JP2000351960A - 研削用砥粒体 - Google Patents

研削用砥粒体

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JP2000351960A JP16436999A JP16436999A JP2000351960A JP 2000351960 A JP2000351960 A JP 2000351960A JP 16436999 A JP16436999 A JP 16436999A JP 16436999 A JP16436999 A JP 16436999A JP 2000351960 A JP2000351960 A JP 2000351960A
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abrasive
grinding
polishing
abrasive grain
abrasive grains
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Tokuji Umehara
徳次 梅原
Kazuya Edamura
一弥 枝村
Isao Shibata
勲 芝田
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SHINGIJUTSU MANAGEMENT KK
Nisca Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 流体砥石から固体砥石への相変化温度が実用
化に適した温度域にあって、且つ常温付近で研磨加工及
び研削加工を行えるようにすること、及び砥粒配向材の
配向特性を利用して砥粒を特定方向に配向させること
で、研磨性能および研磨効率を向上させることである。 【解決手段】 溶媒の主成分が次の一般式で表わされる
少なくとも1種類の化合物を含有し、これに砥粒及び砥
粒配向材を分散させてなる研削用砥粒体。 一般式 R1−COO−R2 但し、 R1:C2a+1 10≦a≦25 R2:C2b+1 1≦b≦25

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶媒中に砥粒及び
砥粒配向材を分散させた研削用砥粒体に係り、特に常温
付近(0〜65℃)において液体と固体との間で可逆的
に相変化が可能な研削用砥粒体に関する。
【0002】
【従来の技術】技術革新の急速な進展と共に工業製品の
高品質化が求められ、研磨若しくは研削加工の対称とな
る工業製品又は部品等の被加工物(以下、「加工物」と
いう)の形状は複雑化し、微細で精緻な寸法精度を要求
される場合が多くなっている。ところが、このような微
細な表面仕上げ又は精緻な寸法精度を要求される加工物
の最終の仕上げ工程は、現在においても手作業に依る場
合が多い。従って、この手作業工程を機械化又は省力化
することができれば、加工コストの低廉化、作業工程時
問の短縮化が図られることになる。また、このような手
作業による研磨作業では、熟練工をもってしても、加工
研磨面における鏡面研磨制度において限界がある。
【0003】このような情況下において、加工物の高度
で精緻な鏡面研磨を実現する方法として、いわゆる軟質
ラッピング砥石の研究が行われてきた。これは、ポリビ
ニール・アセタール、アルギン酸ナトリウム等の高分子
ラップ剤をセーム皮の表面に溶かし込んでラッピングを
行うものである。このような軟質ラッピング研磨は、主
に集積回路の製造に用いられるシリコン・ウエハの表面
を鏡面研磨するのに用いられてきた。
【0004】一方、本願の発明者らは、磁界によって砥
粒の配列が制御可能な砥粒を含有する磁性流体を用い、
加工物を該磁性流体中に浸漬し、これに所定の強さの磁
界を与えた状態において加工物に対して磁性流体を振動
若しくは揺動等の相対運動を行うことによる加工物の研
磨方法を提案してきた。このような磁性流体を利用した
研磨方法の例としては、特開平1−135466号、特
開平4−336954号、特開平4−41173号等を
挙げることができる。
【0005】しかしながら、このような研磨方法にあっ
ては、研磨材が流動性の高い液体であるため加工面に対
する砥粒の接触応力が小さく、研磨力も弱いものとな
る。そのため、加工物の研削及び研磨工程における最終
段の加工面全体の一様な精密鏡面研磨には利用できるも
のの、研削工程若しくは、精密研磨前の粗研磨工程には
不向きである。
【0006】また、従来技術において、磁性流体を用
い、所定の強さの磁界を与えることによって砥粒の配列
を制御した状態で研磨したとしても、磁性流体の流体ゆ
えの流動性の高さにより、立体的3次元の任意の方向に
おける厳密な寸法精度が要求ざれる研磨に利用するのは
難しかった。
【0007】そこで、本発明者らは、砥石を含有した流
体砥石が、研磨面の形状に合せてその形を立体的に自由
に変形することができ、さらに、人間の手や工具が入り
込めないような間隙や閉鎖的な内面の研磨には、狭い隙
間から注入して研磨可能なことに注目した。しかし、流
体砥石は、固体砥石と比較した場合に押付け圧力が大き
くとれないため、短時間での研削や粗研磨に不向きであ
る。よって、流体砥石の利点である複雑形状面の研磨
や、固体砥石の有する高い研磨性能を併せ持つ研磨材を
先に提案した。提案された研磨材は、砥粒を含む流体砥
石を加工物内に注入した後に低温固化させ、固体砥石と
してから加工物の研磨面との間で相対運動させることに
よって研磨若しくは研削するものである。なお、従来の
固体砥石にはメタルボンド砥石、レジンボンド砥石、電
着砥石、こんにゃく砥石などが知られているが、これら
は予め一定の形状に加工されているため、自由形状に適
合させることが困難であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
研磨材は、低温固化を開始する温度がマイナス15℃付
近であり、また研磨加工の雰囲気温度はマイナス30℃
付近であるため、実用化の点での改良課題があった。
【0009】そこで、本発明の目的は、流体砥石から固
体砥石への相変化温度が実用化に適した温度域にあっ
て、且つ常温付近で研磨加工及び研削加工を行うことが
できる研削用砥粒体を提供することである。
【0010】また、本発明の他の目的は、外部からの磁
界印加等により、砥粒配向材の配向特性を利用して砥粒
を特定方向に配向させることで、研磨性能および研磨効
率を向上させることである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明に係る研削用砥粒体は、請求項1において、
溶媒の主成分が次の一般式で表わされる少なくとも1種
類の化合物を含有し、これに砥粒及び砥粒配向材を分散
させてなることを特徴とする。 一般式 R1−COO−R2 但し、 R1:C2a+1 10≦a≦25 R2:C2b+1 1≦b≦25
【0012】また、請求項2に係る研削用砥粒体は、前
記溶媒の主成分が、ステアリン酸エステル又はミリスチ
ン酸エステルのうち、少なくとも1種類を含有してなる
ことを特徴とする。
【0013】また、請求項3に係る研削用砥粒体は、前
記砥粒が、粒径分布の中心が2〜9μmである酸化アル
ミニウム又はダイヤモンドのうち、少なくとも1種類を
含有してなることを特徴とする。
【0014】また、請求項4に係る研削用砥粒体は、前
記砥粒配向材が、粒径分布の中心が2μm以下であるフ
ェライト粒子を主成分とすることを特徴とする。
【0015】また、請求項5に係る研削用砥粒体は、前
記溶媒の融点を境として液体と固体との間で可逆的に相
変化することを特徴とする。
【0016】また、請求項6に係る研削用砥粒体は、固
体に相変化したときに研磨材として使用されることを特
徴とする。
【0017】本発明に係る研削用砥粒体は、研磨材とし
て有効に利用することができ、液体の研削用砥粒体を加
工物の研磨対象面に接触させるべく流し込み、0〜65
℃の範囲で固体に相変化させ、研磨対象面との間で相対
運動させることによって研磨することができる。また、
研削用砥粒体を注入、磁界下に固体化させて用いる研磨
法の他に、予め特定の形状を製作して貯蔵しておく方法
もある。この方法は、雌型となる注入型を作製し、研削
用砥粒体を注入して、磁界下に固体に相変化させた雄型
固体化砥石を幾つも製作・貯蔵しておき、必要に応じて
研磨作業に用いるものである。この方法によれば、研磨
加工が急に必要となった場合への迅速な対応が可能であ
るばかりか、頻繁に用いる代表的形状の固体砥石を予め
準備することにより、緊急を要する研磨加工にも対処可
能となる。
【0018】本発明に係る研削用砥粒体を研磨材として
利用する場合の具体的な利用分野としては、種々の金型
研磨に利用できることは勿論のこと、光学分野として、
度付き眼鏡レンズ、特定形状のプリズム、ミラー等、ま
た、各種工業製品のケーシング、宝飾品、時計部品等、
さらに、高度な寸法精度が要求されるゲージ類、シリン
ダー、軸受け部品、カム、ベアリング球等の研削及び研
磨に適応できる。また、集積回路の基体となるシリコン
・ウエハの最終鏡面仕上げにも利用できる。特殊な例と
しては、入れ歯、人工骨の形状形成研削及び研磨に利用
できる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る研削用砥粒体
の実施の形態を説明する。本発明に係る研削用砥粒体
は、溶媒中に砥粒及び砥粒配向材を分散させたものであ
り、常温で液体から固体に相変化すること、相変化した
時に砥粒および砥粒配向材が磁場内で配列しているこ
と、相変化が可逆的であること等に特徴を有している。
常温での取り扱いを可能としたことで、研磨材としての
実用的価値が大幅に向上する。
【0020】本発明において、砥粒及び砥粒配向材を分
散させる溶媒は、研削用砥粒体が常温で固体を維持する
のに加えて、可逆的に液体に相変化する特性を有する上
で重要な要素である。特に、液体の状態で砥粒を磁界配
列させると共に固定の状態では砥粒の配列が維持され、
さらに研磨材として適する固体化物性を有しなければな
らない。そして、この物性変化(液体の状態と固体の状
態)を常温、すなわち僅か10〜20℃の範囲で行なう
必要があることから、液体での粘度が相当程度低くなけ
れば磁界配列は期待できないことになる。また、液体と
固体との間で可逆的な相変化特性を有するとの制約を受
けることから、溶媒には低分子物質を利用することがで
き、その物質の融点前後の物性変化を利用することで上
記条件を満たすことができる。また、溶媒に求められる
他の特性としては、液体の状態における砥粒および砥粒
配向材の分散性が良好であること、磁場内における砥粒
及び砥粒配向材の配列特性を阻害しないことなどが必要
であり、これら特性を総合的に備えるものであれば、本
発明の溶媒として利用することができる。下記の化学式
(1)で示した飽和脂肪酸エステルは、本発明の溶媒の
主成分として有用である。 R1−COO−R2 (1) 但し、 R1:C2a+1 10≦a≦25 R2:C2b+1 1≦b≦25
【0021】上記範囲の飽和脂肪酸エステルは、低分子
量であって、且つ融点が常温内にあるため、常温では固
体を形成する他、加熱融解して液体の状態に可逆的に相
変化し、取り扱いが極めて容易であり、特殊な装置を使
うことなく研磨作業を行なうことができる。また、上記
範囲の飽和脂肪酸エステルは砥粒および砥粒配向材の分
散性が良好である他、磁場内における砥粒及び砥粒配向
材の配列特性を阻害しないことなどの溶媒特性を備え
る。飽和脂肪酸エステルの内、ステアリン酸メチル、ス
テアリン酸ブチル、ステアリン酸ステアリル等のステア
リン酸エステル類及びミリスチン酸ミリスチルは、これ
らの特性に優れ、本発明に係る研削用砥粒体に用いる溶
媒として特に有効に作用する。
【0022】本発明において使用される砥粒は、酸化ア
ルミニウム(Al)、二酸化ケイ素(Si
)、ダイヤモンド等であり、研磨対象面によって選
択される。砥粒の粒径は、要求される研磨精度によって
選択することができ、研磨精度が高いものほど小さな粒
径の砥粒を用いる方がよいともいえるが、小さすぎると
溶媒の中で砥粒が凝集してしまうおそれがある。磁界配
列性を良好に保つためには粒径2〜9μmの範囲内にあ
るものが望ましい。
【0023】本発明における砥粒配向材には、フェライ
ト粒子などの磁性粉が用いられる。この磁性粉は、溶媒
中に分散している砥粒に配列性を付与するためのもので
あり、研削用砥粒体を研磨材として機能させる重要な要
素となる。磁性粉は、研削用砥粒体を磁場内に置いた時
に磁性粉が磁力線に沿って配列してクラスタを形成し、
各クラスタの間に砥粒を配列させることから、クラスタ
の成長及び直立性が砥粒の配列に影響を及ぼす。特に、
発明では常温で砥粒を配列させると同時に固体化し、そ
の状態で研磨材として使用することから、使用中におい
て砥粒の配列性を如何に維持するかが重要となる。な
お、クラスタの成長を考慮した時、磁性粉の粒径は2μ
m以下が望ましい。
【0024】図1は、上述したクラスタの成長及び砥粒
の配列過程をモデル化して示したものである。図1
(a)は、溶媒1中に砥粒2と磁性粉3とが分散してい
る状態を示す。図1(b)は、磁場内に置いたとき、磁
性粉3同士が互いに磁力線方向で凝集して磁力線方向に
次第にクラスタを形成していく様子を示す。図1(c)
は、成長したクラスタ同士が反発と吸引とを繰り返し、
砥粒2を押し出しながら略等間隔で配列され、隣接する
クラスタ同士の隙間に砥粒2を配列していく様子を示
す。図1(d)は、磁性粉3が磁界の強い所から次第に
成長し、磁界の強い上面及び下面付近でのクラスタの成
長、さらにクラスタが成長して砥粒2の配列性を助長す
る様子を示す。なお、単位面積当たりの磁力線の数は、
磁界強度に比例するので、磁界強度を制御することによ
り砥粒配列の密度を制御することができる。このように
して、溶媒中における砥粒の分布密度を用途及び要求に
応じて制御することができる。
【0025】本発明に係る研削用砥粒体は、例えば上記
の成分を混合攪拌することで製造することができる。な
お、混合攪拌時に溶媒が固体である場合には、加温して
液体とし攪拌するのが好ましい。このようにして作られ
る研削用砥粒体の各成分の配合比率は、溶媒が25〜6
0重量%、砥粒が15〜25重量%、砥粒配向材が20
〜60重量%である。研削用砥粒体を作る場合は、先ず
図2(a)に示したように、液体の状態にある研削用砥
粒体10を加工物11の研磨対象凹部12に流し込み、
次いで図2(b)に示したように、研削用砥粒体10が
流し込まれた加工物11を磁界発生装置13にセット
し、上下方向から磁界を与えながら常温まで冷却し砥粒
2の配列及び分布密度を制御すると共に溶媒を固体の状
態に相変化させる。磁界発生手段は、所定の磁界強度を
有する永久磁石でも良いし、珪素銅板積層体やフェライ
ト材等の磁性材に巻線を施した電磁石でも良い。電磁石
の場合は、磁界強度を任意値に調整することができる。
【0026】固体の状態を維持している時の研削用砥粒
体は、35〜4000gr/mmの硬度を持ってお
り、金属金型の中で軟らかいとされるアルミニウム(硬
さ:約8〜11kg/mm)や黄銅(硬さ:約10〜
17kg/mm)よりも軟らかいので、研磨材として
利用することができる。研磨方法は、加工物の研磨対象
面との間で振動若しくは揺動等の相対運動を起こさせる
ことで行うこととなる。固体化の程度によっては、研削
用砥粒体と研磨対象面とが密着状態のまま接合してしま
う場合がある。このような状態のまま、相互問に相対運
動をさせようとしても研磨効率が悪い。そこで、このよ
うな場合は、加工物を研削用砥粒体の溶媒の融点を少し
上回る程度に加熱し、固体化した砥粒面と研磨対象面と
の接触部付近を薄く融解してゲル化状態にしてから相対
運動を行うようにする。加熱方法は、高周波加熱若しく
はヒータ加熱等を利用できる。また、研磨面を鏡面仕上
げする場合のように、精密研磨を行なうときも接触部付
近を薄く融解し硬度を下げてから行なう。接触部付近を
解かす方法として、前記加熱方法の他に、加工物の研磨
対象面に予め溶媒よりも融点の低い薬品等を塗布してお
く等の方法もある。
【0027】本研磨材と加工物間で相対運動を生じさせ
る方法として、最も一般的な方法としては機械力を用い
て振動を生じさせるほかに、交番磁界を加えることによ
っても可能である。相対運動の方向は、加工物の研磨対
象面の形状に応じて、平面であるならぱ1次元若しくは
2次元、立体面であるならぱ3次元方向とする。これら
多次元の相対運動は1次元ずつ時系列に行っても良く、
同時並行的に行っても良い。
【0028】相対運動のストロークは、目的とする加工
に応じて調整する。単位時間に大きな研削を必要とする
場合には、粒径の大きな砥粒を高密皮に含有する本研磨
材を、加工物との間で大きなストロークの相対運動を生
じさせることにより行い、精緻な寸法精度が要求される
鏡面加工の場合は、粒径の小さな砥粒を含有する固体化
した本研磨材を、加工物との間で小さなストロークの相
対運動とすることによって行う。これらのストロークの
設定は、最初の研削段階で大きく、最終の研磨段階で徐
々に小さくする調整対応も可能である。そして、最終研
磨後の加工物の目的サイズを本発明に係る研磨を行うた
めの研磨装置の制御装置に予めデータ入力しておき、加
工物の寸法及び加工面における研磨応力圧を検出しつ
つ、自動制御により研削及び研磨することも可能であ
る。
【0029】
【実施例】(実施例1) 硬度試験 [試料の作製]加温して液体状となったステアリン酸メ
チル45重量部中に、砥石成分である平均粒径40μm
の酸化アルミニウム粉体25重量部と、磁界配向性材料
である平均粒径2μm以下のフェライト粉体30重量部
とをよく混合攪拌して分散させ、下記表1に示した研削
用砥粒体試料1を作製した。上記において、ステアリン
酸メチルの代わりに、下記表1に示した溶媒成分を用い
た以外は同様にして、研削用砥粒体試料2〜4を得た。
この場合、溶媒成分が固体の状態を示すものは、加温し
て液体の状態とした後に用いた。また、融点調整剤とし
ては、ソルビダントリステアレートを用い、砥粒成分の
混合前に溶媒中に混合した。
【0030】
【表1】
【0031】[磁性研削用砥粒体の製造]上記試料20
gを、適に応じて加温して液体とし、直径5cmの円形
容器に注入した。試料が液体のまま円形容器を、上下方
向に200ガウスの磁界下に設置し、放冷して磁性砥粒
体試料を得た。この磁性砥粒体試料の縦断面(磁界方向
と平行な断面)を倍率1000倍のデジタルスコープで
観察したところ、いずれも白色の砥粒体と黒色の砥粒配
向材が磁界方向に帯状配列していた。
【0032】[研磨試験]得られた磁性砥粒体試料の上
下面(磁界方向と直交する方向で、砥粒体と砥粒配向材
が互い違いに発現している)を用いて、平面粗さRa=
0.8、Ry=7.6の黄銅表面を、研磨速度3mm/
s、研磨圧力0.5N/mmで20分間研磨したとこ
ろ、黄銅表面粗さはRa=0.2、Ry=0.8とな
り、研磨効果が認められた。
【0033】[ロックウエル硬さ試験]上記の表1にお
ける試料1〜4を各々恒温槽の中に入れ、磁界を掛けな
がら次第に温度を下げていき、各測定温度を10分間保
持したのちに、JISに基いたロックウエル硬さ試験を
行なった。その結果を図3に示す。なお、図3におい
て、〜は上記の試料1〜4にそれぞれ対応する。
【0034】(実施例2) 研磨試験 容器内で溶解しているステアリン酸メチル42.5重量
%に粒径2μm以下のフェライト(Mo・Fe
42.5重量%と粒径9μmの酸化アルミニウム(Al
)15重量%を混入分散させて試料とした。この
試料に160ガウスの磁界を掛けながら約20℃まで下
げ約10分間そのままの状態を保持して固体化した。次
に、この試料を10℃に保たれた恒温槽内に入れて研磨
装置に取り付けた。その時の研磨条件は以下の通りであ
る。 研磨時間 :40分 研磨速度 :ストローク4mmで3回/sec 研磨圧力 :150gr/cm 研磨対象物:アルミニウムの平面
【0035】表面粗さ計によってアルミニウム平面の粗
さを測定したところ、研磨前は表面粗さがRa=2.
4、Ry=16であったのが、研磨後はRa=0.7、
Ry=7にまで改善された。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る研削用砥粒体の砥粒の配列過程を
模式的に示した図である。
【図2】本発明に係る研削用砥粒体の製造工程の原理図
である。
【図3】本発明に係る研削用砥粒体の硬度試験のグラフ
である。
【符号の説明】
1 溶媒 2 砥粒 3 磁性粉(砥粒配向材) 10 研削用砥粒体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 梅原 徳次 宮城県仙台市太白区三神峰1−3−2− 101 (72)発明者 枝村 一弥 東京都葛飾区東新小岩2−9−1−306 有限会社新技術マネイジメント内 (72)発明者 芝田 勲 山梨県南巨摩郡増穂町小林430番地1 ニ スカ株式会社内 Fターム(参考) 3C058 AA07 AC04 CB01 DA02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶媒の主成分が次の一般式で表わされる
    少なくとも1種類の化合物を含有し、これに砥粒及び砥
    粒配向材を分散させてなる研削用砥粒体。 一般式 R1−COO−R2 但し、 R1:C2a+1 10≦a≦25 R2:C2b+1 1≦b≦25
  2. 【請求項2】 前記溶媒の主成分が、ステアリン酸エス
    テル又はミリスチン酸エステルのうち、少なくとも1種
    類を含有してなることを特徴とする請求項1記載の研削
    用砥粒体。
  3. 【請求項3】 前記砥粒が、粒径分布の中心が2〜9μ
    mである酸化アルミニウム又はダイヤモンドのうち、少
    なくとも1種類を含有してなることを特徴とする請求項
    1記載の研削用砥粒体。
  4. 【請求項4】 前記砥粒配向材が、粒径分布の中心が2
    μm以下であるフェライト粒子を主成分とすることを特
    徴とする請求項1記載の研削用砥粒体。
  5. 【請求項5】 前記溶媒の融点を境として液体と固体と
    の間で可逆的に相変化することを特徴とする請求項1記
    載の研削用砥粒体。
  6. 【請求項6】 固体に相変化したときに研磨材として使
    用されることを特徴とする請求項1記載の研削用砥粒
    体。
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