JP2000513631A - 自給式の薬剤塗布器を有する針カバーアセンブリ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 薬剤塗布器を組み込んでいる針カバーアセンブリが提供される。この針カバーアセンブリは、内側スリーブと外側スリーブとを含んでいる。内側スリーブは、硬質材料によって作られており且つ針シールドとして機能する。内側スリーブはまた、吸収材をその上に含んでおり、この吸収材は、抗菌剤の如き薬剤を吸収することができる。このことにより、針によって穿刺される前に患者の皮膚上に吸収材が塗布されることができる。この外側スリーブは、吸収材を覆い、吸収材から薬剤が蒸発するのを防止する。

Description

【発明の詳細な説明】 自給式の薬剤塗布器を有する針カバーアセンブリ発明の背景 本発明は、医療器具に関する。更に特定すると、本発明は、皮膚又は体腔の外 壁を穿刺するために針又はトロカールを採用している医療器具と共に使用される 針カバーアセンブリに関する。 多くの医療作業は、侵入性であり、医師が医療器具を患者の皮膚に貫通させ又 は体腔内へ挿入することを必要とする。患者の体内へ流体を注入するため、患者 の体内から流体を抜き取るため、又は患者の体内の組織を操作するために、この ような侵入性の作業が必要とされる。例えば、皮下注射器は針を介して患者の体 内に薬剤を注射するため、血管内カテーテルは導入針を使用してカテーテルを患 者の脈管構造内に配置し、トロカールは腹腔鏡外科用器具、血管造影法用カテー テル、血管形成術用カテーテル又は関節切除術用カテーテルを配置するための経 路を提供するために、患者の体に孔を開けるために使用される。 針又はトロカールが採用され得る前に、針又はトロカールが配置される患者の 皮膚は消毒されなければならない。さもなければ、患者の皮膚上の細菌が患者の 体内に入り患者を感染させることがあり得るであろう。典型的には、医師によっ て直接保持されるか又は鉗子の使用による一体のハンドル又は別個のハンドルに よって間接的に保持された綿棒が、抗菌剤に浸される。このような抗菌剤として は、アルコール、ポビドンヨー素又はクロルヘキシジンがある。綿棒は、患者の 皮膚を擦って抗菌剤によって皮膚を完全に湿らせる。患者の皮膚が消毒された後 に、綿棒は廃棄され、皮膚は針又はトロカールによって穿刺される。 この手順は一般的に満足すべきものであるけれども、改良することができる。 例えば、医療器具及び抗菌剤は、典型的には、別個に供給される。実際に、多く の場合には、抗菌剤もまた綿棒又は塗布器とは別個に供給される。この結果、高 価であり得る治療全体のための別個の在庫管理がなされる。更に、緊急事態にお いては、医師は、医療行為を始めることが出来る前に適正な抗菌剤及び塗布器を 配置するのにかなりの時間を費やすかもしれない。更に、多くの伝統的な塗布器 は、医師が患者に抗菌剤を塗布する間に抗菌剤に直接触れることを必要とする。 最後に、多くの発展途上国においては、上記した欠点のため、適正な消毒プロト コルが守られないかもしれない。発明の概要 従って、本発明は、患者の皮膚を準備するのに必要とされる別個の部品の数を 最少化し且つ医療器具の針又はトロカールを覆う針カバーを提供することを目的 とする。 本発明はまた、医師が抗菌剤に直接触れる必要なく患者の皮膚を消毒するする ことを可能にすることをも目的としている。 本発明は、針カバーと薬剤塗布器とを結合して一つのアセンブリとしている。 このアセンブリは、内側スリーブと外側スリーブとを含んでいる。 この内側スリーブは、針を覆い且つ針の早期の露出を防止するために、針の周 囲に嵌合し且つ医療器具の針ハブ又は何らかの他の固定部分に取り外し可能に結 合される。内側スリーブはまた、塗布器部分をも含んでいる。この塗布器部分は 、内側スリーブの末端部分に沿って配置され且つ内側スリーブに吸収材を接着す ることによって形成されるのが好ましい。この吸収材は、抗菌剤又は麻酔剤のよ うな所望の薬剤を浸すことができる。 外側スリーブは、少なくとも吸収材を含む内側スリーブの部分の周囲に嵌合す る。外側スリーブは、吸収材からの薬剤の蒸発を最少にするために、内側スリー ブの外周に緩く嵌合する。 この二部品からなるアセンブリは、患者の皮膚を準備し且つ穿刺するために、 必要な部品の全てを一つのユニット内に維持している。これもまた、医師が抗菌 剤に直接触れる必要なく患者の皮膚に塗布することができるようにする。医師は 、単に外側スリーブを取り外して内側スリーブ上の吸収材を露出させ且つ患者の 皮膚を薬剤で拭うだけでよい。針又はトロカールは内側スリーブによって覆われ たままであるので、薬剤が患者の皮膚に塗布されつつあるときに、針又はトロカ ールによって偶発的に穿刺される危険性がない。患者の皮膚が適切に準備された 後に、医師は、内側スリーブを除去して針又はトロカールを露出させて医療行為 を 始めることができる。図面の簡単な説明 同様の符号は同様の構成要素を示している図面に好ましい形態が図示されてい る。 図１は、血管内カテーテルと共に使用される本発明の針カバーアセンブリの斜 視図である。 図２は、血管内カテーテルと共に使用される本発明の針カバーアセンブリの分 解斜視図である。 図３は、血管内カテーテルと共に使用される本発明の針カバーアセンブリの、 図１の線３−３に沿った部分断面側面図である。 図４は、図３に示された図と類似の図であるが、外側スリーブが除去された状 態の図である。 図５は、本発明の針カバーの断面図である。発明の詳細な説明 以下、本発明の針カバーアセンブリを、血管内カテーテルの導入針及び皮下注 射器の針を覆うための使用方法と関連して説明するけれども、本発明の針カバー アセンブリは、患者の皮膚を穿刺するための針又はトロカールを採用し且つ穿刺 する前に最初に患者の皮膚を薬剤で準備する必要がある医療器具と共に使用する ことができる。 本発明の針カバーアセンブリ１０は、内側スリーブ２０と外側スリーブ３０と を含んでいる。 内側スリーブ２０は、ポリカーボネートのような硬い材料によって作られ且つ その末端部分に沿って吸収材２５を含んでいる。ここで使用されているように、 末端と言う用語は医師から遠く離れていることを意味し、基端という用語は患者 に近いことを意味している。吸収材２５は綿であるのが好ましい。しかしながら 、液体を容易に吸収することができる他の材料を使用することもできる。このこ とにより、吸収材２５がその上に薬剤を保持し且つ患者への薬剤の塗布を容易に す ることができる。例えば、吸収材２５を形成するために使用することができる他 の材料としては、ナイロン、レーヨン、ウレタン又は既に述べた材料のあらゆる 混合物がある。吸収材２５は、機械的係合、溶剤による接合、超音波溶着又は接 着剤の使用による如きあらゆる標準的な手段によって内側スリーブ２０に接合す ることができる。 典型的には、液体状態の薬剤は吸収材２５によって吸収される。使用される薬 剤は、アルコール、ヨウ素又はクロルヘキシジンのような抗菌剤とすることがで きる。しかしながら、麻酔剤のような他の薬剤を使用することができる。更に、 医師が処置すべき皮膚の位置にマークを付けることができるようにインクを使用 することができる。 内側スリーブ２０の基端は、針ハブ５０に結合された針５５ほ採用している医 療器具６０の針ハブ５０上に緩く嵌合する。内側スリーブ２０は、針５５を完全 に覆い且つ針５５の早期の露出を防止するために針５５に沿って延びることがで きるような長手方向寸法を有している。 外側スリーブ３０は、ポリカーボネートのような硬くて堅固な材料によって作 ることができる。必要とされることは、外側スリーブ３０を形成するために使用 される材料が低湿度伝達率を有することが全てである。外側スリーブ３０は、少 なくとも内側スリーブ２０の吸収材２５を坦持している部分の周囲に緩く嵌合し ている。外側スリーブ３０と内側スリーブ２０との間の係合は、吸収材２５から の薬剤の蒸発を最少にし且つ滅菌バリアを維持するために気密でなければならな い。蒸発率は、吸収材２５と共に使用される薬剤の揮発性に大きく依存するだけ でなく、外側スリーブ３０を形成するために使用される材料の湿度伝達率にも依 存するであろう。 針カバーアセンブリ１０が医療器具６０と共に使用されるときには、内側スリ ーブ２０と外側スリーブ３０との組み合わせは、医療作業が始まる前に針５５を 覆い且つ針５５の早期の露出を防止する役目を果たす。外側スリーブ３０もまた 、使用前に吸収材２５上に含まれる薬剤の蒸発を防止し且つ吸収材２５からある 面への薬剤の不所望な塗布を防止するために、吸収材２５を覆う役目を果たす。 穿刺前に患者の皮膚を準備することが望ましい場合には、外側スリーブ３０は 内側スリーブ２０から除去される。このことにより、吸収材２５が露出され、医 師が吸収材２５によって患者の皮膚をこすり且つ吸収材２５から患者の皮膚上へ 薬剤を移動させることができる。これは、塗布作業中に患者が針５５によって偶 然に穿刺される虞がほとんどない。 患者の皮膚が吸収材２５によって完全に塗布された後に、内側スリーブ２０は 、針５５から除去することができる。その後に、患者の皮膚は針５５によって穿 刺することができる。 このようにして、患者の皮膚を準備し且つ医療器具の針又はトロカールを覆う のに必要とされる別個の部品の数を最少にし且つ医師が抗菌剤に直接触れる必要 なく患者の皮膚を消毒することができる針カバーアセンブリが提供されることが わかる。

【手続補正書】特許法第１８４条の８第１項 【提出日】平成１１年５月２７日（１９９９．５．２７） 【補正内容】 請求の範囲 １．尖った末端と針ハブ（５０）に結合された基端とを有する針（５５）と、 外面を有する内側スリーブ（２０）と、 前記内側スリーブ（２０）の外面に固定された吸収材（２５）と、 前記内側スリーブ（２０）の外面に係合されて同内側スリーブ（２０）との間 に前記吸収材（２５）を包囲する比較的密封されたチャンバを提供する外側スリ ーブ（３０）であって、前記針（５５）を前記内側スリーブ（２０）内に包まれ たままとしながら前記吸収材（２５）を露出させるために前記内側スリーブ（２ ０）から取り外し可能である外側スリーブ（３０）と、を含み、 カテーテルアダプタであってそこからカニューレが延びているカテーテルアダ プタが前記針（５５）の周囲に配置され、前記内側スリーブ（２０）は、前記針 （５５）を覆うように前記針ハブ（５０）に取り外し可能に嵌合されて前記針（ ５５）を使用前に前記内側スリーブ（５５）内の保護環境内に包囲するようにし た、ことを特徴とする針カバーアセンブリ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．吸収材がその上に固定されている内側スリーブと、 包囲する状態で内側スリーブと取り外し可能に係合し、湿度伝達率が低い外側 スリーブと、 を含んでいる針カバアセンブリ。 ２．外筒と、 外筒内に摺動可能に配置されたプランジャと、 外筒の端部に取り外し可能に取り付けられ且つ針ハブに固定され外筒から外方 へと延びている針を有している針ハブと、 吸収材がその上に固定され且つ針を包囲するために外筒に取り外し可能に係合 された内側スリーブと、 包囲する状態で内側スリーブと取り外し可能に係合された湿度伝達率が低い外 側スリーブと、 を含む注射器。 ３．カテーテルアダプタの端部から延びているカニューレを有しているカテー テルアダプタと、 針ハブと、 カニューレ内を延びており且つ一端が針ハブに固定されている針と、 その上に吸収材が固定されており且つ針を包囲するために針ハブに取り外し可 能に結合された内側スリーブと、 内側スリーブを包囲する状態で同内側スリーブと取り外し可能に係合した低い 湿度伝達率を有する外側スリーブと、 を含むカテーテル。