JP2000508506A - センサを用いないスイッチ式リラクタンス・マシン・システムのための推定器初期化回路および方法 - Google Patents

センサを用いないスイッチ式リラクタンス・マシン・システムのための推定器初期化回路および方法

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ジョーンズ、スティーブン・アール
ドレイジャー、バリー・ティ
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Abstract

(57)【要約】 センサを用いないスイッチ式リラクタンス・マシン・システムのための推定器初期化回路は、上記マシンの相巻線に対して複数回パルスを発生し、上記システムの推定器について初期値を発生する。

Description

【発明の詳細な説明】 センサを用いないスイッチ式リラクタンス・マシン・システムのための 推定器初期化回路および方法 発明の背景および概要 本発明は、一般にモータや発電機に関し、特に、航空機に使用する電力を生成 するだけでなく、原動機を始動させることが可能な高速のスイッチ式リラクタン ス・マシンに関する。 航空宇宙産業は、軽量で、効率良く、信頼性の高い装備への要求とともに一貫 して技術の最先端を推進してきた。装備が軽量でなければならないのは、各部の 重さが加わるとそれだけ直接燃料の燃焼を増加させることになり、したがって、 所有コストが更にかかると共に飛行距離がより短くなるからである。効率の良さ が必要とされているのは、装備に1立方インチとられるごとに、その分航空機で 運送され収益をもたらす貨物の量や乗客数が減ることになるからである。信頼性 の高さが重要なのは、ゲートで1分遅れるごとに、所有コストが増加し、同様に 、乗客のフラストレーションを増大させることとなるからである。 航空機の発電システムにおいて、これらの圧力によって技術が大きく進歩して きたが、問題も起こってきた。通常、航空機では発電のために同期ブラシレス交 流発電機又は永久磁石発電機が使用されている。しかしながら、これらの2種類 の発電機に必要な部品は、それらの動作が必要な状況によって故障する可能性が ある(通常、航空機のジェット・エンジンに直接搭載されている)。 通常、発電機だけでなく、エンジン・スタータもまた航空機エンジンに搭載さ れている。この部品は、始動時にのみ使用され、航空機の各動作周期の極僅かを 占めるものである。実際、スタータは残りの飛行時間においては余分な荷物とな り、これによって全体の重量、燃料の燃焼、および所有コストが増大すると共に 、全体の飛行距離が減少する。この問題点は認識されており、スタータと発電機 を結合して1個のパッケージにする努力が拡大され、それによりわずかな時間使 用する装置を追加する必要性を排除してきた。しかしながら、都合の悪いことに 、 同期交流発電機や永久磁石発電機をこの目的で使用すると、始動機能に関係した 新たな問題を生み出す上に、この機械に関する上述した本来の問題を除去するこ とができない。 この結合されたスタータ/発電機の機能として、同期交流や永久磁石発電機を 使用する代わりにスイッチ式リラクタンス・マシンを使用することができる。ス イッチ式リラクタンス・マシンは、元来低コストのマシンであって、非常に高速 で動作が可能な簡単な構成を有しており、そのために上述した発電機より軽量な デザインとなっている。スイッチ式リラクタンス・マシンの回転子は、薄板の単 純な層から構成されており、これによって回転子巻線や永久磁石に関わる囲い込 みの問題が無く、非常に頑丈でしかも低コストとなっている。更に、この回転子 には、交流同期発電機の場合と異なり、故障の原因となる回転整流器が不要であ る。 スイッチ式リラクタンス・マシンを適切に動作させるためには、従来、マシン の相巻線を流れる電流を適切に整流するように回転子の位置を決定することが必 要であるとされてきた。回転子の位置を得るために、特に高速システムにおいて はレゾルバを使用し、または低速システムにおいては時々エンコーダを使用する 。しかしながら、レゾルバおよびそれに必要な関連装置(主に、レゾルバ/デジ タル変換器および励磁回路)は高価であり、レゾルバおよびエンコーダは双方と も単点故障の原因となるものである。 レゾルバやエンコーダのような位置センサを不要にするために、センサを用い ない動作技術が開発されている。センサを用いない動作を実現する最も一般的な 方法は、ステッパ・モータとしてスイッチ式リラクタンス・マシンを制御する方 法であり、Bass等による米国特許第4,611,157号公報およびMacMinnによる米国特 許第4,642,543号公報にその方法が開示されている。他の技術としては、マシン ・インダクタンスもしくはリラクタンスを検出して利用することにより回転子の 位置を推定する方法がある。特に、スイッチ式リラクタンス・マシンの位相イン ダクタンスは、その位相に応じた固定子極と回転子極のアラインメントの角度の 関数に応じて変化するため、瞬時位相インダクタンスの計測を利用して回転子の 位置の推定値を得ることができる。このような技術は、MacMinnによる米国 特許第4,772,839号公報、MacMiん等による米国特許第4,959,596号公報、Harris による「可変リラクタンス・モータのための実用的な間接的位置検出(Practical Indirect Position Sensing for a Variable Reluctance Motor)」(Masters of Science Thesis,MIT,1987年5月)、Harris等による「可変リラクタンス・モ ータのための簡単なモーション推定装置(A Simple Motion Estimator for Varia ble Reluctance Motors)」(IEEE Transactions on Industrial Applications,V ol.26,No.2,1990年3月/4月)、およびMacMinn等による「センサ積分技術の スイツチ式リラクタンス・モータ・ドライブへの応用(Applications of Sensor Integration Techniques to Switched Reluctance Motor Drives)」(IEEE Tran sactions on Industry Applications,Vol.28,No.6,1992年11月/12月)に開示 されている。 更に他の技術では、トルクを発生しない位相が周波数変調エンコーダの一部を 形成するような周波数変調方式を使用して、位相インダクタンスを決定すること ができる。このような技術は、Ehsani等による「自動車へ応用するための低コス トのセンサを用いないスイッチ式リラクタンス・モータ・ドライブ(Low cost Se nsorless Switched Reluctance Motor Drives for Automotive Applications)」 (Texas A&M Power Electronics Laboratory Report(日付不明))、Ehsani等によ る「スイッチ式リラクタンス・モータの間接的回転子位置検出におけるエラー分 析(An Analysis of the Error in Indirect Rotor Position Sensing of Switc hed Reluctance Motors)」(IEEE Proceedings IEC0N‘91)、Ehsaniによる「FM エンコーダによるSRMの離れたシャフトの位置を検出するセンサの除去とパルス 式インピーダンス検出スキームの比較分析(A Comparative Analysis of SRM Dis crete Shaft Position Sensor Elimination by FM Encoder and Pulsed Impedan ce Sensing Schemes)」(Texas A&M Power Electronics Laboratory Report(日付 不明))およびEhsani等による「スイッチ式リラクタンス・モータにおける間接的 回転子位置検出のための新しい変調エンコーディング技術」(IEEE Transaction s on Industry Applications,Vol.30,No.1,1994年1月/2月)に開示されて いる。 回転子の位置推定に対するモデル・ベース化された方式は、General Electric Companyによって開発されており、Lyons等による「SRM回転子位置椎定のための 磁束/電流方法(Flux/Current Methods for SRM Rotor Position Estimation)」 (Proceedings of IEEE Industry Applications Society Annual Meeting,Vol.1 ,1991年)およびLyons等による米国特許第5,097,190号公報に開示されている。 この技術では、スイッチ式リラクタンス・マシンの多相集中パラメータ・モデル が開発され利用されている。しかしながら、そのモデルは、N-S-N-S-N-S構造に 巻かれた3相マシンのためにのみ開発されている。 位置推定サブシステムは、この出願の譲受人によって開発されており、そのよ うなサブシステムには、相対角度推定回路、角度結合回路、およびカルマン・フ ィルタを有する推定器がある。相対角度推定諭理は、スイッチ式リラクタンス・ マシンの相電流量に反応し、各位相の角度を推定する技術を発展させている。角 度結合論理では、位相角度推定を結合して、そこで生じる曖昧さを除いた絶対角 度推定を得る。推定器は、回転子の位置および速度、および他の目的に必要また は望ましければ回転子の加速度をより適切に推定するために、絶対角度推定と同 様にスイッチ式リラクタンス・マシン・システムのモデルを利用している。 最も簡単な方法は、カルマン・フィルタを利用して検出する推定された回転子 位置を利用して、直接的に整流を制御する方法である。しかしながら、回転子の 位置を推定するために必要な時間によって、カルマン・フィルタにより電気周期 毎に発生する位置推定値の数が制限されることになる。このため、カルマン・フ ィルタの出力を適切に、整流を制御することができる信号に変換するために、瞬 時位置生成回路が設けられている。 本発明の目的は、推定器内のカルマン・フィルタに対して回転子の位置および 速度の初期推定値を発生させる(develop)ことにある。他の目的は、簡単で信 頼できる低コストの回路構成を用いることにより上記推定値を発生させることに ある。 これらおよび他の目的および効果は、ハードウエア、ソフトウエアもしくはそ れらの組合せによって実現する初期化回路および方法によって得られる。初期化 期間中は、複数のパルスが、スイッチ式リラクタンス・マシンの相巻線に供給さ れ、一連の回転子位置推定値が角度結合回路から得られる。上記推定値は、一連 の回転子位置・速度値に変換される。初期化期間の最後に、一続きの回転子位置・ 速度値における最後の値がカルマン・フィルタに供給される。 好ましい実施形態によれば、各速度値は、複数の瞬時回転子速度推定値の平均 値として計算される。各瞬時回転子速度推定値は、好ましくは、角度結合回路に よって発生する連続した推定値から順次計算される。初期のパルス発生効果が回 転子の平均速度の計算に好ましくない影響を及ぼさないように、瞬時回転子速度 推定値の初期のいくつかの値は無視される。さらに、好ましくは、角度結合回路 からの連続した推定値によって示される回転子位置の変化が期待された変化の最 大値より小さいか否かを決定するテストが、強制的に実行される。上記変化が上 記最大値以上であることが分かった場合は、角度結合回路から受信した最新の推 定値が平均回転子速度の計算において無視される。 推定器初期化装置および方法により、あらゆるタイプのスイッチ式リラクタン ス・モータ・ドライブもしくはスタータ/発電機システムについて、推定器の位 置推定値を初期化することができる。 本発明のこれらおよび他の目的、効果、および新規な特徴は、図面と後述する 詳細な説明から、この技術分野における当業者には明らかである。 図面の簡単な説明 図1は、航空機の始動/発電システムの構成を示すブロック図である。 図2は、従来のインバータ制御部、インバータおよびスイッチ式リラクタンス ・マシンの構成を示すブロック図である。 図3は、本発明にインバータとスイッチ式リラクタンス・マシンを合体させた インバータ制御部の構成を示すブロック図である。 図4は、図3に示すインバータの一部と図3に示す位置推定回路との構成を示 すブロック図である。 図5Aおよび5Bは、同じ文字が付された線によって接続された場合に、両方 で本発明の回路を実現するためのブログラムを説明するフローチャートを示す。 図6は、図4に示すインバータのスイツチに対する制御信号の波形図である。 好適な実施の形態の説明 まず、図1において、電力変換システム10は、航空機(12で図示されてい る)もしくは他の航空宇宙産業、すなわち陸又は水中の輸送手段に搭載されてお り、例えばガス・タービン・エンジン14のような原動機を備えている。この原 動機は、原動力シャフト16によってスイッチ式リラクタンス・マシン18に接 続されている。スイッチ式リラクタンス・マシン18は相巻線を備えており、こ の相巻線は、インバータ制御部22によって動作するインバータ20に接続され ている。動作の始動モードにおいて、直流電力がインバータ20に供給されると 、インバータ制御部22がインバータ20のスイッチに対して制御信号を送信す ることにより、スイッチ式リラクタンス・マシン18がモータとして動作して、 ガス・タービン・エンジン14へ原動力シャフト16を介して原動力を供給し、 始動させる。発電モードの動作中は、ガス・タービン・エンジンにより、原動力 シャフト16を介してスイッチ式リラクタンス・マシン18に原動力が供給され 、その結果スイッチ式リラクタンス・マシン18によって発生する電力が、イン バータ20により1又は複数の負荷に対する直流電力に変換される。必要ならば または望むならば、インバータ20は1又は複数の交流負荷に対する定周波数交 流電力を発生するように変更することができる。 ここで図2において、スイッチ式リラクタンス・マシン18を動作させる従来 のインバータ制御部には、レゾルバ30が設けられている。このレゾルバ30は 、原動力シャフト32によってスイッチ式リラクタンス・マシン18の回転子に 接続されている。励磁は、レゾルバ励磁回路34によって提供される。レゾルバ 30は、位相が直角関係にある第1および第2の信号(正弦および余弦信号とも 呼ばれる)をライン36,38に発生する。レゾルバ/デジタル変換器40は、 ライン36および38上の信号量に応答し、スイッチ式リラクタンス・マシン1 8の回転子の位置を表すデジタル出力を発生する。この位置信号は、マシンの回 転子速度を表す信号と共に制御・防護回路42に供給される。また、上記回転子 位置信号は、入力が制御・防護回路42の出力に結合された整流・電流制御回路 44にも供給される。 また、制御・防護回路42および整流・電流制御回路44は、インバータ20 によって発生する相電流量信号を受信する。制御・防護回路42および整流・電 流制御回路44は、インバータ20に対してライン46を介してスイッチ駆動信 号を発生し、スイッチ式リラクタンス・マシン18の巻線を流れる相電流が適切 に整流されるようにする。 上述したように、レゾルバ30は高価であると共に、元来、単点故障の原因と なるものである。更に、レゾルバ/デジタル変換器40もまた高価な部品であっ て、そのために、可能であればこれらおよび他の部晶(レゾルバ励磁回路34を 含む)を除去することが望ましい。 図3は、本発明にインバータ20およびスイッチ式リラクタンス・マシン18 とを組み込んだインバータ制御部50を示している。位置推定回路52は、イン バータ20によって発生する相電流量信号と、インバータ20のスイッチに対す るスイッチ制御又は駆動信号および直流バス電圧に応答して、制御・防護回路5 4に対する位置・速度推定信号を発生する。更に、位置推定信号は、整流回路5 6に供給される。電流制御回路58には、インバータ20によって発生する相電 流量と共に、整流回路56によって発生する位相イネーブル出力信号と制御・防 護回路54によって発生する基準電流信号とに応答する。電流制御回路58はイ ンバータ20のライン60上にスイッチ制御または駆動信号を発生させる。 図4は、上記位置推定回路52のより詳細な構成を示す。相対角推定論理回路 62は、N個の単独の位相相対角推定回路63A,63...63Nを備えており 、これらはスイッチ式リラクタンス・マシン18のN個の位相のそれぞれに関連 付けられている。特に、位相相対角椎定回路63Aは、マシン18の位相Aに関 連しており、マシン18の位相A巻線WAを流れる電流を検出する電流センサ6 4によって発生する電流量信号を受信する。巻線WAは、インバータ20の位相 A脚部65A内に接続されており、この位相A脚部65Aは、1組のダイオード D1およびD2と1組の制御可能な電カスイッチQ1およびQ2を有している。 初期化中、スイッチQ1およびQ2はパルス発生器66からスイッチ制御信号C S1およびCS2(図6)を受信し、その後、図3に示す電流制御回路58から ライン60上で制御信号を受信する。さらに、初期化中、位相相対角推定回路6 3Aもまたスイッチ制御信号CS1およびCS2を受信し、その後、回路58か らライン60上で制御信号を受信する。初期化中、およびそれに続く図3および 図4に示す回路構成によるマシン18の制御動作中、位相相対角推定回路63A は、マシンの位相Aについての回転子/固定子のアラインメントからの瞬時角度 ...63Nもそれぞれ関連する位相電流量信号に応答し、関連するインバータの 位相におけるスイッチについて信号CS1およびCS2に一致するスイッチ制御 信号(初期化中)、又は、回路58によって発生する制御信号(初期化後)に応答 する。各回路63B,...63Nは、それぞれ、初期化中もその後も、マシンの 関連する位相についての回転子/固定子のアラインメントからの瞬時角度の推定 値 能な解を表している。すなわち、各位相極について(すなわち各位相極へ向かっ て)先行する位相と、各位相極について(すなわち各位相極から離れて)遅延す 給される。この推定器68は、好ましくはカルマン・フィルタを備えており、回 転子の位置の推定値を向上させて値θを得る。さらに、推定器68は、速度推定 路70は、カルマン・フィルタの粗いサンプル出力を、適切に整流を制御するの に十分な位置更新間隔を有する信号に変換する。 御・防護回路54に対する速度推定信号を正しい単位(例えばrpm)で発生す る。 また、推定器68は、初期化命令信号を受信し、以下に詳細を示す方法により パルス発生器66に対するトリガ信号を発生する。 図5Aおよび5Bは、推定器68の動作の一部をフローチャートで示したもの である。好ましい実施の形態では、椎定器68は、図4に示す相対角推定回路6 2、角度結合回路67、瞬時位置生成回路70および計数回路72と同様に、適 切にプログラムされたデジタル信号プロセッサ(DSP)によって実現すること ができる。あるいは、これらの回路のいずれも例えば個別的諭理回路等のハード ウエアのような異なる回路構成により実現することもでき、もしくは、必要に応 じてハードウエアとソフトウエアの組合わせによって実現することもできる。 図5Aおよび5Bに示すプログラムは、プログラム周期毎に1回実行され、推 定器68のカルマン・フィルタに対して、初期マシン回転子位置および初期マシ (例えば100回)繰り返される。さらに、DSPにより、スイッチ式リラクタ ンス・マシン18の回転子が加速度ゼロであることを示す初期状態が、カルマン・ フィルタに対して確立される。 図5Aおよび5Bに示すプログラムは、位置推定回路52を有するシステムの スタートアップに自動的に開始され、この時点で初期化期間が開始する。あるい は、図5Aおよび5Bに示すプログラムは、推定器のロック状態でなくなった時 (すなわち、推定器が実際のマシン動作状態と同期しなくなった時)、もしくは、 初期化命令信号によって初期化命令がなされた時に、呼出すことができる。初期 化期間中、パルス発生器66は、スイッチQ1およびQ2に対して制御信号CS 1およびCS2を発生および供給する。信号CS1およびCS2と同じ制御信号 は、インバータ20の他の相のスイッチにも同時に供給される。図6に示すよう に、信号CS1およびCS2を含む制御信号は、初期化期間中にある回数(好ま しくは100回)インバータ20の全てのスイッチを繰り返しオン/オフする。 インバータのスイッチは共に動作し、Δtに等しい周期で、同時に導通状態とな り同時にオフする。CS1およびCS2におけるパルスの幅は、位相電流量が大 きくなりすぎず、かつ、位相電流量が次のパルスの前にゼロになるような幅とな っている。初期化期間中、推定器68は、角度結合回路67からのサンプル値す 図5Aを特に参照して、プログラムはブロック86で開始し、図5Aおよび5 Bに示すプログラムの現パスが初期化期間が始まってから最初のパスであるか否 かが判断される。最初のパスである場合、ブロック88において、様々な値とカ ウンタがゼロに設定される。そして、ブロック90において、パルス発生器66 がトリガされてマシン18の各相巻線が単流パルスを受信し、ブロック92にお いて、パルス・カウンタCNT0がインクリメントされる。その後、ブロック9 4において、カウンタCNT0の出力が、初期化期間が始まってから各相巻線に 対して少なくとも3回パルスが発生していることを示しているか否かが判断され る。そのようなパルスの発生を示していない場合、現プログラム周期のバランス のために、図5Aおよび5Bのプログラムから推定器68によって実行される他 のプログラムに移る。あるいは、カウンタCNT0の出力が3以上である場合、 ブロック100へ進む。 用いて同様に有効であると決定された場合、ブロック104において、回路67 れる。そして、ブロック106では、初期化期間が開始してから回路67によっ て発生する有効な推定値の数を示すカウンタCNT1がインクリメントされる。 ブロック106に続いて、ブロック108(図5B)において、カウンタCN T1の内容がある閾値THR1を超えるか否かが判断される。好ましい実施の形 態では、THR1の値は10に等しく設定され、低イナーシャ回転子および負荷 に対して制御信号による電流によって最初のパルスが発生した時に、急跳などの 回転子パルス発生効果の可能性があるために、図5Aおよび5Bに示すプログラ ムによって発生する最初の10個の有効な瞬時速度推定値を無視するようになっ ている。カウンタCNT1の内容がTHR1を超えている場合、ブロック110 最大の値を設定しており、好ましい実施の形態では、πラジアンに等しく設定さ れている。 は上述したように制御信号の周期を表している。これにより、ブロック112に LAST_VALID_θeが確立される。そして、ブロック120において、カウンタCN T2がクリアされ、プログラム周期のバランスのために推定器68の他のプログ ラムに移る。 転子位置の変化を計算する方法は無く、速度を更新することもできない。従って 、この場合、ブロック102から、ブロック104〜114をスキップしてブロ ック116へ進む。また、ブロック108においてカウンタCNT1の値が閾値 T THR2より大きい場合、ブロック112および114をスキップしてブロック 116へ進む。 ブロック122においてカウンタCNT2がインクリメント、ブロック124に ブロック124において、図5Aおよび5Bに示すプログラムから、プログラ ム周期のバランスのため推定器68によって実行される他のプログラムへ移る。 図5Aおよび5Bに示すフローチャートから明らかなように、回路67から得 取られてからの時間との積から決定される回転子位置変化値によってインクリメ ントされている。 一般に、回転子位置を正確に推定するために、制御信号中の検出用パルスは、 偽りの効果を除去するようにマシン18の各電気周期中に少なくとも2つのパル スが発生するのに十分な繰返しの割合で発生しなければならない。その結果、回 号CS1およびCS2に対して、期待された回転子速度の最大値によって最小の パルスの繰返しの割合が決定される。 なお、ブロック104において、値(ラジアンで表される)が−πと+πの間 図5Aおよび5Bに示すプログラムが所望の回数実行されると、マシン18の される。 なお、推定器68のカルマン・フィルタは、初期化中動作を継続しているが、 出力はその間上書きされて使用されないことに留意すべきである。 また、初期化期間は、最大加速中における速度の変化が大きくならないように 短くなければならないことに留意すべきである。 さらに、初期化処理が、定義された周期での限界の回数より多く行われようと した場合、初期化は明らかに正しく終了しないことに留意すべきである。この状 態では、システム・エラー・メッセージが生成され、シャット・ダウンなどの適切 な動作が実行される。 図5に示す推定器の初期化処理は、あらゆる型のモータ・ドライブ又はスター タ/発電機システムの推定器を初期化するのにも有効である。 本発明の多くの変更および他の実施の形態は、上述した記載により当業者には 明らかである。従って、この記述は単に実例として解釈すべきであり、当業者に 本発明を実現する最良の形態を教示する目的のものである。構成の詳細について は、本発明の意図から逸脱することなく実質上は変更可能なものであり、添付し たクレームの範囲内で行われる全ての変更は確保されている。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 各々が電力変換器に接続された複数の相巻線を有するマシンの状態の初期 推定値を発生する装置であり、第1の回路が前記相巻線に接続されて複数の位相 相対角推定値を発生し、第2の回路が前記第1の回路に接続されて前記複数の位 相相対角推定値を組合せて1つの推定値にする装置であって、 前記第2の回路が一連の位相相対角推定値を発生するように初期化期間中 に前記相巻線にパルスを発生する手段と、 前記第2の回路に接続され、前記一連の位相相対角推定値から前記マシン の状態の初期推定値を導出する手段と を含む装置。 2. 前記導出手段は、各位相相対角推定値が有効であるかを決定する手段と、 有効な位相相対角推定値から一連のマシン回転子位置推定値を取得する手段とを 含む請求の範囲第1項記載の装置。 3. 前記導出手段は、前記一連のマシン回転子位置推定値から一連のマシン回 転子速度推定値を計算する手段を含む請求の範囲第2項記載の装置。 4. 前記導出手段は、マシン回転子速度の初期推定値を得るために一連のマシ ン回転子速度推定値を平均する手段をさらに含む請求の範囲第3項記載の装置。 5. 前記導出手段は、多数の位相相対角推定値を無視する手段をさらに含む請 求の範囲第2項記載の装置。 6. 前記パルス発生手段は、前記初期化期間中にある回数動作可能である請求 の範囲第1項記載の装置。 7. 各々が電力交換機に接続された複数の相巻線と、前記相巻線に接続され 複数の位相相対角推定値を発生する第1の回路と、前記複数の位相相対角推定値 を組み合わせて1つの推定値にする第2の回路とを有するスイッチ式リラクタン ス・マシンのための、センサを用いない制御部において、マシンの状態の初期推 定値を発生する装置であって、 前記第2の回路が一連の位相相対角推定値を発生するように初期化期間中 に前記相巻線にパルスを発生する手段と、 前記第2の回路に接続され、前記一連の位相相対角推定値から前記マシン の状態の初期推定値を導出する手段と を含む装置。 8. 前記導出手段は、各位相相対角椎定値が有効であるかを決定する手段と、 有効な位相相対角推定値から一連のマシン回転子位置推定値を取得する手段とを 含む請求の範囲第7項記載の装置。 9. 前記導出手段は、前記一連のマシン回転子位置推定値から一連のマシン回 転子速度推定値を計算する手段を含む請求の範囲第8項記載の装置。 10.前記導出手段は、マシン回転子速度の初期推定値を得るために一連のマシ ン回転子速度推定値を平均する手段をさらに含む請求の範囲第9項記載の装置。 11.前記導出手段は、多数の位相相対角推定値を無視する手段をさらに含む請 求の範囲第8項記載の装置。 12.前記パルス発生手段は、前記初期化期間中に各相巻線に対してある数のパ ルスを供給するように動作可能である請求の範囲第7項記載の装置。 13.各々が電力変換器に接続された複数の相巻線を有するマシンの初期推定値 を発生する方法であり、第1の回路が前記相巻線に接続されて複数の位相相対角 推定値を発生し、第2の回路が前記第1の回路に接続されて前記複数の位相相対 角推定値を組合せて1つの推定値にする方法であって、 前記第2の回路が一連の位相相対角推定値を発生するように初期化期間中 に前記相巻線に多数のパルスを発生するステップと、 前記一連の位相相対角推定値から前記マシンの状態の初期推定値を導出す るステップと を含む方法。 14.前記導出するステップは、各位相相対角推定値が有効であるかを決定する ステップと、有効な位相相対角推定値から一連のマシン回転子位置推定値を取得 するステップとを含む請求の範囲第13項記載の方法。 15.前記導出するステップは、前記一連のマシン回転子位置推定値から一連の マシン回転子速度推定値を計算するステップを含む請求の範囲第14項記載の方 法。 16.前記導出するステップは、マシン回転子速度の初期推定値を得るために一 連のマシン回転子速度推定値を平均するステップをさらに含む請求の範囲第15 項記載の方法。
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