JP2000510757A - 膣内装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 尿失禁の抑制に使用される膣内装置（３０）である。装置（３０）は底部（３１）を有し、底部から後方部（３４）が突出する。後方部（３４）は膣後壁に拘束され、骨盤床上に配置され、膀胱に向かって突出する。底部（３１）は膣壁及びその後ろの尿道を支持するよう膣前壁に拘束される凸面（３３）を有する。

Description

【発明の詳細な説明】 膣内装置 技術分野 本発明は尿失禁の抑制に使用される膣内装置に関する。 発明の背景 米国特許第４，１３９，００６号は、女性患者の尿失禁を抑制する膣内装置を 開示する。装置は下部中央開口を有する僅かに隆起した膣前壁及び膣後壁拘束部 を有するよう僅かに弧状である。前部は、略装置の平面内にあり、尿道を閉鎖さ せるよう尿道に圧力を加えるために膣壁に拘束される１対の突起を有する。米国 特許第５，０３６，８６７号及び第４，９２０，９８６号もまた尿失禁を抑制す る膣内装置を開示する。しかしながらこれらの装置は上述の装置とは反対の方向 に弧状とされ、膀胱頸を支えるよう膣前壁に拘束されるる。尿道は閉鎖されない 。米国特許第４，９２０，９８６号は上述の２つの装置を変更した装置を開示す るが、この装置はやはり膀胱頸を支える。 発明の目的 本発明は少なくとも部分的に過剰運動性を矯正し尿道支持を増強することを目 的とする。 発明の概要 本発明は尿失禁の抑制に使用される膣内装置であって、 患者の膣前壁及び膣後壁に圧力を与えるよう上記膣前壁と上記膣後壁との間に 延在し、上記膣前壁及び尿道を支持し持ち上げるよう上記膣前壁に拘束される前 方凸面と膣後壁に拘束される後方部とを 有する底部と、 上記後壁から延在し、それにより使用時にそこから頸に向かって延在し、上記 後壁に加えられる力を分配するよう骨盤床の上に支持される背部とを有する装置 である。 図面の簡単な説明 以下例として添付の図面を参照して本発明の望ましい形態を説明し、 図１は、尿失禁の抑制に使用される膣内装置を示す概略的な斜視図であり、 図２は、図１の装置の概略的な平面図であり、 図３は、図１の装置の概略的な端面図であり、 図４は、図１の装置の概略的な側面図であり、 図５は、図１の装置の変更された形態を示す概略的な斜視図であり、 図６は、図５の装置の概略的な平面図であり、 図７は、図５の装置の概略的な端面図であり、 図８は、図５の装置の概略的な側面図であり、 図９は、尿失禁の抑制に使用される更なる装置を示す概略的な斜視図であり、 図１０は、図９の装置の概略的な側面図であり、 図１１は、図９の装置の概略的な平面図であり、 図１２は、図９の装置の概略的な端面図であり、 図１３は、図９の装置の変更された形態を示す概略的な斜視図であり、 図１４は、図１３の装置の概略的な側面図であり、 図１５は、図１３の装置の概略的な平面図であり、 図１６は、図１３の装置の概略的な端面図であり、 図１７は、膀胱及び尿道の通常の生理機能を図示する女性患者の 矢状腹部断面図であり、 図１８は、膀胱頸が下行した失禁女性患者の矢状腹部断面図であり、 図１９は、図１３乃至１６の装置を装着した図１８の女性患者の矢状腹部断面 図である。 望ましい実施例の詳細な説明 以下の実施例は国際特許出願ＰＣＴ／ＡＵ９７／００１８６号に記載される装 置を変更及び／又は改善した装置である。 添付の図面の図１乃至８は、尿失禁の抑制に使用される２つの膣内装置３０を 概略的に示す図である。装置３０は夫々、膣前壁に拘束され膣後壁及び膣壁の後 ろの尿道を支持し持ち上げる前方凸面３３を有する前方弧状部３２を有する底部 ３１を含む。この点で装置３０は尿道を閉鎖しないことが認められるべきである 。底部３１は略トロイド形状であり、後方部３４及び中央開口３５を有する。 やはり略トロイド形状であり中央開口３７を有する背部３６は、後方部３４か ら底部３０に対して略垂直に（即ちわずかな傾斜で）延在する。底部３１及び背 部３６は僅かに鈍角の角度をなし、使用時は背部３６は膣後壁に拘束され、骨盤 床によって支持され、底部３０から略頸へ向かって突出する。底部３１は膣後壁 及び膣前壁へ支持圧力を与えるよう、膣後壁と膣前壁との間に延在する。膣後壁 に与えられた圧力は背部３６を通じて分配される。 望ましくは装置３０は弾性プラスチック材料によって形成される。 図１乃至８を参照して説明された上述の望ましい実施例は、弱い骨盤床により 失禁及び脱のある女性に対する使用に特に適している。 図５乃至８の望ましい実施例を参照するに、面３３は開口３５の中央の回りに 延在する曲線により凸状である（図７に最もよく図示される）だけでなく、図８ の断面図に最もよく図示されるようにそれに対して略垂直な平面上でも凸状であ ることが認められるべきで ある。 底部３１は、３５乃至５５ｍｍ、望ましくは４０乃至５０ｍｍの範囲内の長さ ４８を有する。底部３３はまた、１乃至３ｃｍ、望ましくは１．５乃至２．５ｃ ｍの深さ４９を有するべきである。更に、底部３３は、３乃至６ｍｍ、望ましく は４乃至５ｍｍの厚さを有するべきである。 添付の図面の図９乃至１６は、尿失禁の抑制に使用される膣内装置４０を概略 的に示す図である。各装置４０は弧状の前方部４２を設けられた底部４１を有す る。前方部４２は、膣前壁に拘束され膣後壁及び膣壁の後ろの尿道を支持し持ち 上げる凸面４３を有する。底部４１は、中央開口４５を有するトロイド形状を有 する。 略「楕円形」の形状を有する背部４６は、底部４１から略垂直に突出する。即 ち、上方弧状部で終端する細長い側面を有する。背部３５は中央スロット４７を 有する。また、底部４１は背部４６に対して僅かに傾斜する。 底部４１は膣後壁及び膣前壁へ支持圧力を与えるよう、膣後壁と膣前壁との間 に延在する。膣後壁へ与えられた圧力は背部４６を通じて分配される。背部４６ は頸に向かって突出し、骨盤床によって支持される。 図９乃至１６の装置は脱及び尿失禁を有するより若い女性に適している。この 装置は、タンポンとしても作用するよう吸収性の材料によって形成されることが 望ましい。 図１３乃至１６の実施例では、面４３は開口３５の中央の回りに延在する曲線 により凸状である（図１５に最もよく図示される）だけでなく、図１４の断面図 に最もよく図示されるようにそれに対して略垂直な平面上でも凸状であることが 認められるべきである。 底部４１は、３５乃至５５ｍｍ、望ましくは４０乃至５０ｍｍの範囲内の長さ ４８を有する。底部４３はまた、１乃至３ｃｍ、望ましくは１．５乃至２．５ｃ ｍの深さ４９を有するべきである。更に、 底部４３は、３乃至６ｍｍ、望ましくは４乃至５ｍｍの厚さを有するべきである 。 後方面４４はまた側方から見たときに凸状であるよう後方面４４を形成するこ とによって形成される拡大部５１を設けられる（図１４に最もよく図示される） 。後方の膣後壁に拘束される後方面４４は、背部４６に垂直な面において凸状で あるようやはり弧状である。 上述の２つの実施例は、以前は尿道固定術又は吊り処置によって回復されてい た尿失禁問題を扱う。 上述の２つの実施例では、面３３及び４３は、膣前壁及び膣前壁の後ろにある 尿道を支持し持ち上げるよう、尿道に隣接する膣前壁に圧力を加える。この支持 及び持ち上げは、尿道を閉塞することなく行われる。上述の２つの実施例では、 寸法４８及び４９は、膣前壁に加えられる力が尿道は閉塞されないが持ち上げら れ支持されるだけであるような程度で分配されるよう配置される。 図１７は、女性患者の泌尿系の通常の解剖学的構造を示す図である。図１７は 、恥骨結合６０と、膀胱頸６４を有する膀胱６２と、尿道６６と、骨盤床６８と 、膣前壁７２及び膣後壁７４を有する膣７０と、子宮７６とを示す図である。骨 盤床６８の上には腹腔７８があり、膣腔８０は骨盤床の下にある。 図１７中、膀胱頸６４の位置に特に注目すべきである。膀胱６２は、膀胱頸６ ４が骨盤床６８の上に位置するような位置とされる。尿道６６の上部８４は腹腔 ７８の中にあり、尿道の下部８６は膣腔８０の中にある。尿道６６の上部８４は 腹腔７８の中にあるため、運動又は咳によって動的腹圧が加えられたとき、腹圧 は膀胱６２だけでなく尿道６６の上部８４に対しても加えられる。尿道６６の上 部８４に対する一時的な圧力は膀胱６２に加えられた圧力を釣り合わせ、一時的 な増加された膀胱圧にも拘わらず尿の漏れの防止に使用される。 図１８中、膀胱頸６４は骨盤床６８の位置又はそれより下の位置 へ下行している。尿道６６全体は膣腔８０の中にある。この状態では、動的腹圧 が加えられたとき、尿道６６の上部８４はもはや腹腔７８の中にないため、一時 的な増加された膀胱圧を相殺する増加された圧力は尿道６６には加えられない。 従って、動的腹圧が加えられるとき尿が漏れ、ストレス尿失禁として知られる状 況となる。 図１８に図示される状況は、膀胱脱状況が存在するといった静的状況、又は増 加された腹圧に反応してのみ存在する動的状況のいずれかであり得ることが認め られる。動的状況を受けている患者では、増加された腹圧が加えられていないと きの膀胱頸６４の通常の位置は図１８に示される位置と同様である。しかしなが ら、不適当な支持により、増加された腹圧の下では、膀胱頸６４は瞬間的に骨盤 床６８の位置又はその下の位置まで下行し、上述の尿の漏れを生ずる。 図１９は、尿道６６の正しくない位置を矯正するために装着された装置４０を 示す図である。図は装置４０の使用を示すが、装置３０は装置４０と同じ一般的 な方法で装着され機能することが理解されよう。 装置４０の背部４６は膣後壁７４上に配置される。装置の背部４６の長さ及び 形状は、装置が回転すること、或いは膣７０の中で移動されることを防止する。 装置４０の下端は骨盤床６８の上に配置される。装置４０をこの位置に装着した とき、装置の底部４１の凸状の前方面４３は尿道６６を支持するよう膣前壁７２ を前方及び上方へ移動させる。この支持は、尿道６６の上部８４が腹腔７８の中 に保持されるよう過剰運動性の尿道を安定化させる。従って、動的腹圧が加えら れたとき、腹圧の一部は尿道６６の上部８４に対して加えられ、一時的な膀胱圧 増加を相殺する追加的な力を与える。 殆どの成人女性患者では、３５乃至５５ミリメートル、殆どの場合４０乃至５ ０ミリメートルの長さ４８（図１４参照）を有する底部４１は、膣７０の後壁７ ２を尿道６６を所望の位置に支持するのに十分に持ち上げることが分かっている 。しかしながら、この結果 を達成するのに必要な装置４０の長さ４８は特定の女性患者の生理機能に依存し 、尿道６６を閉塞することなく正しい位置に支持するために膣前壁７２を持ち上 げるのに５５ミリメートル以上又は３５ミリメートル以下の高さを有する装置が 必要とされうる。尿道６６の上部８４が恥骨後腹内位置で骨盤床６８の前区の上 に支持される限り、自制が達成され、それにより過剰運動性の矯正及び尿道支持 の増強が達成される。 認められるように、装置３０，４０は尿道６６を閉塞することなく支持するこ とを目的とする。尿道６６の長さに沿った単一の点で力を加えることは閉塞させ る効果を与えがちであるため、支持を尿道の長さに沿って広げることが望ましい 。成人女性の尿道６６の長さは約３センチメートルであるため、装置４０の底部 ４１の凸状前端４３の有効な深さ４９（図１４）は約２．５センチメートルであ ることが分かっている。しかしながら、１センチメートルといった小さな深さを 有する前縁４３を有する装置３０，４０は、支持縁が尿道を閉塞することなく恥 骨後腹内位置へ持ち上げる効果を有する限り、許容可能な結果を生じうることが 認められる。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 ＰＯ９３２３ (32)優先日 平成９年９月19日(1997．9．19) (33)優先権主張国 オーストラリア（ＡＵ） (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，Ｌ Ｕ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ， ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，ＫＥ，ＬＳ，Ｍ Ｗ，ＳＤ，ＳＺ，ＵＧ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＬ，ＡＭ ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ， ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，Ｅ Ｓ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＥ，ＧＨ，ＧＭ，ＧＷ，ＨＵ，ＩＤ ，ＩＬ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ， ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，Ｍ Ｇ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ， ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ，Ｖ Ｎ，ＹＵ，ＺＷ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． 患者の膣前壁及び膣後壁に圧力を与えるよう該膣前壁と該膣後壁との間に 延在し、該膣前壁及び尿道を支持し持ち上げるよう該膣前壁に拘束される前方凸 面と膣後壁に拘束される後方部とを有する底部と、 該後壁から延在し、それにより使用時にそこから頸に向かって延在し、該後壁 に加えられる力を分配するよう骨盤床の上に支持される背部とを有する、尿失禁 の抑制に使用される膣内装置。 ２． 該底部は中央開口を有するよう略トロイド形状である、請求項１記載の装 置。 ３． 上記背部は９０°よりも僅かに大きい鈍角を画成するよう底部に対して傾 斜される、請求項１又は２記載の装置。 ４． 上記前方凸面は底部の平面上及び底部に対して略垂直な平面上の両方にお いて弧状である、請求項１，２又は３記載の装置。 ５． 該背部は中央開口を有する略トロイド形状である、請求項１乃至４のうち いずれか１項記載の装置。 ６． 該背部は、底部から延在し、弧状の端まで延在する細長い側面を有する、 請求項１乃至４のうちいずれか１項記載の装置。 ７． 該背部は、膣後壁に拘束され背部に対して垂直な平面上において凸状であ るよう弧状である面を有する請求項６記載の装置。 ８． 該背部は膣後壁へ向かって突出する拡大部を有する、請求項 ６又は７記載の装置。 ９． 該背部は中央スロットを有する、請求項４記載の装置。 １０． 弾性プラスチック材料によって形成される、請求項１乃至５のうちいず れか１項記載の装置。 １１． タンポンとして作用するよう吸収性の材料によって形成される、請求項 １乃至５のうちいずれか１項記載の装置。 １２． 尿失禁の抑制に使用される膣内装置であって、図１乃至４，５乃至８， ９乃至１２又は１３乃至１６を参照して説明される装置。