JP2000501928A - トランスジェニック動物におけるプロテインcの製造 - Google Patents

トランスジェニック動物におけるプロテインcの製造

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ザイモジェネティクス,インコーポレイティド
ピーピーエル セラピューティクス
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Abstract

(57)【要約】 トランスジェニック非ヒト哺乳類においてプロテインCを生成するための方法が開示される。プロテインCは、Lys-ArgからR1 −R2 −R3 −R4 (ここで、R1 〜R4 は個々にArg 又はLys である)に、プロテインCのL鎖及びH鎖の間の二本鎖切断部位で修飾される。修飾されたプロテインCをコードするDNA セグメントが非ヒト哺乳類の生殖細胞中に導入され、そしてその哺乳類又はその雌の子孫が導入されたDNA セグメントから発現されたプロテインCを含む乳汁を生成する。その導入されたDNA セグメントから発現されたプロテインCは、活性化される場合、抗凝固活性を有する。異種プロテインCをコードするDNA セグメントを担持する、非ヒト哺乳類胚及びトランスジェニック非ヒト哺乳類がまた開示される。

Description

【発明の詳細な説明】 トランスジェニック動物におけるプロテインCの製造 発明の背景 プロテインCは、その活性形において、血液凝固を調節する重要な役割を演じ る。活性化されたプロテインC、すなわちセリンプロテアーゼは、制限されたタ ンパク質分解により凝固因子Va及びVIIIaを不活性化する。たとえば、組織損 傷により開始される凝固カスケードは、活性化されたプロテインCにより、妨げ られていない(unimpeded)鎖反応が損傷の領域を越えて進行するのが妨げられる 。 プロテインCは、プロセシングにより約 155個のアミノ酸のL鎖(Mr=21,000 )と 262個のアミノ酸のH鎖(Mr=40,000)とになる一本鎖前駆体ポリペプチド として肝臓において合成される。H鎖及びL鎖は、ジスルフィド結合により一緒 に維持される二本鎖不活性化タンパク質、又はチモーゲンとして血液中を循環す る。12個のアミノ酸残基のペプチドがトロンビンにより介在される反応において チモーゲンのH鎖部分のアミノ末端から切断される場合、そのタンパク質は不活 性化される。L鎖のN−末端部分は、カルシウム依存性の膜結合及び分子の活性 化のために必要とされる9個のγ−カルボキシグルタミン酸(Gla)残基を含む。 “プロテインS”として言及されるもう1つの血液タンパク質は、プロテインC により触媒される第Va因子のタンパク質分解を促進すると思われている。 プロテインCはまた、組織型プラスミノーゲン活性化因子の作用にも関与され ている(Kisielなど.,Behring Inst .Mitt.73:29-42,1983)。犬へのウシ活性 化プロテインC(APC)の注入は、高められたプラスミノーゲン活性化因子活性を もたらす(Compなど., .Clin.Invest.68 :1221-1228,1981)。他の研究(Sakataなど.,Proc .Natl .Acad.Sci.USA 82 :1121-1125,1985)は、培養された内皮細胞へのAPC の添 加がならし培地におけるフィブリン溶解活性の急速な、用量依存性上昇を導びき 、ウロキナーゼ関連及び組織型プラスミノーゲン活性化因子の活性の上昇に影響 を及ぼすことを示している。APC 処理はまた、抗−活性化因子活性の用量依存性 低下をもたらす。さらに、内因性APC に対するモノクローナル抗体に関する研究 (Snowなど.,FASEB Abstracts,1988)は、フィブリン溶解の間、動脈の開通性 を維持し、そして組織梗塞の程度を制限することにAPC を関連づけている。 実験的証拠は、プロテインCが血栓症の治療において臨床学的に有用であるこ とを示す。ヒヒモデルの血栓症に関するいくつかの研究は、低い用量での活性化 されたプロテインCがフィブリン沈着、血小板沈着及び循環の損失の防止におい て効果的であろうことを示している(Gruberなど.,Hemostasis and Thrombosis 374a :abstract 1512,1988;Widrowなど.,Fibrinolysis 2 suppl.1:abstr act 7,1988;Griffin など.,Thromb .Haemostasis 62:abstract 1512,1989) 。 さらに、活性化された外因性プロテインCは、グラム陰性敗血症の凝固障害及 び致死効果を妨げることが示されている(Taylorなど.,J .Clin.Invest.19: 918-925,1987)。ヒヒに関する研究から得られたデータは、活性化されたプロ テインCが敗血症に対する保護において天然の役割を演じることを示唆する。 最近までに、プロテインCは、血餅因子濃縮物(Marlarなど.,Blood 59:1067 -1072,1982)から、又は血漿(Kisiel,J .Clin.Invest.64:761-769,1979) から精製され、そしてインビトロで活性化された。しかしながら、得られる生成 物が、肝炎ウィルス、サ イトメガロウィルス又はヒト免疫欠損ウィルス(HIV)のような感染剤により汚染 される可能性が、その方法を好ましくないものにする。 組換え手段を通してのプロテインCの発現は、ヒト及びウシプロテインCのた めの剤が知られているので(Fosterなど.,Proc .Nat1.Acad.Sci.USA 82:4 673-4677,1985;Fosterなど.,Proc .Natl.Acad.Sci.USA 81:4766-4770,1 984 及びアメリカ特許第 4,775,624号)、理論的に可能であるが、それは制限 された成功しか満たされていない。培養された細胞におけるいくつかのビタミン K−依存性タンパク質、たとえばプロテインCの発現は、活性化される場合(す なわち、抗凝固活性を有する場合(Grinnellなど.,Bruley and Drohn,eds.,P rotein C and Related Anticoagulants :29-63,Gulf Publishing,Houston,TX 及びGrinnellなど.,Bio/Technol.5:1189-1192,1987))、商業的に価値あ るレベル及び生物学的に機能的なレベルで存在するプロテインCを生成しなかっ た。プロテインCのトランスジェニックの発現はいくらか高いレベルの発現をも たらしたが、しかし組換えタンパク質の抗凝固活性はまだ低いままであり、そし て50%以下の物質が生物学的活性を有した(Velanderなど.,Proc .Natl.Acad. Sci.USA 89 :12003-12007,1992)。従って、高レベルで発現され、そして治療的 価値を有するプロテインCを生成するための必要性がある。 発明の要約 トランスジェニック動物においてプロテインCを生成するための方法を提供す ることが本発明の目的である。乳腺においてヒトプロテインCを発現するトラン スジェニック植物を供給することがさらなる目的である。 1つの観点において、本発明はトランスジェニック動物においてプロテインC を生成するための方法を提供し、ここで前記方法は、(a)プロテインCをコー ドする第2DNA セグメントに作用可能に連結された、分泌シグナル及びプロテイ ンCプロペプチドをコードする第1DNA セグメントを含んで成るDNA 構造体を提 供し、ここで前記コードされたプロテインCがLys-Arg からR1 −R2 −R3− R4 に修飾された二本鎖切断部位を含んで成り、ここで個々のR1〜R4 が独立 してLys 又はArg であり、そして前記第1及び第2セグメントが宿主の雌動物の 授乳期乳腺におけるプロテインC DNAの発現のために必要とされる追加のDNA セ グメントに作用可能に連結されており;(b)前記DNA 構造体を非ヒト哺乳類種 の受精卵中に導入し;(c)前記DNA 構造体を担持する子孫を得るために前記卵 を前記種の雌の卵管又は子宮中に挿入し;(d)前記第1及び第2DNA セグメン トを発現し、そして前記第2セグメントによりコードされるプロテインCを含む 乳汁を生成する雌の子孫を生成するために前記子孫を飼育し、ここで前記プロテ インは活性化に基づいて抗凝固活性を有し;(e)前記雌の子孫から乳汁を集め ;そして(f)前記乳汁からプロテインCを回収することを含んで成る。1つの 態様において、R1 −R2 −R3 −R4 は、Arg-Arg-Lys-Arg(配列番号20)であ る。もう1つの態様において、前記方法はさらに、プロテインCを活性化する段 階を含んで成る。もう1つの態様において、前記非ヒト哺乳類種が羊、ウサギ、 牛及びヤギから選択される。もう1つの態様において、前記第1及び第2DNA セ グメントの個々は、イントロンを含んで成る。もう1つの態様において、前記第 2DNA セグメントは、配列番号1又は配列番号3で示されるようなヌクレオチド のDNA 配列を含んで成る。もう1つの態様において、追加のDNA セグメントは、 カゼイン、β−ラクトグロブリン、α− ラクトグロブリン、α−ラクトアルブミン及び乳清酸性タンパク質遺伝子プロモ ーターから選択された転写プロモーターを含んで成る。 もう1つの観点において、本発明は、その乳汁中に回収可能な量のヒトプロテ インCを生成するトランスジェニック非ヒト雌哺乳類を供給し、ここで乳汁中の ヒトプロテインCの少なくとも90%が二本鎖プロテインCである。 もう1つの観点においては、本発明は哺乳類のトランスジェニック子孫を生成 するための方法を提供し、ここで前記方法は、(a)プロテインCをコードする 第2DNA セグメントに作用可能に連結された、分泌シグナル及びプロテインCプ ロペプチドをコードする第1 DNA セグメントを含んで成るDNA 構造体を供給し 、ここで前記コードされたプロテインCがLys-Arg からR1 −R2 −R3 −R4 に修飾された二本鎖切断部位を含んで成り、ここで個々のR1 〜R4が独立してL ys 又はArg であり、そして前記第1及び第2セグメントが宿主の雌動物の授乳 期乳腺におけるプロテインC DNAの発現のために必要とされる追加のDNA セグメ ントに作用可能に連結されており;(b)前記DNA 構造体を非ヒト哺乳類種の受 精卵中に導入し;そして(c)前記DNA 構造体を担持する子孫を得るために前記 卵を前記種の雌の卵管又は子宮中に挿入する段階を含んで成る。 もう1つの観点において、本発明は哺乳類のトランスジェニック子孫を生成す るための方法に従って生成される非ヒト哺乳類を提供し、ここで前記方法は、( a)プロテインCをコードする第2DNAセグメントに作用可能に連結された、分 泌シグナル及びプロテインCプロペプチドをコードする第1DNA セグメントを含 んで成るDNA構造体を供給し、ここで前記コードされたプロテインCがLys-Argか らR1 −R2 −R3 −R4 に修飾された二本鎖切断部位を含んで 成り、ここで個々のR1 〜R4 が独立してLys 又はArg であり、そして前記第1 及び第2セグメントが宿主の雌動物の授乳期乳腺におけるプロテインC DNAの発 現のために必要とされる追加のDNA セグメントに作用可能に連結されており;( b)前記DNA 構造体を非ヒト哺乳類種の受精卵中に導入し;そして(c)前記DN A 構造体を担持する子孫を得るために前記卵を前記種の雌の卵管又は子宮中に挿 入する段階を含んで成る。 もう1つの観点においては、本発明は、プロテインCをコードする異種DNA セ グメントをその核に含む非ヒト哺乳類の胚を供給し、ここで前記コードされたプ ロテインCはLys-Arg からR1 −R2 −R3 −R4 に修飾された2本鎖切断部位 を含み、そして前記R1 〜R4 の個々は、それぞれLys 又はArg である。 図面の簡単な説明 図1は、非還元及び還元条件下で試験される血漿由来のプロテインC及びトラ ンスジェニックプロテインCの分析を示す。レーン1は血漿由来のプロテインC であり、そしてレーン2は羊30851 の乳汁からのトランスジェニックプロテイン Cである。 図2は、羊系30851 からのプロテインCの配列決定を示す。初期収量は、前配 列=9pモル、L鎖=563 pモル及びH鎖=565 pモルである。 図3は、血漿由来のプロテインCに比較してのトランスジェニックプロテイン Cの凝血活性を示す。 発明の詳細な説明 本発明を詳細に示す前に、本明細書において使用される一定の用語を定義する ことは有用であろう。 本明細書で使用される場合、用語“生物学的活性”とは、その抗凝集及びフィ ブリン溶解性質により特徴づけられるプロテインCを示すために使用される。プ ロテインCは、活性化された場合、リン脂質及びカルシウムの存在下で第Va因 子及び第VIIIa因子を不活性化する。活性化されたプロテインCはまた、フィブ リン溶解性を増強し、その効果はプラスミノーゲン活性化因子インヒビターのレ ベルの低下により仲介されると思われる。前に言及したように、二本鎖プロテイ ンCは、チモーゲンのH鎖部分のアミノ末端からの12個のアミノ酸のペプチドの 切断に基づいて活性化される。 用語“卵”とは、受精されていない卵、前核の融合の前の受精された卵、又は 初期段階の胚(融合された前核を有する受精された卵)を示すために使用される 。 “生物学的活性のプロテインCを含む乳汁を生成する雌の哺乳類”は、妊娠及 び分娩に続いて、受乳期間の間、生物学的活性であるよう活性化され得る回収可 能な量のプロテインCを含む乳汁を生成するものである。当業者は、そのような 動物が天然において、乳汁及び従って、プロテインCを不連続的に生成するであ ろうことを認識するであろう。 用語“子孫”とは、その通常の意味において、子及び子孫を包含するために使 用される。 用語“異種”とは、遺伝子材料が導入されている種以外の異なった種に起因す る遺伝子材料、又はそのような遺伝子材料から生成されるタンパク質を示すため に使用される。 本発明においては、トランスジェニック動物技法は、宿主の雌動物の乳腺内で プロテインCを生成するために使用される。興味あるタンパク質の乳腺における 発現及びそれに続く乳汁中へのその分泌が、他の源からのタンパク質の単離にお いて遭遇する多くの困難性 を克服する。乳汁は容易に集められ、多量に入手でき、そして生化学的に十分に 特徴づけられる。さらに、主要乳汁タンパク質が高濃 商業的観点から、高い乳汁収量を有する種を宿主として使用することは、明ら かに好ましい。小動物、たとえばマウス及びラットが使用され得るが(そして概 念の証明段階で好ましいが)、本発明においては、家畜哺乳類、たとえば羊及び 牛を使用することが好ましい。羊は、この種におけるトランスジェネシスのこれ までの歴史、乳汁収量、世代時間、費用、及び羊の乳汁を集めるための装置の容 易な入手可能性のような因子のために、特に好ましい。酪農用途のために育成さ れた宿主動物の品種、たとえばEast Friesland羊を選択し、又は後日でのトラン スジェニック系の育成により酪農家畜を導入することが一般的に所望される。い づれにせよ、既知の、良好な健康状態の動物が使用されるべきである。 ヒトプロテインCをコードするクローン化されたDNA 配列は記載されている( Foster and Davie,Proc .Natl.Acad.Sci.USA 81:4766-4770,1984;Foster など.,Proc .Natl.Acad.Sci.USA82:4673-4677,1985;及びBangなど., アメリカ特許第24,755,624号;個々は引用により本明細書に組込まれている) 。プロテインCをコードする相補的cDNAは、標準の実験方法に従って、種々の哺 乳類種の肝臓細胞から調製されたライブラリーから得られる。他の種からのDNA 、たとえばラット、ブタ、羊、牛及び霊長類によりコードされるプロテインCが 使用され得、そしてヒトcDNAからのプローブを用いて固定され得る。 好ましい態様においては、プロテインCをコードするヒトゲノムDNA が使用さ れる。ヒトプロテインC遺伝子は、25〜885 個のヌクレオチドのサイズ範囲の9 個のエキソン、及び92〜2668個のヌクレ オチドのサイズ範囲の7個のイントロンから構成される(アメリカ特許第 4,959 ,318号;引用により本明細書に組込まれる)。最初のエキソンは非コードであり 、そしてエキソン0として言及される。エキソンI、及びエキソンIIの一部は、 42個のアミノ酸のシグナル配列及びプロペプチド(すなわちプレ−プロペプチド )をコードする。エキソンIIの残る部分、エキソンIII、エキソンIV、エキソン V、及びエキソンVIの一部は、プロテインCのL鎖をコードする。エキソンVIの 残る部分、エキソンVII及びエキソンVIIIは、プロテインCのH鎖をコードする 。代表的なヒトゲノムDNA 配列及びその対応するアミノ酸配列はそれぞれ、配列 番号1及び2に示される。代表的なヒトプロテインCのcDNA配列及びその対応す るアミノ酸配列はそれぞれ、配列番号3及び4に示される。 当業者は、それらの配列の天然に存在する対立遺伝子変異体が存在し;追加の 変異体がアミノ酸の置換、欠失又は挿入により生成され得;そしてそのような変 異体が本発明において有用であることを認識するであろう。一般的に、いづれか の構築された変異体は制限された数のみのアミノ酸の置換、欠失又は挿入を含ん で成り、そしていづれかの置換が保存性であることが好ましい。従って、その対 応する生来のタンパク質に対して配列において少なくとも90%及びより好ましく は、少なくとも95%又はそれ以上の同一性を有するプロテインCポリペプチドを 生成することが好ましい。 本発明においては、一本鎖形から二本鎖型への組換えプロテインCの成熟に関 与するタンパク質分解処理(すなわち、L鎖とH鎖との間で切断される)は、二 本鎖切断部位のまわりのアミノ酸配列を修飾することによって増強される。通常 の状況下で、Arg157−Asp158結合での前駆体分子の内部タンパク質加水分解及び カルボキシぺプチダーゼ活性によるジペプチドLys156−Arg157の除去は、分泌の 前、プロテインCLの鎖及びH鎖を生成する。生来の(Lys−Arg)二本鎖切断部位 を有するプロテインCの発現は、40%までの又はそれ以上の切断されていない一 本鎖プロテインCを含むことができるプロテインCを生成する(Grinnelなど.,P rotein C and Related Anticoagulants,eds.,Bruley and Drohan,Gulf,Hous ton,pp.29-63,1990;Suttie,Thromb .Res.44:129-134,1986 及びYanなど .,Trends Biochem .Sci.14:264-268,1989)。プロテインCの一本鎖形は、活 性化され得ない。その切断部位は、アミノ酸配列R1 −R2 −R3 −R4 (ここ でR1 〜R4 の個々は、それぞれリシン(Lys)又はアルギニン(Arg)である)の形 で存在することができる。特に好ましい配列は、Arg-Arg-Lys-Arg(配列番号20 )及びLys-Arg-Lys-Arg(配列番号21)を包含する。 好ましい態様において、本発明は非ヒト哺乳類の乳汁に回収可能な量のヒトプ ロテインCを供給し、ここでヒトプロテインCの少なくとも90%、好ましくは少 なくとも95%が二本鎖プロテインCである。 乳腺における発現を得るために、乳汁タンパク質遺伝子の転写プロモーターが 使用される。乳汁タンパク質遺伝子は、カゼイン、β−ラクトグロブリン(BLG) 、α−ラクトアルブミン及び乳清酸性タンパク質をコードするそれらの遺伝子を 包含する。β−ラクトグロブリンプロモーターが好ましい。羊β−ラクトグロブ リン遺伝子の場合、羊BLG 遺伝子の少なくとも 406bpの隣接する5’側フランキ ング配列の領域(配列番号5のヌクレオチド3844〜4257内に含まれる)が一般的 に使用されるであろう。約5kbまでのより大きな5’側フランキング配列部分が 好ましい。5’側フランキングプロモーター領域及びβ−ラクトグロブリン遺伝 子の5’側非コード部分をコードする領域を包含する大きなDNA セグメント(配 列番号5のヌ クレオチド1〜4257内に含まれる)が特に好ましい。Whitelawなど.,Biochem J.286 :31-39,1992を参照のこと。他の種からのプロモーターDNA の類似する フラグメントもまた適切である。 β−ラクトグロブリン遺伝子の他の領域はまた、発現されるべき遺伝子のゲノ ム領域であり得るように、構造体に組込まれ得る。たとえば、イントロンを欠い ている構造体が、イントロンを含むそれらの構造体に比較して、受乳期のトラン スジェニック乳腺に不良に発現することは当業界において一般的に許容されてい る(Brinsterなど.,Proc .Natl.Acad.Sci.USA85:836-840,1988;Palmiter など.,Proc .Natl.Acad.Sci.USA 88:478-482,1991;Whitelawなど.,Tran sgenic Res .1 :3-13,1991;WO89/01343;WO91/02318を参照のこと)。これに 関して、プロテインCをコードする遺伝子の生来のイントロンのすべて又はいく つかを含むゲノム配列を使用することが、可能な場合、一般的に好ましい。本発 明のある態様においては、β−ラクトグロブリン遺伝子からの少なくともいくつ かのイントロンのさらなる包含が好ましい。1つのそのような領域は、羊β−ラ クトグロブリン遺伝子の3’側非コード領域からのイントロンスプライシング及 びRNA ポリアデニル化を提供するDNA セグメントである。遺伝子の天然の3’側 非コード配列が置換される場合、この羊β−ラクトグロブリンセグメントは、プ ロテインCの発現レベルを増強し、そして安定化することができる。 プロテインCの発現のためには、プロテインCをコードするDNAセグメントが 、発現単位を生成するためにそれらの発現のために必要とされる追加のDNA セグ メントに作用可能に連結される。1つのそのような追加のセグメントは、上記の 乳汁タンパク質遺伝子プロモーターである。mRNAの転写及びポリアデニル化の終 結を可能にする配列は当業界において十分に知られており、たとえば1つのその ような終結配列は“上流のマウス配列”(McGeady など.,DNA5: 289-298,198 6)である。その発現単位は、さらに、プロテインCポリペプチド鎖をコードす るセグメントに操作可能的に連結される分泌シグナルをコードするDNA セグメン トを包含する。その分泌シグナルは生来のプロテインC分泌シグナルであり得、 又はもう1つのタンパク質、たとえば乳汁タンパク質の分泌シグナルであり得る 。用語“分泌シグナル”とは、細胞の分泌路を通してタンパク質を外部に指図す るタンパク質のその部分を示すために本明細書において使用される。分泌シグナ ルは、最とも通常には、タンパク質のアミノ末端で見出される。たとえば、von Heinje,Nuc .Acids Res.14:4683-4690,1986;及びMeade など.,アメリカ特許 第 4,873,316号(それらは、引用により本明細書に組込まれる)を参照のこと。 発現単位の構成は、その発現単位は実質的にいづれかの連結の配列により構成 され得るけれども、追加のDNA セグメントを含むプラスミド又はファージベクタ ー中にプロテインC配列を挿入することによって便利には実施される。乳汁タン パク質をコードするDNA セグメントを含むベクターを供給し、そして前記乳汁タ ンパク質のためのコード配列をプロテインCのコード配列(分泌シグナルを含む )により置換することが特に便利であり、それにより、乳汁タンパク質遺伝子の 発現制御配列を含む遺伝子融合体を創造する。いづれによせ、プラスミド又は他 のベクターにおける発現単位のクローニングは、プロテインC配列の増幅を促進 する。増幅は便利には、細菌(たとえばE.コリ)宿主細胞において実施され、 従って、ベクターは典型的には、複製の起点及び細菌宿主細胞において機能的な 選択マーカーを含むであろう。 次に、発現単位は、選択された宿主種の受精卵(初期段階胚を包 含する)中に導入される。異種DNA の導入は、いくつかの経路の1つ、たとえば 前核マイクロインジェクション(たとえば、アメリカ特許第 4,873,191号)、レ トロウィルス感染(Jaenisch,Science240:1468-1474,1988)又は胚幹(ES)細 胞を用いての特定部位組込み(Bradley など.,Bio/Technology 10:534-539,1 992)により達成され得る。次に、卵が偽妊娠雌の卵管又は子宮中に移植され、 そして一定期間、成長せしめられる。それらの生殖系統に導入されたDNA を担持 する子孫は、通常のメンデルの法則に従ってそれらの子孫にDNA 伝達し、トラン スジェニック集団の開発を可能にする。トランスジェニック動物を製造するため の一般的な方法は、当業界において知られている。たとえば、Hogan など.,Man ipulatingthe Mouse Embryo :A Laboratory Manual ,Cold Spring Harbor Labor atory,1986;Simonsなど.,Bio/Technology :179-183,1988;Wellなど.,B io/Reprod .32 :645-651,1985;Buhlerなど.,Bio/Technology :140-143,1 990;Ebertなど.,Bio/Technology :835-838,1991;Krimpenfort など.,Bi o/Technology :844-847,1991;Wallなど.,J .Cell.Biochem.49:113-120 ,1992;及びWIPO公開WO88/00239,WO90/05188,WO92/11757;及びGB87/00458( それらは引用により本明細書に組込まれる)を参照のこと。外来性DNA 配列を哺 乳類及びそれらの生殖細胞中に導入するための技法は、最初、マウスにおいて開 発された。たとえば、Gordonなど.,Proc .Natl.Acad.Sci.USA 77:7380-738 4,1980;Gordon and Ruddle,Science 214:1244-1246,1981;Palmiterand Br inster,Cell 41:343-345,1985;Brinsterなど.,Proc .Natl.Acad.Sci.US A 82 :4438-4442,1985;及びHogan など.,(前記)を参照のこと。結果的に、 それらの技法は、大きな動物、たとえば家畜種による使用のために適合された( たとえばWIPO公 開WO88/00239,WO90/05188、及びWO92/11757;及びSimonsなど.,Bio/Technolog y :179-183,1988を参照のこと)。要約すると、トランスジェニックマウス 又は家畜の生成に今日まで使用されて来た最とも効果的な経路においては、興味 あるDNA の数百の線状分子が受精卵の前核の1つ中に注入される。接合体の細胞 質中へのDNAの注入もまた、使用され得る。 一般的に、雌の動物が卵胞剌激ホルモンによる処理により過排卵され、次に支 配される。受精卵が収集され、そして異種DNA が既知の方法を用いて卵中に注入 される。たとえば、アメリカ特許第 4,873,191号;Gordonなど.,Proc .Natl.A cad.Sci.USA 77 :7380-7384,1980;Gordon and Ruddle,Science 214:1244- 1246,1981;Palmiter and Brinster,Cell 41:343-345,1985;Brinsterなど. ,Proc .Natl.Acad.Sci.USA 82:4438-4442,1985;Hogan など.,Manipulat ing the Mouse Embryo :A Laboratory Manual ,Cold Spring Harbor Laboratory ,1986;Simonsなど.,Bio/Technology :179-183,1988;Wallなど.,Biol Reprod.32 :645-651,1985;Buhlerなど.,Bio/Technology :140-143,1990 ;Ebert など.,Bio/Technology :835-838,1991;Krimpenfort など.,Bio/ Technology :844-847,1991;Wallなど.,J .Cell.Biochem.49:113-120, 1992;WIPO公開WO88/00239,WO90/05118、及びWO92/11757;及びGB87/00458(そ れらは引用により本明細書に組込まれる)を参照のこと。 受精卵中への注入のためには、発現単位が、適切な制限酵素による消化により それらのそれぞれのベクターから除かれる。便利さのためには、発現単位がベク ターにおける発現単位内も又は他の場所も切断しない酵素による切断により除か れるようベクターを企画することが好ましい。発現単位は、従来の方法、たとえ ば電気−溶離 法、続くフェノール抽出及びエタノール沈殿、スクロース密度グラジエント遠心 分離、又はそれらのアプローチの組合せにより回収される。 DNA は、Hogan など.,前記に実質的に記載されているようにして卵中に注入さ れる。典型的な注入においては、胚培養培地の皿における卵が立体ズーム顕微鏡 (50倍又は63倍の倍率が好ましい)を用いて位置決定される。適切な培地は、He pes(N−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N’−2−エタンスルホン酸)又 は炭酸水素塩緩衝培地、たとえばM2又はM16(Sigma Chemical Co.,St.Loui s,USAから入手できる)、又は合成卵管培地(下記に開示される)を包含する。 卵が、たとえば細管を有するドラモンドピペットを用いて、注入リグ上のガラス フライドの中央に確保され、そして移される。低い(たとえば4倍)倍率での観 察がこの段階で使用される。注入リグの保持ピペットを用いて、卵がスライド上 の中央に配置される。個々の卵が注入のために保持ピペットに連続的に確保され る。個々の注入工程のためには、保持ピペット/卵が目視視野の中央に位置決定 される。次に、注入針が卵下に直接的に配置される。好ましくは40倍のNomarski 対物レンズを用いて、マニプレーターの両方の高さが卵及び針の両者の焦点を合 せるために調節される。前核が、卵を回転し、そして必要なら、保持ピペットア センブリーを調節することによって位置決定される。前核が位置決定されるとす ぐに、マニプレーターの高さが、前核膜の焦点を合せるために変更される。注入 針が、その針の先端が前核の中央下の位置に存在するよう卵下に配置される。次 に、針の位置が注入マニプレーターアセンブリーを用いて変更され、針及び前核 が同じ焦点平面に導びかれる。針が、注入マニプレーターアセンブリー上のジョ イスティックを通して、卵の右側の位置に動かされる。短い連続的な突きの動き により、前核膜が穴を開けられ、前核内に針の先端が残される。圧力が、たとえ ばガラス注射器を通して注入針に、前核がその体積を約2倍に膨張するまで適用 される。この点で、針がゆっくり除かれる。低い(約4倍)倍率に戻すと、その 注入された卵がスライドの種々の部分に移動され、そしてその工程が他の卵に関 してくり返えされる。 DNA が注入された後、卵は培養され、前核の融合を可能にされ、1−細胞又は 後の段階の胚が生成される。一般的に、卵は平衡塩類及び血清を含む緩衝培地に おいて、使用される種のほぼ体温で培養される。次に、生存する胚が、典型的に は、それらを卵管又は子宮中に挿入することによって、偽妊娠受容体の雌に移さ れ、そして一定期間、生長せしめられる。胚形成の間、注入されたDNA のいくつ かが、少数の生長する胚のゲノムにランダムな態様で組込む。 可能性あるトランスジェニック子孫が血液サンプル及び/又は組織生検を通し てスクリーンされる。DNA がそれらのサンプルから調製され、そして技法、たと えばポリメラーゼ鎖反応(PCR;Mullis、アメリカ特許第 4,683,202号を参照の こと)及びサザンブロット(Southern,J .Mol.Biol.98:503,1975;Maniati s など.,Molecular Clonig ;A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Labor atory,1982)により注入された構造体の存在について試験される。それらの細 胞のすべてにトランスジーンを有する創造トランスジェニック動物、又はG0完 全にトランスジェニックであり、又はサブセットの細胞のみにおいてトランスジ ーンを有するものはモザイク性である(たとえば、Wilkieなど.,Develop .Biol .118 :9-18,1986を参照のこと)。後者の場合、生殖細胞のグループは完全に 又は部分的にトランスジェニックであり得る。後者の場合、創造動物からのトラ ンスジェニック子孫の数は、メンデルの法則から推 定して、予測される50%よりも低い数であろう。創造G0動物は、性的成熟性ま で生長せしめられ、そして子孫又はG1を得るために交配される。G1はまた、 創造G0動物からの伝達を示すためにトランスジーンの存在について試験される 。雄のG0の場合、それらは多くの子孫を生成するためにいくつかの非トランス ジェニック雌と交配され得る。これは、トランスジーン伝達の観察の機会を高め る。雌のG0創造物は天然において交配され、人工的に受精され、又は過排卵さ れ、代理母に移行される多くの卵が得られる。後者の経路は、限定された数の若 い動物における伝達の観察の最良の機会を与える。上記育成方法は、正常なメン デルの法則での子孫の続く生成のためにDNA を伝達することができる動物を得る ために使用され、たとえばトランスジェニック動物のコロニー(マウス)、群れ (羊)又は集団(ブタ、ヤギ及び牛)の開発を可能にする。 授乳期のG0及びG1雌からの乳汁が、免疫学的技法、たとえばELISA(Harlo w and Lane,Antibodies.A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laborato ry,1988を参照のこと)及びウェスターンブロット(Towbinなど.,Proc .Natl .Acad.Sci.USA 76 :4350-4354,1979)を用いて、異種タンパク質の発現につ いて試験される。当業界において知られている種々の理由のために、異種タンパ ク質の発現レベルは、個々の間で異なることが予測されるであろう。 満足するファミリーの動物は、次の3種の基準を満たすべきである:それらは 同じ創造G0動物に由来すべきであり;それらはトランスジーンの安定した伝達 を示すべきであり;そしてそれらは個々の動物の世代から世代に及び授乳期から 授乳期に許容できる安定した発現レベルを示すべきである。それらの原理は、示 されており、そして論ぜられている(Carverなど.,Bio /Technology 11:1263 −1270,1993)。そのような適切なファミリーからの動物は、“系統”として言 及される。初めに、雄の動物G0又はG1が、天然の又は人工的な受精により生 産体動物の群れ又は集団を誘導するために使用される。この場合、同じトランス ジーン組込み現象を含む多くの雌の動物がすばやく生成され得、これから乳汁の 供給が得られる。 プロテインCは、標準的方法、たとえば脱脂化、沈殿、濾過、及びタンパク質 クロマトグラフィー技法を用いて乳汁から回収される。 本発明に従って生成されるプロテインCは、H鎖のアミノ末端からの活性化ペ プチドの除去により活性化され得る。活性化は、たとえばαートロンビン(Marl arなど.,Blood 59:1067-1072,1982)、トリプシン(Marlarなど.,1982、前 記)、Russelのクサリヘビ毒第X因子活性化因子(Kisiel,J .Clin.Invest.64 :761-769,1979)又は市販のプロテインC(American Diagnostica,NY,NY)を 用いて、当業界において良く知られている方法を用いて達成され得る。 本発明により提供されるプロテインC分子及びその医薬的組成物は、血管内凝 固を包含する種々の状態を処理するためにヒトへの投与のために特に有用である 。たとえば、深い静脈血栓症及び肺塞栓症は従来の抗凝固剤により処理され得る けれども、本明細書に記載される活性化されたプロテインCは、固定された高い 危険性の患者、たとえば手術を受ける患者又は充血性心機能不全を有する患者に おける血栓塞栓性合併症の発生を妨げるために使用され得る。活性化されたプロ テインCは、ヘパリンよりも一層、選択的であり、一般的に、トロンビンが生成 され、そしてフィブリン血栓が形成される場合、身体において活性的であるので 、活性化されたプロテイン Cは、深い静脈血栓症の防止のために予防的に使用される場合、ヘパリンよりも 一層効果的であり、且つ出血性合併症をたぶんほとんど引き起こさないであろう 。深い静脈血栓症の防止のために活性化されたプロテインCの用量は、約 100μ g〜100 mg/日の範囲で存在し、そして投与は手術の少なくとも約6時間前に開 始され、そして患者が歩行できるようになるまで、少なくとも続けられる。確立 された深い静脈血栓症及び/又は肺塞栓症においては、活性化されたプロテイン Cの用量は、充填用量として約 100μg〜100mg の範囲であり、続いて維持用量 は3〜300 mg/日の範囲である。活性化されたプロテインC注入からの出血性合 併症の低い可能性のために、活性化されたプロテインCは、血栓摘出又は塞栓切 除に関する手術の間又はその後、ヘパリンを置換し、又はその用量を低めること ができる。 本発明の活性化されたプロテインC組成物はまた、心臓性血栓の防止において 及び血栓性発作の処置において実質的な利用性を有するであろう。出血性合併症 を引き起こすためのその低い可能性及びその選択のために、活性化されたプロテ インCは発作犠牲者に与えられ得、そして閉塞性動脈血塞の拡張を妨げることが できる。投与される活性化されたプロテインCの量は、発作の性質及び重症度に 依存して、個々の患者により異なるが、しかし用量は一般的に、下記に提案され た用量の範囲で存在するであろう。 本明細書に提供される活性化されたプロテインCの医薬組成物は、活性化され たプロテインCの、インビトロでのフィブリン溶解を増強する能力のために、急 性心筋梗塞において有用な処理物であろう。活性化されたプロテインCは、心筋 梗塞の急性相の間、組織プラスミノーゲン活性化因子又はストレプトキナーゼと 共に与えられ得る。閉塞性冠動脈血栓症が解決された後、活性化されたプロテイ ンCが、冠動脈再閉塞を妨げるために続く数日又は数週間、与えられ得る。急性 心筋梗塞においては、患者は、少なくとも約1〜500mgの充填用量の活性化され たプロテインC、続いて1〜100 mg/日の維持用量が与えられる。 活性化されたプロテインCは、散在性血管内凝固(DIC)の処置において有用で ある。DIC を有する患者は特徴的に、広い微小循環性血栓を有し、そしてしばし ば、実質的な血餅因子の消費に起因する重度の出血性問題を有する。その選択性 のために、活性化されたプロテインCは、従来の抗凝固剤のように、DIC に関連 する出血性問題をさらに悪化させないが、しかし追加の微小血管フィブリン沈着 物の形成を遅らせ、又は阻害するであろう。 本発明は、次の非制限的な例によりさらに例示される。 例例1 A.ベクターpMAD 6の構成 ベクターpUCl8(Yanisch-Perron など.,Gene 33:103-119,1985)の複数の クローニング部位を除去し、そして制限部位PvuI/Mlu I/Eco RV/Xba I/P vu I/Mlu Iを含み、そして制限部位EcoRI及びHindIIIと適合できる5’側オ ーバーハングを端に有する合成二本鎖オリゴヌクレオチド(この鎖は配列番号6 及び配列番号7に示される)により置換した。pUC18 をEcoRI及びHindIIIの両 者により切断し、5’側の末端のリン酸基をウシ腸ホスファターゼにより除去し 、そしてオリゴヌクレオチドをベクター主鎖中に連結した。接合点を横切っての DNA 配列を配列決定により確認し、そしてその新規プラスミドをPUCPM と称した 。 pSS1tgXS(WIPO公開WO88/00239に開示される)からのβ−ラクト グロブリン(BLG)遺伝子配列を、SalI−XbaIフラグメントとして切り出し、そ してベクターpUCXS を構成するために、SalI及びXbaIにより切断されたベクタ ーpUCPM 中に再クローン化した。従って、pUCXS は、ファージSS1のSalI部位 から XbaI部位の完全なBLG 遺伝子を含むpUC18 誘導体である(Ali and Clark ,J .Mol. Biol.199:415-426,1988)。 プラスミドpSS1tgSE(WIPO公開WO88/00239に開示される)は、SphI及びEcoR I制限部位、ユニーク NotI部位を拡張する領域、及びBLG mRNAの5’未翻訳リ ーダーに存在する単一のPvuII部位を端に有する1290bpのBLGフラグメントを含む 。このPvuII部位中に、酵素EcoRVのための認識部位をコードする二本鎖の8bp のDNAリンカー(5'-GGATATCC-3')を連結した。このプラスミドを、pSS1tgSE/R Vと称した。pSS1tgSE/RVにおける SphI及び NotI制限部位により結合されるD NA 配列を酵素消化により切り出し、そしてpUCXSにおける同等のフラグメントを 置換するために使用した。得られるプラスミドをpUCXSRV と称する。pUCXSRV に おけるBLG 挿入体の配列は、BLG 遺伝子の5’未翻訳リーダー領域におけるヌク レオチド4245でのユニークEcoRV部位と共に、配列番号5に示されている。この 部位は、3’側BLGプロモーターの制御下でいづれかの追加のDNA 配列の転写開 始部位への挿入を可能にする。 プライマーBLGAMPS(5'-TGG ATC CCC TGC CGG TGC CTC TGG-3';配列番号 8 )及びBLGAMP4(5'-AAC GCG TCA TCC TCT GTG AGC CAG-3';配列番号9)を用い て、約 65ObpのPCR フラグメントを、pUCXSRV におけるBLG 遺伝子の停止コドン の3’側の配列から生成した。PCRフラグメントを、その5’末端でBamHI部位 及びその3’末端で MluI部位を有するように構築し、そしてBamHI及びMluI 切断されたpGEM7 zf(+)(Promega)中にそれ自体クローン化し、pD AM200(+)を得た。 pUCXSRV をKpnIにより消化し、そして最大のベクター含有バンドをゲル精製 した。このバンドは完全なpUC プラスミド配列、及びBLG 遺伝子からのいくつか の3’側非コード配列を含んだ。この主鎖中に、BLG3’側フランキング領域の2 .6Kbpの5’側最末端でBamHI部位を、正しい配向で効果的に構築しているpDAM2 00(+)からの小さな KpnIフラグメントを連結した。このプラスミドをpBLAC200 と称した。pBLAC200からの2.6Kbpの ClaI− XbaIフラグメントを、ClaI− Xb aI切断されたpSP72 ベクター(Promega)中に連結し、従ってBLG 配列のすぐ上流 にEcoRV部位を配置した。このプラスミドをpBLAC210と称した。 pBLAC210からの2.6KbpのEcoRV− XbaIフラグメントを、EcoRV−XbaI切断 されたpUCXSRV 中に連結し、pMAD6(配列番号23)を形成した。これは、pUCXSRV からすべてのコード及びイントロン配列を効果的に切り出し、4.2Kbpの5’側プ ロモーター、及びユニークEcoRV部位を端に有する2.6Kbpの3’側下流配列から 成るBLG ミニ遺伝子を形成した。オリゴヌクレオチドリンカー(ZC6839:ACTACG TAGT;配列番号10)を、pMAD6(配列番号23)のEcoRV部位中に挿入した。この修 飾は、EcoRV部位を破壊し、そしてクローニング目的のために使用されるSnaBI 部位を創造した。そのベクターを、pMAD6−Snaと称した。メッセンジャーRNAは 、SnaBI部位の上流で開始し、そしてSnaBI部位の下流で終結する。前駆体転写 体は、遺伝子の3’未翻訳領域内に完全に存在する、単一の BLG−由来のイント ロン、すなわちイントロン6をコードするであろう。 B.イントロンを有さないベクターpMAD β−ラクトグロブリンクローニングベクターpMADをまた構成し、イントロンを 含まない構造体においてβ−ラクトグロブリン遺伝子 プロモーターの制御下でのcDNAの挿入を可能にした。pMADを生成するために、プ ラスミドpBLAC100を、EcoRV及びSalIの両者による消化により開環した。ベク ターフラグメントをゲル精製し、そして線状化されたベクターを、SalI−EcoR VフラグメントとしてプラスミドpUCXSRV からの 4.2kbのプロモーターフラグメ ントにより連結した。その得られる構造体をpST1と称し、そして 4.2kbのプロモ ーター領域、及びβ−ラクトグロブリン翻訳終結コドンのすぐ下流で始まる 2.1 kbの3’側非コード領域を包含するβ−ラクトグロブリンミニー遺伝子を構成す る。ユニークEcoRV部位は、いすれかの追加のDNA 配列のブラント末端クローニ ングを可能にする。トランスジェニック動物を生成するためには、トランスジェ ニック動物の生成に使用されるよう意図された配列から細菌プラスミドベクター 配列を分離することは、一般的に当業界において許容され、そして好ましい。こ のβ−ラクトグロブリンミニー遺伝子を用いて新規のcDNAに基づく構造体の実際 の切除を可能にするために、ミニー遺伝子を XhoI− NotIフラグメント上のpS T1から切除し、そのDNA 末端をクレノウポリメラーゼによりフラッシュし、そし て生成物をpUCPM のEcoRV部位中に連結し、pMADを生成した。MluIによる消化 は、細菌ベクター主鎖からβ−ラクトグロブリン−cDNA構造体を生成する。 cDNA及びベクター、たとえばpMADに基づく、イントロンを有さない構造体は、 効果的な発現のために、“救援技法(rescue technology)”の使用から利益を得 る。救援技法は、トランスジェニックシステムにおける、cDNAに基づく、イント ロンを有さない構造体から得られる発現レベルを改良するために同時注入され、 そして同時組込まれたBLG 遺伝子の能力を利用する。救援技法は、WIPO公開WO92 /11358に開示されており、そして引用により本明細書に組込まれる 。例2 A.cDNA の単離 ヒトプロテインCをコードするcDNA配列をアメリカ特許第 4,959,318号(引用 により本明細書に組込まれる)に記載のようにして調製した。手短に言及すれば 、プロテインCのプレ−プロペプチドのアミノ酸−42〜−19(配列番号1)に対 応するエキソンを含むゲノムフラグメントを単離し、ニック翻訳し、そしてHepG 2 細胞からのmRNAを用いて、Gubler and Hoffman,Gene 25:263-269,1983 の 技法により構成されるcDNAライブラリーをスクリーンするためのプローブとして 使用した。この細胞系は、ヒト肝細胞から誘導され、そしてプロテインCを合成 するために前に示された(Fair and Bahnak,Blood 64:194-204,1984)。ファー ジλgt11のEcoRI部位中に挿入されるcDNAを含んで成る陽性クローンを単離し、 そしてプロテインC遺伝子の5’側非コード領域に対応するオリゴヌクレオチド プローブによりスクリーンした。1つのクローンがまた、このプローブにより陽 性であり、そしてその全ヌクレオチド配列を決定した。このcDNAは、70bpの5’ 側未翻訳配列、ヒトプロテインCのための全コード配列、及び第2のポリアデニ ル化部位は対応する全3’側非コード領域を含んだ。 B.プロテインC cDNAのサブクローニング ベクターpDXを、プラスミド pDHFR(Berknerなど.,Nuc .Acids Res.13:841 -857,1985)から生成されたpD3から誘導した。 pDHFRIIIにおけるDHFR配列のす ぐ上流の PstI部位を、PstIによる消化により BclI部位に転換した。DNA を フェノール抽出し、エタノール沈殿せしめ、そして緩衝液B(50mMのトリス、pH 8,7mMのMgCl2,7mMのβ−MSH)に再懸濁した。線状化されたプラスミド DNA 及び BclIリンカーを含む連結反応を行なった。その得られるプラスミドを フェノール抽出し、エタノール沈殿せしめ、そして BclIにより消化し、そして ゲル精製した。そのゲル精製されたプラスミドDNA を連結により環状化し、そし てE.コリ HB101を形質転換するために使用した。陽性コロニーを、制限分析に より同定し、そしてpDHFR'と命名した。陽性コロニーからのDNA を単離し、そし て dam- E.コリを形質転換するために使用した。 プラスミドpD2’を、 BclI及びBamHIによりpDHFR'及びpSV40(pML−1(Lus ky など.,Nature 293:79-81,1981)のBamHI部位中にクローン化された、BamH I消化されたSV40 DNAを含んで成る)を切断することによって生成した。DNA フ ラグメントをゲル電気泳動により分離し、そして 4.9kbのpDHFR'フラグメント及 び 0.2kbのSV40フラグメントを単離した。それらのフラグメントを連結反応に使 用し、そしてpD2’として命名されたその得られるプラスミドを用いて、E.コ RRIを形質転換した。 プラスミドpD2’を、pBR322領域における“有毒(poison)”配列を欠失する ことによって修飾した(Luskyなど.,1981、前記)。プラスミドpD2’及びpML −1を、EcoRI及び NruIにより消化した。1.7kbのpD2’フラグメント及び1.8 kbのpML−1フラグメントをゲル精製により単離し、連結反応において環状化し 、そしてE.コリ HB101を形質転換するために使用した。陽性コロニーを制限分 析を用いて同定し(pD2と命名した)、そしてEcoRI及びBclIにより消化した 。 2.8kbのフラグメント(フラグメントC)を単離し、そしてゲル精製した。 pD3の構成に使用される残るフラグメントを生成するために、pDHFRIIIを修飾 し、 SacII(SstII)部位をHindIII又は KpnI部位のいづれかに転換した。pDH FRIIIをSstIIにより消化し、そしてHindIII 又は KpnIリンカーのいづれかとの連結反応を行なった。その得られるプラスミ ドをHindIII又は KpnIのいづれかにより消化し、そしてゲル精製した。その得 られるプラスミドを、 pDHFRIII(HindIII)又は pDHFRIII(KpnI)として命名 した。700bpの KpnI− BglIIフラグメント(フラグメントA)を、 pDHFRIII( HindIII)から精製した。 SV40エンハンサー配列を、SV40 DNAをHindIIIにより最初に消化することによ り pDHFRIII(HindIII)中に挿入し、そして5089〜968bpのDNA を単離し、そし て精製した。プラスミド pDHFRIII(HindIII)をホスファターゼ処理し、そして SV40 DNA及び線状化されたプラスミド pDHFRIII(HindIII)を、連結反応に使用 した。700bpのEcoRI− KpnIフラグメント(フラグメントB)を、その得られ るプラスミドから単離した。 pD3の最終構成のために、フラグメントA(50ng),B(50ng)及びC(10ng )を連結反応において組合し、そしてE.コリ RRIを形質転換するために使用し た。陽性コロニーを単離し、そしてプラスミドDNA を調製した。 プラスミドpD3を、 BclI挿入部位をEcoRI部位に転換することによってプロ テインC配列の挿入を受容するために修飾した。最初に、pD3に存在するEcoRI 部位(アデノウィルス5 0−1における最とも左側の末端)を従来の連結方法 を通してBamHI部位に転換した。その得られるプラスミドを用いて、E.コリ H B101を形質転換した。プラスミドDNA を調製し、そして陽性クローンを制限分析 により同定した。 pD3’は、pD3と同一のベクターであるが、但しSV40ポリアデニル化シグナル (すなわちSV40 BamHI (2533bp)〜BclI(2770bp)フラグメント)が後期配 向において存在する。従って、pD3’は 、遺伝子挿入の部位としてBamHI部位を含む。 pDX を生成するために、pD3’におけるEcoRI部位を、EcoRI切断、SIヌクレ アーゼと共にインキュベーション及び BclIリンカーと共に続く連結により Bcl I部位に転換した。DNA を陽性として同定されたコロニーから調製し、そして変 更された制限部位を含む1.9kbの XhoI−PstIフラグメントを、ゲル精製を通し て調製した。第2の修飾においては、 BclI−切断されたpD3を、発現ベクター 中に遺伝子を挿入するための位置としてEcoRI部位を生成するためにEcoRI− B clIアダプターにより連結した。陽性コロニーを、制限分析により同定した。pD X として命名されたその得られるプラスミドは、外来性遺伝子の挿入のためのユ ニークEcoRI部位を有する。 プロテインC cDNAを、EcoRIフラグメントとしてpDX 中に挿入した。プラス ミドを制限分析によりスクリーンした。プロモーター要素及びプラスミドDNA に 対して正しい配向でプロテインC挿入体を有するプラスミドを、pDX/PCとして命 名した。pDX/PCにおけるcDNA挿入体は5’非コード領域にATG コドンを含むので 、欠失突然変異誘発をそのcDNAに対して行なった。3個の塩基対の欠失を、標準 の方法又はオリゴヌクレオチド−指図された突然変異誘発に従って行なった。修 飾されたcDNAを含む、 pDX−に基づくベクターを、p594として命名した。 C.プロテインCプロセッシング部位の修飾 一本鎖プロテインCの二本鎖形へのプロセッシングを増強するために、2個の 追加のアルギニン残基を、前駆体タンパク質のLys156−Arg157切断部位のすぐ上 流に導入し、4個の塩基性アミノ酸、すなわちArg-Arg-Lys-Arg(配列番号20)か ら成る切断部位をもたらした。プロテインCのその得られる変異前駆体をPC962 として命名し た。それはその切断部位で配列Ser-His-Leu-Arg-Arg-Lys-Arg-Asp(配列番号22) を含む。Arg-Asp 結合でのプロセッシングが二本鎖プロテインC分子をもたらす 。 変異分子を、突然変異誘発性オリゴヌクレオチドZC962(5’AGTCACCTGAGAAGAA AACGAGACA3’;配列番号11)を用いて、特定部位の突然変異誘発(2−プライマ ー方法について、Zoller and Smith,DNA :479-488,1984 により実質的に記 載されるような)により、クローン化されたcDNAを変更することによって生成し た。プラスミドp594を、 SstIにより消化し、そして約87bpのフラグメントをM1 3mp11中にクローン化し、そして一本鎖鋳型DNA を単離した。突然変異誘発に続 いて、正しいクローンを配列決定により同定した。複製形DNA を単離し、 SstI により消化し、そしてプロテインCフラグメントを、 SstI−切断されたp594中 に挿入した。所望する配向で挿入された SstIフラグメントを有するクローンを 、制限酵素マッピングにより同定した。その得られる発現ベクターを、pDX/PC96 2 として命名した。 D.イントロンを有さないプロテインC構造体 プロテインC cDNA、すなわちPC962 のpMAD中へのクローニングを促進するた めに、pDX/PC962 に含まれるそのcDNAを、プロテインC cDNA挿入体の最先端で EcoRV部位を組込むよう修飾した。PC962 の3’末端を包含する 769bPのSstII − PstIフラグメントを、 PstI部位間にクローン化した。フラグメントをSstII及びEcoRVにより切り出 し、そして精製した。PC962 の5’側の部分をPCR により修飾した。この反応の ためのセンスオリゴヌクレオチドプライマーは、cDNAの5’側ATG 領域を包含し 、そして生成物においてこの上流にEcoRV部位を供給した。アンチセンスオリゴ ヌクレオチド プライマーは、 SstII−EcoRVフラグメントを生成するために使用される SstII 部位を包含した。その得られるPCR 生成物をEcoRV及び SstIIにより消化し、そ して SstII−EcoRV3’側フラグメント及びEcoRV消化されたpMADにより連結し た。pCORP9と命名されたその得られるプラスミドは、β−ラクトグロブリンプロ モーターにより駆動される、イントロンを有さない融合においてEcoRV部位を端 に有するPC962 cDNAを効果的に含んだ。 E.ゲノムプロテインC DNAの構成 エキソンI〜VIIIを含むゲノムDNA 構造体を製造した。プロテインC遺伝子の エキソン構造体の開示のためには、引用により本明細書に組込まれるアメリカ特 許第 4,959,318号を参照のこと。GPC10−1と命名されたこのゲノム構造体は、 生来のプロテインC配列からのATG の上流の16個の塩基対配列をβ−ラクトグロ ブリン配列に変更し、そして下記のように、エキソン2に位置するプロペプチド 切断部位及びエキソン6に位置する二本鎖切断部位に突然変異を導入した。 構造体を、A,B,C及びDと命名され、そしてATG から停止コドンのすぐ上 流の、エキソンVIIIにおけるBamHI部位までのプロテインC遺伝子配列を包含す る4種のフラグメントを用いて集成した。フラグメントを、ヒトプロテインCの ための放射性ラベルされたcDNAプローブによりスクリーンされたλ Charon 4Aフ ァージにおけるヒトゲノムライブラリーから生成した。λライブラリーのスクリ ーニングは、完全なプロテインC遺伝子を一緒にマッピングした3種のクローン を生成した(Fosterなど.,1985、前記)。それらのクローンを、PCλ 1,PCλ 6及びPCλ8と命名した。 フラグメントAは、ゲノム配列のエキソンI及びIIを含むNotI〜EcoRIフラ グメントであり、そして1698bpであった。PCλ6のサ ブクローンは、EcoRI−EcoRIフラグメントを含み、そしてPHCR4.4−1と命名 された。 pHCR4.4−1を鋳型として、及びオリゴヌクレオチドZC6303(配列番号 12)及びZC6337(配列番号13)を用いて、DNAフラグメントをポリメラーゼ鎖反 応(PCR)により生成した。オリゴヌクレオチドZC6303は、生来のプロテインC配 列からATG 配列までの5’側の16個の塩基対配列を、β−ラクトグロブリン遺伝 子からの同等の配列に変更し、そしてNotI部位を導入した。オリゴヌクレオチ ドZC6337は、Arg-Ile-Arg-Lys-Arg(配列番号24)からのプロペプチド切断部位 をGln-Arg-Arg-Lys-Arg(配列番号25)に変更した。得られる PCR−生成された フラグメントを NotI及びBssHIIにより消化し、そして1402個の塩基対フラグメ ントをゲル精製し、そしてA1と命名した。第2のフラグメントを、鋳型として PCλ1のλgt11クローンを用いて、オリゴヌクレオチドZC6306(配列番号14)及 びZC6338(配列番号15)によりポリメラーゼ鎖反応において調製した。A3と命 名されたその得られるDNA フラグメントをBssHII及びEcoRIにより消化し、そし てゲル精製し、 296個の塩基対のフラグメントをもたらした。フラグメントA1 及びA3を、Blu )中に連結した。GPC 2−2と称するその得られるプラスミドを NotI及びEcoR Iにより消化し、ゲル精製し、そしてNotI−EcoRIのDNA フラグメントをフラ グメントAとして命名した。 pCR 2−14は、PCλ8のEcoRI−EcoRI DNAフラグメントを含むサブクロー ンである(Foster.など.,1985、前記)。プラスミドをEcoRI及びSstIにより 消化し、そしてゲル精製した。得られるフラグメントを、フラグメントBと命名 した。 プラスミドpCR 2−14を、ポリメラーゼ鎖反応において、AflII部位、及び生 来の(KR)二本鎖切断部位のRRKR突然変異を導入して いる、オリゴヌクレオチドZC6373(配列番号16)及びZC6305(配列番号17)と共 に、鋳型として使用した。得られる PCR−生成されたフラグメントを BglII及び AflIIにより消化し、そしてゲル精製し、E1と称する1441個の塩基対のフラグ メントをもたらした。フラグメントE1を、オリゴヌクレオチドZC6302(配列番 号18)及びZC6304(配列番号19)との連結反応において使用した。それらのオリ ゴヌクレオチドは、アニールされる場合、AflII及び SstII制限部位を形成し、 そしてフラグメントE1の3’末端に連結され、5’側 BglII部位及び3’側 S stII部位を有するフラグメントをもたらした。このフラグメントを、 BamHI− SstII消化された Bluescrip した。その得られるプラスミドを GPC8−5と命名し、そして SstI及び SstII により消化し、フラグメントCと称する626 塩基対のフラグメントを生成した。 第4フラグメントを、PCλ8のゲノムサブクローン(pHCB7−1)の消化によ り生成した。pHCB7−1は、エキソンVI〜VIIIを包含する、 BglII〜 BglIIフラ グメントを含んだ。pHCB7−1を SstII及びBamHIにより消化し、そして2702個 の塩基対フラグメントをゲル精製した。そのフラグメントを、フラグメントDと 命名した。 5−部分連結反応を、エキソンI及びIIを含むフラグメントA(5’側 NotI 〜3’側EcoRI)、エキソンIII,IV及びVを含むフラグメントB(5’側EcoR I〜3’側SstI)、エキソン・の5’側部分を含むフラグメントC(5’側Sst 1〜3’側 SstII)、及びエキソンVIの残りの3’側部分及びエキソンVII及びV IIIを含むフラグメントD(5’側 SstII〜3’側BamHI)と共に、NotI及びBa mH gemid ベクター(Stratagene)を用いて調製した。得られるDNA は 、8950個の塩基対であり、そして GPC10−1と命名した。 GPC10−1を初め、BLG 配列及びATG 開始コドンの上流の NotI部位、及び 両切断部位に対する修飾により生成した。pPC12/BSと命名されたクローンを、 G PC10−1の5’側 NotI部位が翻訳を妨げるmRNA分子中に二次構造体を導入しな いことを確かめるために生成した。pPC12/BSを、プロテインC遺伝子の5’側領 域を包含し、そして野生型ATG コドン環境を含む1kbの NotI− ScaIフラグメ ントのPCR 増幅を用いて生成した。これは、ATG コドンに隣接する、NotI部位 のすぐ下流のEcoRV部位を導入し、そしてBamHI部位がクローニングを促進する ために ScaI部位の3’側に組込まれた。NotI/BamHI消化に続いて、PCR生成 物を、 NotI−BamHI消化にクローン化した。pPC12/BSに存在する NotI−EcoRV− ScaIフラグメントを 切り出し、精製し、そして NotIにより線状化され、そして ScaIにより部分的 に消化された(pUC アンピシリン遺伝子は内部 ScaI部位を有する)GPCI0−1 に連結した。得られるクローンは GPC10−2と命名され、そしてATG 開始コドン のすぐ上流にEcoRV部位を有する。 GPC10−1及び GPC10−2の両者は、プロテインC遺伝子のエキソンVIIIに おいて最終のBamHI部位で終結した。終結コドンで終結する56bpの配列を再構成 するために、2つのオリゴヌクレオチドをフランキングBamHI(5’側)及び B glII(3’側)制限部位により合成した。オリゴヌクレオチドのアニーリングに 続いて、生成物をBamHI消化されたPBST+中にクローン化し、プラスミド pPC3 ’を生成した。PBST+は、新規ポリリンカーを有する、PBS(Stratagene)の誘導 体である。前記ポリリンカーの付加は、オリゴヌクレオチド構造体の破壊された BglII部位の下流のベクターポリリンカーか らの BglII, XhoI, NarI及び ClaI制限部位を付加した。 GPCI0−1の NotI−BamHIフラグメントを、 NotI/BamHI消化された pPC 3’中にサブクローン化し、プロテインCの3’側コード配列、TAG 終結コドン 、続いて BglII− XhoI− NarI− ClaIを付加した。イントロンVにおけるEc oRV部位から開始するプロテインC遺伝子の3’側領域を、EcoRV− ClaIフラ グメントに基づいてこのプラスミドから切り出した。 プロテインC遺伝子の5’側部分を包含する、 GPC10−2からのEcoRV−EcoR Vフラグメント、及びプロテインC遺伝子の3’側部分を包含する上記EcoRI− ClaIフラグメントを、PMAD6(配列番号23)のEcoRV及び ClaI部位間に組合 し、pCORP13 を生成した。これは、β−ラクトグロブリンプロモーターの制御下 で、修飾されたプロペプチド及び二本鎖切断部位によるプロテインC遺伝子のゲ ノム部分の置換を効果的にした。 追加のゲノム構造体を、修飾された二本鎖切断部位のみを含むpCORP13 から生 成した。これをPCR 増幅を用いて達成し、変異体Gln-Arg-Arg-Lys-Arg(配列番号 25)〜野生型Arg-Ile-Arg-Lys-Arg(配列番号24)の、エキソン2のコード能力の回 復をもたらす2種のフラグメントを修飾した。pC0RP13 をそれらの反応のための 鋳型として使用した。第1のフラグメントは1.3kbであり、そしてエキソン2に おけるBamHI部位までのプロテインC遺伝子の5’側末端を包含した。このため に、センスプライマーは、HindIII部位をATG 開始コドンに隣接するEcoRV部位 に付加するよう企画された。アンチセンスプライマーは、回復されたBamHI部位 を包含する、エキソン2における野生型配列を回復するよう企画された。エキソ ン2におけるBamHI部位〜イントロン2における XhoI部位の 0.2kbの第2フラ グメントをまた増幅した。前記2種のフラグメントを、pGEMII(Pr omega,Madison,WI)において組合し、pGEMPC 1.5を生成した。pCORP13 から の 7.5kbの XhoIフラグメントを、 XhoIにより消化されたpGEMPC1.5に連結し 、野生形プロペプチド切断部位及び修飾された二本鎖切断部位と共にエキソン1 −8を包含する完全なプロテインCゲノム配列を生成した。このプラスミドを、 pGEMPC14と命名した。その配列を、HindIII/SalIフラグメントとしてpGEMPC14 から切り出した。DNA 末端をクレノウ反応を用いて修復し、そしてフラグメント をEcoRVにより消化されたpMAD6(配列番号23)中にブラント末端連結し、pCOR P14を生成した。例3 初期育成ストックのためのマウス(C57BL6J,CBACA)を、Harlan Olac Ltd. (Bicester,UK)から得た。それらを、受容体雌、過排卵された雌、種畜の雄及 び精管切除された雄のためのF1ハイブリッド交雑(B6CBAF1)を生成するために 対で育成した。すべての動物は、14時間の明/10時間の暗サイクルで維持され、 そして水及び植物(特別なダイエットサービスRM3,Edinburgh,Scotland)を任 意に与えられた。 トランスジェニックマウスを、Hoganなど.,Manipulating theMouse Embryo A Laboratory Manual ,Cold Spring Harbor Laboratory,1986(その全体を引用 により本明細書に組込む)に実質的に記載のようにして生成した。雌のB6CBAF1動 物を、生後4〜5週で、妊娠した成熟雌の血清ゴナドトロピン(FOLLIGON,Vet- Drug,Falkirk,Scotland)(5iu)のi.p.注入により、続いて、45時間後 、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(CHORULON,Vet-Drug,Falkirk,Scotland)(5i u)のi.p.注入により過排卵せしめた。次に、それらを種畜雄と一晩、交尾 せしめた。そのような雌を、次に、交接したかどうかについて試験した。交尾し た雌を殺害し、そしてそれ らの卵をマイクロインジェクションのために集めた。 DNA を受精卵中に、Hogan など.,(前記)に記載のようにして注入した。手 短に言及すれば、プロテインC発現単位を含む、ベクターを、 MluIにより消化 し、そして発現単位をスクロースグラジエント遠心分離により単離した。使用さ れるすべての化学物質は、試薬品種(Sigma Chemical Co.,St.Louis,MO,U.S .A.)であり、そしてすべての溶液は無菌性であり、そしてヌクレアーゼフリー であった。1MのNaCl,20mMのトリス、pH8.0,5mMのEDTAにおける20%及び40% スクロースの溶液をUHP 水を用いて調製し、そしてフィルター殺菌した。30%ス クロース溶液を、等体積の20%及び40%溶液を混合することによって調製した。 グラジエントを、2mlのポリアロマー管中に40%,30%及び20%スクロース溶液 の 0.5ml段階を積層することによって調製し、そして1時間、放置した。100μ lのDNA溶液(最大8μgのDNA)を、そのグラジエントの上部上に負荷し、そして グラジエントを、 TLS−55ローターを用いるBeckman TL100超遠心分離機(Beckma n Instruments,Fullerton,CA,USA)において、26,000rpm で15℃で17〜20時間 、遠心分離した。グラジエントを、管の底を20gaの針により突き剌し、そして96 ウェルのマイクロタイタープレートに液滴を集めることによって分別した。3μ lのアリコートを、1%アガロースミニ−ゲル上で分析した。プロテインC DNA フラグメントを含む画分をプールし、そして 0.3Mの酢酸ナトリウムにおいて− 20℃で一晩、エタノール沈殿せしめた。DNA ペレットを、50〜100 μlのUHP 水 に再懸濁し、そして計光計により定量化した。プロテインC発現単位を、カルシ ウム及びマグのKC1,0.2gのKH2 PO4,8.0gのNaCl,1.15gのNa2HPO4を含む)、又はTE(10mMの トリス−HCl,1mMのEDTA,pH7.5)に希釈した。DN A 濃度を、卵中に注入する前、約6μg/mlに調節する(卵当たり約2plの合計 DNA 溶液)。 生後6〜8週の受容体雌を、精管切除された雄と天然の発情現象においてB6CB AF1 とを交配することによって調製した。次に、交接栓子を有する雌を、マイク ロインジェクトされた卵の移行のために維持する。 可能性あるトランスジェニック動物の出生に続いて、尾の生検を、生後4週で 、麻酔下で採取した。組織サンプルを、200μg/mlのプロテイナーゼK(Boehr inger Mannheim,Mannheim,Germany)を含む尾緩衝液(O.3Mの酢酸ナトリウム 、50mMのNaCl,1.5mM(7)MgCl2,10mMのトリス−HCIl,pH8.5, 0.5%のNP40, 0 .5%のTween20)2mlに配置し、そして振盪する。サンプルを、3時間〜一晩、5 5〜60℃で振盪する(250rpm)。生検サンプルから調製されたDNAを、PCR 及びサ ザンブロットにより注入された構造体の存在について試験する。消化された組織 を激しく振盪し、そして5μlのアリコートを、 0.5mlの微小遠心分離管に配置 する。陽性及び陰性の尾サンプルを対照として含む。40μlのシリコーン油(BD H,Poole,UK)を個々の管に添加し、そしてその管を短時間、遠心分離する。管 を、95℃までの熱サイクラー(たとえば、0mni-gene,Hybaid,Teddington,UK) の加熱ブロックにおいて10分間インキュベートする。これに続いて、個々の管は 、個々の反応混合物の最終組成が次の通りであるよう、添加されるPCR 混合物の 45μlアリコートを有する:50mMのKCl;2mMのMgCl2;10mMのトリス−HCl (pH8 .3);0.01%のゼラチン; 0.l%のNP40;10% DMSO;500nMの個々のプライマー ; 200μMのdNTP;0.02U/μlのTaq ポリメラーゼ(Boehringer Mannheim, Mannheim,Germony)。次に、管を、使用される特定のプライマーにより必要と される場合、30回の反復された温度 変化を通して循環する。プライマーは種々であり得るが、しかしすべての場合、 BLG プロモーター領域を標的化すべきである。これは、マウスがBLG 遺伝子を有 さないので、注入されたDNA フラグメントに対して特異的である。次に、 Orang e Gマーカー色素(0.25%Orange G(Sigma) 15% Ficoll タイプ400(Pharma cia Biosystems Ltd.,Milton Keynes,UK))を含む5倍の充填緩衝液12μlを 個々の管に添加し、そしてその反応混合物を、マーカー色素がゲルの長さの2/3 移動するまで、臭化エチジウム(Sigma)を含む1.6%アガロースゲル上で電気泳動 する。ゲルを、 254nmの波長を発するUV光源により可視化する。1又は複数の注 入されたDNA フラグメントを有するトランスジェニックマウスを、このアプロー チにより同定する。 陽性の尾サンプルを処理し、純粋なDNA を得る。そのDNA サンプルを、BLG プ ロモータープローブ(配列番号7のヌクレオチド2523−4253)を用いて、サザン ブロットによりスクリーンする。 上記のようにして実質的に調製されたトランスジェニックマウスのサザンブロ ット分析は、約10%の子孫がプロテインC配列を含んだとを示した。還元SDS ポ リアクリルアミドゲル電気泳動による陽性動物からの乳汁の試験は、1mg/mlま での濃度でプロテインCの存在を示した。例4 ドナーの羊を、ゼロ日目に、腟内プロゲステロン−含侵スポンジ(CHRUNOGEST Goat Sponge, Intervet,Cambridge,UK)により処理する。スポンジは、10日 又は12日間、現場放置される。 過排卵を、−4日の5:00pmで開始し、そしてゼロ日の8:00amで終わる、注 射当たり 0.125単位の8回の筋肉内注射で投与される合計1単位の羊の卵胞剌激 ホルモン(OFSH)(OVAGEN,Horizon Ani mal Reproduction Technology Pty.Ltd.,New Zealand)によりドナー羊の処理 により誘発する。黄体の抑制を引き起こすために、すなわち発情期及び排卵期へ の回帰を可能にするために、ドナーを、−4日目に、 0.5mlの黄体融解剤(ESTRU MATE,Vet-Drug)により筋肉内注射する。排卵を同時発生するために、ドナー動 物を、ゼロ日の5:00pm,2mlの合成遊離促進ホルモン類似体(RECEPTAL,Vet −Drug)により筋肉内注射する。 ドナーに、人工授精(A.I.)の前、少なくとも12時間、食物及び水を与え ない。動物を、1日目、鎮静及び局部麻酔下で卵管内ラパロスコピーにより人工 授精する。10kgの体重当たり0.05〜0.1m1の用量割合でのキシラジン(ROMPUN, Vet-Drug)、又はl0kgの体重当たり 0.1mlの用量割合での10mg/mlのACP 注射剤 (Vet-Drug)を、鎮静を付与するために、A.I.の約15分前、筋肉内注射する 。A.I.をPoll Dorset 羊からの新しく収集された精液を用いて実施する。精 液を等部の濾過されたリン酸緩衝溶液により希釈し、そしてその希釈された精液 0.2mlを、子宮角当たりに注入する。A.I.の直前又は直後、ドナーは、AMOX YPEN(Vet-Drug)の筋肉内注射を与えられる。 授精された卵を、1日目の5:00pmからの食物及び水の飢えに続いて、2日目 に回収する。回収は、10kgの体重当たり3mlの用量割合での5%チオペントンナ トリウム(INTRAVAL SODIUM,Vet-Drug)の静脈内注射により誘発された一般的 な麻酔下で実施される。麻酔は、1〜2%の Halothane/O2/N2Oの吸入により 維持される。授精された卵を回収するために、側腹切開を行ない、そして子宮を 対外に出す。卵を、ニュージーランド起原のウシ血清アルブミンにより補充され たOvum Calture Medium(Advanced Protein Products,Brierly Hill,West Midl ands,UK)により卵管を逆方向フラッシ ュすることにより回収する。フラッシングの後、子宮を腹部に戻し、そして切開 部を閉じる。ドナーは、手術後に回収を可能にされるか、又は安楽死される。回 収を可能にされたドナーは、手術の直前、又は直後、製造業者の推薦する用量割 合で Amoxypen L.A.の筋肉内注射を与えられる。 プロテインCを含むプラスミドを MluIにより消化し、そして発現単位フラグ メントを回収し、そしてスクロース密度グラジエント上で精製する。フラグメン ト濃度を螢光計により決定し、そして上記のようにカルシウム及びマグネシウム 又はTEを含まないダルベッコのリン酸緩衝溶液に希釈する。濃度を61g/mlに 調節し、そして約2plの混合物を見える前核を有する個々の授精卵の1つの前核 中にマイクロインジェクトする。 前核酸マイクロインジェクション処理に対して生存するすべての授精卵を、20 %(v/v)の精管切除された羊血清により補充される炭酸水素塩緩衝された卵 管培地(表を参照のこと)において、5%CO2:5% O2:90% N2及び 100 %の湿度の雰囲気下で38.5℃でインビトロ培養する。血清を56℃で30分間、加熱 不活性化することができ、そして使用の前、−20℃で冷凍保持される。授精卵を 適切な期間、培養し、初期胚の死亡率(操作技法により引き起こされる)の発生 を可能にする。それらの死亡した又は阻止された胚は捨てられる。5又は6の細 胞分裂までに生長した胚を、同時発生された受容体の羊に移す。 容量ホスモル濃度は 265〜285mOsmであるべきである。 2.5ml の加熱不活性化された羊血清を添加し、そしてフィルター殺 菌する。10ml のヘペス緩衝培地を製造するため ストックA 1ml ストックB 0.2ml ストックC 0.07ml ストックD 0.1ml ストックE 0.8ml 重合水 7.83ml 容量ホスモル濃度は 265〜285mOsm であるべきである。 2.5ml の加熱不活性化された羊血清を添加し、そしてフィルター殺菌する。 受容体の羊を、腟内プロゲステロン−含浸スポンジ(Chronogest Ewe Sponge 又はChronogost Ewe-Lamb Sponge,Intervet)により処理し、そしてそのスポン ジは、10日又は12日間、現場放置される。卵胞剌激ホルモン置換体(P.M.S.G .,Intervet)1.5ml(300iu)及び黄体融解剤(Estrumate,Coopers Pitmon-Moore )0.5mlにより、−1日目のスポンジの除去日に、羊に筋肉内注射する。羊を、 ゼロ日目及び1日目の8:00am〜5:00pm間で、精管切除された羊により発情に ついて試験する。 インビトロ培養において生存する胚を、6又は7日目に受容体(5又は6日目 の5:00pmから食物及び水を与えられていない)に戻す。胚の移行は、上記のよ うな一般的な麻酔下で実施される。子宮を、腹腔鏡検査を伴って又は伴わないで 側腹切開により体外に出す。胚を、少なくとも1種の適切な黄体を有する羊にお いてのみ、一方又は両方の子宮角に戻す。子宮を戻した後、切開部を閉じ、そし て受容体は回復せしめられる。動物は、手術の直前又は直後、製造業者の推薦す る用量割合で Amoxypen L.A.の筋肉内注射される。 子羊は、耳の標識により同定され、そして育成のためにそれらの母親と共に放 置される。羊及び子羊は屋内に収容されるか、又は完全なダイエット濃縮物及び 他の補充物又は自由に干し草を与えられるか、又は牧草に放される。 その後、最初の週内で(又は健全に、その後できるだけ早く)、個々の子羊を 、2回のサンプリング方法により異種DNA の存在について試験する。尾生検に続 いて、1週間以内に、10mlの血液サンプルを頸静脈からEDTA容器に採血する。組 織サンプルを、尾がその基部から第3節へのゴム性エラストレーター環の適用の 後、知覚鈍麻になった後、できるだけ早く尾生検により採取する(通常、“尾の 切断”の後、 200分以内に)。組織を尾用緩衝液の溶液にすぐに配置する。尾サ ンプルを室温で維持し、そして採取の日、分析する。すべての子羊は、生検の直 後、製造業者の推薦する用量割合でAmoxypen L.A.の筋肉内注射され、そして 尾の切断された端は抗生物質スプレーにより噴霧される。 DNAを、白血球細胞をまず分離することによって、羊の血液から抽出する。血 液サンプル10mlを、ハンクス緩衝溶液(HBS;SigmaChemical Co.から得られる) 20mlに希釈する。その希釈された血液10mlを、2つの15mlスクリューキャップさ れた管の個々における5mlとHistopaque (Sigma)上に積層する。管を3000rpm(最 大2000xg)で15分間、室温で遠心分離する。白血球細胞界面を清浄された15mlの 管に除去し、そしてHBS により15mlに希釈する。その希釈された細胞を室温で10 分間、3000rpm で回転せしめ、そして細胞ペレットを回収し、そして尾用緩衝液 2〜5mlに再懸濁する。 白血球細胞からDNA を抽出するために、10% SDSを前記再懸濁された細胞に添 加し、1%の最終濃度にし、そして管を逆さにし、溶液を混合する。1mgの新鮮 なプロティナーゼK溶液を添加し、そし てその混合物を45℃で一晩インキュベートする。DNA を等体積のフェノール/ク ロロホルム(×3)及びクロロホルム/イソアミルアルコール(×1)を用いて 抽出する。次に、DNA を、 0.3MのNaOAc 0.1体積及びエタノール2体積を添加 することによって沈殿せしめ、そして管を逆さにし、混合する。沈殿せしめられ たDNA を、密封された端を有する清浄されたガラス棒を用いてスプールする。そ のスプールを70%エタノールにより洗浄し、そしてDNA を部分的に乾燥せしめ、 次にTE(10mMのトリス−HCl,1mMのEDTA,pH7.5)に再溶解する。 血液及び尾からのDNA サンプルを、BLG プロモーター領域及びプロテインCコ ード領域についてプローブを用いてサザンブロットにより分析する。例5 BLG 及び pCORP9の両者のためにトランスジェニックである、30851 と称する 創造体の雌動物を生成した。それは2匹の雄及び40387と称するトランスジェニ ック雌を生ぜしめた。組換えトランスジェニックプロテインCを、カルシウム− 依存性モノクローナル抗体アフィニティーカラムを用いて二回のクロマトグラフ ィー段階により乳汁(30851 からの)から精製した。手短に言及すれば、乳汁サ ンプルを、40mlの体積までプールした。2体積の氷冷却された1×TBS(50mMのト リス−HCl,150mMのNaCl,pH6.5)及び200mMのEDTA(pH6.5)を添加し、カゼインを 溶解した。EDTA処理された乳汁溶液を15,000rpm で30分間、4℃で、JA20ロータ ー(Beckman Instruments,Irvine,CA)により遠心分離した。遠心分離の後、上 部の液体性及び小さなペレットを捨てた。 EDTA処理された乳汁を、等体積の氷冷却された1×TBS 及び 133mMのCaCl2に より、撹拌しながら希釈した。曇った沈殿物がCaCl2 の添加に基づいて形成した。pHを4MのNaOHの数滴の添加によりすばやく調節し 、そして沈殿物を再溶解した。いづれかの残存する不溶性物質を、0.45μmのフ ィルターを通しての濾過により除去した。 その溶解された乳汁の光学密度を 280nmで測定し、そしてタンパク質濃度を計 算した。乳汁を、25mMの最終Ca++濃度を付与するためにCaCl2を含む1×TBS 溶 液を用いて、10mg/mlのタンパク質濃度に希釈した。乳汁を用いて、固定された Ca++−依存性モノクローナル抗体 PCL−2を担持し、そして1×TBS 及び25mMの CaCl2により洗浄された抗体−セファロースを再懸濁した。 PCL−2は、一本鎖 及び二本鎖プロテインCを、それらがγ一カルボキシル化されていても又はいな くても、結合するモノクローナル抗体である。その乳汁−セファロース混合物を 、4℃で一晩インキュベートした。 マトリックスを、1×TBS 及び25mMのCaCl2 により2度洗浄し、そしてガラス カラム中に充填した。樹脂を、カルシウム含有緩衝液により1ml/分の流速で洗 浄し、そして安定した基線を、結合されたタンパク質が1×TBS 及び25mMのEDTA (pH6.5)を用いての溶出により溶離される前に達成した。プロテインCを含む画 分をプールし、そして10kDa のカットオフ膜を有するAmicon限外濾過ユニット(A micon,Danvers,MA)を用いて、約1mlに濃縮した。 モノクローナル抗体 PCL−2を、次の通りに、活性化されたSepharose 4Bに結 合した:1g(3.5ml のゲル)の臭化シアン活性化されたSepharose 4B(Pharmac ia LKB Biotechnology,Piscataway,NJ)を、1mMのHClに15分間、膨潤した。そ の膨潤されたゲルを、0.1Mの NaHCO3,0.5MのNaCl溶液(pH8.3)に再懸濁し、そ して数回、洗浄した。その洗浄されたゲルを、11mlのモノクローナル抗体溶液(P CL-2、炭酸水素塩緩衝液(pH8.3)において3.5mg/ml)(約 10mg/mlゲルの結合割合を有する)に再懸濁した。結合を、回転ミキサー上で2 時間、室温で進行せしめ、そしてゲルを軽い遠心分離により回収した。モノクロ ーナル上清液を除去し、そしてSepharose 上のいづれかの残存する部位をブロ ックするために1Mのエタノールアミンにより置換した。ブロッキングは4℃に て一夜行った。過剰の吸収されたタンパク質を、連続的な酸及びアルカリ洗浄(0 .1Mの酢酸塩、 0.5MのNaCl,pH4.0;0.1Mの NaHCO3,0.5MのNaCl,pH8.3)によ り除去し、そして結合されたゲルを、50mMのトリス−HCl,150mMのNaCl,pH6.5 , 0.02%のアミド溶液に貯蔵した。例6 精製された組換えトランスジェニックプロテインCのサンプルを、血漿由来の プロテインC及び血漿由来の活性化されたプロテインC(APC)調製物と比較した 。サンプルを、還元条件下でのSDS PAGE4−20%アクリルアミドグラジエントゲ ル上で試験し、そしてタンパク質について銀染色した。 血漿由来の物質は、約44kDa のH鎖ダブレットの存在を示す(図1、レーン1 )。これは、分子上の3個の可能性あるN−結合されたグリコシル化部位の部分 的な占有のためであると報告されている。類似するダブレットがまた、グリコシ ル化プロフィールにおいていくらかの微妙な変化のためにたぶんわずかに低い質 量であるけれども、トランスジェニックプロテインCにより見出された。L鎖は 、両調製物に関して、22kDa 近くで認識できる。有意には、血漿由来の物質の場 合、切断されていない一本鎖がH鎖ダブレット上に明確に認識された。血漿由来 のタンパク質は通常、5〜10%のこの不活性物質を含んでいた。対照的に、トラ ンスジェニックプロテインCは、このゲル分析により明白な一本鎖を含まない。 従って、それは多くても数%以下の不活性物質を含む。これは最とも可能性ある ことには、修飾された内部鎖部位の切断の高められた効率に影響を及ぼす。この 観察のさらなる支持においては、一本鎖は、トランスジェニック羊の乳汁(4038 7,300μg/mlの発現レベル)の直接的なウェスターンブロット分析により認識 されなかった。 精製されたトランスジェニックプロテインCを、さらに次の通りにして特徴づ けた: A.ELISA プロテインCについての酵素結合のイムノソルベントアッセイ(ELISA)を、 次の通りに実施した:ヒトプロテインCに対するアフィニティー精製されたポリ クローナル抗体(0.1MのNa2CO3(pH9.6)において1μg/mlの濃度で 100μl) を、96−ウェルのマイクロタイタープレートの個々のウェルに添加し、そしてプ レートを4℃で一晩インキュベートした。次に、ウェルを、0.05%の Tween−20 を含むリン酸緩衝溶液(PBS)により3度洗浄し、そして1%ウシ血清アルブミン( BSA)、0.05%の Tween−20のPBS 溶液 100μlと共に4℃で一晩インキュベート した。次に、プレートをPBS により数度すすぎ、空気乾燥せしめ、そして4℃で 貯蔵した。サンプルをアッセイするために、個々のサンプル 100μlを、1% B SA及び0.05%の Tween−20を含むPBS 中、プロテインCに対するビオチン−接合 の羊ポリクローナル抗体(30ng/ml)と共に37℃で1時間インキュベートした。 インキュベーションの後、ウェルをPBS によりすすぎ、そしてアルカリホスファ ターゼ活性を、 0.3mMのMgCl2を含む10%ジエタノールアミン溶液(pH9.8)におい て、 100μlのホスファターゼ基質(Sigma,St.Louis,MO)の添加により測定 した。 405nmでの吸光度を、マイクロタイタープレートリーダー上で読み取った 。定量化は、アミノ酸分析により定量化される血漿由来のプロテインCを用いて の標準曲線との比較によって行なわれた。 B.アミノ−末端配列決定 トランスジェニック物質のアミノ−末端配列決定を行ない、前配列の除去の程 度を確かめ、そしてγ−カルボキシル化の存在を評価した。プロテインCの3種 の可能なN−末端配列が存在した。それらは次のものであった:1)γ−カルボ キシル化を指図し、そして最初の切断部位が不完全にプロセッシングされる場合 、L鎖上に残存している前配列、2)L鎖、及び3)H鎖。トランスジェニック 乳汁から得られたプロテインCのN−末端配列は、正しいプロセッシングがそれ らの両切断部位で生じたなら、後者の2つの配列のみを含むべきである。アミノ −末端配列決定は、L鎖におけるγ−カルボキシル化の存在を示すことが予測さ れる。L鎖の最初の29個のアミノ酸において9個のカルボキシル化部位が存在す る。開放されたアミノ酸の分析に基づけば、 PTH−γ−カルボン酸誘導体がHPLC カラムから溶出し、そして従って、分析され得た。従って、γ−カルボン酸は、 グルタミン酸よりもむしろ空間としてアミノ−末端配列上に出現した。 精製されたトランスジェニックプロテインC約27pモル(1.4μl)の配列決定 から開放されるアミノ酸のpモルでの収量は、L及びH鎖の等モル混合物に関し て予測される収量に十分に対応し、そして明白な配列は前配列に関して識別され 得なかった。さらに、他の異常な配列は、検出されず、従って、不適切なタンパ ク質加水分解切断の欠乏を示した。 前で言及されたように、γ−カルボキシル化されたグルタミン酸残基は、標準 の装置条件を用いてブランクとして配列決定することが予測された。しかしなが ら、プロテインCの配列決定は、予測されるL及びH鎖配列の知識を用いて回旋 解除されるべき二本鎖配列を付与する。通常、L鎖のみが配列決定される場合、 位置6及び7 でのgla 残基がブランクとして出現する。しかしながら、損なわれていないプロ テインCとして配列決定される場合、そのH鎖配列は、位置6でグルタミン酸残 基を含む。従って、L鎖におけるgla 残基の存在の唯一の間接的な確認は、H鎖 においてグルタミン酸により“過度に書かれていない”、位置7でのグルタミン 酸の不在であった(図2)。トランスジェニック生成物のγ−カルボキシル化の 存在の他の2種の間接的な確認法は、下記に示される。 C.精製されたL鎖の質量分析 トランスジェニック−由来のプロテインC前駆体のタンパク質配列を、二本鎖 形への一本鎖のより効果的な切断を促進するためにL鎖とH鎖との間のArg-Arg- Lys-Arg(配列番号20)切断部位により修飾した。トランスジェニックプロテイン C乳汁のウェスターンブロット分析及び還元ゲル上でのその精製されたプロテイ ンCの試験は、効果的な切断が生じたことをすでに確かめた。通常、分泌の間、 但し、血漿由来の物質の切断の後、L鎖のカルボキシ末端での2つの塩基性アミ ノ酸を、塩基性カルボキシペプチドにより整えた。トランスジェニックプロテイ ンCのL鎖のカルボキシ−末端がこの修飾により導入される2つの特別な塩基性 アミノ酸、及び2つの天然のアミノ酸を除去するためにプロセッシングされたか どうかの確立は、オン−ライン流体クロマトグラフィー及び電気−スプレーイオ ン化を用いてのクオドロポール(quadropole)装置により、精製されたL鎖の質 量を測定することによって達成された。これを達成するためには、プロテインC のシステイン残基のすべてを還元し、そしてアルキル化し、そして次に、二本鎖 を逆相クロマトグラフィーにより分離した。 C1.還元性アルキル化 プロテインCは、12個のジスルフィド架橋(包含される24個のシ ステインのうち17個がL鎖に存在する)を伴って、約52kDa の分子のために重度 に架橋されるので、逆相クロマトグラフィーにより鎖を分離するための試みの前 、全タンパク質を還元的にアルキル化する必要があった。L鎖における多数のシ ステインから、アルキル化は、分子が過度に疎水性になることを妨げるために、 より通常に使用されるビニルピリジンの代わりに、ヨードアセトアミドを用いて 行なわれた。 トランスジェニックプロテインC物質(6nモルのタンパク質又は 144pモル のチオール)を次の通りに還元的にアルキル化した:0.5mlのTBS 中、 0.5mgの プロテインC(ELISA による)を、1Mのトリス(pH8.0)50μl、水 450μl、 塩化グアニジニウム 570mg、及び50mg/mlのDTT 10μl(0.3μモルは、システ インチオールよりも20倍過剰の添加されるチオールを表わす)の溶液に添加した 。その混合物を37℃で2時間インキュベートした。インキュベーションの後、 1 20mg/mlでのヨードアセトアミド20μl(0.6Mはモルに基づいてDTT よりも2 倍過剰を表わす)を添加し、そしてその混合物を4℃で1時間、暗室においてイ ンキュベートした。反応を、ヨードアセトアミドよりも 2.5倍過剰を表わす50mg /mlでのDTT 50μlを添加することによって停止した。サンプル(1.5mlの最終 体積)は、分析まで−20℃で貯蔵された。 D.L鎖の精製 プロテインCのL鎖の精製を、ジビニルベンゼン相互作用基を含む大きな孔の ポリスチレンカラム(PLRP−S,4000Å,8μm,2.1mm のID:Polymer Labora tories,Shropshire,UK)を用いて達成した。H及びL鎖の分離のための最適な 条件は次の通りであることが決定された:215nm の検出器波長を有する、 0.5ml /分の流速での溶媒A(0.1% TFA)及び溶媒B(100%アセトニトリル)、及び60 分間にわたっての30〜60%の溶媒Bのグラジエント。 画分を、溶離されたピークを通して集め、そしてサンプル(10μl)を非還元 条件下で4〜20%のグラジエントアクリルアミドゲル上での SDS−PAGEにより分 析した。L鎖(画分3〜5)を、H鎖(画分7〜9)及びH鎖の混合物を含み、 そしてグリコシル化されていないL鎖であると思われる単一の画分(6)の両者 から完全に決定した。 十分に解決されたL鎖を含むサンプルを、室温で減圧下での遠心分離蒸発によ り脱グリコシル化のために調製した。脱グリコシル化を、ペプチドN−グリカナ ーゼ(PNGase;Oxford Glycosystems,Oxford,UK)を用いて実施した。タンパク 質サンプルを50μlの緩衝液に溶解し、そして製造業者の規格に従って、1単位 (5μl)のPNGaseと共に一晩インキュベートした。 L鎖を、同じ方法により、還元され、そしてアルキル化された血漿由来のプロ テインCから精製し、そしてさらなる分析のために除グリコシル化した。 E.質量分光分析法による分析 精製されたL鎖のサンプルを、液体クロマトグラフィー及び電気スプレー界面 を用いて、Sciex Quadropole Mass Analyser(Sciex/Perkin Elmer,Toronto,CA )による質量分析にゆだねた。LCシステムは、PLRD-S 4000Å,8μmの樹脂( Polymer Laboratories)により充填された 0.5mm IDのカラムを使用した。溶媒 システムは、緩衝液A(0.1%蟻酸)、緩衝液B(0.1%蟻酸及びエタノール:プロ パン−1−オールの5:2(v/v)混合物)を含んだ。使用されるグラジエン トは、25μl/分の流速で35分間にわたっての5〜60%の緩衝液Bであった。カ ラムの流出は、陽性イオンモードで作動する質量分光計に、UV検出器を通して連 結された。 精製され、そして脱グリコシル化されたトランスジェニックL鎖が分析され、 そして18,911.0及び18,971.0の質量を有する2種の成分を付与するために再構成 された比較的弱いスペクトルを付与した。血漿L鎖がまた、分析され、そして単 一の主要成分を有する強いシグナルを付与した。血漿L鎖のスペクトルが、18,9 70.0の単一の質量を付与するために再構成された。 9個のγ−カルボキシグルタミン酸、1個のβ−ヒドロキシアスパラギン酸及 び17個のカルバミドメチルシステイン残基を担持し、そしてLeu155をコードする L鎖についての予測される質量は、18966.9723であり、これはトランスジェニッ ク(18,971.0)及び血漿由来(18,970.0)のL鎖について検出される質量にひじ ょうに近い。質量における小さな差異は、この計測器、特にLC送出に関して、精 度限界内であった。これは、再指図的にアルキル化され、そして脱グリコシル化 されたトランスジェニックL鎖の質量が血漿由来のプロテインCについての質量 に対して実質的に同一であることを示す。これは、両分子が同じ後−翻訳修飾を 受け、そしてトランスジェニック物質が十分にγ−カルボキシル化され、L鎖の カルボキシ−末端から取られたすべての4個の塩基性アミノ酸を有しており、そ して単一のβヒドロキシ−アラニンを有することを包含する。 F.活性の測定 トランスジェニックプロテインCの活性を、凝固アッセイにおいて、血漿由来 の物質の活性と比較した。アミノ酸組成分析により定量化されたプロテインCの 最初の個々のサンプルを、protac、すなわちヘビの毒(American Diagnostica In c.Greenwich,CT)と共に、1単位のProtac:10μgのプロテインCの比(ヘビ 毒:タンパク質)で、60分間、37℃でインキュベートすることによって活性化し た。次に、活性化された物質のアリコートを、活性化された部分的 トロンボプラスチン時間試薬、すなわちウサギの脳からのセファリン(Sigma)及 びカルシウムの存在下で、機械凝固測定機(Diagnostica Stago,Asmieres,FR) を用いて、プロテインC消耗されたヒト血漿(Diagnostic Reagents Ltd)の血餅 する時間を延長するそれらの能力について比較した。トランスジェニック及び血 漿由来のプロテインCの種々の添加による血餅時間の比較(図3)は、2種の調 製物がタンパク質mg当たり同じ抗−凝固活性を有することを示す。 要約すると、結果は、羊由来のトランスジェニックプロテインCがγ−カルボ キシル化及びたぶんβ−ヒドロキシル化に関して、正しく、後−翻訳的にプロセ ッシングされ、そして高い品質の精製された血漿標準に十分に等しい抗凝固活性 を有することを示す。その結果は、天然に存在するKR部位よりもむしろ修飾され たRRKR切断部位によるL鎖のC−末端プロセッシングが天然のアミノ酸と共に除 去された2種の特別な塩基性アミノ酸を有することを示す。 前述から、本発明の特定の態様が例示目的のために本明細書に記載されて来た が、種々の修飾が本発明の範囲内で行なわれ得ることが理解されるであろう。従 って、本発明は、請求の範囲により制限されない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,HU,I S,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN, MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,S D,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TR,TT ,UA,UG,UZ,VN (72)発明者 コッティンガム,イーアン イギリス国,エディンブラ イーエイチ10 6ティーダブリュ,バックストーン ロ ー/フェアマイルヘッド 9 (72)発明者 テンパリー,シモン エム. イギリス国,エディンブラ イーエイチ8 8ビーユー,キャノン ゲイト 27,ホ ワイトホース クローズ 12/4 (72)発明者 フォスター,ドナルド シー. アメリカ合衆国,ワシントン 98155,シ アトル,ノース イースト ワンハンドレ ッド エイティーファースト ストリート 3002 (72)発明者 スプレシャー,シンディー エー. アメリカ合衆国,ワシントン 98115,シ アトル,サーティーナインス アベニュ ノース イースト 8207 (72)発明者 プランカード,ドンナ イー. アメリカ合衆国,ワシントン 98117,シ アトル,ノース イースト ナインティー セカンド ストリート 1463

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.トランスジェニック動物においてプロテインCを生成するための方法であ って: プロテインCをコードする第2DNA セグメントに作用可能に連結された、分泌 シグナル及びプロテインCプロペプチドをコードする第1DNA セグメントを含ん で成るDNA 構造体を提供し、ここで前記コードされたプロテインCが(Lys)−ア ルギニン(Arg)からR1 −R2 −R3 −R4 に修飾された二本鎖切断部位を含ん で成り、ここで個々のR1 ,R2 ,R3 ,R4 が独立してLys 又はArg であり、 そして前記第1及び第2セグメントが宿主の雌動物の授乳期乳腺におけるプロテ インC DNAの発現のために必要とされる追加のDNA セグメントに作用可能に連結 されており; 前記DNA 構造体を非ヒト哺乳類種の受精卵中に導入し; 前記DNA 構造体を担持する子孫を得るために前記卵を前記種の雌の卵管又は子 宮中に挿入し; 前記第1及び第2DNA セグメントを発現し、そして前記第2セグメントにより コードされるプロテインCを含む乳汁を生成する雌の子孫を生成するために前記 子孫を飼育し、ここで前記プロテインが活性化に基づいて抗凝固活性を有し; 前記雌の子孫から乳汁を集め;そして 前記乳汁からプロテインCを回収することを含んで成る方法。 2.プロテインCを活性化する段階をさらに含んで成る請求の範囲第1項記載 の方法。 3.前記R1 −R2 −R3 −R4 がArg-Arg-Lys-Arg(配列番号20)である請求 の範囲第1項記載の方法。 4.前記種が、羊、ウサギ、牛及びヤギから選択される請求の範 囲第1項記載の方法。 5.前記第1及び第2DNA セグメントの個々がイントロンを含んで成る請求の 範囲第1項記載の方法。 6.前記第2DNA セグメントが配列番号1又は配列番号3に示されるようなヌ クレオチドのDNA 配列を含んで成る請求の範囲第1項記載の方法。 7.前記第2DNA セグメントが配列番号1に示されるようなヌクレオチドのDN A 配列を含んで成る請求の範囲第6項記載の方法。 8.前記追加のDNA セグメントが、カゼイン、β−ラクトグロブリン、α−ラ クトアルブミン及び乳清酸性タンパク質遺伝子プロモーターから成る群から選択 された転写プロモーターを含んで成る請求の範囲第1項記載の方法。 9.前記転写プロモーターがβ−ラクトグロブリン遺伝子プロモーターである 請求の範囲第8項記載の方法。 10.その乳汁において回収可能な量のヒトプロテインCを生成するトランスジ ェニック非ヒト雌哺乳類であって、前記乳汁におけるヒトプロテインCの少なく とも90%が二本鎖プロテインCであることを特徴とする哺乳類。 11.哺乳類のトランスジェニック子孫を生成するための方法であって、 プロテインCをコードする第2DNA セグメントに作用可能に連結された、分泌 シグナル及びプロテインCプロペプチドをコードする第1DNA セグメントを含ん で成るDNA 構造体を提供し、ここで前記コードされたプロテインCがLys-Arg か らR1 −R2 −R3 −R4に修飾された二本鎖切断部位を含んで成り、ここで個 々のR1 ,R2 ,R3 ,R4 が独立してLys 又はArg であり、そして前記第1及 び第2セグメントが宿主の雌動物の授乳期乳腺におけるプロテイン C DNAの発現のために必要とされる追加のDNA セグメントに操作可能的に連結さ れており; 前記DNA 構造体を非ヒト哺乳類種の受精卵中に導入し;そして 前記DNA 構造体を担持する子孫を得るために前記卵を前記種の雌の卵管又は子 宮中に挿入することを含んで成る方法。 12.前記R1 −R2 −R3 −R4 がArg-Arg-Lys-Arg(配列番号20)である請求 の範囲第11項記載の方法。 13.前記子孫が雌である請求の範囲第11項記載の方法。 14.前記子孫が雄である請求の範囲第11項記載の方法。 15.請求の範囲第10項記載の方法に従って生成された非ヒト哺乳類。 16.前記哺乳類が雌である請求の範囲第15項記載の非ヒト哺乳類。 17.活性化に基づいて抗凝固活性を有する、前記DNA 構造体によりコードされ るプロテインCを含む乳汁を生成する請求の範囲第16項記載の雌哺乳類。 18.プロテインCをコードする異種DNA セグメントをその核に含む非ヒト哺乳 類胚であって、前記コードされたプロテインCがLys-Arg からR1 −R2 −R3 −R4 (ここで、R1 ,R2 ,R3 ,R4 の個々が独立してLys 又はArg である )に修飾された二本鎖切断部位を含んで成ることを特徴とする非ヒト哺乳類胚。
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