JP2000511829A - ねじ回し用アダプタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ねじ回しのためのアダプタ（１）において、内室（５）を有する収容部材（３）開放側には、ナット（２）が相対回転しないようにかつ軸方向保持されるように挿入されている。工具作用部（６）には通路（８）が接続している。この通路はナット（２）を軸方向に貫通し、収容部材（３）の内室（５）まで延びている。ねじの過剰回転の際に工具作用部（６）内で破断された力作用部分は、通路（８）を経て収容部材（３）の内室（５）内に達し、排出されるまでこの内室に集められる。

Description

【発明の詳細な説明】 ねじ回し用アダプタ 本発明は、ねじ回し作用部分と、意図的な過剰回転の際に破断、ねじ切りまた は切断可能である力作用部分を有するねじをねじ込むための、工具作用部を有す るナットとを備え、このナットが工具作用部から延びる通路を有する、ねじ回し のためのアダプタに関する。 ねじのための過剰回転を防止するために、すなわちねじ付き領域を損傷させる ことなくねじを締付け装着するために、特に、ねじの最終的な装着の際にねじの 力作用部分または力作用部分の対応する一部が破断、ねじ切りまたは切断され、 それによって装着が終了する方法が知られている。このような過剰回転防止は一 般的に、破断予定個所を設けることによって行われる。その際破断、ねじ切りま たは切断された力作用部分はその後、すべての加工方法において、簡単に周りに 散らばらせることはできない。なぜなら、事情によっては、固定された工作物ま たはその上にあるカバーの表面が損傷するからである。 そこで、本発明は、破断、ねじ切りまたは切断されたねじの力作用部分を収容 し、捕集することができる、ねじ回し用アダプタを提供することである。 これは本発明に従い、通路がねじから破断、ねじ切りまたは切断された作用部 分のためのカップ状に形成された収容部材の内室に開口し、この収容部材の開放 側がナットを貫通する通路を除いて、相対回転しないようにかつ軸方向において 固定保持されるように挿入されたナットによって閉鎖され、収容部材の反対側が ねじ回し作用部分を備えていることによって解決される。 本発明によるこの手段によって、破断、ねじ切りまたは切断の直ぐ後で、力作 用部分が通路を通って収容部材の内室に達することができ、この通路内に、破断 されたこのような多数の力作用部分を収容することができる。適当な量のこのよ うな力作用部分が収容部材の内室に捕集されるや否や、この内室は空にされる。 それによって、分離された力作用部分を拾い上げるかまたは集めるための付加的 な作業が不要である。 収容部材がカップ状に形成され、その開放側がナットを貫通する通路を除いて 閉鎖されているので、収容部材を空にするためにナットを取り外すことができる 。それによって、収容部材内に穴を備えた付加的な手段を設ける必要がない。従 って、収容部材は、開放側がナットによって閉鎖されている中空シリンダよりも 構造的に簡単に形成可能である。 この交換可能なナット保持部により、他の可能性が生じる。例えば、他の実施 形では、ナットがその両端に工具作用部を備え、軸方向において互いに離隔され たナットの両端の一方が、収容部材内に相対回転しないようにかつ軸方向におい て固定保持されるように挿入可能である。すなわち、例えば寿命を長くするため に、ナットは、その両端に工具作用部を備えることができる。 これに関連して、異なるように形成された力作用部分を掴むための異なるよう に形成された２つの工具作用部が、ナットの両端に設けられているときわめて有 利である。それによって、ねじの異なる力作用部分においてナットを使用するこ とができ、特に同時に２つの異なる力作用部分を有するねじの場合にも使用する ことができる。このような場合、力作用部分の一方は破断、ねじ切りまたは切断 可能に形成されている。これに対して、他方の力作用部分は、既に装着し終えた ねじを、必要な場合に後で再び弛めるために役立つ。この両力作用部分は基本的 には異なる形状およびまたは大きさを有し、ナットの両端にそれぞれ所望な工具 作用部を形成することができる。その際勿論、ねじをねじ込む際ににのみ、一方 の工具作用部と収容部材が必要である。というのは、破断、ねじ切りまたは切断 可能な力作用部分がねじ込みの際にのみ、ねじに設けられているからである。従 って、ねじ回し用アダプタは万能的に使用可能であるが、このようなねじの場合 、ねじ込む頻度は、ねじを弛める頻度よりもはるかに大である。 ねじが工作物に装着されるまで、ねじ込まれるねじの力作用部分がナット内に 保持されるようにするために、本発明では、ナットの工具作用部の凹部に半径方 向に弾性的に係合する保持要素が、工具作用部の少なくとも一方の領域に設けら れている。それによって、ねじの作用部分を介して、適当な力によってねじを紛 失しないように差し込むことができ、かつ良好に装着することができる。 トルクがアダプタからねじに適切に伝達されるようにするために、収容部材と ナットを相対回転しないように保持する必要がある。その際、実施形では、歯状 部、多角形部等を有する周方向のつばが、ナットの軸方向長さのほぼ中央領域に 形成され、ナットを一緒に回転させるために、対応する歯状部、多角形部等が、 カップ状の収容部材の開放エッジ領域に設けられている。それにより、必要な収 容部材とナットの軸方向嵌め込みによって作用する、トルクを伝達するための簡 単な連結部が形成される。すなわち、ねじまたは継手の複雑な組み立てあるいは 何らかの固定が不要である。 収容部材内へのナットの簡単な組み立ては、環状溝がナットの各々の端部から 離隔された位置に形成され、ナットを軸方向において保持するために、カップ状 の収容部材の内壁の溝に挿入された弾性的な環状体、例えばＯリングが、環状溝 に係合することによって改善される。回転継手を形成するための差込みによって 同時に、両部材、すなわちナットと収容部材が軸方向に固定保持される。軸方向 の固定保持部が大きな力を伝達する必要がないので、両端の異なる工具作用部を 交換するため、あるいは収容部材の内室に捕集された力作用部分を排出するため に、ナットの簡単な組み立てと分解が可能である。 次に、図に基づいて本発明の他の特徴および特別な効果を詳しく説明する。 図１はねじ回しの本発明によるアダプタの断面図、 図２は例えばこのアダプタによって操作可能なねじを示す図、 図３は図１のアダプタをＩＩＩ−ＩＩＩ線の方向から見た図である。 本発明において、ねじ回し１のためのアダプタ１は、収容部材３とナット２か らなっている。収容部材３にはねじ回し作用部分４が接続している。このねじ回 し作用部分によって、アダプタをねじ回しと一緒に回転させ、かつ軸方向に保持 することができる。 本発明によるこのアダプタは特に、わざと回しすぎるときに破断、ねじ切りま たは切断される力作用部分１８を有するねじ１７をねじ込むために使用される。 そのために、ナット２は工具作用部６を備えている。この工具作用部はねじ１７ の力作用部分１８にほぼ対応するように形成されている。工具作用部６にはナッ ト２内の通路８が接続している。この通路は好ましくはカップ状に形成された収 容部材３の内室５に開口している。 ねじ１７がセットされ、そして例えば破断予定個所を力作用部分１８のねじ側 の端部に配置したときに力作用部分１８をねじ切るようなトルクが発生すると、 アダプタ１は、ねじ１７を更に回転することなく回転し続けることができるがし かし、ねじのねじ込みは終了する。そして、破断されたまたはねじ切られた力作 用部分１８は直接通路８内に達し、そこから収容部材３の内室５内に達する。従 って、ねじ切られた力作用部分１８は通路８とそれに接続する内室５に順々に収 容される。 切断された力作用部分のための排出穴を、収容部材３のどこかに設けることが できる。しかし、簡単な変形例では、収容部材３がカップ状に形成されている。 この場合、ナット２自体は収容部材３の開放側を閉鎖している。従って、内室５ には、工具作用部６を介して通路８だけが開放している。 勿論、挿入されたナット２と収容部材３は相対回転しないように連結しなけれ ばならず、またナット２は不意に収容部材３から抜け落ちまたは押し出されるこ とがないように、軸方向に固定保持しなければならない。 従来は、ナットはその一端に工具作用部５を備えていた。ナット２自体は収容 部材３の閉鎖部材を形成するので、ナットを相対回転しないようにかつ軸方向に 固定保持されるように配置するために適当な部品を、いわば鏡像対称的に２つの 異なる端部に形成することにより、有利な構造体を付加的に形成することができ る。その場合、軸方向において互いに離隔されたナット２の両端部に工具作用部 ６または７を設けることができる。この工具作用部は好ましくは、力作用部分１ ８または１９の異なる形状部を収容できるようにするために、異なるように形成 されている。図２の特別なねじ１７の場合には、２個の力作用部分１８，１９が 設けられている。この場合、力作用部分１８は破断予定個所に基づいてねじ切り または破断可能であり、力作用部分１９は、場合によってねじを再び弛めて引き 抜くめに役立つ。そのために、大きく形成され、ナット２と同じ工具作用部６で は掴むことができない別個の力作用部分１９が必要である。図示の場合、力作用 部分１８は例えば四角形に形成され、力作用部分１９は六角形に形成されている 。これにより、ねじをねじ込むときに工具作用部６を使用可能であり、場合によ って必要であるねじ１７の引抜き時に工具作用部７を使用可能である。 しかし、本発明の範囲内において、同じように形成された２つの工具作用部６ または７をナット２の両端に設けることができる。それによって、１個のナット ２の寿命を２倍にすることができる。これは、ナットの一端を長く使用した後で 、ナットの向きを逆にすることによって達成される。 前もって力作用部分１８を挿入したねじ１７が、工作物に完全に装着されるま でまたは部分的にねじ込まれるまで、ナット内で軸方向において充分に保持され るようにするために、本発明によるナット２の場合には公知のごとく、工具作用 部６の凹部内に半径方向から弾性的に係合する保持要素１５が設けられている。 例えば球またはピンの形に形成されたこの保持要素１５は、適当な弾性体１６に よって、工具作用部の方へ半径方向に付勢することが可能である。 ナット２と収容部材３を一緒に回転させかつ軸方向において固定保持するため に、適当な手段が設けられている。図示した実施の形態では、ナットは周方向に 延びるつばを備えている。このつばはナット２の軸方向長さにおいてほぼ中央領 域に配置されている。つば９は好ましくはその外周に多角形部１１を備えている 。カップ状の収容部材３の開放したエッジ領域には、ナット２を一緒に回転させ るために、ナットに対応する、開口の形をした多角形部１０が設けられている。 更に、ナット２のそれぞれの端部から間隔をおいて、環状溝１２が形成されてい る。この環状溝内には、ナット２を軸方向において保持するために、弾性的な環 状体１３が係合している。この環状体はカップ状の収容部材３の内壁の溝１４に 挿入されている。この環状体として、一種のＯリングを使用することができる。 ナット２のどちらの端部が収容部材３の内室１５に挿入されるかは重要ではない 。なぜなら、つば９の領域を適当に形成し、収容部材３の自由端部に配置するこ とにより、ナットが常に一緒に回転させられ、そして環状体１３と所属の溝１２ によってナットが軸方向において固定保持されるからである。軸方向におけるね じ込み押圧力はつば９を介して伝達される。というのは、このつばが収容部材３ のストッパー２０に支持されているからである。 互いに一緒に回転するようにするための多角形部１１または１０の代わりに、 互いに連結するための一種の歯状部（セレーション）を設けることができる。こ の歯状部を介して、ナット２と収容部材３は形状補完的に互いに係合可能である 。 既に述べたように、ナット２の一端に適当な工具作用部６を設けるだけで充分 であるので、ナット２はずっと短く形成可能である。このような場合、溝１４に 係合する環状体１３によってナットを保持し、適当な歯状部または多角形部等を 有するつば９を配置するだけでよい。 大きさと形状が異なる工具作用部６，７の場合好ましくは、破断された力作用 部分１８の搬出を容易にするために、工具作用部６の横断面よりも横断面を拡大 した通路８を工具作用部に接続することができる。 本発明の範囲内で、ナット２と収容部材３の連結に関していろいろな他の変形 が考えられる。同様に、カップ状の収容部材のエッジ領域にナットをかぷせるこ とができるようにするために、ナット２を例えば周方向の外側の溝を有するよう にまたはカップ状に形成することができる。その際事情によっては、適当な連結 部がカップ状の収容部材の内面ではなく、収容部材３の外壁に設けられる。連結 は例えばねじのようにねじって嵌め込むことによって、差込み継手を用いて、あ るいは同様に弾性的な環状体を用いておよび異なるように形成された歯状部、多 角形部等を用いて行うことができる。 更に、ナットと収容部材を一体に製作するかまたは取り外し不能に相互に連結 された部品によって製作することができる。この場合、閉鎖可能な取出し穴を設 けることができる。更に、ナット自体が内室を有する収容部材を形成していても よい。この場合、ナットはねじ回しに挿入可能なアダプタとしての働きをする。 空にすることができる内室を閉鎖するために、蓋、摺動可能なリング等を設ける ことができる。このような構造の場合には、ナットは一般的に、工具作用部を１ 個だけ備えている。 本発明によるアダプタは、ねじをねじ込む際に必ずしも挿入しなくてもよいし 、破断、ねじ切りまたは切断可能な力作用部分が設けられている場所でのみ使用 可能であるので、きわめて有利であることが判った。ナットの非常に簡単な構造 および特別な形状に基づいて、このようなアダプタはあらゆる種類のねじをねじ 込むために使用可能である。

【手続補正書】特許法第１８４条の８第１項 【提出日】平成１１年８月５日（１９９９．８．５） 【補正内容】 明細書 ねじ回し用アダプタ 本発明は、ねじ回し作用部分と、意図的な過剰回転の際に破断、ねじ切りまた は切断可能である力作用部分を有するねじをねじ込むための、工具作用部を有す るナットとを備え、このナットが工具作用部から延びる通路を有する、ねじ回し のためのアダプタに関する。 ねじのための過剰回転を防止するために、すなわちねじ付き領域を損傷させる ことなくねじを締付け装着するために、特に、ねじの最終的な装着の際にねじの 力作用部分または力作用部分の対応する一部が破断、ねじ切りまたは切断され、 それによって装着が終了する方法が知られている。このような過剰回転防止は一 般的に、破断予定個所を設けることによって行われる。その際破断、ねじ切りま たは切断された力作用部分はその後、すべての加工方法において、簡単に周りに 散らばらせることはできない。なぜなら、事情によっては、固定された工作物ま たはその上にあるカバーの表面が損傷するからである。 ヨーロッパ特許出願公開第０７２３０８６号公報により、ねじ回し用アダプタ が既に知られている。このアダプタはねじ回し作用部材と、工具作用部を形成す るナットとを備えている。ねじをねじ込むためのこのアダプタは、意図的な過剰 回転の際に破断、ねじ切りまたは切断可能な作用部分を備えている。ナットは工 具作用部から延びる通路を備えている。ねじの破断された力作用部分は、この通 路を通って先ず最初に軸方向に、そして半径方向に外へ落下することができる。 工具作用部を備えたナットの後側に、自由空間が設けられている。この自由空間 は１８０°よりも大きな角度にわたって開放しているので、破断された力作用部 分は通路を出た後で自由落下可能である。 そこで、本発明は、破断、ねじ切りまたは切断されたねじの力作用部分を収容 し、捕集することができる、ねじ回し用アダプタを提供することである。 これは本発明に従い、通路がねじから破断、ねじ切りまたは切断された力作用 部分のためのカップ状に形成された収容部材の内室に開口し、この収容部材の開 放側がナットを貫通する通路を除いて、相対回転しないようにかつ軸方向におい て固定保持されるように挿入されたナットによって閉鎖され、収容部材の反対側 がねじ回し作用部分を備えていることによって解決される。 本発明によるこの手段によって、破断、ねじ切りまたは切断の直ぐ後で、力作 用部分が通路を通って収容部材の内室に達することができ、この通路内に、破断 されたこのような多数の力作用部分を収容することができる。適当な量のこのよ うな力作用部分が収容部材の内室に捕集されるや否や、この内室は空にされる。 それによって、分離された力作用部分を拾い上げるかまたは集めるための付加的 な作業が不要である。 本発明において、ねじ回し１のためのアダプタ１は、収容部材３とナット２か らなっている。収容部材３にはねじ回し作用部分４が接続している。このねじ回 し作用部分によって、アダプタをねじ回しと一緒に回転させ、かつ軸方向に保持 することができる。 本発明によるこのアダプタは特に、わざと回しすぎるときに破断、ねじ切りま たは切断される力作用部分１８を有するねじ１７をねじ込むために使用される。 そのために、ナット２は工具作用部６を備えている。この工具作用部はねじ１７ の力作用部分１８にほぼ対応するように形成されている。工具作用部６にはナッ ト２内の通路８が接続している。この通路は好ましくはカップ状に形成された収 容部材３の内室５に開口している。 ねじ１７がセットされ、そして例えば破断予定個所を力作用部分１８のねじ側 の端部に配置したときに力作用部分１８をねじ切るようなトルクが発生すると、 アダプタ１は、ねじ１７を更に回転しないで回転し続けることができるがしかし 、ねじのねじ込みは終了する。そして、破断またはねじ切られた力作用部分１８ は直接通路８内に達し、そこから収容部材３の内室５内に達する。従って、ねじ 切られた力作用部分１８は通路８とそれに接続する内室５に順々に収容される。 簡単な変形例では、収容部材３がカップ状に形成されている。この場合、ナッ ト２自体は収容部材３の開放側を閉鎖している。従って、内室５には、工具作用 部６を介して通路８だけが開放している。 勿論、挿入されたナット２と収容部材３は相対回転しないように連結しなけれ ばならず、またナット２は不意に収容部材３から抜け落ちまたは押し出されるこ とがないように、軸方向に固定保持しなければならない。 従来は、ナットはその一端に工具作用部５を備えていた。ナット２自体は収容 部材３の閉鎖部材を形成するので、ナットを相対回転しないようにかつ軸方向に 固定保持されるように配置するために適当な部品を、いわば鏡像対称的に２つの 異なる端部に形成することにより、有利な構造体を付加的に形成することができ る。その場合、軸方向において互いに離隔されたナット２の両端部に工具作用部 ６または７を設けることができる。この工具作用部は好ましくは、力作用部分１ ８または１９の異なる形状部を収容できるようにするために、異なるように形成 されている。図２の特別なねじ１７の場合には、２個の力作用部分１８，１９が 設けられている。この場合、力作用部分１８は破断予定個所に基づいてねじ切り または破断可能であり、力作用部分１９は、場合によってねじを再び弛めて引き 抜くめに役立つ。そのために、大きく形成され、ナット２と同じ工具作用部６で は掴むことができない別個の力作用部分１９が必要である。図示の場合、力作用 部分１８は例えば四角形に形成され、力作用部分１９は六角形に形成されている 。これにより、ねじをねじ込むときに工具作用部６を使用可能であり、場合によ って必要であるねじ１７の引抜き時に工具作用部７を使用可能である。 しかし、同じように形成された２つの工具作用部６または７をナット２の両端 に設けることができる。それによって、１個のナット２の寿命を２倍にすること ができる。これは、ナットの一端を長く使用した後で、ナットの向きを逆にする ことによって達成される。 前もって力作用部分１８を挿入したねじ１７が、工作物に完全に装着されるま でまたは部分的にねじ込まれるまで、ナット内で軸方向において充分に保持され るようにするために、本発明によるナット２の場合には公知のごとく、工具作用 部６の凹部内に半径方向から弾性的に係合する保持要素１５が設けられている。 例えば球またはピンの形に形成されたこの保持要素１５は、適当な弾性体１６に よって、工具作用部の方へ半径方向に付勢することが可能である。 ナット２と収容部材３を一緒に回転させかつ軸方向において固定保持するため に、適当な手段が設けられている。図示した実施の形態では、ナットは周方向に 延びるつばを備えている。このつばはナット２の軸方向長さにおいてほぼ中央領 域に配置されている。つば９は好ましくはその外周に多角形部１１を備えている 。カップ状の収容部材３の開放したエッジ領域には、ナット２を一緒に回転させ るために、ナットに対応する、開口の形をした多角形部１０が設けられている。 更に、ナット２のそれぞれの端部から間隔をおいて、環状溝１２が形成されてい る。この環状溝内には、ナット２を軸方向において保持するために、弾性的な環 状体１３が係合している。この環状体はカップ状の収容部材３の内壁の溝１４に 挿入されている。この環状体として、一種のＯリングを使用することができる。 ナット２のどちらの端部が収容部材３の内室１５に挿入されるかは重要ではない 。なぜなら、つば９の領域を適当に形成し、収容部材３の自由端部に配置するこ とにより、ナットが常に一緒に回転させられ、そして環状体１３と所属の溝１２ によってナットが軸方向において固定保持されるからである。軸方向におけるね じ込み押圧力はつば９を介して伝達される。というのは、このつばが収容部材３ のストッパー２０に支持されているからである。 互いに一緒に回転するようにするための多角形部１１または１０の代わりに、 互いに連結するための一種の歯状部（セレーション）を設けることができる。こ の歯状部を介して、ナット２と収容部材３は形状補完的に互いに係合可能である 。 既に述べたように、ナット２の一端に適当な工具作用部６を設けるだけで充分 であるので、ナット２はずっと短く形成可能である。このような場合、溝１４に 係合する環状体１３によってナットを保持し、適当な歯状部または多角形部等を 有するつば９を配置するだけでよい。 大きさと形状が異なる工具作用部６，７の場合好ましくは、破断された力作用 部分１８の搬出を容易にするために、工具作用部６の横断面よりも横断面を拡大 した通路８を工具作用部に接続することができる。 ナット２と収容部材３の連結に関していろいろな他の変形が考えられる。同様 に、カップ状の収容部材のエッジ領域にナットをかぶせることができるようにす るために、ナット２を例えば周方向の外側の溝を有するようにまたはカップ状に 形成することができる。その際事情によっては、適当な連結部がカップ状の収容 部材の内面ではなく、収容部材３の外壁に設けられる。連結は例えばねじのよう にねじって嵌め込むことによって、差込み継手を用いて、あるいは同様に弾性的 な環状体を用いておよび異なるように形成された歯状部、多角形部等を用いて行 うことができる。 本発明によるアダプタは、ねじをねじ込む際に必ずしも挿入しなくてもよいし 、破断、ねじ切りまたは切断可能な力作用部分が設けられている場所でのみ使用 可能であるので、きわめて有利であることが判った。ナットの非常に簡単な構造 および特別な形状に基づいて、このようなアダプタはあらゆる種類のねじをねじ 込むために使用可能である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ， ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，ＫＥ，Ｌ Ｓ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＺ，ＵＧ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＬ ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ， ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＫ，ＥＥ，Ｅ Ｓ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＥ，ＧＨ，ＧＭ，ＧＷ，ＨＵ，ＩＤ ，ＩＬ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ， ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，Ｍ Ｇ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ， ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ，Ｖ Ｎ，ＹＵ，ＺＷ (72)発明者 ズィーバー・スヴェン スイス国、ＣＨ―9444 ディーポルトザ ウ、クーゲルガッセ、46

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．ねじ回し作用部分（４）と、意図的な過剰回転の際に破断、ねじ切りまたは 切断可能である力作用部分を有するねじ（１７）をねじ込むための、工具作用 部（６，７）を有するナット（２）とを備え、このナット（２）が工具作用部 （６，７）から延びる通路（８）を有する、ねじ回しのためのアダプタにおい て、通路（８）がねじ（１７）から破断、ねじ切りまたは切断された力作用部 分（１８）のためのカップ状に形成された収容部材（３）の内室（５）に開口 し、この収容部材の開放側がナット（２）を貫通する通路（８）を除いて、相 対回転しないようにかつ軸方向において固定保持されるように挿入されたナッ ト（２）によって閉鎖され、収容部材の反対側がねじ回し作用部分（４）を備 えていることを特徴とするアダプタ。 ２．ナット（２）がその両端に工具作用部（６，７）を備え、軸方向において互 いに離隔されたナットの両端の一方が、収容部材（３）内に相対回転しないよ うにかつ軸方向において固定保持されるように挿入可能であることを特徴とす る請求項１記載のアダプタ。 ３．異なるように形成された力作用部分（１８，１９）を掴むための異なるよう に形成された２つの工具作用部（６，７）が、ナット（２）の両端に設けられ ていることを特徴とする請求項１または２記載のアダプタ。 ４．ナット（２）の工具作用部（６，７）の凹部に半径方向に弾性的に係合する 保持要素（１５）が、工具作用部（６，７）の少なくとも一方の領域に設けら れていることを特徴とする請求項１〜３のいずれか一つに記載のアダプタ。 ５．歯状部、多角形部（１１）等を有する周方向のつば（９）が、ナット（３） の軸方向長さのほぼ中央領域に形成され、ナット（２）を一緒に回転させるた めに、対応する歯状部、多角形部（１０）等が、カップ状の収容部材（３）の 開放エッジ領域に設けられていることを特徴とする請求項１〜４のいずれか一 つに記載のアダプタ。 ６．環状溝（１２）がナット（２）の各々の端部から離隔された位置に形成され 、ナット（２）を軸方向において保持するために、カップ状の収容部材（２） の内壁の溝（１４）に挿入された弾性的な環状体（１３）、例えばＯリングが 、前記環状溝に係合することを特徴とする請求項１〜５のいずれか一つに記載 のアダプタ。