JP2000349534A - アンテナ装置 - Google Patents

アンテナ装置

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JP2000349534A
JP2000349534A JP11161199A JP16119999A JP2000349534A JP 2000349534 A JP2000349534 A JP 2000349534A JP 11161199 A JP11161199 A JP 11161199A JP 16119999 A JP16119999 A JP 16119999A JP 2000349534 A JP2000349534 A JP 2000349534A
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昌孝 大塚
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Yoshihiko Konishi
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヘリカル素子の入力インピーダンスを高くす
ることで4分配器とのインピーダンス整合を容易にし、
変成器を小型化もしくは不要とすることができるアンテ
ナ装置を得る。 【解決手段】 円筒側面に螺旋状に概ね等間隔で設置さ
れた4本の導体線(ヘリカル素子)20を有し、上記円
筒下部の上記4本の導体線端と、裏面に地導体を有する
誘電体基板23の表面に設けられた4分配回路22の分
配端とを接続した構造よりなるアンテナ装置において、
相対向する4分配回路22の分配端同士を接続する2本
の導体線24を設け、かつ、上記2本の導体線24を上
記円筒の概ね軸上で交差させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、4線巻きヘリカ
ルを使用したアンテナ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図19は例えば米国特許第557222
7号公報に示された従来の4線巻きヘリカルアンテナの
構成図である。図19において、1はLバンドで動作す
るヘリカル素子、2はSバンドで動作するヘリカル素
子、3はUHFバンドで動作するヘリカル素子、4はヘ
リカル素子1、2、3をその表面に構成したフィルムシ
ート、5はLバンド給電用のコネクタとケーブル、6は
Sバンド給電用のコネクタとケーブル、7はUHFバン
ド給電用のコネクタとケーブル、8はその表面にLバン
ド給電用の4分配回路を構成した基板、9はその表面に
Sバンド給電用の4分配回路を構成した基板、10はU
HFバンド給電用のケーブル7と接続するスリットバラ
ン、11はレドームである。
【0003】また、図20は図19のフィルムシート4
の展開図である。また、図21は基板8上に構成された
Lバンド給電用4分配器の構成図、図22は基板9上に
構成されたSバンド給電用4分配器の構成図である。図
21及び図22において、12はLバンド給電用4分配
器、13はSバンド給電用4分配器であり、14は1/
4波長変成器である。
【0004】これらの図において、ヘリカル素子1、
2、3はそれぞれ4本ずつ等間隔でフィルムシート4上
に構成されている。Lバンド給電用4分配器12は変成
器14を介してヘリカル素子1へ、Sバンド給電用4分
配器13は変成器14を介してヘリカル素子2へ接続し
ている。また、ケーブル5はLバンド給電用4分配器1
2へ、ケーブル6はSバンド給電用4分配器12へ接続
している。ケーブル7はスリットバラン10を介してヘ
リカル素子3へ接続する。
【0005】次に動作について説明する。送信時に、ケ
ーブル5より入力したLバンド信号は、4分配器12を
介して4本のヘリカル素子1を励振する。この際、各ヘ
リカル素子は、4分配器により、それぞれ90°ずつず
れた位相で励振され、空間に円偏波を放射する。同様
に、ケーブル6より入力したSバンド信号は、4分配器
13を介して4本のヘリカル素子2をそれぞれ90°ず
らした位相で励振し、空間に円偏波が放射される。受信
時においても、これらは可逆の動作で円偏波を受信す
る。なお、これらのヘリカルアンテナでは、アンテナが
所望の周波数で共振するように、各ヘリカル素子長が選
ばれている。変成器14は、各ヘリカル素子1、2の入
力インピーダンスと4分配器12,13の接続端のイン
ピーダンスを整合するために設けられている。また、U
HFバンド信号はケーブル7、スリットバラン10を介
してヘリカル素子3を励振するが、本特許との関連はな
いので説明を割愛する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来のヘリカルアンテ
ナは以上のように構成されているので、基板上に設けた
4分配器によって給電されるため、アンテナの構成が簡
単であるという利点を有する。しかし、共振するヘリカ
ル素子1、2の入力インピーダンスは通常数Ω程度と極
めて低く、4分配器12、13とのインピーダンス整合
を行うには、図21及び図22のように、変成器14の
線路幅を大きくして特性インピーダンスを低くするか、
変成器14を多段で構成する等、変成器の大型化が伴う
という問題があった。例えば高い周波数で使用する場合
には、変成器14の線路長より線路幅の方が大きくな
り、変成器として動作しなくなる。また、ヘリカルアン
テナを複数並べてアレー化して用いる場合には、4分配
器の設置面積が限られるので、変成器が大型化すると、
4分配器を設置できなくなる等の問題が発生する。
【0007】この発明は上記の課題を解決するためにな
されたもので、ヘリカル素子の入力インピーダンスを高
くすることで4分配器とのインピーダンス整合を容易に
し、変成器を小型化もしくは不要とすることができるア
ンテナ装置を得ることを目的とする。
【0008】また、4分配器等の給電回路からの放射を
抑制して、所望の放射特性を得られるアンテナ装置を得
ることを目的とする。
【0009】また、ヘリカル素子の高さを低くしたアン
テナ装置を得ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明に係るアンテナ
装置は、円筒側面に螺旋状に概ね等間隔で設置された4
本の導体線を有し、上記円筒下部の上記4本の導体線端
と、裏面に地導体を有する誘電体基板の表面に設けられ
た4分配回路の分配端とを接続した構造よりなるアンテ
ナ装置において、相対向する4分配回路の分配端同士を
接続する2本の導体線を設け、かつ、上記2本の導体線
を上記円筒の概ね軸上で交差させたことを特徴とするも
のである。
【0011】また、上記4分配回路の分配端同士を接続
する2本の導体線を迂回させて長さを長くしたことを特
徴とするものである。
【0012】また、上記4分配回路の分配端同士を接続
する2本の導体線に誘導性素子を付加したことを特徴と
するものである。
【0013】また、上記4分配回路の分配端同士を接続
する2本の導体線の代わりに、先端を開放した導体線を
上記4分配回路の各分配端に接続したことを特徴とする
ものである。
【0014】また、上記先端を開放した導体線に容量性
素子を付加したことを特徴とするものである。
【0015】また、上記誘電体基板の表面を地導体と
し、裏面に4分配回路を設置し、上記4本の螺旋状導体
線以外の構造を上記基板の裏面に構成したことを特徴と
するものである。
【0016】また、上記誘電体基板の地導体で上記円筒
底面に対応する部分を除去し、上記4分配回路の分配端
同士を接続する2本の導体線を基板の裏面もしくは表面
に設けたことを特徴とするものである。
【0017】さらに、上記基板の表面を地導体とし、裏
面に4分配回路を設置したことを特徴とするものであ
る。
【0018】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1はこの発明の
実施の形態1に係るアンテナ装置を示す構造図であり、
図2は上記アンテナ装置の等価回路図、図3は上記アン
テナ装置の電源における入力インピーダンスを表すスミ
スチャートである。図1において、20は導体線で構成
されたヘリカル素子、21はヘリカル素子20を巻いた
円筒支持体であり、通常誘電体で構成されている。22
はマイクロストリップ線路から成る4分配器、23は4
分配器22を表面に設置した誘電体基板であり、裏面は
導体膜になっている。24は4分配器22の対向する端
子間を接続する接続導体線である。
【0019】また、図2において、25a、25bは等
価回路における振幅Vの電源、26は誘電体基板23の
表面、すなわちヘリカル素子20と4分配器22の接続
境界B−B’であり、27は誘電体基板23裏面の導体
膜を表す。28は円筒支持体21の軸、29は電源25
と接続導体線24の境界A−A’である。
【0020】さらに、図3において、30はスミスチャ
ートの中心、31は短絡点、32は開放点を表す。33
はヘリカル素子20の長さを変えた場合におけるヘリカ
ル素子20の入力インピーダンスの軌跡を表す。なお、
図1〜図3において、共通の番号は同じものを表してい
る。
【0021】次に、このアンテナ装置の構造の詳細を説
明する。図1に示すように、円筒支持体21の周囲に
は、4本のヘリカル素子20が等間隔に螺旋状に設置さ
れている。円筒支持体21の上面で、各ヘリカル素子2
0は、各々対向するもの同士が接続し、その接続部分は
円筒支持体21の軸上で交差している。
【0022】4分配器22は、その分配端が円筒支持体
21の底面周囲に等間隔で設置されており、上記底面周
を右回りまたは左回りにたどったとき、隣り合う端子間
に90°ずつ給電位相差が設けられている。円筒支持体
21の底面周囲において、4分配器22の4分配端と4
本のヘリカル素子20は、それぞれ対応するものが接続
している。また、4分配器22の4分配端は、それぞれ
対向する2端が接続導体線24で接続され、2本の接続
導体線24は、概ね円筒支持体21の軸上で交差する。
【0023】次に、このアンテナ装置の動作を説明す
る。送信時には、4本のヘリカル素子20は、4分配器
22により、それぞれ90°の位相差で励振され、円偏
波を空間に放射する。受信時も可逆の動作で円偏波を受
信する。
【0024】まず、2本の接続導体線24がない場合、
すなわち、従来のヘリカルアンテナの場合を考える。相
対向する2本のヘリカル素子20は、4分配器22の相
対向する分配端により、互いの位相差が180°の状態
で励振される。すなわち、この2本のヘリカル素子20
は、平行2線線路のような動作をし、接続する2個の分
配端は、互いに逆相で同振幅の電源と見なされる。
【0025】したがって、送信時におけるこの等価回路
は、図2(a)のように表される。このとき、ヘリカル
素子20の長さが所望の周波数で共振するように調整さ
れていれば、電源25a、25bから見たヘリカル素子
20の入力インピーダンスは、リアクタンス分が0、抵
抗分が極めて低い値となり、図3のP0点に位置する。
【0026】ここで、ヘリカル素子20の長さを若干短
くし、2本の接続導体線24を設けた場合を考える。こ
のときの等価回路は図2(b)となる。ヘリカル素子2
0の長さを短くしたことにより、電源25a、25bか
ら見たヘリカル素子20の入力インピーダンスは、ま
ず、図3のP1点に移動する。ところで、相対向する2
本のヘリカル素子20は、円筒支持体21の軸28に対
して対称であり、かつ逆相で励振されているため、軸2
8は0電位線になっている。
【0027】したがって、等価回路図である図2(b)
は図2(c)のように表される。すなわち、境界29か
ら右側を見たとき接続導体線24は軸28を短絡点とす
るショートスタブになる。このため、電源25a、25
bには並列にインダクタンスが付加され、入力インピー
ダンスは図3のP2に移動する。このように、ヘリカル
素子20の入力インピーダンスは、リアクタンス分は0
のまま、抵抗分は接続導体線24を設ける前より高い値
に変換される。
【0028】以上のように、実施の形態1に係るアンテ
ナ装置の構造により、ヘリカル素子20の入力抵抗は従
来のものより高い値になる。このため、4分配器22端
とヘリカル素子20の間に挿入する変成器は、多段構成
にする必要がなくなり、線路幅が狭くて特性インピーダ
ンスの高い線路で構成することが可能になる。すなわ
ち、変成器が小型化されるという効果がある。
【0029】また、4分配器22端のインピーダンスに
よっては、変成器なしで直接整合を取ることも可能であ
る。さらに、アンテナの対称性から生じる0電位線を利
用してショートスタブを構成しているので、従来から用
いられているショートスタブのようにスルーホールによ
る短絡点を設けなくても良いという利点がある。また、
従来のアンテナ装置よりヘリカル素子長を短くするの
で、アンテナ高が低くなるという利点がある。
【0030】実施の形態2.図4はこの発明の実施の形
態2に係るアンテナ装置の誘電体基板上における4分配
器とその端子を接続する接続導体線の形状を示す図であ
る。図4において、34は迂回させて長さを長くした接
続導体線であり、他の符号は前述した実施の形態1のも
のと同じである。
【0031】本実施の形態2では、接続導体線34を迂
回させることで、ショートスタブの線路長を、実施の形
態1より長くすることができる。すなわち、図2(c)
の電源25aに並列に付加されるインダクタンスを増加
することができ、ヘリカル素子の入力インピーダンスの
調整幅が広がる利点を有する。例えば実施の形態1で
は、図1の接続導体線24の長さが固定であるため、イ
ンダクタンス値も一定であり、ヘリカル素子20の長さ
も一定値に定まってしまうが、本実施の形態2では、イ
ンダクタンス値を調整できるので、ヘリカル素子20の
長さをある程度任意に選択することが可能になる。
【0032】実施の形態3.図5はこの発明の実施の形
態3に係るアンテナ装置の誘電体基板上における4分配
器とその端子を接続する接続導体線の構造を示す図であ
る。図5において、35は接続導体線24の途中に設置
した誘導性素子である。他の符号は前述した実施の形態
2のものと同じである。
【0033】本実施の形態3では、接続導体線24に誘
導性素子を設置することで、インダクタンス値を調整し
ている。本実施の形態3の効果は、実施の形態2と同様
で、ヘリカル素子の入力インピーダンスの調整幅が広が
ることである。
【0034】なお、以上に述べた実施の形態1〜3にお
いて、2本の接続導体線24または34が交差する点
(0電位点)にスルーホールを設けて、短絡を確実にす
る手法を用いてもかまわないことは言うまでもない。
【0035】実施の形態4.図6はこの発明の実施の形
態4に係るアンテナ装置の誘電体基板上における4分配
器とその端子に接続した導体線を示す図である。また、
図7は上記アンテナ装置の電源における入力インピーダ
ンスを表すスミスチャートである。図6において、36
は4分配器22の分配端に接続する導体線であり、その
先端は開放されている。他の符号は前述のものと同じで
ある。
【0036】この実施の形態4は、4分配器22の分配
端に、先端開放導体線36を接続することで、図2
(c)の電源25aに並列にキャパシタンスを付加する
ものである。先端開放導体線36を付加する前のヘリカ
ル素子20の共振時の入力インピーダンスを図7のP0
点とする。若干ヘリカル素子20を長くすると、入力イ
ンピーダンスはP3点に移動する。ここで、電源25a
に並列にキャパシタンスを付加することで、入力インピ
ーダンスはP4に移動し、より高い入力抵抗を得ること
ができる。
【0037】この実施の形態4の効果は、実施の形態1
と同じく、ヘリカル素子の入力抵抗を高くすることによ
る変成器の小型化、不要化である。また、実施の形態1
〜3に比べてヘリカル素子の高さが高くなるが、この場
合、広角方向の放射レベルが高くなるので、天頂から広
角まで広い範囲でアンテナを使用する場合には、この実
施の形態4が有利になる。先端開放導体線36の長さを
調整することで、ヘリカル素子の入力インピーダンスの
調整幅が広がることは、実施の形態2、3と同様であ
る。
【0038】実施の形態5.図8はこの発明の実施の形
態5に係るアンテナ装置の誘電体基板上における4分配
器とその端子に接続した導体線の構造を示す図である。
図8において、37は先端開放導体線36に付加した容
量性素子である。他の符号は前述のものと同じである。
【0039】本実施の形態5では、先端開放導体線36
に容量性素子37を設置することで、キャパシタンス値
を調整している。本実施の形態5の効果は、実施の形態
2と同様で、ヘリカル素子の入力インピーダンスの調整
幅が広がることである。
【0040】実施の形態6.図9はこの発明の実施の形
態6に係るアンテナ装置の構成図であり、図10は誘電
体基板23の裏面に設けた4分配器とその端子に接続し
た導体線の構造を示す図である。これら図において、3
8はヘリカル素子20と4分配器22の分配端を接続す
るスルーホールである。他の符号は前述のものと同じで
ある。
【0041】この実施の形態6のアンテナ装置の構成
は、実施の形態1における4分配器22と接続導体線2
4を誘電体基板23の裏面に設置し、誘電体基板23の
表面には導体膜27を設けたものである。ヘリカル素子
20と4分配器22の分配端は、誘電体基板23に設け
たスルーホール38によって接続されている。誘電体基
板23の表面において、スルーホール38の周囲は導体
が除去されており、導体膜27とスルーホール38は電
気的に接続しないようになっている。
【0042】この実施の形態6のアンテナ装置の動作
は、実施の形態1の動作と同じである。しかし、4分配
器22や接続導体線24を誘電体基板23の裏面に設け
ることで、これらからの不要な放射がなくなり、ヘリカ
ル素子20からの放射のみとなるので、所望の放射パタ
ーンが得られるという効果がある。
【0043】また、実施の形態2〜5で述べた構成で
も、本実施の形態6のように、誘電体基板23の表面を
導体膜27とし、裏面にヘリカル素子20以外の構成物
を配置できることは言うまでもない。
【0044】実施の形態7.図11はこの発明の実施の
形態7に係るアンテナ装置の構成図、図12はこの発明
の実施の形態7における誘電体基板23の裏面を示した
図である。図12において、39は、導体膜27で円筒
支持体21の底面に対応する部分の導体を除去した導体
除去部である。他の符号は前述のものと同じである。
【0045】この実施の形態7は、実施の形態1におい
て、円筒支持体21の底面に対応する部分の導体膜を除
去したものである。この場合、接続導体線24は、地導
体部を失うのでショートスタブとしては動作せず、放射
機能を生じてヘリカル素子20の一部として動作する。
すなわち、ヘリカル素子20は等価的に長くなる。
【0046】したがって、所望の周波数で共振させるた
めには、ヘリカル素子20をより短くすることになるの
で、ヘリカル素子20の高さがより低くなるという効果
を得ることができる。
【0047】実施の形態8.図13はこの発明の実施の
形態8に係るアンテナ装置の構成図、図14はこの発明
における誘電体基板23の裏面を示した図である。各符
号は前述のものと同じである。
【0048】この実施の形態8は、実施の形態7におい
て、接続導体線24を誘電体基板23の裏面に設けたも
ので、接続導体線24は導体膜27と接続している。こ
の場合も動作は、実施の形態7とほぼ同様であり、ヘリ
カル素子20の高さがより低くなるという効果を得るこ
とができる。
【0049】実施の形態9.図15はこの発明の実施の
形態9に係るアンテナ装置の構成図、図16はこの発明
における誘電体基板23の裏面を示した図である。各符
号は前述のものと同じである。
【0050】この実施の形態9は、実施の形態7におい
て、誘電体基板23の表面に導体膜27と導体除去部3
9を設け、誘電体基板23の裏面に4分配器22を設置
したものである。ヘリカル素子20と4分配器23の分
配端は、誘電体基板23に設けたスルーホール38で接
続されている。誘電体基板23の表面において、スルー
ホール38の周囲は導体が除去されており、導体膜27
とスルーホール38は電気的に接続しないようになって
いる。また、接続導体線24は誘電体基板23の表面に
設置されており、スルーホール38と接続している。
【0051】この実施の形態9のアンテナ装置の動作
は、実施の形態7とほぼ同様で、ヘリカル素子20の高
さがより低くなるという効果を得る。さらに、4分配器
22が誘電体基板23の裏面に設置されているので、こ
れからの不要な放射がなくなり、所望の放射パターンが
得られるという効果がある。
【0052】実施の形態10.図17はこの発明の実施
の形態10に係るアンテナ装置の構成図、図18はこの
発明における誘電体基板23の裏面を示した図である。
各符号は前述のものと同じである。
【0053】この実施の形態10は、実施の形態9にお
いて、接続導体線24を誘電体基板23の裏面に設置し
たものである。接続導体線24はスルーホール38、4
分配器22の分配端と接続している。
【0054】この実施の形態10のアンテナ装置の動作
は、実施の形態9とほぼ同様であり、効果も同様であ
る。すなわち、ヘリカル素子20の高さがより低くなる
という効果と、4分配器22の不要な放射がなくなり、
所望の放射パターンが得られるという効果がある。
【0055】なお、今まで述べた実施の形態1〜10で
は、円筒支持体21の上面で各ヘリカル素子20を接続
した先端短絡形ヘリカルアンテナを用いて説明してきた
が、円筒支持体21の上面で各ヘリカル素子20を接続
しない先端開放形ヘリカルアンテナに対しても、以上の
発明が適用できることは言うまでもない。
【0056】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、円筒
側面に螺旋状に概ね等間隔で設置された4本の導体線を
有し、上記円筒下部の上記4本の導体線端と、裏面に地
導体を有する誘電体基板の表面に設けられた4分配回路
の分配端とを接続した構造よりなるアンテナ装置におい
て、相対向する4分配回路の分配端同士を接続する2本
の導体線を設け、かつ、上記2本の導体線を上記円筒の
概ね軸上で交差させたので、ヘリカル素子の入力インピ
ーダンスを高くすることで4分配器とのインピーダンス
整合を容易にし、変成器を小型化もしくは不要にするこ
とができるという効果がある。
【0057】また、上記4分配回路の分配端同士を接続
する2本の導体線を迂回させて長さを長くしたので、電
源に並列に付加されるインダクタンスを増加させること
ができ、ヘリカル素子の入力インピーダンスの調整幅を
広げることができる。
【0058】また、上記4分配回路の分配端同士を接続
する2本の導体線に誘導性素子を付加したので、ヘリカ
ル素子の入力インピーダンスの調整幅を広げることがで
きる。
【0059】また、上記4分配回路の分配端同士を接続
する2本の導体線の代わりに、先端を開放した導体線を
上記4分配回路の各分配端に接続したので、電源にキャ
パシタンスを付加してヘリカル素子の入力インピーダン
スを移動させてより高い入力抵抗を得ることができる。
【0060】また、上記先端を開放した導体線に容量性
素子を付加したので、キャパシタンス値を調整してヘリ
カル素子の入力インピーダンスの調整幅を広げることが
できる。
【0061】また、上記誘電体基板の表面を地導体と
し、裏面に4分配回路を設置し、上記4本の螺旋状導体
線以外の構造を上記基板の裏面に構成したので、不要な
放射を無くし、ヘリカル素子からの放射のみとして所望
の放射パターンを得ることができる。
【0062】また、上記誘電体基板の地導体で上記円筒
底面に対応する部分を除去し、上記4分配回路の分配端
同士を接続する2本の導体線を基板の裏面もしくは表面
に設けたので、ヘリカル素子をより短くすることがで
き、ヘリカル素子の高さをより低くなるという効果があ
る。
【0063】さらに、上記基板の表面を地導体とし、裏
面に4分配回路を設置したので、ヘリカル素子の高さが
より低くなるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に係るアンテナ装置
を示す構造図である。
【図2】 図1のアンテナ装置の等価回路図である。
【図3】 図1のアンテナ装置の電源における入力イン
ピーダンスを表すスミスチャートである。
【図4】 この発明の実施の形態2に係るアンテナ装置
の誘電体基板上における4分配器とその端子を接続する
接続導体線の形状を示す図である。
【図5】 この発明の実施の形態3に係るアンテナ装置
の誘電体基板上における4分配器とその端子を接続する
接続導体線の構造を示す図である。
【図6】 この発明の実施の形態4に係るアンテナ装置
の誘電体基板上における4分配器とその端子に接続した
導体線を示す図である。
【図7】 図6のアンテナ装置の電源における入力イン
ピーダンスを表すスミスチャートである。
【図8】 この発明の実施の形態5に係るアンテナ装置
の誘電体基板上における4分配器とその端子に接続した
導体線の構造を示す図である。
【図9】 この発明の実施の形態6に係るアンテナ装置
の構成図である。
【図10】 図9の誘電体基板23の裏面に設けた4分
配器とその端子に接続した導体線の構造を示す図であ
る。
【図11】 この発明の実施の形態7に係るアンテナ装
置の構成図である。
【図12】 この発明における誘電体基板23の裏面を
示した図である。
【図13】 この発明の実施の形態8に係るアンテナ装
置の構成図である。
【図14】 この発明における誘電体基板23の裏面を
示した図である。
【図15】 この発明の実施の形態9に係るアンテナ装
置の構成図である。
【図16】 この発明における誘電体基板23の裏面を
示した図である。
【図17】 この発明の実施の形態10に係るアンテナ
装置の構成図である。
【図18】 この発明における誘電体基板23の裏面を
示した図である。
【図19】 従来の4線巻きヘリカルアンテナの構成図
である。
【図20】 図19のフィルムシート4の展開図であ
る。
【図21】 基板8上に構成されたLバンド給電用4分
配器の構成図である。
【図22】 基板9上に構成されたSバンド給電用4分
配器の構成図である。
【符号の説明】
20 ヘリカル素子、21 円筒支持体、22 4分配
器、23 誘電体基板、24 接続導体線、25a,2
5b 電源、26 誘電体基板23の表面、27 誘電
体基板23裏面の導体膜、34 接続導体線、35 誘
導性素子、36 先端開放導体線、37 容量性素子、
38 スルーホール、39 導体除去部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小西 善彦 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 佐藤 裕之 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 5J046 AA04 AA07 AB12 PA00

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒側面に螺旋状に概ね等間隔で設置さ
    れた4本の導体線を有し、上記円筒下部の上記4本の導
    体線端と、裏面に地導体を有する誘電体基板の表面に設
    けられた4分配回路の分配端とを接続した構造よりなる
    アンテナ装置において、 相対向する4分配回路の分配端同士を接続する2本の導
    体線を設け、かつ、上記2本の導体線を上記円筒の概ね
    軸上で交差させたことを特徴とするアンテナ装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のアンテナ装置におい
    て、上記4分配回路の分配端同士を接続する2本の導体
    線を迂回させて長さを長くしたことを特徴とするアンテ
    ナ装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載のアンテナ装置
    において、上記4分配回路の分配端同士を接続する2本
    の導体線に誘導性素子を付加したことを特徴とするアン
    テナ装置。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載のアンテナ装置におい
    て、上記4分配回路の分配端同士を接続する2本の導体
    線の代わりに、先端を開放した導体線を上記4分配回路
    の各分配端に接続したことを特徴とするアンテナ装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載のアンテナ装置におい
    て、上記先端を開放した導体線に容量性素子を付加した
    ことを特徴とするアンテナ装置。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかに記載のア
    ンテナ装置において、上記誘電体基板の表面を地導体と
    し、裏面に4分配回路を設置し、上記4本の螺旋状導体
    線以外の構造を上記基板の裏面に構成したことを特徴と
    するアンテナ装置。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載のアンテナ装置におい
    て、上記誘電体基板の地導体で上記円筒底面に対応する
    部分を除去し、上記4分配回路の分配端同士を接続する
    2本の導体線を基板の裏面もしくは表面に設けたことを
    特徴とするアンテナ装置。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載のアンテナ装置におい
    て、上記基板の表面を地導体とし、裏面に4分配回路を
    設置したことを特徴とするアンテナ装置。
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