JP2000506517A - 肥満症タンパク質化合物およびその製剤 - Google Patents

肥満症タンパク質化合物およびその製剤

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Abstract

(57)【要約】 本発明は2価金属カチオンと複合体化した肥満症タンパク質からなる新規化合物、その医薬製剤ならびに肥満症、および糖尿病、心臓血管疾患およびがんのような肥満症に関連する障害の処置にこの化合物を用いる方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 肥満症タンパク質化合物およびその製剤 本発明はヒト医学分野にあり、特に肥満症および肥満症に関連する障害の処置 に関する。さらに詳細には、本発明は肥満症タンパク質の化合物および製剤に関 する。 肥満症、および特に上半身肥満症は米国および世界中において一般的で非常に 深刻な公衆衛生上の問題である。最近の統計によると、米国人口の25%以上お よびカナダ人口の27%以上が太り過ぎである。Kuczmarski、Amer.J.of Clin .Nutr.55:495s-502s(1992);Reederら、Can.Med.Ass.J.,23:226-233(1992 )。上半身肥満症はII型真性糖尿病に対して知られる最も強力な危険因子であり 、また心臓血管障害およびがんの強力な危険因子でもある。最近の肥満症医療コ ストの推定額は世界中で150,000,000,000ドルである。公衆衛生 局長官が主導してアメリカ社会に蔓延し増加し続ける脂肪症との格闘を開始させ るほどこの問題は深刻になってきた。 この肥満症を誘発する病因の多くは異脂肪血症(dyslipidemia)、高血圧症お よびインシュリン耐性に強い関連をもつ。食事療法および運動によって肥満を減 じることがこれらの危険因子を劇的に減らすことが多くの研究で示された。不運 なことにこれらの処置はほとんどが失敗し、失敗率は95%に達する。この失敗 は、この状態が食欲の増加、高カロリー食品への嗜好、肉体活動の減少および脂 質形成代謝の増大の一因となる遺伝的に受け継がれる因子に強く関連することに 由来する。このことはこのような遺伝的特質を受け継いだ人々がこの状態と格闘 する彼らの努力に関係なく肥満になりがちであることを示す。それゆえ、遺伝継 承にかかわらずにこの脂肪症ハンディキャップを正常にし、内科医が肥満症患者 の処置を首尾よく行うことができる薬理活性物が必要とされる。 ob/obマウスは肥満症および糖尿病のモデルであり、第6染色体上の突然 変異にかかわる常染色体劣性特性をもつことが知られる。最近、Yiying Zhang および共同研究者らはこの状態にかかわるマウス遺伝子のポジショナルクローニ ングを公表した。Yiying Zhangら、Nature 372:425-32(1994)。この報告はマ ウスおよびヒトの脂肪組織において発現するタンパク質を開示する。同様に、村 上らはBiochemical and Biophysical Research Communications 209(3):944-52 (1995)においてラット肥満遺伝子(obese gene)のクローニングおよび発現を 報告している。このob遺伝子にコードされるタンパク質はマウスにおいて脂肪 症を効果的に調節する能力を示した。Pelleymounterら、Science 269:540-543( 1995)。 本発明は天然肥満症タンパク質(obesity protein)の効力が大きく高められ る条件を提供する。それゆえ、より少ない投与量で有効な医薬処置が達成でき、 毒性および他の望ましくない副作用の危険を非常に少なくすることができる。加 えて、タンパク質投与量がより少ないため、患者に対する単位投与剤型のコスト が下がる。すなわち、本発明は2価金属イオンと複合体化した肥満症タンパク質 からなる新規タンパク質−カチオン複合体、その医薬製剤ならびにその化合物を 肥満症、および糖尿病、心臓血管疾患およびがんのような肥満症に関連する障害 の処置に用いる方法を提供する。 本発明は2価金属カチオンと複合体化した肥満症タンパク質からなる化合物を 提供する。 本発明は加えて、タンパク質−カチオン化合物を含む非経口医薬製剤およびそ の化合物を肥満症、および糖尿病、心臓血管疾患およびがんのような肥満症に関 連する障害の処置に用いる方法を提供する。本発明はさらにpH約4.5〜9. 0の水溶液中、肥満症タンパク質および2価金属カチオンを一緒にすることを特 徴とする。 本明細書中にて開示および特許請求している本発明の目的に沿って以下の用語 および略語を次のように定義する。 「塩基対(bp)」は、DNAまたはRNAを意味する。DNA分子において 存在する略語A、C、GおよびTはそれぞれ5’モノリン酸形態のヌクレオチド 、(デオキシ)アデニン、(デオキシ)シチジン、(デオキシ)グアニンおよび (デ オキシ)チミンに対応する。RNA分子において存在する略語U、C、Gおよび Tは5’モノリン酸形態のヌクレオシド、ウラシル、シチジン、グアニンおよび チミンにそれぞれ対応する。二本鎖DNAでは、塩基対はAとTまたはCとGの 組み合わせを意味する。DNA/RNAヘテロ二重らせんでは、塩基対はTとU またはCとGの組み合わせを意味する。 「肥満症タンパク質」は、転写およびイントロンの欠失、タンパク質への翻訳 および分泌シグナルペプチドが除去される成熟タンパク質へのプロセシングによ って天然ob遺伝子から産生される天然哺乳類タンパク質、例えば成熟タンパク 質のN末バリン−プロリンからC末システインを意味する。ヒト肥満症タンパク 質はZhangら、Nature 372:425-32(1994)に開示されている。ラット肥満症タン パク質は村上ら、Biochemical and Biophysical Research Comm.209(3):944-52 (1995)に開示されている。天然ブタおよびウシObタンパク質はHansen M.Hs iungおよびDennis P.Smithによる1995年5月19日提出の米国特許出願番 号第08/445,305号(EP0 743 321)に開示されている。他 の哺乳類Obタンパク質は1995年5月26日出願の米国特許出願番号第08 /452,228号(EP0 744 408)、1995年9月19日出願の 米国仮出願番号第60,003935号(EP )(これらはすべて引用に より本明細書中に包含される)に開示されている。肥満症タンパク質にはリーダ ー配列をもつタンパク質が含まれる。リーダー配列はタンパク質の産生または精 製を助けるための1つまたはそれ以上のN末アミノ酸である。好ましいリーダー 配列はMet−R1−(ここにR1は不存在またはProを除くアミノ酸のいず れかである)である。 「プラスミド」は、染色体外の自己複製遺伝子成分である。 「読み取り枠」は、翻訳開始点からtRNA、リボソームおよび関連する因子 の翻訳装置によってトリプレットで「読みとられる」ヌクレオチド配列であり、 それぞれのトリプレットは特定のアミノ酸に対応する。それぞれのトリプレット は別個で同じ長さであるため、コーディング配列は3の倍数でなければならない 。1塩基対挿入または欠失(フレームシフト突然変異という)は結果として同じ D NAセグメントによってコードされる2つの異なったタンパク質を与える。これ を防ぐには、所望のポリペプチドに対応するトリプレットコドンは開始コドンか ら3の倍数でならんでいなければならず、すなわち正しい「読み取り枠」が維持 されなければならない。キレーティングペプチドを含有する融合タンパク質を作 成する際、構造タンパク質をコードするDNA配列の読み取り枠はそのキレーテ ィングペプチドをコードするDNA配列において維持されなければならない。 「組換えDNAクローニングベクター」は、1つまたはそれ以上の追加DNA セグメントを加えることができる、あるいは既に加えられたDNA分子を含有す る自律複製因子であり、これにはプラスミドおよびファージがあるが、これらに 限定されない。 「組換えDNA発現ベクター」は、プロモーターが導入されている組換えDN Aクローニングベクターである。 「レプリコン」は、プラスミドまたは他のベクターの自律複製を制御し、可能 にするDNA配列である。 「転写」は、DNAのヌクレオチド配列に含まれる情報を相補的なRNA配列 に移す過程である。 「翻訳」は、メッセンジャーRNAの遺伝情報を用いてポリペプチド鎖の合成 を特定化し、指揮する過程である。 「ベクター」は、適当な制御配列と組み合わせた場合に形質転換される宿主細 胞に特定の性質を与える適当なタンパク質分子に対応するポリヌクレオチド配列 を保有する、遺伝子操作の際に細胞の形質転換に用いられるレプリコンである。 プラスミド、ウイルスおよびバクテリオファージは本来レプリコンであるので、 適切なベクターである。人工ベクターは異なる起源からのDNA分子を制限酵素 およびリガーゼを用いて切断および連結することによって作成される。ベクター には組換えDNAクローニングベクターおよび組換えDNA発現ベクターが含ま れる。 「処置」とは、本明細書では、疾患、状態または障害と格闘することを目的と する患者の管理および介護を指し、これには兆候または併発症の発症を予防し、 それらを緩和し、あるいは疾患、状態または障害を除去するために本発明の化合 物を投与することが含まれる。本明細書中に用いている処置は美容目的のために 本タンパク質を投与することを含む。美容目的は哺乳類の体重をコントロールし て体の見た目を改善することを求める。 「等張性試薬」は、細胞膜を透過する正味の水流出を防ぐために製剤に適当な 張性を付与する生理的に寛容な試薬を意味する。一般にグリセリンのような化合 物が既知の濃度でそのような目的に用いられる。他の可能な等張性試薬は塩、例 えば塩化ナトリウム、デキストロースおよびラクトースなどである。 「生理的に寛容な緩衝液」は当分野において既知である。生理的に寛容な緩衝 液はトリス、酢酸ナトリウム、リン酸ナトリウムまたはクエン酸ナトリウムなど である。緩衝液の選択および濃度は当分野において既知である。 「医薬的に許容される保存剤」について。多用途非経口製剤は保存効力のガイ ドラインに沿って商業的に利用可能な製品にしなければならない。非経口製剤に おいて許容される当分野に既知の医薬的に許容される保存剤は:フェノール、m −クレゾール、ベンジルアルコール、メチルパラベン、クロロブタノール、p− クレゾール、硝酸フェニル水銀、チメローザル(thimerosal)およびこれらの種 々の混合物などである。他の保存剤は、例えばWALLHAUSER,K.-H.,DEVEL0P.BI 0L.STANDARD.24,PP.9-28(Basel,S.Krager,1974)にみられる。保存効果 を達成するのに必要な濃度は用いる保存剤およびその製剤条件に依存する。 本明細書に用いるヌクレオチドおよびアミノ酸の略語は米国特許および商標庁 によって37C.F.R.§1.822(b)(2)(1993)の記載として 許容される。特に明記しなければ、アミノ酸はL体である。 上記のように本発明は2価金属カチオンと複合体化した肥満症タンパク質から なる化合物を提供する。肥満症タンパク質は2価金属カチオンと複合体化した場 合、大きく効力が高められることが示されている。 特許請求している化合物は2価金属カチオンと複合体化した肥満症タンパク質 からなる。2価金属カチオンには、例えばZn++、Mn++、Fe++、Co++、C d++、Ni++などがある。2つまたはそれ以上の2価金属カチオンを組み合わせ て利用することもできるが、好ましい化合物は単一種の金属カチオン、最も好ま しくはZn++を含む。2価金属カチオンは過剰にするのが好ましいが、各10分 子の肥満症タンパク質に対し、2価金属カチオンが少なくとも1分子のモル比で あれば実施可能である。化合物は肥満症タンパク質1分子につき1〜100の2 価金属カチオンを含むのが好ましい。本化合物は非晶または結晶固形物であり得 る。 金属カチオンの適当な形態は本発明の肥満症タンパク質分子と複合体を形成す るのに利用可能な2価金属カチオンのあらゆる形態である。金属カチオンは固形 形態で加えることができるし、あるいは溶液として加えることもできる。本発明 にはいくつかの異なるカチオン塩を用いることができる。金属塩の代表例は酢酸 、臭化物、塩化物、フッ化物、ヨウ化物および硫酸の塩形態である。本発明の化 合物の製造に用いることができる他の金属塩がたくさん存在することは当業者で あれば認識するところであろう。好ましくは、酢酸亜鉛または塩化亜鉛を用いて 本発明の亜鉛−肥満症タンパク質化合物を作成する。最も好ましくは、2価金属 カチオンは塩化亜鉛である。 一般に、特許請求している化合物は当分野に既知の技術によって製造する。例 えば簡便な製造法は水溶液中、pH約4.5〜9.0、好ましくはpH約5.5 〜8、最も好ましくは約pH6.5〜7.6で肥満症タンパク質を所望の2価金 属カチオンと一緒にすることである。特許請求している化合物は溶液から結晶も しくは非晶性固形物として沈殿する。重要なことに、本化合物は濾過および遠心 を含めた当分野に認められる通常の分離技術によって容易に単離精製できる。重 要なことに、タンパク質−金属カチオン複合体は安定であり、固形物または水性 懸濁物として都合よく保存できる。 本発明はさらに本発明の化合物および水を含む医薬製剤を提供する。製剤中に おける肥満症タンパク質の濃度は約0.1mg/ml〜約100mg/ml;好ま しくは約0.5mg/ml〜約50.0mg/ml、最も好ましくは約5.0mg /mlである。 本製剤は保存効力を維持するために必要な濃度の医薬的に許容される保存剤を 含むのが好ましい。保存効力を維持するために必要な保存剤の相対量は用いる保 存剤によって変化する。一般に必要量は、引用によって本明細書に包含されるWA LLHAUSER,K.-H.,DEVEL0P.BI0L.STANDARD.24,PP.9-28(Basel,S.Krager ,1974)中にみることができる。 等張性試薬、好ましくはグリセリンをさらに製剤に加えることができる。等張 性試薬の濃度は非経口製剤に対して当分野に既知の範囲内であり、好ましくは約 16mg/ml グリセリンである。また製剤のpHは生理的に寛容な緩衝液を用 いて緩衝化することができる。許容される生理的に寛容な緩衝液はトリス、酢酸 ナトリウム、リン酸ナトリウムまたはクエン酸ナトリウムなどである。緩衝液の 選択および濃度は当分野において既知である。 他の添加剤、例えばトゥウィーン(Tween)20(ポリオキシエチレン(20 )ソルビタンモノラウレート)、トゥウィーン40(ポリオキシエチレン(20 )ソルビタンモノパルミテート)、トゥウィーン80(ポリオキシエチレン(2 0)ソルビタンモノオレエート)、プルロニック(Pluronic)F68(ポリオキ シエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー)、ブリッジ(BRIJ)35 (ポリオキシエチレン(23)ラウリルエーテル)およびペグ(PEG)(ポリエ チレングリコール)のような医薬的に許容される賦形剤を凝集を減らすために製 剤に加えることもできる。 特許請求している医薬製剤は当分野に既知の手法によって製造し、単独で、あ るいは他の治療薬と組み合わせて投与する。本発明の製剤は、通常の溶解および 混合手順を用いて製造することができる。特許請求している製剤は非経口用途に 合うように水溶液中にて製造するのが好ましい。すなわち、タンパク質溶液は注 射用水、緩衝液および保存剤を混合することによって製造する。2価金属カチオ ンを加えて総カチオン濃度約0.001〜5.0mg/ml、好ましくは0.0 5〜1.5mg/mlとする。肥満症タンパク質亜鉛複合体が完全に沈殿するよ うに溶液のpHを調節することができる。患者に投与する前、本化合物を再懸濁 するのは容易である。 本化合物の1日の非経口投与量は約1ng〜約10mg/体重kgの範囲にあ るが、それよりも少量または多量を投与することもできる。必要な投与量は患者 の状態の重篤度、および患者の身長、体重、性別、年齢および治療履歴のような 基準に基づいて医師によって決定される。 この方法のバリエーションは当業者によって認識されるところであろう。例え ば、界面活性剤を用いる場合の成分を加える順番、製剤を調製する温度およびp Hは用いる濃度および投与手段に応じて最適とすることができる。 本製剤のpHは一般的にpH4.5〜9.0、好ましくは5.5〜8.0、最 も好ましくは6.5〜7.6であるが、一部またはすべてのタンパク質−金属カ チオン複合体が溶解しているような場合、より酸性pHでもよい。 本発明にしたがって調製される製剤はシリンジ、注射器、ポンプまたは当分野 において非経口投与用と認識される他の器具中にて用いることができる。 本発明の肥満症タンパク質は古典(溶液)法、固相法、半合成法およびより最 近の組換えDNA法を含め、認識されるいかなる種類のペプチド合成技術によっ ても調製することができる。好ましくは、本発明の肥満症タンパク質は式: で示されるヒトタンパク質である。ヒト肥満症タンパク質の調製は既知であり、 例えばHalaas Jeffrey L.ら、Science 269(1995)に開示されている。他の哺 乳類の肥満症タンパク質の調製は1995年5月19日出願の米国出願番号第0 8/445,305号(EP0 743 321);1995年5月26日出願 の米国特許出願番号第08/452,228号(EP0 744 408);1 995年9月19日出願の米国仮出願番号第60,003935号(EP 96 306721.0);(これらはすべて引用により本明細書中に包含される)に 記載されている。 本明細書に記載の肥満症タンパク質は組換えDNA技術によってか、あるいは 液相または固相ペプチド合成、または通常の溶液法よりカップリングしたタンパ ク質断片から開始する溶液中での半合成のような周知の化学的手法のいずれかに よって調製することができる。高い収量を望む場合には組換え法が好ましい。タ ンパク質の組換え調製における基本工程は次の通りである: a)肥満症タンパク質をコードする合成または半合成DNAの構築(または天 然起源からの単離)、 b)単独または融合タンパク質のいずれかのタンパク質発現に適した手法によ るコーディング配列の発現ベクターへの組み込み、 c)この発現ベクターを用いた適当な真核生物または原核生物宿主細胞の形質 転換、および d)組換え的に生産したタンパク質の回収および精製。 インビトロまたはインビボにおいて転写および翻訳された結果、本タンパク質 を与える合成遺伝子は当分野に周知の技術によって構築することができる。遺伝 コードの天然の縮重のせいで、所望のタンパク質をコードする、相当な数ではあ るが限られた数のDNA配列を構築することができることは当業者であれば認識 するところであろう。本発明の好ましい実施態様において、合成は組換えDNA 技術によって行う。 合成遺伝子構築の方法論は当分野に周知である。例えば、Brownら、(1979)M ethods in Enzymo1ogy,Academic Press,N.Y.,Vo1.68,pgs.109-151参照。 本請求タンパク質合成遺伝子に相当するDNA配列はアプライドバイオシステム ズ(Applied Biosystems)モデル380Aまたは380B合成機(Applied Biosystems, Inc.,850 Lincoln Center Drive,Foster City,CA 94404から商業的に入手可 能)のような通常のDNA合成装置を用いて製造できる。いくつかの適用におい て、例えば融合タンパク質構築物からシグナルペプチドを切除することを制御す るために、シグナルペプチドおよび構造タンパク質間に都合のよいプロテアーゼ 感受性切断部位を包含するように肥満症タンパク質をコードする配列を修飾する ことが望ましいことがある。 また肥満症タンパク質をコードする遺伝子はポリメラーゼ連鎖反応(PCR) を用いることによって作成することもできる。鋳型はcDNAライブラリー(CL ONETECHまたはSTRATAGENEより商業的に入手可能)または所望のアライバル脂肪 組織から単離したmRNAとすることができる。そのような方法論は当分野Mani atis,ら、Molecular Cloning:ALaboratory Manual,Cold Spring Harbor,New Y ork(1989)において周知である。 構築または単離したDNA配列は肥満症タンパク質を直接発現か、あるいは融 合タンパク質としてかのどちらかによって発現するのに有用である。この配列を 融合遺伝子として用いる場合には、その産物は酵素的または化学的切断を必要と する。ポリペプチドを特異的部位で切断する、あるいはペプチドをペプチド鎖の アミノ末端またはカルボキシ末端から消化する種々のペプチダーゼ(例えばジア ミノペプチダーゼ)が知られる。さらに、特定の化学物質(例えば臭化シアン) はポリペプチド鎖を特異的部位で切断する。部位特異的内部切断部位を含ませる ためにアミノ酸配列(および組換え法を用いるならば合成または半合成コーディ ング配列)に必要とされる修飾は当業者であれば認識するところであろう。米国 特許第5,126,249号;Carter P.,Site Specific Proteolysis of Fusi on Protein,Ch.13 in Protein Purification:From Molecular Mechanisms to Large Scale Processes,American Chemical Soc.,Washington,D.C.(1990)参 照。 所望のコーディングおよび制御配列を含有する適当なベクターの構築には標準 的連結技術を用いる。単離したプラスミドまたはDNA断片を切断し、仕立て、 再連結して必要とされるプラスミドを生成するような形にする。 所望のタンパク質を効果的に翻訳するために、設計された合成DNA配列を適 した制限エンドヌクレアーゼを利用して過剰の適当な組換DNA発現ベクターに 挿入する。合成コーディング配列はこれらの発現プラスミドおよび増幅発現プラ スミドからの単離およびそれらへの組み込みを容易にするために転写体末端の一 方に制限エンドヌクレアーゼ切断部位を保有するように設計することができる。 単離したcDNAコーディング配列は合成リンカーを用いることによって、この 配列を当分野に周知の技術によって所望のクローニングベクターへ包含するよう に容易に修飾することができる。使用する特定の制限エンドヌクレアーゼは用い る親発現ベクターの制限エンドヌクレアーゼ切断パターンによって規定される。 制限部位は制御配列に対しコーディング配列が正しい方向になるように選択し、 正しい読み取り枠で本タンパク質が発現されるようする。 一般に、宿主細胞と適合する種由来のプロモーターおよび制御配列を含有する プラスミドベクターをこれらの宿主と共に用いる。通常、ベクターは複製開始点 および形質転換細胞において表現型選択を可能にするマーカー配列を保持する。 例えば、大腸菌は典型的に、大腸菌種由来のプラスミドであるpBR322(Bo livar,ら、Gene 2:95(1977))を用いて形質転換する。プラスミドpBR322 はアンピシリンおよびテトラサイクリン耐性遺伝子を含有するため形質転換細胞 の容易な同定手段を提供する。また、このpBR322プラスミド、または他の 微生物プラスミドは組換えDNA技術に用いられるプロモーターおよび他の制御 要素を含有していなければならず、あるいは含有するように修飾されなければな らない。 所望のコーディング配列は、タンパク質が発現する宿主細胞において機能的で あるべきプロモーターおよびリボソーム結合部位から転写が開始されるように正 しい方向で発現ベクターへ挿入する。そのような発現ベクターの例としてBelaga jeら、米国特許第5,304,493号(その教示内容は引用により本明細書に 包含される)に記載のプラスミドがある。米国特許第5,304,493号に 記載のA−C−Bプロインシュリンをコードする遺伝子は制限酵素NdeIおよ びBamHIを用いてプラスミドpRB182から取り除くことができる。単離 したDNA配列はNdeI/BamHI制限断片カセット上にてプラスミド骨格 に挿入することができる。 本発明において有用なベクターを構築する際、一般に原核生物をDNAのクロ ーニングに用いる。例えば、大腸菌K12株294(ATCC No.3144 6)は特に有用である。用いることができる他の細菌株には大腸菌Bおよび大腸 菌X1776(ATCC No.31537)などがある。これらの例は制限す るものではなく例示にすぎない。 また原核生物は発現にも有用である。前記株および大腸菌W3110(原栄養 株、ATCC No.27325)、枯草菌(Bacillus subtilis)のようなバチ ルス、およびサルモネラ・ティフィリウム(Salmonera typhimurium)またはセ ラチア・マルセスセンス(Serratia marcescans)のような他の腸内細菌科、お よび種々のシュードモナス種を用いることができる。原核生物の宿主と共に用い るのに適したプロモーターにはβ−ラクタマーゼ(ベクターpGX2907[A TCC 39344]はレプリコンおよびβ−ラクタマーゼ遺伝子を含有する) およびラクトースプロモーター系(Changら、Nature 275:615(1978);およびGoed delら、Nature 281:544(1979))、アルカリホスファターゼ、トリプトファン( trp)プロモーター系(ベクターpATH1[ATCC 37695]はtr pプロモーターの制御下にtrpE融合タンパク質としてのオープン読み取り枠 の発現を容易にするように設計されている)およびtacプロモーター(プラス ミドpDR540 ATCC−37282から単離可能)のようなハイブリッド プロモーターなどがある。しかし、ヌクレオチド配列が一般的に既知の他の機能 性細菌プロモーターであっても必要な制限部位を付与するリンカーまたはアダプ ターを用いてタンパク質をコードするDNAに連結することが可能である。また 細菌系用プロモーターはタンパク質をコードするDNAに作動可能に連結したシ ャイン・ダルガルノ配列を含有するであろう。 またDNA分子は真核生物発現系において組換え的に生産することもできる。 哺乳類宿主細胞における転写を制御する好ましいプロモーターは種々の起源、例 えばポリオーマ、シミアンウイルス40(SV40)、アデノウイルス、レトロ ウイルス、B型肝炎ウイルスおよび最も好ましくはサイトメガロウイルスのよう なウイルスゲノムから、あるいは例えばβ−アクチンプロモーターのような異種 哺乳類プロモーターから得ることができる。SV40ウイルスの初期および後期 プロモーターはSV40ウイルス複製起点も含むSV40制限断片として容易に 得られる。Fiers,ら、Nature,273:113(1978)。SV40全ゲノムはプラスミ ドpBRSV、ATCC 45019から得られる。ヒトサイトメガロウイルス の即時初期プロモーターはプラスミドpCMBb(ATCC 77177)から 得ることができる。もちろん宿主細胞または関連種からのプロモーターもまたこ こに有用である。 高等真核生物によるDNAの転写はエンハンサ-配列をベクターに挿入するこ とによって増加する。エンハンサーは通常約10〜300塩基対のDNAのシス 作用性要素であり、プロモーターに作用してその転写を増大させる。エンハンサ ーは比較的独立した方向および位置に置かれるものであり、イントロン中(Bane rji,J.L.ら、Cell 33:729(1983))およびコーディング配列自体中(Osborne ,T.F.ら、Mol.Cell Bio.4:1293(1984))、転写ユニットに対して5’側(L aimins,L.ら、PNAS 78:993(1981))および3’側(Lusky,M.L.ら、Mol.Ce ll Bio.3:1108(1983))に認められている。現在、多くの哺乳類遺伝子(グロビ ン、RSV、SV40、EMC)エラスターゼ、アルブミン、α−フェトプロテ インおよびインシュリン)由来のエンハンサー配列が知られている。しかし、典 型的には真核生物細胞ウイルス由来のエンハンサーを用いる。例としてはSV4 0後期エンハンサー、サイトメガロウイルス初期プロモーターエンハンサー、複 製起点の後期側上のポリオーマエンハンサーおよびアデノウイルスエンハンサー などがある。 また真核生物宿主細胞(酵母、真菌、昆虫、植物、動物、ヒトまたは他の多細 胞生物由来有核細胞)にて用いられる発現ベクターはmRNA発現に影響し得る 転写終結に必要な配列を含有するであろう。これらの領域はタンパク質をコード するmRNAの非翻訳部分のポリアデニル化セグメントとして転写される。3’ 側の非翻訳領域もまた転写終結部位を含む。 発現ベクターは選択マーカーと呼ばれることもある選択遺伝子を含有していて よい。哺乳類細胞に適当な選択マーカーの例にはジヒドロ葉酸レダクターゼ(D HFR、これはpJOD−10[ATCC 68815]のBglII/HindI II制限断片から誘導することができる)、チミジンキナーゼ(単純ヘルペスウイ ルスチミジンキナーゼはvP−5クローン[ATCC 2028]のBamHI 断片に含まれる)またはネオマイシン(G418)耐性遺伝子(pNN414酵 母人工染色体ベクター[ATCC 37682]から得られる)がある。そのよ うな選択マーカーが哺乳類宿主細胞中に首尾よく転移すると、トランスフェクシ ョンされた哺乳類宿主細胞は選択圧下に置かれても生存することができる。広く 用いられる2つの異なるカテゴリーの選択的体制が存在する。第1のカテゴリー は細胞の代謝および補足培地なしに生育する能力が欠如した突然変異細胞株の利 用に基づくものである。2つの例は:CHO DHFR-細胞(ATCC CRL −9096)およびマウスLTK-細胞(L−M(TK−)ATCCCCL−2 .3)である。これらの細胞はチミジンまたはヒポキサンチンのような栄養素を 加えることなしに生育する能力を欠いている。これらの細胞は完全なヌクレオチ ド合成経路に必要な特定の遺伝子を欠いているために、欠失ヌクレオチドが補足 培地中に供給されなければ生存できない。培地を補足することの代替法は完全な DHFRまたはTK遺伝子をそれぞれの遺伝子を欠いている細胞へ導入すること であり、これによりこれらの細胞の生育要求性を変える。DHFRまたはTK遺 伝子によって形質転換されなかった個々の細胞は補足されていない媒地中では生 存能力がない。 第2のカテゴリーは優性選択であって、いかなる細胞タイプにおいても用いら れる選択機構を意味し、突然変異細胞株の利用を必要としない。これらの機構で は典型的に薬剤をもちいて宿主細胞の生育を阻止する。新規遺伝子を有するこれ らの細胞は薬物耐性を付与するタンパク質を発現し、その選択に生き残るであろ う。そのような優性選択の例では薬物ネオマイシン(Southern P.およびBerg, P.J.Molec.Appl.Genet.1:327(1982))、ミコフェノール酸(Mulligan,R. C.およびBerg,P.,Science 209:1422(1980))、またはハイグロマイシン(Sug den,B.ら、Mol.Cell.Biol.5:410-413(1985))を用いる。上記の3例は真核 生物性調節下に細菌遺伝子を用いてそれぞれ適当な薬剤G418またはネオマイ シン(ジェネチシン)、xgpt(ミコフェノール酸)、またはハイグロマイシ ンに対する耐性をもたらす。 真核生物性発現に好ましいベクターはpRc/CMVである。pRc/CMV はインビトロジェン・コーポレーション、3985 Sorrento Valley Blvd.,San Di ego,CA 92121から商業的に入手可能である。構築したプラスミド中の配列が正 しいかを確認するため、連結反応混合物を用いて大腸菌K12株DH10B(A TCC 31446)を形質転換し、抗生物質耐性によって上首尾の形質転換体 を適切に選択する。形質転換体由来プラスミドを調製し、制限および/またはMe ssing,ら、Nucleic Acids Res.9:309(1981)の手法による配列によって分析 する。 宿主細胞は本発明の発現ベクターを用いて形質転換し、プロモーターの誘導、 形質転換体の選択または遺伝子の増幅に適当であるように修飾した慣用的栄養培 地において培養することができる。その培養条件、例えば温度、pHなどは以前 に発現に対して選択した宿主細胞で用いた条件であり、これは当業者には明らか であろう。細胞を上記ベクターを用いて形質転換する技術は当分野に周知であり 、Maniatis,ら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor ,New York(1989)、またはCurrent Protocols in Molecular Biology(1989) および補遺のような概説参考文献に記載されている。 高等真核生物において特許請求しているタンパク質をコードするベクターの発 現に好ましい適当な宿主細胞は:SV40によって形質転換されるアフリカミド リザル腎細胞株(COS−7、ATCC CRL−1651);形質転換ヒト初 期胚腎細胞株293(Graham,F.L.ら、J.Gen Virol.36:59-72(1977)、Vi rology 77:319-329、Virology 86:10-21)、ベビーハムスター腎細胞(BHK- 21(C−13)、ATCC CCL−10、Virology 16:147(1962));チャ イニーズハムスター卵巣細胞CHO−DHFR-(ATCC CRL−9096) 、マウスセルトリ細胞(TM4、ATCC CRL−1715、Biol.Reprod.2 3:243-250(1980))、アフリカミドリザル腎細胞(VERO 76、ATCC C RL−1587);ヒト頸部上皮がん腫細胞(HeLa、ATCC CCL−2 );イヌ腎細胞(MDCK、ATCC CCL−34)、バッファローラット肝 細胞(BRL 3A、ATCC CRL−1442)、ヒト2倍体肺細胞(WI− 38、ATCC CCL−75)、ヒト肝細胞がん腫細胞(Hep G2、ATC C HB−8065)、およびマウス乳腫瘍細胞(MMT 060562、ATC C CCL51)などを含む。 原核生物に加えて、酵母培養物のような単細胞真核生物もまた用いられる。た くさんの他の株も一般に利用可能であるがサッカロミセスセレビシエ(すなわち 一般パン酵母)が最も一般的に用いられる真核微生物である。サッカロミセスに おける発現には、例えばプラスミドYRp7(ATCC−40053、Stinchco mb,ら、Nature 282:39(1979);Kingsmanら、Gene 7:141(1979);Tschemperら、Gen e 10:157(1980))が一般的に用いられる。このプラスミドはトリプトファン中で 生育する能力の欠如した酵母突然変異株、例えばATCC no.44076ま たはPEP4−1(Jones,Genetics 85:12(1977))に対する選択マーカーを供 給するtrp遺伝子をすでに含有している。 酵母宿主と共に用いる適当なプロモーター配列には3−ホスホグリセリン酸キ ナーゼプロモーター(プラスミドpAP12BD ATCC 53231上に見ら れ、米国特許第4,935,350号、1990年6月19日に記載されている )または他の解糖系酵素、例えばエノラーゼ(プラスミドpAC1 ATCC 3 9532上に見られる)、グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ( プラスミドpHcGAPC1 ATCC 57090、57091に由来)、ジモ モナスモビリス(1991年5月19日発行の米国特許第5,000,000号 )、ヘキソキナーゼ、ピルビン酸デカルボキシラーゼ、ホスホフルクトキナーゼ 、グルコース−6−リン酸イソメラーゼ、3−ホスホグリセリン酸ムターゼ、ピ ルビン酸キナーゼ、トリオースリン酸イソメラーゼ、ホスホグルコースイソメラ ーゼ およびグルコキナーゼのプロモーターがある。 生育条件によって制御されるさらに別の転写上の利点をもつ誘導性プロモータ ーを含有する他の酵母プロモーターは、アルコールデヒドロゲナーゼ2、イソシ トクロームC、酸性ホスファターゼ、窒素代謝に関連する分解酵素、メタロチオ ネイン(プラスミドベクターpCL28XhoLHBPV ATCC 39475 上に含まれる、米国特許第4,840,896号)、グリセルアルデヒド3−リ ン酸デヒドロゲナーゼおよびマルトースおよびガラクトース利用に関与する酵素 (プラスミドpRY121 ATCC 37658上に見られるGAL1)のプロ モーター領域である。酵母での発現に用いる適当なベクターおよびプロモーター はR.Hitzemanら、欧州特許公開第73,657A号にさらに記載されている。 サッカロミセスセレビシエ由来UAS Gal(プラスミドYEpsec−−h I1beta ATCC 67024上のCYC1プロモーターと連結して見られ る)のような酵母エンハンサーもまた酵母プロモーターと共に都合よく用いられ る。 以下に実施例を挙げ、本発明の実施方法の記載を補足し、本発明を例証する。 本発明の範囲が以下の実施例のみからなると理解するべきではない。 製造例1 ブタOB遺伝子および遺伝子産物 ペルーフリーズ(Pel−Freez)R(Pel-Freez Inc.)より得たブタ脂 肪組織から全RNAを単離し、cDNAをHsiungら、Neuropeptide 25:1-10(19 94)に記載の技術にしたがってクローニングした。 プライマーはヒトob遺伝子の開示されているアミノ酸配列を基にして設計し た。このプライマーはモデル380A DNA合成機(PE-Applied Biosystems, Inc.,850 Lincoln Center Drive,Foster City,CA 94404)を使用しポリメラ ーゼ連鎖反応(PCR)増幅方法に用いるために調製した。プライマーPCRO B−1(12504)(ATG CAT TGG GGA MCC CTG TG)、PCROB−2(12 505)(GG ATT CTT GTG GCT TTG GYC CTA TCT)、PCROB−3(1250 6)(TCA GCA CCC AGG GCT GAG GTC CA)およびPCROB−4(12507) (CAT GTC CTG CAG AGA CCC CTG CAG CCT GCT CA)を調製した。 cDNA合成のためにブタ脂肪組織から単離した全RNA1μl(1μg/μl )およびパーキンエルマー(Perkin Elmer)ランダムプライマー( 50μM)1μlを総量12μl容量中、10分間70℃でアニーリングし、次い で氷上で冷却した。次いで以下のものをアニーリングした混合物に加えた:BR L5×H−逆転写酵素(RT)反応緩衝液4μl(Gibco BRL CAT#28025-013)、 0.1M DTT2μl)10mM dNTPs1μl。次いでこのアニーリングし た混合物を37℃で2分間インキュベートし、BRL M−MLV−逆転写酵素 (200U/μl)1μlを加え、37℃でさらに1時間インキュベーションした 。インキュベーション後、この混合物を95℃で5分間加熱し、次いで氷上で冷 却した。 cDNAの増幅のために、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を上記cDNA反応 混合物(1μl)、アンプリタク(AMpliTaq)DNAポリメラーゼ(Perkin-Elme r Corporation)2.5単位、10×PCR反応緩衝液(Perkin-Elmer Corporat ion)10μlおよびブタOB増幅に対するセンス(PCROB−1)およびアン チセンス(PCROB−3)プライマーそれぞれ50ピコモルを含有する反応混 合物(100μl)中にて行った。PCRの条件は95℃で1分間、57℃で1 分間および72-℃で1分間のPCR DNA熱サイクラー(Perkin-Elmer Corpo ration)を用いた30サイクルであった。PCR増幅後、BRL T4 DNAポ リメラーゼ(5U/μl)5μl、BRL T4ポリヌクレオチドキナーゼ(10 U/μl)2μlおよびATP(10mM)5μlをPCR反応混合物(100μl )に直接加え、37℃で30分間インキュベートした。インキュベーション後、 反応混合物を95℃で5分間加熱し、次いで氷上で冷却した。500塩基対断片 (約0.5mg)をアガロースゲル電気泳動によって精製し、凍結圧搾法によっ て単離した。次いで500塩基対断片(約0.2μg)をSmaI線状化pUC 18プラスミド(約1μg)に連結し、この連結混合物を用いてDH5α(BR L)感応細胞を形質転換した。この形質転換混合物をアンピシリン(Amp)( 100μg/ml)を含有する0.02%X−Gal TYブロスプレート上にま き、次いで37℃で 一晩インキュベートした。白色クローンを取り、Amp(100μg/ml)を 含有するTYブロス中にて37℃で一晩培養する。プラスミドをウィザードミニ プレップDNA精製系(Promega)を用いて単離し、アプライドバイオシ ステム370DNA合成機のDNA配列決定に付した。 製造例2 ウシOB遺伝子および遺伝子産物 ウシOBcDNAの増幅にセンス(PCROB−2)およびアンチセンス(P CROB−3)プライマーを用いたことを除いて製造例1と類似の技術によって ウシOB遺伝子のDNA配列を得た。 製造例3 ベクター構築 肥満症タンパク質をコードするDNA配列を含むプラスミドをNdeIおよび BamHI制限部位を含むように作成する。クローニングしたPCR産物を保持 するプラスミドをNdeIおよびBamHI制限酵素を用いて切断する。〜45 0塩基対の小断片をゲル精製し、A−C−Bプロインシュリンに対するコーディ ング配列を欠失させたベクターpRB182に連結する。大腸菌DH10B(商 業的にGIBCO−BRLから入手可能)を連結産物で形質転換し、テトラサイ クリン10mg/mlを補足したトリプトン−酵母(DIFCO)プレート上に 生育したコロニーを分析した。プラスミドDNAを単離し、NdeIおよびBa mHIで消化し、得られた断片をアガロースゲル電気泳動によって分離した。予 想される〜450塩基対のNdeI〜BamHI断片を含有するプラスミドを取 った。大腸菌K12RV308(NRRLから入手可能、受託番号B−1562 4)をこの第2プラスミドで形質転換し、本タンパク質の発現に適当な培養物と した。 上記ベクターを用いて細胞を形質転換する技術は当分野に周知であり、Maniat is,ら、(1988)Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Press,Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,New Yorkま たはCurrent Protocols in Molecular Biology(1989)および補遺のような概説 参考文献に記載されている。本明細書に例示するような本発明の好ましい実施態 様において用いる大腸菌細胞の形質転換を含む技術は当分野に周知である。形質 転換した大腸菌細胞を培養する正確な条件は大腸菌宿主細胞株の性質および用い る発現ベクターもしくはクローニングベクターに依存する。例えば、c1857 熱誘導性ラムダファージプロモーターオペレーター領域のような熱誘導性プロモ ーターオペレーター領域を包含するベクターはタンパク質合成を誘導するために 培養条件の温度を約30℃から約40℃に変える必要がある。 本発明の好ましい態様において、大腸菌K12RV308細胞を宿主細胞とし て用いたが、多数の他の細胞株、例えば大腸菌K12L201、L687、L6 93、L507、L640、L641、L695、L814(大腸菌B)(これ に限定されないが)も利用できる。次いで形質転換した宿主細胞を発現プラスミ ドに存在する耐性遺伝子に対応する抗生物質の選択圧下、適当な培地のプレート にまく。次いで用いた宿主細胞株に適当な時間および温度で培養物をインキュベ ートする。 大量細菌発現系において発現されるタンパク質は大量の過剰発現タンパク質を 含有する細粒または封入体に凝集することが特徴である。Kreugerら、in Prote in Folding,Gierasch and King,eds.,pgs 136-142(1990),American Associa tion for the Advancement of Science Publication No.89-18S,Washington,D .C.。そのようなタンパク質凝集体はさらに精製したり、所望のタンパク質産 物を単離したりするために可溶化しなければならない。(前掲)。タンパク質を 溶解するためには、グアニジン塩酸のような強い変性溶液および/またはジチオ スレイトール(DTT)のような弱い変性溶液を用いる種々の技術が用いられる 。溶液中の変性試薬を徐々に除去すること(しばしば透析によって)によって変 性タンパク質に天然のコンフォメーションをとらせることができる。変性および 折りたたみ状態に対する特定の条件は、特定のタンパク質発現系および/または 問題のタンパク質によって決まる。 DNA配列は米国特許第5,126,249号(これは引用によって本明細書 に包含される)に記載のようにMet−ArgまたはMet−Tyrをコードす るジペプチドのリーダー配列を伴って発現されるのが好ましい。このアプローチ により、タンパク質が効率的に発現され、カテプシンCまたは他のジペプチジル ペプチダーゼを用いて敏速に活性タンパク質型に変換することができる。タンパ ク質の精製は当分野に既知の逆相クロマトグラフィー、アフィニティークロマト グラフィーおよびサイズ排除などの技術によって行う。 以下の実施例は単に本発明製剤の調製をさらに例示するためのものである。本 発明の範囲は単に以下の実施例のみからなると考えるべきではない。 実施例1 タンパク質−亜鉛製剤の製造 16mg/ml グリセリンおよび2mg/ml フェノールを含有する水溶液3 2ml中にヒト肥満症タンパク質(配列番号1)20mgを完全に溶解し、滅菌 0.2μフィルターに通した。塩化亜鉛から亜鉛100mg/mlを含む水溶液 を調製し、順に希釈して10mg/ml亜鉛溶液および1mg/ml亜鉛溶液を作 成した。6mlのヒト肥満症タンパク質溶液5つを表Iに示すように改変した。 少量の2Nおよび5N水酸化ナトリウムを用いて各製剤をpH7.49±0.0 2に調節し、4℃で保存した。標品B〜Eは濁った懸濁液であったが標品Aは完 全に透明であった。実施例2 タンパク質−亜鉛製剤の分析 実施例1の標品A〜Eの遠心上清をサイズ排除クロマトグラフィーにかけた。 これらの分析のためにこの上清100μlをPBS(ダルベッコリン酸緩衝塩類 溶液、GibcoBRL)で平衡化した分析用Superdex−75(Pharmacia)カ ラム上に注入した。このカラムを環境温度にて0.5ml/分で溶出し、溶出液 中のヒト肥満症タンパク質を214nmでモニターした。この分析の結果を表II に示す。 実施例3 タンパク質−亜鉛製剤の生物学的活性 それぞれヒト肥満症タンパク質を30μg含有する実施例1の5つの標品すべ ての投与量5Oμlを1日1回、4日間ob/obマウスに皮下注射した。加えて 、ビヒクルコントロールとしてpH7.4に調節した16mg/ml グリセリン −2mg/mlフェノール溶液の投与量50μlを皮下注射した。ob/obマウ スにおける1日の平均餌摂取量および0時間からの体重の累積変化を表IIIに示 す。これより得られたデータは本発明の化合物が肥満症の処置に有用な強力かつ効果 的物質であることを示す。金属カチオン錯体として投与された場合には、このタ ンパク質の効力が大きく高められた。また製剤の総亜鉛濃度を増加させることに よっても効力が高められ、ob/obマウスにおける生物学的効果が改善される 。したがって、本発明は2価金属カチオンと複合体化した肥満症タンパク質から なる化合物、その医薬製剤ならびに肥満症、および糖尿病(特に非インシュリン 依存真性糖尿病)、心臓血管疾患およびがんのような肥満症に関連する障害の処 置にこの化合物を用いる方法を提供する。 本発明の原理、好ましい態様および実施様式は前記の明細書に記載したとおり である。しかし、開示した特定の形態は制限的よりむしろ例示的とみなされるべ きであり、本明細書中保護を意図する発明はこれに限定されると考えるべきでは ない。本発明の概念から離れることなく当業者によってバリエーションおよび変 化を加えることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN, CU,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,G E,HU,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR ,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV, MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,P L,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK ,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US,UZ

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.2価金属カチオンと複合体化した肥満症タンパク質からなる化合物。 2.タンパク質が、リーダー配列を有していることもあるヒト肥満症タンパク 質である請求項1に記載の化合物。 3.タンパク質が式: [同タンパク質は第96位のCysおよび第146位のCysの間にジスルフィ ド結合を有している] で示される請求項2に記載の化合物。 4.2価金属カチオンがZn++である請求項3に記載の化合物。 5.請求項1〜4のいずれかに記載の化合物および水を含む非経口医薬製剤。 6.さらに医薬的に許容される保存剤を含む請求項5に記載の製剤。 7.さらに等張性試薬を含む請求項6に記載の製剤。 8.さらに生理的に許容される緩衝液を含む請求項7に記載の製剤。 9.肥満症タンパク質の濃度が約0.1〜100mg/mlであり、保存剤が フェノールまたはm−クレゾール、またはこれらの混合物である請求項8に記載 の製剤。 10.総カチオン濃度が0.001〜5.0mg/mlである請求項9に記載 の製剤。 11.総カチオン濃度が0.05〜1.5mg/mlである請求項12に記載 の製剤。 12.製剤のpHが約pH4.5〜9.0である請求項11に記載の製剤。 13.製剤のpHが約pH5.5〜8.0である請求項12に記載の製剤。 14.製剤のpHがpH6.5〜7.6である請求項13に記載の製剤。 15.肥満症の処置を必要としている患者に請求項1〜4のいずれかに記載の 化合物の有効量を投与することを特徴とする肥満症の処置方法。 16.肥満症の処置を必要としている患者に請求項5〜14のいずれかに記載 の製剤の有効量を投与することを特徴とする肥満症の処置方法。 17.肥満症の処置に用いるための請求項1〜4のいずれかに記載の化合物。 18.肥満症の処置に用いるための請求項5〜11のいずれかに記載の製剤。 19.肥満症タンパク質および2価金属カチオンを水溶液中、pH約4.5〜 9.0で混合することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の化合物の製 造方法。
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