JP2000514175A - ズーム機能を備える超音波ホログラフィ像形成装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ズーム機能及び焦点決め機能の双方を提供することの出来る多重レンズ系５２を備える超音波ホログラフィ像形成装置５０を示す図２に本発明の好適な実施例が示してある。該レンズ系５２は、光軸線５７に沿って互いに関して動き得るようにリードスクリュー６２、６４に独立的に取り付けられたレンズ５４、５６を備えている。このレンズ系の動きは、マイクロコントローラ７６からの信号に応答して、レンズ５４、５６を互いに正確に位置決めするエンコーダ７２、７４を備える駆動装置６６、６８により制御される。マイクロコントローラ７６は、制御装置７８、８０を介してオペレータにより制御され、ズーム機能及び焦点決め機能の双方を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 ズーム機能を備える超音波ホログラフィ像形成装置技術分野 本発明は、対象物の内部構造体の像によるホログラフィ情報を異なる倍率で観 察する、超音波像形成装置に関する。背景技術 長年、科学及び工業分野において、多くの人によって超音波ホログラフィの商 業的応用が活発に研究されているが、音波ホログラフィは、一時、非常に有望で あると考えられていたにも拘わらず、それ程の成果は、上がっていない。この超 音波ホログラフィは、材料の非破壊検査、及び超音波に対して相対的に透過性で ある柔軟な組織の医療診断の分野に特に適用可能であると考えられていた。直面 しているが、有効に解決されていない一つの主な問題点は、均一で極めて高品質 の像を得る困難性である。もう一つの問題点は、均一で高品質の像を維持しつつ 、その像の倍率を変化させることが出来ないことである。 背景技術として、図１には、かかる典型的な「リアルタイム」のホログラフィ 像形成システムが全体として、符号１０で示してある。このシステム１０は、人 間の下肢の柔軟な組織のような対象物１２の内部を超音波で検査することを目的 とするものである。この超音波像形成システム１０は、全体として、超音波ホロ グラフを発生させるホログラム発生副システム１４を備えている。また、このシ ステム１０は、形成された超音波ホログラムからの第一順序の回折により対象物 １２の内部を光学的に観察するホログラム観察副システム（光学的副システム） １６を備えている。 副システム１４は、変形可能な薄膜２２内に保持される、液体又はゲル状結合 媒体２０を介して平面波を発生させる対物超音波変換器１８を備えている。該変 形可能な薄膜２２は、対象物１２の片側に密着する一方、変形可能な薄膜２４は 、対象物の反対側に接触して、エネルギ損失、即ち波の歪みが最小の超音波結合 を実現する。該変形可能な薄膜２４は、液状結合媒体３０を保持する容器２８の 側壁の一部を形成する。 本発明の主要な構成要素及び主たる目的の一つは、大きい視界を観察し且つ所 望の対物焦点面３４に焦点決めする超音波像形成レンズ系３２を提供することで ある。従来技術の超音波像形成レンズ系３２は、超音波エネルギをホログラム検 出器面３６に集束させる。超音波像形成レンズ系３２は、レンズを対象物１２内 の所望の異なる焦点面３４に動かすべく大径のレンズ４０に関して可動である大 径の対物レンズ３８を備えている。レンズ４０は、固定型であり、検出器面３６ から一定の焦点距離に配置される。超音波像形成レンズ系３２は、超音波エネル ギを約90°で反射してホログラム検出器面３６に付与し、ホログラムを形成する ミラー４１を備えている。 超音波基準変換器４２は、コヒーレントな超音波平面波を液状媒体３０を介し て偏心角度でホログラム検出器面３６に照射してホログラムを形成する。このホ ログラム検出器面３６は、独立した皿又はミニタンク４４内に支持された液体／ ガス境界面であることが望ましい。 ホログラム観察副システム１６は、レーザ（図示せず）からのコヒーレントな 光ビームの有効な点光源を実現する光学レンズ４５を備えている。この集束され たコヒーレント光は、コリメート光学レンズ４７を通じてミラー４６から反射さ れ、ホログラム検出器面３６に向けられて、ホログラムを照射し、回折した光学 像を発生させる。ホログラフィ情報を含む反射されたコヒーレント光線は、コリ メートレンズ４７を通じて後方に向けられ、コリメートレンズ４７の焦点面で正 確に設定された回折順序に分離される。フィルタ４８を使用して全てのビームを 遮断するが、接眼レンズ４９からの第一の回折順序は除き、人間の眼、ホログラ フィフィルム又はビデオカメラが対物焦点面における対象物を「リアルタイム」 で記録することを可能にする。上述のように、かかるシステムは作用可能である が、高品質で均一な像を得ることは困難であった。 上述と同様の従来技術の超音波レンズ系は、バイロン・Ｂ・ブレンデン（Byro n B.Brenden）に付与された「超音波レンズに関する改良（Improvements In and Relating To Ultrasonic Lenses）」という名称の米国特許第3,802,533号に記 載されている。かかる特許は、主として超音波レンズの特別な構造体に関するも のである。 本発明の主たる目的及び利点の一つは、均一で高品質な像を維持しつつ、対象 物に関する像の倍率を変化させると共に、対象物内の異なる面に対する焦点を変 化させることの出来る、改良に係る超音波ホログラフィ像形成装置を提供するこ とである。 本発明の上記及びその他の目的並びに利点は、好適な実施例に関する以下の詳 細な説明を読むことにより明らかになるであろう。図面の簡単な説明 本発明の好適な実施例は、以下の添付図面に関して説明する。これら添付図面 において、 図１は、超音波ホログラフィ情報の像を形成し、集束させた超音波ホログラム を形成する超音波流体伝達媒体内で超音波レンズ系を使用する状態を示す、従来 技術の超音波ホログラフィ像形成システムの概略図的な側面図、 図２は、倍率の異なる超音波ホログラムを提供すると共に、対象物の容積内の 異なる面に焦点決めすることの出来る改良にかかる超音波ホログラフィ像形成装 置を示す、本発明の好適な実施例の概略図的な側面図、 図３は、拡大レンズと焦点面及び像形成面との間の空間的関係及び距離を示す 、図２に示した装置内に超音波レンズ系の概略図的な側面図である。発明を実施する最良の形態 本発明のこの開示は、「科学及び有用な技術の発展を促進する」という米国特 許法の目的（第８条第１項）を達成するために記載するものである。 超音波像形成装置の好適な実施例は、図２に示してあり、全体として、符号５ ０で表示されている。共通の要素は、図１と同様の識別符号で示してある。好適 な実施例において、該装置５０は、光軸線５７に沿って整合された二つの超音波 集束レンズ５４、５６を有する、符号５２で示した多重レンズ系を備えている。 この多重レンズ系５２は、レンズ５４を支持するレンズ支持体５８と、レンズ５ ６を独立的に支持するレンズ支持体６０とを備えている。これらのレンズ支持体 ５８、５９は、それぞれリードスクリュー６２、６４を備えることが望ましい。 装置５０は、それぞれリードスクリュー６２、６４に接続されたレンズ支持駆動 装置６６、６８を備え、これらのリードスクリューを前方又は後方の何れかに回 転させ、レンズ５４、５６を互いに正確に関して且つ精密に動かし得るようにし てある。 該超音波ホログラフィ像形成装置５０は、作用制御装置７８、８０からの入力 信号に応答してレンズの位置を極めて正確に制御するコンピュータ、又はマイク ロコントローラ７６に送られるコード信号を発生させるべく、リードスクリュー エンコーダ７２、７４を備える、全体として、符号７０で示した制御システムを 備えている。このオペレータの制御装置７８は、コンピュータにズーム信号を提 供し、コンピュータをしてレンズ５４、５６を共に互いに関し且つ連動して動か し、所望の倍率が得られるように特に設けられるものである。この倍率は、0.25 乃至４の範囲で調節可能であることが望ましい。このオペレータ制御装置８０は 、主としてレンズ５４を動かし、対象物１２に接近させ且つ離して、対象物内の 所望の焦点に焦点決めし、対象物の容積を視覚的に検査することを可能にする所 望の信号を入力する。本出願人は、かかる超音波ホログラフィ像形成装置５０は 、所望の倍率にて均一で且つ高品質の像を提供すると共に、対象物１２の容積内 でレンズ系を正確に焦点決めし、対象物１２内の異なる構造体を観察することを 可能にすることが確認された。 対象物１２内における多重レンズ系の対象物焦点面３４は、距離「Ｏ」であり 、オペレータにより設定され又は選択される。同様に、像の倍率もオペレータが 選択する。この倍率は、「Ｍ」で表示し、次式（１）で求められる。 （１） Ｍ＝［Ｉ₁Ｉ₂］／［Ｏ₁Ｏ₂］ かかる値は、入力装置７８、８０を介してコンピュータ７６に入力される。該 コンピュータ７６は、その入力値を受け取り、レンズ５４、５６の適正な位置Ｌ₁ 、Ｌ₂を計算し得るようにプログラム化されている。 レンズ５４の位置Ｌ₁、レンズ５６の位置Ｌ₂は、「Ｏ」「Ｍ」の入力値を用い て計算し、それぞれＦ₁、Ｆ₂で示したレンズ５４、５６の所定の焦点距離は、次 式（１）、（２）を使用して求められる。 ここで、ａ＝１ ｂ＝−［（２ＭＦ₂）／（ＭＦ₂＋Ｆ₁)］［Ｏ−Ｆ₁＋Ｆ₁／Ｍ＋ＯＦ₁／２ＭＦ₂］ ｃ＝［ＭＦ₂／（ＭＦ₂＋Ｆ₁)］［Ｏ−Ｆ₁＋Ｆ₁／Ｍ］²＋Ｏ（Ｆ₁）²／（ＭＦ₂＋ Ｆ₁） （３） Ｌ₂＝（ＭＦ₂／Ｆ₁）（Ｏ−Ｌ₁−Ｆ₁）＋Ｆ₂ かかるシステムは、適正な治療上の評価をなし得るように、人間の下肢の柔軟 な組織のような対象物の内部構造体を異なる倍率で観察するときのオペレータの 能力を顕著に向上させる。 現在の状況に従い、本発明をその方法的特徴に関して多少、具体的に説明した 。しかし、本明細書に開示した手段は、本発明を実施する好適な実施例を含むも のであるため、本発明は、説明した具体的な特徴にのみ限定されるものでないこ とを理解すべきである。故に、本発明は、均等物の理論に従って適正に解釈され る請求の範囲の適正な範囲内で任意の形態又は変更が可能である。

【手続補正書】特許法第１８４条の８ 【提出日】平成５年１１月２９日（１９９３．１１．２９） 【補正内容】 請求の範囲第１項ないし第３項を下記のものに差し替える。 『１．対象物の内部構造体を異なる倍率で観察する超音波ホログラフィ像形成装 置にして、 ａ．ホログラム検出面と、 ｂ．（１）対象物の超音波ビームを発生させ且つそのビームを対象物を通じ てホログラム検出面に伝達すると共に、（２）基準超音波ビームを発生させ且つ 該ビームをホログラフ検出面に伝達し、伝達された対物ビームと干渉させ、該検 出面上に超音波ホログラムを形成する超音波変換器手段と、 ｃ．対象物とホログラム検出面との間に介在され、選択された対象物面内の 対象物の内部構造体の像を前記検出面に形成すべく、レンズ系の軸線に沿って整 合された少なくとも二つの超音波レンズを備える超音波レンズ系と、 ｄ．コヒーレントな光ビームを発生させ、且つ該光ビームをホログラフィ検 出面に向け、形成されたホログラムを投影すると共に、選択された対象物面内の 対象物の内部構造体の像を含む回折ビームを発生させるコヒーレント光の照射手 段と、 ｅ．ホログラムからの対象物の内部構造体の像を観察する観察手段と、 ｆ．前記超音波レンズの双方を互いに関して選択的に動かし、前記検出面上 における対象物の内部構造体の倍率を変化させ、これにより、観察した像におけ る対象物の内部構造体の寸法を変化させる移動手段とを備えることを特徴とする 超音波ホログラフィ像形成装置。 ２．請求の範囲第１項に記載の超音波ホログラフィ像形成装置にして、前記超 音波レンズ系が液状の超音波結合媒体内に取り付けられることを特徴とする超音 波ホログラフィ像形成装置。 ３．請求の範囲第１項に記載の超音波ホログラフィ像形成装置にして、前記倍 率が0.25倍乃至４倍の範囲であることを特徴とする超音波ホログラフィ像形成装 置。』

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，ＬＵ，Ｍ Ｃ，ＮＬ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ) ，ＡＴ，ＡＵ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＳ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＨＵ，ＪＰ，ＫＰ，Ｋ Ｒ，ＬＫ，ＬＵ，ＭＧ，ＭＮ，ＭＷ，ＮＬ，ＮＯ，ＰＬ ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．対象物の内部構造体を異なる倍率で観察する超音波ホログラフィ像形成装 置にして、 ａ．ホログラム検出面と、 ｂ．（１）対象物の超音波ビームを発生させ且つそのビームを対象物を通じ てホログラム検出面に伝達すると共に、（２）基準超音波ビームを発生させ且つ 該ビームをホログラフ検出面に伝達し、伝達された対物ビームと干渉させ、該検 出面上に超音波ホログラムを形成する超音波変換器手段と、 ｃ．対象物とホログラム検出面との間に介在され、選択された対象物面内の 対象物の内部構造体の像を前記検出面に形成すべく、レンズ系の軸線に沿って整 合された少なくとも二つの超音波レンズを備える超音波レンズ系と、 ｄ．コヒーレントな光ビームを発生させ、且つ該光ビームをホログラフィ検 出面に向け、形成されたホログラムを投影すると共に、選択された対象物面内の 対象物の内部構造体の像を含む回折ビームを発生させるコヒーレント光の照射手 段と、 ｅ．ホログラムからの対象物の内部構造体の像を観察する観察手段と、 ｆ．前記超音波レンズを互いに関して選択的に動かし、前記検出面上におけ る対象物の内部構造体の倍率を変化させ、これにより、観察した像における対象 物の内部構造体の寸法を変化させる手段とを備えることを特徴とする超音波ホロ グラフィ像形成装置。 ２．請求の範囲第１項に記載の超音波ホログラフィ像形成装置にして、前記超 音波レンズ系が液状の超音波結合媒体内に取り付けられることを特徴とする超音 波ホログラフィ像形成装置。 ３．請求の範囲第１項に記載の超音波ホログラフィ像形成装置にして、前記倍 率が0.25倍乃至４倍の範囲であることを特徴とする超音波ホログラフィ像形成装 置。 ４．請求の範囲第１項に記載の超音波ホログラフィ像形成装置にして、前記レ ンズを互いに関して動かす前記手段が、（１）レンズ系の軸線に沿って第一のレ ンズを可動状態に支持する第一の支持手段と、（２）レンズ系の軸線に沿って可 動であるよう第二のレンズを可動状態に支持する第二の支持手段と、（３）レン ズ系の軸線に沿って第一のレンズを独立的に選択的に動かし得るように前記第一 の支持手段に作用可能に接続された第一の駆動手段と、（４）前記レンズ系の軸 線に沿って第二のレンズを独立的に選択可能に動かす第二の駆動手段とを備える ことを特徴とする超音波ホログラフィ像形成装置。 ５．請求の範囲第４項に記載の超音波ホログラフィ像形成装置にして、前記レ ンズを互いに関して動かし、像の倍率を変化させ得るように前記第一及び第二の 駆動手段に作用可能に接続されたオペレータ制御手段を更に備えることを特徴と する超音波ホログラフィ像形成装置。 ６．請求の範囲第４項に記載の超音波ホログラフィ像形成装置にして、前記レ ンズを互いに関して動かし、前記レンズ系を対象物の容積内の各種の位置で焦点 決めし得るように前記第一及び第二の駆動手段に作用可能に接続されたオペレー タ制御手段を更に備えることを特徴とする超音波ホログラフィ像形成装置。 ７．請求の範囲第４項に記載の超音波ホログラフィ像形成装置にして、前記第 一及び第二のレンズ支持手段が別個のリードスクリューを備え、前記第一及び第 二の駆動手段が該リードスクリューを選択的に回転させるモータを備えることを 特徴とする超音波ホログラフィ像形成装置。 ８．請求の範囲第６項に記載の超音波ホログラフィ像形成装置にして、前記オ ペレータ制御手段が、前記第一及び第二のモータを選択的に制御し得るようにマ イクロプロセッサに作用可能に接続されたオペレータ入力装置を備えることを特 徴とする超音波ホログラフィ像形成装置。 ９．請求の範囲第４項に記載の超音波ホログラフィ像形成装置にして、前記第 一及び第二の駆動手段が、前記レンズを選択された位置まで正確に動かし得るよ うにレンズの動きを感知するエンコーダを備えることを特徴とする超音波ホログ ラフィ像形成装置。