JP2001036314A - 無線通信システム及びこれと併設されるゴンドラ作業機 - Google Patents

無線通信システム及びこれと併設されるゴンドラ作業機

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JP2001036314A
JP2001036314A JP11206206A JP20620699A JP2001036314A JP 2001036314 A JP2001036314 A JP 2001036314A JP 11206206 A JP11206206 A JP 11206206A JP 20620699 A JP20620699 A JP 20620699A JP 2001036314 A JP2001036314 A JP 2001036314A
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JP
Japan
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antenna
gondola
building
wireless device
roof
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JP11206206A
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English (en)
Inventor
Kenji Uchida
賢志 内田
Shigeaki Ashikawa
栄晃 芦川
Tsutomu Yamashita
勉 山下
Keiji Ameno
恵二 飴野
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 建物屋上に設置したアンテナがゴンドラの移
動の邪魔になり、ゴンドラ作業の作業効率を低下させる
ことがないようにする。 【解決手段】 加入者無線装置のアンテナ140(屋外
装置130と一緒に)を建物10の屋上の角の部分に設
置する。ゴンドラ43が建物10の屋上の1つの角から
もう一方の角まで横方向に移動(同図の直線部の移動)
する際、加入者無線装置のアンテナ140が当該ゴンド
ラ43の移動経路上に存在しないため、従来のようにア
ンテナを回避するための煩雑な作業は不要となる。ま
た、ゴンドラ43が直線部を横方向に移動を続けて建物
屋上のもう一方の角に達した後、レール30の曲線部上
を移動する際も、該ゴンドラ43の移動がアンテナ11
1によって阻害されることは無い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無線装置のアンテ
ナを建物の屋上に設置して無線通信により情報を送受す
る無線通信システム及びこれと併設されるゴンドラ作業
機に関し、特に、上記アンテナの設置方法及び上記ゴン
ドラ作業機の構造の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】図10は、この種の無線通信システムの
一般的な構成例を示すブロック図である。この無線通信
システムは、リング状に接続される複数のノード装置1
00〔ベースノード装置(BN)100−1,リングノ
ード装置(RN1,2,3)100−2,100−3,
100−4〕と、該リング内のベースノード装置(B
N)100−1に接続されるセンタノード装置(CN)
200と、センタノード装置(CN)200に接続され
るネットワーク管理装置(NMS)300とにより構成
される。更に、センタノード装置(CN)200は、通
信網400に接続されている。
【0003】このシステムにおいて、各ノード装置10
0はそれぞれ無線装置(以下、加入者無線装置という)
110を有し、アンテナ140を介して相互に無線通信
を行うようになっている。これにより、リング内では、
任意のノード装置100間または各ノード装置100に
接続された通信端末(図示せず)間でデータ通信を行う
ことができる。
【0004】また、各ノード装置100からのデータは
ベースノード装置(BN)100−1を介してセンタノ
ード装置(CN)200に収集され、ネットワーク管理
装置(NMS)300により管理される。ネットワーク
管理装置(NMS)300は、この管理結果を基に各ノ
ード装置100を制御することが可能である。また、こ
の管理結果はセンタノード装置(CN)200から通信
網400を介して他のネットワークへ伝送することもで
きる。
【0005】ところで、この種のシステムの中には、各
ノード装置100の加入者無線装置110のアンテナ1
40間の見通し確保を確実なものにするため、該加入者
無線装置110のアンテナ140をビル等の建物の屋上
に設置するものがある。
【0006】一方、ビル等の建物の中には、建物の壁面
に対するシーリングや塗装等の作業、あるいは該壁面や
窓に対する清掃等の作業を行うゴンドラ設備が付設され
るものがある。
【0007】ゴンドラ設備が付設された建物の屋上に加
入者無線装置のアンテナを設置する場合、従来では、対
向側の加入者無線装置のアンテナとの見通しの確保を最
優先にしてアンテナ設置位置を自由に決めていた。
【0008】図11は、従来システムのアンテナとゴン
ドラ設備が併設された建物10の外観構造を示す概念図
である。同図において、ゴンドラ設備としては、先ず、
建物10の屋上にレール30が敷設され、該レール30
上にはゴンドラ懸吊器40が載置される。また、ゴンド
ラ懸吊器40からは懸吊バー41を介してケーブル42
が吊り下げられており、該ケーブル42の先端部にはゴ
ンドラ43が連結されている。
【0009】ゴンドラ43は、ケーブル43の巻き上げ
と巻き下げにより建物10の一側面に沿って垂直方向
(矢印A方向)に上下動でき、また、レール30上での
ゴンドラ懸吊器40の左右の移動に追従して横方向(矢
印B方向)にも移動できる。
【0010】ゴンドラ43内に搭乗した作業員50は、
ゴンドラ43に付属しているコントローラの操作により
ゴンドラ43を上下左右に自由に移動させつつ、対面す
る壁面や窓に対する清掃等の作業を行うことができる。
【0011】上記の如くに動くことができるゴンドラ設
備に対して、従来システムでは、建物10の屋上で、加
入者無線装置のアンテナ140を、アンテナ支持ポール
151によって、対向側の加入者無線装置のアンテナに
方位を向けて自由な位置に設置していた。
【0012】なお、同図において、130は加入者無線
装置の屋外装置であり、アンテナ140と一緒にアンテ
ナ支持ポール151に取り付けられている。すなわち、
加入者無線装置は、同図に示す屋外装置130とそのア
ンテナ140の他、建物10の内部に設置された屋内装
置(図示せず)を具備して構成されるものである。
【0013】上記従来のアンテナ設置方法では、建物1
0の屋上において、加入者無線装置のアンテナ140の
設置位置を自由に決めているため、該アンテナ140
が、ゴンドラ懸吊器40の懸吊バー41の通過位置に設
置されることもある。
【0014】この場合、ゴンドラ作業中の作業員50
は、ゴンドラ43がその進行方向前方にある上記アンテ
ナ140の設置位置に達したところで、ゴンドラ43を
引き上げて懸吊バー41ごとゴンドラ懸吊器40に収容
し、この状態でアンテナ140を通り過ぎる位置までゴ
ンドラ懸吊器40を移動させた後、再度、懸吊バー41
を延ばしてゴンドラ43を吊り下げるといった作業をア
ンテナ設置数に応じて再三繰り返す必要があり、ゴンド
ラ作業の効率が低下せざるを得なかった。
【0015】上記不都合を避けるためには、例えば、図
12に示す如く、アンテナ140をゴンドラ懸吊器40
の通過を妨げない位置(建物10の屋上の中央部より)
に設置すれば良いが、この場合には、ゴンドラ懸吊器4
0が右方向に移動を続けるうちに、アンテナ140の前
(点線で示す位置)を通ることになり、以下のような障
害をもたらすことになった。
【0016】すなわち、この種のシステムでは、ビル等
の建物10間で各加入者無線装置が無線対向通信を行う
ため、両加入者無線装置のアンテナ140の間に見通し
がとれていることが不可欠である。特に、ポイント・ツ
ウ・ポイント方式の無線通信システムでは、電波の周波
数が20GHz帯であるため、直接波による電波伝搬と
する必要がある。
【0017】かかる運用条件のシステムにおいて、図1
2に示した位置にアンテナ140を設置すると、該アン
テナ140の前をゴンドラ懸吊器40が通過する際に、
対向するアンテナとの直接波の見通しがとれなくなり、
電波障害によって無線品質が低下することになった。
【0018】これを回避するため、従来、建物10の屋
上に塔屋等を設け、この塔屋等の高い位置にアンテナ1
40を取り付け、ゴンドラ懸吊器40が屋外装置130
のアンテナ140の下を通るようにすることで、対向側
のアンテナと見通しをとり、直接波の電波で通信を行う
方法も考えられた。
【0019】しかしながら、この方法では、ゴンドラ設
備設置側の建物10屋上に塔屋等を設ける必要があり、
建物10の構造に制約がでてくることから実現は容易で
はなかった。
【0020】また、建物10の構造を変更せずに、アン
テナ支持ポール151を見通しがとれる位置まで高くす
る方法もあるが、この方法では、アンテナ140が風圧
で倒れないような充分な強度をアンテナ支持ポール15
1に持たせる必要があり、また、建物10に対する当該
ポール151の取付強度も強化する必要があった。
【0021】更に、この種のシステムでは、加入者無線
装置の屋外装置130とそのアンテナ140をビルの屋
上に設置するという性格上、屋外装置130への落雷に
対する対策が重要となる。
【0022】この落雷対策の観点から、従来システムに
おけるアンテナの設置方法を説明する。従来システムで
は、例えば図11に示す建物10の屋上において、加入
者無線装置のアンテナ140をアンテナ支持ポール15
1により支持していた。
【0023】具体的には、図13に示すように、建物1
0の屋上に立てた上記アンテナ支持ポール151に支持
プレート152を取り付けたうえで、該支持プレート1
52に対して更に屋外装置130とアンテナ140を一
緒に取り付けていた。屋外装置130は、建物10の内
部に設置される屋内装置(図示せず)と同軸ケーブル1
31によって接続されている。
【0024】一方、建物10の屋上には、図11に示す
ように、塔屋11上の避雷針マスト20に避雷針21が
立設されている。これにより、上述したアンテナ支持ポ
ール151を避雷針21の保護角内に立てるようにすれ
ば、加入者無線装置の屋外装置130への雷の直撃は避
けることができる。
【0025】しかしながら、避雷針21に落雷があった
場合には、以下のような問題点があった。すなわち、避
雷針21は、通常、避雷接地線でアースされると共に、
建物10の鉄骨鉄筋部に接続されている。この避雷針2
1に直撃雷を受けた場合、サージ電流の殆どが建物10
の鉄骨鉄筋部に流れて避雷接地線を通じて大地に逃げる
量はわずかとなる。逃げ切れなかったサージ電流は建物
10内に流れ込んで、その殆どが建物の外周部に流れ
る。
【0026】一方、図13に示すアンテナ設置構造にお
いて、屋外装置130の筐体は、支持プレート152の
屋外装置取付部分及びポール取付部分を通じてアンテナ
支持ポール151と接触しており、また、同軸ケーブル
131のコネクタ接栓部で屋外装置筐体の内部回路のア
ースと繋がっている。
【0027】つまり、図13に示すアンテナ支持構造で
は、加入者無線装置の屋外装置130は建物10と絶縁
された状態ではなかった。このため、上述した避雷針2
1への落雷時、大地に逃げ切れずに建物10の外周部に
回り込んだサージ電流が、誘導雷となって屋外装置13
0に流れ、屋外装置130の内部回路を損傷させる危険
性が高かった。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】このように、上記従来
システムでは、加入者無線装置のアンテナを対向側のア
ンテナとの見通しに配慮して建物屋上の自由な位置に設
置していたため、該建物に併設されるゴンドラの移動経
路上にアンテナが設置された場合には、該アンテナがゴ
ンドラの移動の邪魔になり、ゴンドラ作業の作業効率を
低下させるという問題点があった。
【0029】また、上記従来システムでは、加入者無線
装置のアンテナを建物屋上の自由な位置に設置していた
ため、該建物に併設されるゴンドラの移動自体の妨げと
はならないがその前をゴンドラが通過できるようにアン
テナが設置されることもあり、この場合には、移動中の
ゴンドラがアンテナの前を通過する際に、対向側のアン
テナとの間に直接波の見通しが確保できなくなり、電波
障害によって無線品質が低下するという問題点があっ
た。
【0030】また、上記電波障害を防止すべく、従来、
加入者無線装置のアンテナを、建物の屋上に設けた塔屋
等やアンテナ支持ポールを利用してゴンドラより高い位
置に設置する方法もあったが、前者の方法では、塔屋等
を建物屋上に設ける必要性から建物の構造に制約が生
じ、後者の方法では、アンテナ支持ポールを高いものに
するために、アンテナが風圧で倒れないような充分な強
度をアンテナ支持ポールに持たせたり、建物に対する当
該ポールの取付強度を強化する必要があり、いずれの方
法も容易に実現できないという問題点があった。
【0031】更に、上記従来システムでは、落雷対策と
して、加入者無線装置の屋外装置を避雷針の保護角内に
納まる位置にアンテナ支持ポールを介して支持するよう
にはしていたが、屋外装置が上記アンテナ支持ポールを
介して建物の外周部(鉄筋鉄骨部分)と接触していたた
め、避雷針に直撃雷を受けた場合、大地に逃げ切れずに
建物の外周部に回り込んだサージ電流が誘導雷となって
屋外装置の内部回路を損傷させる危険性が高いという問
題点があった。
【0032】本発明の目的は、建物屋上に設置したアン
テナがゴンドラの移動の邪魔になり、ゴンドラ作業の作
業効率を低下させることがないようにできる無線通信シ
ステムを提供することにある。
【0033】また、本発明の別の目的は、建物屋上に設
けたアンテナの前をゴンドラが通過する際に、対向側の
アンテナとの間に直接波の見通しが確保できなくなり、
電波障害によって無線品質が低下することを防止可能な
無線通信システム及びゴンドラ作業機を提供することに
ある。
【0034】また、本発明の更に別の目的は、建物屋上
に設置されたアンテナと対向するアンテナとの見通しを
確保するために、該アンテナを建物の屋上に設けた塔屋
等やアンテナ支持ポールを利用せずに容易に設置可能な
無線通信システムを提供することにある。
【0035】更に、本発明の他の目的は、避雷針に直撃
雷を受けた場合、建物の外周部に回り込んだサージ電流
が誘導雷となって屋外装置の内部回路を損傷させること
を防止可能な無線通信システムを提供することにある。
【0036】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、無線装置のアンテナを建物の屋
上に設置して無線通信により情報を送受する無線通信シ
ステムにおいて、前記無線装置は、前記無線装置のアン
テナを前記建物の屋上の角部分に設置して成ることを特
徴とする。
【0037】請求項2の発明は、無線装置のアンテナを
建物の屋上に設置して無線通信により情報を送受する無
線通信システムにおいて、前記無線装置のアンテナが、
前記建物屋上に設けたアンテナ支持ポールによって、前
記建物に併設されるゴンドラ設備より高くかつ対向する
無線装置の屋外装置のアンテナとの間の無線通信の見通
しが確保できる最低限の高さ位置に支持され、かつ誘電
体部材から成る防風フードにより包囲されて成ることを
特徴とする。
【0038】請求項3の発明は、無線装置のアンテナを
建物の屋上に設置して無線通信により情報を送受する無
線通信システムにおいて、前記無線装置は、前記無線装
置が前記建物の屋上に設置された避雷針マストの内部に
実装され、前記無線装置のアンテナが前記避雷針マスト
の外部に取り付けられて成ることを特徴とする。
【0039】請求項4の発明は、請求項3の発明におい
て、避雷針マストと前記無線装置及び前記アンテナ間に
絶縁部材を介挿せしめたことを特徴とする。
【0040】請求項5の発明は、建物の屋上に設置さ
れ、移動可能なゴンドラ懸吊器と、前記ゴンドラ懸吊器
より吊り下げられ、前記建物の壁面を上下に移動可能な
ゴンドラとから成るゴンドラ作業機において、前記ゴン
ドラ懸吊器または前記ゴンドラのうちの少なくともいず
れか一方が誘電体部材により構成されることを特徴とす
る。
【0041】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係わる無線通信シ
ステムの実施形態について添付図面を参照して詳細に説
明する。
【0042】本発明に係わる無線通信システムの基本構
成は図10に示したシステムと同様である。すなわち、
本発明に係わる無線通信システムは、複数のノード装置
(RN及びBN)をリング状に接続し、任意のノード装
置間または各ノード装置に接続された通信端末(図示せ
ず)間で通信を行うものであり、特に、各ノード装置間
の伝送路が無線回線により形成されるものである。
【0043】各ノード装置には、上記無線回線により無
線通信を行うための無線装置(以下、加入者無線装置と
いう)が含まれる。この加入者無線装置は、ビル等の建
物の屋内に設置する屋内装置と、該建物の屋上に設置す
る屋外装置とで構成され、屋外装置にはアンテナが備わ
る。屋外装置のアンテナは、対向する屋外装置のアンテ
ナとの間に見通しが確保できるように方位を定めて建物
屋上に設置される。
【0044】第1の発明では、加入者無線装置のアンテ
ナをビル等の建物の屋上に設置する場合、該建物屋上に
当該システムと共に併設されるゴンドラ設備の移動の妨
げとならないように当該アンテナを設置するものであ
る。
【0045】図1は、第1の発明に係わるシステムにお
ける加入者無線装置のアンテナ設置態様を示す概念図で
ある。図1において、ビル等の建物10の屋上には、塔
屋11が設けられ、その上には避雷針21を立設した避
雷針マスト20が取り付けられている。また、この建物
10の屋上には、例えば、図11に示すものと同様のゴ
ンドラ設備が併設されている。
【0046】このゴンドラ設備としては、先ず、建物1
0の屋上にレール30が敷設され、該レール30上には
ゴンドラ懸吊器40が載置される。ゴンドラ懸吊器40
からは懸吊バー41を介してケーブル42が吊り下げら
れており、該ケーブル42の先端部にはゴンドラ43が
連結されている。
【0047】ゴンドラ43は、ケーブル43の巻き上げ
と巻き下げにより建物10の一側面に沿って垂直方向
(矢印A方向)に上下動でき、また、レール30上での
ゴンドラ懸吊器40の左右の移動に追従して横方向(矢
印B方向)にも移動できる。
【0048】ゴンドラ43内に搭乗した作業員50は、
ゴンドラ43に付属しているコントローラの操作により
ゴンドラ43を上下左右に自由に移動させつつ、対面す
る壁面に対するシーリングや塗装等の作業、あるいは該
壁面や窓に対する清掃等の作業を行うことができる。
【0049】上記の如くに動くことができるゴンドラ設
備に対して、第1の発明に係わるシステムでは、図1に
示す如く、加入者無線装置のアンテナ140を、建物1
0の屋上の角の部分に設置する。その際、アンテナ14
0は、対向する加入者無線装置のアンテナ(図示しない
隣接する建物の屋上に設置される)との間に直接波によ
る見通しが確保できるような方位に向けられる。建物1
0の屋上の角の部分に設置するアンテナ140の数は、
システムの用途等に応じて、1つであっても複数であっ
ても良い。
【0050】第1の発明に係わるアンテナ140は、例
えば、図13に示すものと同等のアンテナ支持構造を用
いて設置することができる。すなわち、建物10の屋上
の角の部分にアンテナ支持ポール151を立て、このア
ンテナ支持ポール151に支持プレート152を取り付
けた後、更に、この支持プレート152に加入者無線装
置の屋外装置130及びアンテナ140を一緒に取り付
ければ良い。
【0051】図2は、図1における建物10を上空から
俯瞰した様子を示す概念図である。第1の発明では、加
入者無線装置のアンテナ140を建物10の角の部分に
設置したため、図2において、ゴンドラ43が建物10
の屋上の1つの角からもう一方の角まで横方向に移動
(同図の直線部の移動)する際、加入者無線装置のアン
テナ140が当該ゴンドラ43の移動経路上に存在しな
いため、その動きを妨げることはない。
【0052】これにより、第1の発明では、建物10の
屋上の自由な位置にアンテナ140を設置していた従来
システムのように、建物10の屋上を上述の如くにゴン
ドラ43を移動させる際、進行方向を塞ぐように設置さ
れているアンテナ140を回避するためにゴンドラ43
を、一旦、屋上のゴンドラ懸吊器40上まで回収し、該
アンテナ140を通過後、ゴンドラ43を再度吊り下げ
るといった面倒な作業が不要となる。
【0053】また、図2において、ゴンドラ43(点線
で示す)が直線部を横方向に移動を続けて建物屋上のも
う一方の角に達すると、ケーブル42を巻き上げてゴン
ドラ43をゴンドラ懸吊器40上に収容する。
【0054】この状態で、図2に実線で示すように、ゴ
ンドラ懸吊器40をレール30の局線部上を移動させ、
建物10の角部分を通過した位置で既に作業の終了した
側面に隣接する側面に対してゴンドラ43をゴンドラ懸
吊器40から再び吊り下げた状態に戻し、この位置から
もう一方の角まで上述と同様の方法によりゴンドラ43
を移動させつつ該側面の窓や壁面に対する清掃等の作業
を行う。
【0055】この場合においても、加入者無線装置のア
ンテナ140を建物10の角の部分に設置した第1の発
明では、建物10の角の部分(曲線部)におけるゴンド
ラ43の移動中に、該ゴンドラ43の移動がアンテナ1
40によって邪魔されることは無い。
【0056】以上の如く、第1の発明では、加入者無線
装置のアンテナ140を建物10の屋上の角の部分に設
置したため、ゴンドラ43がレール30に沿って左右に
移動する際、該アンテナ140がゴンドラ43の移動を
邪魔することはなく、ゴンドラ43を用いて建物10の
窓や壁面の清掃等の作業を行う場合、作業員50は、ア
ンテナ140が設置されていることを殆ど意識すること
なく当該作業を円滑に進めることができ、作業効率アッ
プに貢献できる。
【0057】また、第1の発明によれば、建物10の屋
上の角の部分に設置された加入者無線装置のアンテナ1
40の前をゴンドラ懸吊器40が横切ることがないた
め、ゴンドラ懸吊器40あるいはゴンドラ43に搭乗し
た作業員50の移動によって、対向側の加入者無線装置
のアンテナと見通しが遮られて電波障害が起こる事態も
回避できる。
【0058】また、アンテナ140側から見れば、ゴン
ドラ43が接触するまで近づいてこないため、当該アン
テナ140(及び屋外装置130)の増設や保守点検等
の作業を円滑に行うことができる。
【0059】次に、第2の発明について説明する。第2
の発明に係わる無線通信システムの基本構成も図10に
示したシステムと同様である。但し、図10に示すシス
テムは、複数のノード装置(RN及びBN)をリング状
に接続し、これらノード装置間を無線回線により接続し
たものであるが、第2の発明は、対向する2つのノード
装置のみを無線回線で接続したポイント・ツウ・ポイン
ト方式のものにも適用できるものである。
【0060】第1の発明でも述べた通り、この種のシス
テムでは、各加入者無線装置毎に建物の屋上にアンテナ
を設置する必要があるため、該アンテナの設置に際して
は、建物に併設されるゴンドラ設備との共存に配慮する
ことが重要である。
【0061】例えば、加入者無線装置のアンテナに関し
ては、対向側の加入者無線装置のアンテナとの間の見通
しが常にとれるようにする必要があるが、建物の壁面清
掃等の作業を行う作業員を搭乗させるゴンドラを吊り下
げるゴンドラ懸吊器が前を通り得る位置にアンテナを設
置した場合には、このゴンドラ懸吊器がアンテナの前を
通過する際に、対向する加入者無線装置のアンテナとの
間に見通しがとれなくなってしまうことがある。
【0062】このための対策として、ゴンドラ設備が併
設されている建物の屋上に塔屋等を設け、そのうえにア
ンテナを設置する方法もあるが、この方法では建物の構
造に制約が生じるため現実的ではなかった。
【0063】また、塔屋等の代わりに長めのアンテナ支
持ポールを用意してより高い位置にアンテナを設置する
方法もあるが、この方法では耐風性能等の観点からアン
テナ支持ポールの強度及び建物への取り付け強度を大幅
に増強する必要があり、コスト増等を招くなど、やはり
現実的ではなかった。
【0064】そこで、第2の発明では、塔屋等の構造物
や長大なアンテナ支持ポール等を用いることなく対向加
入者無線装置間のアンテナの見通しを良好に保つことを
目的として、以下の各方法を適用するものである。
【0065】第1の方法:ゴンドラ懸吊器がアンテナの
前を通過した際にも対向する加入者無線装置のアンテナ
との間の伝搬路の損失が最小限で済むような材質の部材
(例えば、誘電体部材)で当該ゴンドラ懸吊器を構成
(製造)する。
【0066】なお、変形例としては、アンテナとしてビ
ルの窓等に取り付ける平面アンテナが採用されたシステ
ムにおいて、ゴンドラ懸吊器から吊り下げられたゴンド
ラが該平面アンテナの前を通過する場合に配慮して、該
ゴンドラを上記ゴンドラ懸吊器と同部材(例えば、誘電
体部材)で構成する。
【0067】第2の方法:ゴンドラ設備が併設される側
の建物屋上のアンテナを、対向側の加入者無線装置のア
ンテナとの見通しのとれる最低限の高さに設置し、かつ
該アンテナを対向する加入者無線装置のアンテナとの間
の伝搬路の損失が最小限で済むような材質の部材(例え
ば誘電体部材)で包囲する。
【0068】まず、第1の方法について説明する。
【0069】図3は、第2の発明の一実施例に係わるシ
ステムの対向加入者無線装置間の無線通信路の見通し例
を示す概念図であり、対向加入者無線装置の一方の配置
拠点である建物10Aともう一方の加入者無線装置の配
置拠点である建物10Bとの位置関係を示したものであ
る。
【0070】図3において、建物10Aの屋上には、こ
の建物10Aを設置拠点とされた加入者無線装置のアン
テナ140Aが設置されるとともに、ゴンドラ設備も併
設されている。一方、建物10Bの屋上には、該建物1
0Bを設置拠点とされた加入者無線装置のアンテナ14
0Bが設置されている。
【0071】建物10Aの屋上において、加入者無線装
置のアンテナ140Aは、例えば、図13に示すような
支持構造により塔屋等を利用せずに設置されている。こ
のアンテナ140Aの設置位置はゴンドラ設備の1つで
あるレール30の内側であり、これにより、ゴンドラ懸
吊器40Aが該アンテナ140Aの前を通過し得るよう
になっている。
【0072】本実施例では、上記設置態様のアンテナ1
40Aに対し、その前を通過可能なゴンドラ懸吊器40
Aが誘電体の部材を用いて構成される。このゴンドラ懸
吊器40を構成する誘電体部材としては、例えば、ガラ
スやプラスチック等が挙げられる。
【0073】この実施例に係わるシステムの場合、建物
10Aの屋上において、ゴンドラ懸吊器40Aがアンテ
ナ140Aの前を横切らない状態の時(図3参照)、該
アンテナ140Aと対向側の加入者無線装置のアンテナ
140B間が直接波を送受し得るような見通しが確保さ
れている。
【0074】例えば、ポイント・ツウ・ポイント方式の
無線アクセス系システムでは、見通しの直接波による対
向通信を行うため、図3に示すように、ゴンドラ懸吊器
40Aがアンテナ140Aの前にない場合は、直接波の
電波障害は発生しない。従って、この場合には、アンテ
ナ140Aと対向するアンテナ140B間の電波伝搬損
失も少ない。
【0075】この実施例に係わるシステムの直接波見通
し可能時の電波伝搬損失について図4を参照して説明す
る。
【0076】図4は、図3におけるアンテナ140Aと
対向するアンテナ140B間の無線区間を側面から見た
概念図であり、特に、両アンテナ140A,140B間
にゴンドラ懸吊器40Aが介在せずに直接波の見通しが
とれている時の様子を示している。
【0077】この場合における直接波の電波伝搬損失
(Γ)は、次式で表される。 Γ=10log(4πd/λ)…… (1) 但し、λ=c/f c:光速〔3×10(m/s)〕 d:伝搬距離(m) f:周波数(Hz) λ:電波の波長(m) 無線アクセス系システムのポイント・ツウ・ポイント方
式の周波数は20GHz帯であるため、上記直接波の伝
搬損失により受信電力が決まる。この自由空間損失は大
気中の伝搬のため、空気や水蒸気による吸収損失あるい
は雨による散乱損失なども考えられるが、晴天の場合と
して考えるものとする。
【0078】ところで、この実施例では、建物10Aに
おいてアンテナ140Aに対して図3に示す配置関係を
持つゴンドラ設備が付設されることで、例えば、ゴンド
ラ43が建物10Aの側面の中央部に移動して窓や壁面
に対する清掃等の作業を行う場合、ゴンドラ懸吊器40
Aがアンテナ140Aの前に位置することになる。
【0079】この場合、従来システムのように、ゴンド
ラ懸吊器40Aが導電体の材質から構成されていると、
電波は透過されず、大部分は反射し、一部は吸収されて
しまい、アンテナ140Aと対向側のアンテナ140B
間の直接波による見通しがとれなくなる。
【0080】これに対し、本実施例では、ゴンドラ懸吊
器40Aがガラスやプラスチック等の誘電体の部材によ
って構成されているため、電波が誘電体空間を伝搬する
ことにより、直接波の伝搬損失を低減できる。
【0081】ゴンドラ懸吊器40Aを構成する誘電体部
材の材質については、比誘電率(εγ)の低いものほど
良い。例えば、発泡シートでは比誘電率は1.23であ
り、ガラスエポキシ材質では比誘電率が3.5程度せる
ため、前者の方がより好ましい。
【0082】なお、ゴンドラ懸吊器40Aを誘電体の部
材で構成した場合には、当該部材の厚さ(l)が電波の
減衰特性に影響し、あまり厚すぎると減衰も増える。す
なわち、本実施例の如くの無線アクセス系システムと併
設されるゴンドラ43の材質に関しては、比誘電率が小
さく、材質の厚さが薄く、均一である誘電体部材が好ま
しい。このように、本実施例では、誘電体の部材の厚さ
(l)も1つのパラメータとし、機械的強度との関係を
にらんでゴンドラ懸吊器40Aの構造を決定することが
望ましい。
【0083】以上の如く、本実施例では、ゴンドラ懸吊
器40Aを誘電体部材により構成したため、ゴンドラ懸
吊器40Aがアンテナ140Aと対向側のアンテナ14
0B間の直接波を遮る位置にあっても見通しを確保でき
る。従って、このゴンドラ懸吊器40Aと併設するアン
テナ140Aをあえてゴンドラ懸吊器40Aより上に設
置する必要はなく、アンテナ140Aを上記高さに保持
するために建物10の屋上に塔屋等の構造物を新設する
必要が無い。
【0084】また、誘電体部材として例えばプラスチッ
クを用いてゴンドラ懸吊器40Aを構成する場合には、
軽量化、加工の容易性、低コスト化の面でのメリットが
期待できる。
【0085】なお、本実施例に係わるシステムは、建物
10Aの屋上にアンテナ140Aを設置するものである
が、この種のシステムの中には、屋外装置のアンテナと
して、例えば、図5に示すように、建物10Aの側面の
窓に取り付けた平面アンテナ145を採用するものもあ
る。
【0086】この方式のシステムの場合、ゴンドラ作業
中、ゴンドラ懸吊器40から吊り下げられたゴンドラ4
3Aが上記平面アンテナ145の前を通過し、対向側の
アンテナ(図示せず)との直接波の見通し内に介在する
場合がある。
【0087】かかるシステムにおいて、ゴンドラ43A
が導電体で構成されている場合、図3に示したアンテナ
屋上設置型のシステムにおいて導電体で構成されたゴン
ドラ懸吊器40Aがアンテナ140Aの前に位置した場
合と同様の電波障害を生じる危険性が高い。
【0088】そこで、第1の実施例の変形例として、図
5に示すように平面アンテナ145を採用したシステム
と併設されるゴンドラ設備のうち、ゴンドラ43Aを誘
電体部材で構成することが考えられる。この誘電体部材
としては、第1の実施例のゴンドラ懸吊器40Aを構成
したものと同じ部材を用いることができる。
【0089】図5に示すシステムにおいて、ゴンドラ4
3Aを誘電体部材で構成すると、このゴンドラ43Aが
平面アンテナ145の前を通過する際も、電波が誘電体
空間を伝搬することにより、直接波の伝搬損失を低減で
きる。
【0090】次に、第2の方法について説明する。
【0091】図6は、第2の発明の他の実施例に係わる
システムの対向加入者無線装置間の無線通信路の見通し
例を示す概念図である。特に、同図は、対向加入者無線
装置の一方の配置拠点である建物10Aともう一方の加
入者無線装置の配置拠点である建物10Bとの位置関係
を側面から見た様子を示したものである。
【0092】図6において、建物10Aの屋上には、先
に述べた実施例におけるものと同様の構造を有するゴン
ドラ設備(図3参照)が設けられている。また、この建
物10Aの屋上には、当該建物10Aを設置拠点とされ
た加入者無線装置のアンテナ140Aが屋外装置130
Aとともに併設されている。一方、建物10Bの屋上に
は、該建物10Bを設置拠点とされた加入者無線装置の
アンテナ140Bが屋外装置130Bと共に設置されて
いる。
【0093】図6からも分かるように、この実施例で
は、ゴンドラ設備設置側の建物10Aの屋上において、
該建物10Aを設置拠点とされた加入者無線装置のアン
テナ140Aが、アンテナ支持ポール155によって、
対向側のアンテナ140Bと直接波の見通しのとれる最
低限の高さに設置されている。
【0094】更に、この実施例では、上記アンテナ支持
ポール155に例えば円筒形状のフード60を取り付
け、対向側のアンテナ140Bとの見通しがとれる高さ
に保持したアンテナ140Aを当該フード60で覆う構
造としている。このフード60は、例えば、先に述べた
実施例でゴンドラ43を構成するために用いたものと等
々の誘電体部材で構成される。
【0095】上記の如くアンテナ設置方法を採用した本
実施例によれば、アンテナ140Aがアンテナ支持ポー
ル155によってゴンドラ43よりも上方に配置されて
いるため、ゴンドラ43の通過によって該アンテナ14
0Aと対向側のアンテナ140B間の直接波の見通しが
とれなくなることはない。
【0096】また、本実施例では、アンテナ140Aは
誘電体部材によって成るフード60で包囲されているこ
とから、先の実施例で述べた如くの理由で、当該フード
60によって、アンテナ140Aと対向側のアンテナ1
40Bとの直接波の電波伝搬損失が著しく増大すること
はない。
【0097】従って、この実施例では、ゴンドラ43の
位置に係わらず、アンテナ140A,140B間の無線
品質を常に良好に保つことができる。
【0098】ところで、本実施例では、ゴンドラ設置側
の建物10Aの屋上において、アンテナ140Aが、対
向側のアンテナ140Bと直接波の見通しがとれるよう
に、例えば図11,図12に示すシステムより更に高い
位置に設置されている。
【0099】ここで、建物10Aが高層であればある
程、その屋上付近で高さが少し高くなっただけでアンテ
ナ140Aに対する風圧が格段に強くなるため、アンテ
ナ140Aの配置位置が高くなった場合、通常であれ
ば、アンテナ支持ポール155の強度を増強し、更には
該アンテナ支持ポール155の建物10Aに対する取り
付け強度も強化する必要がある。
【0100】しかしながら、本実施例では、アンテナ支
持ポール155に支持されたアンテナ140Aを誘電体
部材によって成るフード60で覆うようにしたため、こ
のフード60が風防機能として働く。このため、アンテ
ナ支持ポール155の強度や建物10Aに対する取り付
け強度も最小限の補強で済み、該アンテナ支持ポール1
55を安価なもので実現できる。
【0101】なお、フード60の形状は、図5に示した
円筒形のものに限るものではなく、上述した耐風性を満
足するものであれば、四角形や多角形の筒形等、種々の
形状のものを採用できる。
【0102】次に、第3の発明について説明する。この
種のシステムでは、各加入者無線装置の屋外装置を建物
の屋上に設置するという性格上、安定したシステム運用
のためには、この屋外装置に対する落雷対策が必要とな
る。
【0103】第3の発明では、上記落雷対策として、加
入者無線装置の屋外装置を建物に設置される避雷針マス
トの内部に実装し、該屋外装置のアンテナを避雷針マス
トの外部に設けたものである。
【0104】図7は、第3の発明に係わるシステムの加
入者無線装置の屋外装置130を実装した避雷針マスト
20Aの外観構造を示す図であり、図8は該避雷針マス
ト20Aの側面断面構成を示す概念図である。
【0105】図7及び図8からも分かるように、避雷針
マスト20Aは、例えば、図1に示した建物10の屋上
に設けられる塔屋11の上に取り付けられ、その頂上部
には避雷針21が立設されている。なお、避雷針21
は、図8に示すように、避雷接地線163によりアース
される(大地に接続される)とともに、建物10の鉄骨
鉄筋部にも接続されている。
【0106】避雷針マスト20Aは、図8に示す如く、
中空の導電性部材から成り、その内部には、この建物1
0を設置拠点とされた加入者無線装置の屋外装置130
が実装される。加入者無線装置の構成要素としては、こ
の他、屋外装置130のアンテナ141と、建物10の
内部に設置される屋内装置120とがある。
【0107】アンテナ141は、避雷針マスト20Aの
周面所定位置に設けられる貫通孔を通して避雷針マスト
20Aの外部に突設して設けられる。このアンテナ14
1の取付位置は、図7に示す如く、避雷針21の保護角
範囲内となっている。
【0108】一方、避雷針マスト20Aの内部では、図
8に示す如く、屋外装置130が同軸導波管161を介
して上記アンテナ141の頸部と接続されている。ま
た、屋外装置130は、同軸ケーブル162を介して屋
内装置120に接続される。
【0109】また、上記貫通孔内では、アンテナ141
の頸部との間に絶縁部材171が介挿されている。同様
に、避雷針マスト20Aの内周面と屋外装置130との
間にも絶縁部材172が介挿されている。
【0110】絶縁部材171と172は、避雷針マスト
20Aとアンテナ141間、及び避雷針マスト20Aと
屋外装置130間にそれぞれ絶縁強化のためのギャップ
を形成するという意味で、適度な厚みを持ったもので構
成することが望ましい。
【0111】図9(a),(b)は、それぞれ絶縁部材
171,172の構造を周辺要素と共に示す図である。
図9(b)によれば、屋外装置130は円筒形の形状を
成し、避雷針マスト20Aの内周面に沿って隙間無く収
容できる構造となっている。
【0112】上記構造を有する避雷設備に対し、避雷針
21に落雷があった場合、その際のサージ電流は避雷接
地線163と建物10の鉄骨鉄筋部を流れて大地に逃が
される。また、この時、逃げ切れなかったサージ電流
は、建物10の外周部の柱や壁に流れることになる。
【0113】このことから、加入者無線装置を落雷から
保護するためには、該加入者無線装置を建物10から絶
縁することが有利であることが分かる。この点に関し、
第3の発明では、避雷針マスト20Aの外部に取り付け
たアンテナ141と避雷針マスト20Aの内部の同軸導
波管161との接続部分において、これらアンテナ14
1及び同軸導波管161と避雷針マスト20Aとを絶縁
部材171により絶縁している。また、屋内装置130
を絶縁部材172を介して避雷針マスト20Aから絶縁
した状態で当該避雷針マスト20A内部に実装してい
る。
【0114】以上の構造により、加入者無線装置(屋外
装置130,アンテナ141,屋内装置120)を、落
雷時のサージ電流の影響を受けないように保護すること
ができる。なお、避雷針マスト20Aの外部に設けたア
ンテナ141は、図7に示す如くように避雷針21の保
護角の範囲内に存在するため、直撃雷によって損傷を受
けることはない。
【0115】この他、加入者無線装置を落雷時のサージ
電流の影響を受けることのないように建物10から絶縁
するには、図8に示す避雷針マスト20Aの内部に絶縁
部材を充填する構造としても良い。
【0116】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、無線装置のアンテナを建物の屋上の角に設置し
たため、建物の壁面清掃等の作業を行うゴンドラをアン
テナによって邪魔されることなく左右に自由に動かすこ
とができ、ゴンドラ作業の作業効率をアップできる。ま
た、建物の屋上の角の部分にアンテナを設置したこと
で、該アンテナの前を作業員が通って対向するアンテナ
間の電波通路を遮るといったことがなくなるため、ゴン
ドラ作業、あるいはアンテナの増設や保守点検の作業に
際しても、無線回線の品質を良好に維持できる。
【0117】また、請求項2の発明によれば、ゴンドラ
設備設置側の無線装置のアンテナをアンテナ支持ポール
を用いて上記ゴンドラ設備より高い位置(対向するアン
テナとの見通しがとれる最低限の高さ)に設置し、かつ
誘電体部材によって成る防風フードで覆うようにしたた
め、長めのアンテナ支持ポールを使用する必要があるも
のの、上記フードが風防機能を果たすため、高所の風圧
に対するアンテナ支持ポールの強度や建物に対する取り
付け強度の強化も最小限に抑えることができ、コスト低
減が図れる。
【0118】また、請求項2の発明において、建物の壁
面清掃等の作業を行うためのゴンドラ設備のうちの例え
ばゴンドラ懸吊器を誘電体の部材で構成しても良い。す
なわち、請求項2の発明において、請求項5に係わるゴ
ンドラ作業機を適用した場合には、ゴンドラ懸吊器が無
線装置のアンテナの前を通過し対向するアンテナとの見
通し内に入った場合にも直接波を反射または吸収してし
まうことが無く電波障害を生じないため、該ゴンドラ懸
吊器が見通し内に入ることを避けるためにアンテナをわ
ざわざ屋上の塔屋等に設置したり、長いアンテナ支持ポ
ールを用いてより高い位置に設置する必要が無くなり、
建物の屋上に塔屋等を新設するといった構造上の制約を
受けることなくアンテナを設置でき、また、高所での風
圧に対するアンテナ支持ポールの強度や建物に対する取
り付け強度を増強する必要も無くなる。
【0119】また、請求項3及び4の発明によれば、無
線装置の屋外装置を避雷針マスト内部に実装し、かつア
ンテナを避雷針マストの外部に取り付けると共に、避雷
針マストと屋外装置及びアンテナとを絶縁した構造とし
たため、落雷時に大地等に逃げ切れなかったサージ電流
が建物の外周部を通じて無線装置に流れ込み、内部回路
に悪影響を及ぼす危険性を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明に係わるシステムのアンテナ設置態
様を示す概念図。
【図2】図1における建物10を上空から俯瞰した様子
を示す概念図。
【図3】第2の発明の一実施例に係わるシステムの対向
加入者無線装置間の無線通信路の見通し例を示す概念
図。
【図4】図3におけるアンテナ140Aと対向するアン
テナ140B間の無線区間を側面から見た概念図。
【図5】図3におけるシステムの変形例としてのシステ
ムのアンテナ設置態様とゴンドラ作業の関係を示す概念
図。
【図6】第2の発明の他の実施例に係わるシステムの対
向加入者無線装置間の無線通信路の見通し例を示す概念
図。
【図7】第3の発明に係わるシステムの加入者無線装置
の屋外装置を実装した避雷針マストの外観構造を示す
図。
【図8】図7における避雷針マストの側面断面構成を示
す概念図。
【図9】図8における絶縁部材171,172の構造を
周辺要素と共に示す図。
【図10】各ノード装置を無線通信路で接続して成る無
線通信システムの構成例を示す図。
【図11】従来システムのアンテナとゴンドラ設備が併
設された建物の外観構造を示す図。
【図12】従来システムにおけるアンテナ設置態様とゴ
ンドラ設備の移動態様を示す概念図。
【図13】従来システムにおけるアンテナ支持構造の具
体例を示す図。
【符号の説明】
10,10A,10B 建物 11 塔屋 20,20A 避雷針マスト 21 避雷針 30 レール 40 ゴンドラ懸吊器 40A 導電性部材から成るゴンドラ懸吊器 41 懸吊バー 42 ケーブル 43 ゴンドラ 43A 導電性部材から成るゴンドラ 50 作業員 60 フード 100−1 ベースノード装置(BN) 100−2,100−3,100−4 リングノード装
置(RN) 110 加入者無線装置 120 屋内装置 130,130A,130B 屋外装置 131 同軸ケーブル 140,140A,140B,141 アンテナ 145 平面アンテナ 151,151A,151B,155 アンテナ支持ポ
ール 152 支持プレート 161 同軸導波管 162 同軸ケーブル 163 避雷接地線 171,172 絶縁部材 200 センタノード装置(CN) 300 ネットワーク管理装置(NMS) 400 通信網
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山下 勉 東京都日野市旭が丘3丁目1番地の1 株 式会社東芝日野工場内 (72)発明者 飴野 恵二 東京都日野市旭が丘3丁目1番地の1 株 式会社東芝日野工場内 Fターム(参考) 5J047 AA04 AA12 AA14 AB05 BG05 EF01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無線装置のアンテナを建物の屋上に設置
    して無線通信により情報を送受する無線通信システムに
    おいて、 前記無線装置は、前記無線装置のアンテナを前記建物の
    屋上の角部分に設置して成ることを特徴とする無線通信
    システム。
  2. 【請求項2】 無線装置のアンテナを建物の屋上に設置
    して無線通信により情報を送受する無線通信システムに
    おいて、 前記無線装置のアンテナが、前記建物屋上に設けたアン
    テナ支持ポールによって、前記建物に併設されるゴンド
    ラ設備より高くかつ対向する無線装置の屋外装置のアン
    テナとの間の無線通信の見通しが確保できる最低限の高
    さ位置に支持され、かつ誘電体部材から成る防風フード
    により包囲されて成ることを特徴とする無線通信システ
    ム。
  3. 【請求項3】 無線装置のアンテナを建物の屋上に設置
    して無線通信により情報を送受する無線通信システムに
    おいて、 前記無線装置は、前記無線装置が前記建物の屋上に設置
    された避雷針マストの内部に実装され、前記無線装置の
    アンテナが前記避雷針マストの外部に取り付けられて成
    ることを特徴とする無線通信システム。
  4. 【請求項4】 避雷針マストと前記無線装置及び前記ア
    ンテナ間に絶縁部材を介挿せしめたことを特徴とする請
    求項3記載の無線通信システム。
  5. 【請求項5】 建物の屋上に設置され、移動可能なゴン
    ドラ懸吊器と、前記ゴンドラ懸吊器より吊り下げられ、
    前記建物の壁面を上下に移動可能なゴンドラとから成る
    ゴンドラ作業機において、 前記ゴンドラ懸吊器または前記ゴンドラのうちの少なく
    ともいずれか一方が誘電体部材により構成されることを
    特徴とするゴンドラ作業機。
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