JP2001035457A - ナトリウム−硫黄電池 - Google Patents
ナトリウム−硫黄電池Info
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- JP2001035457A JP2001035457A JP11208206A JP20820699A JP2001035457A JP 2001035457 A JP2001035457 A JP 2001035457A JP 11208206 A JP11208206 A JP 11208206A JP 20820699 A JP20820699 A JP 20820699A JP 2001035457 A JP2001035457 A JP 2001035457A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 多硫化ナトリウムに対する耐腐食性が向上で
きる電槽を備えたナトリウム−硫黄電池を得る。 【解決手段】 正極蓋4または電槽9の少なくとも一方
が、10〜35重量%のクロム含有率で、0.5〜6.
0%のアルミニウム、0.5〜3.0%のシリコンまた
は0.5〜4.0%のモリブデンのうち少なくとも1種
を含有したフェライト系ステンレスからなり、必要に応
じて前記ステンレスは、さらに、0.6%以下のチタ
ン、ジルコニウム、ニオブのうち少なくとも1種を含有
し、また、表面に、クロマイズ加工を施してなる電池。
きる電槽を備えたナトリウム−硫黄電池を得る。 【解決手段】 正極蓋4または電槽9の少なくとも一方
が、10〜35重量%のクロム含有率で、0.5〜6.
0%のアルミニウム、0.5〜3.0%のシリコンまた
は0.5〜4.0%のモリブデンのうち少なくとも1種
を含有したフェライト系ステンレスからなり、必要に応
じて前記ステンレスは、さらに、0.6%以下のチタ
ン、ジルコニウム、ニオブのうち少なくとも1種を含有
し、また、表面に、クロマイズ加工を施してなる電池。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はナトリウム−硫黄電
池に関するもので、さらに詳しく言えば、ナトリウムイ
オン伝導性の固体電解質管の外部に形成された正極室を
密閉する正極蓋または電槽の正極活物質に対する耐腐食
性の向上に関するものである。
池に関するもので、さらに詳しく言えば、ナトリウムイ
オン伝導性の固体電解質管の外部に形成された正極室を
密閉する正極蓋または電槽の正極活物質に対する耐腐食
性の向上に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ナトリウム−硫黄電池は、ナトリウムイ
オン伝導性の固体電解質管の内部を負極室とし、外部を
正極室としたもので、前記負極室は前記固体電解質管の
開口部に接合されたα−アルミナリングの一方の面に接
合された負極蓋と該負極蓋に溶接した負極端子によって
密閉され、前記正極室は前記α−アルミナリングの一方
の面または他方の面に接合された正極蓋と該正極蓋に溶
接した電槽によって密閉され、約315〜350℃の作
動温度下で動作させる高温型の密閉形電池である。
オン伝導性の固体電解質管の内部を負極室とし、外部を
正極室としたもので、前記負極室は前記固体電解質管の
開口部に接合されたα−アルミナリングの一方の面に接
合された負極蓋と該負極蓋に溶接した負極端子によって
密閉され、前記正極室は前記α−アルミナリングの一方
の面または他方の面に接合された正極蓋と該正極蓋に溶
接した電槽によって密閉され、約315〜350℃の作
動温度下で動作させる高温型の密閉形電池である。
【0003】このようなナトリウム−硫黄電池では、電
槽や正極蓋に、正極活物質としての硫黄や放電によって
生成する多硫化ナトリウムに対する耐腐食性を有し、正
極集電体として作用しうる電導性を有したものが用いら
れる。
槽や正極蓋に、正極活物質としての硫黄や放電によって
生成する多硫化ナトリウムに対する耐腐食性を有し、正
極集電体として作用しうる電導性を有したものが用いら
れる。
【0004】上記した条件を満足する材料としては、鉄
−クロム合金が経済性の点で有利であることが知られて
おり、前記鉄−クロム合金中に含有させるクロムの量を
増加させることによって硫黄や多硫化ナトリウムに対す
る耐腐食性を向上できることが知られている。
−クロム合金が経済性の点で有利であることが知られて
おり、前記鉄−クロム合金中に含有させるクロムの量を
増加させることによって硫黄や多硫化ナトリウムに対す
る耐腐食性を向上できることが知られている。
【0005】たとえば、特公平2−39065号公報に
は、クロムの含有量を40〜60%とした鉄−クロム合
金を電槽に用いることが記載されている。
は、クロムの含有量を40〜60%とした鉄−クロム合
金を電槽に用いることが記載されている。
【0006】また、前記鉄−クロム合金に他の金属を添
加することによって硫黄や多硫化ナトリウムに対する耐
腐食性を向上できることが知られている。
加することによって硫黄や多硫化ナトリウムに対する耐
腐食性を向上できることが知られている。
【0007】たとえば、特公昭59−19984号公報
には、クロムの含有量を10〜40%とし、これにモリ
ブデン、銅、ニッケル、アルミニウムを添加した鉄−ク
ロム合金をクロマイズ加工せずに電槽に用いることが記
載されている。
には、クロムの含有量を10〜40%とし、これにモリ
ブデン、銅、ニッケル、アルミニウムを添加した鉄−ク
ロム合金をクロマイズ加工せずに電槽に用いることが記
載されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記した、クロムの含
有量を40〜60%とした鉄−クロム合金は、多硫化ナ
トリウムや硫黄に対する耐腐食性を向上することができ
るが、このような鉄−クロム合金を用いてナトリウム−
硫黄電池の電槽のような、厚みが1〜2mmのパイプ
状、円筒状のものに加工することが困難であるという問
題があった。
有量を40〜60%とした鉄−クロム合金は、多硫化ナ
トリウムや硫黄に対する耐腐食性を向上することができ
るが、このような鉄−クロム合金を用いてナトリウム−
硫黄電池の電槽のような、厚みが1〜2mmのパイプ
状、円筒状のものに加工することが困難であるという問
題があった。
【0009】また、上記した、クロムの含有量を10〜
40%とし、これにモリブデン、銅、ニッケル、アルミ
ニウムを添加した鉄−クロム合金は、上記のような加工
は容易であるが、多硫化ナトリウムや硫黄に対する耐腐
食性は十分でないという問題があった。
40%とし、これにモリブデン、銅、ニッケル、アルミ
ニウムを添加した鉄−クロム合金は、上記のような加工
は容易であるが、多硫化ナトリウムや硫黄に対する耐腐
食性は十分でないという問題があった。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1記載の発明は、開口部にα−アルミナリン
グが接合されたナトリウムイオン伝導性の固体電解質管
の内部に負極室を、外部に正極室を形成し、前記α−ア
ルミナリングの一方の面に接合した負極蓋と該負極蓋に
溶接した負極端子で前記負極室を密閉するとともに、前
記α−アルミナリングの一方の面または他方の面に接合
した正極蓋と該正極蓋に溶接した電槽で前記正極室を密
閉してなるナトリウム−硫黄電池において、前記正極蓋
または電槽の少なくとも一方が10〜35重量%のクロ
ム含有率で、0.5〜6.0%のアルミニウム、0.5
〜3.0%のシリコンまたは0.5〜4.0%のモリブ
デンのうち少なくとも1種を含有させたフェライト系ス
テンレスからることを特徴とするものであり、これによ
り、多硫化ナトリウムや硫黄に対する耐腐食性を向上さ
せることができる。
め、請求項1記載の発明は、開口部にα−アルミナリン
グが接合されたナトリウムイオン伝導性の固体電解質管
の内部に負極室を、外部に正極室を形成し、前記α−ア
ルミナリングの一方の面に接合した負極蓋と該負極蓋に
溶接した負極端子で前記負極室を密閉するとともに、前
記α−アルミナリングの一方の面または他方の面に接合
した正極蓋と該正極蓋に溶接した電槽で前記正極室を密
閉してなるナトリウム−硫黄電池において、前記正極蓋
または電槽の少なくとも一方が10〜35重量%のクロ
ム含有率で、0.5〜6.0%のアルミニウム、0.5
〜3.0%のシリコンまたは0.5〜4.0%のモリブ
デンのうち少なくとも1種を含有させたフェライト系ス
テンレスからることを特徴とするものであり、これによ
り、多硫化ナトリウムや硫黄に対する耐腐食性を向上さ
せることができる。
【0011】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載のナトリウム−硫黄電池において、正極蓋または電槽
の少なくとも一方が、さらに0.6%以下のチタン、ジ
ルコニウム、ニオブのうち、少なくとも1種を含有した
フェライト系ステンレスからなることを特徴とするもの
であり、これにより、チタン、ジルコニウム、ニオブ
は、それらの原子半径がいずれも炭素の原子半径の比の
0.59未満であるため、フェライト系ステンレス中に
遊離している炭素原子がチタン原子、ジルコニウム原
子、ニオブ原子の結晶格子中に侵入して安定性の高い炭
化チタン、炭化ジルコニウム、炭化ニオブのような侵入
型炭化物を形成するので、表面に、分解しやすいCr23
C6 やCr7 C3 のようなクロム炭化物が生成するのを
抑制することができ、しかもチタン、ジルコニウム、ニ
オブの添加によって、クロム炭化物やクロム窒化物の粒
界析出を抑制することができ、粒界腐食を改善すること
ができる。
載のナトリウム−硫黄電池において、正極蓋または電槽
の少なくとも一方が、さらに0.6%以下のチタン、ジ
ルコニウム、ニオブのうち、少なくとも1種を含有した
フェライト系ステンレスからなることを特徴とするもの
であり、これにより、チタン、ジルコニウム、ニオブ
は、それらの原子半径がいずれも炭素の原子半径の比の
0.59未満であるため、フェライト系ステンレス中に
遊離している炭素原子がチタン原子、ジルコニウム原
子、ニオブ原子の結晶格子中に侵入して安定性の高い炭
化チタン、炭化ジルコニウム、炭化ニオブのような侵入
型炭化物を形成するので、表面に、分解しやすいCr23
C6 やCr7 C3 のようなクロム炭化物が生成するのを
抑制することができ、しかもチタン、ジルコニウム、ニ
オブの添加によって、クロム炭化物やクロム窒化物の粒
界析出を抑制することができ、粒界腐食を改善すること
ができる。
【0012】また、請求項3記載の発明は、請求項1ま
たは2記載のナトリウム−硫黄電池において、フェライ
ト系ステンレスは、表面に、クロマイズ加工によってク
ロム−鉄合金層が形成されてなることを特徴とするもの
であり、これにより、多硫化ナトリウムや硫黄に対する
耐腐食性を一層向上させることができる。
たは2記載のナトリウム−硫黄電池において、フェライ
ト系ステンレスは、表面に、クロマイズ加工によってク
ロム−鉄合金層が形成されてなることを特徴とするもの
であり、これにより、多硫化ナトリウムや硫黄に対する
耐腐食性を一層向上させることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明をその実施の形態に
より説明する。
より説明する。
【0014】図1および図2は本発明の実施の形態を説
明するためのナトリウム−硫黄電池の要部断面図であ
る。
明するためのナトリウム−硫黄電池の要部断面図であ
る。
【0015】すなわち、図1の電池の特徴は、固体電解
質管1の開口部にα−アルミナリング2がガラス半田接
合され、このα−アルミナリング2の上面に負極蓋3
が、下面に正極蓋4がそれぞれ熱圧接合されてなり、前
記負極蓋3には、負極集電体としての負極パイプ6が負
極端子5の中央部を貫通し、この負極パイプ6の下方
を、内部に金属繊維7が配された固体電解質管1内に挿
入し、約150℃の保温下において前記負極パイプ6よ
り固体電解質管1内を排気した後、同温度で溶融させた
ナトリウム8を真空充填し、充填後負極端子5の上端を
封止して得た負極室構成体の負極端子5が溶接されると
ともに、この負極室構成体は、円筒形の硫黄成形体10
が内挿され、外部に正極集電端子11が溶接された正極
集電体を兼ねる電槽9内に挿入されてその上端が前記正
極蓋4に真空溶接され、固体電解質管1の外部に正極室
を、内部に負極室を形成したことである。
質管1の開口部にα−アルミナリング2がガラス半田接
合され、このα−アルミナリング2の上面に負極蓋3
が、下面に正極蓋4がそれぞれ熱圧接合されてなり、前
記負極蓋3には、負極集電体としての負極パイプ6が負
極端子5の中央部を貫通し、この負極パイプ6の下方
を、内部に金属繊維7が配された固体電解質管1内に挿
入し、約150℃の保温下において前記負極パイプ6よ
り固体電解質管1内を排気した後、同温度で溶融させた
ナトリウム8を真空充填し、充填後負極端子5の上端を
封止して得た負極室構成体の負極端子5が溶接されると
ともに、この負極室構成体は、円筒形の硫黄成形体10
が内挿され、外部に正極集電端子11が溶接された正極
集電体を兼ねる電槽9内に挿入されてその上端が前記正
極蓋4に真空溶接され、固体電解質管1の外部に正極室
を、内部に負極室を形成したことである。
【0016】一方、図2のナトリウム−硫黄電池は、α
−アルミナリング2の上面に負極蓋3と正極蓋4が熱圧
接合されてなる以外は図1のものと同一である。
−アルミナリング2の上面に負極蓋3と正極蓋4が熱圧
接合されてなる以外は図1のものと同一である。
【0017】(評価試験1)本発明の母材Aとしての、
炭素の含有率が0.04%、窒素の含有率が0.008
%、アルミニウムの含有率が2.0%、シリコンの含有
率が2.0%、クロムの含有率が25重量%のフェライ
ト系ステンレス、本発明の母材Bとしての、クロムの含
有率が30重量%、モリブデンの含有率が3%のフェラ
イト系ステンレス、従来の母材Cとしての、炭素の含有
率が0.04%、窒素の含有率が0.008%の鉄の、
寸法が10×50×2mm2 のものを準備し、クロマイ
ズ加工用合剤としての、30〜80%のクロム粉末、
0.5〜2.0%の塩化アンモニウム粉末、20〜50
%のアルミナ粉末とともに鉄製の箱の中に封入し、約1
220℃の水素雰囲気中で数時間加熱してクロマイズ加
工を行った。
炭素の含有率が0.04%、窒素の含有率が0.008
%、アルミニウムの含有率が2.0%、シリコンの含有
率が2.0%、クロムの含有率が25重量%のフェライ
ト系ステンレス、本発明の母材Bとしての、クロムの含
有率が30重量%、モリブデンの含有率が3%のフェラ
イト系ステンレス、従来の母材Cとしての、炭素の含有
率が0.04%、窒素の含有率が0.008%の鉄の、
寸法が10×50×2mm2 のものを準備し、クロマイ
ズ加工用合剤としての、30〜80%のクロム粉末、
0.5〜2.0%の塩化アンモニウム粉末、20〜50
%のアルミナ粉末とともに鉄製の箱の中に封入し、約1
220℃の水素雰囲気中で数時間加熱してクロマイズ加
工を行った。
【0018】評価試験1でクロマイズ加工を行った各母
材を、ナトリウム−硫黄電池の正極で生成する多硫化ナ
トリウムの中で最も腐食性の強いNa2 S3 に浸漬して
パイレックスガラス内に真空封入し、350℃の温度下
で、700時間放置しての腐食試験を行い、試験後の重
量の減少から腐食厚さを測定したところ、母材Aは0.
34μm、母材Bは0.38μm、母材Cは6.10μ
mであった。
材を、ナトリウム−硫黄電池の正極で生成する多硫化ナ
トリウムの中で最も腐食性の強いNa2 S3 に浸漬して
パイレックスガラス内に真空封入し、350℃の温度下
で、700時間放置しての腐食試験を行い、試験後の重
量の減少から腐食厚さを測定したところ、母材Aは0.
34μm、母材Bは0.38μm、母材Cは6.10μ
mであった。
【0019】評価試験1から、本発明の母材A,BのN
a2 S3 に対する耐腐食性は従来の母材CのNa2 S3
に対する耐腐食性よりすぐれていることがわかる。
a2 S3 に対する耐腐食性は従来の母材CのNa2 S3
に対する耐腐食性よりすぐれていることがわかる。
【0020】(評価試験2)評価試験1で用いたものと
同じの本発明の母材A,Bと従来の母材Cとを同様にク
ロマイズ加工を行った後、電子線マイクロアナライザー
で、形成されたクロム含有層におけるクロム含有率50
%以上の厚さを測定したところ、母材Aは61μm、母
材Bは65μm、母材Cは0μmであった。
同じの本発明の母材A,Bと従来の母材Cとを同様にク
ロマイズ加工を行った後、電子線マイクロアナライザー
で、形成されたクロム含有層におけるクロム含有率50
%以上の厚さを測定したところ、母材Aは61μm、母
材Bは65μm、母材Cは0μmであった。
【0021】評価試験2から、従来の母材Cではクロム
含有率50%以上の層は形成されなかったのに対し、本
発明の母材A,Bではクロム含有率50%以上の層が形
成されたことがわかり、この層によってNa2 S3 に対
する耐腐食性が向上できることが確認できた。
含有率50%以上の層は形成されなかったのに対し、本
発明の母材A,Bではクロム含有率50%以上の層が形
成されたことがわかり、この層によってNa2 S3 に対
する耐腐食性が向上できることが確認できた。
【0022】(評価試験3)評価試験1で用いたものと
同じの本発明の母材A,Bと従来の母材Cとを用い、そ
れぞれ有底筒状に加工して上記のようにクロマイズ加工
し、熱処理を行った後にナトリウム−硫黄電池の電槽に
組み立て、充放電サイクル試験を行った。なお、試験条
件は350℃の温度下での加速通電腐食試験で、1時間
20分時間率電流(電槽の表面電流密度として、200
mA/cm2 で1時間20分放電して10分間休止させ
た後、65mA/cm2 で放電量の100%を4時間で
充電して10分間休止させるサイクルを1サイクルとす
る充放電条件)で、400サイクルまでの各電池の充放
電サイクルに対する電池容量の変化を調査し、その結果
を図3に示す。
同じの本発明の母材A,Bと従来の母材Cとを用い、そ
れぞれ有底筒状に加工して上記のようにクロマイズ加工
し、熱処理を行った後にナトリウム−硫黄電池の電槽に
組み立て、充放電サイクル試験を行った。なお、試験条
件は350℃の温度下での加速通電腐食試験で、1時間
20分時間率電流(電槽の表面電流密度として、200
mA/cm2 で1時間20分放電して10分間休止させ
た後、65mA/cm2 で放電量の100%を4時間で
充電して10分間休止させるサイクルを1サイクルとす
る充放電条件)で、400サイクルまでの各電池の充放
電サイクルに対する電池容量の変化を調査し、その結果
を図3に示す。
【0023】図3から、電流密度が大きい苛酷な条件下
でも、本発明の母材としてのフェライト系ステンレス
は、クロマイズ加工することによってすぐれた耐腐食性
をもつことがわかる。また、前記フェライト系ステンレ
スに、少なくともアルミニウム、シリコンまたはモリブ
デンのうち1種を含有させることによってさらに耐腐食
性が向上できることがわかる。
でも、本発明の母材としてのフェライト系ステンレス
は、クロマイズ加工することによってすぐれた耐腐食性
をもつことがわかる。また、前記フェライト系ステンレ
スに、少なくともアルミニウム、シリコンまたはモリブ
デンのうち1種を含有させることによってさらに耐腐食
性が向上できることがわかる。
【0024】なお、上記したアルミニウム、シリコン、
モリブデンは、その含有量がそれぞれ0.5%以上、
0.5%以上、0.5%以上であると、多硫化ナトリウ
ムに対する耐腐食性は向上できるが、その含有量がそれ
ぞれ6.0%以上、3.0%以上、4.0%以上である
と、母材中に金属間化合物が生成して冷間加工が困難に
なってナトリウム−硫黄電池の通電性能が低下するの
で、アルミニウムの含有量は6.0%以下、シリコンの
含有量は3.0%以下、モリブデンの含有量は4.0%
以下にするのが好ましい。
モリブデンは、その含有量がそれぞれ0.5%以上、
0.5%以上、0.5%以上であると、多硫化ナトリウ
ムに対する耐腐食性は向上できるが、その含有量がそれ
ぞれ6.0%以上、3.0%以上、4.0%以上である
と、母材中に金属間化合物が生成して冷間加工が困難に
なってナトリウム−硫黄電池の通電性能が低下するの
で、アルミニウムの含有量は6.0%以下、シリコンの
含有量は3.0%以下、モリブデンの含有量は4.0%
以下にするのが好ましい。
【0025】また、チタン、ジルコニウム、ニオブは、
その添加量がそれぞれ0.6%以上になると、チタン、
ジルコニウム、ニオブを含む層間化合物が形成されてフ
ェライト系ステンレスの延性や強靱性を低下させるの
で、その添加量は0.6%以下にするのが好ましい。
その添加量がそれぞれ0.6%以上になると、チタン、
ジルコニウム、ニオブを含む層間化合物が形成されてフ
ェライト系ステンレスの延性や強靱性を低下させるの
で、その添加量は0.6%以下にするのが好ましい。
【0026】さらに、上記した実施例では、フェライト
系ステンレス中のクロム含有率は25重量%、30重量
%のものを用いたが、形成されるクロム含有層における
クロム含有率と、この電槽用の母材を有底筒状に加工す
る時の容易性を考慮すると、クロムの含有率は10〜3
5重量%であるのが好ましい。
系ステンレス中のクロム含有率は25重量%、30重量
%のものを用いたが、形成されるクロム含有層における
クロム含有率と、この電槽用の母材を有底筒状に加工す
る時の容易性を考慮すると、クロムの含有率は10〜3
5重量%であるのが好ましい。
【0027】
【発明の効果】以上の結果から、本発明のナトリウム−
硫黄電池の電槽は、表面にクロム含有率の高いクロム含
有層を形成することができ、このクロム含有層によって
電槽、正極集電体等の耐腐食性を向上させることができ
るので、ナトリウム−硫黄電池の長寿命化を図ることが
できる。
硫黄電池の電槽は、表面にクロム含有率の高いクロム含
有層を形成することができ、このクロム含有層によって
電槽、正極集電体等の耐腐食性を向上させることができ
るので、ナトリウム−硫黄電池の長寿命化を図ることが
できる。
【図1】本発明の実施の形態に係るナトリウム−硫黄電
池の要部断面図である。
池の要部断面図である。
【図2】本発明の他の実施の形態に係るナトリウム−硫
黄電池の要部断面図である。
黄電池の要部断面図である。
【図3】本発明の電槽を用いたナトリウム−硫黄電池と
従来の電槽を用いたナトリウム−硫黄電池とについて、
充放電サイクルの経過と電池容量の変化との関係を調査
した図である。
従来の電槽を用いたナトリウム−硫黄電池とについて、
充放電サイクルの経過と電池容量の変化との関係を調査
した図である。
1 固体電解質管 2 α−アルミナリング 3 負極蓋 4 正極蓋 5 負極端子 6 負極パイプ 9 電槽 11 正極集電端子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01M 2/02 H01M 2/02 Z 10/39 10/39 A Z
Claims (3)
- 【請求項1】 開口部にα−アルミナリングが接合され
たナトリウムイオン伝導性の固体電解質管の内部に負極
室を、外部に正極室を形成し、前記α−アルミナリング
の一方の面に接合した負極蓋と該負極蓋に溶接した負極
端子で前記負極室を密閉するとともに、前記α−アルミ
ナリングの一方の面または他方の面に接合した正極蓋と
該正極蓋に溶接した電槽で前記正極室を密閉してなるナ
トリウム−硫黄電池において、前記正極蓋または電槽の
少なくとも一方が10〜35重量%のクロム含有率で、
0.5〜6.0%のアルミニウム、0.5〜3.0%の
シリコンまたは0.5〜4.0%のモリブデンのうち少
なくとも1種を含有したフェライト系ステンレスからな
ることを特徴とするナトリウム−硫黄電池。 - 【請求項2】 請求項1記載のナトリウム−硫黄電池に
おいて、正極蓋または電槽の少なくとも一方が、さらに
0.6%以下のチタン、ジルコニウム、ニオブのうち少
なくとも1種を含有したフェライト系ステンレスからな
ることを特徴とするナトリウム−硫黄電池。 - 【請求項3】 請求項1または2記載のナトリウム−硫
黄電池において、フェライト系ステンレスは、表面に、
クロマイズ加工によってクロム−鉄合金層が形成されて
いることを特徴とするナトリウム−硫黄電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11208206A JP2001035457A (ja) | 1999-07-22 | 1999-07-22 | ナトリウム−硫黄電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11208206A JP2001035457A (ja) | 1999-07-22 | 1999-07-22 | ナトリウム−硫黄電池 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001035457A true JP2001035457A (ja) | 2001-02-09 |
Family
ID=16552436
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11208206A Pending JP2001035457A (ja) | 1999-07-22 | 1999-07-22 | ナトリウム−硫黄電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001035457A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003072332A1 (fr) * | 2002-02-26 | 2003-09-04 | Cci Corporation | Procede de production d'un article moule a haut pouvoir amortissant et article amortissant les vibrations |
US9905369B2 (en) | 2012-05-22 | 2018-02-27 | Gs Yuasa International Ltd. | Energy storage device |
-
1999
- 1999-07-22 JP JP11208206A patent/JP2001035457A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003072332A1 (fr) * | 2002-02-26 | 2003-09-04 | Cci Corporation | Procede de production d'un article moule a haut pouvoir amortissant et article amortissant les vibrations |
US9905369B2 (en) | 2012-05-22 | 2018-02-27 | Gs Yuasa International Ltd. | Energy storage device |
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