JP2001021699A - 高周波電子加速器および電子線照射装置 - Google Patents

高周波電子加速器および電子線照射装置

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JP2001021699A
JP2001021699A JP11190636A JP19063699A JP2001021699A JP 2001021699 A JP2001021699 A JP 2001021699A JP 11190636 A JP11190636 A JP 11190636A JP 19063699 A JP19063699 A JP 19063699A JP 2001021699 A JP2001021699 A JP 2001021699A
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frequency
electron
gap
electron beam
electron accelerator
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JP11190636A
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Inventor
Shinichi Takama
新一 高真
Masatoshi Kodera
正俊 小寺
Toshiyuki Hattori
俊幸 服部
Takashi Fujisawa
高志 藤澤
Noriyori Hayashizaki
規▲託▼ 林崎
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】装置のコストが低く、収束性のよい電子ビーム
を発生させることができる高周波電子加速器および電子
線照射装置を提供する。 【解決手段】対面する1組の加速電極25を有する高周
波空胴共振器22を使用し、電子銃21から発した電子
を加速電極25の対面部間の空隙で加速するとともに、
空胴共振器22のある側面より取り出した電子aの方向
を空胴共振器22の外部で偏向電磁石23により逆方向
に偏向し、再び空胴共振器22の同じ側面より入射して
空隙26でさらに加速することを繰り返すことによっ
て、空隙26に発生する高周波電圧より高いエネルギー
に電子aの加速を行い得る高周波電子加速器において、
加速電極25間の空隙26の寸法を局部的に変えること
によって電子ビームbの軌道上の高周波磁場の強さを低
減させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子などの荷電粒
子を高周波によって加速する高周波荷電粒子加速器およ
びその加速器を適用した電子線照射装置に係り、特に荷
電粒子を1MeV以上に加速する加速器および電子線照
射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、荷電粒子を1MeV以上の高エネ
ルギに加速する方式としては、主に直流電圧を使用する
方法と高周波を使用する方法とが知られている。
【0003】このうち、直流電圧を使用する方法は加速
エネルギが高くなるに従って、高電圧を発生させる装置
が大きくなり、さらに放電耐圧の点から加速器本体が大
きくなる。例えば電子を5MeVの加速エネルギに加速
する装置では、加速器本体の大きさは直径2.8〜4.
5m、高さ7〜7.5mに達する。このため、それ以上
の加速エネルギを直流電圧方式で得ることは装置の大き
さの点から、実用上問題となる。
【0004】一方、高周波加速方式は、加速電極の間の
空隙での放電耐圧が直流加速方式に比してかなり高いた
め、直流加速方式よりも小さな加速構造で同等の加速エ
ネルギを得ることが可能である。現在、高周波加速方式
を利用する加速器のうち、高周波電子線形加速器では、
高周波としてマイクロ波がよく利用されており、電子を
5MeVに加速するのに長さ1m程度のもの、また10
MeVに加速するのに長さ2m程度のものが一般に使用
されている。したがって、高周波加速方式は同一の加速
エネルギを得るのに直流加速方式に比して装置を小型化
できるという利点を有する。
【0005】しかし、その一方でマイクロ波を利用する
ためには、クライストロンやマグネトロンといったマイ
クロ波発生装置が必要であり、装置のコストと交流電力
のビーム電力への変換効率が直流加速方式よりも低い等
の問題点がある。
【0006】また、マイクロ波を利用した高周波加速器
では連続運転ができないため、電子ビームをパルス的に
しか発生できないという不利な面もある。但し、特に加
速エネルギが5MeV以上必要とされる場合、直流加速
方式はコストと大きさの面から実用的でないため、マイ
クロ波を利用した高周波加速器が使用される傾向にあ
る。
【0007】これまで、上記のマイクロ波を利用した高
周波加速器の問題を解決するために、VHF帯の高周波
を利用する加速器が幾つか考案されており、実際に工業
用電子照射装置として利用されているものとして、ロー
ドトロンがある。
【0008】この装置は、フランスのサクレ研究所で1
987年に提案されたものであり、10MeV、200
kWの装置も完成している。VHF帯の高周波を発生す
るのに四極管を利用しており、連続運転も可能である。
【0009】この装置は図5(A),(B)に例示した
ように、円筒型の外導体1と、その内部に空隙3をもっ
て配置された内導体9と、外導体1のまわりに放射状に
配置された複数の偏向電磁石6と、1つの電子銃4とか
ら構成されている。そして、任意の偏向電磁石6の磁場
を0とすることでエネルギの異なる電子ビームを外部に
取り出すことができるようになっている。但し、電子ビ
ームの方向はエネルギにより異なった方向となり、同一
の照射位置に異なるエネルギの電子ビームを輸送する場
合には、電子ビーム輸送系が複雑となる問題がある。
【0010】また、外導体1を挟んで対面する各偏向電
磁石6の間隔は高周波の自由空間波長と同程度であり、
高周波の周波数が低くなるほど偏向電磁石6間の間隔が
拡がり、電子ビームの収束が困難となる。また、電子ビ
ームが初期エネルギから最終エネルギに加速される間、
電子ビームの軌道は常に内導体9を通ることになり、電
子ビーム同士の干渉が問題となる。
【0011】そこで、同一の照射位置に異なるエネルギ
の電子ビームを簡単な電子ビーム輸送システムで輸送す
ることを可能にし、さらに電子ビームの収束の問題を解
決して、よりコンパクトな空胴共振器を実現できるVH
F帯の高周波を利用する加速装置が1996年に小寺に
よって提案された。この加速器はリッジトロンと呼ば
れ、現在開発中である。
【0012】図6に、このリッジトロンの概略図を示
す。この装置は、円筒状の外導体11の内部に加速電極
としての1組のリッジ状電極12を有し、このリッジ状
電極12の対面部に空隙13が形成されている。リッジ
状電極12は対面部が長い略T字形とされている。これ
は、空隙13の領域のうち、電子ビーム17の軌道15
が存在する領域の電場分布をできるだけ平坦にするため
である。
【0013】そして、電子銃から打ち込まれた電子が電
子ビーム軌道15を通って空隙13で加速され、外導体
11に設けられた窓18から出て、偏向電磁石16の磁
場により180度偏向させられ、再び別の窓18から空
隙3に向って打ち込まれる。
【0014】この作用を繰り返すことによって、電子は
空隙13の電圧よりも高いエネルギに加速され、電子ビ
ーム17として引き出される。
【0015】また、外導体1を挟んで対面する偏向電磁
石16と偏向電磁石16の間隔は高周波の自由空間波長
の1/2と同程度に設定してあり、同じ高周波の周波数
を使用した場合、電子ビームの軌道の長さの点ではロー
ドトロンより電子の収束性を改善することができる。
【0016】図7は、図6A−A線で切断し、B方向か
ら見た状態で示す作用説明図である。この図7に示すリ
ッジトロンのリッジ状電極2の周囲の高周波磁場のある
瞬間の様子から分かるように、リッジ状電極2を取り囲
むように高周波磁場19が発生する。この高周波磁場1
9は、図6に示した空隙13の寸法が、リッジ状電極1
2の全域に亘って一様である場合、空隙13の中にも入
り込んでしまう。
【0017】図8は、図7に示したリッジトロンの場合
の空隙13の中間の平面上で電子ビームの軌道が交差す
る直線上(図7のZ軸上)の高周波磁場分布を示したも
のである。即ち、横軸にZ方向の長さ、縦軸に磁場の強
さByを示している。この図8に示した分布は3次元電
磁界解析コードで計算したもので、空隙に最大500k
Vの高周波電圧が発生している場合を想定している。
【0018】電子銃14から出射されたときの電子のエ
ネルギは通常、10kVから100kVの範囲にあり、
1mT程度の磁場でも電子ビームの進行方向に対して垂
直な磁場であれば電子ビームの収束性が悪くなる。電子
銃4から出射された電子のエネルギが20kV、空隙3
の間隔が0.14mである場合、1mTの高周波磁場に
より、電子ビームは進行方向に対して2度程度以上拡げ
られることになる。
【0019】図7から分かるように、空隙に入り込む磁
場は、電子ビームの進行方向に対して垂直な成分を持つ
ため、従来のリッジトロンでは高周波磁場によって電子
ビームが発散の影響を受けていた。このため、リッジト
ロンはロードトロンよりも偏向電磁石6の間隔が狭くて
済むという利点がある反面、電子ビームが高周波磁場の
影響を受け易いという欠点を持っていた。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従
来、電子を1MeV以上の高エネルギに加速する方式と
してマイクロ波を利用した高周波加速方式が多く使用さ
れているが、マイクロ波を発生する装置が必要となるた
め、装置のコストが高いという問題点がある。また、交
流電力のビーム電力への変換効率が低いという問題があ
るほか、連続運転ができないため、電子ビームをパルス
的にしか発生できないという問題点がある。また、これ
らの問題点を解決するために開発されたVHF帯の高周
波を利用する加速器についても、電子ビームの収束性に
ついて問題点がある。
【0021】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、上述の問題点を解決し、装置のコストが低く、
収束性のよい電子ビームを発生させることができる高周
波電子加速器および電子線照射装置を提供することを目
的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】前記の問題を解決するた
め、請求項1の発明では、外導体と、その内部に配置さ
れ互いの間に空隙を介して対面する1組の加速電極を有
する高周波空胴共振器と、前記外導体の外部に配置され
た偏向電磁石とを備え、電子銃から発した電子を前記加
速電極の対面部間の空隙で加速させるとともに、前記空
胴共振器のある側面より取り出した電子の方向を前記空
胴共振器の外部で前記偏向電磁石により逆方向に偏向
し、再び前記空胴共振器の同じ側面より入射させて前記
空隙でさらに加速することを繰り返すことにより、前記
空隙に発生する高周波電圧より高いエネルギに電子の加
速を行い得る高周波電子加速器において、前記加速電極
間の空隙の寸法を局部的に変えることによって電子ビー
ムの軌道上の高周波磁場の強さを低減させるようにした
ことを特徴とする高周波電子加速器を提供する。
【0023】請求項2の発明では、請求項1記載の高周
波電子加速器において、空隙の寸法を局部的に変える手
段は、加速電極の対面側の一部を前記空隙に向って突出
させた突部である高周波電子加速器を提供する。
【0024】請求項3の発明では、請求項2記載の高周
波電子加速器において、加速電極の突部は、その加速電
極に着脱可能に接合配置される付属電極である高周波電
子加速器を提供する。
【0025】請求項4の発明では、請求項1から3まで
のいずれかに記載の高周波電子加速器において、加速電
極間の空隙に対して複数の平行な電子ビーム軌道が設定
され、前記空隙における前記加速電極の対面間隔が、複
数の電子ビーム軌道のうち1つまたは複数の軌道を含む
範囲内で互いに隣接する場所より狭くなっている高周波
電子加速器を提供する。
【0026】請求項5の発明では、請求項1から4まで
のいずれかに記載の高周波電子加速器において、一つの
空隙を通過した後略180度の偏向を受けて次の空隙に
入るまでのビーム軌道の長さを、その間における電子の
走行時間が高周波の1/2周期の倍数に相当する長さに
設定し、これにより、電子群を高周波位相に常に同期さ
せて加速するようにした高周波電子加速器を提供する。
【0027】請求項6の発明では、請求項1から5まで
のいずれかに記載の高周波電子加速器において、空隙の
中の電場分布が、外導体の中心を通る平面に対して対称
である高周波電子加速器を提供する。
【0028】請求項7の発明では、請求項6記載の高周
波電子加速器において、偏向後の電子ビーム軌道の直線
部が相互に平行である高周波電子加速器を提供する。
【0029】請求項8の発明では、請求項7記載の高周
波電子加速器において、偏向電磁石の磁場を選択的に0
とすることによって、エネルギの異なる電子ビームを取
り出すことを可能とした高周波電子加速器を提供する。
【0030】請求項9の発明では、請求項8記載の高周
波電子加速器において、高周波空胴共振器の同じ側に取
り出されるビームの方向は互いに平行するものとし、エ
ネルギの異なるビームを1つまたは複数の電子ビーム照
射位置に輸送することを可能とした高周波電子加速器を
提供する。
【0031】請求項10の発明では、請求項1から9ま
でのいずれかに記載の高周波電子加速器において、VH
F帯の高周波を使用した高周波電子加速器を提供する。
【0032】請求項11の発明では、請求項1から10
までのいずれかに記載の高周波電子加速器を使用した電
子線照射装置を提供する。
【0033】請求項12の発明では、請求項11記載の
電子線照射装置は、医療用品滅菌システム、食品滅菌シ
ステム、高分子材料加工システム、半導体改質システ
ム、廃棄物処理システムまたはX線発生装置である電子
線照射装置を提供する。
【0034】このような構成の本発明によれば、VHF
帯の高周波を使用して、加速電極間の空隙または加速電
極の寸法を局部的に変えることで磁場分布を変化させ、
空隙での電子ビームの軌道上の高周波磁場の強さを低減
させることで、電子ビームの収束性を悪化させることな
く加速することが可能となる。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図1〜
図4を参照して説明する。
【0036】図1は本発明の一実施形態による高周波電
子加速器を示す構成図であり、図2は図1のC−C線に
沿う断面をD矢視方向から見た状態で概略的に示す作用
説明図である。図3は、本実施形態による効果を説明す
るための特性図である。
【0037】図1および図2に示すように、本実施形態
の高周波電子加速器は大別して、電子銃21、空胴共振
器22および偏向電磁石23を備えている。
【0038】空胴共振器22の主な構造は上述したリッ
ジトロンと略同様に、VHF帯で共振できる構成のもの
である。即ち、外導体24と、その内部に設けられた互
いに対面する1組の加速電極25とを備え、その両加速
電極25の対面部間に空隙26が形成されている。
【0039】そして、前述したリッジトロンと同様に、
電子銃21から打ち込まれた電子aが軌道bを通って空
隙26で加速され、外導体24に設けられた窓27から
出て、偏向電磁石23の磁場により180度偏向させら
れ、再び別の窓23から空隙26に向って打ち込まれる
ようになっている。
【0040】このようにして、加速を繰り返すことによ
って、電子aは空隙26の電圧よりも高いエネルギに加
速され、電子ビームcとして引き出される。
【0041】なお、本実施形態では任意の位置の偏向電
磁石23の磁場を0とすることで、異なるエネルギの電
子ビーム7を取り出すことが可能となっている。これに
より、同一の照射位置に簡単な電子ビーム輸送システム
を付設することで、電子ビームを途中から所定の強度の
ものとして輸送することが可能となっている。
【0042】このような構成において、本実施形態の高
周波電子加速器では、従来のリッジトロンと異なり、図
1および図2に示すように、空隙26が加速電極の両端
の位置で狭くなっている。この空隙26の間隔は、広い
場所で140mm、狭い場所で34mmである。
【0043】この場合、空隙26の寸法を局部的に変え
る手段は、加速電極25の対面側の一部を空隙26に向
って突出させた突部25としてある。この突部25a
は、その加速電極25に着脱可能に接合配置される付属
電極とされており、任意の空隙26を変化させることが
できる。
【0044】なお、空隙26の中の電場分布は、外導体
24の中心を通る平面に対して対称である。また、偏向
後の電子ビーム軌道の直線部が相互に平行である。
【0045】図3は、この場合の空隙26の中間の平面
上で電子軌道bが交差する直線上の高周波磁場分布につ
いて、前述と同じく3次元電磁界解析コードで計算した
ものを示している。計算では、空隙26に最大500k
Vの高周波電圧が発生しているとの結果が得られてい
る。
【0046】この図3に示したように、高周波磁場の最
大値が、0.06mT程度であることが分かる。これ
は、空隙26が両端で狭くなっているために、加速電極
25を取り囲む高周波磁場が空隙26の中に入り込みに
くくなったためである。即ち、、空隙26が両端で狭く
なることによって、空隙部分での電圧分布がより一様に
なるため、高周波磁場が弱くなるものである。
【0047】具体的には、高周波磁場の強さが0.06
mT以下になったことで、電子ビームの収束性を改善し
て加速することが可能となっている。この様子は、図2
に磁場28として示してある。
【0048】例えば電子銃21から出射された電子のエ
ネルギが20kV、空隙26の間隔が140mmである
場合、0.06mTの高周波磁場による、電子ビームの
進行方向に対する拡がりは0.1度程度で済むことにな
る。
【0049】なお、図3においては、空胴共振器は円筒
形をしているが、多角柱でもよく、またそれ以外の形状
としてもよい。
【0050】また、空隙26の間隔が狭くなる場所での
加速電極を着脱可能なものにすれば、高周波磁場の強さ
や空胴共振器の共振周波数を調整することができる。
【0051】図4は、本発明の他の実施形態を示す構成
図である。
【0052】本実施形態では、空隙26の寸法が、電子
軌道bを含むある範囲において、その範囲に隣接する場
所より狭くなっている点が前記一実施形態のものと異な
る。例えば、加速電極25の対面部分に複数の突部25
bが間隔的に配置され、これにより、さらに空隙26が
狭くなっている。
【0053】このように、空隙26が電子ビームのある
位置で狭くなったことで、この他の実施形態では、電子
ビームのある位置に高周波磁場が存在したとしても、電
子aが高周波磁場の影響を受ける時間が減ることにな
る。したがって、前記一実施形態よりも高周波磁場の電
子ビームに対する影響をさらに減少することが可能であ
る。
【0054】また、空隙26の両端での寸法を前記一実
施形態の場合より拡げても、同実施形態と同等の効果
が、電子ビームの収束性に対して得られる。
【0055】さらに、空隙26で電場の強い領域が電子
ビームのある位置に集中するため、空胴共振器としての
電力効率を高める効果も得られる。
【0056】このように、各実施形態によれば、VHF
体の高周波で共振可能な外導体24と対面する1組の加
速電極25からなる高周波空胴共振器22を使用するこ
とで、安定な連続運転が可能となる。また、加速電極2
5の間の空隙で電子を加速させ、加速された電子を共振
器外部の偏向電磁石23で180度偏向し、再度空隙2
6で加速することを繰り返すことにより、空隙26に発
生する電圧より高いエネルギにすることができる。
【0057】さらに、空隙26または加速電極25の寸
法を局部的に変えることで磁場分布を変化させ、空隙2
6の電子ビームの軌道上の高周波磁場の強さを弱くする
ことで、電子ビームの収束性を悪化させることなく加速
することが可能となる。
【0058】そして、加速された電子aを共振器外部の
偏向電磁石23によって180度偏向し、再度空隙で加
速することを繰り返すことで、コンパクトな装置で電子
aを高エネルギに加速することが可能となる。
【0059】また、任意の位置の偏向電磁石23の磁場
を0とすることで、異なるエネルギの電子ビームを取り
出すことができ、簡単な電子ビーム輸送系により、異な
るエネルギの電子ビームbを同一の照射位置に輸送でき
るようになる。
【0060】また、本実施形態の加速方式または加速装
置は、滅菌システム、食品滅菌システム、高分子材料加
工システム、半導体改質システムあるいは廃棄物処理シ
ステムやX線発生装置等に採用することができ、その場
合には、コンパクトで安定な連続運転が行えるシステム
とすることができる。
【0061】
【発明の効果】以上で詳述したように、本発明によれ
ば、装置のコストが低く、収束性のよい電子ビームを発
生させることができる高周波電子加速器および電子線照
射装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の加速装置の一実施形態を示す構成図。
【図2】図1のC−C線に沿って切断した断面のD方向
からの矢視図。
【図3】前記一実施形態において空隙の中間の平面上で
電子ビームの軌道が交差する直線上の高周波磁場分布を
3次元電磁界解析コードを使用して求めた図。
【図4】本発明の加速装置の他の実施例を示す構成図。
【図5】ロードトロンと呼ばれるVHF帯高周波を利用
する従来の電子加速器を示す概略図で、(A)は空胴共
振器の中心軸に垂直な断面図、(B)は平行な断面図。
【図6】従来のリッジトロンを示す概略図。
【図7】従来のリッジトロンのリッジ状電極の周囲の高
周波磁場のある瞬間の様子を示す図で、図6のA−A線
に沿って切断した断面のB方向からの矢視図。
【図8】従来のリッジトロンにおいて、空隙の中間の平
面上で電子ビームの軌道が交差する直線上の高周波磁場
分布を3次元電磁界解析コードを使用して求めた図。
【符号の説明】
21 電子銃 22 空胴共振器 23 偏向電磁石 24 外導体 25 加速電極 25a 突部 26 空隙 27 窓 28 磁場
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤澤 高志 大分県玖珠郡九重町粟野945 (72)発明者 林崎 規▲託▼ 神奈川県川崎市宮前区馬絹2862−6 Fターム(参考) 2G085 AA20 BA09 BB13 BC03 BC20 CA16

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外導体と、その内部に配置され互いの間
    に空隙を介して対面する1組の加速電極を有する高周波
    空胴共振器と、前記外導体の外部に配置された偏向電磁
    石とを備え、電子銃から発した電子を前記加速電極の対
    面部間の空隙で加速させるとともに、前記空胴共振器の
    ある側面より取り出した電子の方向を前記空胴共振器の
    外部で前記偏向電磁石により逆方向に偏向し、再び前記
    空胴共振器の同じ側面より入射させて前記空隙でさらに
    加速することを繰り返すことにより、前記空隙に発生す
    る高周波電圧より高いエネルギに電子の加速を行い得る
    高周波電子加速器において、前記加速電極間の空隙の寸
    法を局部的に変えることによって電子ビームの軌道上の
    高周波磁場の強さを低減させるようにしたことを特徴と
    する高周波電子加速器。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の高周波電子加速器におい
    て、空隙の寸法を局部的に変える手段は、加速電極の対
    面側の一部を前記空隙に向って突出させた突部である高
    周波電子加速器。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の高周波電子加速器におい
    て、加速電極の突部は、その加速電極に着脱可能に接合
    配置される付属電極である高周波電子加速器。
  4. 【請求項4】 請求項1から3までのいずれかに記載の
    高周波電子加速器において、加速電極間の空隙に対して
    複数の平行な電子ビーム軌道が設定され、前記空隙にお
    ける前記加速電極の対面間隔が、複数の電子ビーム軌道
    のうち1つまたは複数の軌道を含む範囲内で互いに隣接
    する場所より狭くなっている高周波電子加速器。
  5. 【請求項5】 請求項1から4までのいずれかに記載の
    高周波電子加速器において、一つの空隙を通過した後略
    180度の偏向を受けて次の空隙に入るまでのビーム軌
    道の長さを、その間における電子の走行時間が高周波の
    1/2周期の倍数に相当する長さに設定し、これによ
    り、電子群を高周波位相に常に同期させて加速するよう
    にした高周波電子加速器。
  6. 【請求項6】 請求項1から5までのいずれかに記載の
    高周波電子加速器において、空隙の中の電場分布が、外
    導体の中心を通る平面に対して対称である高周波電子加
    速器。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の高周波電子加速器におい
    て、偏向後の電子ビーム軌道の直線部が相互に平行であ
    る高周波電子加速器。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の高周波電子加速器におい
    て、偏向電磁石の磁場を選択的に0とすることによっ
    て、エネルギの異なる電子ビームを取り出すことを可能
    とした高周波電子加速器。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の高周波電子加速器におい
    て、高周波空胴共振器の同じ側に取り出されるビームの
    方向は互いに平行するものとし、エネルギの異なるビー
    ムを1つまたは複数の電子ビーム照射位置に輸送するこ
    とを可能とした高周波電子加速器。
  10. 【請求項10】 請求項1から9までのいずれかに記載
    の高周波電子加速器において、VHF帯の高周波を使用
    した高周波電子加速器。
  11. 【請求項11】 請求項1から10までのいずれかに記
    載の高周波電子加速器を使用した電子線照射装置。
  12. 【請求項12】 請求項11記載の電子線照射装置は、
    医療用品滅菌システム、食品滅菌システム、高分子材料
    加工システム、半導体改質システム、廃棄物処理システ
    ムまたはX線発生装置である電子線照射装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7190764B2 (en) 2002-10-25 2007-03-13 Japan Science And Technology Agency Electron accelerator and radiotherapy apparatus using same

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