JP2001003796A - ディーゼルエンジンの制御装置 - Google Patents

ディーゼルエンジンの制御装置

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JP2001003796A
JP2001003796A JP11171025A JP17102599A JP2001003796A JP 2001003796 A JP2001003796 A JP 2001003796A JP 11171025 A JP11171025 A JP 11171025A JP 17102599 A JP17102599 A JP 17102599A JP 2001003796 A JP2001003796 A JP 2001003796A
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  • Exhaust-Gas Circulating Devices (AREA)
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 加速時や加速途中の変速中に、EGR弁の作
動遅れに伴う実EGR流量の応答遅れがあり、この応答
遅れにさらにターボラグが影響する場合においても、噴
射圧力の補正精度を高める。 【解決手段】 実EGR流量を演算手段86がモデル規
範制御により演算し、実過給圧を検出手段89が検出す
る。この実過給圧と目標過給圧を比較するとともに、前
記実EGR流量と目標EGR流量を比較手段90が比較
し、これらの比較結果より実過給圧が目標過給圧より低
くかつ実EGR流量が目標EGR流量より大きい場合に
目標噴射圧力を補正手段91が増大補正し、この補正さ
れた目標噴射圧力となるように燃料噴射圧力を制御手段
92が制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はディーゼルエンジ
ンの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】コモンレール式燃料噴射装置とEGR装
置とを備え、EGR率検出手段により検出される実EG
R率が目標EGR率より高くなる加速時にコモンレール
圧力(燃料噴射圧力)を増大補正することにより燃料と
空気の混合を促進してスモークを低減し、この逆に実E
GR率が目標EGR率より低いときにはコモンレール圧
力を減少補正することにより予混合燃焼割合を小さく
し、NOx発生量を低減するようにしたものがある(特
開平9−242617号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の従来
装置では広域空燃比センサにより検出される排気中の酸
素濃度から実EGR率を求めている。
【0004】しかしながら、広域空燃比センサは、高価
である上に検出遅れが生じるため(センサの検出応答時
定数は1/10秒から数秒のオーダーである)、目標E
GR率と実EGR率が最もずれる加速初期や変速初期に
燃料噴射圧力の補正が遅れる。つまり、実EGR率の応
答遅れのタイミングに合わせて燃料噴射圧力の補正量を
与えなければならないのに、センサの検出遅れにより実
EGR率の目標EGR率からの誤差が最も大きいときに
燃料噴射圧力が変化せず、実EGR率の誤差が減ってき
たときに燃料噴射圧力が変化するのでは、スモークがか
えって悪化したり、ディーゼルノック音が出たりしてし
まう。
【0005】この場合に、上記の実EGR率と目標EG
R率の比較は、実EGR流量と目標EGR流量の比較で
もよいので、実EGR流量をモデル規範制御により演算
することにより、過渡運転時においても応答性のよい実
EGR流量が得られるようにした装置(特開平10−3
18047号公報参照)と上記の従来装置とを組み合わ
せれば、過給を行わないエンジンである限り、実EGR
流量の応答遅れのタイミングに合わせて燃料噴射圧力の
補正量を与えることができる。
【0006】しかしながら、大量EGRによって空気過
剰率が低下するのを避けるため、タービン内に可変ノズ
ルを有する可変容量ターボチャージャを備えて、実用運
転域(低速時や低負荷時)で高過給化する場合には、加
速時や変速中にいわゆるターボラグにより実過給圧の応
答遅れが生じ、これが実EGR流量に大きく影響するの
で、加速時の実EGR流量の一時的増加を回避するた
め、たとえば可変ノズルのノズル開度を減少させること
により吸気流量を小さくして、空気過剰率を改善するこ
とが考えられるが、この方法だとかえって加速時の実E
GR流量の一時的増加を大きくしてしまう。
【0007】これを図72を用いて説明すると、実EG
R流量は排気圧Pexhと吸気圧Pmの差圧ΔP(=Pexh
−Pm)に比例する。同図において、加速時にはまず排
気圧Pexhが応答良く立ち上がり、EGR弁が遅れて閉
じ、その後に実過給圧(=吸気圧Pm)が立ち上がる。
この場合に、ノズル開度を減少させていると、そのノズ
ル開度減少分だけ排気圧Pexhの立ち上がりが大きくな
りかつ吸気圧Pmの立ち上がりが遅れる。この結果、ノ
ズル開度を減少させない場合より上記の差圧ΔPが大き
くなり、そのぶん実EGR流量が大きくなってしまうの
である。
【0008】そこで本発明は、大量EGRが可能なEG
R装置と可変容量ターボチャージャを備えるエンジンを
対象として、実EGR流量をモデル規範制御により過渡
運転時においても応答よく演算しつつ、このようにして
得られる実EGR流量が目標EGR流量より大きく、さ
らに実過給圧が目標過給圧より小さい場合に目標噴射圧
力を増大補正することにより、また、このようにして得
られる実EGR流量が目標EGR流量より小さく、さら
に実過給圧が目標過給圧より大きい場合に目標噴射圧力
を減少補正することにより、加速時や加速途中の変速中
に、EGR弁の作動遅れに伴う実EGR流量の応答遅れ
があり、この応答遅れにさらにターボラグが影響する場
合においても、噴射圧力の補正精度を高めることを目的
とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、図73に
示すように、EGR弁81と、タービン内に可変ノズル
を有する可変容量ターボチャージャ82と、エンジンの
負荷に応じた目標噴射圧力を演算する手段83と、エン
ジンの負荷に応じた目標EGR流量を演算する手段84
と、この目標EGR流量が流れるように前記EGR弁8
1を制御する手段85と、実EGR流量をモデル規範制
御により演算する手段86と、エンジンの負荷に応じた
目標過給圧を演算する手段87と、この目標過給圧が得
られるように前記可変ノズル開度を制御する手段88
と、実過給圧を検出する手段89と、この実過給圧と前
記目標過給圧を比較するとともに、前記実EGR流量と
前記目標EGR流量を比較する手段90と、これらの比
較結果より実過給圧が目標過給圧より低くかつ実EGR
流量が目標EGR流量より大きい場合に前記目標噴射圧
力を増大補正する手段91と、この補正された目標噴射
圧力となるように燃料噴射圧力を制御する手段92とを
備える。
【0010】第2の発明は、図74に示すように、EG
R弁81と、タービン内に可変ノズルを有する可変容量
ターボチャージャ82と、エンジンの負荷に応じた目標
噴射圧力を演算する手段83と、エンジンの負荷に応じ
た目標EGR流量を演算する手段84と、この目標EG
R流量が流れるように前記EGR弁81を制御する手段
85と、実EGR流量をモデル規範制御により演算する
手段86と、エンジンの負荷に応じた目標過給圧を演算
する手段87と、この目標過給圧が得られるように前記
可変ノズル開度を制御する手段88と、実過給圧を検出
する手段89と、この実過給圧と前記目標過給圧を比較
するとともに、前記実EGR流量と前記目標EGR流量
を比較する手段90と、これらの比較結果より実過給圧
が目標過給圧より高くかつ実EGR流量が目標EGR流
量より小さい場合に前記目標噴射圧力を減少補正する手
段101と、この補正された目標噴射圧力となるように
燃料噴射圧力を制御する手段88とを備える。
【0011】第3の発明では、第1の発明において前記
比較結果より実過給圧が目標過給圧より低くかつ実EG
R流量が目標EGR流量より大きい場合に、目標噴射時
期を遅角補正する。
【0012】第4の発明では、第2の発明において前記
比較結果より実過給圧が目標過給圧より高くかつ実EG
R流量が目標EGR流量より小さい場合に、目標噴射圧
力を減少補正する。
【0013】第5の発明では、第1の発明において前記
比較結果より実過給圧が目標過給圧より低くかつ実EG
R流量が目標EGR流量より小さい場合に、前記目標噴
射圧力の増大補正量よりも小さな補正量で前記目標噴射
圧力を増大補正する。
【0014】第6の発明では、第2の発明において前記
比較結果より実過給圧が目標過給圧より高くかつ実EG
R流量が目標EGR流量より大きい場合に、前記目標噴
射圧力の減少補正量よりも小さな補正量で前記目標噴射
圧力を減少補正する。
【0015】第7の発明では、第1から第6までのいず
れか一つの発明において前記実EGR流量を排気圧Pex
hと吸気圧Pm(=実過給圧)の差圧に基づいて演算す
る。
【0016】第8の発明では、第7の発明において吸入
空気量Qas0、燃料噴射量Qf、前記可変ノズルの有効面
積相当値Avntおよび排気温度Texhを検出し、これら4
つの要素を用いて前記排気圧Pexhを、 Pexh=Kpexh×{(Qas0+Qf)/Avnt)}2×Texh+
Pa ただし、Pexh :排気圧、 Qas0 :吸入空気量、 Qf :燃料噴射量、 Avnt :可変ノズルの有効面積相当値、 Texh :タービン入口の排気温度、 Pa :コンプレッサ入口圧、 Kpexh:定数、 の式により演算する。
【0017】第9の発明では、第7の発明において吸入
空気量Qas0、燃料噴射量Qf、前記可変ノズルの有効面
積相当値Avntおよび排気温度Texhを検出し、これら4
つの要素を用いてタービン入口排気圧相当値Pexhrを、 Pexhr=Kpexhn×{(Qas0+Qf)/Avnt)}2×Texh ただし、Pexhr:タービン入口排気圧相当値、 Qas0 :吸入空気量、 Qf :燃料噴射量、 Avnt :可変ノズルの有効面積相当値、 Texh :タービン入口の排気温度、 Pa :コンプレッサ入口圧、 Kpexhn:定数、 の式により演算し、このタービン入口排気圧相当値Pex
hrとコンプレッサ入口圧Paとから前記排気圧Pexhを演
算する。
【0018】第10の発明では、第3または第4の発明
において前記目標噴射圧力および前記目標噴射時期の補
正を、低温予混合燃焼が実現されるように行う。
【0019】
【発明の効果】大量EGRによって空気過剰率が低下す
るのを避けるため、タービン内に可変ノズルを有する可
変容量ターボチャージャを備える場合に、加速時や変速
中にいわゆるターボラグにより実過給圧の応答遅れが生
じ、これが実EGR流量に影響するので、加速時の実E
GR流量の一時的増加を回避するため、たとえば可変ノ
ズルのノズル開度を減少させたのでは、かえって加速時
の実EGR流量の一時的増加を大きくしてしまうことに
なるが、第1、第2、第7の発明では、EGR装置と可
変容量ターボチャージャとを備えるエンジンを対象とし
て、実EGR流量をモデル規範制御により過渡運転時に
おいても応答よく演算しつつ、第1、第7の発明によれ
ばこのようにして得られる実EGR流量が目標EGR流
量より大きくかつ実過給圧が目標過給圧より小さい場合
に目標噴射圧力を増大補正し、また、第2、第7の発明
によればこのようにして得られる実EGR流量が目標E
GR流量より小さくかつ実過給圧が目標過給圧より大き
い場合に目標噴射圧力を減少補正するようにしたので、
実用運転域でのエンジンの排気組成と運転性の双方を改
善できるほか、加速時や加速途中の変速中に、EGR弁
の作動遅れに伴う実EGR流量の応答遅れがあり、この
応答遅れにさらにターボラグが影響する場合において
も、実EGR流量の応答遅れの位相に合わせた燃料噴射
圧力の補正が可能となり、噴射圧力の補正精度を高める
ことができる。
【0020】実EGR流量が目標EGR流量より大きい
ときに燃料噴射圧力を高くすると、実EGR流量の過大
により着火遅れ期間が短縮されるのと燃料噴射圧力の上
昇により着火期間が短縮されるのとで、結果的に着火遅
れ期間は適正なEGR流量のときとほぼ同一になるもの
の、着火までに噴射される燃料量が燃料噴射圧力が上昇
したぶんだけ多く、この多くなった燃料が着火と同時に
一気に燃えるため燃焼が急になり、ディーゼルノック
(燃焼騒音)が生じ、また、実EGR流量が目標EGR
流量より小さい場合に目標噴射圧力を減少補正したとき
にも、燃焼騒音が発生するのであるが、第3、第4の発
明によれば、噴射時期を遅角補正して着火遅れ期間が増
大するようにしているので、燃焼騒音を抑制できる。
【0021】加速直後の一時的増大のあとに実EGR流
量がオーバーシュートする応答の場合に、実EGR流量
が目標EGR流量を下回る区間においても、オーバーシ
ュートのない通常の応答の場合と同じに目標噴射圧力の
補正を行ったのでは、目標噴射圧力の増大補正量が大き
過ぎることになり、あるいは加速途中の変速直後の一時
的減少のあとに実EGR流量がオーバーシュートする応
答の場合に、実EGR流量が目標EGR流量を上回る区
間においてもオーバーシュートのない通常の応答の場合
と同じに目標噴射圧力の補正を行ったのでは、目標噴射
圧力の減少補正量が大き過ぎることになるのであるが、
この場合に第5、第6の発明によればオーバーシュート
のない通常の応答の場合より補正量を小さくするので、
補正量が大き過ぎることがなく、これによって加速時や
加速途中の変速中に一時的増加や一時的減少のあと実E
GR流量がオーバーシュートする応答の場合においても
適切な値の補正量を与えることができる。
【0022】第8の発明は、タービンノズルを通過する
ガスの流れを、流路面積が縮小する場合の流れであると
仮定して排気圧を演算するものであり、この第8の発明
によれば、標準状態において排気圧の高い演算精度が得
られる。
【0023】タービンノズルを通過するガスの流れを、
流路面積が縮小する場合の流れであると仮定して排気圧
を演算すると、標準状態と異なる場合(たとえば高地、
標準温度より高い場合、湿度が標準状態と異なる場合な
ど)に、排気圧の演算精度が低下するのであるが、第9
の発明によれば、タービンノズルを通過するガスの流れ
を、理想気体が断熱変化して流動する場合の流れである
と仮定した演算式により、単位時間当たりの流量と圧力
(つまり比重の変化)が正確に記述できているので、標
準状態と異なる気圧や温度の状態においても、排気圧の
高い演算精度が得られる。しかもこの場合にマッチング
しなければならない特性は単純なものであるため、ほと
んど計算だけで足り(マッチングの必要なし)、机上の
みの計算でも排気圧の演算精度を高くすることができ
る。
【0024】第10の発明によれば、実EGR率の応答
遅れやターボチャージャの作動遅れに伴う過給圧の応答
遅れが生じる過渡運転状態でも、低温予混合燃焼を維持
でき、これによって加速時のスモークと燃焼騒音、加速
途中の変速中の燃焼騒音をさらに抑制できる。
【0025】
【発明の実施の形態】図1はディーゼルエンジンの概略
的な構成図である。
【0026】ディーゼルエンジンの燃焼において、NO
xの生成量は燃焼温度に大きく依存し、その低減には燃
焼温度を相対的に低温化することが有効である。低温予
混合燃焼方式では、排気還流システム(EGR)により
酸素濃度を低減し、これにより低温燃焼を実現する。こ
のため、排気通路53と吸気通路52とをEGR通路5
4で接続し、このEGR通路54の途中にEGR弁57
を設け、排気の一部を吸気中に還流する。
【0027】EGR弁57は、コントロールユニット4
1からの制御信号を受けるステップモータ57aにより
駆動されるもので、エンジンの運転条件に応じて適切な
EGR率が得るようにしている。たとえば、低回転低負
荷域でEGR率を最大の100パーセント(吸入空気流
量とEGRガス流量が同量)とし、回転数、負荷が高く
なるに従い、EGR率を減少させる。高負荷側では排気
温度が上昇するため、多量のEGRガスを還流すると吸
気温度が上昇し、これにより燃焼温度も相対的に上昇
し、NOx低減の効果が減少したり、また、噴射燃料の
着火遅れ期間が短くなり、予混合燃焼が実現できなくな
る。このためにEGR率を高負荷側になるほど、減少さ
せるのである。
【0028】なお、図3に示したように、吸入空気量を
計測するためのエアフローメータ55の下流に吸入空気
を2段階に絞り込む吸気絞り弁56が設けられることが
ある。このときは、排気通路53から吸気通路52に流
れる排気の還流量は、吸気絞り弁56の開度に応じて発
生する吸入負圧と、排気通路53の排気圧力との差圧に
応じるとともに、そのときのEGR弁57の開度に対応
して決定される。
【0029】ここで、前記吸気絞り弁56は負圧アクチ
ュエータ56aにより開度が2段階に制御され、負圧ア
クチュエータ56aには第1の電磁弁61を介して図示
しないバキュームポンプからの負圧を導く第1負圧通路
62と、第2の電磁弁63を介して同じく負圧を導く第
2負圧通路64とが接続され、これら電磁弁61、62
によって調圧された負圧により、吸気絞り弁56の開度
を2段階に制御し、その下流に発生する吸入負圧をコン
トロールするようになっている。
【0030】たとえば、第1の電磁弁61が負圧導入を
やめ、大気圧を導入し、第2の電磁弁63が負圧を導入
しているときは、負圧アクチュエータ56aの負圧は弱
く、吸気絞り弁56の開度は比較的大きくなり、これに
対して、第1の電磁弁61も負圧を導入しているときは
負圧が強く、吸気絞り弁56の開度は小さくなる。ま
た、第1、第2の電磁弁61、63がともに大気圧を導
入しているときは、吸気絞り弁56はリターンスプリン
グにより、全開位置に保持される。
【0031】このように、吸気絞り弁56が設けられる
場合には、コントロールユニット41で、前記第1、第
2電磁弁61、63とステップモータ57aの作動を制
御し、排気還流量を制御することになる。
【0032】EGR通路54の途中には、EGRガスの
冷却装置3を備える。これは、EGR通路54の周りに
形成されウォータジャケット(図示しない)を有し、こ
こにはエンジン冷却水の一部が循環され、この冷却水の
循環量は、冷却水の導入口に設けられた流量制御弁(図
示しない)により調整可能である。コントロールユニッ
ト41からの指令により流量制御弁の開度が大きくなる
ほど、EGRガスの冷却度が増す。
【0033】エンジンの吸気ポート近傍の吸気通路に
は、スワールコントロールバルブ4を備える。コントロ
ールユニット41により、このスワールコントロールバ
ルブ4の開度が制御され、エンジン低回転低負荷域で閉
じられる(開度が減少する)と、燃焼室に吸入される吸
気の流速が高まり燃焼室に強いスワールが生成される。
ただし、スワールが強くなると、シリンダ内の作動ガス
の熱交換率が高まり、作動ガス温度は相対的に低下す
る。
【0034】ピストンに形成される窪み状の燃焼室は、
大径のトロイダル型燃焼室である。これは、ピストンキ
ャビティを、入口を絞らずピストンの冠面から底部まで
円筒状に形成したもので、その底部中央には円錐部が形
成され、この円錐部によって、圧縮行程後期にピストン
キャビティ内へと旋回しながら流れ込むスワールに抵抗
を与えないように、さらに空気と燃料の混合を良好にす
る。
【0035】このように、入口を絞らない円筒状のピス
トンキャビティにより、前述のスワールコントロールバ
ルブ4によって生成されたスワールは、燃焼過程でピス
トンが下降していくのに伴い、ピストンキャビティ内か
らキャビティ外に拡散され、キャビティ外でもスワール
が持続される。
【0036】前記排気通路53には、EGR通路54の
分岐点よりも下流において、可変容量ターボチャージャ
2を備える。このターボチャージャ2は、排気タービン
2aのスクロール入口に、ステップモータ2cにより駆
動される可変ノズル2dが設けられる。前記コントロー
ルユニット41により可変ノズル2dが制御され、エン
ジン低回転域から所定の過給圧が得られるように、低回
転側では排気タービン2aに導入される排気の流速を高
めるノズル開度に制御され、高回転側では排気を抵抗な
く排気タービン2aに導入させるノズル開度(全開状
態)に制御される。また、運転条件によって可変ノズル
2dは、所望の過給圧が得られるノズル開度に制御され
る。
【0037】本実施形態では、可変ノズル2dのノズル
開度をステップモータ2cにより駆動する方式で説明す
るが、ダイヤフラムアクチュエータおよびこのアクチュ
エータへの制御負圧を調整する電磁ソレノイドで駆動す
る方法や直流モータで駆動する方法を用いてもよい。さ
らにノズル位置センサからの信号に基づいてノズル開度
をフィードバック制御するようにしてもかまわない。
【0038】エンジンには図2に示したコモンレール式
の燃料噴射装置10を備える。
【0039】これは、主として、燃料タンク11、サプ
ライポンプ14、コモンレール(蓄圧室)16、気筒ご
とに設けられる燃料噴射ノズル17からなり、高圧のサ
プライポンプ14に生成した高圧燃料をコモンレール1
6に蓄え、燃料噴射ノズル17内の三方弁25によって
ノズルニードルの開閉を行うことで、噴射の開始と終了
を自由に制御することができる。コモンレール16内の
燃料圧力は、圧力センサ32とサプライポンプ14の吐
出量制御機構により、常にエンジンの求める最適値に制
御される。
【0040】これら燃料噴射量、燃料噴射時期、コモン
レール圧力(燃料噴射圧力)などの制御は、マイクロプ
ロセッサで構成されるコントロールユニット41により
行われる。このため、コントロールユニット41には、
アクセル開度センサ33、エンジン回転数とクランク角
度を検出するセンサ34、気筒判別のためのセンサ3
5、水温センサ36からの信号が入力し、これらに基づ
いて、コントロールユニット41は、エンジン回転数と
アクセル開度に応じて目標燃料噴射量Qfと、目標噴射
時期を演算し、この目標燃料噴射量Qfに対応してノズ
ル内の三方弁25のオン時間を制御し、また、目標噴射
時期に対応して三方弁25のON時期を制御する。ま
た、圧力センサ32により検出されるコモンレール圧力
が、目標圧力と一致するようにサプライポンプ14の吐
出量制御機構を介してコモンレール16の燃料圧力をフ
ィードバック制御する。
【0041】目標噴射時期は低温予混合燃焼を実現する
ために、通常の噴射時期よりも遅角される。後述するよ
うに、クランク角で圧縮上死点後の所定の範囲内で燃料
噴射が開始されるように設定される。これにより、噴射
された燃料の着火遅れ期間が長くなり、この間に燃料の
気化が促進され、十分に空気と混合した状態で着火する
ことが可能となる。これにより、排気還流による低酸素
濃度のもとで、低温予混合燃焼が行われ、パティキュレ
ートを増大させることなく、NOxの低減を可能とす
る。
【0042】1はNOx還元触媒(たとえば銅系ゼオラ
イト触媒)である。
【0043】さて、過給圧制御という観点からみると、
EGR制御も、過給圧制御の役割を物理的に果たしてい
る。つまり、EGR量を変化させることにより過給圧も
変化する。逆に、過給圧を変化させると、排気圧が変化
するため、EGR量も変化することになり、過給圧とE
GR量とは独立に制御できない。また、ややもすると、
お互いに制御上の外乱となっている。
【0044】そこで、過給圧とEGR弁に供給される制
御負圧とをタイムシェアリングによって吸気圧センサに
より選択的に検出させ、それら制御負圧、過給圧に基づ
いて、EGR量の制御、過給圧の制御をそれぞれ行う技
術が開示されているが、この技術では特に過渡時の制御
応答性が悪くなる。
【0045】ところで、吸気圧(コンプレッサ出口圧)
Pm、排気圧(タービン入口圧)Pexh、大気圧(コンプ
レッサ入口圧)Pa、EGR弁の有効面積相当値Aegr、
可変ノズルの有効面積相当値Avntの5変数を知ること
ができれば、排気量QexhとEGR量Qegrを計算でき
る。5変数のうち、排気圧以外の変数は検出することが
比較的容易であるが、排気圧は高排気温度・酸化雰囲気
で耐久性をもつセンサが一般的に入手困難であり、かつ
車載用センサとしては高価である。また、前記のような
使用条件での耐久性を持たせるために十分な応答性を得
ることが難しい。したがって、過給圧とEGR量を精度
よくかつ応答性と安定性を損なうことなく制御するため
には、排気圧を推定する手段が必要である。
【0046】このためコントロールユニット41では、
吸入空気量Qas0と、燃料噴射量Qfと、可変ノズルの有
効面積相当値Avntと、排気温度Texhの4つの要素を用
いて、排気圧Pexhをダイレクトにかつ簡単な演算式で
演算(推定)する。
【0047】また、この推定した排気圧Pexhを用いて
EGR制御を行う。たとえば、エンジンの回転数と負荷
に応じて目標EGR率Megrを演算し(図38参照)、
この目標EGR率Megrに基づいて要求EGR量Tqeを
演算し(図41参照)、前記推定した排気圧Pexhと吸
気圧Pmの差とこの要求EGR量TqeとからEGR弁5
7の要求開口面積Tavを演算し(図42参照)、この要
求開口面積TavとなるようにEGR弁開度を制御する。
【0048】コントロールユニット41で行われるこの
制御を次に詳述する。
【0049】なお、以下に詳述する過給圧制御とEGR
制御とは本出願とほぼ同時期の別の出願によりすでに提
案している。
【0050】まず、過給圧制御から説明すると、図4は
可変ノズル2dの指令開度の演算フローで、10msec毎
に実行する。なお、図4に示す指令開度の演算方法は、
基本的に公知のものである。
【0051】ステップ1では回転数Ne、燃料噴射量Q
f、コンプレッサ入口圧Pa、実過給圧Pm_istを読み込
む。
【0052】ここで、実過給圧Pm_istはEGR制御で
後述する吸気圧(コンプレッサ出口圧)Pmと同じもの
であり、この吸気圧Pmはコレクタ52aに設けた吸気
圧センサ72(図1参照)により、またコンプレッサ入
口圧Paはエアフローメータ55の上流に設けた大気圧
センサ73(図1参照)により検出している。燃料噴射
量Qfの演算は後述する。
【0053】ステップ2では回転数Neと燃料噴射量Qf
から図5を内容とするマップを検索することにより基本
過給圧MPMを、またステップ3ではコンプレッサ入口
圧Paより図6を内容とするテーブルを検索することに
より過給圧の大気圧補正値を求め、ステップ4でこの大
気圧補正値を基本過給圧MPMに乗じた値を目標過給圧
Pm_solとして演算する。
【0054】ステップ5では実過給圧Pm_istがこの目
標過給圧Pm_solと一致するようにPI制御によりノズ
ル開度のPI補正量STEP istを演算する。
【0055】ステップ6では回転数Neと燃料噴射量Qf
より図7を内容とするマップを検索することにより可変
ノズルの基本開度MSTEPを、またステップ7ではコ
ンプレッサ入口圧Paより図8を内容とするテーブルを
検索することによりノズル開度の大気圧補正値を求め、
この補正値を基本開度MSTEPに乗じた値をステップ
8において目標開度STEP solとして演算する。
【0056】ステップ9では、実過給圧Pm_istと回転
数NeからD(微分)補正量を算出し、これと前述のP
I補正量STEP istとをステップ10において目標開度S
TEP solに加算した値をVNTstep1として演算する。
【0057】ステップ11ではエンジン回転数Neと実
過給圧Pm_istから所定のマップ(図示しない)を検索
してリミッタ上下限値を求め、VNTstep1がこのリミッタ
内にあればVNTstep1の値を、そうでない場合はリミッタ
上下限値を指令開度VNTstepとして演算する。
【0058】このようにして得られる可変ノズルの指令
開度VNTstepは、図示しない所定のテーブルを検索する
ことにより、ステップ数(可変ノズルアクチュエータと
してのステップモータ2cに与える制御量)に変換さ
れ、このステップ数により指令開度VNTstepとなるよう
に、ステップモータ2cが駆動される。
【0059】次に、EGR制御について、その制御の大
まかなブロック図を図9に、詳細なフローチャートおよ
びそのフローに使うマップやテーブルを図11〜図3
4、図36〜図43に示す。
【0060】ここで、コントロールユニット41で行わ
れる制御方法はモデル規範制御(多変数入力制御系のモ
デルを用いた制御の一つ)である。このため、アクセル
開度センサ33、クランク角センサ34、35、水温セ
ンサ36以外のセンサといえば、エアフローメータ5
5、このエアフローメータ55の近傍に設けた吸気温度
センサ71および本実施形態で新たに設けた吸気圧セン
サ72だけで、制御上で必要となる各種のパラメータ
(たとえば後述する排気圧など)はコントロールユニッ
ト41内ですべて予測演算することになる。なお、モデ
ル規範制御のイメージは、図9の各ブロックが、その各
ブロックに与えられた演算を、回りのブロックとの間で
パラメータの授受を行いつつ瞬時に行うというものであ
る。近年、モデル規範制御の理論的解析が急速に進んだ
ことから、エンジン制御への適用が可能となり、現在、
実用上も問題ないレベルにあることを実験により確認し
ている。
【0061】さらに詳述すると、エアフローメータ5
5など、センサ検出値のサンプリングを一定時間毎に
(図12ステップ1〜3、図16、図18参照)、モ
デル規範制御におけるパラメータの演算を基本的にRef
信号(クランク角の基準位置信号)の入力毎に(図12
ステップ4〜7、図13、図14、図21、図22、図
25、図31、図34、図36、図38、図41、図4
2参照)、最終のアクチュエータへの出力を一定時間
毎に実行する。なお、以下ではRef信号の入力毎のジョ
ブであるところを、一定時間毎のジョブとして記載して
いるところもある(図11参照)。
【0062】また、上記のにおける各パラメータの演
算は図10に示した順番で行う。図10において全ての
処理を行うのに所用の時間がかかるということはなく、
Ref信号の入力により全ての処理が一瞬にして終了す
る。同図において記号の後に付けた「n−1」は、前回
値(つまり1Ref信号前に演算した値)であることを意
味している。
【0063】以下、図10に示した順番で各パラメータ
の演算を説明する。
【0064】なお、EGR制御そのものは特願平10−
31460号(以下「先願装置」という)によりすでに
開示している。
【0065】図11はシリンダ吸入新気量、燃料噴射
量、シリンダ吸入ガス温度のサイクル処理のフローであ
る。ステップ1でシリンダ吸入新気量Qac、燃料噴射量
Qf、シリンダ吸入ガス温度Tnを読み込む。なお、シリ
ンダ吸入新気量Qac、燃料噴射量Qf、シリンダ吸入ガ
ス温度Tnの各演算についてはそれぞれ図12、図2
2、図21により後述する。
【0066】ステップ2ではこれらQac、Qf、Tnを用
いてQexh=Qac・Z-(CYLN#-1)、Qf0=Qf・Z
-(CYLN#-2)、Tn0=Tn・Z-(CYLN#-1)の式によりサイ
クル処理を施すが、これらはエアフローメータ55の読
み込みタイミングに対しての位相差に基づく補正を行う
ものである。ただし、CYLN#はシリンダ数である。
たとえば4気筒エンジンでは、燃料の噴射は、エアフロ
ーメータの読み込みタイミングに対して180CA×
(気筒数−2)ずれるので、シリンダ数から2引いた分
だけディレイ処理を行う。
【0067】図12はシリンダ吸入新気量Qacを演算す
るフローである。
【0068】ステップ1ではエアフローメータ(AM
F)55の出力電圧を読み込み、ステップ2でこの出力
電圧からテーブル変換により吸気量を演算する。ステッ
プ3では吸気脈動の影響をならすためこの吸気量演算値
に対して加重平均処理を行う。
【0069】ステップ4ではエンジン回転数Neを読み
込み、ステップ5においてこの回転数Neと前記した吸
気量の加重平均値Qas0とから、シリンダ吸入空気量
(1吸気行程当たり)Qac0を、
【0070】
【数1】Qac0=(Qas0/Ne)×KCON# ただし、KCON#:定数、 の式により計算する。
【0071】ステップ6ではこのQac0のn回演算分の
ディレイ処理を行い、このディレイ処理後の値Qac0・
-nをコレクタ52a入口でのシリンダ新気量(1吸気
行程当たり)Qacnとして算出する。これはエアフロー
メータ55からコレクタ52a入口までの吸入空気の遅
れを考慮したものである。
【0072】ステップ7では容積比Kvolと体積効率相
当値の前回値Kinn-1を用い、上記のコレクタ52a入
口のシリンダ新気量Qacnから
【0073】
【数2】Qac=Qacn-1×(1−Kvol×Kinn-1)+Qa
cn×Kvol×Kinn-1 ただし、Qacn-1:Qacの前回値、 Kinn-1:Kinの前回値、 の式により遅れ処理を行ってシリンダ吸入新気量(1吸
気行程当たり)Qacを求める。これはコレクタ52a入
口からシリンダまでの吸入空気の遅れを考慮したもので
ある。
【0074】図13はシリンダ吸入EGR量Qecを演算
するフローである。
【0075】この演算内容は上記図12に示したシリン
ダ吸入新気量Qacの演算方法と同様である。ステップ1
で後述(図36参照)のようにして求めるEGR(流)
量Qeの前回値であるQen-1を読み込み、ステップ2で
エンジン回転数Neを読み込む。
【0076】ステップ4ではQen-1とNeと定数KCO
N#とからコレクタ52a入口でのシリンダ吸入EGR
量(1吸気行程当たり)Qecnを
【0077】
【数3】Qecn=(Qen-1/Ne)×KCON# ただし、KCON#:定数、 の式により計算する。さらに、ステップ5でこのコレク
タ入口52aでの値Qecnと容積比Kvol、体積効率相
当値の前回値Kinn-1を用いて、
【0078】
【数4】Qec=Qecn-1×(1−Kvol×Kinn-1)+Qe
cn×Kvol×Kinn-1 ただし、Qecn-1:Qecの前回値、 Kinn-1:Kinの前回値、 の式により遅れ処理を行ってシリンダ吸入EGR量(1
吸気行程当たり)Qecを計算する。これはコレクタ52
a入口からシリンダまでのEGRガスの遅れを考慮した
ものである。
【0079】なお、先願装置では、EGR量Qeに対し
て、排気脈動の影響をならすため加重平均処理を行って
いたが、本実施形態ではQeに対する加重平均処理を行
っていない。これは、次の理由による。排気脈動の影響
をならすためとはいえ、Qeの加重平均処理値を用いた
のでは、その加重平均に伴う誤差を含めてシリンダ吸入
EGR量Qecを演算することになる。そこで、本実施形
態では、脈動を持ったQeのままでQecを演算すること
で、できるだけQecの演算精度を高めるようにしてい
る。
【0080】図14は体積効率相当値Kinを演算するフ
ローである。
【0081】ステップ1ではシリンダ吸入新気量Qac、
シリンダ吸入EGR量Qec、吸気圧Pm、吸入ガス温度
の前回値であるTnn-1を読み込み、このうちPmとTn
n-1からステップ2で図15を内容とするマップを検索
することによりガス密度ROUqcylを求め、このガス密度R
OUqcylとシリンダガス重量Qcyl(=Qac+Qec)を用
いてステップ3において
【0082】
【数5】Kin=Qcyl/(Vc/ROUqcyl) ただし、Vc:1シリンダ容積、 の式(体積効率の定義式)により体積効率相当値Kinを
演算する。
【0083】ここで、体積効率相当値Kinの演算方法は
先願装置と異なっている(先願装置より簡単になってい
る)。これは、本実施形態では吸気圧センサ72を追加
しているため、このセンサ検出値を用いれば体積効率を
定義式より算出できるためである。これにより、本実施
形態では、体積効率の演算について、適合工数を少なく
することができている。
【0084】図16は吸気圧(コレクタ内)の演算(検
出)のフローである。
【0085】ステップ1で吸気圧センサ72の出力電圧
Pm_vを読み込み、この出力電圧Pm_vよりステップ2
において図17を内容とするテーブルを検索することに
より圧力Pm_0に変換し、この圧力値に対してステップ
3で加重平均処理を行い、その加重平均値Pm1を吸気圧
Pmとして演算する。
【0086】吸気圧センサが設けられていなかった先願
装置と相違して、本実施形態では、吸気圧センサが設け
られているため、吸気圧Pmの演算が簡単になってい
る。
【0087】ここで、吸気圧センサを新たに追加した理
由は次の通りである。先願装置ではターボチャージャが
可変容量型でなかったのに対して、本実施形態のターボ
チャージャは可変容量型であるため、ノズル開度が未知
数(自由度)として新たに加わり、先願装置より未知数
が1だけ増えることになった。そこで、未知数を先願装
置と同じにするため、吸気圧センサ72を設けたもので
ある(先願装置では吸気圧も未知数であるが、本実施形
態では吸気圧は未知数でない)。
【0088】図18は吸入新気温度Taを演算するフロ
ーである。
【0089】ステップ1で吸気温度センサ71の出力電
圧Ta_vを読み込み、この出力電圧Ta_vよりステップ
2において図17と同様の特性を内容とするテーブルを
検索することにより温度Ta0に変換する。
【0090】ステップ3では吸気温度センサ71がイン
タークーラ3の上流側と下流側のいずれに装着されてい
るかをみる。
【0091】図1のように、吸気温度センサ71がイン
タークーラ3の上流側にある場合はステップ4に進み、
吸気圧の前回値であるPmn-1に基づいて圧力補正係数K
tmpiを、Ktmpi=Pmn-1×PA#の式より計算する。た
だし、PA#は定数である。
【0092】そして、ステップ5ではこの圧力補正係数
Ktmpiに基づいてコレクタ52a入口での吸入新気温度
Taを、
【0093】
【数6】Ta=Ta0×Ktmpi+TOFF# ただし、TOFF#:定数、 の式(近似式)により計算する。この計算は、熱力学の
法則による温度変化予測演算である。
【0094】吸気温度を車速や吸気量等により補正して
もよい。このときは、図19、図20に示した特性を内
容とするテーブルを予め作成しておき、車速と吸気量
(Qas0)から各テーブルを検索することにより、吸気
温度の車速補正値Kvsp、吸気温度の吸気量補正値Kqa
を求め、上記の数7式に代えて、
【0095】
【数7】 Ta=Kvsp×Kqa×Ta0×Ktmpi+TOFF# の式により吸入新気温度Taを求めればよい。
【0096】一方、インタークーラ3の下流側に吸気温
度センサが装着されている場合は、過給による温度上昇
も、インタークーラによる温度低下のいずれも織り込み
済みとなるので、ステップ6に進み、Ta0の値をそのま
ま吸入新気温度Taとした後、処理を終了する。
【0097】図21はシリンダ吸入ガス温度Tnを演算
するフローである。ステップ1でシリンダ吸入新気量Q
acと吸入新気温度Taとシリンダ吸入EGR量Qecと排
気温度の前回値であるTexhn-1を読み込み、このうちス
テップ2において排気温度の前回値Texhn-1にEGR通
路54での排気温度低下係数Ktlosを乗じてシリンダ吸
入EGRガス温度Teを算出し、ステップ3では
【0098】
【数8】 Tn=(Qac×Ta+Qec×Te)/(Qac+Qec) の式によりシリンダ吸入新気とシリンダ吸入EGRガス
の平均温度を求めてこれをシリンダ吸気温度Tnとす
る。
【0099】図22は燃料噴射量Qfを演算するフロー
である。ステップ1でエンジン回転数Neとコントロー
ルレバー開度(アクセルペダル開度により定まる)CL
を読み込み、ステップ2でこれらNeとCLから図23
を内容とするマップを検索して基本燃料噴射量Mqdrvを
求める。
【0100】ステップ3ではこの基本燃料噴射量に対し
てエンジン冷却水温等に基づいて各種の補正を行い、こ
の補正後の値Qf1に対してさらにステップ4で図24を
内容とするマップに基づいて、燃料噴射量の最大値Qf1
MAXによる制限を行い、制限後の値を燃料噴射量Qfとし
て演算する。
【0101】図25は排気温度Texhを演算するフロー
である。ステップ1、2では燃料噴射量のサイクル処理
値Qf0とシリンダ吸入ガス温度のサイクル処理値Tn0を
読み込む。さらに、ステップ3で排気圧の前回値である
Pexhn-1を読み込む。
【0102】ステップ4では燃料噴射量のサイクル処理
値Qf0から図26を内容とするテーブルを検索して排気
温度基本値Texhbを求める。
【0103】ステップ5では前記した吸入ガス温度のサ
イクル処理値Tn0から排気温度の吸気温度補正係数Kte
xh1を、Ktexh1=(Tn0/TA#)KN#(ただし、TA
#、KN#は定数)の式により、またステップ6では排
気温度の排気圧力補正係数Ktexh2を、排気圧の前回値
Pexhn-1からKtexh2=(Pexhn-1/PA#)(#Ke-1)/
#Ke(ただし、PA#、#Keは定数)の式によりそれぞ
れ計算する。これら2つの補正係数Ktexh1、Ktexh2は
テーブル検索により求めてもかまわない(図27、図2
8参照)。
【0104】次に、ステップ7ではスワール弁の開度位
置(全開か全閉かの2位置)とエンジン回転数Neから
図29を内容とするテーブルを検索することにより排気
温度のスワール補正係数Ktexh3を、ステップ8では指
令開度VNTstepと排気量Qexhとから図30を内容とする
マップを検索することにより排気温度のノズル開度補正
係数Ktexh4をそれぞれ求める。
【0105】そして、ステップ9では、排気温度基本値
Texhbに4つの各補正係数Ktexh1、Ktexh2、Ktexh
3、Ktexh4を乗じて排気温度Texhを計算する。
【0106】ここで、本実施形態では、先願装置にない
2つの補正係数Ktexh3、Ktexh4を新たに導入したの
で、本実施形態のほうが排気温度Texhの演算精度が向
上する。排気温度Texhの演算精度を向上させるように
したのは、次の理由からである。図34のフローで後述
するように、排気温度Texhは排気圧Pexhの演算に用い
られる。したがって、排気温度Texhの演算精度の向上
が排気圧Pexhの演算精度の向上に結びつくので、排気
圧Pexhの演算精度の向上を図るため、新たに2つの補
正係数Ktexh3、Ktexh4を導入したものである。
【0107】なお、図25の処理は、熱力学の式から導
かれる下式を近似したものである。
【0108】
【数9】 図31は可変ノズル2dの有効面積相当値Avntの演算
フローである。ステップ1では指令開度VNTstep、総排
気重量Qtotal(=Qas0+Qf)、排気温度Texhを読み
込む。
【0109】このうち総排気重量Qtotalと排気温度Te
xhからステップ2で
【0110】
【数10】 Wexh=Qtotal×Texh/Tstd [m3/sec] ただし、Tstd:標準大気温度、 の式により排気流速相当値Wexhを算出する。
【0111】ステップ3では、この排気流速相当値Wex
hの平方根をとった値から図32を内容とするテーブル
を検索して摩擦損失ξfricを演算する。ステップ4では
指令開度VNTstepと総ガス重量Qtotalから図33を内容
とするマップを検索してノズル損失ξconvを演算する。
そして、これら2つの損失ξfric、ξconvをステップ5
において指令開度VNTstepに乗算して、つまり
【0112】
【数11】Avnt= VNTstep×ξfric×ξconv の式により可変ノズルの有効面積相当値Avntを演算す
る。
【0113】図34は排気圧(タービン入口圧)Pexh
の演算のフローである。
【0114】ステップ1では吸気量の加重平均値Qas
0、燃料噴射量Qf、有効面積相当値Avnt、排気温度Te
xh、大気圧(コンプレッサ入口圧)Paを読み込み、こ
れらのパラメータを用い、ステップ2において
【0115】
【数12】Pexh0=Kpexh×{(Qas0+Qfuel)/Avn
t}2×Texh+Pa ただし、Kpexh:定数、の式により排気圧Pexh0を演算
し、この排気圧に対してステップ3で加重平均処理を行
い、その加重平均値を排気圧Pexhとして求める。
【0116】ここで、上記の有効面積相当値Avntと排
気圧Pexh0の各演算方法は、次のようにして得たもので
ある。
【0117】〈1〉流路面積が縮小する場合の流れの基
礎式 図44のように緩やかに断面積が縮小する管内を流れる
理想流体を考える。
【0118】流体の圧力、流速、面積、比重をそれぞれ
P、w、A、ρとし、入口を添字1、出口を添字2と
し、入口と出口の断面についてベルヌイ(Bernoulli)
の定理を適用すると、 w1 2/2+P1/ρ=w2 2/2+P2/ρ ・・・(1a) また、連続の式より A1×w1=A2×w2 ・・・(1b) したがって、両式からw1を消去すると、 w2=1/{1−(A2/A1)21/2×{2(P1−P2)/ρ}1/2[m/sec] ・・・(2) 単位時間に流れる流量Qは、連続の式より一定であるか
ら、 Q=ρ×A2×w2 =A2/{1−(A2/A1)21/2×{2ρ×(P1−P2)}1/2[kg/sec] ・・・(3) の式より表すことができる。
【0119】(3)式の右辺の1/{1−(A2
1)21/2を効率ηnとおくと、次の流れの基礎式を得
る。
【0120】 Q=ηn×A2×{2ρ×(P1−P2)}1/2 ・・・(4) 〈2〉ターボチャージャの状態方程式 次に、ターボチャージャ2でのコンプレッサ2bと仕事
の釣合いの関係を調べる。なお、以下で使用する記号は
図45の通りである。
【0121】コンプレッサ2bの実効仕事率Lcは、 Lc=Qas0×Wc/ηc [W] ・・・(5) ただし、Qas0:吸入新気重量流量[kg/sec]、 Wc:コンプレッサ理論仕事[J/kg]、 ηc:コンプレッサ効率相当値。
【0122】また、タービン2aの実効仕事率Ltは、 Lt=ηt×Qtotal×Wt [W] ・・・(6) ただし、Qtotal:総排気重量流量[kg/sec]、 Wt:タービン理論仕事[J/kg]、 ηt:タービン効率相当値。
【0123】タービン2aとコンプレッサ2bは軸を介
して直結されているので、コンプレッサ2bとタービン
2aの実仕事率Lc、Ltが等しいとおけば(軸受けのフ
リクションは効率に含まれる)、ターボチャージャ2の
状態方程式として次式を得る。
【0124】 ηc×ηt×(Qtotal/Qas0)=Wc/Wt ∴Qtotal=(Wc/Wt)×{1/(ηc×ηt)}×Qas0 ・・・(7) 〈3〉流路面積が縮小する場合の排気圧予測式の検討 (7)式の左辺に上記の(4)式を適用して、 Avnt×{2×ρe×(Pexh−Pa)}1/2 =(Wc/Wt)×{1/(ηc×ηt)}×Qas0 ・・・(8a) Avnt=ηn×VNTstep ・・・(8b) ただし、Avnt:可変ノズルの有効面積相当値、 Pexh:排気圧、 Pa:大気圧相当値、 ρe:排気の密度、 VNTstep:指令開度、 ηn:効率(損失分)、 の式を得る。
【0125】(8a)式を排気圧Pexhについて整理する
と、 Pexh={(Wc/Wt)×{1/(ηc×ηt)}×Qas0/Avnt}2 ×(1/(2×ρe))+Pa ・・・(9) ここで、排気密度ρeは理論式によれば ρe=ρstd×(Ta/Texh)×(Pexh/Pa) ・・・(10) ただし、ρstd:標準大気の密度(≒1.1679g/cm3)、 Ta:コンプレッサ入口温度、 Texh:排気温度、 Pexh:排気圧、 Pa:大気圧、 であるが、この理論式では排気密度ρeを求めるのに排
気圧Pexhを用いることになって具合が悪いので、 ρe≒ρstd×(Ta/Texh)=Tstd/Texh ・・・(11) ただし、Tstd:標準大気の温度(≒298.15K)、 の近似式を用いる。近似できる理由は、排気圧Pexhが
高くなれば、排気温度Texhも高くなるので、排気圧Pe
xhの変化分を排気温度Texhに含めて考えることができ
るからである。
【0126】したがって、(11)式を(9)式に代入す
ることにより、次の式を得る。
【0127】 Pexh=Kpexh×(Wc/Wt)×{1/(ηc×ηt)}×Qas0/Avnt}2 ×Texh+Pa ・・・(12a) Kpexh=1/(2×Ta×ρstd) =1/(2×Tstd) ・・・(12b) ただし、Kpexh:定数。
【0128】ここで、(12a)式右辺のコンプレッサ理
論仕事Wcとタービン理論仕事Wtは次式で与えられる。
【0129】
【数13】 さて、(12a)式より、排気圧Pexhの演算式が求められ
たが、(12a)式中のηc、ηt、Wc、Wtの演算は複雑
であり(ECUの能力が要る)、また、(14)式ではこ
れから求めようとする排気圧Pexhを知る必要があるの
で、さらに考える。
【0130】いま、総排気重量Qtotalと吸入新気量Qa
s0および燃料噴射量Qf(単位はすべて[kg/sec]とす
る)の間には次の関係がある。
【0131】 Qtotal=Qas0+Qf ・・・(15) (15)式の左辺に上記の(4)式を適用して、 Avnt×{2×ρe×(Pexh−Pa)}1/2=Qas0+Qf ・・・(16a) Avnt=ηn×VNTstep ・・・(16b) (16a)式の両辺を2乗して排気圧Pexhについて整理す
ると、次式が得られる。
【0132】 Pexh={(Qas0+Qf)/Avnt}2×(1/ρe)+Pa ・・・(17) ここでも、上記の排気密度ρeの近似式である(11)式
を(17)式に代入することにより、次の最終式を得る。
【0133】 Pexh=Kpexh×{(Qas0+Qf)/Avnt}2×Texh+Pa ・・・(18a) Kpexh=1/(2×Ta×ρstd) =1/(2×Tstd) ・・・(18b) ただし、Kpexh:定数。
【0134】(18a)式は上記の(12a)式と等価であ
り、(18a)式による排気圧Pexhの演算式には、コンプ
レッサ2b、タービン2aの理論仕事の比(Wc/Wt)
と各々の効率の積(ηc×ηt)が含まれており、(18a)
式を用いれば、ターボチャージャ2の理論仕事Wc、Wt
と効率ηc、ηtが未知であっても考慮したことになる。
ゆえにあとは、可変ノズル2dを流れるガスの効率ηn
を求めればよい。
【0135】〈4〉ノズルを流れるガスの効率ηn 効率ηnを含んだ可変ノズル2dの有効面積相当値Avnt
は上記の(8b)式、(16b)式で与えられるが、さらに効率
ηnは次式で表すことができる。
【0136】 Avnt=ηn×VNTstep =ξconv×ξfric×VNTstep ・・・(19) ただし、ξconv:ノズル損失、 ξfric:摩擦損失。
【0137】(19)式においてノズル損失ξconvは、ノ
ズル開度毎に決まる損失であり、縮まり管の場合、
(3)式からわかるように1/{1−(A2/A1)21/2
が効率になる。
【0138】しかしながら、流速の変化が大きい場合、
1/{1−(A2/A1)21/2の値をそのままノズル損失
ξconvとみなすと、実際のノズル損失と合わないことが
多いので、ノズル開度に対する効率のテーブルを持たせ
ることで記述している(図33参照)。
【0139】また、(19)式の摩擦損失ξfricは、ノズ
ル内部の流れを層流とみなすとハーゲンポアズイユ(Ha
gen-Poiseuille)の式が成り立ち、流速の平方根に摩擦
損失ξfricが比例する。そこで、 Wexh=Qtotal/ρe ・・・(20) の式により体積流量相当値Wexhを算出し、これの平方
根を排気流速として、これにより摩擦損失ξfricを検索
する(図32参照)。
【0140】ここでも、排気密度ρeの近似式である(1
1)式を(20)式に代入して、 Wexh=Qtotal×Texh/(ρstd×Ta) =Qtotal×Texh/Tstd ・・・(21) このようにして、(19)式によりノズル有効面積相当値
Avntを演算し、このAvntのほか、Qas0、Qf、Tex
h、Pa を用いて、(18a)、(18b)式により排気圧Pe
xhを予測するようにしたわけである。排気圧の実測値と
予測値の相関を調べた実験結果を図35に示す。同図よ
り、予測値でも十分な精度があることがわかる。
【0141】次に、図36はEGR(流)量Qeを演算す
るフローである。ステップ1では上記した吸気圧Pm、
排気圧Pexh、EGR弁実開度としてのEGR弁実リフ
ト量Liftsを読み込む。あるいは、ステップモータのよ
うに目標値を与えれば実際のEGR弁リフト量が一義に
決まる場合は、目標EGR弁リフト量でもよい。
【0142】ステップ2では、このEGR弁実リフト量
Liftsから図37を内容とするテーブルを検索して、E
GR弁57の開口面積相当値Aveを求める。
【0143】そして、ステップ3において、EGR流量
Qeを、これら吸気圧Pmと排気圧Pexh、EGR弁57
の開口面積相当値Aveとから、
【0144】
【数14】Qe=Ave×{(Pexh−Pm)×KR#}1/2 ただし、KR#:補正係数(定数)、 の式により計算する。
【0145】図38は目標EGR率Megrを演算するフ
ローである。ステップ1でエンジン回転数Ne、燃料噴
射量Qf、シリンダ吸入ガス温度Tnを読み込み、このう
ちNeとQfとから図39を内容とするマップを検索し
て、目標EGR率基本値Megr0を求める。ステップ3で
はシリンダ吸入ガス温度Tnから図40を内容とするテ
ーブルを検索して目標EGR率補正値Hegrを求め、こ
の目標EGR率補正値Hegrを目標EGR率基本値Megr
0に乗ずることによって目標EGR率Megrを計算する。
【0146】図41は要求EGR(流)量Tqeの演算フロ
ーである。ステップ1でエンジン回転数Ne、目標EG
R率Megr、シリンダ吸入新気量Qac、燃料噴射量のサ
イクル処理値Qf0を読み込み、このうちシリンダ吸入新
気量Qacに目標EGR率Megrをステップ2において乗
ずることで目標吸入EGR量Mqecを計算する。
【0147】ステップ3ではこの目標吸入EGR量Mqe
cに対して、Kin×Kvolを加重平均係数として
【0148】
【数15】Rqec=Rqecn-1×(1−Kin×Kvol)+M
qec×Kin×Kvol ただし、Rqecn-1:Rqecの前回値、 の式により中間処理値(加重平均値)Rqecを演算し、
この中間処理値Rqecと上記の目標吸入EGR量Mqecを
用いてステップ4で
【0149】
【数16】Tqec=Mqec×GKQEC+Rqecn-1×(1
−GKQEC) ただし、Rqecn-1:Rqecの前回値、 GKQEC:進み補償ゲイン、 の式により進み処理を行って目標シリンダ吸入EGR量
Tqecを求める。要求値に対して吸気系の遅れ(すなわ
ちEGR弁57→コレクタ52a→吸気マニホールド→
吸気弁の容量分の遅れ)があるので、ステップ3、4で
はこの遅れ分の進み処理を行うものである。
【0150】ステップ5ではこの目標シリンダ吸入EG
R量Tqecから、
【0151】
【数17】Tqe=(Tqec/Ne)×KCON# ただし、KCON#:定数、 の式により単位変換(1シリンダ当たり→単位時間当た
り)を行って、要求EGR量Tqeを計算する。
【0152】図42は指令EGR弁開度としての指令E
GR弁リフト量Lifttを演算するフローである。ステッ
プ1では吸気圧Pm、排気圧Pexh、要求EGR量Tqeを
読み込む。ステップ2ではEGR弁57の要求開口面積
Tavを、
【0153】
【数18】 Tav=Tqe/{(Pexh−Pm)×KR#}1/2 ただし、KR#:補正係数(定数)、 の式(流体力学の法則)で計算する。
【0154】ステップ3ではこのEGR弁57の要求開
口面積Tavより図43を内容とするテーブルを検索して
目標EGR弁開度としてのEGR弁目標リフト量Mlift
を求め、この目標リフト量Mliftに対して、ステップ4
において、EGR弁57の作動遅れ分の進み処理を行
い、その進み処理後の値を指令EGR弁リフト量Liftt
として求める。
【0155】このようにして求められた指令EGR弁リ
フト量Lifttが図示しないフローによりステップモータ
57aへと出力され、EGR弁57が駆動される。
【0156】これでEGR制御の説明を終了する。
【0157】このように、本発明の実施形態では、吸気
量(の加重平均値)Qas0、燃料噴射量Qf、可変ノズルの
有効面積相当値Avnt、排気温度Texhの4つの要素から
ダイレクトにかつ簡単な上記の数12式を用いて排気圧
Pexhを演算できることになったので、可変容量ターボ
チャージャを備える場合においても、過渡時に応答遅れ
なく排気圧を推定できる。
【0158】また、有効面積相当値Avntを、可変ノズ
ル2dを流れるガスの効率ηnと可変ノズル2dを駆動
するステップモータ2cに与える指令開度VNTstepとの
積で与えるようにしたので、可変ノズル2dを流れるガ
スの効率ηnを考慮できる。
【0159】また、可変ノズル2dを流れるガスの効率
ηnは摩擦損失ξfricとノズル損失ξconvの積としたの
で、摩擦損失とノズル損失を別個に考慮できる。
【0160】また、摩擦損失ξfricを、排気流速相当値
Wexhの平方根に比例する値で与えるようにしたので、
排気流速が相違しても、摩擦損失ξfricを精度よく与え
ることができる。
【0161】また、流速の変化が大きい場合、縮まり管
に対する損失(上記(3)式の1/{1−(A2
1)21/2の値)をそのままノズル損失とみなすと、実
際のノズル損失と合わないことが多いのであるが、本実
施形態ではノズル損失ξconvを、指令開度VNTstepと総
排気重量Qtotalに応じた値としたので、流速の変化が
大きい場合にも実際のノズル損失とよく合致させること
ができる。
【0162】また、指令開度VNTstepと排気量Qexhに応
じて排気温度のノズル開度補正係数Ktexh4を演算し、
この補正係数Ktexh4で排気温度基本値Texhbを補正す
るようにしたので、排気温度Texhの演算精度が向上
し、この向上分だけ排気圧Pexhの演算精度が向上す
る。同様にして、吸気ポートにスワール弁を備える場合
には、このスワール弁の開度位置とエンジン回転数Ne
に応じて排気温度のスワール補正係数Ktexh3を演算
し、この補正係数Ktexh3で排気温度基本値Texhbを補
正するようにしたので、吸気ポートにスワール弁を備え
る場合にも排気温度Texhの演算精度が向上し、この向
上分だけ排気圧Pexhの演算精度が向上する。
【0163】なお、排気圧(タービン入口圧)の演算式
は上記の数12式に限られるものでない。これを図46
の演算フローで説明すると、このフローは図34に置き
換わるものである。
【0164】図34では、ノズル2dを通過するガスの
流れを、流路面積が縮小する場合の流れである(図44
参照)と仮定して排気圧を演算したのに対して、図46
は、ノズルを通過するガスの流れを、理想気体が断熱変
化して流動する場合の流れ(図48参照)と仮定して求
めるものである。図46において具体的には、ステップ
11で
【0165】
【数19】Pexhr=Kpexhn×{(Qas0+Qfuel)/Avn
t}2×Texh ただし、Kpexhn:定数、 の式によりタービン入口排気圧相当値Pexhrを演算し、
このPexhrと大気圧Paからステップ12において図4
7を内容とするマップを検索することにより排気圧Pex
h0を求める。後は、図34と同じであり、このPexh0に
対してステップ3で加重平均処理を行い、その加重平均
値を排気圧Pexhとして求める。
【0166】ここで、どのようにして数19式の排気圧
の演算方法を得たかを次に説明する。
【0167】〈5〉先細ノズルの場合の流れの基礎式 タービンノズルを通過する通過する流れを考察すると、
外部との熱の出入りや仕事がほとんどないため、流体の
持つエネルギは、内部エネルギの減少分が運動エネルギ
と押し出し仕事に変化すると考えられる。また、エンジ
ンの排気は、低圧・高温なので理想気体とみなせる。し
たがって、タービンノズルを通過する排気の流れは、
「理想気体が断熱変化をして流動する」と考えることが
できる。
【0168】さて、タービンノズルのような先細ノズル
において、図48に示したように、圧力、比容積、流
速、面積、温度、比熱比、気体定数をそれぞれ、P、
v、w、A、T、κ、Rとし、入口を添字1、出口を添
字2とすると、
【0169】
【数20】 である。また、定常流動のエネルギ基本式から、次式が
成り立つ。
【0170】
【数21】数19式に(31)式を代入して、
【0171】
【数22】あるいはP11=RT1から、
【0172】
【数23】先細ノズルでは、入口流速w1は出口流速w2
に比べてきわめて小さいので省略すると、ノズル出口端
の速度w2は次式で与えられる。
【0173】
【数24】 ノズルの各断面を単位時間に流れる流量Qは、連続の式
より一定であるから、 Q=A2×w2/v2=ρe×A2×w2[kg/sec] ・・・(33) である。また、ノズル内を流れる流体は理想気体で断熱
変化するものとみなしているから、上記の(31)式よ
り、
【0174】
【数25】 である。
【0175】(33)式に(32)式と(34)式を代入する
と、
【0176】
【数26】 (35)式が先細ノズルの場合の流れの基礎式である。
【0177】〈6〉先細ノズルの場合の排気圧予測式の
検討 図45を参照する。(15)式から Qas0+Qf=Qtotal[kg/sec] ・・・(36) である。この(36)式の右辺に、面積が縮小するノズル
の流れの式である上記の(35)式を適用して、
【0178】
【数27】 の式を得る。
【0179】ここで、タービン入口排気圧相当値Pexhr
を、
【0180】
【数28】 とおくと、(37a)式は Qas0+Qf =Avnt×[2×(κe/(κe−1))×ρe×Pexhr]1/2[kg/sec] ・・・(39) となるので、(39)式をタービン入口排気圧相当値Pex
hrについて整理すると、次式が得られる。
【0181】 Pexhr=(1/(2×ρe))×(κe/(κe−1)) ×{(Qas0+Qf)/Avnt}2[Pa] ・・・(40) ここでも、排気密度ρeの近似式である(11)式を(4
0)式に代入することにより、次の最終式を得る。
【0182】 Pexhr=Kpexhn×{(Qas0+Qf)/Avnt}2×Texh[Pa]・・・(41a) Kpexhn=(1/(2×ρe))×(κe/(κe−1)) ・・・(41b) ただし、Kpexhn:定数。
【0183】さて、上記の数12式のように、ノズルを
通過するガスの流れを、流路面積が縮小する場合の流れ
であると仮定して排気圧を演算するものでは、標準状態
(298K、0.1MPa)において排気圧の高い演算精度が
得られるのであるが、実験によると、標準状態と異なる
場合(たとえば高地、標準温度より温度が高い場合、湿
度が標準状態と異なる場合など)に、排気圧の演算精度
が低下することがわかっている。これは、数12式が比
重の変化を考慮してはいるが、まだ正確でないためと思
われる。
【0184】これに対して、ノズルを通過するガスの流
れを、理想気体が断熱変化して流動する場合の流れであ
ると仮定して求めた第4実施形態によれば、演算式によ
り単位時間当たりの流量と圧力(つまり比重の変化)が
正確に記述できているので、標準状態と異なる気圧や温
度の状態においても、排気圧の高い演算精度が得られる
ことになった。
【0185】しかもマッチングしなければならない図4
7の特性は、図示のように単純なものであるため、ほと
んど計算だけで足り(マッチングの必要なし)、机上の
みの計算でも排気圧の演算精度は高いのである(実験に
より確認している)。
【0186】さて、EGR装置と可変容量ターボチャー
ジャをエンジンに備え、前述したモデル規範制御を用い
たEGR制御と上記の過給圧制御とを行うとともに、手
動変速機を備える車両を用いて発進加速を行ったとき、
この車両においては発進加速直後に燃焼騒音とスモーク
が一時的に増えること、また加速途中の変速中には燃焼
騒音が一時的に増えることを見い出した。そこで、これ
を解析するため、エンジン回転数を一定に保ったまま、
燃料噴射量をステップ的に増大し、一定期間のあとにス
テップ的に燃料噴射量を減少させる実験を行った。この
ときの実験結果をモデル的に示したのが図49である。
同図において、燃料噴射量Qfがステップ的に増加する
t1のタイミングが発進加速時に、燃料噴射量Qfがス
テップ的に減少するt2のタイミングが加速途中の変速
中に対応する。
【0187】なお、t2のタイミングが加速途中の変速
中に対応するのは次の理由からである。手動変速機を備
える車両でたとえばギア位置を1速にした状態でアクセ
ルペダルを踏み込んで加速(発進加速)を行い、そのあ
とギア位置を2速に入れ換えるにはそれまで踏み込んで
いたアクセルペダルから足を離してクラッチペダルに移
し、クラッチペダルを踏み込んでクラッチを切らなけれ
ならない。このクラッチ切断の過程でアクセルペダル開
度が減少し、このアクセルペダル開度の減少に対応して
燃料供給量が減少するわけである。ただし、本発明は手
動変速機を備える車両に限定されるものでなく、自動変
速機を備える車両においてもt2のタイミングが加速途
中の変速中に対応する。自動変速機を備える車両では、
変速時に変速ショックを和らげるため、燃料噴射量を減
量する指令が出るからである。
【0188】以下、(1)発進加速直後と(2)加速途
中の変速中に分けて解析する。 (1)発進加速直後:負荷増大によって排気圧Pexhが
応答よく上昇するのに対してターボチャージャ2の作動
遅れによって吸気圧Pmのほうは遅れて上昇するため、
吸気圧Pmと排気圧Pexhの差圧ΔP(=Pexh−Pm)が
第5段目のように増大し、これによって実EGR流量
(数13式により演算されるQe)が、第3段目一点鎖
線のように一時的に増加し、その後に増加後の燃料噴射
量Qfに対応するEGR流量へと一次遅れで収束する。
このターボチャージャ2の作動遅れに伴う一時的なEG
R流量の増加で低温予混合燃焼を維持できなくなる。燃
焼状態が拡散燃焼を主体とする通常のディーゼル燃焼に
移行し、燃焼騒音(1kHzバンドのCPL)とスモー
ク(ISF)が増大するのである。 (2)加速途中の変速中:負荷減少によって排気圧Pex
hが応答よく減少するのに対してターボチャージャ2の
作動遅れで吸気圧Pmが遅れて減少するため、差圧ΔP
が第5段目のように減少し、これによって実EGR流量
が一時的に減少し、そのあとは減少後の燃料噴射量Qf
に対応するEGR流量へと一次遅れで収束する。このタ
ーボチャージャ2の作動遅れに伴う一時的なEGR流量
の減少によっても燃焼状態が低温予混合燃焼から拡散燃
焼を主体とする通常のディーゼル燃焼に移行してしま
い、燃焼騒音が増大するのである。
【0189】そこでコントロールユニット41では、上
記(1)の場合、つまり実過給圧(=吸気圧)が目標過
給圧より小さくかつ実EGR流量が目標EGR流量より
大きい場合に、コモンレール圧力(燃料噴射圧力)を増
大補正し、かつ噴射時期を遅角補正する。コモンレール
圧力を増大させることで、燃料噴霧の微粒化を促進させ
てスモークを低減し、かつ噴射時期を遅角して着火遅れ
期間を増大させることで、燃料と空気の混合を促進させ
た後に燃焼させ、これによって低温予混合燃焼を維持さ
せ、燃焼騒音とスモークをともに抑制するのである。
【0190】また、(2)の場合、つまり実過給圧が目
標過給圧より大きくかつ実EGR流量が目標EGR流量
より小さい場合に、コモンレール圧力を減少補正し、か
つ噴射時期を遅角補正する。コモンレール圧力を減少さ
せることで、燃料噴霧の微粒化を鈍化させて燃焼を緩慢
にする(酸素量が十分なのでスモークは悪化しない)と
ともに、燃料噴射時期を遅角して着火遅れ期間を増大さ
せることで、燃料と空気の混合を促進させた後に燃焼さ
せることにより、この場合も低温予混合燃焼を維持さ
せ、これによって燃焼騒音を抑制するのである。
【0191】これをまとめたのが図50の表図で、同図
において右上欄が上記(1)の場合に、左下欄が上記
(2)の場合に対応する。
【0192】この場合、実過給圧と目標過給圧の比較結
果および実EGR流量と目標EGR流量の比較結果の組
み合わせによれば、次の(3)、(4)の場合が考えら
れるので、この(3)、(4)の場合に対しては、次の
ようにコモンレール圧力および噴射時期を制御する。 (3)実過給圧が目標過給圧より大きくかつ実EGR流
量が目標EGR流量より大きい場合:上記(2)の場合
よりコモンレール圧力の減少補正量および噴射時期の遅
角補正量を小さくする(図50の右下欄に対応)。 (4)実過給圧が目標過給圧より小さくかつ実EGR流
量が目標EGR流量より小さい場合:上記(1)の場合
よりコモンレール圧力の増大補正量および噴射時期の遅
角補正量を小さくする(図50の左上欄に対応)。
【0193】ここで、(3)や(4)の場合は、実EG
R流量がオーバーシュートする応答の場合に対処するた
めのものである。たとえば、加速途中の変速中のEGR
流量の変化を図51にモデル的に示すと、実EGR流量
の通常の応答の場合には、上記(2)の場合のコモンレ
ール圧力および噴射時期の制御で対処した。しかしなが
ら、実EGR流量が目標値を超えてオーバーシュートす
る応答(図ではゲイン過多の応答)の場合に、実EGR
流量が目標EGR流量を上回るt3からt4までの区間
においても(2)の場合の制御を行ったのでは、コモン
レール圧力の減少補正量および燃料噴射時期の遅角補正
量が大き過ぎることになるので、各補正量を小さくする
ため、(3)の場合の制御を行うのである。
【0194】コントロールユニット41で行われる上記
の制御を次に詳述する。
【0195】図52はコモンレール圧力補正量K Pra
ilの演算フローで、10msec毎に実行する。
【0196】ステップ1でエンジン回転数Ne、燃料噴
射量Qf、シリンダ吸入EGR量Qec(図13により演
算)、目標シリンダ吸入EGR量Tqec(図41ステッ
プ4で演算)、実過給圧Pm、目標過給圧TPmを読み込
む。
【0197】ここでは、実EGR流量としてシリンダ吸
入EGR量Qecを、その目標値として目標シリンダ吸入
EGR量Tqecを用いたが、実EGR流量Qe(図36に
より演算)とこれに対応する目標値としての要求EGR
流量Tqe(図41参照)を用いてもかまわない。なお、
実過給圧Pm_ist(センサ72により検出)は吸気圧P
mに等しいので、符号としてはPmを用いている。また、
目標過給圧Pm_solは図4のステップ4で演算されてい
るが、Pmという符号に対応してTPmという符号を用い
る。
【0198】ステップ2ではシリンダ吸入EGR量Qec
と目標シリンダ吸入EGR量Tqecとの差dQec、実過給
圧Pmと目標過給圧TPmとの差dPmを演算し、これらの
差dQec、dPmからステップ3で図53を内容とする2
つのテーブルのいずれかを検索することにより、コモン
レール圧力補正量の基本値KQB Pを演算する。
【0199】また、エンジン回転数Neと燃料噴射量Qf
からステップ4で図54を内容とするマップを検索する
ことにより補正ゲインとしての運転条件反映係数KQC
Pを演算し、この係数KQC Pと上記の基本値KQ
Pとを用いステップ5において、
【0200】
【数18】K Prail=KQB P×KQC P の式によりコモンレール圧力補正量K Prailを演算す
る。
【0201】ここで、基本値KQB Pは図50で前述
したコモンレール圧力補正量を与えるものである。すな
わちKQB Pの値は、TPm>PmかつQec>Tqecの
場合(上記(1)の場合)に、dQecに比例して大きく
なり(図53右図参照)、TPm<PmかつQec<Tqec
の場合(上記(2)の場合)に、dQecに比例して負で
大きくなる値である(図53左図参照)。また、TPm
>PmかつQec<Tqecの場合(上記(3)の場合)に上
記(2)の場合より直線の傾きを緩やかに(図53右図
参照)、同様にしてTPm<PmかつQec>Tqecの場合
(上記(4)の場合)に上記(1)の場合より直線の傾
きを緩やかにしている(図53左図参照)。
【0202】図54においては、Aが低温予混合燃焼
域、Cが拡散燃焼を主体とする通常のディーゼル燃焼
域、Bが両者の中間の領域で、燃焼騒音は特にBの領域
においいて顕著であることから、Bの領域でKQC
を最大の1.0としている。
【0203】Aの領域でKQC P=0.8としている
のは、この領域ではEGR流量、過給圧とも応答が遅い
ため、補正ゲインが大きいとハンチングの可能性がある
ので、このハンチング防止のため補正ゲインを小さくし
ているものである。
【0204】またCの領域でKQC P=0.6として
いるのは、次の理由からである。この領域はEGRを中
止しかつ高過給圧の領域であるため、原則的には補正す
る必要のない領域である。しかしながら、KQC Pの
値は、最終的には適合によって定めることになるので、
Cでの値が必要な場合も生じる。そこで、Cの領域でも
値を入れることができるようにしている(0.6は仮の
値)。
【0205】図55は噴射時期補正量K ITの演算フ
ローである。
【0206】ステップ1、2は図52のステップ1、2
と同じである(シリンダ吸入EGR量Qecと目標シリン
ダ吸入EGR量Tqecとの差dQec、実過給圧Pmと目標
過給圧TPmとの差dPmを演算する)。
【0207】ステップ3ではこれらの差dQec、dPmか
ら図56を内容とする2つのテーブルのいずれかを検索
することにより、噴射時期補正量の基本値KQB IT
を、またエンジン回転数Neと燃料噴射量Qfからステッ
プ4で図57を内容とするマップを検索することによ
り、補正ゲインとしての運転条件反映係数KQC IT
を演算し、これら運転条件反映係数KQC IT、基本
値KQB ITを用いステップ5において
【0208】
【数19】K IT=KQB IT×KQC IT の式により噴射時期補正量K_ITを演算する。
【0209】ここで、基本値KQB ITは図50で前
述した料噴射時期の遅角補正量を与えるものである。す
なわち、基本値KQB ITはTPm>PmかつQec>T
qecの場合(上記(1)の場合)に、dQecに比例してK
QB ITの値が負で大きくなり(図56右図参照)、
TPm<PmかつQec<Tqecの場合(上記(2)の場
合)に、dQecに比例してKQB ITの値が負で大き
くなる(図56左図参照)値である。また、TPm>Pm
かつQec<Tqecの場合(上記(3)の場合)に上記
(2)の場合より直線の傾きを緩やかに(図56右図参
照)、同様にしてTPm<PmかつQec>Tqecの場合
(上記(4)の場合)に上記(1)の場合より直線の傾
きを緩やかにしている(図56左図参照)。
【0210】なお、基本値KQB ITを負の値で与え
るのは、図65のステップ7で後述するように補正量K
ITを目標噴射時期TIT0に加算した値を目標噴射
時期TIT1として求めており、この場合の目標噴射時
期は所定のクランク角位置から進角側に測った値(進角
量)であるため、遅角補正するには補正量K ITを負
の値で与える必要があるからである。
【0211】図57においてAの領域でKQC P=
0.8とし、またCの領域でKQC P=0.6としてい
るのは図54と同様の理由によるものである。
【0212】図58は目標コモンレール圧力TPrailの
演算フローである。
【0213】ここで、ステップ7において上記のコモン
レール圧力補正量K Prailを用いてコモンレール圧力
を補正している点が従来と異なる点で、残りは従来と同
様である。
【0214】詳細にはステップ1でエンジン回転数N
e、燃料噴射量Qf、大気圧(コンプレッサ入口圧)P
a、冷却水温Tw、吸入新気温度Ta(図18により演
算)、実コモンレール圧力Prail(センサ32により検
出)に加えてコモンレール圧力補正量K Prailを読み
込み、このうちエンジン回転数Neと燃料噴射量Qfから
ステップ2において図59を内容とするマップを検索す
ることにより目標コモンレール圧力の基本値TPrailB
を、また冷却水温Tw、吸入新気温度Ta、大気圧Paか
らステップ3、4、5で図60、図61、図62を内容
とするテーブルを検索することにより、目標コモンレー
ル圧力の水温補正係数KPTw、吸気温度補正係数KP
Ta、大気圧補正係数KPPaを求め、ステップ6におい
【0215】
【数20】 TPrail0=TPrailB×KPTw×KPTa×KPPa の式により目標コモンレール圧力TPrail0を計算す
る。
【0216】ここで、図60に示したように低水温時に
補正係数KPTwの値を1.0より大きな値としている
のは、低水温時に燃料温度が低くて燃料噴霧の状態が悪
くなるので、これを防止するためである。図61のよう
に吸入新気温度Taが低い場合に補正係数KPTaを1.
0より大きな値としているのは、吸入新気温度Taが低
い場合に燃料噴霧が気化しにくくなるので、噴霧粒径を
小さくするためである。図62のように大気圧Paが低
い場合に補正係数KPPaを1.0より大きな値として
いるのは、大気圧Paが低いと実圧縮比が低くなり着火
しにくくなるので、噴霧粒径を小さくして着火しやすく
するためである。
【0217】ステップ7ではコモンレール圧力補正量K
Prailを用いて
【0218】
【数21】TPrail1=TPrail0×K Prail の式により上記の目標コモンレール圧力TPrail0を補
正し、補正後の目標コモンレール圧力を目標コモンレー
ル圧力TPrail1とおく。
【0219】ステップ8では実コモンレール圧力Prail
がこの目標コモンレール圧力TPrail1と一致するよう
にPI制御によりPI補正量を演算し、ステップ9にお
いてこのPI補正量を目標コモンレール圧力TPrail1
に加算し、加算後の目標コモンレール圧力を目標コモン
レール圧力TPrail2とおく。
【0220】ステップ10ではエンジン回転数Neと燃
料噴射量Qfとから図63、図64のマップを検索して
最大コモンレール圧力PrailMAX、最小コモンレール
圧力PrailMINを求め、TPrail2がこの最大値と最
小値の間にあればTPrail2の値を、またTPrail2が最
大コモンレール圧力PrailMAXを超える場合は最大コ
モンレール圧力PrailMAXを、TPrail2が最小コモ
ンレール圧力PrailMINを下回る場合は、最小コモン
レール圧力PrailMINを目標コモンレール圧TPrail
として演算する。
【0221】図65は目標噴射時期TITの演算フロー
である。ここで、ステップ7において噴射時期補正量K
ITを用いて目標噴射時期を補正している点が従来と
異なる点で、残りは従来と同様である。
【0222】詳細にはステップ1でエンジン回転数N
e、燃料噴射量Qf、大気圧Pa、冷却水温Tw、吸入新気
温度Ta、噴射時期補正量K ITを読み込み、このう
ちエンジン回転数Neと燃料噴射量Qfからステップ2に
おいて図66を内容とするマップを検索することにより
目標噴射時期の基本値TITBを、また冷却水温Tw、吸
入新気温度Ta、大気圧Paからステップ3、4、5で図
67、図68、図69を内容とするテーブルを検索する
ことにより、目標噴射時期の水温補正係数KITTw、
吸気温度補正係数KITTa、大気圧補正係数KITPa
を求め、ステップ6において
【0223】
【数22】 TIT0=TITB×KITTw×KITTa×KITPa の式により目標噴射時期TIT0を計算する。
【0224】ここで、基本値TITBは、クランク角で
圧縮上死点後の所定の範囲内で燃料噴射が開始されるよ
うに設定される。
【0225】また、基本値TITBは、所定のクランク
角位置から進角側に測った値(進角量)である。したが
って、補正係数KITTw、KITTa、KITPaが
1.0より大きな値のとき噴射時期が進角される。図6
7に示したように低水温時に補正係数KITTwの値を
1.0より大きな値としているのは、低水温時に燃料温
度が低くて燃焼が遅れがちになるので、燃焼の中心を進
角側にもってくるためである。図68のように吸入新気
温度Taが低い場合に補正係数KITTaを1.0より大
きな値とし、図69のように大気圧Paが低い場合に補
正係数KITPaを1.0より大きな値としているの
も、同様の理由からである。
【0226】ステップ7では噴射時期補正量K ITを
用いて
【0227】
【数23】TIT1=TIT0+K IT の式により目標噴射時期TIT0を補正し、補正後の値
を目標噴射時期TIT1とする。噴射時期補正量K
Tは負の値であるため、数23式により目標噴射時期が
遅角補正される。
【0228】ステップ8ではエンジン回転数Neと燃料
噴射量Qfとから図70、図71のマップを検索して最
大噴射時期ITMAX、最小噴射時期ITMINを求
め、目標噴射時期TIT1が最大値と最小値の間にあれ
ばTIT1の値を、また目標噴射時期TIT1が最大噴射
時期ITMAXを超える場合は最大噴射時期ITMAX
を、目標噴射時期TIT1が最小噴射時期ITMINを
下回る場合は最小噴射時期ITMINを目標燃料噴射時
期TITとして演算する。
【0229】ここで、本実施形態の作用を図49を参照
しながら説明する。
【0230】本実施形態によれば。t1のタイミングよ
り、実過給圧Pmが目標過給圧TPmより小さくかつ実E
GR流量が目標EGR流量より大きくなると、目標コモ
ンレール圧力TPrailが増大補正されることで(図49
第6段目破線参照)、燃料噴霧の微粒化が促進されてス
モークが低減し、かつ図49第7段目破線のように目標
噴射時期TITが遅角補正され、着火遅れ期間が増大さ
れることで、燃料と空気の混合が促進された後に燃焼す
る。つまり、低温予混合燃焼が実現されるように目標コ
モンレール圧力および目標噴射時期の補正を行って、発
進加速時においても低温予混合燃焼を維持させ、これに
よって燃焼騒音とスモークをともに抑制できるのである
(図49下から1段目と2段目の一点鎖線参照)。
【0231】また、本実施形態によれば、t2のタイミ
ングより実過給圧Pmが目標過給圧TPmより大きくかつ
実EGR流量が目標EGR流量より小さくなると、目標
コモンレール圧力TPrailが減少補正されることで(図
49第6段目破線参照)、燃料噴霧の微粒化が鈍化し燃
焼が緩慢になり(酸素量が十分なのでスモークは悪化し
ない)、かつ図49第7段目破線のように目標噴射時期
TITが遅角補正され、着火遅れ期間が増大されること
で、燃料と空気の混合が促進された後に燃焼する。この
場合においても、低温予混合燃焼が実現されるように目
標コモンレール圧力および目標噴射時期の補正を行っ
て、発進加速途中の変速中においても低温予混合燃焼を
維持させ、これによって燃焼騒音を抑制できる(図49
下から2段目の一点鎖線参照)。
【0232】また、図示しないがt1のタイミング直後
の一時的増加のあとに実EGR流量がオーバーシュート
する応答の場合に、実EGR流量が目標EGR流量を下
回る区間においても上記(1)の場合の制御を行ったの
では、目標コモンレール圧力の増大補正量および目標噴
射時期の遅角補正量が大き過ぎることになり、あるいは
t2のタイミング直後の一時的減少のあと実EGR流量
がオーバーシュートする応答の場合(図51参照)に、
実EGR流量が目標EGR流量を上回る区間においても
上記(2)の場合の制御を行ったのでは、目標コモンレ
ール圧力の減少補正量および目標噴射時期の遅角補正量
が大き過ぎることになるのであるが、この場合に本実施
形態によれば上記(1)や(2)の場合より各補正量を
小さくするので、各補正量が大き過ぎることがなく、こ
れによって発進加速時や発進加速途中の変速中に一時的
増加や一時的減少のあと実EGR流量がオーバーシュー
トする応答の場合においても適切な値の補正量を与える
ことができる。
【0233】これに対して、コモンレール式燃料噴射装
置とEGR装置とを備え、広域空燃比センサにより検出
される排気中の酸素濃度から実EGR率を求め、この実
EGR率が目標EGR率より高くなる加速時にコモンレ
ール圧力を増大補正してスモークを低減し、この逆に実
EGR率が目標EGR率より低いときにはコモンレール
圧力を減少補正してNOx発生量を低減するようにした
従来装置があり、この従来装置によれば、広域空燃比セ
ンサに検出遅れが生じるため、目標EGR率と実EGR
率が最もずれる加速初期や変速初期に燃料噴射圧力の補
正が遅れ、これによってスモークがかえって悪化した
り、ディーゼルノック音が出たりしてしまうことがあ
る。
【0234】この場合に、実EGR率と目標EGR率の
比較は、実EGR流量と目標EGR流量の比較でもよい
ので、実EGR流量をモデル規範制御により演算するこ
とにより、過渡運転時においても応答性のよい実EGR
流量を得るようにした装置(特開平10−318047
号公報参照)と上記の従来装置とを組み合わせれば、実
EGR流量の応答遅れのタイミングに合わせて燃料噴射
圧力の補正量を与えることができる。
【0235】しかしながら、大量EGRによって空気過
剰率が低下するのを避けるため、タービン内に可変ノズ
ルを有する可変容量ターボチャージャを備える場合に
は、加速時や変速中にいわゆるターボラグにより実過給
圧の応答遅れが生じ、これが実EGR流量に影響するの
で、加速時の実EGR流量の一時的増加を回避するた
め、たとえば可変ノズルのノズル開度を減少させること
により吸気流量を小さくして、空気過剰率を改善するこ
とも考えられるが、この方法だとかえって加速時の実E
GR流量の一時的増加を大きくしてしまう。
【0236】これに対して本実施形態では、大量EGR
が可能なEGR装置と、タービン内に可変ノズルを有す
る可変容量ターボチャージャとを備えるエンジンを対象
として、実EGR流量をモデル規範制御により過渡運転
時においても応答よく演算しつつ、このようにして得ら
れる実EGR流量が目標EGR流量より大きくかつ実過
給圧が目標過給圧より小さい場合に目標噴射圧力を増大
補正し、また、このようにして得られる実EGR流量が
目標EGR流量より小さくかつ実過給圧が目標過給圧よ
り大きい場合に目標噴射圧力を減少補正するようにした
ので、実用運転域(低速時や低負荷時)でのエンジンの
排気組成と運転性の双方を改善しつつ、加速時や加速途
中の変速中に、EGR弁の作動遅れに伴う実EGR流量
の応答遅れがあり、この応答遅れにさらにターボラグが
影響する場合においても、実EGR流量の応答遅れの位
相に合わせた燃料噴射圧力の補正が可能となり、噴射圧
力の補正精度を高めることができる。
【0237】実施形態では、目標コモンレール圧力と目
標噴射時期の両方を補正する場合で説明したが、目標コ
モンレール圧力だけを補正するようにしてもかまわな
い。
【0238】実施形態では、コモンレール式燃料噴射装
置(燃料噴射圧力制御装置)、EGR装置および可変容
量ターボチャージャを備え、所定の運転域(たとえば低
中負荷域)において低温予混合燃焼を行わせるエンジン
で説明したが、これに限られるものでなく、全運転域で
拡散燃焼を主体とした通常のディーゼル燃焼を行うエン
ジンに対しても適用できる。
【0239】実施形態ではコンプレッサ入口圧Paを検
出するセンサ73を設けた場合で説明したが、上記EG
R装置と可変容量ターボチャージャとを備えるエンジン
を搭載する車両が標準大気(やこれに近い大気)のもと
で運転される限りにおいては、コンプレッサ入口圧セン
サは不要である。このときは、標準大気に対するPaの
値を設定してやれば済むからである。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の制御システム図。
【図2】コモンレール式燃料噴射装置のシステム図。
【図3】EGR制御システム図。
【図4】可変ノズルアクチュエータに与える指令開度の
演算を説明するためのフローチャート。
【図5】基本過給圧の特性図。
【図6】大気圧補正値の特性図。
【図7】基本開度の特性図。
【図8】大気圧補正値の特性図。
【図9】EGR制御システムのブロック図。
【図10】モデル規範制御におけるパラメータの演算順
を示すフローチャート。
【図11】サイクル処理を説明するためのフローチャー
ト。
【図12】シリンダ吸入新気量の演算を説明するための
フローチャート。
【図13】シリンダ吸入EGR量の演算を説明するため
のフローチャート。
【図14】体積効率相当値の演算を説明するためのフロ
ーチャート。
【図15】空気密度の特性図。
【図16】吸気圧の演算を説明するためのフローチャー
ト。
【図17】センサ出力電圧に対する圧力の特性図。
【図18】吸気温度の演算を説明するためのフローチャ
ート。
【図19】吸気温度の車速補正値の特性図。
【図20】吸気温度の吸気量補正値の特性図。
【図21】シリンダ吸入ガス温度の演算を説明するため
のフローチャート。
【図22】燃料噴射量の演算を説明するためのフローチ
ャート。
【図23】基本燃料噴射量の特性図。
【図24】最大噴射量の特性図。
【図25】排気温度の演算を説明するためのフローチャ
ート。
【図26】排気温度基本値の特性図。
【図27】吸気温度補正係数の特性図。
【図28】排気圧補正係数の特性図。
【図29】スワール補正係数の特性図。
【図30】ノズル開度補正係数の特性図。
【図31】ノズル有効面積相当値の演算を説明するため
のフローチャート。
【図32】摩擦損失の特性図。
【図33】ノズル損失の特性図。
【図34】排気圧の演算を説明するためのフローチャー
ト。
【図35】排気圧の実測値と予測値の相関を調べた特性
図。
【図36】EGR流量の演算を説明するためのフローチ
ャート。
【図37】EGR弁開口面積相当値の特性図。
【図38】目標EGR率の演算を説明するためのフロー
チャート。
【図39】目標EGR率基本値の特性図。
【図40】目標EGR率補正値の特性図。
【図41】要求EGR量の演算を説明するためのフロー
チャート。
【図42】指令EGR弁リフト量の演算を説明するため
のフローチャート。
【図43】EGR弁目標リフト量の特性図。
【図44】流路面積が縮小する流れのモデル図。
【図45】吸排気系の力学的釣合いの検討に使用したモ
デル図。
【図46】他の排気圧の演算を説明するためのフローチ
ャート。
【図47】排気圧Pexh0の特性図。
【図48】先細ノズルのモデル図。
【図49】本実施形態の作用を説明するための波形図。
【図50】本実施形態の制御内容を示す表図。
【図51】加速途中の変速中の実EGR流量の変化を示
すモデル図。
【図52】コモンレール圧力補正量の演算を説明するた
めのフローチャート。
【図53】コモンレール圧力補正量の基本値の特性図。
【図54】運転条件反映係数の特性図。
【図55】噴射時期補正量の演算を説明するためのフロ
ーチャート。
【図56】噴射時期補正量の基本値の特性図。
【図57】運転条件反映係数の特性図。
【図58】目標コモンレール圧力の演算を説明するため
のフローチャート。
【図59】目標コモンレール圧力基本値の特性図。
【図60】水温補正係数の特性図。
【図61】吸気温度補正係数の特性図。
【図62】大気圧補正係数の特性図。
【図63】最大コモンレール圧力の特性図。
【図64】最小コモンレール圧力の特性図。
【図65】目標噴射時期の演算を説明するためのフロー
チャート。
【図66】目標噴射時期基本値の特性図。
【図67】水温補正係数の特性図。
【図68】吸気温度補正係数の特性図。
【図69】大気圧補正係数の特性図。
【図70】最大噴射時期の特性図。
【図71】最小噴射時期の特性図。
【図72】加速時にノズル開度を小さくした場合の波形
図。
【図73】第1の発明のクレーム対応図。
【図74】第2の発明のクレーム対応図。
【符号の説明】
2 可変容量ターボチャージャ 2d 可変ノズル 10 コモンレール式燃料噴射装置 17 燃料噴射弁 41 コントロールユニット 57 EGR弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02D 43/00 301 F02D 43/00 301N 301R 301J F02M 25/07 550C F02M 25/07 550 550J 550F 570P 570 F02B 37/12 301R Fターム(参考) 3G005 DA02 EA04 EA16 FA04 FA06 FA11 FA35 GA04 GB26 GC08 GD02 GD04 HA05 HA12 JA12 JA16 JA23 JA24 JA39 JA42 JA45 JA51 JB02 JB04 JB05 JB17 3G062 AA01 AA05 AA08 BA04 BA05 CA04 CA09 EA11 FA13 GA00 GA01 GA02 GA08 GA09 GA12 GA13 GA14 GA21 GA22 3G084 AA01 BA08 BA13 BA14 BA15 BA20 BA21 CA04 CA08 DA04 DA08 DA10 EB11 FA00 FA01 FA02 FA05 FA07 FA10 FA11 FA12 FA13 FA20 FA27 FA33 FA37 FA38 3G092 AA02 AA17 AA18 BB04 BB06 BB08 DB03 DC06 DC09 EA01 EA02 EA04 EB01 EC01 FA06 FA07 FA14 FA18 GA12 GB09 HA01Z HA04Z HA05Z HA16Z HB01Z HB03X HB03Z HD01Z HD07Z HD08Z HE01Z HE03Z HE05Z HE08Z HF08Z HF21Z HG08Z 3G301 HA02 HA11 HA13 HA17 JA03 JA07 JA14 JA24 JA37 KA12 KB10 LA00 LA05 LB06 MA14 MA18 MA28 NA01 NA08 ND01 ND45 NE01 NE06 NE12 PA01Z PA07Z PA09Z PA10Z PA16Z PB03Z PB08A PB08Z PD11Z PD14Z PD15Z PE01Z PE03Z PE05Z PE08Z PF01Z PF03Z

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】EGR弁と、 タービン内に可変ノズルを有する可変容量ターボチャー
    ジャと、 エンジンの負荷に応じた目標噴射圧力を演算する手段
    と、 エンジンの負荷に応じた目標EGR流量を演算する手段
    と、 この目標EGR流量が流れるように前記EGR弁を制御
    する手段と、 実EGR流量をモデル規範制御により演算する手段と、 エンジンの負荷に応じた目標過給圧を演算する手段と、 この目標過給圧が得られるように前記可変ノズル開度を
    制御する手段と、 実過給圧を検出する手段と、 この実過給圧と前記目標過給圧を比較するとともに、前
    記実EGR流量と前記目標EGR流量を比較する手段
    と、 これらの比較結果より実過給圧が目標過給圧より低くか
    つ実EGR流量が目標EGR流量より大きい場合に前記
    目標噴射圧力を増大補正する手段と、 この補正された目標噴射圧力となるように燃料噴射圧力
    を制御する手段とを備えることを特徴とするディーゼル
    エンジンの制御装置。
  2. 【請求項2】EGR弁と、 タービン内に可変ノズルを有する可変容量ターボチャー
    ジャと、 エンジンの負荷に応じた目標噴射圧力を演算する手段
    と、 エンジンの負荷に応じた目標EGR流量を演算する手段
    と、 この目標EGR流量が流れるように前記EGR弁を制御
    する手段と、 実EGR流量をモデル規範制御により演算する手段と、 エンジンの負荷に応じた目標過給圧を演算する手段と、 この目標過給圧が得られるように前記可変ノズル開度を
    制御する手段と、 実過給圧を検出する手段と、 この実過給圧と前記目標過給圧を比較するとともに、前
    記実EGR流量と前記目標EGR流量を比較する手段
    と、 これらの比較結果より実過給圧が目標過給圧より高くか
    つ実EGR流量が目標EGR流量より小さい場合に前記
    目標噴射圧力を減少補正する手段と、 この補正された目標噴射圧力となるように燃料噴射圧力
    を制御する手段とを備えることを特徴とするディーゼル
    エンジンの制御装置。
  3. 【請求項3】前記比較結果より実過給圧が目標過給圧よ
    り低くかつ実EGR流量が目標EGR流量より大きい場
    合に、目標噴射時期を遅角補正することを特徴とする請
    求項1に記載のディーゼルエンジンの制御装置。
  4. 【請求項4】前記比較結果より実過給圧が目標過給圧よ
    り高くかつ実EGR流量が目標EGR流量より小さい場
    合に、目標噴射圧力を減少補正することを特徴とする請
    求項2に記載のディーゼルエンジンの制御装置。
  5. 【請求項5】前記比較結果より実過給圧が目標過給圧よ
    り低くかつ実EGR流量が目標EGR流量より小さい場
    合に、前記目標噴射圧力の増大補正量よりも小さな補正
    量で前記目標噴射圧力を増大補正することを特徴とする
    請求項1に記載のディーゼルエンジンの制御装置。
  6. 【請求項6】前記比較結果より実過給圧が目標過給圧よ
    り高くかつ実EGR流量が目標EGR流量より大きい場
    合に、前記目標噴射圧力の減少補正量よりも小さな補正
    量で前記目標噴射圧力を減少補正することを特徴とする
    請求項2に記載のディーゼルエンジンの制御装置。
  7. 【請求項7】前記実EGR流量を排気圧と吸気圧の差圧
    に基づいて演算することを特徴とする請求項1から6ま
    でのいずれか一つに記載のディーゼルエンジンの制御装
    置。
  8. 【請求項8】吸入空気量Qas0、燃料噴射量Qf、前記可
    変ノズルの有効面積相当値Avntおよび排気温度Texhを
    検出し、これら4つの要素を用いて前記排気圧Pexh
    を、 Pexh=Kpexh×{(Qas0+Qf)/Avnt)}2×Texh+
    Pa ただし、Pexh :排気圧、 Qas0 :吸入空気量、 Qf :燃料噴射量、 Avnt :可変ノズルの有効面積相当値、 Texh :タービン入口の排気温度、 Pa :コンプレッサ入口圧、 Kpexh:定数、 の式により演算することを特徴とする請求項7に記載の
    ディーゼルエンジンの制御装置。
  9. 【請求項9】吸入空気量Qas0、燃料噴射量Qf、前記可
    変ノズルの有効面積相当値Avntおよび排気温度Texhを
    検出し、これら4つの要素を用いてタービン入口排気圧
    相当値Pexhrを、 Pexhr=Kpexhn×{(Qas0+Qf)/Avnt)}2×Texh ただし、Pexhr:タービン入口排気圧相当値、 Qas0 :吸入空気量、 Qf :燃料噴射量、 Avnt :可変ノズルの有効面積相当値、 Texh :タービン入口の排気温度、 Pa :コンプレッサ入口圧、 Kpexhn:定数、 の式により演算し、このタービン入口排気圧相当値Pex
    hrとコンプレッサ入口圧Paとから前記排気圧Pexhを演
    算することを特徴とする請求項7に記載のディーゼルエ
    ンジンの制御装置。
  10. 【請求項10】前記目標噴射圧力および前記目標噴射時
    期の補正を、低温予混合燃焼が実現されるように行うこ
    とを特徴とする請求項3または4に記載のディーゼルエ
    ンジンの制御装置。
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