナ1a,1bに給電する1:nのウ
ィルキンソン電力分配回路を分配回路2として用いるこ
ともできる。このような分配回路2を用いたうえで給電
線路3a,3bの長さを同一とすれば、ホーンアンテナ
1a,1bに対して振幅の異なる電力を給電できて、図
4で示すような水平方向の合成指向性5Bが得られる。
【0030】図4に示す合成指向性5Bは、振幅の小さ
な電力が給電されたホーンアンテナ1aにおける主放射
方向Xに沿った放射の指向性6Bが弱くなる一方、振幅
の大きな電力が給電されたホーンアンテナ1bにおける
主放射方向Yに沿った放射の指向性7Bが強くなってい
る。このように、給電する電力の振幅を変化させること
により、合成指向性5Bを所望の形状として成形し得
る。
【0031】給電線路3a,3bの長さを相違させるこ
とによってホーンアンテナ1a,1bのそれぞれに給電
される電力の位相を異ならせることも可能である。振幅
及び位相がともに異なる電力を給電する場合には、水平
方向よりも上方あるいは下方へと変位した方向に沿って
広い放射特性が得られる。
【0032】図5で示すように、アンテナ開口面の大き
さが異なるホーンアンテナ1a',1b'を組み合わせて
アンテナ装置を構成することも可能である。アンテナ開
口面の大きさを相違させることで、指向性を任意に設定
することができる。すなわち、アンテナ開口面の幅を大
きくすると、水平方向の指向性が鋭くなって半値幅が狭
くなる。一方、アンテナ開口面の幅を小さくすると、水
平方向の指向性が鈍くなって半値幅が広くなる。この特
性を利用して、アンテナ開口面の大きさが異なるホーン
アンテナ1a',1b'同士を組み合わせることで、水平
面の放射特性を所望の形状とすることができる。
【0033】(第2の実施の形態)第1の実施の形態に
かかるアンテナ装置では、分配回路及び給電線路を介し
てホーンアンテナと無線機とが接続されているのに対
し、本実施形態にかかるアンテナ装置では、分配回路及
び給電線路に代わる導波管を用いてホーンアンテナと無
線機とを接続している。ここで、導波管は、ホーンアン
テナの各々に電力を分配して給電する機能を発揮して電
力損失の少ないものを用いる。
【0034】本実施形態にかかるアンテナ装置は、図6
で示すように、水平方向の指向性を有する第1のホーン
アンテナ1a及び第2のホーンアンテナ1bと、ホーン
アンテナ1a,1bのそれぞれに電力を分配して給電す
る導波管11Aとを備えている。ホーンアンテナ1a,
1bと、同一軸Pと、ホーンアンテナ1a、1bの主放
射方向X、Yとの間の配置関係は、第1の実施の形態と
同じであるのでここでの説明は省略する。
【0035】導波管11Aは、第1、第2の導波管路1
1a,11bを備えている。導波管路11a、11b
は、図7に示すように、ホーンアンテナ1a,1bそれ
ぞれに個別に接続されている。導波管路11a,11b
には、導波管E面T分岐13を介して導波管フランジ1
2が接続されている。導波管フランジ12は、無線機
(図示省略)との間に設けられた入出力端子である。
【0036】図7中、符号14はホーンアンテナ1a,
1bと接続される導波管フランジ、15は導波管Eベン
ト、16は導波管Hベントであり、導波管Hベント16
の曲がり角度はホーンアンテナ1a,1bそれぞれの配
置角度と対応付けられている。
【0037】本実施形態によれば、導波管11Aを介し
てホーンアンテナ1a,1bに給電される電力は同一の
振幅となり、ホーンアンテナ1a,1bに対して給電さ
れる電力の位相は、導波管路11a,11bそれぞれの
長さ、つまり、導波管E面T分岐13から導波管フラン
ジ14までの長さを変えることによって調整できる。
【0038】この構成によれば、ホーンアンテナ1a,
1bのそれぞれに対して同一位相の電力を給電すること
ができ、そのように調整したアンテナ装置では、図3で
示したのと同様の合成指向性5Aを得ることができる。
また、給電される電力の位相が互いに異なるように調整
することもでき、そのように調整したアンテナ装置で
は、水平方向よりも上方あるいは下方へと変位させた方
向に沿って広い放射特性を得ることができる。
【0039】本実施形態のアンテナ装置は図6、図7で
示す構成に限定されず、図8、図9で示すような構成と
してもよい。図8、図9のアンテナ装置は、導波管11
Bの構成に特徴がある。つまり、導波管11Bを構成す
る導波管フランジ12'の構造が図6、図7の構成と異
なり、さらには、導波管E面T分岐13、導波管Eベン
ト15、導波管Hベント16などの取り付け位置が図
6、図7の構成と若干異なる。以下、説明する。
【0040】図6、図7の構成では、ホーンアンテナ1
a,1bから電波が放射されるアンテナ前方方向に対し
ておおよそ平行となった平面に沿って導波管フランジ1
2が設けられている。これに対して、図8、図9の構成
では、上記アンテナ前方方向に対しておおよそ直交する
平面に沿って導波管フランジ12'が設けられている。
しかしながら、図8、図9に示すアンテナ装置の基本的
な構成及び作用は図6、図7で示したものと異ならな
い。そのため、図8、図9において、図6、図7と対応
する機器及び部分には同一符号を付し、ここでの詳しい
説明は省略する。
【0041】さらに、以上説明した導波管11A、11
Bに代えて、図10で示す導波管11Cを用いてもよ
い。この導波管11Cは、アンテナ開口面積の大きさに
よって給電される電力の振幅を変えることになる結合孔
17が形成されている。この導波管11を有するアンテ
ナ装置によっても図6、図7のものと同様の作用が得ら
れる。すなわち、この導波管11Cを用いる場合には、
ホーンアンテナ1a,1bのそれぞれに対し、位相が同
一でありながら振幅の異なる電力、あるいは、振幅及び
位相がともに異なる電力を給電し得る。そのため、水平
方向における指向性を所望の形状として成形することが
できる。
【0042】なお、第1、第2の実施の形態において
は、指向性アンテナをホーンアンテナとして、2個のホ
ーンアンテナを用いてアンテナ装置を構成しているが、
指向性アンテナがパッチアンテナなどであってもよい。
また、3個以上の指向性アンテナを用いることによって
アンテナ装置を構成してもよい。
【0043】(第3の実施の形態)本実施形態のアンテ
ナ装置は、図11に示すように、第1のホーンアンテナ
23と、第2のホーンアンテナ26とを備えている。ホ
ーンアンテナ23とホーンアンテナ26とは上下に配置
されており、それぞれ導波管21、24に接続されてい
る。
【0044】ホーンアンテナ23、26は次のように形
成されている。導波管21の開口部の中心21aとホー
ンアンテナ23のアンテナ開口面23aの中心23bと
を結ぶ線L1に対して、ホーンアンテナ23を構成する
筺体22の底面22aは平行に形成されている。同様
に、導波管24の開口部の中心24aとホーンアンテナ
26のアンテナ開口面26aの中心26bとを結ぶ線L
2に対して、ホーンアンテナ26を構成する筺体25の
上面25aは平行に形成されている。このように構成さ
れたホーンアンテナ23、26を、ホーンアンテナ23
を上にして配置し、さらには、これらホーンアンテナ2
3、26の間に固定板27を挿入配置する。そして、底
面22a、上面25aをそれぞれ固定板27の表裏面に
当接させて、ホーンアンテナ23、26を固定板27に
固定する。なお、この実施形態では、底面22a、上面
25aが固定板27に対する載置面となっている。
【0045】これにより、ホーンアンテナ23、26の
水平面の主放射方向X,Yは水平であり、かつ互いに平
行となっている。ホーンアンテナ23の導波管21と、
ホーンアンテナ26の導波管24とは、それぞれ給電線
路30a、30bによって分配回路31に接続されてい
る。なお、図中、符号Pは、ホーンアンテナ23、26
の放射の中心が配置された同一軸である。
【0046】固定板27に対するホーンアンテナ23、
26の取り付けを図12を参照して説明する。固定板2
7には、取り付け角度設定部を構成する案内溝28が設
けられている。案内溝28は円弧状に形成されており、
ホーンアンテナ23、26は案内溝28に対してネジ2
9でそれぞれ固定されている。そして、ネジ29を緩め
ることにより、放射の中心である同一軸Pを回転中心軸
とした状態で、ホーンアンテナ23とホーンアンテナ2
6とを任意に回転させることが可能となっている。これ
により、放射の中心である同一軸Pを固定した状態で、
ホーンアンテナ23の主放射方向Xとホーンアンテナ2
6の主放射方向Yとにより形成される放射角を任意に設
定することができる。
【0047】なお、案内溝28に対するホーンアンテナ
23、26の具体的な取り付けは例えば次のようにして
行う。すなわち、ネジ29を雄ネジと雌ネジとから構成
し、雄ネジを各ホーンアンテナ23、26に対して回転
不能に取り付ける。さらに、雄ネジの長手方向の中途部
に案内溝28の溝幅とほぼ同寸の角柱部を形成する。一
方、案内溝28は円弧状に形成する。このとき、円弧中
心に各ホーンアンテナ23、26の放射の中心である同
一軸Pが一致するように、案内溝28の曲率を設定す
る。そして、角柱部を案内溝28に挿入させて、案内溝
28が構成する円弧の径方向に沿ってホーンアンテナ2
3、26を配置する。そして、この状態で雄ネジの先端
に雌ネジを締め付ける。これにより、雌ネジとホーンア
ンテナ23、26とによって固定板27を挟み付けて、
ホーンアンテナ23、26を固定板27に固定する。そ
の際、案内溝28に角柱部が接しているので雄ネジは回
転せず、したがって、ホーンアンテナ23、26は回転
しない。このように構成することにより、ホーンアンテ
ナ23、26は、その放射の中心である同一軸Pが、揺
れ動くことなく固定させた状態で、ホーンアンテナ23
の主放射方向Xとホーンアンテナ26の主放射方向Yと
により形成される放射角を案内溝28の両端間の範囲内
において自由に設定することができる。
【0048】なお、固定板27はアクリル、ポリプロピ
レン等のような有機系または無機系の絶縁性材料を用い
ることが、より良好な放射特性を得る点から望ましい。
【0049】図13はホーンアンテナの他の取り付け例
を示している。この例におけるホーンアンテナ33、3
6は、1個のホーンアンテナを導波管の開口部の中心と
ホーンアンテナのアンテナ開口面の中心とを結ぶ線に沿
って上下に分断してなる1対のホーンアンテナからなる
構成となっている。ホーンアンテナ33は、第1の導波
管31に接続されている。ホーンアンテナ36は、第2
の導波管34に接続されている。そして、固定板37を
挟み、ホーンアンテナ33の底面と、ホーンアンテナ3
6の上面との間に固定板37を挟み付けている。なお、
固定板37に対するこれらホーンアンテナ33、36の
取り付け構造は、図11、図12と同様であり、ここで
はその詳細な説明は省略する。
【0050】この変形例では、各ホーンアンテナ33、
36の放射方向が若干上下に広がり、平行とはならない
ものの、放射の中心である同一軸Pを固定した状態で、
ホーンアンテナ33の主放射方向とホーンアンテナ36
の主放射方向とにより形成される放射角を任意に設定す
ることができる。
【0051】図14は本実施形態のアンテナ装置が形成
する指向特性を示す。ホーンアンテナ23(33)は、
主放射方向Xと指向性6Cとを有している。ホーンアン
テナ26(36)は、主放射方向Yと指向性7Cとを有
している。そして、主放射方向X、Yがθの角度で左右
に離れる位置にこれらホーンアンテナ23(33)、2
6(36)を配置している。ホーンアンテナ23(3
3)、26(36)をこのように配置することで、アン
テナ装置全体として、指向性6Cと指向性7Cとを合成
した半値幅の広い指向特性5Cを得ることができる。
【0052】なお、第3の実施の形態においては、給電
部導波管21(31)、24(34)の開口部の幅と、
アンテナ開口面23a(33a)、26a(36a)の
幅とが同一であるとしたが、図15に示すように、少な
くともいずれかひとつのアンテナ23(33)、26
(36)のアンテナ開口面23a(33a)、26a
(36a)の幅を給電部導波管21(31)、24(3
4)の開口部の幅より狭く形成して、水平面半値幅を広
くしてもよい。図15では、1例として、両方のアンテ
ナ23'、26'のアンテナ開口面23a、26aの幅を
給電部導波管21、24の開口部の幅より狭く形成して
いる。
【0053】このように本実施形態によれば、ホーンア
ンテナの放射特性における半値幅を効率よく広げたアン
テナ装置を得ることができる。
【0054】(第4の実施の形態)図16、図17に示
すように、本実施形態のアンテナ装置は、導波管41の
端部に接続されたホーンアンテナ42を有しており、こ
のホーンアンテナ42の構造に特徴がある。
【0055】従来のホーンアンテナ102は、図19に
示すように、アンテナ開口面102aの幅寸法A1が導
波管101の開口部101aの幅寸法よりも広い角錐形
状となっている。
【0056】これに対して、本実施形態では、図17A
に示すように、ホーンアンテナ42のアンテナ開口面4
2aの幅寸法A2が導波管41の開口部41aの幅寸法
wより狭くなっている。具体的には、ホーンアンテナ4
2を構成する筺体の左右側面42bを、導波管41の開
口部41aからアンテナ開口面42aにかけて先窄まり
となった斜面形状にすることで、アンテナ開口面42a
の幅A2を導波管41の開口部41aの幅wより狭くし
ている。
【0057】なお、アンテナ開口面42aの高さ寸法B
については、図17Bに示すように、導波管41の開口
部41aの高さ寸法hより大きくなっており、かつ、必
要とするシステムに最適な利得が得られるように次のよ
うに設計することができる。すなわち、ホーンアンテナ
42の長さ寸法RPに対して、B≒(2RPλ)
1/2(λ:使用周波数の空間波長)の式により得られる
高さ寸法Bとすることで、その利得を最適とすることが
できる。
【0058】このように本実施形態によれば、アンテナ
開口面42aの幅寸法A2を導波管41の開口部41a
の幅寸法wより狭くして先細りのテーパ形状とすること
により、水平面半値幅を広くしている。
【0059】本実施形態のアンテナ装置による半値幅の
拡大効果を測定した結果を説明する。ここでは、導波管
41の開口部41aの幅wが8.6mmであり、同高さ
hが4.3mmであり、アンテナ開口面42aの高さB
が50mmであり、同長さが100mmである条件で、
アンテナ開口面42aの幅A2を変えたときの半値幅θ
(deg)と利得(dBi)とを測定した。測定結果を
図18に示す。図18において、横軸は開口面42aの
幅A2を示し、縦軸は、半値幅θ(deg)および利得
(dBi)を示す。
【0060】図18より明らかなように、開口面42a
の幅A2を、開口部42aの幅w(8.6mm)と同等
である場合、半値幅θは64度程度にしか過ぎないが、
開口部42aの幅wを6.6mm程度まで絞り込むと、
半値幅θを80度程度まで広げることができる。なお、
開口部42aの幅wを6.6mm以上狭めても、半値幅
を80度以上に広げることはできず、反対に利得が急激
に減少してしまう。これは、導波管41のカットオフ周
波数の影響によるものと思われる。この測定結果によれ
ば、アンテナ開口面42aの幅A2と導波管41の幅w
との比(A2/w)を、A2/w=6.6/8.6程度
とすることで、導波管41のカットオフ周波数による利
得低下を抑制したうえで、大きな半値幅を得ることがで
きる。
【0061】なお、アンテナ開口面42aの幅を狭める
構成としては次のようなものも考えられる。すなわち、
アンテナ開口面42aの左右両端に、アンテナ開口面4
2aを遮蔽する遮蔽壁を設け、この遮蔽壁に電波吸収体
を貼り付けことで、アンテナ開口部42aの幅は狭める
ことができる。しかしながら、その場合には、電波吸収
体による損失で利得が低下するうえに、アンテナの内部
容積が大きくなってアンテナ装置の小型化の妨げになる
という不都合がある。これに対して、本実施形態では、
電波吸収体を設ける必要がないので、その分、利得の低
下を抑制できる。さらには、アンテナ内部容積が大きく
ならず、反対に小さくすることができるので、アンテナ
装置の小型化を促進できる。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
大きい半値幅を有する優れた放射特性を備えたホーンア
ンテナを得ることができ、一般家庭用電話へのサービス
を主体とする安価で高い情報密度を備えた情報伝達ネッ
トワークの構築に大きく寄与することができる。また、
アレイファクタによる指向性の落ち込みが発生すること
を有効に防止できる。したがって、簡単な構成でありな
がらも水平面内での広い放射特性を容易に確保すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態に従うアンテナ装
置の構成を示す側面図である。
【図2】 第1の実施の形態に従うアンテナ装置の平面
図である。
【図3】 第1の実施の形態に従うアンテナ装置の水平
方向における指向性を示す図である。
【図4】 第1の実施の形態の変形例に従うアンテナ装
置の水平方向における指向性を示す図である。
【図5】 第1の実施の形態のもう一つの変形例に従う
アンテナ装置の構成を平面図である。
【図6】 本発明の第2の実施の形態に従うアンテナ装
置の構成を示す平面図である。
【図7】 第2の実施の形態が有する導波管の構成を示
す斜視図である。
【図8】 第2の実施の形態の変形例に従うアンテナ装
置の構成を示す平面図である。
【図9】 第2の実施の形態が有する導波管の変形例の
構成を示す斜視図である。
【図10】 第2の実施の形態が有する導波管の他の変
形例の構成を示す斜視図である。
【図11】 本発明の第3の実施の形態に従うアンテナ
装置の構成を示す側面図である。
【図12】 第3の実施の形態に従うアンテナ装置の構
成を示す平面図である。
【図13】 第3の実施の形態の変形例に従うアンテナ
装置の構成を示す側面図である。
【図14】 第3の実施の形態に従うアンテナ装置の水
平方向における指向性を示す図である。
【図15】 第3の実施の形態の変形例に従うアンテナ
装置の構成を示す平面図である。
【図16】 本発明の第4の実施の形態に従うアンテナ
装置の構成を示す斜視図である。
【図17】 図17Aは、第4の実施の形態に従うアン
テナ装置の構成を示す平面図であり、図17Bは、第4
の実施の形態に従うアンテナ装置の構成を示す側面図で
ある。
【図18】 第4の実施の形態に従うアンテナ装置の半
値幅の測定結果を示す図である。
【図19】 従来のアンテナ装置の構成を示す斜視図で
ある。
【符号の説明】
1a、1b ホーンアンテナ 2 分配回路 3a、3b 給電線路 4 入力端子 6、7 放射の指向性 11A 導波管 21 導波管 22 筺体 22a 底面 23 第1のホーンアン
テナ 23a 開口面 23b 中心 24 導波管 25 筺体 25a 上面 26 第2のホーンアン
テナ 27 固定板 28 案内溝 29 ネジ 30a、30b 給電線路 31 分配回路 41 導波管 41a 導波管開口部 41a 開口部幅 42 ホーンアンテナ 42a アンテナ開口面 A1、A2 アンテナ開口面の幅寸法 B アンテナ開口面の高さ寸法 w 導波管開口面の幅寸法 h 導波管開口面の高さ寸法 Z 放射中心軸
フロントページの続き (72)発明者 前川 智哉 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 石崎 俊雄 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5J021 AA02 AA07 AA11 AB07 CA02 DA02 DA04 DA05 DA06 DB02 DB03 FA32 GA02 GA08 HA05 HA10 5J045 AA21 AB05 DA01 FA01 HA01 JA12 NA01

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の指向性アンテナを有し、 前記指向性アンテナのそれぞれを、一方向に沿った同一
    軸上に位置しながら互いの主放射方向が前記一方向と直
    交する方向に沿って位置ずれした状態で配置したアンテ
    ナ装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のアンテナ装置であっ
    て、 前記一方向は、垂直方向であるアンテナ装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のアンテナ装置であっ
    て、 前記指向性アンテナそれぞれに電力を分配して給電する
    分配回路を備えるアンテナ装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のアンテナ装置であっ
    て、 前記分配回路が、前記指向性アンテナのそれぞれに、振
    幅及び位相がともに同一の電力を給電するアンテナ装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載のアンテナ装置であっ
    て、 前記分配回路が、前記指向性アンテナのそれぞれに、振
    幅が同一でありながら位相の異なる電力を給電するアン
    テナ装置。
  6. 【請求項6】 請求項3に記載のアンテナ装置であっ
    て、 前記分配回路が、前記指向性アンテナのそれぞれに、位
    相が同一でありながら振幅の異なる電力を給電するアン
    テナ装置。
  7. 【請求項7】 請求項3に記載のアンテナ装置であっ
    て、 前記分配回路が、前記指向性アンテナのそれぞれに、振
    幅及び位相がともに異なる電力を給電するアンテナ装
    置。
  8. 【請求項8】 請求項1に記載のアンテナ装置であっ
    て、 給電部導波管を有し、前記指向性アンテナは、前記給電
    部導波管に接続されるホーンアンテナであるアンテナ装
    置。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載のアンテナ装置であっ
    て、 前記指向性アンテナの少なくともひとつは、そのアンテ
    ナ開口面幅が前記給電部導波管の開口部の幅より狭いア
    ンテナ装置。
  10. 【請求項10】 請求項8に記載のアンテナ装置であっ
    て、 前記一方向と直交する方向に沿って配置された固定板を
    有し、 前記指向性アンテナに、前記一方向と直交する方向に平
    行な載置面を設け、この載置面を前記固定板の表裏面上
    それぞれに当接させて、前記指向性アンテナを前記固定
    板に設置したアンテナ装置。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載のアンテナ装置であ
    って、 前記固定板に設置された前記指向性アンテナそれぞれの
    主放射方向を自在に調節する取り付け角度設定部を設け
    たアンテナ装置。
  12. 【請求項12】 給電部導波管に接続されるホーンアン
    テナを有するアンテナ装置であって、 前記ホーンアンテナのアンテナ開口面の幅が、前記給電
    部導波管の開口部の幅より狭いアンテナ装置。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載のアンテナ装置であ
    って、 前記ホーンアンテナの側面を、前記給電部導波管の開口
    部からアンテナ開口面にかけて先窄まりとなった斜面形
    状にすることで、前記ホーンアンテナのアンテナ開口面
    の幅を前記給電部導波管の開口部の幅より狭くしたアン
    テナ装置。
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