JP2000514691A - 加熱治療装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 加熱体（１）および被治療身体部に対して加熱体を保持する手段（２）を含む身体部の加熱治療装置。加熱体（１）は複数の別々の加熱セル（６）を含みかつ可撓性であって前記身体部にあてがうように適合させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】 加熱治療装置 発明の技術分野および従来技術 本発明は加熱体および加熱治療される身体部に対して加熱体を保持する手段を 有する、身体部の加熱治療装置に関する。 感染、筋肉痛および、線維腫痛やリウマチ等の、さまざまな病気の治療に熱を 使用することが知られている。したがって、ヒートバスおよび多種の加熱パッド 等が使用されている。このような既知の加熱パッドにはしばしば不格好で、患者 が移動したい時に、身につけるのに適さないという欠点がある。したがって、患 者の移動の自由は非常に制約され、長い期間中の患者の治療の可能性が一層困難 になる。一般的な種類の加熱パッドはベッド内に配置され、治療中に患者は横た わることを前提としている。ＵＳ−Ａ−３１０８５９６は、埋設された電気加熱 コイルを含む加熱パッドを示す。それは比較的低電圧のバッテリにより励起され 、電撃の危険性なしに皮膚近辺に取り付けられるようにされている。加熱パッド は弾性バンド等により体に取り付けられる。 ＵＳ−Ａ−２４６７４４７は、たとえば、上腕の一部を覆うように取り付ける ことができる凹形ボトル状の液体容器を示す。さらに、ボトルは上腕の前記部分 に留められるようにする紐を有する。さらに、ボトルはその中に密閉された液体 を加熱するための電気加熱体を有する。ボトルはゴム等のそれ自体可撓性の材料 で作られるが、比較的堅い形状であるので、さまざまな身体部分もしくはさまざ まな人間に柔軟に適合させることができない。 ＵＳ−Ａ−５０７３６８８は、加熱コイルが埋設された毛布を示す。それは電 線もしくは加熱された液体を運ぶ導管からなる。 ＵＳ−Ａ−４６２８９３０は、下腹部を加熱する電気加熱コイルを有する加熱 パッドを示す。加熱パッドは下腹部に対して加熱パッドを保持するための取付部 材として機能する一対のブリーフの一部からなる。加熱コイルへの電力はブリー フ内に設けられたバッテリにより供給される。 発明の概要 本発明の目的は上記問題点を取り除いて、患者が移動の自由を制約されること なく身につけることができる加熱治療装置を提供することである。 この目的は、加熱体が複数の別々の加熱セルを有し、かつ可撓性であって前記 身体部にあてがうように適合させることができることを特徴とする冒頭定義した 装置により達成される。複数の別々のセルにより構成されるので、加熱体は一層 可撓性かつ湾曲性となり、したがって簡単に湾曲して加熱治療すべき身体部の大 きい表面部分にあてがわれる形とすることができる。 本発明の一実施例では、本質的に各加熱セルは加熱部材および蓄熱手段を有す る。したがって、より均一な熱分散が得られる。たとえ、電流供給が時々行われ なくなる場合でも、治療を中断させる必要がない。したがって、加熱部材は電気 加熱コイルを有することができる。このような装置では、ネットワークもしくは 電気バッテリにより有効に加熱を行うことができる。さらに、蓄熱手段は、液体 、例えば水、グリセロールを有する混合物、油もしくは任意の油状物質を有する 混合物、および塩溶液の少なくともいずれか１つ、を有することができる。この ような液体は加熱コイルから比較的集中された熱を大きい面積に分布することに も寄与する。本質的に各加熱コイルが蓄熱手段を密閉する本質的に閉じた内部空 間を形成することが有利である。 本発明のもう１つの実施例では、本質的に各加熱セルが内部空間を規定する可 撓材料で作られる壁を有する。したがって、加熱セルは絶対的に剛性である必要 はなくあてがわれる身体部に適合させることができる。 本発明のもう１つの実施例では、加熱セルは可撓接続により互いに接続される 。この実施例では、加熱体は伸張可能な、可撓性部材を有し、それに加熱セルが 設けられる。したがって、支持部材は前記可撓接続を有利に有することができる 。さらに、加熱セルは支持部材上に間隔を置いて横に並べることができる。この ようにして、加熱体の高い柔軟性が得られる。 本発明のさらに別の実施例では、前記保持手段は伸張可能な、可撓性材料、例 えば織物、を有し、それには支持部材が取付部材、例えばベルクロ接続、により 取り付けられる。保持手段の可撓性材料は加熱体をあてがう身体部に適合された 形状を有することが有利である。したがって、１個以上の加熱体をさまざまな取 付手段と一緒に使用してさまざまな身体部を治療することができる。 本発明の別の実施例では、前記保持手段は前記身体部周りに延びる少なくとも １つの固定要素を有する。したがって、例えばベルクロ接続により、固定部材を 解除可能に固定することができる。 図面の簡単な説明 次に、添付図を参照して、本発明を例示するさまざまな実施例により説明する 。 第１図は本発明による装置の一実施例の正面図を示す。 第２図は本発明による装置の一実施例の加熱体の正面図を示す。 第３図は第２図の加熱体の側面図を示す。 第４図は第２図の加熱体の背面図を示す。 第５図−第７図は本発明による装置を身体に保持する手段のさまざまな実施例を 示す。 種々の実施例の詳細な説明 第１図に本発明による加熱治療装置を示し、２個の加熱体１およびそれらを治 療を受ける患者の身体部に対して保持する手段２を有する。これらの保持手段２ は快適に身につけることができる適切な材料、例えばプラスチックもしくは織物 、の伸張可能で、湾曲可能な、可撓部品を有する。この部品２は加熱体１をあて がう身体部に適合させた形状を有する。図示する実施例では、部品２は腕に取り 付けられる。したがって、部品２は患者が腕を曲げる時に肘を通すことができる 中央穴３を有する。さらに、部品２は被治療腕周りに延びてそこに装置を取り付 けるための４個の固定部材４を含んでいる。各固定部材４は２つのいわゆるベル クロ接続５付きバンドを含み、それにより解除可能に固定されるようにされてい る。例えば、他種のボタンやフック等の他種の固定部材ももちろん使用すること ができる。 各加熱体１は複数の別々の加熱セル６を有し、各々が電気抵抗線を有する電気 加熱コイル状の加熱部材７を有する。さらに、各加熱セル６は本質的に閉じた内 部空間８を有し、その中に加熱部材７が配置されまたその中には蓄熱手段が密閉 される。各加熱部材７は、並列接続により、略示する制御装置９に接続されそれ はネットワークもしくはバッテリ（図示せず）に直接接続することができる。さ らに、加熱体１はやはり制御装置９に接続された温度センサ１０を含む。制御装 置９により適切な温度に調整することができ、温度センサ１０により温度レベル を本質的に一定に維持することができる。さらに、各加熱体１は安全上負荷が高 すぎる場合に電流を遮断する略示する過負荷保護部１１を有する。 さて、本発明の別の実施例を示す第２図−第４図を参照して加熱体１について より詳細に説明する。図示する全実施例において、対応する機能を有する部品に は同じ参照番号が使用されていることが注目されよう。第１図に示す実施例とは 対照的に、第２図−第４図による加熱体１の電気加熱コイル７は直列接続されて いる。第２図−第４図に示す加熱体１は４個の加熱セル６を有する。本発明によ る加熱体１には任意数のこのような加熱セル６を設けられることが注目されよう 。 さらに第２図−第４図から明らかなように、別々の各加熱セル６が内部空間８ を規定する壁１２を有する。この壁１２は可撓性、湾曲可能材料で作られる。こ の壁１２は伝熱を良好にするためにできるだけ薄くされ、この材料は良好な伝熱 能力を有するものとされる。空間８内に密閉される蓄熱手段は液体、例えば水、 グリセロールを有する混合物、油もしくは任意の油状物質を有する混合物、およ び塩溶液の少なくとも１つ、を有するる。この液体は、各蓄熱能力の他に、加熱 部材７から熱を伝達して被治療身体部へ均一に分布することができる。さらに、 加熱部材１はその延長部が薄い仲張可能で、湾曲可能な、可撓性支持部材１３を 含む。この支持部材１３の一面には、加熱セル６が間隔を置いて横に並べられて いる。このようにして、支持部材は少なくとも加熱セル６間の領域内で極めて簡 単に湾曲することができる。加熱セル６は図示する細長以外の形状にできること が注目されよう。例えば、円形、楕円形もしくは方形とすることができる。加熱 セル６の断面形状を第３図に示す。そこには電気絶縁層１４も略示され、それは 電気抵抗線７を包んで内部空間８内に存在する液体に対して電気的に絶縁する。 さらに、湾曲可能な可撓性カバー層１５が、加熱セル６を保護して支持部材１ ３上の正しい位置に安全に維持するために加熱セル上に設けられている。このカ バー層１５はその延長部が非常に薄く、良好な伝熱を可能とする適切な材料、例 えばプラスチック、でできている。支持部材１３は熱損失を防止する良好な熱絶 縁能力を有する材料で作られる。加熱体１を保持手段２に取り付けられるように するための３個の取付部材１６が支持部材１３の他面に設けられている。この取 付部材１６は、例えば、いわゆるベルクロ接続部を有するとができる。 第２図−第４図に示す実施例は加熱部材７へ電流を供給するバッテリ１７を有 する。このバッテリ１７は充電式として電気接続１０を介して充電され得る。こ の装置はネットワークに直接接続することができる充電装置を内蔵することもで きる。 第５図は保持手段２のもう１つの実施例を示し、それは患者の背部周りに取り 付けるよう形成されている。第６図は保持手段２のもう１つの実施例を示し、そ れは患者の脚周りに取り付けるよう形成されている。第７図は保持手段２のさら にもう１つの実施例を示し、それは特に背部の低い部分、すなわち患者の腰部、 周りに取り付けられるよう形成されている。第５図−第７図に示される保持手段 ２は第１図−第４図に示される１種以上のタイプの加熱体を設けられ得る。 本発明による装置はここに示す実施例に制約されず請求の範囲内で変更修正す ることができる。また、本発明による装置は人間だけでなく動物、例えば馬、の 加熱治療にも適している。また、１個以上の加熱体１が保持手段２の一体化され た固体部を提供する、すなわち保持手段に内蔵できることも注目されよう。 本発明による装置はまた、身体部に対する衝突や他種の傷害の後で、実際の身体 部の冷却に使用することもできる。この場合、装置全体が冷蔵庫等の冷却空間内 に配置され、セル内に密閉された液体が冷却される。液体の蓄熱能力により、長 期間良好な冷蔵能力を維持することができる。

【手続補正書】特許法第１８４条の８第１項 【提出日】平成１０年１１月１７日（１９９８．１１．１７） 【補正内容】 請求の範囲 １． 加熱体（１）および被治療身体部に対して加熱体（１）を保持する手段（ ２）を有する身体部の加熱治療装置であって、加熱体（１）は少なくとも１つの 加熱セル（６）を有しかつ可撓性であって前記身体部にあてがうように画成適合 させることができ、前記加熱セル（６）は本質的に閉じた内部空間（８）を規定 しかつ可撓性材料で作られる壁（１２）を有する前記加熱治療装置において、前 記加熱セル（６）は内部空間（８）内に密閉された蓄熱手段および蓄熱手段内に 配置された加熱部材（７）を有することを特徴とする加熱治療装置。 ２． 加熱部材（７）は電気加熱コイルを有することを特徴とする、請求項１記 載の装置。 ３． 蓄熱手段は、液体、例えば水、グリセロールを有する混合物、油もしくは 任意の油状物質を有する混合物、および塩溶液の少なくともいずれか１つ、を有 することを特徴とする、請求項１および２のいずれか１項記載の装置。 ４． 加熱体（１）は複数の別々の加熱セル（６）を有することを特徴とする、 前記いずれか１項記載の装置。 ５． 加熱セル（６）は可撓性接続部（１３，１５）により互いに接続されてい ることを特徴とする、請求項４記載の装置。 ６． 加熱体（１）は伸張可能な可撓性支持部材（１３）を有し、それに加熱セ ルが設けられることを特徴とする、請求項４または５記載の装置。 ７． 支持部材（１３）は前記可撓性接続部を有することを特徴とする、請求項 ５または６記載の装置。 ８． 加熱セル（６）は支持部材（１３）上に間隔を置いて横に並べられている ことを特徴とする、請求項６または７記載の装置。 ９． 前記保持手段（２）は、伸張可能な可撓材料、例えば織物を有し、支持部 材（１３）が、取付部材（１５）、例えばベルクロ接続部により、そこへ取り付 けられることを特徴とする、前記いずれか１項記載の装置。 １０． 前記保持手段（２）の可撓性材料は、加熱体（１）があてがわれる身体 部に適合された形を有することを特徴とする、請求項９記載の装置。 １１． 前記保持手段（２）は、前記身体部周りに延びるようにされた少なくと も１つの固定部材（４，５）を有することを特徴とする、前記いずれか１項記載 の装置。 １２． 固定部材（４，５）は、例えばベルクロ接続部により、解除可能に固定 されるように配置されていることを特徴とする、請求項１１記載の装置。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． 加熱体（１）および被治療身体部に対して加熱体（１）を保持する手段（ ２）を含む身体部の加熱治療装置において、加熱体（１）は、複数の別々の加熱 セル（６）を有し、かつ可撓性であって前記身体部にあてがうように適合させる ことができることを特徴とする加熱治療装置。 ２． 本質的に各加熱セル（６）は加熱部材（７）および蓄熱手段を有すること を特徴とする、請求項１記載の装置。 ３． 加熱部材（７）は電気加熱コイルを含むことを特徴とする、請求項２記載 の装置。 ４． 蓄熱手段は液体、例えば水、グリセロールを有する混合物、油もしくは任 意の油状物質を有する混合物、および塩溶液の少なくともいずれか１つ、を有す ることを特徴とする、請求項２もしくは３のいずれか１項記載の装置。 ５． 本質的に各加熱セル（６）は、蓄熱手段が密閉される本質的に閉じた内部 空間（８）を形成することを特徴とする、請求項２から４のいずれか１項記載の 装置。 ６． 本質的に各加熱セル（６）は、内部空間（８）を画成し、かつ可撓性材料 で作られる壁（１２）を含むことを特徴とする、請求項５記載の装置。 ７． 加熱セル（６）は可撓性接続（１３，１５）により互いに接続されている ことを特徴とする、前記のいずれか１項記載の装置。 ８． 加熱体（１）は伸張可能な可撓性支持部材（１３）を有し、それに加熱セ ルが設けられることを特徴とする、前記いずれか１項記載の装置。 ９． 支持部材（１３）は前記可撓性接続を有することを特徴とする、請求項７ および８記載の装置。 １０． 加熱セル（６）は支持部材（１３）上に間隔を置いて横に並べられてい ることを特徴とする、請求項８および９のいずれか１項記載の装置。 １１． 前記保持手段（２）は、伸張可能な可撓性材料、例えば織物を有し、支 持部材（１３）が、取付部材（１５）、例えばベルクロ接続部によりそこへ取り 付けられることを特徴とする、前記いずれか１項記載の装置。 １２． 前記保持手段（２）の可撓性材料は、加熱体（１）があてがわれる身体 部に適合された形を有することを特徴とする、請求項１１記載の装置。 １３． 前記保持手段（２）は前記身体部周りに延びるようにされた少なくとも １つの固定部材（４，５）を有することを特徴とする、前記いずれか１項記載の 装置。 １４． 固定部材（４，５）は、例えばベルクロ接続部により、解除可能に固定 されるように配置されていることを特徴とする、請求項１３記載の装置。