JP2000501285A - 合成hpv11ウイルス様粒子 - Google Patents

合成hpv11ウイルス様粒子

Info

Publication number
JP2000501285A
JP2000501285A JP9519092A JP51909297A JP2000501285A JP 2000501285 A JP2000501285 A JP 2000501285A JP 9519092 A JP9519092 A JP 9519092A JP 51909297 A JP51909297 A JP 51909297A JP 2000501285 A JP2000501285 A JP 2000501285A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hpv11
hpv6
antibody
vlps
binding
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9519092A
Other languages
English (en)
Inventor
ルドメアラー,ステイーブン
ビーニンケイサ,ダイアナ
マーク,ジヨージ・イー,ザ・サード
Original Assignee
メルク エンド カンパニー インコーポレーテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from GBGB9604812.9A external-priority patent/GB9604812D0/en
Application filed by メルク エンド カンパニー インコーポレーテッド filed Critical メルク エンド カンパニー インコーポレーテッド
Publication of JP2000501285A publication Critical patent/JP2000501285A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/005Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from viruses
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/53Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor
    • G01N33/569Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor for microorganisms, e.g. protozoa, bacteria, viruses
    • G01N33/56983Viruses
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N2710/00MICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA dsDNA viruses
    • C12N2710/00011Details
    • C12N2710/20011Papillomaviridae
    • C12N2710/20022New viral proteins or individual genes, new structural or functional aspects of known viral proteins or genes

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Virology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Urology & Nephrology (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Tropical Medicine & Parasitology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 本発明は、ヒトパピローマウイルス感染のキャラクタリゼーションに有用な一連の合成ウイルス様粒子及びその合成ウイルス様粒子を用いるアッセイである。合成ウイルス様粒子は、HPV6:4;HPV6:5;HPV11:G131S;HPV11:Δ132;HPV11Y246F;HPV11:N278G;HPV11:S346T;HPV6:2;HPV6:4Δ132;及びHPV6:4,S131Gと命名した構築物から産生される。

Description

【発明の詳細な説明】 合成HPV11ウイルス様粒子 発明の分野 本発明は、ヒトパピローマウイルス感染のキャラクタリゼーションに有用な一 連の合成ウイルス様粒子(VLP)及びその合成ウイルス様粒子を用いるアッセ イである。発明の背景 パピローマウイルス感染は、ヒト、ヒツジ、イヌ、ネコ、ウサギ、サル、ヘビ 、ウシを含む種々の動物で起こる。パピローマウイルスは上皮細胞に感染し、一 般的に感染部位に良性上皮腫瘍又は良性線維上皮腫瘍を誘起する。パピローマウ イルスは種特異的感染体であり、ヒトパピローマウイルスは非ヒト動物に感染で きない。 パピローマウイルスは感染する宿主に基づき異なる群に分類できる。更に、ヒ トパピローマウイルス(HPV)は、DNA配列相同性に基づき60を超える型 に分類される(総説として、Papillomaviruses and Human Cancer,H.Pfister編, CRC Press,Inc.,1990 を参照されたい)。パピローマウイルスの一つの 型の感染に対する中和免疫は別の型のパピローマウイルスに対して免疫を与えな いという点で、パピローマウイルスの型は型特異的免疫原であるように考えられ る。 ヒトにおいて、異なるHPV型は別の病気を引起こす。HPV1、2、3、4 、7、10、26〜29型は、正常のヒト及び免疫低下ヒトの両方に良性イボを 引起こす。HPV5、8、9、12、14、15、17、19〜25、36、4 6〜50型は、免疫低下のヒトに偏平性病変を引起こす。HPV6、11、34 、39、41〜44、51〜55型は、性器粘膜又は呼吸器粘膜の非悪性コンジ ローマを引起こす。HPV16、18型は、性器粘膜の上皮異形成を引起こし、 その場所での侵入性の子宮癌、膣癌、外陰部癌、肛門癌の大部分に関連している 。HPV6とHPV11は、全てのンジローマ(性器いぼ)と喉頭乳頭腫の90 %以上に対する原因体である。HPV6型の最も豊富な亜型はHPV6aである 。 動物での免疫学研究によると、パピローマウイルス抗原に対する中和抗体の産 生は、同一型のウイルスの感染を予防する。有効なパピローマウイルスワクチン の開発は、パピローマウイルスのインビトロ培養に関する困難性により遅れてい る。有効 なHPVワクチンの開発は、適当な動物モデルが無いために特に遅れている。抗 体によるパピローマウイルスの中和は、型特異的であり、ウイルス表面のエピト ープのコンフォメーションによるように考えられる。 パピローマウイルスは小さく(50−60nm)、エンベロープを有せず、正 二十面体のDNAウイルスであって、最大8個の初期遺伝子と2個の後期遺伝子 をコードする。このウイルスゲノムの読取り枠(ORF)はE1〜E7、L1、 L2と命名されている(“E”は初期(early)、“L”は後期(late)を指す)。 L1とL2はウイルスキャプシドタンパク質をコードする。初期(E)遺伝子は 、ウイルス複製と細胞の形質転換などの機能に関連している。 L1タンパク質は主要キャプシドタンパク質であり、分子量55−60kDa を有する。L2タンパク質は少量のキャプシドタンパク質であり、推測分子量5 5−60kDaを有し、ポリアクリルアミドゲル電気泳動により測定すると見掛 けの分子量75−100kDaを有する。免疫学的データによると、L2タンパ ク質の大部分はL1タンパク質より内側にあることが示唆される。L2タンパク 質は異なるパピローマウイルス間で 高度に保存され、特にC末端の10個の塩基性アミノ酸はそうである。L1のO RFは異なるパピローマウイルスの間で高度に保存されている。 L1遺伝子とL2遺伝子は、動物でパピローマウイルス感染の予防と治療のた めのワクチンを製造するために用いられている。Zhouら(1991;1992)は、HPV 16型のL1遺伝子とL2遺伝子をワクシニアウイルスベクターにクローン化し 、組換えべクターをCV−1哺乳動物細胞に感染させ、ウイルス様粒子(VLP )を産生させた。 細菌由来組換えウシパピローマウイルスL1及びL2が製造された。組換え細 菌タンパク質に対する中和血清は、恐らくは天然タンパク質と細菌由来タンパク 質のコンフォメーションの違いによって低レベルでしか天然ウイルスと交差反応 しなかった。 HPV6L1、HPV11L1、HPV16L1、HPV18L1、HPV3 1L1、又はHPV16L2のORFを発現する組換えバキュロウイルスを用い て、昆虫Sf9細胞に感染させ、L1及びL2タンパク質が製造された。ウエス タンブロット分析によると、バキュロウイルス由来L1及びL2タン パク質はHPV16に対する抗体と反応した。 Carterら(1991)は、サッカロマイセス・セレビシエの組換え株によるHPV1 6L1タンパク質とHPV16L2タンパク質の産生を示した。Carterらはまた 、HPV6bL1タンパク質とL2タンパク質の産生を示した。HPV6bL1 タンパク質は完全長のL1タンパク質ではなかった。組換えタンパク質は細胞内 産物としても分泌産物としても産生された。組換えL1タンパク質とL2タンパ ク質の分子量は天然タンパク質と同様であった。該タンパク質が細胞内で発現さ れた場合、変性剤を用いずに細胞を溶解させたときに、該タンパク質の大部分は 不溶性であることが知見された。この不溶性のためにタンパク質の精製が容易に なりうるが、タンパク質の天然のエピトープの分析を妨げうる。 酵母から分泌された組換えタンパク質は酵母由来炭水化物を含むことが知見さ れた。これらのN結合オリゴ糖の存在によって天然のエピトープを覆い隠しうる 。更に、分泌組換えタンパク質は、分泌用リーダー配列を保持するといった他の 修飾も含みうる。 本発明は、天然のパピローマウイルスタンパク質の免疫付与 という性質を有する組換えパピローマウイルスタンパク質の製造及びそれらの製 造方法と使用に関する。本発明は、ヒトパピローマウイルス感染のキャラクタリ ゼーションに有用な一連の合成ウイルス様粒子及び合成ウイルス様粒子を用いる アッセイである。 本発明は、中和抗体との結合に必要なHPV11 L1に特異的な残基の同定 も包含する。本発明は更に、中和抗体との結合に共に必要且つ十分なHPV11 L1に特異的な2個の残基の同定も包含する。 HPV11 L1は,HPV6 L1とは38個のアミノ酸の違いと1個の残 基挿入だけが異なる。これらの2種のタンパク質間の強い相同性にも関らず、H PV11 VLPに特異的な一連の中和モノクローナル抗体が産生された。本発 明者らは、これらのアミノ酸の位置のどれが中和モノクローナル抗体の結合に重 要であるかを決定した。このことは以下のようにして行った。即ち、これらの位 置におけるHPV11アミノ酸残基の代わりにHPV6bアミノ酸残基への置換 を含むHPV11クローンのファミリーに対するモノクローナル抗体の結合を評 価し、これらの極めて重要な位置でHPV11配列と一致するよ うにHPV6bに変異を導入した。本発明者らは、中和抗体はたった2個の置換 によってHPV6b VLPに結合し、両方の置換が結合に必須であることを示 した。この研究によって、中和抗体に結合する最小ユニットが明確にされる。 HPV11に対する一連の中和モノクローナル抗体はNeilChristiansen(ペン シルバニア州立大学,Hershey,PA)から入手した。一連のモノクローナル抗体 はHPV11特異的でVLP依存性である。全てのモノクローナル抗体に重複位 置があるけれども、どのアミノ酸残基が個々の抗体の結合に影響を与えるかとい う点で、抗体は互いに区別できうる。 これらの残基は集合的に、HPV11を中和することが知られている抗体のエ ピトープを規定する。原則として、これらの選択位置だけでのHPV6 L1の 変異によって、これらのHPV11特異的中和抗体へ結合できるようになる。変 異HPV6 VLPを用いて、HPV11を中和するエピトープに対するモノク ローナル抗体を製造できる。このことは、製造されたHPV11 VLPが中和 エピトープを含むことを証明するリリースアッセイの基礎である。 この問題は、過去及び本発明者らの知見まで解決されなかっ たが、本発明者の知見はコンフォメーション依存性エピトープの移入の最初の証 明である。 克服しなければならない2つの困難が存在した。第1に、エピトープはコンフ ォメーション的であり、エピトープマッピング、ペプチドフラグメントへの結合 という通常の方法は利用できなかった。ウイルス構造に似せたウイルス様粒子の 生成を容易にするように、試験L1タンパク質を発現させることが必要であった 。第2に、マッピングに必要な多数のL1クローンのために、試験ウイルスコー トタンパク質を発現させる容易な方法の考案が必要であった。 中和エピトープを知らないで、市販できるVLPの製造を可能とすることは難 しいであろう。 変異VLPの一つの使用は、HPV11リリースアッセイにおける試薬として である。これらの研究で規定された位置でHPV11に一致するように、HPV 6 L1に変異を導入する。これらの変異HPV6 VLPに対するHPV11 中和モノクローナル抗体の結合が証明されよう。 これらの変異HPV6 VPLは、HPV11中和モノクローナル抗体への結 合のための製造されたHPV11 VLPを 用いる競合結合アッセイで使用できる。モノクローナル抗体に結合することが証 明されたHPV6変異体だけが、真の物質と競合する。 あるいは、変異HPV6上の中和エピトープに対し、モノクローナル抗体を製 造できる。製造されたHPV11ワクチンは、これらの抗体に結合することが証 明されよう。発明の概要 本発明は、ヒトパピローマウイルス感染のキャラクタリゼーションに有用な一 連の合成ウイルス様粒子及びその合成粒子を用いるアッセイである。合成ウイル ス様粒子は、HPV6:4、HPV6:5、HPV11:G131S、HPV1 1:Δ132、HPV11Y246F、HPV11:N278G、HPV11: S346T、HPV6:2、HPV6:4Δ132、及びHPV6:4,S13 1Gと命名した構築物から製造される。図面の簡単な説明 図1は、型特異性を有するVLPが一過性トランスフェクションで産生される ことを示す。Sf9細胞は、BaculogoldTMDNA、及びpVL1393:CRP VもしくはpVL1393:HPV11で同時トランスフェクションされた。細 胞を6日後 回収し、抽出液を調製し、ELISAを、本文に記載したように行った。カラム 1,CRPV VLP;カラム2,HPV11 VLP;カラム3,SF9抽出 液;カラム4,バキュロウイルスDNA;カラム5,pVL1393:CRPV ;カラム6,pVL1393:HPV11。 A.一次抗体はCRPV.5A腹水の10-5希釈である。 B.一次抗体はH11.F1腹水の10-5希釈である。 図2は、一過性トランスフェクションによって産生される免疫原物質は変性に 感受性であることを示す。Sf9細胞を、pVL1393:HPV11とBaculo GoldTMDNAで同時トランスフェクションし、細胞を6日後回収し、抽出液を本 文に記載したように調製した。抽出液の一部を0.1M炭酸ナトリウム,pH1 0.5中に希釈して、変性させ、室温で1時間インキュベートした。次に、これ らの抽出液をミクロタイタープレートに被覆し、乾燥させた。非処理抽出液をミ クロタイタープレートに被覆し、4℃で一晩インキュベートした。H11.F1 腹水又はH6.C6腹水の10-5希釈を用い、方法の項に記載してあるようにE LISAを行った。カラム1,Sf9抽出液;カラム2,pVL1393抽出液 。A,抽出液は非変性;B, 抽出液は炭酸緩衝液処理。 図3は、HPV11とHPV6のL1タンパク質のアミノ酸配列を示す。これ らの配列はまたEMBLジーンバンクでも利用できる。 図4は、クローンHPV6:2(位置131での置換、位置132を作出する チロシン挿入)から製造されるVLPは抗体H11.B2、H11.F1、H1 1.G5と結合することを示す。対照的に、位置131(HPV6:4,G13 1S)又は位置132(HPV6:4Δ132)で復帰変異したHPV6:4か ら製造されたVLPは、3個の他の極めて重要な残基置換が存在するのにも関ら ず、これらの抗体に結合しない。抗体H11B2、H11F1、H11G5は異 種移植系での中和モノクローナル抗体である。H6C6で、実施例4で記載した L1産生の総レベルが測定される。ELISAは実施例3で記載のように行った 。発明の詳細な説明 本発明は、ヒトパピローマウイルス感染のキャラクタリゼーションに有用な一 連の合成ウイルス様粒子(VLP)、及びその合成ウイルス様粒子を用いるアッ セイであり、そのアッセイ は組換えDNA技術によって製造されたVLPをモニターし、確認するために使 用できる。合成ウイルス様粒子は、HPV6:4、HPV6:5、HPV11: G131S、HPV11:Δ132、HPV11Y246F、HPV11:N2 78G、HPV11:S346T、HPV6:2;HPV6:4Δ132、及び HPV6:4S131Gと命名した構築物から製造される。 パピローマウイルス感染は、ヒト、ヒツジ、イヌ、ネコ、ウサギ、サル、ヘビ 、ウシを含む種々の動物で起る。パピローマウイルスは上皮細胞に感染し、一般 的に感染部位で良性上皮腫瘍又は腺維上皮腫瘍を引起す。 パピローマウイルスは、感染する宿主に基づき異なる群に分類されうる。更に 、ヒトパピローマウイルス(HPV)はDNA配列相同性に基づき60を超える 型に分類される(総説として、Papillomaviruses and Human Cancer,H.Pfister 編,CRCPress,Inc.,1990 を参照されたい)。パピローマウイルスの一つの型 の感染に対する中和免疫は別の型のパピローマウイルスに対して免疫を与えない という点で、パピローマウイルスの型は型特異的免疫原であるように考えられる 。 ヒトにおいて、異なるHPV型は別の病気を引起こす。HP V1、2、3、4、7、10、26〜29型は、正常のヒト及び免疫低下ヒトの 両方に良性イボを引起こす。HPV5、8、9、12、14、15、17、19 〜25、36、46〜50型は、免疫低下のヒトに偏平性病変を引起こす。HP V6、11、34、39、41〜44、51〜55型は、性器粘膜及び呼吸器粘 膜の非悪性コンジローマを引起こす。HPV16、18型は、性器系の上皮異形 成を引起こし、その場所での侵入性の子宮癌、膣癌、外陰部癌、肛門癌の大部分 に関連している。HPV6とHPV11は、性器いぼと喉頭乳頭腫の大部分を引 起す。 動物での免疫学研究によると、パピローマウイルスキャプシドタンパク質に対 する中和抗体の産生は、同一型のウイルスの感染を予防する。有効なパピローマ ウイルスワクチンの開発は、パピローマウイルスのインビトロ培養に関する困難 性により遅れている。有効なHPVワクチンの開発は、適当な動物モデルが無い ために特に遅れている。抗体によるパピローマウイルスの中和は、型特異的であ り、ウイルス表面のエピトープのコンフォメーションによるように考えられる。 パピローマウイルスは小さく(50−60nm)、エンベロ ープを有せず、正二十面体のDNAウイルスであって、最大8個の初期遺伝子と 2個の後期遺伝子をコードする。このウイルスゲノムの読取り枠(ORF)はE 1〜E7、L1、L2と命名されている(“E”は初期(early)、“L”は後期( late)を指す)。L1とL2はウイルスキャプシドタンパク質をコードする。初 期(E)遺伝子は、ウイルス複製と形質転換などの機能に関連している。 L1タンパク質は主要キャプシドタンパク質であり、分子量55−60kDa を有する。L2タンパク質は少量のキャプシドタンパク質であり、推測分子量5 5−60kDaを有し、ポリアクリルアミドゲル電気泳動により測定すると見掛 けの分子量75−100kDaを有する。 サッカロマイセス・セレビシエの組換え株によるHPV16L1、HPV16 L2、HPV6型L1タンパク質の産生が報告された。組換え酵母を培養して、 任意の種と型のパピローマウイルスタンパク質を大量に産生させる方法の開発は 有用であろう。天然タンパク質のコンフォメーションなどの天然タンパク質の免 疫付与性を有するパピローマウイルスタンパク質を大量に産生させることも有用 であろう。この後者の目標を達成す るために、知られている性質(VLP依存性、交差反応性など)を有する抗体の 結合に対するL1遺伝子の多数の変異の効果を分析することは必要であろう。 機能性残基のための天然又は工学的ペプチド配列の実験的調査は、それらの相 対的機能性力価をアッセイするために、多数の配列変異体の発現に基本的に依存 する。得られたタンパク質発現レベルは、自己集合性ウイルス構造タンパク質の 場合に特に決定的である。何故ならば自己集合の効率はしばしば濃度依存性であ るからである。ウイルス自己集合を研究するために、昆虫バキュロウイルス発現 ベクター系が広く使用されてきたが、昆虫バキュロウイルス発現ベクター系には 、有用量の自己集合粒子を産生するために、プラーク精製した組換えウイルスス トックの前もっての単離と増殖が一般的に必要である。綿尾ウサギパピローマウ イルスとヒト11型パピローマウイルスのL1コートタンパク質の分析レベルの 発現の幾つかの可能性を試験するうちに、本発明者らは、バキュロウイルストラ ンスファーベクターとウイルスDNAによる昆虫細胞の短時間の一過性同時トラ ンスフェクションからでさえ、プラーク精製ストックから以前に得られた粒子と は免疫学的に区別できない自己集合粒 子が得られることを見出した。Sf9細胞をプラスミド/ウイルスDNAで同時 転換すると6日以内に、100mmプレート当り少なくとも1〜2μgの自己集 合L1粒子を証明することができた。このレベルの発現で機能性をアッセイする のには十分過ぎ、比較される哺乳動物細胞一過性発現系に対し幾つかの利点を有 する。 HPV感染における中和エピトープを明確にするために、本発明者らにとって 、ヒトパピローマウイルス亜型の抗原型特異性を与えるアミノ酸残基を同定する 必要がある(Christensen,N.D.ら、1990,Monoclonal antibody-mediatedneutra lization of infectious human papillomavirus type 11.J.Virol.64,1936-19 44)。型特異的エピトープの多数がコンフォメーション依存性であり、VLP自 己集合が起きてのみ検出される。幾つかの動物とヒトパピローマウイルスのL1 構造コートタンパク質は、組換えバキュロウイルス株により昆虫細胞で発現され ると、効率的に自己集合することが示された(Christensen,N.D.ら、1994,Asse mbled baculovirus-expressed human papillomavirus type 11 L1 capsid prote invirus-like particles are recognized neutralizing monoclonal antibodies and induce high titers of neutralizing antibodies .J.Gen.Virol.75,2271-2276)。組換えファージの産生に必要な時間と労力に より、部位指向性突然変異誘発によって産生される多数のVLP変異体をスクリ ーニングするこの方法の使用が妨げられる。しかし、バキュロウイルス系で発現 される場合、プラスミドとウイルスDNAによる昆虫細胞の最初のトランスフェ クションの5〜7日以内に、組換えタンパク質は分泌産物としてμg/mLの量 が検出できることを本発明者らは以前に観察した。この観察に基づき、一過性発 現でVLPに自己集合できるように十分量のパピローマウイルスL1タンパク質 が蓄積するかどうかを、特にBaculogoldTM(Pharmingen,San Diego,CA)系など のより効率的バキュロウイルストランスフェクション系を使用した場合に本発明 者らは試験した。迅速6日一過性トエランスフェクションプロトコルを用いて、 VLPに適切に自己集合した、多数のパピローマウイルス型のL1コートタンパ ク質が産生された。CRPV又はHPV11 L1遺伝子構築物により一過性に トランスフェクトされた細胞からの抽出液は、CRPV又はHPV11 VLP に対し産生された型特異的且つVLP依存性の モノクローナル抗体によって認識される免疫原物質を含んでいた。一過性に発現 された物質は他の型の特異的抗体とは交差反応せず、認識はアルカリ変性に感受 性であり、VLP形成の忠実性を更に示していた。 HPV11の中和エピトープをマップするために、配列がHPV6b配列とは 異なる残基でHPV11に個々に変異を起こした。HPV6b配列と一致するよ うにその位置で変異を起こした(挿入の効果を分析するために、位置132のチ ロシンを欠失させた)。上記Sf9一過性発現系を用いて、これらの変異HPV 11 L1遺伝子を発現させ、HPV11に特異的なモノクローナル抗体による 結合を分析した。 本発明を更に明確にするために、以下の実施例を記載するが、本発明を以下の 実施例という特定の例に本発明を限定するものではない。 実施例1 試験発現構築物の作製 報告されたL1配列から設計したプライマーによるPCRを用いて、臨床分離 株からHPV11 L1構造遺伝子をクローン化した。次に、L1遺伝子を、変 異誘発用にBlueScript (Pharmacia)及びSf9細胞での発現用にpVL1393(Stratagene)の両方に サブクローン化した。 Amersham Scultor インビトロ変異誘発キットを用いて、変異をL1遺伝子に 導入した。所望の変異が導入されたことは、配列決定によって確認し、変異遺伝 子を、Sf9細胞における発現用pVL1393にサブクローン化した。 HPV6 L1構造遺伝子を、変異誘発用にpAlt−1(Promega)及びSf 9細胞での発現用にpVL1393(Stratagene)の両方にサブクローン化した。 Altered SitesIIインビトロ変異誘発システム(Promega)を用いて、変異を起こし 、配列決定によって確認し、Sf9細胞における発現用にpVL1393にサブ クローン化した。 HPV6とHPV11のL1遺伝子の配列を報告された配列で確認した[(Da rtmann,K.ら、1993,EMBO J.2:2341;EMBLGeneBank受託番号#M14119(H PV11 L1)及び受託番号#X00203(HPV6B L1)]。 実施例2 SF9細胞におけるL1 VLPの一過性発現 BaculoGold トランスフェクションキット(Pharmingen)を用いてSf9細胞を トランスフェクトした。トランスフェクシ ョンは基本的に製造業者の指示のように行ったが、以下の改変を行った。即ち、 8×108個のSf9細胞を、100mMディッシュ中で、BaculoGold DNA 4μgと試験DNA6μgでトランスフェクトした。細胞を6日後回収し、VL P産生をアッセイした。実施例3 SF9抽出液の調製及びELISAアッセイ トランスフェクション6日後、掻き取り、次いで低速遠心によって細胞を回収 した。細胞を溶解緩衝液(1M NaCl,0.2M Tris pH7.6) 300μLに再懸濁し、Falcon 1259チューブ中でPT−DA120 5/2−Aプローブを備えたポリトロンPT1200Bを用いて、氷上30秒間 ホモジナイズした。サンプルを2500rpmで3分間遠心し、ペレット残渣を 得た。チューブを更に溶解緩衝液150μLで洗浄し、上清を1.5mL微量遠 心チューブに集め、Eppendorf微量遠心機(Brinkman)で5分間再遠心した。上清 を集め、使用するまで4℃で保存した。典型的にはELISAアッセイを同日行 った。 抽出液5μLを、PBS(リン酸緩衝化生理食塩水;20mM NaPO4, pH7.0,150mM NaCl)中1% BSA50μL中に希釈し、ポリスチレンプレートに入れた。 プレートを4℃で一晩インキュベートした。抽出液を除去し、プレートをPBS 中の5%粉乳でブロックした。以下の全ての洗浄工程をPBS中1%BSAで行 った。プレートを1次抗体と室温で1時間インキュベートした。1次抗体、即ち HPV11 VLPに対して作出されたモノクローナル抗体はNeilChristensen 博士(ペンシルバニア州立大学)から腹水ストックとして得た。使用前にそれら を1%BSA PBSで105倍希釈した。洗浄後、プレートを、2次抗体と1 時間インキュベートした。2次抗体、即ちペルオキシダーゼ標識ヤギ抗マウスI gG(γ)をKirkegaard & Perry Laboratoriers,Inc.から購入し、PBS中1 %BSA中で、103倍希釈して使用した。最終洗浄後、西洋ワサビペルオキシ ダーゼアッセイを行い、405nmの吸光度を測定した。 実施例4 HPV11研究 HPV11特異的中和エピトープのために極めて重要な残基をマップするため に、2種の条件を利用する。第1に、HPV11 L1に特異的で、VLPで存 在するときにL1だけを認識する一連のモノクローナル抗体を用いた。実施例3 で記載し たアッセイ条件は、これらの抗体が密接に関連するHPV6bL1 VLPと交 差反応性を示さないようなものである。これらの5種の抗体のうち、4種は、Kr eider異種移植系(Kreiderら、1987,J.Virol.61:590-593)でHPV11を中 和することが示された。 HPV6とHPV11のL1は、パピローマウイルスファミリー内で最も密接 に関連するL1タンパク質である。HPV6L1の長さは500アミノ酸残基で ある。HPV11 L1は501残基である。HPV11の余分のアミノ酸が位 置132にあるように、それらを並べることができる。このアラインメントで、 39個の位置を除いた(挿入を含む)全てで、それらのアミノ酸配列は同一であ る(92.4%)。 本発明者らは、モノクローナル抗体の11型特異性はこの39個の残基の差異 にあるにちがいないと推察した。11型残基を6型に体系的に変化させることに より、11型反応に極めて重要な残基は、11型特異的モノクローナル抗体によ る結合アフィニティを無くすことによって示されるであろう。天然で6型にある 残基に、残基を変異させるので、VLP形成に影響を与えるような置換の可能性 は小さいであろう。 特定の残基の結合への影響を知る為に、HPV11及び対応 するHPV11変異体の両方を一過性発現系で発現させた。一連のHPV11特 異的モノクローナル抗体を用いて、ELISAを行い、2つの間で結果を比較し た。L1産生はモノクローナル抗体H6.C6.で規格化した。H6.C6.抗 体は、エピトープが直鎖状であり、VLP形成とは無関係なHPV11と交差反 応性を有する。従って、L1産生を測定する。 結果を二重規格化する。第1に、試験抗体とH6.C6.の吸光度比を、試験 位置で計算する。同一比がHPV11で測定され、試験位置での比に割り算され る。ほぼ1の2種の比は、HPV11に比較して試験クローンへの抗体結合に検 出できる差異はないことを意味する。1未満の2種の比は、試験抗体は野生型よ り試験クローンに少なくしか結合しないことを意味する。理論では、1超の比は 、抗体はHPV11よりも試験クローンにより結合することを意味する。実際に は、これは観察されなかった。0.1〜0.2の範囲の比は本質的にバックグラ ウンドであり、変異VLPへの抗体結合を検出できないことを意味する。 HPV6とは異なるHPV11 L1の位置に個々に、HPV6の対応する残 基に一致するように変異を起こさせた。組換え体発現バキュロウイルスによって 、クローンをSf9細胞で 発現させ、一連のHPV11特異的モノクローナル抗体による結合への影響を測 定した(表1)。カラム2で“より少ない結合”と記載した残基は、1種以上の モノクローナル抗体の結合に決定的と考えられる位置である。カラム1で“結合 保持”と記載した残基は、いずれのモノクローナル抗体との結合に決定的でない と判断される。 カラム“結合喪失”の下に表1で記載したL1変異体をコードするクローンは HPV11:G13S、HPV11:Y132Δ、HPV11:Y246F、H PV11:N278G、HPV:S346Tと命名する。あるいは、“HPV” という接頭語は省いてもよい。 結合に影響する4個の残基は互いにかなり離れており、全長は直鎖状配列にそ って200個を超す残基を包含する。 位置は抗体の結合に異なる影響を与える。たった3個以下の位置が単一抗体の 結合に影響を与える。位置246だけでも5種全ての抗体の結合に影響を与える 。全ての場合に、検出可能な結合がある程度観察される。このことは,VLP形 成は影響されないことを示す。位置278での変化による結合への影響は最小で あるようであり、疑わしいが、この時点で含まれる。何故ならば、僅かの減少は 再現性があるからである。VLP規格化アフィニティ比によって測定された結合 への影響は表2に示す。表3は、これらの研究から導かれる、HPV11モノク ローナル抗体の結合コンフィギュレーションを示す。 (規格化アフィニティ比= 位置X(A405H11.Y/A405H.6.C6)/HPV11(A405H11.Y/A405H6.C6) 実施例5 ストリッピングアッセイ HPV11 VLPの産生をモニターし、HPV11 VLPが重要な中和エ ピトープを含むことを確認するために、以下の競合ELISAを用いる。HPV 6 VLPではなく、HPV6変異体VLPは、HPV11 VLPへの結合に おいて、モノクローナル抗体H11.B2、H11.F1、H11.G 5と競合する。このことは、中和エピトープへの特異的且つ競合的結合を示すこ とによって、VLP上の中和エピトープの存在を示す。アッセイは以下のように 行う。 1. 96ウエルELISAプレートの各ウエル当り試験バッチHPV11 V LP 10−100ngを添加する。サンプル50μLを入れる。4℃で一晩イ ンキュベートする。 2. ウエルから上清を除去する。室温で1時間、PBS中5%粉乳でブロック する。 3. ELISA緩衝液で濯ぐ。 4. モノクローナル抗体H11.F1の希釈液を調製する。 A. 一セットの、HPV6変異VLPの増加していく量を有する希釈液 の調製。 B. HPV6 VLPの増加していく量を有する二重セットの希釈液の 調製。 C. VLPを加えない希釈液の調製。 5. ELISAプレートのウエルへ抗体サンプル50μLを添加する。 6. 抗体を除去し、ELISA緩衝液で3回洗浄する。 7. 適当な希釈のヤギ抗マウスIgG(γ)50μLを添加 する。室温で1時間インキュベートする。 8. ELISA緩衝液で3回洗浄する。アルカリ性ホスファターゼによる発色 及び405nmでの測定。 9. HPV6 VLPではなく、HPV6変異体VLPと強く競合する405 nmの強いシグナルは、試験バッチのHPV11 VLP上の中和エピトープの 存在を示す。 実施例6 中和のモニター HPV6変異体VLPを用いて、試験バッチのポリクローナル血清の中和活性 のキャラクタリゼーションを行う。一バッチのポリクローナル血清を、例えば試 験バッチのHPV11 VLPで作出する。あるいは、それは、中和能力という キャラクタリゼーションが所望されるヒトサンプルである。 ポリクローナル血清を、HPV6 VLPで予めきれいにする。このことによ り、VLP依存性及び非依存性の両方の交差反応性抗体を除去する。HPV11 中和エピトープは11型特異的であり、それに対して作出された抗体は、HPV 6 VLPとのプレ−インキュベーションでも除去されない。しかし、変異HP V6粒子はこれらの抗体と結合し、このような結合の 観察は、例えば標準的ELISAでの観察は、試験血清サンプル中の中和抗体の 存在を示す。 ポリクローナル血清の試験サンプルを以下の方法によりきれいにする。 1. 全VLP結合抗体を評価する。抗HPV11モノクローナル抗体(幾つか が利用できる)を用いるサンドイッチ形式で、ELISAプレートにVLPを固 定化する。結合するポリクローナル抗体の量は、標準として既知濃度の第2の抗 HPV11抗体を用いて評価する。あるいは、ボリクローナルのIgG濃度を測 定し、全部が抗HPV11であると仮定する。 2. HPV6 VLPを、工程1で測定したように、ポリクローナル血清中の HPV11抗体量に10倍μg過剰で血清のアリコートに加える。 3. 混合液を室温で一晩インキュベートし、高速遠心(300,000g)を 5時間行い、VLP−抗体複合体をペレットにする。 4. この方法をもう2回繰返す。 5. きれいにされた血清をサンドイッチELISAでの結合に関して試験する 。HPV6VLP及びHPV6変異体VLP (中和モノクローナルに結合する)を、HPV6モノクローナル抗体で固定化す る。きれいにされたポリクローナル血清は、HPV6 VLPに最小の結合しか 示さないはずである。HPV6変異体VLPに対する強いシグナルは、HPV1 1の主要中和ドメインへの結合を示し、ポリクローナル血清は中和抗体を含むこ とを示す。 異種移植中和活性を用いて、試験血清サンプル中の中和能力を示すために、第 2のアッセイを確立できる(Christensenら、1990,J.Viol.64:1936-1944;Chri stensenら、1994,J.Gen.Viol.75:2271-2276)。 1. 上記プロトコルに基づき、但しHPV6 VLPの代わりにHPV6変異 体VLPに置換えて、HPV6変異体VLPに対しきれいにされた血清を作製す る。 2. 一連のポリクローナル血清の希釈液を作製して、異種移植中和アッセイで 分析し、血清の中和力価を測定する。 3. HPV6変異体を含まない血清及びHPV6を含まない血清を並行してそ れぞれのセットの希釈液を作製し、異種移植で力価を測定する。 4. HPV6 VLPではなく、HPV6変異体VLPを用 いてきれいにすることによって大きく除去される、異種移植アッセイでの中和活 性の存在によって、生物アッセイによるHPV11中和エピトープに対する血清 中の抗体の存在が示される。 実施例7 Sf9細胞におけるVLPの一過性発現 報告されたL1配列(8,17)に基づき設計したプライマーを用い、ポリメ ラーゼ連鎖反応(PCR)によって、臨床株からHPV11 L1構造遺伝子を クローン化した。CRPVL1構造遺伝子は、ウイルスゲノムDNAからPCR によってクローン化した。Sf9細胞で発現させるために、L1遺伝子をpVL 1393(Stratagene)にサブクローン化した。 BaculoGold トランスフェクションキット(Pharmingen,SanDiego,CA)を用い 、Sf9細胞に同時トランスフェクトした。製造業者の指示に従い、但し以下の 改変を行い、トランスフェクションを行った。即ち、8×109Sf9細胞を、 100mmディシュ中で、BaculoGold ウイルスDNA4μgと試験プラスミド DNA6μgでトランスフェクトした。特記していなければ、6日後細胞を回収 し、ウエスタンブロット又はELISAアッセイ(下記)によりVLP産生をア ッセイした。実施例8 Sf9抽出液の調製及びELISAアッセイ トランスフェクション6日後、細胞を回収した。プレートを掻き取り、細胞を 再懸濁し、低速遠心で細胞を集めた。溶解緩衝液(1M NaCl,0.2M Tris pH7.6)300μL中に細胞を再懸濁し、ファルコン2059チ ューブ中で、PT−DA 1205/2−Aプローブ(Brinkman)を備えたポリト ロンPT1200Bで、30秒間氷上でホモジナイズした。GPR遠心機(Beckm an Instruments,Inc.Palo Alto,CA)で、3分間2500rpmでサンプルを遠心 し、ペレット残渣を得た。更なる溶解緩衝液150μLでチューブを洗浄し、上 清を1.5mL微量遠心チューブに集め、エッペンドルフ微量遠心チューブ(Bri nkman)で5分間再遠心した。ELISAアッセイを同日に始めた。 抽出液5μLを、リン酸緩衝化生理食塩水(PBS)中1%BSA50μL中 に希釈し、96ウエルイミュロン2マイクロタイタープレート(Dynatech Labora tories,Inc.)に分注し、4℃で一晩インキュベートした。抽出液を除去し、プレ ートを5%粉乳/PBSでブロックした。以下の全ての洗浄工程を、 1%BSA/PBSで行った。プレートを、室温で1時間1次抗体でインキュベ ートした。1次抗体、即ちモノクローナル抗体CRPV.5A及びH11.F1 を、Neil Christensen博士から腹水ストックとして得た。それらは、それぞれC RPVとHPV11 VLPを認識するVLP依存性且つ型特異的抗体である。 使用前に、それらを1%BSA/PBSで105倍希釈した。1%BSA/PB Sで洗浄後、プレートを1時間2次抗体、即ちPBS中1%BSAで103希釈 したペルオキシダーゼ標識ヤギ抗マウスIgG(g)(Kirkegaard & PerryLabor atories,Inc.)とインキュベートした。最終洗浄後、西洋ワサビペルオキシダー ゼアッセイを行い、吸光度を405nmで測定した。 実施例9 HPV6へのHPV11中和エピトープの移入 実施例4の研究に基づき、HPV11 L1配列に一致するようにアミノ酸残 基131、245、277でHPV6 L1遺伝子に変異を導入した。更に、残 基131の後ろにチロシンを挿入し、変異HPV6 L1遺伝子の長さを1残基 増し、501アミノ酸とした。このクローンをHPV6:4と命名す る。これらの4個の変異は全てHPV11 L1配列に一致するが、HPV11 特異的中和抗体H11.B2、H11.F1、H11.G5による結合を容易に するであろう。このことは、以下の表に示すように事実そのとおりである。 HPV6及び変異体への相対的アフィニティ値 このことにより、4個のアミノ酸残基131、132、245、277は中和 抗体H11.B2、H11.F1、H11.G5への結合部位特異性を規定する ことが確認される。 抗体H11.H3は、位置346での結合感受性によって及び位置131での 結合感受性の欠如によって他の3個の中和抗体とは区別できる。このことにより 、この抗体の結合はC末端方向に移動するが、まだ他の3個の中和モノクローナ ル抗体の結合部位と重複している。 更に、上記HPV6変異体クローンに変異を起こし、位置345で更なる変化 を加え、位置346でのHPV11の配列に一致させた。このクローンをHPV 6:5と命名する。それ は、H11.H3を含む中和抗体4種全てに結合すると予測される。データを以 下の表に示す。 HPV6及び変異体への相対的アフィニティ値 予測されるように、このクローンは、中和抗体H11.B2、H11.F1、 H11.G5と結合できるVLPを産生し、この観察が確認される。予期に反し て、このクローンは抗体H11.H3に結合せず、H11.H3への結合のため に、位置345における更なる変化も必要であることを示す。実施例10 中和モノクローナル抗体H11.H3による結合 抗体H11.H3の結合を更に研究するために、HPV6 L1遺伝子の残基 438に変異を起こし、HPV11 L1の残基439に一致させた。クローン HPV6:4b(132、245、277、345での変異を有する)及びHP V6:5の両方に変異を加える。これにより、クローンHPV5b(132、2 45、277、345、435)及びHPV6: 6が産生される。クローンHPV6:5bは抗体H11.H3と結合し、クロー ンHPV6:6は抗体H11.B2、H11.F1、H11.G5、H11.H 3と結合する。これらのクローンは、請求項2と3、及び実施例7と8に記載の アッセイにおいて、獲得できる感受性を示した。 実施例11 中和モノクローナル抗体の結合を更に研究するために、本発明者らは、4個の 個々の位置でクローンHPV6:4に復帰変異を起こし、残基131と132で のみ復帰変異により結合喪失が起ることを示した。これらの2個の変異だけを有 する更なるHPV6 L1クローンの産生により、HPV6:2はこれらの2個 の変化だけで、HPV11中和モノクローナル抗体との結合に十分であることを 示した。このように、これらの研究をまとめると、中和抗体のための最小エピト ープが明確になる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12P 21/08 C12N 15/00 C (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),CA,JP,US (72)発明者 ビーニンケイサ,ダイアナ アメリカ合衆国、ニユー・ジヤージー・ 07065、ローウエイ、イースト・リンカー ン・アベニユー・126 (72)発明者 マーク,ジヨージ・イー,ザ・サード アメリカ合衆国、ニユー・ジヤージー・ 07065、ローウエイ、イースト・リンカー ン・アベニユー・126

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 以下の構築物 a)HPV6:4; b)HPV6:5; c)HPV11:G131S; d)HPV11:Δ132; e)HPV11Y246F; f)HPV11:N278G; g)HPV11:S346T; h)HPV6:2; i)HPV6:4Δ132;及び j)HPV6:4,S131G; のいずれかから産生される合成ウイルス様粒子。 2. 組換えVLPのキャラクタリゼーション方法であって、 a)試験バッチHPV11 VLPのサンプルをELISAプレートに入れるこ と; b)サンプルをインキュベートすること; c)サンプルをブロックすること; d)サンプルを濯ぐこと; e)(1)一セットの、HPV6変異体VLPの増加していく量を有する希釈液 を調製すること; (2)HPV6 VLPの増加していく量を有する二重セットの希釈液を調 製すること; (3)VLPを加えない別の一セットの希釈液を調製すること; によってモノクローナル抗体H11.F1を希釈し、抗体サンプルを調製するこ と; f)ELISAプレートに抗体サンプルを加え、混合物を調製すること; g)混合物をインキュベートすること; h)混合物を洗浄すること; i)ヤギ抗マウスIgG(γ)を加えること; j)サンプルをインキュベートすること; k)サンプルを洗浄すること; l)アルカリ性ホスファターゼアッセイで発色させ、405nmで測定すること ; を特徴とする該方法。
JP9519092A 1995-11-15 1996-11-12 合成hpv11ウイルス様粒子 Pending JP2000501285A (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US678895P 1995-11-15 1995-11-15
GB60/006,788 1996-03-07
GB9604812.9 1996-03-07
GBGB9604812.9A GB9604812D0 (en) 1996-03-07 1996-03-07 Synthetic HPV11 virus-like particles
PCT/US1996/018322 WO1997018301A1 (en) 1995-11-15 1996-11-12 Synthetic hpv11 virus-like particles

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000501285A true JP2000501285A (ja) 2000-02-08

Family

ID=26308879

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9519092A Pending JP2000501285A (ja) 1995-11-15 1996-11-12 合成hpv11ウイルス様粒子

Country Status (7)

Country Link
EP (1) EP0863982B1 (ja)
JP (1) JP2000501285A (ja)
AT (1) ATE258222T1 (ja)
CA (1) CA2237224C (ja)
DE (1) DE69631380T2 (ja)
ES (1) ES2213185T3 (ja)
WO (1) WO1997018301A1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005524076A (ja) * 2002-04-30 2005-08-11 メルク エンド カムパニー インコーポレーテッド ヒトパピローマウイルス多重アッセイ
JP2019502404A (ja) * 2015-12-04 2019-01-31 シアメン ユニバーシティXiamen University ヒトパピローマウイルスタイプ11のl1タンパク質の突然変異

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE19737442C2 (de) * 1997-08-22 1999-06-24 Olfert Landt Tib Molbiol Synth Proteinumhüllte Polyribonukleinsäuren, ein Verfahren zu ihrer Herstellung und ihre Verwendung
DE69930960T2 (de) * 1998-12-17 2007-04-19 Merck & Co., Inc. Synthetische virus-ähnliche partikel mit heterologen epitopen.
US6689366B1 (en) 1998-12-17 2004-02-10 Merck & Co., Inc. Synthetic virus like particles with heterologous epitopes
WO2016038625A2 (en) * 2014-09-11 2016-03-17 Cadila Healthcare Limited Superior human papilloma virus antigens with superior immunological properties and vaccine containing it
CN114539363B (zh) * 2020-11-26 2023-12-01 中国医学科学院基础医学研究所 一种c端改造的人乳头瘤病毒11型l1蛋白及其用途
CN115028689B (zh) * 2022-06-15 2023-05-30 浙江东方基因生物制品股份有限公司 特异性检测hpv6和hpv11的双特异性检测试剂盒

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE122007000023I1 (de) * 1991-07-19 2007-08-09 Univ Queensland St Lucia Impfsstoff gegen Humanes Papillomavirus (typ 18)
DE122007000090I1 (de) * 1993-03-09 2008-03-27 Univ Rochester Herstellung von menschlichem papillomavirus hüllprotein und virus-ähnlichen teilchen
DE4435907C2 (de) * 1994-10-07 1997-07-24 Lutz Prof Dr Gissmann Papillomavirusähnliche Partikel und deren Anwendung
JPH11509424A (ja) * 1995-07-19 1999-08-24 メルク エンド カンパニー インコーポレーテッド 合成hpv11ウイルス様粒子

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005524076A (ja) * 2002-04-30 2005-08-11 メルク エンド カムパニー インコーポレーテッド ヒトパピローマウイルス多重アッセイ
JP2019502404A (ja) * 2015-12-04 2019-01-31 シアメン ユニバーシティXiamen University ヒトパピローマウイルスタイプ11のl1タンパク質の突然変異

Also Published As

Publication number Publication date
CA2237224C (en) 2006-06-27
EP0863982A4 (en) 2001-09-05
EP0863982B1 (en) 2004-01-21
DE69631380T2 (de) 2004-11-04
WO1997018301A1 (en) 1997-05-22
ES2213185T3 (es) 2004-08-16
DE69631380D1 (de) 2004-02-26
EP0863982A1 (en) 1998-09-16
ATE258222T1 (de) 2004-02-15
CA2237224A1 (en) 1997-05-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Li et al. Characterization of self-assembled virus-like particles of human polyomavirus BK generated by recombinant baculoviruses
JP4046758B2 (ja) 自己組立て組換えパピローマウィルスキャプシッド蛋白質
JPH08507685A (ja) ひとパピローマウイルス・カプシド蛋白およびウイルス様粒子の製造
JP3401022B2 (ja) ヒトパピローマウイルス18のタンパク質における血清反応性エピトープ
JP2000501285A (ja) 合成hpv11ウイルス様粒子
US5795754A (en) Synthetic HPV11 virus-like particles
Ao et al. Expression of pseudorabies virus gE epitopes in Pichia pastoris and its utilization in an indirect PRV gE-ELISA
Embers et al. Differential antibody responses to a distinct region of human papillomavirus minor capsid proteins
EP0839184B1 (en) Synthetic hpv11 virus-like particles
AU770809B2 (en) Synthetic virus-like particles with heterologous epitopes
JP2001507352A (ja) 組換えパピローマウイルスワクチンの組成物
EP0956349B1 (en) Synthetic hpv16 virus-like particles
US5922588A (en) Synthetic HPV16 virus-like particles
US5738853A (en) Synthetic HPV11 virus-like particles
US7033797B2 (en) Synthetic virus-like particles with heterologous epitopes
EP0948351B1 (en) Synthetic hpv16 virus-like particles
JPH07147986A (ja) ヒトパルボウイルス遺伝子、それによってコ−ドされるポリペプチド及び用途
WO2016090540A1 (zh) 人乳头瘤病毒(hpv)18型致癌性e6和e7蛋白的抗原表位最小基序肽