JP2000514898A - 内燃機関のシリンダ・ヘッドの鋳造による製作のための方法および中子 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 特に燃焼室（４）、吸入導管（２）、排気導管（３）および水あるいはオイル室のようなシリンダ・ヘッドの空の部分に対応する、融解しない中子を閉じ込める鋳型の中に合金を注入する種類の、内燃機関のシリンダ・ヘッドの鋳込み方法において、唯一つの単一ブロックの中子（１）が燃焼室（４）および吸入導管（２）を同時に定義する形状を内包することを特徴とする内燃機関のシリンダ・ヘッドの鋳造による製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】 内燃機関のシリンダ・ヘッドの鋳造による製作のための方法および中子 本発明は鋳造部品の仕上げ方法に関し、特に、燃焼室、吸入導管、排気導管の 全体の寸法精度を改善することを可能にする、内燃機関のためのシリンダ・ヘッ ドの鋳込み方法、およびその方法を実施するための中子の提供を目的とする。 古典的には内燃機関のシリンダ・ヘッドの製作は燃焼室、吸入導管、および排 気導管のサブアセンブリの各々について少なくとも一つの中子を有する鋳型の中 で行われる。燃焼室の形状を定義する中子はしばしば鋳型の台板（金属の底）に 一体化された押し型によって製作される。 このような装置は中子相互の位置がずれ易いという不都合を持っている。これ らの位置のずれは鋳型の中の中子の設置の際の不正確さに由来したり、中子と注 入される金属との間の密度の差によって引き起される金属の鋳込みの際の中子の 運動に由来したりする。 吸入導管および排気導管を作る中子の位置のずれは、一般に、燃焼室に結合さ れた弁座の位置と吸入導管あるいは排気導管の先端の間のずれを引き起し、この ことは空気の流れを乱し、エンジンの能率を劣化させる。 この不都合を除去するために、それらの導管と弁座との間の接続の較正加工を 行うことが公知である。例えばフライス加工によって行われるこの加工は導管と の弁座の整列を可能にするが、非常にしばしばフライス盤の軌道との導管の交点 の所での導管の傾斜の不連続に対応するくちばし状突起の形成を引き起し、それ が空気の流れに当ってそれを乱す。 くちばし状突起によって作り出されるこの擾乱は弁座からの導管の先端のずれ 程大きくはないが、それにもかかわらず小径の導管や弁の場合に不利である。 本発明の目的は、したがって、較正加工を除去し、ガスのより良い流れを得る ように、吸気および排気導管に対して弁座の良い位置を直接得ることを可能にす るシリンダ・ヘッドの鋳込み方法および中子を提案することである。この方法お よびそれに結び付いた中子の実現は簡単なままであり、実現するのに経済的であ る。 本発明による方法は、特に燃焼室、吸入導管、排気導管および水あるいはオイ ル室のようなシリンダ・ヘッドの空の部分に対応する、融解しない中子を閉じ込 める鋳型の中に合金を注入する種類の、内燃機関のシリンダ・ヘッドの鋳造に関 する。 本発明によれば、その方法は唯一つの単一ブロックの中子が燃焼室および吸入 導管を同時に定義する形状を内包することを特徴とする。 本発明によるシリンダ・ヘッドの鋳造による製造方法の他の一つの特徴によれ ば、その単一ブロックの中子は排気導管を定義する形状もまた内包する。 本発明によるシリンダ・ヘッドの鋳造による製造方法の他の一つの特徴によれ ば、そのシリンダ・ヘッドの弁座は溶融金属に加えられそれに挿入される環によ って作られ、上記環はその単一ブロックの中子によって支持される。 本発明によるシリンダ・ヘッドの鋳造による製造方法の他の一つの特徴によれ ば、その単一ブロックの中子は加工の開始のために使用される無修正の基準(le 本発明はまた以上定義された方法を実施するために使用されるための中子にも 関し、それは単一ブロック型であり、燃焼室および吸入導管を同時に定義する形 状を内包することを特徴とする。 有利には、その単一ブロックの中子は排気導管を定義する形状もまた内包し、 弁座の役をする環を支持する。 本発明の他の一つの特徴によれば、その単一ブロックは加工の開始のために使 用される無修正の基準を定義する適切な形状もまた内包する。 本発明のさらに他の一つの特徴によれば、上記単一ブロックの中子は芯付きの 箱の中で作られ、圧縮され、樹脂のような結合材を使って固められた砂で構成さ れる。 付図を参照しながら、何らそれに限定するものではない例として示された、本 発明の色々な実施の態様の以下に与えられた記載によって、本発明の目的、色々 な面および利点が一層良く理解されるだろう。付図中、 図１は本発明による内燃機関のシリンダ・ヘッドの鋳造に役立つ単一ブロック の中子の特定の一つの実施の態様の概略的な斜視図を示し、 図２は図１に示された単一ブロックの中子の上面図であり、 図３は図１に示された単一ブロックの中子の側面図であり、 図４はその方法を実施するために使用される鋳造装置の上面図であり、 図５は図４に示された鋳造装置のＶ−Ｖ線に沿って切った横断面図を示し、 図６は図４のＶＩ−ＶＩに沿って切った鋳造装置の部分縦断面図を示す。 図面を容易に理解することができるようにするために、同じ部品は異なった図 面で同じ引用番号を持っている。その上、本発明の理解に必要な部材のみが図に 示されている。 図１は本発明による内燃機関のシリンダ・ヘッドの鋳造による製造のための中 子１の特殊な実施の態様を示す。 図１から図３までを参照すれば、直線４シリンダでシリンダ当り４弁型の内燃 機関のシリンダ・ヘッドの鋳造のために使用される単一ブロック型の中子１が見 られる。 図１から図３までの単一ブロックの中子１は、規則正しく間隔をおかれ、一つ の同じ線上に設けられ、鋳造しようとするシリンダ・ヘッドの四つの燃焼室を定 義する四つの同じ部分４を含んでいる。単一ブロックの中子１の各燃焼室４は、 その上の部分で、鋳造しようとするシリンダ・ヘッドのそれぞれ全く同じ のアーム３と接続されている。 図３でより正確に見ることができるように、図１および図２には示されていな い環７が、単一ブロックの中子１の燃焼室４に対向して、吸気導管２および排気 導管３の回りに設けられている。それらの環７は弁座の製造に適した材料で作ら れ、シリンダ・ヘッドの鋳造の際弁座の溶融金属への挿入を可能にする。 図１から図３までに合致して、その単一ブロックの中子１は燃焼室４の下に設 けられる部分５を含んでいる。この部分５は、燃焼室４を適切な間隔をおいて支 持する台座５を形成するために、主として隣接する燃焼室４への方向に伸びてい る。 台座５はまたアーム６を形成するために横方向にも伸びており、そのアーム６ の先端８は加工の開始のために使用される無修正の基準を定義する。台座５の厚 さは好ましい単一ブロックの中子１の剛性および耐久力の関数として選ばれる。 図１から図３までに示されているような中子１は、圧縮され、結合材を使って 固められた砂を使った、芯付きの箱の中で公知の方法で作ることができる。 図４から図６までは本発明によるシリンダ・ヘッドの鋳造方法を実施するため に単一ブロックの中子１を使用する鋳造装置の特定の実施の態様を示す。 図４は特に、単一ブロックの中子１のみが設置されているとき、上から見た鋳 型を示す。この鋳型は、シリンダ・ヘッドの型からの取出しを容易にするために 互いに離れることができる四つの可動の横の型部材１１、１２、１６および１７ 、および鋳造しようとするシリンダ・ヘッドの下の面を作る平面１５を含む下あ るいは底の一つの型部材１０を含んでいる。 図５はシリンダ・ヘッドの水室の鋳造に必要な古典的な色々の中子が設置され ているときの、図４の鋳型の断面を示す。その鋳型は、鋳造しようとするシリン ダ・ヘッドの壁の厚さおよびオイル室の体積を定義するために、鋳型の所に来て 、それを閉じる、図４には示されていない、上の可動の型部材１３を含んでいる 。注入操作を可能にするために、図には示されていない充填開口が上の型部材を 貫通して作られている。 可動の横の型部材１１は、型が閉じられるとき、吸入導管を作るアーム２の自 由端を正しい位置に保持することを可能にする空洞を含んでいる。同様にして、 可動の横の型部材１２は排気導管を作るアーム３の自由端を正しい位置に保持す ることを可能にする空洞を含んでいる。 図５および図６に見ることができるように、底１０は、型の閉じおよび注入操 作の前に、単一ブロックの中子１を受けるための空洞１４を持っている。空洞１ ４の形状および体積は、単一ブロックの中子１が型の中に置かれるとき、台座５ およびアーム６が完全に底１０の空洞１４の中に置かれるように、図１から図３ までに示されているような中子１台座５およびアーム６に合わされ、調節されて いる。 そのようにして、吸入導管２、排気導管３、燃焼室４およびアーム６の先端８ のような、鋳造しようとするシリンダ・ヘッドの特定の空洞を定義する単一ブロ ックの中子１の諸部材のみがシリンダ・ヘッドの下の面を定義する底１０の平面 １５の上に置かれている。 以上の記載および図４から図６までに合致して、シリンダ・ヘッドの鋳造によ る製造方法は次の操作を含んでいる。 −横の型部材１１、１２、１６および１７と上の型部材１３を離すことによる 鋳型の開き、 −底１０の上の単一ブロックの中子１の設置、 −水室およびオイルの通路を定義する中子の設置、 −鋳型の中にある中子を動かないようにすることができる横の型部材１１、１ ２、１６および１７の閉じ、 −上の型部材１３の閉じおよび古典的な鋳込み操作の実施、 −選択された冷却方法にしたがって変わるいくらかの時間の後の型出し。 このようにして行われる鋳造方法は吸入導管２および排気導管３に対して弁座 を形成する環７の優れた位置決めを有するシリンダ・ヘッドを得ることを可能に する。実際、吸入導管２および排気導管３が単一ブロックの中子１、および溶融 金属に挿入され、同じ単一ブロックの中子１によって支持されている環７によっ て直接鋳造されるので、燃焼室、弁座、吸入導管、排気導管の全体の寸法精度が 鋳型の中に存在するいろいろな中子の位置に無関係となり、単一ブロックの中子 １の製造の質にのみ依存する。 したがって、単一ブロックの中子１を使用するこの鋳造方法は、導管および燃 焼室のために複数の中子を使用する、古典的なシリンダ・ヘッド鋳造方法で通常 必要な較正加工から解放されることを可能にする。 単一ブロックの中子１の使用はまた、空気の流束に対して非常に少ない抵抗し か提供しないように流体動力学的挙動が最適化されている、導管と燃焼室との間 の接続を実現することも可能にする。 この方法によって得られるヘッド損の最小化はエンジンの性能の改善にとって 特に重要である。そのようにして、吸入導管と燃焼室との間の接続の所でのヘッ ド損の低下はエンジンの充填をはっきり改善し、燃焼の結果生じる汚染を減少さ せるのに貢献する。 その上、単一ブロックの中子１はまた加工の開始のために使用される無修正の 基準も定義し、このことは色々の中子の使用に結び付いた位置決めの不正確さを 除去し、全ての加工のより良い位置決めを得ることを可能にする。 勿論、本発明は以上記載され、図示された実施の態様に限定されることは決し てなく、それらは例示に過ぎない。 その反対に、本発明は、以上記載された手段のあらゆる等価な技術およびそれ らの組合せがその精神にしたがって行われるならば、それらを含む。 そのようにして、燃焼室、吸入導管および排気導管を同時に定義する形状を内 包する単一ブロックの中子の使用方法は低圧注入鋳型あるいはスクィーズ・キャ スティング(squeeze-casting)あるいは砂型（緑色あるいは自己硬化）のような 他の種類の鋳型で使用することができる。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ル・ネゼ アンドレ フランス国 エフ―78160 マルリィ・ ル・ロワ スクワール・デ・サブロン ２

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．特に燃焼室（４）、吸入導管（２）、排気導管（３）および水あるいはオイ ル室のようなシリンダ・ヘッドの空の部分に対応する、融解しない中子を閉じ 込める鋳型の中に合金を注入する種類の、内燃機関のシリンダ・ヘッドの鋳造 による製造方法において、唯一つの単一ブロックの中子（１）が燃焼室（４） および吸入導管（２）を同時に定義する形状を内包することを特徴とする内燃 機関のシリンダ・ヘッドの鋳造による製造方法。 ２．上記単一ブロックの中子（１）は排気導管（３）を定義する形状もまた内包 することを特徴とする、請求の範囲第１項記載の内燃機関のシリンダ・ヘッド の鋳造による製造方法。 ３．そのシリンダ・ヘッドの弁座が溶融金属に加えられそれに挿入された環（７ ）によって作られ、上記環（７）が上記単一ブロックの中子（１）によって支 持されることを特徴とする、請求の範囲第１項から第２項までのいずれか一つ に記載の内燃機関のシリンダ・ヘッドの鋳造による製造方法。 ４．上記単一ブロックの中子（１）が加工の開始のために使用される無修正の基 準（８）を定義する適切な形状もまた内包することを特徴とする、請求の範囲 第１項から第３項までのいずれか一つに記載の内燃機関のシリンダ・ヘッドの 鋳造による製造方法。 ５．中子が単一ブロック型（１）であり、燃焼室（４）および吸入導管（２）を 同時に定義する形状を内包することを特徴とする、内燃機関のシリンダ・ヘッ ドの鋳造による製造のための中子。 ６．上記単一ブロックの中子（１）が排気導管（３）を定義する形状もまた内包 することを特徴とする、請求の範囲第５項記載の中子。 ７．上記単一ブロックの中子（１）が弁座の役をする環（７）を支持することを 特徴とする、請求の範囲第５項から第６項までのいずれか一つに記載の中子。 ８．上記単一ブロックの中子（１）が加工の開始のために使用される無修正の基 準を定義する適切な形状（８）もまた内包することを特徴とする、請求の範囲 第５項から第７項までのいずれか一つに記載の中子。 ９．上記単一ブロックの中子（１）が芯付きの箱の中で作られ、圧縮され、樹脂 のような結合材を使って固められた砂で構成されることを特徴とする、請求の 範囲第５項から第８項までのいずれか一つに記載の中子。