【発明の詳細な説明】
低側面像形成装置
[産業上の利用分野]
本発明は、機械的視覚ないし観察に関し、特定すると半導体ウェーハのような
対象物の周囲を観察するための像形成装置に関する。
[従来技術]
一般に、半導体ウェーハは、ウェーハプロービング、ウエーハステッピング、
ウェーハ読取り、ウェーハ処理のような操作に先立ち整列される。ウェーハの整
列を達成するためには、ウェーハ上の二つの点が見出されなければならない。す
なわち、ウェーハの中心の位置と、図1Aおよび図1Bに示されるように、ウェ
ーハの普通円形の周囲に切り込まれたノッチまたは平坦部のようなウェーハの配
向特徴点の位置とである。
ウエーハの周囲中に切り込まれた配向特徴点を見出すために、種々の光−機械
的な方法が周知である。例えば、レーザまたはLED配列からウェーハの周囲上
の点に光を直接差し向けることが周知である。ついで、差し向けられた光を使用
してウェーハエッジの半径方向位置を反復的に測定しながら、ウェーハを回転す
る。ほぼ一回転の回転の後、エッジの半径方向位置に関して、周知の円適合式を
使用してウェーハの少なくとも概略的な中心位置を確認できるに十分の情報が得
られる。
円が一度半径方向情報に適合すると、円から意味のある程度に外れた点が、ウ
ェーハの平坦部(または切欠き)を突き止めるように分析される。ウェーハ中心
と平坦部(またはノッチ)が分かると、ついでウェーハ処理装置は次の動作の実
行のためウェーハを正確に配置することができる。
米国特許第No.4,457,664号に開示される装置のような、ウェーハの配向を決定
するための電気−機械的デバイスも周知である。
1995年07月18日付で米国特許出願され、Cognex Corporationに譲渡された「SY
STEM F0R FINDING THE ORIENTATION OF WAFER」と題する米国特許出願第08/50
3,574号は、ウェーハの中心位置およびウェーハの平坦部(またはノッチ)を自
動的に決定するための機械観察方法を教示している。この方法の使用は、ウェー
ハの中心および配向特徴点を見出すに必要なウェーハとの接触および処理を劇的
に減ずるとともに、他方においてこれらの操作を遂行するに必要な時間を相当に
減少させる。ウェーハ処理の量を低減することによって、ウェーハの汚染の可能
性は低減される。ウエーハの周囲に沿っての点座標に関する情報を分析するに必
要な時間を減ずることによって、部品は、ウェーハ製造設備において場所から場
所へより有効に動くことができ、それにより製造設備のスループットを増大させ
る。
図2は、機械視覚システム(図示せず)により処理されるべきウェーハ像を捕
捉するための標準的光学系32を備えるビデオカメラ24を示している。ここで
、ウェーハ30はカメラ24により直接観察され、そしてカメラ24と光学系3
2だけが像形成装置として働く。光学系32の焦点距離はカメラ動作距離dW3
4、すなわちビデオカメラ24の光学系32からウェーハ30の表面に至る直接
距離を決定する。
有効カメラ高さECHは、各々ウェーハ30の表面に平行な二つの仮定の板3
6および38間の最小包囲距離35として定義される。図2において、例えば、
カメラがウェーハ表面に垂直に配向されると、有効カメラ高さ35は、単にカメ
ラの(レンズ32を含む)カメラの長さである。もしもカメラが例えばウェーハ
表面に関して45度に配向されると、有効カメラ長さECHは仮定の板36およ
び38間の距離となろう。この場合、仮定の板36はウェーハ30から最も遠い
カメラ24の頂部角部に触れ、仮定の板38は、ウェーハ30に最も近いカメラ
24(レンズ32を含む)の底部角部に触れる。
像形成装置の有効側面高さEPHは、ここでは、像形成装置の最も遠い要素を
包含する、ウェーハ30の表面と仮定の平行板42との間の最小包囲距離として
定義される。図2において、例えば、像形成装置がカメラ24とそのレンズ32
のみより成り、カメラ24が動作距離に平行に配向される場合、有効側面高さE
PHは、カメラ24上のウェーハ30の表面から最も遠い点にちようど触れる仮
定の包囲板42の距離である。またこの特定のケースにおいて、有効側面高さE
PHは、有効カメラ高さ35と動作距離34の和に等しい。
8.5mmの焦点距離を有するレンズを使用すると、受け入れられる光学的歪
みをもたらす最短動作距離が提供される。より短い焦点距離は動作距離を減じ、
したがって有効側面高さを減ずるであろうが、これはまた受入れ難い像歪みをた
らすであろう。
しかしながら、カメラがウェーハからこの際短距離に位置づけられて、受け入
れられる像歪みを有してさえ、他の問題が生じよう。これらの問題の中には、有
効側面高さEPHがある種の既存のウェーハ製造装置の包囲体内で収容できない
ことに起因して、ある種の既存のウェーハ製造装置の小さいまたは狭い包囲体内
で動作できないことが含まれる。これらの問題の中にはまた、カメラが延長され
たカメラ取付け腕により支持されるときカメラを被検下の対象物に関して動かす
ことに抗して安定性を得るのが難しいことが含まれる。例えば、取付け腕がウェ
ーハから20ないし25インチの間の距離にカメラを支持するときは、カメラの
視野(FOV)は全ウェーハを含むが、カメラは小さな振動に対してさえ十分に
安定でないことがあり、そしてこれは運動に誘起される像歪みをもたらすことが
ある。
[発明の概要]
本発明は、折り畳まれた光学路を利用して、折り畳まれた光学路を使用するこ
となく必要とされる最小動作距離より相当に短い動作ないし作業距離距離に配置
された光学系を有するカメラを用いて対象物の周囲の像を形成する装置を像歪み
を導入することなく提供する。
本発明は、ビデオカメラとウェーハのような関係する対象物との間の低減され
た動作距離を利用することによって低減された有効側面(プロファイル)高さを
有し、対象物の直接観察に匹敵するような像形成装置を提供する。低減された動
作距離は、ビデオカメラの光学系の焦点距離の何分の一かとし得る。例えば、本
発明は、カメラのウェーハまでの動作距離を14インチ〜18インチの初動作距
離から約5インチの短縮された動作距離に減ずるのに利用できる。
本発明の1側面に従うと、例えば、45度の斜めミラーを使用して観察される
べき対象物の平面に関してカメラを平行に位置づけることによるごとくして有効
カメラ高さを減ずることによって、像形成装置の有効側面高さをさらに減ずるこ
とができる。
本発明の他の側面に従うと、光学路は、複数のミラーのような実質的に反射性
の表面の組合せを使用して折り畳まれる。これらのミラーは、プラスチック、ガ
ラス、半銀鏡被覆ガラス、研磨アルミニウムのような実質的に平坦で機械的に安
定な材料から作ることができる。
本発明の他の側面に従うと、有効側面高さは、折り畳まれた光学路を提供する
のに使用される1対の反射基板間にカメラを配置することによって低減できる。
好ましい具体例において、本発明の装置は、2枚の反射基板、すなわち第1の
反射基板と第2の反射基板とを備える。第1および第2反射基板間の距離は、像
を形成する光線が両者間で跳ね返る回数、したがってカメラの視野(FOV)に
現れる対象物の周囲の像の数を決定する。複数の入れ子状の像を示す比較的複雑
な像が生ずる。しかしながら、1995年7月18日付けで米国特許出願された
「SYSTEM FOR FINDING THE ORIENTATION OF A WAFER」と題する米国特許出願No.
08/503,574号に開示される方法のような好ましい機械観察技術を使用すると、対
象物周囲の大きい方の像の一つのみを、対象物の中心の位置と対象物の特徴点の
位置を決定するのに使用される。
本発明は、像形成装置が、有効側面高さEPHがある種の既存のウェーハ製造
装置の限定的なすなわち狭い包囲体内にしか収容できない程度に比較的小さいこ
とに起因してある種の既存のウェーハ製造装置の小さいまたは狭い包囲体内で動
作することを可能にする。さらに、本発明の像形成装置は、全ウェーハの歪みの
ない像を含む視野(FOV)を提供する。
本発明の追加の利益は、有効側面高さが減ぜられることに起因して、いままで
よりも短いカメラ支持部材の使用を可能にすることによって、被検下の対象物に
関するカメラの運動および信号に抗する安定性が向上されることである。カメラ
は、運動により誘起される像歪みをもたらすことがある少なくとも小さい振動に
抗して十分に安定であり、それにより像の品質を改善する。
[図面の簡単な説明]
図1Aは「平坦部」配向特徴点を有するウェーハの上部から照明した上面図で
ある。
図1Bは「切欠き」配向特徴点を有する下部から照明した上面図である。
図2はウェーハの平坦部またはウェーハの切欠きのようなウェーハ配向特徴点
を検出しかつウェーハの中心を検出するため動作距離dWにてウェーハを直接観
察するための像形成装置の側面図である。
図3は第1および第2の両基板に関して垂直に配向されたカメラと協働し得る
本発明の像形成装置の好ましい具体例を示す側面図である。
図4は第1および第2の両ミラーに関して垂直に配向されたカメラを有し、か
つ第1ミラーの少なくとも一部分が部分的に光反射性であり部分的に光透過性で
ある、本発明の好ましい具体例の側面図である。
図5は第1および第2の両ミラーに関して非垂直に配向されたカメラと協働し
得る本発明の好ましい具体例の側面図である。
図6は二つのミラーの平面内において、第1および第2の両ミラーに関して非
垂直的に配向されたカメラと協働し得る本発明の好ましい具体例の側面図である
。
図7は本発明の像形成装置と協働し得るカメラが見るサンプル像の線図である
。
図8は本発明の種々の寸法パラメータを示す図3の具体例の側面図である。
図9は図5の具体例の斜視図である。
[好ましい具体例の詳細な説明]
一般に、本発明は、対象物の周囲の像を形成するのに有用であり、特にこの種
の像が限定された空間に形成されねばならない場合に有用である。本発明の装置
は、折り畳まれた光学路を利用しない装置の有効側面高さよりも相当に短い有効
側面高さを有する装置により提供される折り畳まれた光学路(折畳み光学路)を
利用することによってこれを達成する。例えば、本発明は、半導体ウェーハの周
囲の像を形成するのに有用であり、そしてその像は、半導体ウェーハの中心点の
位置や、ウエーハの周囲にある切欠きまたは平坦部のような配向特徴点を見出す
のに有用である。本発明はまた、基板の周囲領域が検査されるべき応用や、低減
されたカメラ動作距離に起因する小さな側面高さが有利または必要である応用、
例えば磁気記録媒体や光記億媒体のような応用において有用である。
図1Aを参照すると、古い従来形式の半導体ウェーハ10が配向マークとして
ウェーハ10の周囲に平坦部12を含んでおり、他方図1Bは、配向マークとし
てウェーハ14の周囲に「切欠き」16を含む新型のウェーハ14を示している
。切欠きは、普通新しい8インチおよびより大型のウェーハに見られる。
図1Aはまた、「正面照明」をもって照明されたウェーハが、暗いバックグラ
ウンド20に対して比較的輝いた周囲縁部18を有する像をもたらすことを例示
しており、他方図1Bは、背面照明されたウェーハ、すなわちウェーハ14が広
げられた拡散光源21を隠して高いコントラストの周囲縁部22を有する像を提
供することを例示している。しかして、この高コントラストの周囲縁部22は、
ウェーハ14を表わす暗領域とウェーハ14の背後の背面光21を表わす明領域
の境界である。
図2は、ウェーハ30の直接観察のための位置に取付け腕(図示せず)により
支持されるビデオカメラ24を含む標準的像形成装置の代表的形態を示す。
この形態においては、背面光26がウェーハ30の周囲縁部を観察するために必
要なコントラストを提供しているが、正面光を使用することもできよう。ウェー
ハ30から、機械視覚装置(図示せず)と協働し得るカメラ24の光学系32に
向かう直接光路28があることに注目されたい。光学系32から関係する対象物
に至る直接距離34は、「動作距離」dWと称される。動作距離dWは、光学路2
8が通る距離と同じではない。図2に示されるように、動作距離dWは、カメラ
24の光学系32と光学系32に最も近いウェーハ30の表面との間の垂直距離
を測ることによって決定される。
一例として、8.5mmのレンズを有するカメラは、全ウェーハの歪みのない像
を提供するためには、8インチウェーハから14インチ〜18インチの範囲内に
ある動作距離に位置づけられねばならない。しかしながら、この範囲の最も短い
動作距離でさえ長すぎる。何故ならば、このような動作距離は大きすぎる有効側
面高さEPHをもたらすことがあり、それゆえウェーハ処理または製造装置のよ
うなある種の製造装置において利用可能なより大きな隙間空間を必要とするから
である。
さらに、範囲の最も短い距離、例えば14インチにおいてさえ、カメラ24を
支持するカメラ取付け腕(図示せず)が長くて、カメラが、対象物の歪み像を生
ずるという望ましくない結果を回避するために、被検下の対象物例えばウェーハ
に関する運動に抗して十分に安定でないことが時折ある。
図3,4,5および6は、本発明の像形成装置の種々の具体例を示しており、
そしてより多くの具体例が可能である。これらの図において、対象物30の周囲
領域と対象物30が観察されるバックグラウンドとの間に十分のコントラストを
確立する目的で、半導体ウェーハのような被検下の対象物30の周囲を照明する
ために、背面光源46が光源として選ばれた。対象物30は支持体31により支
持される。
背面光源46は、拡散白熱光または蛍光光源、光ファイバ光源、エレクトロル
ミネッセンス光源または任意の他の分配照明光源として実施できる。対象物の周
囲に対応する検出可能な縁部を有する光コントラスト像を与える任意の他の光源
が有効に働くことに注目されたい。正面光源も有効に働き、例えば対象物の周囲
領域内にある特徴点が作像されるべき応用、例えば完全に丸い半導体ウェーハの
周囲領域内に印刷または腐食されたような配向特徴点のような応用に特に適当で
ある。
図3は、取付け腕(図示せず)により支持されるレンズ32付きカメラ24と
協働し得る本発明の像形成装置の具体例を示す。カメラ24は、光32が第1反
射基板52の中央光透過孔50から現れた後光をレンズ32を介して直接受け入
れるような位置と配向で、動作距離48に支持されている。中央光透過孔50は
、好ましくは、孔50が第1基板52内の穴である場合のように、実質的に全入
射光を透過するのがよい。この場合、穴は完全に基板材料がなく、孔50により
形成される領域は空気のみを含む。
さらに、孔が50が全入射光よりも相当に少ない入射光を透過する他の具体例
も、例えばある期間の間孔50を介して捕捉される一連の像を統合するのに利用
可能な十分の時間が存在するときのように、低捕捉光レベルが受け入れられる応
用に有用である。孔50は、例えば、部分的に光透過性、部分的に光反射性、あ
るいは部分的に光透過性そして部分的に光吸収性、あるいは部分的に光透過性、
反射性および吸収性としてよい。
本発明の像形成装置の動作中、光源46から放射される例示の光線56は、第
1の反射基板52により反射され、実質的に反射性の中央領域60と実質的に透
過性の包囲領域62とを有する第2の反射基板58に向かう。多くの他の放射線
が光源46により発生され、その一部が本発明の装置中の路通り、カメラ24に
より捕捉される。例えば、光線56の鏡像を支持体31の左に引くことが出来よ
う。実質的に透過性の包囲領域62は、例えばガラスまたはルーサイトとし得、
実質的に反射性の中央領域60は、銀のような反射性物質がその上に付着された
ものとし得る。実質的に反射性の中央領域60の形状は、被検下の対象物30の
周囲の形状に類似しているのが好ましい。例えば、ほぼ丸い半導体ウェーハの中
心点や配向特徴点が本発明の装置を使って発見されるべき応用においては、実質
的に丸い形状を有する反射性中央領域60が好ましい。
光56は、反射性中央領域60から反射された後、第1反射基板52に向かい
、第2基板58の反射性中央領域60に向かって再度反射される。2枚の反射基
板52および58間で反射が反復された後、反射光56のうちのあるものが孔5
0を通過し、カメラ24のレンズ32により捕捉される。カメラ24により捕捉
される得られた像は図7に示してある。
図7は、カメラ24が、被検下の対象物30の周囲領域の複数の入れ子状の像
を捕捉していることを示す。例えば、図7は、配向特徴点として切欠き76を有
する半導体ウェーハの周囲領域の複数の入れ子状の像64,66,68,70お
よび72を示している。例えば、ウェーハ30の周囲領域の最大像64は切欠き
76の像を含んでおり、他の像66〜72も、寸法および解像度は減じているが
同様である。
漸進的に小型となる入れ子状の像64,66,68,70および72の各々は
、ウェーハ中心位置および切欠き76のようなウェーハ配向中心点の位置を決定
するのに使用出来る。これを達成する方法は、1995年7月18日付けで米国特許出
願され、「SYSTEM FOR FINDING THE ORIENTATION OF A WAFER」と題する米国特
許出願第08,503,574号に記載される方法ような機械的視覚技術を使用することで
ある。それゆえ、この開示は参照により本明細書に合体されるものである。この
方法を使用すると、大きな同心リングの唯一の像のみしか、ウェーハの中心位置
およびウェーハの配向特徴点の位置を決定するに必要とされない。
カメラ24の像78が、入れ子状の像66,68,70および72のあるもの
の一部を隠している。第1基板と第2基板が完全な平行関係にあると、入れ子状
の像64〜72とカメラ24の像78は同心となろう。けれども、上述の技術の
ようなある種の機械視覚技術は、満足な位置像を提供するのにウエーハの全周囲
の像を必要としないから、非同心の像やウェーハの周囲が部分的に隠された像さ
え使用できる。
図3に戻り、カメラ24は、図示のように、動作距離48にかつ中心位置に同
心配向で支持されている。動作距離48は、折り畳まれた光学路56に起因して
レンズ32の焦点距離よりも短いことに注目されたい。有効カメラ高さECHは
同じであるけれど、レンズ32をもつカメラ24を含む像形成装置したがって本
発明の像形成装置は、図2に示される従来形式の像形成装置の有効側面高さEPH
より相当に短い有効側面高さEPHを有し、それにより従来技術に優る相当の利
益をもたらす。
図4を参照すると、この図に示される代替具体例は、全広がりにわたり、光反
射特性および光透過特性の両特性を有する第1の反射基板53を採用している。
光線56の各反射ごとに、透過光線56”が第1および第2基板53および58
間から逃避する。かくして、光線56は、透過光線56’’がカメラ24のレン
ズ32に入るまでに、各折曲げ(反射)で強度が低減する。本発明の像形成装置
のこの具体例を使用して捕捉される像は、図3に示される具体例の強度よりも低
い強度より成ることになる。
図5を参照すると、この図に示される他の具体例は、カメラが、図3および図
4に示されたように垂直位置でなく水平位置に配置されたときカメラが像を捕捉
できるように、ある角度に配置されたミラー51を備えている。この具体例の利
点は、有効カメラ高さECH61が小さいことに起因して小さい有効側面高さE
PH63を有するという特徴を有することである。この具体例は、有効側面高さ
がさらに減ぜられたことにより利益が得られる応用において特に有用である。
図6を参照すると、有効側面高さの一層の低減が、カメラ24を第1反射基板
59と第2基板58との間に配置することによって達成される。有効側面高さE
PH55は、有効側面高さEPH63およびEPH54よりも小さいことに注目さ
れたい。また、第一反射基板59は完全に反射性であり、光透過孔を含んでいな
い
ことにも注目されたい。代わりに、反射基板は、例示の光線56の光路により例
示されるように像捕捉用カメラ24に像を反射するようにそれに取り付けられた
ミラー57を備える。カメラ24は、第1反射基板59と第2基板58との間の
ある位置に配置されるとき、像の一部を隠すことがあるが、十分な像がカメラに
達することができ、ある種の応用に有用である。
図8を参照すると、本発明の像形成装置の諸部品の種々の寸法パラメータおよ
び空間的関係の詳細が記述してある。図8に示されるように、本発明の装置につ
いて一組のディメンションパラメータが存在するが、このパラメータは、図7に
示されるようなウェーハ30周囲の全像がカメラ24の視野(FOV)内に含ま
れるような値を有する。図7は、周囲像間の距離およびウェーハ周囲像の強度が
、カメラの視野(FOV)の中心近い像ほど両方とも小さいことを例示している
。これらの結果は、両者とも、カメラの視野(FOV)中心に近いウェーハ周囲
像の方が反射回数が大きくなること、Lの値が大きくなること、aの値が小さく
なることの結果である。ここで、αはカメラ24のレンズ32の光学軸線に対す
る例示の光線56の角度であり、Lは光線56がウェーハ30からレンズ32ま
で横切る全距離である。
また、最小の歪みとウェーハ周囲像間に最大間隔を有する像は、αが最大であ
るとき、従って反射間の距離δが図8に示されるように最大であるときに得られ
る。
実施例として役立てるため、以下に記載される式と一致する本発明の実現され
た具体例上で物理的測定をなした。2組の測定値を第1表に示す。
[表 1]
この表1で、hwvisは、ウェーハ30が全視野(FOV)を通じて見えると
きのウエーハ30に関する第2基板58の高さhwを表わし、hwnonvisは、FO
V
における外部像がウェーハ30の像でなく下部反射基板58の反射領域60の像
である場合のウェーハ30に関する第2基板58の高さhwを表わすものである
。
表1の値は、下記の式と一致し、そしてこれらの式は、本発明の装置のある範
囲の具体例のディメンションを特定するのに使用できる。すなわち、
2[hL+nhM]tanαC=dW−dL 式1
2hwcrittanαC:dW−dM 式2
ここで、dLはレンズ直径であり、nは光路56における折畳み(反射)の回数
であり(折畳みの回数は偶数のはずである)、そして、hwCRITは、最外部のウ
ェーハ周囲像が下部反射基板58の反射領域60の内部像と整合する場合のhw
の値である。また、αCはカメラ24のレンズ32の光学軸線に関する例示の光
線56の臨界角で、arctan((FOV@距離/2)距離)に等しく、dWはディス
ク30の直径であり、hLはウェーハ30上のレンズ32の高さであり、hMは第
2基板58上における第1反射基板60の高さである。さらに、dMは第2基板
58上の反射性部分60の直径である。
FOV@0.5m(0.5mmでの)および8.5mmレンズを使用すると、
tanαC=([FOV@距離]/2)距離=(300/2)/500=0.3、それ
ゆえαC=16.7゜。
かくして、dLを0に保持してnについて式1を解くと、
(115+n*48)*0.3+dL/2=100を生じ、本発明にしたがうとn≦
4.55したがってn=4を必要とする。何故ならば、nにもっとも近い最低偶
数値が選ばれるからである。そのとき、n=4を使用して式1をdLについて解
くと、dL=1.58mmを生ずる。dLの物理的測定値は16mmであったが、
これは式1の正当性の証拠を示す。
式2から下記を得る。すなわちは、
hwCRIT *0.3=(100ー85)/2=7.5
hwcrit=25mm
これは、表1に見みられるように、測定値に基づく要件hwVIS<hwcrit<h
wNONVISを満足していることに注目されたい。
同様に、16mmレンズに対して、tanαC=(157/2)500
=0.157、それゆえα=8.9゜
式1は(101+n*36)*0.157+dL/2=100
n≦14.9またはn=14。さらに、dL=10.3mm、この計算は11
mmの物理的測定値によって確認された。
式2から下記を得る。すなわち、
hwCRIT *0.157=(100−85)/2=7.5
hwCRIT=48mm
表1を再び参照して、これは条件hwVIS<hwcrit<hwNONVISを満足して
いることに注目されたい。
図9は、図5に示される具体例におけるような本発明の像形成装置の写視図で
ある。ここで式1および2を使用して、本発明の装置の具体例のディメンション
パラメータの値を決定する。好ましい具体例は、8.5mmレンズを使用する。
本発明をウェーハロードおよびアンロードロボットと使用するように適合させる
ためには、本発明の装置の底部とウェーハの間に間隙が許容されねばならない。
hMの値は最小であることが望まれた。75mmが選択された。ロボット端部イ
フェクタのために、50mmがhWとして選ばれた。かくして、hC=hM+hW=
125mm.8.5mmレンズに対して,α=16.7゜、したがって
tanαC=0.3。
式2を使用して第2基板58の反射性部分60に対する最大許容寸法dMmaxを
計算すると、(dW−dMmax)/2=hWtanαC、したがってって、dMmax=1
70mm。
dMは、(dW−dM)/2=hCtanαCであるように選ばれた。したがってって
、dM=125mm。
これは、ウェーハがどちらに動くエラーに対しても等しい余裕を許す。エラーの
余裕=±22.5mm。
像が折り畳まれる回数はおおむね(dM/2)/hMtanαC=(125/2)2
2.5=2.8回の折畳み、そして折畳みの回数は偶数でなければならないから
、2回の折畳みが使用される。
式1から[hL+nhM]tanαC+dL/2=dW/2
または(hC+(hL−hC)+nhM)tanαC+dL/2=dW/2。かくして、
(125+(hL−hC)+2*75)*0.9+11/2.0=200/20
または(hL−hC)=12mm。
第1反射基板52における孔50の最小直径dHは、
dH=2*(hL−hC)tanαC=7.2mm。
第1反射基板52のサイズdRは次の条件を満足しなければならない。すなわ
ち、dR≦dM+2*(エラーの余裕)=200mm、したがって、実際の目的の
ため
第反射基板52のサイズdRは好ましくは250mmである。
[用語解説]
α 光が第2基板から第1基板まで通るときの本発明の装置の中心線に関する光
線の角度
δ 第1反射基板ミラーの孔の縁部と最初の反射位置間の距離
dL カメラレンズの直径
dW ウェーハの直径
dM 第2基板の反射性部分の直径
dMmax 第2基板の反射性部分の最大直径
FOV 視野
f−stop レンズの開口
hwvis ウェーハが全FOVを通じて見える値
hwnonvis FOV内の外部像がウェーハの像でないが、第2基板の反射性部分
の外縁部の像であるhwの値
hwCRIT FOV内の最外部像がウェーハの像に対応するhwの値
hM 第2基板の反射性部分と第1反射性部分との間の距離
hC ウェーハと第1反射基板との間の距離
hL ウエーハとレンズとの間の距離
L 折り畳まれた光が本発明の装置中を通る総距離
n ウェーハからレンズに至る光路内の折畳み(反射)の回数
当技術に精通したものであれば、請求の範囲に記載される本発明の技術思想か
ら逸脱することなく種々の変更や実施形態を思い付くことができよう。したがっ
て、本発明は、請求の範囲の記載によってのみ限定されるものであることをはっ
きりと理解されたい。
─────────────────────────────────────────────────────
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(72)発明者 ロスタミ,ファリボルツ
アメリカ合衆国 94025 カリフォルニア,
メンロー パーク,ミリー アベニュー
922
(72)発明者 ジアーン,ギルバート
アメリカ合衆国 94114 カリフォルニア,
サンフランシスコ,ハイ ストリート 37
ナンバー1