JP2000502244A - トキソプラズマ・ゴンディ糖複合体 - Google Patents

トキソプラズマ・ゴンディ糖複合体

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ダム,ヤン・バス・ルイス
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アクゾ・ノベル・エヌ・ベー
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、トキソプラズマ.ゴンディ抗体に免疫反応性の糖複合体、これらの糖複合体に対する(モノクローナル)抗体、およびモノクローナル抗体を産生し得る細胞系に関する。本発明はさらに、T.ゴンディまたはT.ゴンディに対する抗体の検出のための、免疫化学試薬および方法にも関する。さらに、本発明は、T.ゴンディ寄生虫の複製の阻害のための治療試薬、および弱毒T.ゴンディ生ワクチンの製造方法にも関する。一般式: [式中:R1は、水素、−PO3−CH2−CH2−NH2(エタノールアミン−ホスフェート)、または−PO3−CH2−CH2−NH−X[式中、XはT.ゴンディ特異的抗原];R2は、ホスファチジルイノシトール膜アンカーのイノシトール部分に必要によりα(1−6)結合した、α−O−R4、α(1−4)−O−アンヒドロマンニトールまたはα(1−4)−O−グルコサミン;R3は、単糖部分;R4は、水素または−L−R5[式中、Lは、二価有機ラジカル、および、R5は、担体への結合を可能にする官能基]]で示される、グリカン中核構造を含んで成る、いくつかの糖複合体が、トキソプラズマ.ゴンディ特異的抗体に免疫反応性であることが、当分野における先行文献と違って、見い出された。単糖部分の好ましい実施態様は、ヘキソース部分であり、より好ましくはグルコース部分であり、最も好ましくはα−1,4グリコシド結合によってGalNAc部分に結合しているグルコース部分である。本発明の糖複合体が、T.ゴンディに感染しているヒトの診断に特に適していることが見い出された。

Description

【発明の詳細な説明】 トキソプラズマ・ゴンディ糖複合体 本発明は、トキソプラズマ・ゴンディ(Toxoplasmagondii) (以後、T.ゴンディと称する)抗体に免疫反応性の糖複合体、これらの糖複合 体に対する(モノクローナル)抗体、およびモノクローナル抗体を産生し得る細 胞系に関する。本発明はさらに、免疫化学試薬、およびT.ゴンディまたはT. ゴンディに対する抗体の検出方法にも関する。さらに、本発明は、T.ゴンディ 寄生虫の複製の阻害のための治療試薬、および弱毒T.ゴンディ生ワクチンの製 造方法にも関する。発明の分野 トキソプラズマ.ゴンディは、世界中で見い出され、哺乳動物全種および特定 の種の全ての型を感染させることができる、細胞内原生動物門寄生虫である。T .ゴンディは、無性および有性の2つの生育環を有するコクシジア目として分類 される。 無性段階においては、T.ゴンディは、種々の形態、例えば、タキゾイト(t achyzoites)、シュ−ドシスト(pseudocysts)、ブラジ ゾイト(bradyzoites)、およびオーシスト(oocysts)の形 態で、存在する。タ キゾイトは、急性感染を特徴とするT.ゴンディの絶対的細胞内寄生形態である 。ヒト宿主細胞に関するT.ゴンディの感染段階は、シュードシストである。シ ュードシストは、直径30〜100マイクロメートルを有し、ブラジゾイトと称 される感染単位を含有する。感染は、生のまたは未調理の未凍結肉に存在するシ ュードシストの摂取によって開始されることが多い。さらに、感染は、活性腸内 感染しているネコの糞の中のオーシストの摂取によっても起こり得る。感染はま た、輸血または白血球注入によって、臓器移植によって、あるいは妊娠中の経胎 盤感染によって起こる場合もある(Wilsonら、J.Exp.Med.15 1,328−346,1980)。宿主消化酵素によって、それぞれシュードシ ストまたはオーシストのいずれかの壁が小腸の中で破壊され、ブラジゾイトまた はスポロゾイト(sporozoites)を放出し、次いで円柱上皮を通過す る。ブラジゾイトまたはスポロゾイトが、それらがクッパー細胞によって摂取さ れる血行ルートによって、肝臓に到達することもある。一旦、細胞内に入ると、 これらの生物体はタキ & Remington,Immun.of Parasitic Infections;編集者Cohen,S.,Warren,K.S Lo ndon:Blackwell ScientificPubIication s pp.356−421,1982; of Human Infection,part II,編集者Nahmia s,A.J., O’Reilly,R.J.New York,Plenum Medical BookCompany,pp.327−371,1982 )。 宿主細胞に入ると直ぐに、複製が開始される。宿主において、マクロファージ がブラジゾイトを全身に運ぶ。ブラジゾイトは、リソソームのそれとの融合を防 止することによって、生き残り、マクロファージ寄生虫保持腔(macroph ageparasitophorous vacuole)内で複製する。複製 は、宿主細胞の溶解を生じさせる。生物体は、新たなマクロファージまたは他の 細胞型によって食菌され、このサイクルが繰り返される。 T.ゴンディ有性段階は、ネコ科宿主においてのみ起こる(Millerら、 J.Parasitology,58,P.928−937,1972)。中間 宿主(例えば、マウス)は オーシストまたはシュードシストのいずれかを摂取することによって感染する。 マウスは、それ自身の組織中にシュードシストを発生させる。ネコは、シュード シストに感染した肉(例えば、ネズミの組織)を食べたとき、またはオーシスト を摂取したときに、感染する。ブラジゾイトまたはスポロゾイトは、円柱上皮細 胞を通過し、メロゾイトに分化する。複製に続いて、メロゾイトが、感染した上 皮細胞を破壊し、近接する細胞を感染させる。メロゾイトの内には、大生殖母細 胞(雌性型)および小生殖母細胞(雄性型)と称される、前有性(pre−se x)む細胞に分化するものもある。小生殖母細胞は、大生殖母細胞と融合して、 オーシストと称される接合体を形成する(Dubey & Frenkel,J .Protozool.19:155−177,1972)。オーシストは小脳 の内腔に入り、排出される。各オーシストが、土壌において胞子形成し、中間宿 主の感染段階である、8個の感染性スポロゾイトを産生する。 ブラジゾイトは、生体内取得後約8〜10日で包嚢に包まれ、感染の慢性的、 潜伏段階を特徴とする。従って、ブラジゾイト形態は、腸上皮サイクルを開始さ せる能力を有する唯一の段階 1982)。 T.ゴンディは、健康な成人においては緩慢なまたは不明瞭な疾患を誘発する が、先天的感染児、および免疫弱化患者においては、重大な疾患、トキソプラズ マ症、さらには死をも引き起こす。妊婦の一次感染は、ヨーロッパの国々におい ては、0.2〜1.0%の頻度で起こる。そのうちの約40〜50%において、 胎児が感染している。妊娠中の胎児の感染(そのうちの約10%)は、新生児死 、または重度多障害児を発生させるが、そのうちの90%においては、子供が無 症候性、潜伏性感染をもって生まれる(Desmonts and Couvr eur,Ann.Pediatr.1984,31,805−809;Alfo rdら、Bull.NY Acad.Med.1974,50,160−181 )。潜伏先天性トキソプラズマ症の患者の最大85%が、活性脈絡網膜炎の1つ またはそれ以上の症状の発現を含む重度の後遺症を発病するであろう。他の臨床 的症状は、炎症、リンパ節炎、脳炎、および発熱である。 先天性トキソプラズマ症は、核酸増幅法によって、新生児抗T.ゴンディIg Mおよび/またはIgA抗体、またはT.ゴンディ特異性ヌクレオチドの存在を 示すことによって診断することができる(Burgら、J.Clinical Microbiol.,27,1787−1792,1989;Savvaら、 J.Med.Microbiol.,32,25−31,1990)。 いくつかの既知のT.ゴンディ株が存在する。最も重要な株の1つは、高度に 毒性であり、当初人間の脳細胞から単離されたRH株である。 T.ゴンディに関する過去の調査のほとんどは、タキゾイト特異性抗体の同定 および分子特性化に焦点が当てられていた。1000種より多くのT.ゴンディ 特異性タンパク質が同定されている。T.ゴンディの、膜アンカー表面タンパク 質、および分泌/放出タンパク質は、非常に免疫原性であるので、広範囲に研究 されている。表面タンパク質の中で、p30が最も多く存在し、T.ゴンディR H菌の合計タキゾイトタンパク質の約5%を占めている。p30タンパク質は、 ヒトIgM、IgG、IgAおよびIgE抗体によって集中的に認識され(De costerら、Clin.Exp.Immunol.,73,376−382 , 1988;Godardら、Infect.Immun.,58,2446−2 450,1990)、従って診断目的に有用である。p30に対するモノクロー ナル抗体を用いて、抗トキソプラズマIgM(Cesbronら、J.Immu nol.Methods,83,151−158,1985)およびIgA(D ecosterら、Lancet,ii,1104−1106,1988)抗体 の検出のために、2つの免疫捕獲試験が開発された。分子量4〜10kDaを有 するT.ゴンディの他の免疫優性抗原が、同定されている。4〜10kDa抗原 は主に、ヒトIgMによって認識され、それより少ない程度にヒトIgG抗体に よって認識される(Sharmaら、J.Immunol.131:977−9 83,1983)。さらに、糖成分上のビシナルヒドロキシル基を酸化すること で知られる試薬NaIO4での膜成分の処置が、ヒトIgMおよびIgG抗体と のT.ゴンディ抗原の免疫反応性を、かなり減少させることがELISAにおい て観察された(Naotら、Infect.Immun.41,331−338 ,1983)。Sharmaら(J.Immunol.131:977−983 ,1983)は、NaIO4処置トキソプラズマ超音波処理、ま たはSDSゲル上で分離された膜強化画分が、免疫優性T.ゴンディ抗原と、ヒ トIgMおよびIgG抗体との免疫反応性において、劇的な減少を示すことを観 察した。 特に、4〜10kDa抗原とヒト抗T.ゴンディ抗体との免疫反応性は、Na IO4処置後に完全に破壊された。さらに、4〜10kDa分子は、プロナーゼ およびトリプシン処置に非感受性であるが、リパーゼには感受性であり、このこ とは、それが糖脂質構造を構成することを示す。要するに、前記に略説した研究 は、T.ゴンディの炭水化物分子が、感染宿主において効果的な免疫応答を誘起 させるのに重要な役割を果たしていることを示す。グリコシルホスファチジルイノシトール(GPI)の糖生物学 寄生性原虫を含むウイルス、バクテリアおよび真核生物細胞の表面膜タンパク 質の、構造、生合成および生物学的機能において、少糖類および糖脂質によるタ ンパク質の翻訳後修飾が、重要な役割を果たすことが今や広く認識されている。 発生期のタンパク質が粗エンドプラズマレテイキュラムの内腔へ移動する間の 、脂質二重層(トランスメンブラン)にまた がる疎水性アミノ酸のストレッチによって、またはグリコシル−ホスファチジル イノシトール(GPI)分子との共有結合によって、タンパク質を膜につなぎ止 めることができる。報告されている全ての場合において、脂質アンカーが、タン パク質のカルボキシル末端において、主に疎水性アミノ酸の短配列と置き換わっ ており、従って、1型膜タンパク質のトランスメンブランポリペプチドドメイン への代替的アンカリング機構として考えられる(FergusonおよびWil liams,Ann.Rev.Biochem.57:285−320,198 8;Ferguson,Curr.Opinion in Struct.Bi ol.,1、522、1991) 糖脂質膜アンカーの構造および生合成に関する情報のほとんどが、寄生性原虫 トリパノソーマ・ブルーセイの、変異表面糖タンパク質(VSG)およびGPI の研究から得られている。1つのVSG(VSG117)の糖脂質アンカーが、 完全に化学的に定義されており、主鎖配列エタノールアミン−ホスフェート−6 Manα1−2Manα1−6Manα1−4GlcNα1−6−イノシトール から成る。イノシトール残基は、ホスホジエステル結合によって、ジミリストイ ルグリセロールに 結合し、エタノールアミン基は、成熟タンパク質のカルボキシル末端アミノ酸に アミド結合し、ガラクトース側鎖は、グルコサミンに隣接するマンノース残基に 結合している。種々の側鎖修飾および親油性基を有する類似の主鎖構造が、いく つかの他のタンパク質の脂質アンカーに関して記載されている(再考のため、F ergusonおよびWilliams,Ann.Rev.Biochem.5 7,285−320,1988;Cross,Ann.Rev.Cell Bi ol.6:1−39,1990;Ferguson,Curr.Opinion in Structural Biology 1、522−529、1991 を参照)。T.ゴンディのグリコシルホスファチジルイノシトールアンカー 最近まで、トキソプラズマ.ゴンディの糖生物学に関して、ほんのわずかしか 知られておらず、トキソプラズマの主要な表面成分としての糖タンパク質の存在 に関して、かなりの論議がなされている。Handmanら(J.Immuno l.124,2578−2583,1980)は、ConA−セファロースカラ ム上での、放射性ヨウ素化寄生虫の界面活性剤溶解物の通過後の、膜抗原の組成 における差異を何ら観察するこ とができなかった。これに対して、Johnsonら(Biochem.Bio phys.Res.Commun.100,934−943,1981)および Maurasら(Biochem.Biophys.Res.Commun.9 7,906−912,1980)は、放射能標識ConAを用いて、このレクチ ンのトキソプラズマへの結合を検出した。 詳細な生合成経路を確立するために、タンパク質結合GPIと、それらの推定 先駆体分子との比較は、基本的に重要である。Schwarzら(NATO A SI Series. SeriesH:Cell Biology,vol. 78,Berlin,Springer,1993.p.109−121)によ って示されるデータは、T.ゴンディ.タキゾイトのp23が、哺乳動物のTh y−1アンカーと類似した、N−アセチル−ガラクトサミン残基として同定され た側鎖修飾を有するエタノールアミン−PO4−6Manα1−2Manα1− 6Manα1−4GlcNα1−6PIから成る、高度に保存された主鎖を有す ることを示唆している(Fergusonら、Science239:753− 759,1988; Zineckerら、Diplomarbeit,Uni versity of Marburg,1992を参照)。 p30に関して、比較できる分析がなされ、同様の結果を得た(Tomavo ら、J.Biol.Chem.267:11721−11728,1992)。 従って、両方のタンパク質のアンカーが、それらの炭水化物成分に関して、同一 である。p30のグリカンに関して、いくつかの微小異質性が示されており(Z ineckerら,1992)、これがトキソプラズマのGPI膜アンカーの共 通の特徴であるかどうかに関してまだ調査がなされていない。 T.ゴンディのGPIアンカーに対する抗体が、他の原虫種のGPIアンカー に結合しないので、T.ゴンディのGPIアンカーは、より基本的なエタノール アミン−P−6Manα1−2Manα1−6Manα1−4GlcNα1−6 イノシトール中核(core,コアー)構造に加えて、独特の構成成分を有して いると考えられる。 従って、GPI膜アンカーの構造を、それらのグリカンおよび脂質部分に関し て、詳細に解明すること、および哺乳動物細胞に見い出されない構造的特徴を探 求することが重要である。 T.ゴンディの主要表面タンパク質が、GPIアンカーによって、寄生虫表面に つなぎとめられることが明らかになったとき(Tomavoら,Mol.Cel l.Biol.9:4576−4580,1989; Nagelら,J.Bi ol.Chem.264:5569−5574,1989)、これらの膜アンカ ー、特に、それらの推定先駆体の、生物学的機能および生合成が、当分野におい て重要になった。さらに、高度免疫原性4〜10kDa抗原が、未複合または遊 離グリコシルホスファチジルイノシトールアンカーの先駆体種を代表するという 観察によって、T.ゴンディのGPIアンカーの、生化学的構造の解明およびエ ピトープのマッピングに対する関心が高まった。T.ゴンディのGPIアンカー の、構造および免疫原性エピトープに関する情報は、診断アッセイにおいて、人 工GPIアンカーを化学的に合成し適用することを可能にするであろう。天然G PIアンカーに対して、免疫反応性部位の似ている人工炭水化物分子を、化学的 に修飾して、リンカー分子によって酵素結合体へ直接結合できるようにすること ができる。 従って、T.ゴンディでの感染の種々の段階においてなされる信頼性のある診 断を可能にする特異的および高感度方法の開 発のために、特異的膜抗原の正確なアンカリングを担う免疫優性糖複合体を同定 することが、非常に重要である。 T.ゴンディGPIアンカーの構造を解明することにより、関わる酵素の機能 /活性を阻止またはブロックすることによって、独特の炭水化物置換基の、GP I中核構造への生合成および結合を妨げることができるであろう。このことは、 T.ゴンディのGPIアンカー合成の特異的阻止またはブロッキングが、結果的 に、タンパク質の細胞表面発現を減少させ、究極的に寄生虫を死なせることを意 味する。例えば、T.ブルーセイのGPI先駆体は、その脂肪酸に関して、改造 される。この改造は、トリパノソームに独特であり、トリパノソームに対して選 択的毒性を示すミリステート類似体10−(プロポキシ)デカン酸のようなレモ セラピューティックス(rhemotherapeutics)の開発のための 良好な標的になる(Doeringら、Science 252,1851−1 854,1991;Mastersonら,Cell 62,73−80,19 90)。 寄生虫の生物学および病理学におけるGPIの役割は、詳細な解明がまだなさ れていない。しかし、GPIアンカーの構造 を解明するにとによって、寄生虫特異性炭水化物構造の阻止に基づく、抗トキソ プラズマ薬の開発において、新たなアプローチが可能になる。 GPIアンカーの主な機能は、プラズマ膜、稀な場合においては分泌顆粒の内 腔面と、タンパク質との安定した会合を与えることである。GPIアンカーのこ の特徴は、T.ゴンディの表面上に、異種遺伝子コード化タンパク質を発現させ るために使用することができる。いくつかの研究は、膜標的およびターンオーバ ーの効率が、GPIアンカーによってのみ決定されることを示している。従って 、T.ゴンディのGPIアンカーの構造を解明することによって、GPIアンカ ーに効率的に結合されるように異種遺伝子を修飾することができ、それによって 、膜標的が可能になるであろう。究極的に、寄生虫T.ゴンディの、異種遺伝子 発現系としての適用性は、ワクチン開発の効率的かつ信頼性のあるアプローチを 導き得る。さらに、GPIアンカータンパク質は、膜との安定な会合を有するが 、内因性膜タンパク質よりも容易に、界面活性剤溶解される場合がある(Hoo perおよびTurner,Biochem.J.,250,865−869, 1988)。GPIアンカーとのタ ンパク質キメラを発現させるために、T.ゴンディを異種遺伝子発現系として使 用することによって、容易に拡大することができる信頼性のある抗原源を作るこ とができ、発現された異種タンパク質は界面活性剤(CHAPS,Triton X−114)を用いて容易に抽出することができる。 B細胞欠失(IgM抑止)BALB/Cマウスを用いた実験の結果は、抗トキ ソプラズマ抗体が、急性感染の回復にとって必須ではないが、長期トキソプラズ マ症の制御において必要であることを意味している(FrenkelおよびTa ylor,Infection & Immunity,38, 360−36 7,1982)。データは、糖脂質構造が、Tヘルパー細胞非依存性B細胞マイ トジェンであり、その結果として、B細胞を産生する連続的IgM抗体になるこ とを示した。従って、T.ゴンディのGPIアンカーの構造に関する詳細な情報 は、T.ゴンディの可能宿主における保護抗体応答の誘起においてマイトゲンと して適用し得る、適切なリガンドに結合した人工GPIアンカー分子の合成を可 能にするであろう。発明の詳細な説明 一般式: [式中: R1は、水素、−PO3−CH2−CH2−NH2(エタノールアミン−ホスフェー ト)、または−PO3−CH2−CH2−NH−X[式中、XはT.ゴンディ特異 的抗原]; R2は、ホスファチジルイノシトール膜アンカーのイノシトール部分に必要によ りα(1−6)結合した、α−O−R4、α(1−4)−O−アンヒドロマンニ トールまたはα(1−4)−O−グルコサミン; R3は、単糖部分; R4は、水素または−L−R5[式中、Lは、二価有機ラジカル、および、R5 は、担体への結合を可能にする官能基]] で示される、グリカン中核構造を含んで成る、いくつかの糖複合体が、トキソプ ラズマ.ゴンディ特異的抗体に免疫反応性であることが、当分野における先行文 献と違って、見い出された。 本発明による用語「二価有機ラジカル」は通常、官能基R5がそれを介してグ リカン中核に結合しているリンカー構造を含んで成る。好適な二価有機ラジカル は、例えば、メチレン[−CH2−]、エチレン[−CH2−CH2−]、あるい は好ましくはプロピレン[−CH2−CH2−CH2−]のような、置換または非 置換アルキレン基またはアラルキレン基である。 本発明による用語「担体への結合を可能にする官能基」は通常、本発明のグリ カン中核構造の担体への共有結合に使用することができる反応性官能基、または 、その目的のために反応性官能基に変換することができる官能基を含んで成る。 特異的官能基はメルカプト(−SH)、アミノ(−NH2)、ピリジルジチオ、 S−アセチル−メルカプトアセチル(SATA)、マレイミド、カルボン酸官能 基またはその活性化エステル、例えば、N−ヒドロキシスクシンイミドから誘導 されるエステル、 p−ニトロフェノールまたはペンタフルオロフェノール、ブロモアセタミド、ビ ニルピリジン、ヒドラジド、アルデヒドまたはヒドロキシである。さらに好適な 官能基は、結合化学の分野の当業者に既知である。 本発明による用語「担体」は通常、本発明のグリカン中核構造が結合し得るど のような物質をも含み、例えば、タンパク質(例えば、アルブミンまたはアオガ イヘモシアニン)および、診断試薬に使用される固体支持体を含む。 本発明の好ましい実施態様は、前記単糖部分がへキソース部分である糖複合体 である。 本発明の他の好ましい実施態様は、前記ヘキソース部分がグルコース部分であ る糖複合体である。 本発明の他の好ましい実施態様は、前記グルコース部分が、α−1,4グリコ シド結合によってGalNAc部分に結合している糖複合体である。 本発明の他の好ましい実施態様は、糖複合体が、図15に示される構造を含ん で成る糖複合体である。 本発明の他の好ましい実施態様は、下記の段階 −タキゾイト膜の破壊、および −得られるタキゾイト懸濁液の、クロロホルム/メタノール/水(C/M/W ;1/1/0.3v/v)混合物での抽出、から成る単離方法によって、T.ゴ ンディタキゾイトから得られる糖複合体である。 本発明の他の好ましい実施態様は、寄託番号95090608または9509 0609として、European Collectionof Animal Cell Cultures(ECACC),ポートン ダウン(英国)に寄 託されている不死化細胞系によって産生されるヒトモノクローナル抗体と免疫反 応性の糖複合本である。 糖複合体は、炭水化物部分(モノ−、オリゴ−、またはポリサッカリド)が、 脂質またはボリペプチドのような他の(生体)分子に共有結合している分子を記 述するために使用される一般的用語である。しかし、炭水化物中核構造も、糖複 合体の意義の範囲内に含まれると考えるべきである。 脂質(例えば、アルキル/アシルグリセロール、ジアシルグリセロール、スフ ィンゴシン、セラミド、またはドリコール)に結合したオリゴ糖は、糖脂質とし て既知である(IUB−IUPAC recommendations, 19 76, (1976)J.Lipid Res.19,114)。糖タンパク質は、オリ ゴ糖がN−および/またはO−グリコシド結合によって結合し、炭水化物が全重 量の2〜60%を占めているポリペプチドである(Montreuilら、19 82,Comprehensive Biochemistry,vol.19 B,part II,p.1、編集者Florkin,G.)。これらのポリペ プチドに存在するオリゴ糖部分は、分離した、特異的な、および保存された構造 である。この特性は、可変数の反復構造単位から成る炭水化物鎖にアミノ酸が結 合しているプロテオグリカン、グリコサミノグリカン、ムコタンパク質、および ペプチドグリカンのような他の糖複合体から、それらを区別する。(IUB−I UPAC recommendations,1980,(1982)J.Bi ol.Chem.257,3352)。 糖複合体の他の種類は、グリコシルホスファチジルイノシトール(GPI)脂 質アンカーである(Lowら、1986,Trends Biochem.Sc i.11,212)。これらは、オリゴ糖ブリッジを介して、細胞表面糖タンパ ク質を膜脂質に結合させる。従って、糖タンパク質は、N−およびO −結合オリゴ糖、ならびにGPIアンカーによって、グリコシル化されていても よい(Fergusonら、1988,Science 239,753−75 9)。 糖複合体は、天然資源から単離および精製することができる(例えば、本発明 においては、T.ゴンディ寄生虫、好ましくは、T.ゴンディ.タキゾイトから )。実施例に記載されている単離方法を使用することができる。しかし、当分野 において既知である他の単離方法も使用することができ、従って、本発明の範囲 に含まれる。 本発明の糖複合体を得るための他の方法は、当分野において頻繁に使用される 既知の方法を用いる化学合成経路である。実施例の1つにおいて、1つの合成経 路が例示されている。しかし、当分野で既知である他の合成経路も、同等である と見なすべきであり、従って、本発明の範囲に含まれる。 本発明の糖複合体に対する抗体も、本発明の一部である。 前記のように製造され、記載される糖複合体は、ポリクローナルおよびモノク ローナルの両方の抗体を産生するために使用することができる。本発明の糖複合 体に対するモノクローナル抗体は、当業者によって容易に製造することができる 。 本発明のモノクローナル抗体は、従って、T.ゴンディ感染の診断に、新たな 手段を提供する。 本発明の好ましい抗体は、T.ゴンディ糖複合体のエピトープに結合するモノ クローナル抗体であり、このエピトープは、寄託番号95090608および9 5090609としてそれぞれECACC,ポートン ダウン(英国)に寄託さ れているハイブリドーマ細胞系によって産生されるモノクローナル抗体TOX. HuOT−1またはTOX−HuOT−2によって認識される。 本発明の好ましい抗体は、寄託番号95090608および95090609 としてそれぞれECACC,ポートン ダウン(英国)に寄託されているハイブ リドーマ細胞系によって産生されるモノクローナル抗体TOX.HuOT−1ま たはTOX−HuOT−2である。 本発明のモノクローナル抗体を産生することができる不死化細胞系も、本発明 の一部である。 モノクロナール抗体を産生する細胞系の製造は、例えば、Kohlerおよび Milstein法(KohlerおよびMilsteinは、モノクローナル 抗体産生ハイブリドーマ を生成する方法を考案した(G.KohlerおよびC.Milstein, 1975,Nature 256:495−497;1976,Eur.J.I mmunol.6:511−519))、Epstein−Barrウイルスで の形質転換、または発ガン性DNAでのB−リンパ球の直接形質転換、ヒトまた はマウス−ヒトハイブリッド骨髄腫細胞系のいずれかである融合パートナーとの 、ヒトB−リンパ球の直接融合、または前記骨髄腫細胞系でのEBV−形質転換 B細胞系の直接融合によって行うことができる。 本発明の好ましい細胞系は、寄託番号95090608および9509060 9として、ECACC,ポートン ダウン(英国)に寄託されている細胞系であ る。 これらのバイブリドーマ細胞系は、Epstein Barrウイルス(EB V)の補助によって製造された。EBVは、ヒトB−リンパ球を、形質転換およ び不死化することができる。不死化ヒトB−リンパ球は、EBVの補助により、 骨髄腫パートナー細胞を必要とせずに、得ることができる。Epstein−B arrウイルスは、種々の源から得ることができる。最も一般的に使用されるE BV源は、B95−8マーモセット細胞 系である。B95−8細胞系は自発的に、EBVを培地に放出する。 T.ゴンディの糖複合体に対するモノクローナル抗体は、生体内および生体外 の両方における細胞および細胞抽出物中のT.ゴンディ発現の検出、精製目的、 ならびにこれらのタンパク質の機能を研究するための種々の生化学的および免疫 学的分析方法のための、有用な手段である。 本発明の糖複合体または抗体を含んで成る免疫化学試薬も、本発明の一部であ る。 本発明による用語「免疫化学試薬」は通常、本発明の糖複合体の1種またはそ れ以上、および適切な支持体または標識物質を含んで成る。 使用し得る支持体は、例えば、ミクロ試験プレート穴またはキュベットの内壁 、管または毛細管、膜、フィルター、試験細片、あるいは、例えば、ラテックス 粒子、アルデヒド粒子(例えば、活性アルデヒド表面基を有するセラミック磁化 可能粒子)のような粒子の表面、赤血球、色素ゾル、金属ゾルまたはゾル粒子と しての金属化合物、BSAまたはKLHのような担体タンパク質である。 使用し得る標識物質は、特に、放射性同位体、発光化合物、酵素、色素ゾル、 金属ゾルまたはゾル粒子としての金属化合物である。 サンプル中のT.ゴンディに対する抗体の検出方法において、本発明の免疫化 学試薬がサンプルと接触される。その後、サンプル中に、複合脂質と抗体との間 に形成される免疫複合体の存在が検出され、この検出によって、サンプル中のT .ゴンディ抗体の存在が知られ、定量的に測定することができる。 免疫化学試薬の性質およびその他の特徴に依存して、生じる免疫化学反応は、 いわゆる、サンドイッチ反応、凝集反応、競合反応、または阻害反応と称される 。 サンプル中のT.ゴンディの検出のために、本発明の複合糖質を含有する本発 明の免疫化学試薬を、サンプルおよび抗T.ゴンディ抗体と接触させ、その後に 、形成される免疫複合体の存在を検出し、これから、サンプル中のT.ゴンディ の存在を決定することができる。 サンプル中のT.ゴンディの検出の特に好適な方法は、標識物質を与えた本発 明の糖複合体とT.ゴンディ抗原(サンプル中に存在)との間の競合反応に基づ いており、それによって、 糖複合体と抗原が、固体支持体に付着したT.ゴンディに対する抗体と競合する 。 本発明はさらに、本発明の抗体をサンプルと接触させ、その後に、形成される 免疫複合体の存在を検出し、これがサンプル中のT.ゴンディの存在の尺度とな ることを特徴とする、サンプル中のT.ゴンディの検出方法を含む。 本発明の試験キットは、必須構成要素として、前記の免疫化学試薬を含んで成 る。T.ゴンディ抗体の検出のために、サンドイッソチ反応を実施する場合は、 その試験キットは、例えば、固体支持体、例えばミクロ試験プレート穴の内壁に 被覆された本発明の糖複合体、および、本発明の標識糖複合体または標識された 抗−抗体を含んで成ることができる。 競合反応を実施するために、試験キットは、固体支持体に被覆された本発明の 糖複合体、T.ゴンディに対する標識抗体、好ましくは、前記糖複合体に対する モノクローナル抗体を含んで成ることができる。 凝集反応においては、試験キットは、粒子またはゾルに被覆された本発明の糖 複合体を含んで成ってもよい免疫化学試薬を含んで成る。 試験キットの他の実施態様は、例えば、T.ゴンディに対する抗体の結合部位 に関する、検出すべきT.ゴンディ抗原との競合反応において、固体支持体に被 覆された本発明の標識糖複合体を免疫化学試薬として使用することである。 本発明はさらに、T.ゴンディ寄生虫の複製阻止のための治療試薬を含み、該 治療試薬は、本発明の糖複合体の生合成を阻止する特異的阻害剤を含んで成る。 特異的阻害剤の例は、T.ゴンディ糖複合体におけるグルコース部分の組み込み に関して特異的および必須の酵素を阻害することができる化合物である。この化 合物は、化学化合物であってもよいが、特異的酵素を阻害する能力が既知である 他の化合物を使用することもできる。GPIアンカー(生)合成の阻止は、GP I−アンカー合成に関わる酵素をコードする遺伝子を除去する遺伝的操作によっ て行うことができる(ノックアウト突然変異体)。これは、転写または翻訳の段 階で行うことができる。 本発明はさらに、前記に説明した本発明の治療試薬によって、GPIアンカー 抗原の表面発現をブロックまたは阻止する弱毒T.ゴンディ生ワクチンの製造方 法を含む。GPIアンカー抗原の表面発現の阻止またはブロッキングは、T.ゴ ンディの毒 性を減少させる。さらに、GPIアンカー合成のいわゆるノックアウト突然変異 体は、弱毒生ワクチンとして適用することができる。 トキソプラズマ.ゴンディに対する保護のワクチンも本発明の一部である。こ れらのワクチンは、本発明の糖複合体、および細胞分裂促進特性を有する医薬的 に許容される担体を含んで成る。 ある場合には、これらの糖複合体自体を用いることによって、保護免疫性を上 昇させる能力が低下することがある。それらの免疫原性を上昇させるために、こ れらの糖複合体の担体分子への結合が好ましい。この目的のための好適な担体は 、巨大分子であり、例えば、天然ポリマー(アオガイヘモシアニン、アルブミン 、トキシンのようなタンパク質)、ポリアミノ酸(ポリリジン、ポリアラニン) のような合成ポリマー、またはサポニンのような両親媒性化合物のミセルである 。 本発明のワクチンは、通常の能動免疫法において投与することができる:用量 処方に適合する方法での、および、予防的に有効な量での、即ち、毒性のトキソ プラズマ.ゴンディ寄生虫による免疫誘発に対する免疫を誘起する、抗原または その抗原 を発現し得る組み換え微生物を免疫化する量での、単一または反復投与。免疫は 、非予防摂取群と比較した、ある集団における予防摂取後の有意レベルの保護の 誘起として定義される。 ワクチンの投与は、例えば、皮内、皮下、筋肉内、腹膜内、静脈内、経口、ま たは鼻腔内投与によって、行うことができる。 さらに、ワクチンは、例えば、活性および/または貯蔵寿命を増加させるため に、他の成分と混合されていることが多い水性媒質または水含有懸濁液を含有す ることができる。これらの成分は、塩、pH緩衝剤、安定剤(脱脂乳またはカゼ イン水解物)、乳化剤、免疫応答を向上させる補助剤(例えば、油、ムラミルジ メプチド、アルミニウムヒドロキシド、サポニン、ポリアニオン、および両親媒 性物質)および防腐剤である。 本発明はさらに以下の実施例によって例示される:実施例: 実施例1 トキソプラズマゴンディタキゾイトの大規模生産 トキソプラズマ・ゴンディ(以下T.ゴンディと称する)のRH株はトキソプ ラズマの研究において最も一般的に使用される実験用株である。T.ゴンディタ キゾイトの大規模生産を、 Vero細胞を含む細胞ファクトリー(6000cm2)を0.30−1.0の 感染多重度でタキゾイトに感染させることによって実施した。37℃で3日間培 養した後、培地を取り除き、細胞を新鮮培地で再増殖させた。感染後6日目に、 細胞の上清を採集し、残存しているVero細胞をリン酸緩衝生理食塩水液20 0ml(PBS)で洗浄した。上清をプールし、タキゾイトを10μmのポリカ ルボネート膜(Nucleopore,Pleasanton,CA,USA) で濾過して、PBSで2回洗浄した。タキゾイトを遠心分離にかけ(1200x g、5分間)、−70℃で保存した。 基本的にTomavoら(1992、JBC、267、11721−1172 8)が述べたようにしてタキゾイトの代謝標識を行った。簡単に述べると、Ve ro細胞の集密単層(250cm2)を、2%ウシ胎児血清を補足したダルベッ コ修正イーグル培地(DMEM)中で5×107のタキゾイトに感染させた。感 染後72時間目に、20mMのピルビン酸ナトリウムを含むグルコース不含のD MEMで細胞培養を2回洗浄した。0.5mCi[3H]グルコサミンを補足し た同じ培地を用いて37℃で4時間標識を行った。標識後、Dounceホモジ ナイザにおい て20ストロークで宿主細胞から寄生生物を遊離させた。以前に述べられている ように(Grimwoodら、Exp.Parasitol.48、282−2 86、1979)ガラスウール濾過によってタキゾイトを精製した。実施例2 糖複合体の免疫反応性 精製したタキゾイトをSDS−PAGE(硫酸ドデシルナトリウム−ポリアク リルアミドゲル電気泳動)およびウエスタンブロット法で分析して、ヒト抗トキ ソプラズマIgM抗体に関する糖複合体、特にGPI分子の免疫反応性を明らか にした。20%ウシ胎児血清を補足したリン酸緩衝生理食塩水液(PBS)と共 にニトロセルロースフィルターを常温で1時間インキュベートして、フィルター 上の結合部位をブロックした。その後、フィルターの細片を以前に報告された( Sharmaら、J.Immunol.131、977−983、1983)ト キソプラズマの4−10kDa分画に対するヒト抗トキソプラズマIgMモノク ローナル抗体と共にインキュベートした。さらに、Protein G Sep harose 4 FastFlow(LKB Pharmacia,Upps ala, Sweden)をリガンドとして用いた親和性クロマトグラフィーによって得た 5つのヒト抗トキソプラズマIgM分画のプールを同様にして評価した。室温で 2時間インキュベートした後、細片をリン酸緩衝生理食塩水TweenR(PB ST)液で洗浄し、アルカリホスファターゼ結合ヤギ抗ヒトIgM抗体と共に1 時間インキュベートした。フィルター細片を洗浄し、5−ブロモ−4−クロロ− 3−インドリルホスフェートとニトロブルーテトラゾリウム(BCIP/NBT 、PromegaCorp.,Madison,WI)を加えて免疫複合体を明 らかにした。TOX.HuOT−1およびTOX.HuOT−2と称されるどち らのヒト抗トキソプラズマIgMモノクローナル抗体も、少なくとも3つのバン ドで表わされる低分子量の抗原を認識した(図1、レーン1および2)。プール したIgM抗体が種々のT.ゴンディ抗原を認識したのに対し、ヒトIgMモノ クローナル抗体は、免疫優性抗原p30のようなT.ゴンディタンパク質に結合 したGPI分子を認識しない。モノクローナル抗体TOX.HuOT−1および TOX.HuOT−2に加えて、他の2つのモノクローナルIgM抗体を産生す る細胞系を同一のT.ゴンディ感染患者から調製した。TOX. HuOT−3およびTOX.HuOT−8と称されるこれらのIgM抗体は、T oxonostikaR IgM ELISA(Organon Teknik a N.V.,Belgium)においてトキソプラズマ抗原と反応性であった が、ウエスタンブロット細片上のGPI分子とは反応しない(図1、レーン3お よび4)。 さらに、mAb T54E10およびmAb T33F12と称される2つの マウスモノクローナル抗体がT.ゴンディの糖脂質分画向けられる(図1、レー ン5および6)。糖脂質に対するヒトおよびマウスのモノクローナル抗体はいず れも、結合していないGPI分子だけを認識する。たとえばp30のようなT. ゴンディタンパク質に結合したGPI分子は、試験したモノクローナル抗体によ って認識されなかった。マウス抗ヒト絨毛性ゴナドトロピンホルモン(レーン7 )および5つのヒト抗トキソプラズマIgM分画のプール(レーン8)を各々陰 性および陽性対照として使用した。 これらのデータは、GPIがタンパク質の末端アミノ酸のα−COOH基にア ミド結合で共有結合するか、あるいはタンパク質−エタノールアミンブリッジの 形成後にGPIが破壊され た時には、GPI分子上のヒトIgMエピトープならびにマウス抗体エピトープ はどちらも、もはや立体障害によりアクセスできないことを強く示唆している。実施例3 GPI種の同定 T.ゴンディタキゾイトを、以前に述べられているように(Tomavoら、 J.Biol.Chem.、267、11721−11728、1992;To mavoら、J.Biol.Chem.、267、21446−21458、1 992)、3H−グルコサミン、3H−マンノース、3H−パルミチン酸、3H−ミ リスチン酸、3H−ステアリン酸および3H−エタノールアミンで標識した。以前 に公表されている抽出手法(Menonら、EMBO.J.、9、4249−4 258、1990;Tomavoら、1992)に従って糖脂質を単離した。簡 単に述べると、タキゾイトをクロロホルム/メタノール(CM;2:1)で2回 抽出し、中性脂肪、リン脂質および極性の低い糖脂質を除去した。次に、より極 性の高い脂質を得るため、CM残留ペレットをクロロホルム/メタノール/水( CMW;10:10:3)で2回抽出した。CMW抽出した糖脂質をプ ールし、水と水分飽和n−ブタノール間で分配することによって精製した。ヒト IgMおよびIgG抗体を含有する血清サンプルならびに2つのマウスモノクロ ーナル抗体、T33F12とT54E10を用いて、SDS−PAGEおよびニ トロセルロース膜での電気泳動的移動を実施した後、n−ブタノール分画の免疫 反応性を分析した。この試験により、ヒト抗トキソプラズマIgM抗体がGPI 種を強く認識したのに対し、ヒトIgGはほとんど認識しないことが明らかにな った(図2)。 上述した生体内標識から得たn−ブタノール相を含む糖脂質を、あらかじめ用 意したシリカ60 HPTLCプレート(10×20cm、Merck)上に個 々にスポットし、溶媒系n−ヘキサン/クロロホルム/メタノール/水/酢酸( 3:10:10:2:1)で展開した。 クロマトグラムを乾燥させ、Berthold LB2842線形分析器を用 いて放射能を走査した。3H−グルコサミン、3H−マンノース、3H−ステアリ ン酸あるいは3H−パルミチン酸のいずれかで代謝標識したタキゾイトのn−ブ タノール分画を分析すると、6つの異なるピークがTLCプレート上で一貫して 検出された(図3)。しかし、タキゾイトを3H−エタ ノールアミンで標識した時には放射能の3つのピークだけしか明らかにすること ができず(図3D)、6つの別々のGPI種の内の3つ、すなわちピーク分画I 、II、IIIがエタノールアミン−リン酸塩分子を含むことを示唆した。 3H−グルコサミンで標識した糖脂質を含むブタノール相を乾燥させ、1単位 PI−PLC(Bacillus cereus、Boehringer)、ウ サギ血清10μl(PLDのソースとして)、50単位PLA2(ハチ毒、Si gma)あるいは緩衝液10μlを各々補足した、0.1%デオキシコール酸ナ トリウムおよび2mM CaCl2を含む1OOmN4 トリス/HCl pH7 .4中に取った。サンプルを37℃で12時間インキュベートし、5分間煮沸し て酵素を不活化した。反応混合物を水とブタノール間で分配し、ブタノール相を TLCで分析した。すべての糖脂質がそれらのGPI構造を確認するGPI−P LDおよびPI−PLCに対して感受性であった。PLA2に対する感受性は、 T.ゴンディ糖脂質の脂質成分がジアシルグリセロールを含むことを示唆してい る。実施例4 種々のGPI種の免疫反応性 どのピーク分画がヒトIgM抗体によって認識されるGPI種であるかを示す ため、3H−グルコサミンで代謝標識した糖脂質をトレーサとして用いた予備的 TLCにより、個々の糖脂質種を精製した。展開したTLCプレートの放射能の ピークに相当する部分を削り取り、CMW 1.5mlで2回再抽出し、水と水 分飽和n−ブタノール間で分配して残留シリカを除去した。種々のGPI種(2 ×107タキゾイトから誘導された物質を表わす)を、ブタノール10μl中の 補強したニトロセルロース膜(Scheicher and Schuell) 上にスポットした。ニトロセルロース細片を37℃で乾燥させ、5%w/v脱脂 粉乳のトリス緩衝生理食塩水液(15mMトリス−HCl、pH8、140mM NaCl、0.05%w/vトゥイーン20)中で一晩ブロックした。ブロッ トをトキソプラズマ患者血清ならびにmAb T54E10と共にインキュベー トした。洗浄した後、ブロットを適当な抗Igアルカリホスファターゼあるいは 抗Igペルオキシダーゼ複合体と共にインキュベートし、アルカリホスファター ゼ(Promega) についてはBCIPとNBTで、あるいは、ペルオキシダーゼ(ECL,Ame rsham)については供給業者のプロトコールに従って化学ルミネセンス検出 法を用いて展開した。図4および5に示すように、ヒト抗体、特にヒトIgMお よびIgG抗体はピーク分画I、II、IVおよびVと一貫して反応した。mA b T54E10はピーク分画IおよびIIと反応した(図4)。 遊離エタノールアミン−リン酸基がGPI分子上のヒトIgMエピトープの一 部であるかどうかを明らかにするため、ELISA阻害−結合試験を実施した。 n−ブタノール分画のGPI種を、ウエル当り106タキゾイトに相当する被覆 濃度でマイクロタイターウエル上に被覆した。図6に示すように、mAb T5 4E10のn−ブタノール種への結合だけがエタノールアミン−リン酸塩によっ て阻害された。エタノールアミン(10mM)自体はmAb T54E10の結 合を50%阻害することができた。試験した他のすべての化合物はモノクローナ ル抗体の結合を阻害することができなかった。しかし、ヒト抗トキソプラズマ抗 体の結合は試験した化合物のいずれによっても影響されなかった。実施例5 代謝標識し、TLC精製した糖脂質を用いたGPI種の構造についての分析 親水性頭基を生成するため、[3H]グルコサミンで標識したTLC精製糖脂 質を乾燥させ、0.25M NaNO2を含む新鮮調製した0.1M酢酸ナトリ ウム(pH3.5)400μl中に懸濁して、室温で4時間インキュベートした 。0.4Mホウ酸300μ1を加えて反応を停止させた。ブタノール/水相分配 後、脂質部分を欠く物質を水相に回収した。NaBH4を用いてこの物質を還元 し、以前に述べられているように(Fie1d & Menon,タンパク質の 脂質修飾、Hooper& Turner,Oxford、155−190、1 992)AG50W−X12で脱塩した。0.2mM ZnCl2、0.02% アジナトリウムおよび0.5Uジャック豆α−マンノシダーゼ(JBAM)ある いは緩衝液を含む50mM NaAc100μl、pH4.5中に頭基を懸濁し 、37℃で24時間インキュベートした。個々の各糖脂質の親水性頭基を、JB AM処理前と処理後にバイオゲル P4ゲル濾過によって分析した。サンプルを 部分的に加水分解したデキストラン150μl (150mg/ml、Yamashitaら、Meth.Enzymol.83 、105−126、1982)と混合し、平衡させたBiogel P4(Bi orad)の140×1cmカラムに充填して、200mM酢酸アンモニウムで 溶出した。前述したように(Tomavoら、1992)オルシノール染色によ って標準的な検出を行った。6つの異なる糖脂質の内で、4つのサイズ型の親水 性頭基(各々9.5、8.5、7および6GU)が検出できた。JBAMは、い ずれの末端の、置換されていないα−D−マンノース残基についても広い特異性 を持つ。糖脂質I、II、IIIから誘導される頭基は、マンノシダーゼ処理に 感受性のない糖脂質IV、VおよびVIから誘導されるものとは対照的であり、 これは標識データと共に、糖脂質I、IIおよびIIIの末端マンノースに結合 したリン酸エタノールアミンの存在を示唆している。 GPI種の中核グリカンを単離するため、[3H]グルコサミン標識したTL C精製糖脂質を脱リン酸化し、脱アミノ化して、基本的に以前に述べられている 方法に従って(Mayorら、Methods in Enzymol.1、2 97−305、1990)還元した。簡単に述べると、48%水性 HFと共に0℃で60分間インキュベートして脱リン酸化を実施し、凍結LiO Hで中和して停止させた。反応混合物を脱塩し、脱アミノ化して、上述したよう にして還元し、最後にAG5OW−X12 1mlならびにChelex100 (Na+)0.4ml、AG50W−X12(H+)0.2m1、AG3−X4( OH-)0.4mlおよびQAE−Sephadex(OH−)0.2mlの縦 列イオン交換カラムで脱塩して、0.25μmフィルターで濾過した。バイオゲ ル P4ゲルクロマトグラフィー、Dionex HPAECおよびレクチン親 和性クロマトグラフィーによって中核グリカンを分析した。 放射標識した中核グリカンをDionex バイオ リキッド クロマトグラ フ(HPAEC)で分析した。サンプルを部分的に加水分解したデキストランと 混合した後、100mMNaOHで平衡させたCarbopak PA1カラム に充填した。100%緩衝液A(100mM NaOH)で6分間、その後緩衝 液B(100mM NaOH、0.25M NaOAc)を1ml/分の流速で 30分間に0〜30%まで直線的に増加させて溶出を実施した。0.4mlの分 画を収集した。6つの糖脂質種すべてから中核グリカンが3DU(デキストラン 単位、 ここではGlc3)基準で同時溶出した。この溶出位置は単純なMan3−AH M中核グリカンの2.5DU溶出位置とは明らかに異なり、T.ゴンディGPI のグリカンの置換を示唆している。 TLC精製したGPIから誘導された放射標識中核グリカンを上述したように JBAM処理に供し、その後脱塩したサンプルをDionex−HPAECによ って再分析した。主要反応産物の溶出位置は6種すべての糖脂質について2.4 DUであった。この溶出位置は、トリマンノシル中核に結合した非マンノース置 換物質による遮断のためJBAMに対するグリカンの感受性がごく限られている ことと一致する(置換されていない中核グリカンはJBAM処理後0.9DUと して溶出する)。この置換物質の性質を調べるため、放射標識中核グリカンの単 糖類分析を実施した。[3H]グルコサミン標識した糖脂質IIおよびIIIから 誘導された中核グリカンを乾燥させ、4N HClにより100℃で4時間加水 分解した。冷却した反応混合物を乾燥させ、メタノール5%酢酸で2回、さらに メタノールで2回フラッシュ蒸発させた。加水分解産物を、各々の単糖類10n molを含む単糖類標準混合物と混合し、1 ml/分の流速で15mM NaOHによる等力溶出を用いてDionex−H PAECによって分析し、0.25mlの分画を採集した。パルス電流滴定検出 法を用いて個々の単糖類標準物質の溶出位置を検出した。2つの放射標識単糖類 、アンヒドロマンニトールとガラクトサミンを同定した。アンヒドロマンニトー ルは、GPIの脱アミノして還元したアセチル化していないグルコサミンの誘導 体である。グルコサミンの所見は、N−アセチルガラクトサミン(GalNAc )をGPI中核グリカンのさらなる成分として提案している。 末端GalNAc残基の存在を明らかにするため、6つの糖脂質種全部からの 中核グリカンを、末端β結合N−アセチルヘキソースアミンを開裂するエキソグ リコシダーゼである、βーN−アセチルヘキソサミニダーゼと共にインキュベー トした。簡単に述べると、0.5U組換え酵素(New EnglandBio labs)を含む50mMクエン酸ナトリウムpH4.5100μl中にサンプ ルを懸濁し、37℃で12時間インキュベートして、煮沸し、脱塩し、中核グリ カンに関して上述したようにDionex−HPAECによって分析した。糖脂 質IIIおよびVIからの中核グリカンはヘキソサミニダーゼ処 理に対して感受性があった。HPAECによる処理後、GalNAc(1DU) およびMan3−AHM(2.5DU)と同時溶出する2つの分画が同定され、 これらのグリカン上にN−アセチルガラクトサミンが存在することのさらなる証 拠を提供した。GalNAcがマンノシダーゼ活性を遮断する置換物質であるこ とを示すため、ヘキソサミニダーゼとJBAMによる連続的な処理を行った。こ のように処理した糖脂質IIIおよびVIからのグリカンのHPAEC分析は、 GalNAcおよびアンヒドロマンニトールと同時溶出する2つのピークを生じ 、それらはGalNAc残基の除去後、グリカンの完全なマンノシダーゼ感受性 を示した。これに対し、糖脂質I、II、IVおよびVから誘導された中核グリ カンは、単糖類分析によってn−アセチルガラクトサミンが存在することが示さ れたが、ヘキソサミニダーゼ処理に対して感受性がなかった。 中核グリカンのバイオゲル P4ゲル濾過分析は、中核グリカンのサイズの不 均一性を示した。糖脂質IIIおよびVIから誘導された中核グリカンは、Ma n3GalNAc−AHM標準形態ラット脳Thy1抗原膜アンカーおよび6G U標準物質(中核グリカンAと称する)と同時溶出した。ヘキソサミニ ダーゼ非感受性糖脂質種I、II、IVおよびVからのグリカンは、7GU標準 物質(中核グリカンBと称する)と同時溶出した。これらの所見は、GalNA cの酵素的除去を妨げるGalNAc残基の付加的置換基の存在を示している。 これらのデータは、末端β1,4結合GalNAcに特異的なレクチンである Wistaria floribunda凝集素を用いたレクチン親和性クロマ トグラフィーによって確認された。レクチン親和性クロマトグラフィーは以前に 述べられているように実施した(Nakanoら、Arch.Biochem. Biophys.311、117−126、1994)。簡単に述べると、糖脂 質II、IIIから誘導される放射標識した中核グリカン(各々中核グリカンA およびB)とラット脳THY1膜アンカーを、0.02%アジナトリウムを含む 50mMトリス−HCl、pH7.4中に平衡させたW.floribunda 凝集素アガロース(5mgレクチン/mlゲル)の1mlカラムに適用した。平 衡緩衝液25mlを使用し、次に100mM N−アセチルガラクトサミンを特 異的阻害因子として含む同じ緩衝液15mlによって溶出を行った。中核グリカ ンAとMan3GalNAcAHM標準物質は カラムに結合し、特異的阻害因子GalNAcで溶出しなければならなかったの に対し(図7)、中核グリカンBはレクチンに対する親和性を示さず、これらの 種においてGalNAcは、存在するがさらなる置換物質のためにレクチンにア クセスできないことを明らかにした。実施例6 タキゾイト無細胞系を用いた生体外標識による中核グリカンBの成分としてのグ ルコースの同定 生体外標識の実験的アプローチは、細胞培養においてタキゾイトの生体内標識 に関してしばしば遭遇する問題を克服することができる。これらの問題は主とし て、細胞内寄生生物を取り巻く様々な膜系(宿主細胞の細胞膜、寄生虫保持胞お よびタキゾイト膜)を通しての標識の移送効率が低いことおよび/あるいは過度 の異化代謝作用あるいは標識した糖のエピメリゼーションであり、これらすべて が効率の低い非特異的な標識につながる。ここではT.ゴンディGPIの糖鎖形 成を示すために生体外標識を使用した。 感染させたVero細胞培養からタキゾイトを単離し、上述したようにガラス ウール濾過によって宿主細胞膜から精製した。 Mastersonら(Cell 56、793−800、1989)のプロト コールに修正を加えて、生体外標識のための無細胞系を調製した。簡単に述べる と、ロイペプチン1μg/mlと0.1mMのトシルリシンクロロメチルケトン (TLCK)を含む氷冷水375μl中に、2×109のタキゾイトを氷上で5 分間低張的に溶解し、その後Dounceホモジナイザ3ml中50ストローク で均質化した。溶解産物を等量の2倍濃縮したインキュベーション緩衝液(50 mM NaHEPES pH7.4、25mM KCl、5mM MgCl2、 0.1mM TLCKおよび1μg/mlロイペプチン)と混合し、再び簡単に 均質化した。2×108タキゾイトを示すこのタキゾイト無細胞膜標本調製75 μlを各々のインキューベションチューブ(前乾燥させた糖ヌクレオチド、Co AおよびATPを含む。下記参照)に加えて、37℃で2時間インキュベートし た。インキュベーションチューブは1mM ATP、CoA、UDP−GlcN Ac、UDP−GalNAcおよびGDP−Man(GDP−3H−Man以外 の標識の場合)および2μCiのGDP−3H−Manあるいは5μCiのUD P−3H−Glucを含んだ。CM 2mlを加えてイン キュベーションを停止させ、その後前述したようにGPIの抽出を実施した。ブ タノール相に含まれる糖脂質から、上述したように脱リン、脱アミノ化および還 元によって中核グリカンを調製した。生じた中核グリカンをDionex−HP AECおよびアミノプロピルHPLCによって分析した(図8)(実験の詳細に ついては実施例5参照)。 GDP−3H−Manによる生体外標識は、先に示されているように(Tom avoら、1992)Man3AHMを持つ中核グリカンおよび中核グリカンA (Man3(GalNAc)AHM)を含む糖脂質の形成をもたらし、中核グリ カンBはこれらの条件下では合成されない(図8D)。これに対し、UDP−3 H−Glcによる標識は、中核グリカンBと同時溶出するアミノプロピル−HP LCピークを生じ(図8H)、中核グリカンAおよびMan3AHMは標識され なかった。UDP−3H−Glcにより標識した中核グリカンBをアミノプロピ ル−HPLCによって精製した。精製した標識グリカンをreacti via lTMで乾燥させ、2Nトリフルオロ酢酸200μlを加えて加水分解を行い、1 00℃で4時間インキュベートした。加水分解産物を脱塩し、上述したように Dionex−HPAEC単糖類分析に供した。すべての放射能がグルコース標 準物質と同時溶出した(図9)。このデータは、中核グリカンB中の付加的な置 換物質がグルコースであることを示す。この所見を確認するため、標識していな いUDP−Glcによる刺激実験を実施した。上述したように調製したタキゾイ ト膜の無細胞系に1mM UDP−Glcを補足し、GDP−3H−Manで標 識した。これらの条件下で調製した中核グリカンの分析は、Man3AHMと中 核グリカンAの存在の他に、中核グリカンBの形成も示した(図8F)。実施例7 中核グリカンAおよびBの完全な構造の解明 T.ゴンディGPI中核グリカンの構造解明のために選択した戦略は次の通り であった: 1.抽出とブタノール/水相分離による多数のタキゾイトからの糖脂質の分離、 2.6種すべての糖脂質を含むブタノール相からの脱リン、脱アミノおよび還元 による中核グリカンの調製、 3.アミノプロピル相での中核グリカンAおよびBの予備的HPLC精製、およ び 4.メタノリシス/GC、FAB−MS、GC−MSおよびNMRによる精製グ リカンのさらなる分析。 中核グリカンAおよびBはDionex−HPAECカラムで同時溶出し、バ イオゲル P4で不完全ながら分析されるので、アミノプロピル−HPLCでサ ンプルを分離することにより、大量の各グリカン種を均一になるまで精製した。 Waters 510 HPLC系を用いて中核グリカンを分析し、精製した 。分離系を確立するため、放射標識した中核グリカンを水50μlに入れて平衡 させたLichrosorb−NH2カラム(4.9×250mm、Merck )に充填し、水28%、アセトニトリル72%により1ml/分の流速で等力的 に溶出した。1mlの分画を採集し、個々のグリカンの溶出位置をシンチレーシ ョン計数によって同定した(図10A)。ピークAおよびBを含む分画をプール し、バイオゲル P4ゲルクロマトグラフィー(図10E、G)およびDion ex−HPAEC(図10D、F)を用いて分析した。これらの実験は、ピーク Aが中核グリカンA(バイオゲル P4で6GU標準物質と同時溶出する)と同 一であり、ピークBが中核グリカンB(7GU標準物質と同時溶出する)と同一 であることを示 した。 標識していない物質の精製全体を通してトレーサとして使用するための放射標 識した中核グリカンを大量に得るため、化学的放射標識を実施した。2×109 から得た糖脂質を上述のように脱リン酸化し、脱アミノ化した。pHを10.5 に調整し、0.1N NaOH10μl中5mCiのNaB[3H]H4を加えて 放射標識を行った。酢酸で酸性化した後、サンプルを上述のように脱塩した。ア ミノプロピルSep PakTM−カートリッジ(Millipore−Wate rs) 1mlでの固相抽出を適用して、放射化学的不純物を除去した。注射器 を用いて水8ml、エタノール2mlおよびブタノール5mlでカートリッジを 予備洗浄した。サンプルを水40μl中に取り、ブタノール2mlと混合してカ ートリッジに適用し、その後ブタノール2ml、ブタノール/エタノール(2: 1)4ml、エタノール18mlおよび水3mlを用いて溶出した。精製した放 射標識中核グリカンを水中で回収した。この物質を、Dionex−HPAEC 、バイオゲル P4およびアミノプロピル−HPLCにより、代謝標識したGP Iから生成される中核グリカンと並行して分析した。これらの分析は、2nmo l のグリカンを出発物質として代謝標識した糖脂質から誘導されるグリカンと同一 の純粋な放射標識物質(1.5×107cpm)が得られることを示した。 予備的な目的で、中核グリカン25nmolを各々50,000cpmの放射 性トレーサと混合した。1.5×1011タキゾイトからの中核グリカンをHPL Cによって精製し、およそ30nmolのグリカンAと150nmolのグリカ ンBを産生した。この物質を単糖類分析と種々の質量分析およびNMR手法によ ってさらに分析した。 上述したようにメタノリシス溶解を実施した(Ferguson、GPI膜ア ンカー:分離と分析;in Glycobiology.A practica l approach、編集者FukudaおよびKobata、IRL Pr ess Oxford Univ.Press.第8章、349−383、19 93)。簡単に述べると、各々2×1010タキゾイトから誘導した中核グリカン AおよびBを含むサンプルを乾燥させ、1N HClを含む無水メタノールに懸 濁し、85℃で24時間インキュベートした。冷却した反応混合物をAg2CO3 で中和し、無水酢酸25μlを加えて15時間インキュベートすることにより再 び Nアセチル化した。遠心分離にかけた後、上清をspeedvacTM(Sava nt)で乾燥させ、新鮮調製したピリジン/ヘキサメチルジシラザン/トリメチ ルクロロシラン(Pierce)5:1:1 40μlを加えて30分間反応さ せ、誘導を実施した。25m×0.32mmのFusedSilica CP− SIL−5CBカラムを備えたHewlettPackard 5890ガスク ロマトグラフを用いて、誘導された単糖類を分析した。最初の炉の温度は130 ℃で、4℃/分の割合で220℃まで上昇させ、水素炎イオン化検出した。 どちらのサンプルについても、マンノース、N−アセチルガラクトサミンおよ び2.5アンヒドロマンニトールがおよそ3:1:1の割合で検出され(図11 )、GalNAcによって置換されたトリマンノシル中核構造の存在を示唆した 。中核グリカンBを含むサンプルではGalNAc 1モル当りキシロース2. 8モルとグルコース2モルが同定され、中核グリカンAを含むサンプルではグル コース1.3モルが同定された。どちらの糖も単糖類分析における頻度の高い夾 雑物であるが、AとBの間で他の単糖類に相違がないことは、中核グリカンB中 に存在するGalNAcの置換物質としてキシロースあるい はグルコースのいずれかが想定される。この疑問に答えるために質量分析法を適 用した。 高速原子衝撃マススペクトロメトリ(FAB−MS)による分析に先立って、 Fergusonら(Science 239、753、1988)が述べたよ うにCiucanu &Kerek(Carbohyd.Res. 131、2 09、1984)の方法に従って中核グリカンサンプルを過メチル化した。簡単 に述べると、サンプルを乾燥させ、粉末NaOH120mg/mlを含むジメチ ルスルホキシド(Pierce)100μlに懸濁した。絶えず撹拌しながらメ チルヨウ素(Sigma)20μlを3回加え、各々の添加後に10分間のイン キュベーションを行った。チオ硫酸ナトリウムで反応を停止させ、過メチル化し たグリカンをクロロホルムで抽出し、水で洗浄して濃縮した。サンプルをメタノ ール5μ1に懸濁し、グリセロールのマトリックスに負荷した。WATVセシウ ムガンを取り付けたFinnigan MAT90マススペクトロメータ(Wa gner Analysen Technik)を22kVと2μAで操作して スペクトルを得た。 過メチル化した中核グリカンAについて記録されたFABス ペクトル(図12)は、m/z 1078.4の分子イオンおよびm/z 11 00.4の各々のナトリウム付加物を示した。この質量はグリカンAについての Man−Man−(GalNAc)Man−AHMという提案した構造と一致す る。グリカンBの分析は、各々のM+Na+イオンについてm/z 1282.7 およびm/z 1304.5のM+Na+イオンの検出をもたらした。従って過メ チル化した中核グリカンAとBの質量差は204.1Dであり、これは正確にグ リカンB上の付加的なヘキソース残基を証明している(Dellら、Glyco biology、Fukuda & Kobata(編集)、Oxford、1 87−222、1993)。MALDI−TOFマススペクトロメトリによる誘 導されないグリカンの分析はこの所見を確認した(データは示していない)。 1011タキゾイトから分離し、精製した中核グリカンAおよびBを、組成、ア ノメリーおよび連鎖型を確認し、定義するために核磁気共鳴分光学(NMR)に 供した。Hardら(Glycobiology、Fukuda & Koba ta(編集)、Oxford、221−242、1993)が述べたようにして 一次元500mHzスペクトルを得、Marion ら(J.Mag.Reson.85、393−399、1989)が述べた方法 に従って2D homonuclear Harmann−Hahn(HOHA HA)スペクトルを、またBothner−Byら(J.Amer.Cem.S oc.106、811−813、1984)に従って2D Rotated f ramenuclear Overhauser効果(ROESY)を得た。 中核グリカンAおよびBについて得たIDスペクトルを、T.brucei VSG(Fergusonら、Science239、753−759、198 8)およびラット脳THY1(Homansら、Nature 333、269 −272、1988)GPI膜アンカーについて得られた公表されているスペク トルならびにデータベースと比較して解釈した。中核グリカンAについては、3 つのα結合マンノース残基、アンヒドロマンニトールおよび1つのβ結合Gal NAcからのアノマー陽子のシグナルが検出された(図13)。中核グリカンB は、サッカロースおよびマルトースと比較してα結合グルコースと同定された付 加的なαアノマーシグナルを示した。これらの所見は、中核グリカンBに関する HOHAHA分光を用いて確認 され、さらなる陽子に拡大された。中核グリカンAおよびBについて同定された 陽子のppm値を表1に要約する。 表1:1Dおよび2D HOHAHA NMRによって得た中核グリカンAおよ びBからの陽子配列 中核グリカンA: 中核グリカンB: ROESY分光を中核グリカンBに適用し、グリコシド結合に関わる各々の単 糖類残基の炭素原子を同定した。表2は関連する交叉ピークをまとめたものであ る。 表2:中核グリカンBにおけるグリコシド結合を同定するROESY交叉ピーク これらのデータは、T.ゴンディ中核グリカンAおよびBのマンノースバック ボーンが、以前に述べられた進化的保存構造Manα1,2−Manα1,6− Manα1,4−AHM(McConville & Ferguson、Bi ochem.J.294、305−324、1993)と同じであることを示し ている。中核グリカンBにおいて、GalNAcは最初のマンノース(AHMの 近位)にβ−1,4結合しており、グルコースはGalNAcにα−1,4結合 している。中核グリカンAの構造はラット脳THY1膜アンカーのマンノシル化 して いない中核グリカンの構造に類似しているが(Homansら、Nature3 33、269−272、1988)、中核グリカンBはGalNAcに連結した α結合グルコースを含む、まだ文献中では記述されていない構造を持つ。 グリコシド結合の位置に関するNMR分光学によって得られたデータは、以前 に公表された手法(Ferguson、Science 239、753−75 9、1988)に従って実施したメチル化分析によって確認された。簡単に述べ ると、80nmolの中核グリカンBを過メチル化し、酸加水分解して、生じた 過メチル化単糖類を還元し、アセチル化した。この処理後に、部分的に過メチル 化されたアルジトールアクタル(PMAA)が得られる。この物質は、加水分解 の前に有していたグリコシド結合の数と位置に依存して、メチル化対Oアセチル 化の度合が異なる。これらのPMAAはガスクロマトグラフィー−マススペクト ロスコピー(GC−MS)を用いて分離し、数量化することができる。個々のピ ークの総イオン流動クロマトグラムと質量スペクトルを図14に示す。GC保持 時間と質量スペクトルにより、2つの末端ヘキソース残基(末端マンノースとグ ルコースを表わす)、すなわち1つは炭素1、2 で結合しているヘキソース、1つは炭素1、4、6で結合しているヘキソースで あり、さらに炭素1、4で結合しているN−アセチルヘキソサミンのPMAAと して、4つのGCピークが検出され、同定された。得られた構造も図14に示し ているが、NMRおよびエキソグリコシダーゼ配列決定によって得られたデータ と一致する。 T.ゴンディ不含GPIの構造分析において得られたすべてのデータが図15 に示す構造と一致する。 グリカン中核構造AおよびBの構造説明を図16に示す。実施例8 中核グリカンAおよびBの糖複合体構造の化学的合成と結合 合成: 化合物AおよびBならびにそれらの類似化合物は種々の経路によって合成する ことができる。一例として五糖類13の合成を概説する。化合物Bの後者の類似 化合物においては、五糖類と高分子担体を結合しやするくするために、可欠アン ヒドロマンニトール単位を3−アミノプロピルリンケージハンドルによって置換 する。その代わりに、異なる鎖の長さを持つ、あるいは結合目的に適した他の官 能基(たとえばカルボキシル酸、チ オールあるいはハロゲン化物)を含むリンケージハンドルを使用してもよい。合 成は、市販のエチル1−チオ−α−D−マンノピラノシドから標準的な手法によ って(たとえばp−トルエンスルホン酸の存在下で、p−メトキシベンズアルデ ヒドジメチルアセタールにより4,6−O−p−メトキシベンジリデン基を導入 し、その後生じた2,3ジオールを臭化ベンジルと水素化ナトリウムでベンジル 化する)容易にアクセスできる、マンノース単位1から出発する。N−ヨードス クシニミド(NIS)と触媒性トリフルオロメタンスルホン酸(TfOH)の存 在下で(Veenemanら、1990、TetrahedronLett.、 31、1331)、化合物1と3−N−ベンジルオキシカルボニルアミノープロ パン−1−オルを反応させると(Berntssonら、1977、Acta Pharm.Suec.、14、229)、化合物2が形成される。化合物2を (DMF)中でNaBH3CNおよび無水CF3COOHで処理して(Johan ssonら、1984、J.Chem.Soc.Perkin Trans.I 、2371)、選択的に除去できる6−O−p−メトキシベンジル(Mbn)官 能基を持つ化合物3を生成する。3と、グルコサミンについて報告 された(Blatterら、1994、Carbohydrate Res.、 260、189)のと同様の手法によって調製したN−トリクロロアセチル−( TCA)ガラクトサミン誘導体4をトリメチルシリルトリフルオロメタンスルホ ネート(TMSOTf)の存在で結合させると、二糖類5が生じる。Bu3Sn Hと2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)(AIBN)によって トリクロロアセチル(TCA)基をアセチル基に転換させる。3つのO−アセテ ートのけん化によって対応するトリオールにアクセスすることができ、その4− および6−OH官能基は2段階の工程を用いて選択的にベンジル化することがで きる:1)過剰のBu2SnOによる処理および2)CsFの存在下でのBnB rとの反応。生じる誘導体は、(NIS)および触媒性TfOHの存在下で(V eenemanら、1990、Tetrahedron Lett.、31、1 331)、3−OH官能基においてグルコース単位6と連結してトリマー7を生 じる。7を2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン(DD Q)で処理すると(Oikawaら、1982、Tetrahedron Le tt.、23、885)化合物8を生じる。NIS− TfOHの存在下で8をマンノース単位9と反応させると(Elieら、199 0、Tetrahedron、46、8243)テトラマー10を生じ、その2 −O−ベンゾイルをNaOMeでけん化して除去すると11が生成される。11 を9で縮合すると五糖類12を導く。最後に、炭素上で10%Pdの存在下に1 )NaOMeおよび2)水素添加によって保護基を除去すると、標的とする化合 物13が得られる。 結合: 五糖類13は、以前に述べられているように(Evenbergら、1992 、J.Infect.Dis.、165、S152−S155)タンパク質担体 に容易に連結することができる。まず最初に、13を市販されているアセチルチ オ酢酸のヒドロキシスクシニミドエステルと反応させて、14を生成する。次に 化合物14をヒドロキシルアミンの存在下でブロモアセチル化したタンパク質( たとえばBSA、KLH、破傷風トキソイド)に連結して、複合体15を生成す る。その代わりに、グルタルジアルデヒドの存在下で13を直接タンパク質に連 結して五糖類−タンパク質複合体を生成することもできる。 上述した合成および結合は、反応の概要を表わした図17に 例示されている。図面の簡単な説明: 図1.T.ゴンディの精製タキゾイトの総溶解産物のウエスタンブロット分析に よって明らかにされたようなモノクローナルおよびポリクローナル抗体の抗原特 異性。糖脂質に対する2つのヒト抗トキソプラズマIgMモノクローナル抗体T OX.HuOT−1とTOX.HuOT−2(各々レーン1とレーン2)、陰性 対照として2つのヒト抗トキソプラズマIgMモノクローナル、TOX.HuO T−3とTOX.HuOT−8(レーン3、4)、マウス抗糖脂質モノクローナ ル抗体T54E10とT33F12(各々レーン5と6)、マウス抗ヒト絨毛性 ゴナドトロピンホルモン(レーン7)および陽性対照として5つのヒト抗トキソ プラズマIgM分画のプール(レーン8)と共に、フィルターをインキュベート した。 図2:T.ゴンディ糖脂質(ブタノール相)のウエスタンブロット分析;ヒトセ ロコンバーション血清IgM(A)およびIgG(B)とマウスモノクローナル 抗体T33F12(C)とT54E10(D)(Tomavoら、Parasi tol.108:139−145、1994) 図3:T.ゴンディ糖脂質のTLC分析:3H−グルコサミン(A)、3H−パル ミチン酸(B)、3H−マンノース(C)および3H−エタノールアミン(D)で 代謝標識した寄生生物から誘導したブタノール相。 図4:TLC精製したT.ゴンディ糖脂質のドットブロット分析:TLC精製し た糖脂質をニトロセルソースにスポットし、5つのヒトα−Tox IgM分画 のプールおよびマウスα−糖脂質mAb T54E10と反応させた。 図5:TLC精製したT.ゴンディ糖脂質のドットブロット分析:TLC精製し た糖脂質をニトロセルロースにスポットし、ヒトセロコンバーション血清と反応 させた。 図6:阻害ELISA:抗原としてブタノール相に含まれる糖脂質とmAb T 54E10を用いた阻害ELISA 図7:Wistaria floribunda凝集素アガロースでの、3H− グルコサミンで標識したTLC精製糖脂質から誘導した中核グリカンの分析:中 核グリカンA(A)、中核グリカンB(B)、ラット脳Thy1アンカーからの Man4GalNAcAHM(C)、矢印は緩衝液の変更を示す。 図8:タキゾイト無細胞系を用いて生体外で標識した糖脂質か ら誘導した中核グリカンのDionex−HPAECおよびアミノプロピル−H PLC分析:左側の列はHPAEC分析、右側の列はアミノプロピル−HPLC 分析を示す;A、B:生体内で標識した糖脂質から誘導した中核グリカン;標識 していないUDP−Glcの不在下(C、D)および存在下(E、F)でGDP −3H−Manにより生体外で標識した糖脂質から誘導した中核グリカン;Gと FはUDP−3H−Glcにより生体外で標識した糖脂質から誘導した中核グリ カンを示す。 図9:UDP−3H−Glcを通して生体外で標識したHPLC精製中核グリカ ンBのHPAEC単糖類分析:中核グリカンBを2N TFAにより100℃で 4時間加水分解し、脱塩して、15mM NaOHでの等力的溶出を用いたHP AECにより分析した。 図10:ブタノール相から直接の中核グリカンの予備的HPLC精製:3H−グ ルコサミンで標識した糖脂質(ブタノール相)から誘導した中核グリカンをLi nchrosorb NH2(A)で分離し、当量の物質(B、C)およびピー クA(D、E)とB(F、G)の下でプールした分画をHPAEC(左側の欄) とバイオゲル P4(右側の欄)によって分析した。ア ラビア数宇はデキストラン加水分解産物内部標準の位置を示す。 図11:中核グリカンサンプルのGC単糖類分析:中核グリカンA(A)および B(B)を含むHPLC分画をメタノール分解し、再びN−アセチル化して、T MS誘導し、GCによって分析した。 図12:中核グリカンの高速原子衝撃マススペクトロスコピー(FAB−MS) :HPLC精製した中核グリカンA(A)およびB(B)を過メチル化し、FA B−MSによって分析した。 図13:中核グリカンAおよびBの500mHz 1H−NMRスペクトル 図14:中核グリカンBのメチル化分析:中核グリカンB 80nmolを過メ チル化し、加水分解し、還元し、アセチル化して、生じたPMMAをGC−MS によって分析した。この数字は総イオンクロマトグラムを表わす。 図15:T.ゴンディ糖複合体構造の概要図。構造は本発明に従った糖複合体を 示す。糖複合体は、末端エタノールアミンホスフェートおよび/あるいはその脂 質部分の存在あるいは不在によって異なりうる。 図16:トキソプラズマ糖複合体構造の構造説明。構造は本発 明に従った糖複合体を示す。Aは独自のグルコース残基が存在しない中核グリカ ンであり、Bは固有のグルコース残基が存在する中核グリカンである。R1およ びR2基は明細書中に述べられている。糖複合体は末端エタノールアミンホスフ ェートおよび/あるいはその脂質部分の存在あるいは不在によって異なりうる。 図17:反応概要図。反応概要図の中で、本発明に従った糖複合体の合成および 結合を実施例8に従って詳細に示す。 特許手続上の微生物の寄託の国際的承認に関するプタベスト条約 国際書式 宛先 この頁の下に証明される国際受託局 オルガノン テクニカ によって、規定7.1に従って発行 バイオサイセンス リサーチ された原寄託の受託証 ユニット(F1211) ボセインド 15 5281 Rm ボックステル、オランダ国 寄託者の氏名および住所 1 規定6.4(d)が適用される場合は、その日付は、国際受託局が資格を得 た日付である。 特許手続上の微生物の寄託の国際的承認に関するプタベスト条約 国際書式 宛先 次頁に証明される国際受託局によっ オルガノン テクニカ て、規定10.2に従って発行され バイオサイセンス リサーチ る生存能力申告書 ユニット(F1211) ボセインド 15 5281 Rm ボックステル、オランダ国 生存能力申告書が発行される者の 氏名および住所 1 原寄託日、あるいは新規寄託または移転がなされた場合は、最も最近の関連 する日付(新規寄託日または移転日)を示す。2 規定10.2(a)(ii)および(iii)において言及される場合は、 最も最近の生存能力試験日に言及する。3 該当する箱にX印をつける。 4情報が要請された場合、および試験結果が陰性であった場合に記入。 特許手続上の微生物の寄託の国際的承認に関するプタベスト条約 国際書式 宛先 この頁の下に証明される国際受託局 オルガノン テクニカ によって、規定7.1に従って発行 バイオサイセンス リサーチ された原寄託の受託証 ユニット(F1211) ボセインド 15 5281 Rm ボックステル オランダ国 寄託者の氏名および住所 1 規定6.4(d)が適用される場合は、その日付は、国際受託局が資格を得 た日付である。 特許手続上の微生物の寄託の国際的承認に関するプタベスト条約 国際書式 宛先 次頁に証明される国際受託局によっ オルガノン テクニカ て、規定10.2に従って発行され バイオサイセンス リサーチ る生存能力申告書 ユニット(F1211) ボセインド 15 5281 Rm ボックステル オランダ国 生存能力申告書が発行される 者の氏名および住所 1 原寄託日、あるいは新規寄託または移転がなされた場合は、最も最近の関連 する日付(新規寄託日または移転日)を示す。2 規定10.2(a)(ii)および(iii)において言及される場合は、 最も最近の生存能力試験日に言及する。3 該当する箱にX印をつける。 4情報が要請された場合、および試験結果が陰性であった場合に記入。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07H 15/207 C07H 15/207 C07K 16/18 C07K 16/18 C12N 5/10 C12P 19/44 C12P 19/44 21/08 21/08 G01N 33/569 A G01N 33/569 33/577 B 33/577 C12N 5/00 B (72)発明者 ストリーペン,ボリス アメリカ合衆国、ペンシルバニア・19104、 フイラデルフイア、ロウカスト・ストリー ト・4247 (72)発明者 シユバルツ,ラルフ・テー ドイツ国、デー−35435・ベツテンベルク ヘーエンシユトラーセ・31

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.一般式: [式中: R1は、水素、−PO3−CH2−CH2−NH2(エタノールアミン−ホスフェー ト)、または−PO3−CH3−CH2−NH−X[式中、XはT.ゴンディ特異 的抗原]; R2は、ホスファチジルイノシトール膜アンカーのイノシトール部分に必要によ りα(1−6)結合した、α−O−R4、α(1−4)−O−アンヒドロマンニ トールまたはα(1−4)−O−グルコサミン; R3は、単糖部分; R4は、水素または−L−R5[式中、Lは、二価有機ラジカル、および、R5 は担体への結合を可能にする官能基]] で示されるグリカン中核構造を含んで成る糖複合体。 2.該単糖成分がヘキソース成分であることを特徴とする請求項1に記載の糖複 合体。 3.該ヘキソース成分がグルコース成分であることを特徴とする請求項2に記載 の糖複合体。 4.該グルコース成分が、α−1,4グリコシド結合によって、GalNAc成 分に結合されることを特徴とする請求項3に記載の糖複合体。 5.該糖複合体が、下記構造: [式中、XはT.ゴンディ特異的抗原である] を含んで成ることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の糖複合体。 6.該糖複合体が、下記段階: −タキゾイト膜の破壊、および −得られるタキゾイト懸濁液の、クロロホルム/メタノール /水(C/M/W:1/1/0.3v/v)混合物での抽出、から成る単離方法 によってT.ゴンディタキゾイトから得られることを特徴とする請求項1〜5の いずれか1つに記載の糖複合体。 7.該糖複合体が、寄託番号95090608または95090609として、 ECACC,ポートン ダウン(英国)に寄託されている不死化細胞系によって 産生されるヒトモノクローナル抗体に免疫反応性である請求項1から6のいずれ か1つに記載の糖複合体。 8.該抗体が、請求項1〜7のいずれか1つに記載の糖複合体に免疫反応性であ ることを特徴とするT.ゴンディ糖複合体に対する抗体。 9.該抗体が、モノクローナル抗体であることを特徴とする請求項8に記載の抗 体。 10.T.ゴンディ糖複合体のエピトープに結合するモノクローナル抗体であっ て、このエピトープが、寄託番号95090608および95090609とし てそれぞれECACC,ポートンダウン(英国)に寄託されているハイブリドー マ細胞系によって産生されるモノクローナル抗体TOX.HuOT−1または TOX−HuOT−2によって認識されるモノクローナル抗体。 11.寄託番号95090608および95090609としてそれぞれECA CC,ポートン ダウン(英国)に寄託されているハイブリドーマ細胞系によっ て産生されるモノクローナル抗体TOX.HuOT−1またはTOX−HuOT −2。 12.請求項9〜11のいずれか1つに記載のモノクローナル抗体を産生するこ とができる不死化細胞系。 13.寄託番号95090608および95090609としてそれぞれECA CC,ポートン ダウン(英国)に寄託されてい不死化細胞系。 14.請求項1〜7のいずれか1つに記載の糖複合体を含んで成ることを特徴と する免疫化学試薬。 15.請求項8〜11のいずれか1つに記載の抗体を含んで成ることを特徴とす る免疫化学試薬。 16.試験液が請求項9〜11のいずれか1つに記載の抗体と接触され、その後 に、免疫複合体の存在が検出されることを特徴とする、試験液中のT.ゴンディ の検出方法。 17.請求項14に記載の免疫化学試薬が、試験液と接触され、該試験液中に形 成される免疫複合体の存在が検出されることを 特徴とするT.ゴンディに対する抗体の検出方法。 18.請求項15に記載の免疫化学試薬が試験液と接触され、それにT.ゴンデ ィに対する抗体が接触され、形成される免疫複合体の存在が検出されることを特 徴とする試験液中のT.ゴンディの検出方法。 19.試験キットが、請求項14に記載の免疫化学試薬を含んで成ることを特徴 とするT.ゴンディ感染の検出のための試験キット。 20.試験キットが、請求項15に記載の免疫化学試薬を含んで成ることを特徴 とするT.ゴンディ感染の検出のための試験キット。 21.治療試薬が、請求項1〜7のいずれか1つに記載の糖複合体の生合成を阻 害する特異的阻害剤を含んで成ることを特徴とする、T.ゴンディ寄生虫の複製 の阻害のための治療試薬。 22.請求項21に記載の治療試薬によって、GPIアンカー抗原の表面発現が ブロックまたは阻害されることを特徴とする、弱毒T.ゴンディ生ワクチンの製 造方法。
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