JP2001022924A - パターン照合装置 - Google Patents

パターン照合装置

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JP2001022924A
JP2001022924A JP11190155A JP19015599A JP2001022924A JP 2001022924 A JP2001022924 A JP 2001022924A JP 11190155 A JP11190155 A JP 11190155A JP 19015599 A JP19015599 A JP 19015599A JP 2001022924 A JP2001022924 A JP 2001022924A
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Hiroshi Sasaki
宏 佐々木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 周囲の環境や対象物の種類などが変わっても
適切な背景分離処理を行えるようにし、照合精度の悪化
を防止する。 【解決手段】 照合の過程で照合の信頼度Cを求め(ス
テップ112)、この信頼度Cが所定値CLよりも低い
場合(ステップ113のNO)、登録画像に対する輝度
閾値Vrおよび照合画像に対する輝度閾値Vcを変更し
て照合を繰り返し、信頼度Cが所定値よりも高くなった
場合に「一致」と判定する(ステップ113のYE
S)。なお、輝度閾値VrおよびVcを変更しながら所
定回数n照合を繰り返し、その照合過程での各照合の信
頼度Cを求め、この各照合の信頼度Cの中から最大値を
選び出し、この選び出した信頼度が所定値CLよりも高
い場合に「一致」と判定するようにしてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、各種相関を利用
した登録パターンと照合パターンとのパターン照合装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】本出願人は、この種のパターン照合装置
として、空間周波数特性に基づいてN次元のパターン
〔例えば、音声(1次元)、指紋(2次元)、立体(3
次元)〕の照合を行うパターン照合装置を提案した(特
開平10−63848号公報)。
【0003】このパターン照合装置では、照合指紋の画
像データ(照合画像)に対して背景分離処理を施して照
合パターンを抽出し、この照合パターンに2次元離散的
フーリエ変換を施して照合フーリエ画像データを作成す
る。そして、この照合フーリエ画像データと同様の処理
を施して作成されている登録指紋の登録フーリエ画像デ
ータとを合成し、この合成フーリエ画像データに対して
振幅抑制処理(log処理)を行ったうえ、2次元離散
的フーリエ変換(或いは2次元離散的逆フーリエ変換)
を施す。そして、この2次元離散的フーリエ変換(或い
は2次元離散的逆フーリエ変換)の施された合成フーリ
エ画像データに出現する所定の相関成分エリアの相関成
分に基づいて、照合パターンと登録パターンとの一致・
不一致を判定する。
【0004】この場合、指紋部分が「明」、背景部分が
「暗」として得られることを前提とし、背景分離処理と
して、登録画像に対して下限の輝度閾値Vr(:Vr
L)を定め、この輝度閾値VrL以下の輝度値を背景と
みなして分離し、残りを登録パターンとして抽出する。
また、照合画像に対して下限の輝度閾値Vc(:Vc
L)を定め、この輝度閾値VcL以下の輝度値を背景と
みなして分離し、残りを照合パターンとして抽出する。
光学系が光路分離法で構成されている場合、指紋の隆線
のようにプリズムに接触している部分が明るくなり、背
景などプリズムに接触していない部分は暗くなる。
【0005】なお、指紋部分が「暗」、背景部分が
「明」として得られる場合には、登録画像に対して上限
の輝度閾値Vr(:VrH)を定め、この輝度閾値Vr
H以上の輝度値を背景とみなして分離し、残りを登録パ
ターンとして抽出する。また、照合画像に対して上限の
輝度閾値Vc(:VcH)を定め、この輝度閾値VcH
以上の輝度値を背景とみなして分離し、残りを照合パタ
ーンとして抽出する。光学系が全反射法で構成されてい
る場合、光路分離法とは逆に、指紋の隆線のようにプリ
ズムに接触している部分が暗くなり、背景などプリズム
に接触していない部分は明るくなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このパ
ターン照合装置では、登録画像および照合画像に対する
背景分離処理を固定の輝度閾値VrおよびVc(Vr=
Vc)で行っているので、周囲の環境や指圧などの違い
によって登録パターンや照合パターンに背景部分が分離
されずに残ってしまったり、逆に、登録パターンや照合
パターンの一部が背景であると誤って判断されて取り除
かれたりし、照合精度が悪化する虞れがあった。
【0007】例えば、登録と照合を同じ環境で行う場
合、適切な指圧でプリズム上に置けば、図7(a)に登
録時の輝度分布を示すように、背景と指紋部分とが離れ
るので輝度閾値VrLで背景をきれいに分離することが
できる。しかし、同じ指紋でも指圧が弱いと、指紋が暗
く映り、図7(b)に照合時の輝度分布を示すように、
背景に指紋部分が接近し、輝度閾値VcLでは指紋の一
部を除去してしまう。
【0008】また、登録と照合で環境が異なる場合、例
えば照合時の照明が明るい場合、登録時と照合時に同じ
指圧でプリズム上に指を置いても、背景が明るく映り、
図7(c)に照合時の輝度分布を示すように、背景が指
紋部分に接近し、輝度閾値VcLでは指紋部分に背景部
分が分離されずに残ってしまう。
【0009】なお、指紋照合の場合は、その装置が一定
の場所に設置され、注意も喚起されることから、周囲の
環境や指圧などが変化してもそれほど大きく変わること
はない。また、対象物の種類も一定であるので、照合精
度はさほど悪化しない。しかし、設置場所が不定で、対
象物がユーザの都合により任意に変わる汎用のパターン
照合装置では、周囲の環境や対象物の種類も大きく変わ
ることから、輝度閾値VrやVcが適切な値とならず、
すなわち適切な背景分離処理が行われず、照合精度が悪
化してしまう。
【0010】本発明はこのような課題を解決するために
なされたもので、その目的とするところは、周囲の環境
や対象物の種類などが変わっても適切な背景分離処理を
行うことができ、照合精度が悪化することのないパター
ン照合装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために本発明は、照合の過程でその照合の信頼度を求
め、この信頼度が所定値よりも高い場合に「一致」と判
定する一方、低い場合には輝度閾値VrおよびVcを変
更して照合を繰り返すようにしたものである。この発明
によれば、登録パターンと照合パターンとの照合を一度
行ってみて、その照合の信頼度が所定値よりも低けれ
ば、輝度閾値VrおよびVcを変更して再度照合が行わ
れる。これにより、照合の信頼度が所定値よりも高くな
れば、登録パターンと照合パターンとは一致すると判定
される。なお、輝度閾値Vrを固定し、輝度閾値Vcの
みを変更して照合を繰り返すようにしてもよい。
【0012】また、本発明は、輝度閾値VrおよびVc
を変更しながら所定回数照合を繰り返しその照合過程で
の各照合の信頼度を求め、この各照合の信頼度の中から
最大値を選び出し、この選び出した信頼度が所定値より
も高い場合に「一致」と判定するようにしたものであ
る。この発明によれば、登録パターンと照合パターンと
の照合が輝度閾値VrおよびVcを変更しながら所定回
数繰り返し行われ、その照合過程での各照合の信頼度が
求められる。そして、この各照合の信頼度の中から最大
値が選び出され、この選び出された信頼度の最大値が所
定値よりも高ければ、登録パターンと照合パターンとは
一致すると判定される。なお、輝度閾値Vrを固定し、
輝度閾値Vcのみを変更しながら照合を所定回数繰り返
し行うようにしてもよい。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施の形態に基づ
き詳細に説明する。図2はこの発明の一実施の形態を示
すパターン照合装置のブロック構成図である。同図にお
いて10は操作部、20はコントロール部、30はCC
Dカメラであり、操作部10にはテンキー10−1,デ
ィスプレイ(LCD)10−2が設けられている。コン
トロール部20は、CPUを有してなる制御部20−1
と、ROM20−2と、RAM20−3と、ハードディ
スク(HD)20−4と、フレームメモリ(FM)20
−5と、外部接続部(I/F)20−6と、フーリエ変
換部(FFT)20−7とを備えており、ROM20−
2には登録プログラムと照合プログラムが格納されてい
る。
【0014】〔登録〕このパターン照合装置において登
録は次のようにして行われる。すなわち、利用者は、テ
ンキー10−1を用いてIDナンバを入力のうえ(図3
に示すステップ301)、CCDカメラ30で対象物を
撮影する。この撮影された対象物の画像(登録画像)
は、A/D変換により、例えば320×400画像、2
56階調の濃淡画像(画像データ)として、コントロー
ル部20へ与えられる。
【0015】制御部20−1は、このCCDカメラ30
より与えられる登録画像の画像データをフレームメモリ
20−5を介して取り込み(ステップ302)、この取
り込んだ画像データに対し縮小処理を行う(ステップ3
03)。そして、制御部20−1は、この縮小した画像
データを登録画像の原画像データとして、ハードディス
ク20−4内にIDナンバと対応させてファイル化する
(ステップ304)。
【0016】〔照合:方式1〕このパターン照合装置に
おいて照合は次のようにして行われる。すなわち、利用
者は、テンキー10−1を用いてIDナンバを入力のう
え(図1に示すステップ101)、CCDカメラ30で
対象物を撮影する。この撮影された対象物の画像(照合
画像)は、A/D変換により、例えば320×400画
素,256階調の濃淡画像(画像データ)として、コン
トロール部20へ与えられる。
【0017】一方、制御部20−1は、利用者からID
ナンバが入力されると(ステップ101)、i=0とし
たうえ(ステップ102)、ハードディスク20−4内
にファイル化されている登録画像の原画像データから、
そのIDナンバに対応する原画像データを読み出す(ス
テップ103)。そして、この登録画像の原画像データ
に対し、輝度閾値をVi(=V0)として背景分離処理
を施す(ステップ104)。
【0018】なお、本実施の形態では、登録画像中、対
象物が「明」、背景部分が「暗」として得られることを
前提とし、輝度閾値Viは下限の輝度閾値VrLとして
定められるものとする。したがって、この場合、輝度閾
値VrL(=V0)以下の輝度値が背景とみなして分離
され、残りが登録パターンとして抽出される。
【0019】また、制御部20−1は、CCDカメラ3
0より与えられる照合画像の画像データをフレームメモ
リ20−5を介して取り込み(ステップ105)、この
取り込んだ照合画像の画像データに対してステップ30
3で行ったのと同様の縮小処理を行う(ステップ10
6)。そして、制御部20−1は、この縮小した照合画
像の画像データに対し、ステップ104と同一の輝度閾
値Vi(=V0)を用いて背景分離処理を施す(ステッ
プ107)。
【0020】なお、本実施の形態では、照合画像中、対
象物が「明」、背景部分が「暗」として得られることを
前提とし、輝度閾値Viは下限の輝度閾値VcLとして
定められるものとする。したがって、この場合、輝度閾
値VcL(=V0)以下の輝度値が背景とみなして分離
され、残りが照合パターンとして抽出される。
【0021】次に、制御部20−1は、ステップ104
で抽出した登録パターンおよびステップ107で抽出し
た照合パターンをフーリエ変換部20−7へ送り、この
登録パターンおよび照合パターンに2次元離散的フーリ
エ変換(DFT)を施す(ステップ108)。これによ
り、登録パターンは登録フーリエ画像データとなり、照
合パターンは照合フーリエ画像データとなる。
【0022】なお、2次元離散的フーリエ変換について
は、例えば「コンピュータ画像処理入門、日本工業技術
センター編、総研出版(株)発行、P.44〜45(文
献2)」等に説明されている。
【0023】次に、制御部20−1は、ステップ108
で得た登録フーリエ画像データと照合フーリエ画像デー
タとを合成し(ステップ109)、合成フーリエ画像デ
ータを得る。
【0024】ここで、合成フーリエ画像データは、照合
画像のフーリエ画像データをA・e jθとし、登録画像
のフーリエ画像データをB・ejφとした場合、A・B
・ej(θ-φ)で表される。但し、A,B,θ,φとも周
波数(フーリエ)空間(u,v)の関数とする。
【0025】そして、A・B・ej(θ-φ)は、 A・B・ej(θ-φ)=A・B・cos(θ−φ)+j・A・B・sin(θ −φ) ・・・(1) として表され、A・ejθ=α1 +jβ1 、B・ejφ=
α2 +jβ2 とすると、A=(α1 2+β1 21/2,B=
(α2 2+β2 21/2,θ=tan-1(β1 /α1),φ=
tan-1(β2 /α2 )となる。この(1)式を計算す
ることにより合成フーリエ画像データを得る。
【0026】なお、A・B・ej(θ-φ)=A・B・ej
θ・e-jφ=A・ejθ・B・e-jφ=(α1 +j
β1 )・(α2 −jβ2 )=(α1 ・α2 +β1
β2 )+j(α 2 ・β1 −α1 ・β2 )として、合成フ
ーリエ画像データを求めるようにしてもよい。
【0027】そして、制御部20−1は、このようにし
て合成フーリエ画像データを得た後、振幅抑制処理を行
う(ステップ110)。この実施の形態では、振幅抑制
処理として、log処理を行う。すなわち、前述した合
成フーリエ画像データの演算式であるA・B・ej(θ-
φ)の振幅についてlogをとり、log(A・B)・
ej(θ-φ)とすることにより、振幅であるA・Bをl
og(A・B)に抑制する。
【0028】振幅抑制処理を施した合成フーリエ画像デ
ータでは登録画像の採取時と照合画像の採取時の照度差
による影響が小さくなる。すなわち、振幅抑制処理を行
うことにより、各画素のスペクトラム強度が抑圧され、
飛び抜けた値がなくなり、より多くの情報が有効とな
る。
【0029】なお、この実施の形態では、振幅抑制処理
としてlog処理を行うものとしたが、√処理を行うよ
うにしてもよい。また、log処理や√処理に限らず、
振幅を抑制することができればどのような処理でもよい
(振幅抑制相関法)。振幅抑制で全ての振幅を例えば1
にすると、すなわち位相のみにすると(位相限定相関
法)、log処理や√処理等に比べ、計算量を減らすこ
とができるという利点とデータが少なくなるという利点
がある。また、振幅抑制処理を行わず、振幅と位相をそ
のまま使うようにしてもよい(正規化相関法)。
【0030】ステップ110で振幅抑制処理を行った
後、制御部20−1は、その振幅抑制処理を行った合成
フーリエ画像データをフーリエ変換部20−7へ送り、
第2回目の2次元離散的フーリエ変換(DFT)を施す
(ステップ111)。なお、この時、2次元離散的フー
リエ変換ではなく、2次元離散的逆フーリエ変換を行う
ようにしてもよい。
【0031】そして、制御部20−1は、この2次元離
散的フーリエ変換の施された合成フーリエ画像データを
取り込み、この合成フーリエ画像データの所定のエリア
を相関成分エリアとし、この相関成分エリアの相関成分
の中の最大値をS、相関成分エリア上の相関成分が最大
値Sの近傍を除く範囲の中の相関成分の最大値をNと
し、すなわち相関成分エリアの相関成分の中の最大値を
とる座標を(xs,ys)とした場合、この(xs,y
s)の近傍を除く相関成分の中で最も大きな値をNと
し、C=S/Nとしてこの照合の過程での照合の信頼度
Cを求める(ステップ112)。
【0032】ここで、相関成分とは、照合処理の結果と
して得られる離散的な相関分布の各成分である。また、
(xs,ys)の近傍とは、その座標から近い点を指す
ものである。例えば、(xs,ys)からx方向に±1
以内かつy方向に±1以内の点、(xs,ys)からx
方向に±2以内かつy方向に±2以内の点、(xs,y
s)から半径1以内の点、(xs,ys)から半径2以
内の点のように定める。但し、これらはあくまでも一例
であって、類似の方法で定義することができる。
【0033】登録パターンと照合パターンとの一致度が
高ければ、相関成分の最大値と他の相関成分との差は大
きくなり、登録パターンと照合パターンとの一致度が小
さければ、相関成分の最大値と他の相関成分との差は小
さくなるという性質がある。この性質を利用すれば、信
頼度Cから、登録パターンと照合パターンとが一致して
いるか否かを判定することができる。また、登録パター
ンと照合パターンとが同一なのにその照合の信頼度Cが
低ければ、照合精度が悪いことが分かる。
【0034】制御部20−1は、このようにして信頼度
Cを求めた後、この信頼度Cを所定値CLと比較する
(ステップ113)。ここで、信頼度Cが所定値CLよ
りも高い場合には(C>CL)、登録パターンと照合パ
ターンとは一致すると判定するが(ステップ114)、
信頼度Cが所定値CLよりも低い場合には(C≦C
L)、登録画像および照合画像に対する背景分離処理に
際して用いた輝度閾値Vi(=V0)が不適切である疑
いがあると判断し、i=i+1としたうえ(ステップ1
15)、ステップ116を経てステップ104へ戻る。
これにより、輝度閾値Vi(Vr,Vc)をV0からV
1に変更して、再度照合が行われる。
【0035】再度照合を行った結果、この照合過程での
照合の信頼度Cが所定値CLよりも高くなれば、登録パ
ターンと照合パターンとが一致すると判定するが、信頼
度Cが所定値CLよりもまだ低ければ、輝度閾値Vi
(Vr,Vc)をV1からV2に変更して再度照合を行
う。以下、同様にして、輝度閾値Vi(Vr,Vc)を
変更しながら照合を繰り返す。i=nとなってもまだ信
頼度Cが所定値CLよりも低い場合には、すなわち輝度
閾値Vi(Vr,Vc)を変更しながらn回照合を繰り
返してもまだ信頼度Cが所定値CLよりも低い場合に
は、「不一致」と判断する(ステップ117)。
【0036】なお、この実施の形態では、信頼度として
C=S/Nの結果として得られるCを用いることとした
が、信頼度C=Sとして用いてもよい。そうすると、よ
り簡易的に信頼度を求められる。
【0037】これにより、本実施の形態によれば、周囲
の環境や対象物の種類などが変わっても、その時々に合
わせて、輝度閾値Viが適切な値に自動的に調整される
ものとなり、すなわち適切な背景分離処理が自動的に行
われるものとなり、照合精度の悪化が防止される。
【0038】〔照合:方式2〕上述した照合方式1で
は、照合の過程で照合の信頼度Cを求め、この信頼度C
が所定値CLよりも低い場合に輝度閾値Vi(Vr,V
c)を変更して照合を繰り返し、信頼度Cが所定値CL
よりも高くなった場合に「一致」と判定するようにし
た。これに対して、この照合方式2では、輝度閾値Vi
(Vr,Vc)を変更しながら所定回数n照合を繰り返
し、その照合過程での各照合の信頼度Cを求め、この各
照合の信頼度Cの中から最大値を選び出し、この選び出
した信頼度が所定値CLよりも高い場合に「一致」と判
定する。
【0039】図4にこの方式を採用した場合のフローチ
ャートを示す。ステップ401〜412は図1に示した
フローチャートのステップ101〜112に対応する。
ステップ412で信頼度Cを求めた後、i=i+1とし
たうえ(ステップ413)、ステップ414を経てステ
ップ404へ戻る。これにより、輝度閾値Vi(Vr,
Vc)をV0からV1に変更して、再度照合が行われ
る。以下、ステップ114でi=nとなるまで同様動作
を繰り返し、n個の信頼度Cを得る。ステップ114で
i≧nとなれば、ステップ415へ進み、n個の信頼度
Cの中から最大値Cmaxを選び出し、この選び出した
信頼度Cmaxと所定値CLとを比較する(ステップ4
16)。ここで、信頼度Cmaxが所定値CLよりも高
ければ、登録パターンと照合パターンとが一致すると判
定する(ステップ417)。信頼度Cmaxが所定値C
Lよりも低ければ、「不一致」と判定する(ステップ4
18)。
【0040】図5にこのパターン照合装置を用いての指
紋照合に際する輝度閾値Vr,Vcの変更状況を例示す
る。なお、この装置で指紋照合を行う場合、CCDカメ
ラ30の前段にプリズムなどを設ける。この例では、登
録と照合を同じ環境で行っており、登録時の指圧と照合
時の指圧とが異なっている場合を示している(図7
(a),(b)に対応)。この場合、同じ指紋でも指圧
が弱いので、指紋が暗く映り、図5(b)に照合時の輝
度分布を示すように、背景に指紋部分が接近し、輝度閾
値VcLでは指紋の一部が除去されてしまっている。こ
の場合、照合方式1や照合方式2を採用することによ
り、輝度閾値VrLおよびVcLがVrL′およびVc
L′のように調整され、指紋部分から背景がきれいに分
離されるものとなり、精度の良い指紋照合が行われる。
【0041】なお、輝度閾値Viは、その値が異なるも
のをメモリ中にn個記憶させておくようにしてもよい
し、所定値αずつ変更して行くようにするなどしてもよ
い。また、上述においては、登録画像に対する輝度閾値
Vrと照合画像に対する輝度閾値Vcを共通に変更する
ようにしたが、輝度閾値VrおよびVcを別個に変更す
るようにしてもよい。例えば、輝度閾値VrおよびVc
をiの増加に応じ、(Vr1,Vc1),(Vr1,V
c2),・・・・,(Vr1,Vcn),(Vr2,V
c1),・・・・,(Vr2,Vcn),・・・・,
(Vrn,Vcn)と変更するようにしてもよい。
【0042】輝度閾値VrとVcを共通に変更する方式
は、登録時と照合時との周囲の環境に大きな差がない場
合に好適であり、登録画像および照合画像に対して背景
分離処理を行う際の輝度閾値VrおよびVcを同じ値で
変更するので、設定照合回数nを小さくすることがで
き、照合スピードの低下を防ぐことができる。
【0043】輝度閾値VrとVcを別個に変更する方式
は、登録時と照合時との周囲の環境に大きな差がある場
合に好適であり、登録画像および照合画像に対して背景
分離処理を行う際の輝度閾値VrおよびVcを異なる値
で変更するので、設定照合回数nは大きくなるが、きめ
細やかに輝度閾値VrおよびVcを調整して照合精度を
向上させることができる。
【0044】また、上述においては、登録画像(照合画
像)中、対象物が「明」、背景部分が「暗」として得ら
れることを前提とし、輝度閾値Vr(Vc)を下限の輝
度閾値VrL(VcL)として定め、輝度閾値VrL
(VcL)以下の輝度値を背景とみなして分離し、残り
を登録パターン(照合パターン)として抽出するように
したが、登録画像(照合画像)中、対象物が「暗」、背
景部分が「明」として得られることを前提とし、輝度閾
値Vr(Vc)を上限の輝度閾値VrH(VcH)とし
て定め、輝度閾値VrH(VcH)以上の輝度値を背景
とみなして分離し、残りを登録パターン(照合パター
ン)として抽出するようにしてもよい。この場合、輝度
閾値VrおよびVcに対して、下限閾値であるのか上限
閾値であるのかを前もって決めておけばよく、2つの方
式を複合して用いることも可能である。
【0045】例えば、図6に示すように、登録時は背景
が指紋部分よりも暗いので輝度閾値Vrを下限閾値Vr
Lとし、VrL以下を背景として分離する。一方、照合
時には登録時と場所が異なり、背景が指紋部分よりも明
るいので輝度閾値Vcを上限閾値VcHとし、VcH以
上を背景として分離する。なお、このように2つの方式
を選択して使用することができるようにすることによっ
て、今まで全反射法の指紋入力装置を使用していたのを
光路分離法のものに変更するような場合でも、正確な照
合を行うことが可能となる。
【0046】また、上述の照合方式1や照合方式2で
は、登録画像に対する輝度閾値Vrと照合画像に対する
輝度閾値Vcの両方を変更しながら照合の信頼度Cを求
めるようにしたが、登録画像に対する輝度閾値Vrを固
定し、輝度閾値Vcのみを変更しながら照合の信頼度C
を求めるようにしてもよい。
【0047】例えば、登録時に図3のフローチャートに
従って登録画像の原画像データを登録したら、直ちに図
1のフローチャートに従う照合(照合方式1)あるいは
図4のフローチャートに従う照合(照合方式2)を行
い、輝度閾値VrおよびVcを調整する。そして、照合
時には、登録時に調整した輝度閾値Vrはそのまま固定
し、照合方式1または照合方式2に従って輝度閾値Vc
のみを調整する。
【0048】また、図1や図4のフローチャートでは登
録画像の背景分離処理を照合時に行っているが、登録時
に行うようにしてもよい。この場合、登録画像と照合画
像に対してそれぞれ別個の輝度閾値を適用するケースで
は、照合時には照合画像に対する輝度閾値Vcのみ調整
を行い、登録画像に対する輝度閾値Vrの調整は行わな
い。
【0049】
【発明の効果】以上説明したことから明らかなように本
発明によれば、照合の過程でその照合の信頼度を求め、
この信頼度が所定値よりも高い場合に「一致」と判定す
る一方、低い場合には輝度閾値VrおよびVcを変更し
て照合を繰り返すようにしたり、輝度閾値VrおよびV
cを変更しながら所定回数照合を繰り返しその照合過程
での各照合の信頼度を求め、この各照合の信頼度の中か
ら最大値を選び出し、この選び出した信頼度が所定値よ
りも高い場合に「一致」と判定するようにしたりするこ
とにより、周囲の環境や対象物の種類などが変わっても
適切な背景分離処理を行うことが可能となり、照合精度
の悪化を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図2に示したパターン照合装置における照合
動作(照合方式1)を説明するためのフローチャートで
ある。
【図2】 本発明の一実施の形態を示すパターン照合装
置のブロック構成図である。
【図3】 このパターン照合装置における登録動作を説
明するためのフローチャートである。
【図4】 このパターン照合装置における照合動作(照
合方式2)を説明するためのフローチャートである。
【図5】 このパターン照合装置を用いての指紋照合に
際する輝度閾値Vr,Vcの変更状況を例示する図であ
る。
【図6】 登録時と異なる場所で指紋照合を行う場合に
輝度閾値Vcを上限値VcHに変更した例を示す図であ
る。
【図7】 従来の登録画像に対する輝度閾値Vrおよび
照合画像に対する輝度閾値Vcの設定状況を示す図であ
る。
【符号の説明】
10…操作部、10−1…テンキー、10−2…ディス
プレイ(LCD)、20…コントロール部20−1…制
御部、20−2…ROM、20−3…RAM、20−4
…ハードディスク(HD)、20−5…フレームメモリ
(FM)、20−6…外部接続部(I/F)、20−7
…フーリエ変換部(FFT)、30…CCDカメラ。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 登録画像中から所定の輝度閾値Vrに基
    づいて背景と見なさる部分を分離して残りの部分を登録
    パターンとして抽出し、照合画像中から所定の輝度閾値
    Vcに基づいて背景と見なせる部分を分離して残りの部
    分を照合パターンとして抽出し、この抽出した登録パタ
    ーンと照合パターンとの相関を求めることにより登録パ
    ターンと照合パターンとの照合を行うパターン照合装置
    において、 前記照合の過程でその照合の信頼度を求め、この信頼度
    が所定値よりも高い場合に「一致」と判定する一方、低
    い場合には前記輝度閾値VrおよびVcを変更して照合
    を繰り返す判定手段を備えたことを特徴とするパターン
    照合装置。
  2. 【請求項2】 登録画像中から所定の輝度閾値Vrに基
    づいて背景と見なさる部分を分離して残りの部分を登録
    パターンとして抽出し、照合画像中から所定の輝度閾値
    Vcに基づいて背景と見なせる部分を分離して残りの部
    分を照合パターンとして抽出し、この抽出した登録パタ
    ーンと照合パターンとの相関を求めることにより登録パ
    ターンと照合パターンとの照合を行うパターン照合装置
    において、 前記輝度閾値VrおよびVcを変更しながら所定回数照
    合を繰り返しその照合過程での各照合の信頼度を求め、
    この各照合の信頼度の中から最大値を選び出し、この選
    び出した信頼度が所定値よりも高い場合に「一致」と判
    定する判定手段を備えたことを特徴とするパターン照合
    装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、前記輝度閾値
    VrおよびVcが共通に変更されることを特徴とするパ
    ターン照合装置。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2において、前記輝度閾値
    VrおよびVcが別個に変更されることを特徴とするパ
    ターン照合装置。
  5. 【請求項5】 請求項1又は2において、前記輝度閾値
    VrおよびVcについて上限閾値か下限閾値かであるの
    かを決め、上限閾値である場合にはそれ以上の輝度値を
    背景と見なして分離し、下限閾値である場合にはそれ以
    下の輝度値を背景と見なして分離するようにしたことを
    特徴とするパターン照合装置。
  6. 【請求項6】 請求項1又は2において、照合処理の結
    果として得られる相関成分エリアの相関成分の中の最大
    値をS、相関成分エリア上の相関成分が最大値Sの近傍
    を除く範囲の中の相関成分の最大値をNとし、C=S/
    Nとして前記照合の信頼度Cを求めるようにしたことを
    特徴とするパターン照合装置。
  7. 【請求項7】 請求項1又は2において、照合処理の結
    果として得られる相関成分エリアの相関成分の中の最大
    値Sを照合の信頼度Cとすることを特徴とするパターン
    照合装置。
  8. 【請求項8】 登録画像中から所定の輝度閾値Vrに基
    づいて背景と見なさる部分を分離して残りの部分を登録
    パターンとして抽出し、照合画像中から所定の輝度閾値
    Vcに基づいて背景と見なせる部分を分離して残りの部
    分を照合パターンとして抽出し、この抽出した登録パタ
    ーンと照合パターンとの相関を求めることにより登録パ
    ターンと照合パターンとの照合を行うパターン照合装置
    において、 前記照合の過程でその照合の信頼度を求め、この信頼度
    が所定値よりも高い場合に「一致」と判定する一方、低
    い場合には前記輝度閾値Vrを固定したうえ前記輝度閾
    値Vcを変更して照合を繰り返す判定手段を備えたこと
    を特徴とするパターン照合装置。
  9. 【請求項9】 登録画像中から所定の輝度閾値Vrに基
    づいて背景と見なさる部分を分離して残りの部分を登録
    パターンとして抽出し、照合画像中から所定の輝度閾値
    Vcに基づいて背景と見なせる部分を分離して残りの部
    分を照合パターンとして抽出し、この抽出した登録パタ
    ーンと照合パターンとの相関を求めることにより登録パ
    ターンと照合パターンとの照合を行うパターン照合装置
    において、 前記輝度閾値Vrを固定したうえ前記輝度閾値Vcを変
    更しながら所定回数照合を繰り返しその照合過程での各
    照合の信頼度を求め、この各照合の信頼度の中から最大
    値を選び出し、この選び出した信頼度が所定値よりも高
    い場合に「一致」と判定する判定手段を備えたことを特
    徴とするパターン照合装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003044856A (ja) * 2001-07-30 2003-02-14 Dds:Kk 指紋照合装置、指紋照合方法及び指紋照合プログラム
JPWO2012127577A1 (ja) * 2011-03-18 2014-07-24 富士通フロンテック株式会社 照合装置、照合プログラム、および照合方法
CN109376630A (zh) * 2018-10-12 2019-02-22 Oppo(重庆)智能科技有限公司 指纹识别方法、电子装置及计算机可读取介质

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