JP2000512439A - 温度変化による利得平坦度変形性の減少した光ファイバ増幅器 - Google Patents

温度変化による利得平坦度変形性の減少した光ファイバ増幅器

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、温度変化による利得平坦度変形性を減少させうる光ファイバ増幅器に関する。当該光ファイバ増幅器は異なる2種の光ファイバを採用する。その光ファイバは温度変化による利得平坦度変形性を補償するように直列に接続される。

Description

【発明の詳細な説明】 温度変化による利得平坦度変形性の減少した光ファイバ増幅器 技術分野 本発明は光ファイバ増幅器に係り、より詳しくは、温度変化による利得特性変 形性(gain profile distortions)を減少させることのできる光ファイバ増幅器に 関する。 技術背景 光ファイバ増幅器は光信号を増幅する装置として知られている。このような光 ファイバ増幅器は、例えば、光信号を電気的な信号に変換することなく増幅する 通信中継器又は光通信伝送器からの出力を増幅する増幅器として使用するように 提案されている。 その中でも特に、EDFA(Erbium Doped Fiber Amplifier)の出現は、光通信 システムのデザイン、製造、及びパフォーマンスに大きな影響を与えた。すなわ ち、EDFAの低雑音、高光度、高利得、線形性、広帯域、波長透明性、偏光特 性及び光ファイバ互換性などが伝送及びスプリッティング損失問題を効率よく取 り除くことができ、光通信技術の改善につながっった。その結果、今日のローカ ル/ワイドエリアネットワークのみならず、長距離地点及び大洋横断の光通信が 実現された。 しかしながら、EDFAの多チャネル利得帯域は、EDFAを狭い波長間隔の WDM(Wavelength Division Multiplexing)に適用する場合に大事な変数として 作用する。したがって、EDFAの利得平坦化帯域(gain flattened bandwidth) を拡張するために多くの研究が行われているが、これには亜テルル酸塩(Telluli te)基材のEDFA、長波長のEDFA及びフッ化物(Fluoride)基材のEDFA などがある。このような増幅器を大容量の実際のWDMシステム分野に適用する 際には、利得特性の温度依存性を理解することが重要である。しかし、EDFA に対する温度依存特性についての研究は、M.YAMADAなどの“Temperature Depend ence of Signal Gain in Er3+-Doped Optical Fiber Amplifiers”(IEEE J.Qua n tum Electron.,vol.28,no.3,p.640,1992)にみられるように、その利得特性に 限られている。吸収及び放射断面積は温度だけではなく波長の関数としても知ら れているが、多チャネルの場合について利得平坦度の歪曲を調べる研究はあまり 行われていない。これは、チャネル雑音特性のみならず、各種の有用性、高いス ペクトル純度を有する伝送源に対する正確な測定技術の複雑性による研究不足の ためである。 これに鑑みて本発明者は、アルミノゲルマノケイ酸塩(aluminogermanosilicat e)とフルオロジルコニウム酸塩(fluorozirconate)基材の二種の光ファイバ増幅 器に対する多チャネル利得平坦度の温度依存性を、数値シミュレーションを通し て調べた。その結果、ITU(International Telecommunication Union)指定の 温度範囲に対して約2.7dBの利得平坦度の変動を示した。さらに、このような 温度による利得平坦度の歪曲は単一チャネルで応用可能な方法である自動利得制 御により訂正されず、これは、EDFをWDM分野に適用するときに能動的な温 度制御が必要であるということを示している。 この増幅器は、スペクトルのグリッドが0.1mm、スペクトル領域が1480n mから1600nmまでの120nm範囲の均等拡張された3準位システムをモデル として設定した。このようなスペクトル領域はポンピング(励起)及び信号波長 を含むとともに、エルビウムイオンの全体吸収及び放射断面波長領域を殆ど含む のに十分である。調査対象となる温度における吸収断面積は、シリカ及びZBL AN(Zirconium,Barium,Lantan,Aluminum,Natrium)光ファイバに対して既に 発表された論文(N.Kagi et al.,“Temperature Dependence of the Gain in E rbuim-doped Fibers,”IEEE J.Lightwave Technol.,vol.9,no.2,p.261,1991 、J.Kemtchou et al.,“Comparison of Temperature Dependence of Absorpti on and Emission Cross Sections in Difference Glass hosts of Erbuim-doped Fibers,”OAA’96,p.126,paper FD2,1996参照)から、温度に対する断面の線 形外挿関係(linear extrapolation relationships)により計算された。このよう なデータは、McCumber理論によりその温度で放射断面積を計算するのに用いられ ている。他の仮定にはポンピングダイオードと受動素子に対して固定温度におけ るスペクトル特性が含まれる。 シミュレーションは1531nmから1563nmまで0.8nmの間隔を有する4 1個の入力信号に対して行い、各チャネル当たりの入力値を−20dBmに設定し た。かつ、EDFAのシミュレーションでは、25℃の動作温度で増幅器の多チ ャネル利得平坦度を良好にするために考案された中間(mid-stage)スペクトルフ ィルタを使用した。このフィルタを使用することにより得られた利得平坦度は、 二種の増幅器に対し32nmにかけて0.2dB以内であり、25℃でチャネル当た りの出力は等化EDFAに対して0dBm近傍であった。 図1A及び図1Bは、25℃でフィルタのない場合とフィルタのある場合のZ BLAN光ファイバ増幅器の出力スペクトルをそれぞれ示す。そして、ZBLA N光ファイバ増幅器に対する等化フィルタの詳細なスペクトル形態は図2に示し た。実際の場合は周辺の環境による影響が存在するとしても、利得平坦化用のフ ィルタ、例えば、長周期の光ファイバ格子のスペクトル形態が25℃に対するも のに固定されると仮定し、EDFAのみに対する利得平坦度の温度依存性を調べ るために、0℃及び50℃における吸収及び放射断面で光ファイバ増幅器の多チ ャネル利得曲線を計算した。 図3A及び図3Bは、それぞれZBLAN光ファイバとシリカ基材のアルミニ ウムがドーピングされている光ファイバについて、異なる動作温度における多数 のチャネルに対する信号利得の変化を示した。図3A,Bを参照すれば、動作温 度の変化により、25℃用の中間受動スペクトルフィルタにより具現された利得 平坦度は劣化し、各チャネルで相異なる量の利得変化が発生するということがわ かる。 ZBLAN基材のEDFAでは、1544.4nmの波長において温度による利 得の最大変動が2.7dB/50℃であり、1dB以内の利得変動を示した波長領域 は、このような条件では15nmよりも狭かった。したがって、ポンピング出力自 体だけでの調節は温度による多チャネル利得歪曲を補償するのには不十分であり 、全休的な出力レベルを移動させるに過ぎなかった。 雑音特性も予想通り温度の関数として把握され、調査対象のスペクトル領域に かけて与えられた1つのチャネルで±0.2dB/50℃に至る結果を示した。シ リカ基材のアルミニウムがドーピングされているEDFAでは、1560.4nm で温 度による利得の最大変動が1.45dB/50℃であり、1dB以内の利得変動を 示した波長領域は27nmでZBLAN基材のEDFAよりも広かった。しかしな がら、シリカ基材アルミニウムドーピングEDFAは短波長で温度に依存する雑 音特性を示し(1534nmで最大±0.5dB/50℃)、雑音特性に敏感な分野へ の適用においては温度に影響を受けない広い帯域が得にくい。 上述したように、本発明者は密集したWDMに適用するためのシリカ基材アル ミニウムドーピングEDFA及びZBLAN基材EDFAの多チャネル利得の温 度依存特性を研究した結果、温度調節やフィルタによる能動的な等化がなければ 、現状ではZBLAN基材のEDFAがWDMへの適用時に深刻な利得変動を引 き起こし、このような現象は周辺環境が悪く、EDFAが直列に接続されたネッ トワークでより深刻になるということがわかった。ZBLAN基材のEDFAよ りは深刻でないが、シリカ基材のアルミニウムドーピングEDFAもチャネル利 得について類似の問題点を有しており、単波長では雑音特性においてもかなりの 変動を示すということもわかっている。 発明の概要 本発明の目的は、周辺温度変化により変動する利得スペクトルを平坦化するこ とのできる光ファイバ増幅器を提供することにある。 この目的を達成するため本発明は、複合光ファイバを有する光ファイバ増幅器 を提供する。その複合光ファイバは、少なくとも2つの異なる基材による光ファ イバが直列に接続されている。 光ファイバは希土類元素をドーピングした光ファイバであり、希土類元素はエ ルビウムとする。 また光ファイバは、好ましくはシリカ基材アルミニウム共同ドーピング(codop ed)光ファイバとZBLAN光ファイバとを含む。 図面の簡単な説明 図1は、25℃でフィルタのない場合とフィルタのある場合のZBLAN光フ ァイバ増幅器の出力スペクトルをそれぞれ示したグラフである。 図2は、ZBLAN光ファイバ増幅器における等化フィルタの詳細なスペクト ル形態を示したグラフである。 図3は、それぞれZBLAN光ファイバとシリカ基材アルミニウムドーピング 光ファイバについて、異なる動作温度における多数のチャネルに対する信号利得 の変化を示したグラフである。 図4は、本発明による光ファイバ増幅器の利得平坦度を示したグラフである。 図5は、本発明による光ファイバ増幅器について温度変化によるチャネル利得 の変化を観察した結果のグラフである。 最良の実施形態 本例において、エルビウムをドーピングした2種の光ファイバが温度変化によ る利得平坦度歪曲を補償するために使用される。その光ファイバとしては、相異 なる温度特性を有するシリカ基材アルミニウム共同ドーピング光ファイバとZB LAN光ファイバがあり、その光ファイバを同一の長さで直列接続して使用した 。 図4は、本例における光ファイバ増幅器の利得平坦度を示している。その平坦 度は1531から1563nmまで0.8nm間隔を有する41個の入力信号により 観察された。該利得特性の平坦化に等化フィルタが用いられた。 そして、温度を0℃、50℃に変化させてチャネルごとの利得変化を観察した 結果が図5に示されている。図5に示したように、温度変化により全体的な利得 レベルが変化しても、各チャネルで観察される利得平坦度は0.5dB程度であっ た。 これにより、本発明によるEDFAは、シリカ基材アルミニウム共同ドーピン グ光ファイバやZBLAN光ファイバを単独で使用するときよりも良好な結果を 示すということがわかる。なお、全体的な利得レベルの変化はポンピング出力を 調節することにより補償することができる。
【手続補正書】 【提出日】平成11年8月19日(1999.8.19) 【補正内容】 (1)明細書の第4頁下から4行目〜第5頁上から22行目にある「図面の簡 単な説明」及び「最良の実施形態」の欄を別紙のとおり補正する。 (2)別紙のとおり図面を補正する。 図面の簡単な説明 図1は、25℃でフィルタのない場合とフィルタのある場合のZBLAN光フ ァイバ増幅器の出力スペクトルをそれぞれ示したグラフである。 図2は、ZBLAN光ファイバ増幅器における等化フィルタの詳細なスペクト ル形態を示したグラフである。 図3は、それぞれZBLAN光ファイバとシリカ基材アルミニウムドーピング 光ファイバについて、異なる動作温度における多数のチャネルに対する信号利得 の変化を示したグラフである。 図4は、本発明による光ファイバ増幅器の構成を示した概略図である。 図5は、本発明による光ファイバ増幅器の利得平坦度を示したグラフである。 図6は、本発明による光ファイバ増幅器について温度変化によるチャネル利得 の変化を観察した結果のグラフである。 最良の実施形態 本例において、エルビウムをドーピングした2種の光ファイバ16,18が温 度変化による利得平坦度歪曲を補償するために使用される。その光ファイバとし ては、相異なる温度特性を有するシリカ基材アルミニウム共同ドーピング光ファ イバとZBLAN光ファイバがあり、その光ファイバを同一の長さで直列接続し て使用した。 図5は、本例における光ファイバ増幅器の利得平坦度を示している。その平坦 度は1531から1563nmまで0.8nm間隔を有する41個の入力信号により 観察された。該利得特性の平坦化に等化フィルタが用いられた。 そして、温度を0℃、50℃に変化させてチャネルごとの利得変化を観察した 結果が図6に示されている。図6に示したように、温度変化により全体的な利得 レベルが変化しても、各チャネルで観察される利得平坦度は0.5dB程度であっ た。 これにより、本発明によるEDFAは、シリカ基材アルミニウム共同ドーピン グ光ファイバやZBLAN光ファイバを単独で使用するときよりも良好な結果を 示すということがわかる。なお、全体的な利得レベルの変化はポンピング出力を 調節することにより補償することができる。 【図1】【図1】【図2】【図3】【図3】【図4】【図5】【図6】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.励起可能な元素でドーピングされ、光信号を伝送して増幅する光ファイバ と、該光ファイバに光学的に接続され、励起用のポンピング光を発生するポンピ ング手段と、を備える光ファイバ増幅器において、 周囲の温度変化による利得変動を平坦化するために、前記光ファイバが少なく とも2以上の異なる基材の光ファイバを直列接続してなることを特徴とする光フ ァイバ増幅器。 2.光ファイバが希土類元素をドーピングしたものである請求項1記載の光フ ァイバ増幅器。 3.希土類元素がエルビウムである請求項2記載の光ファイバ増幅器。 4.光ファイバがシリカ基材アルミニウム共同ドーピング光ファイバ及びZB LAN光ファイバを含む請求項3記載の光ファイバ増幅器。
JP11521546A 1997-10-15 1998-10-13 温度変化による利得平坦度変形性の減少した光ファイバ増幅器 Pending JP2000512439A (ja)

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