JP2000346776A - ガス分析方法およびガス分析装置およびガス分析プログラムを記録した記録媒体ならびにガス分析用データを記録した記録媒体 - Google Patents

ガス分析方法およびガス分析装置およびガス分析プログラムを記録した記録媒体ならびにガス分析用データを記録した記録媒体

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JP2000346776A
JP2000346776A JP11156275A JP15627599A JP2000346776A JP 2000346776 A JP2000346776 A JP 2000346776A JP 11156275 A JP11156275 A JP 11156275A JP 15627599 A JP15627599 A JP 15627599A JP 2000346776 A JP2000346776 A JP 2000346776A
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gas
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change amount
oscillating
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JP11156275A
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English (en)
Inventor
Masayuki Nakamura
雅之 中村
Iwao Sugimoto
岩雄 杉本
Shigeki Ogawa
茂樹 小川
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
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  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Electric Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 より少ない検体量でより高い精度でガスの分
析ができるようにする。 【解決手段】 コンピュータ110で、水晶発振子10
5とガス吸着膜106からなる各化学センサ応答の最大
値の和で、時刻1から時刻kまでのそれら各化学センサ
の応答を除算して正規化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、環境中のガス化
学物質、飲料や香料などのにおい成分、口臭などひと体
内より発生するガスを分析するガス分析方法およびガス
分析装置およびガス分析プログラムを記録した記録媒体
ならびにガス分析用データを記録した記録媒体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】化学物質の種類を判別して濃度を測定す
るガス分析装置においては、簡単、安価な構成で、微量
の被測定ガスを感度良く測定・分析する性能が要求され
る。従来よりこのようなガス分析装置では、表面に吸着
膜を設けた複数の水晶発振子からなるセンサを用い、そ
の発振周波数の最大変化量から被測定ガスの判別を行う
分析方法が用いられている。
【0003】この分析方法では、まず、そのセンサを複
数用いて測定対象のガスを測定し、複数のセンサそれぞ
れで得られた最大値M1〜Mnの合計Sを求め、それぞれ
のセンサで得られた最大値M1〜Mnをそれぞれ合計Sで
割った(M1,M2,・・・,Mn)を求める。そして、
その結果と、あらかじめ用意してある既知のガスの同様
の測定データとを比較し、一致した用意してある測定デ
ータのガスが測定対象のガスであるという判断をしてい
る。
【0004】また、同様に吸着膜が被膜された水晶発振
子からなるセンサを用い、その発振周波数の時間応答を
指数関数よりなる式にあてはめ、その指数関数の時定数
より被測定ガスの判別を行う分析方法もある。この分析
方法では、あらかじめ既知のガスを測定することで、複
数の既知のガスにおける上述した時定数を求めておき、
被測定ガスの測定で得られた時定数とそれらデータとを
比較することで、被測定ガスの判別を行うようにしてい
る。そして、この分析方法では、センサを複数用意する
必要がなく、1つのセンサで分析が行えるという利点が
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来用いら
れている上述したガス分析方法では、以下に示すよう
に、分析に精度が得られない場合や、分析に時間がかか
り多くの検体が必要になるなどの問題点があった。ま
ず、複数のセンサを用いて発振周波数の最大変化量から
被測定ガスの判別する分析方法においては、用いている
情報はセンサ応答の一点であるため、ガスの判別には情
報が少なく、高精度なガスの分析ができないという問題
があった。例えば、異なるガスであっても、同じような
測定結果しか得られない場合がある。。
【0006】また、センサ応答の時間的な変化によって
ガスの分析を行う方法においては、少ないセンサ数で高
精度なガスの判別ができるが、時定数を求めるために十
分長い時間のセンサ応答が必要となる。このため、分析
のために多くの検体が必要となり、微量分析ができない
という問題があった。また、短時間で対象ガスの判別が
できないという問題もあった。
【0007】この発明は、以上のような問題点を解消す
るためになされたものであり、より少ない検体量でより
高い精度でガスの分析ができるようにすることを目的と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明のガス分析装置
は、水晶発振子およびその表面に形成されてそれぞれ異
なる特性の有機材料からなるガス吸着膜からなる複数の
化学センサを内部に備えた分析セルと、この化学センサ
を発振させる発振手段と、この発振手段により発振して
いる化学センサそれぞれの周波数の変化量を所定の時間
間隔で求める変化量測定手段と、この変化量測定手段に
より測定された化学センサそれぞれの周波数の変化量の
最大値の総和で、変化量測定手段が測定した各時刻にお
ける化学センサの周波数の変化量それぞれを除算して得
られた正規化変化量の組を求める演算手段と、分析セル
を通過させたガスの分析を演算手段が求めた正規化変化
量の組により行う判別手段とを備えるようにした。以上
のように構成したので、ガスの分析が、複数の化学セン
サから得られた周波数の変化により行われる。
【0009】以上の構成において、あらかじめ測定して
ある既知のガスの正規化変化量の組からなるデータベー
スを新たに備え、判別手段では、データベースに用意さ
れている既知のガスの正規化変化量の組と演算手段が求
めた正規化変化量の組とを比較することで、ガスの分析
を行うようにすればよい。また、そのとき、判別手段
は、その比較によって、ガスの判別やガスの定量を行
う。
【0010】また、この発明のガス分析装置は、水晶発
振子およびその表面に形成されてそれぞれ異なる特性の
有機材料からなるガス吸着膜からなる複数の化学センサ
を内部に備えた分析セルと、この化学センサを発振させ
る発振手段と、この発振手段により発振している化学セ
ンサそれぞれの周波数の変化量を所定の時間間隔で求め
る変化量測定手段と、この変化量測定手段により測定さ
れた化学センサそれぞれの周波数の変化量の最大値の総
和で、変化量測定手段が測定した各時刻における化学セ
ンサの周波数の変化量それぞれを除算して得られた正規
化変化量の組を求める第1の演算手段と、変化量測定手
段により測定された各時刻における化学センサそれぞれ
の周波数の変化量の組を求める第2の演算手段と、この
第2の演算手段が求めた変化量の組を第1の演算手段に
より得られた正規化変化量の組に所定の正の係数を乗じ
た値の和で近似する第3の演算手段と、この第3の演算
手段により得られた係数を用いて分析セルを通過させた
ガスの定量を行う判別手段とを備えるようにした。した
がって、複数の化学センサから得られた周波数の変化と
それらを正規化した結果との関係により、測定対象のガ
スの定量が行われる。
【0011】また、この発明のガス分析方法では、測定
対象ガスが分析セル内を流れた結果得られる変化量測定
手段により測定された化学センサそれぞれの周波数の変
化量の最大値の総和で、変化量測定手段が測定した各時
刻における化学センサの周波数の変化量それぞれを除算
して得られた正規化変化量の組を求め、この正規化変化
量の組により分析セルを通過させたガスの分析を行うよ
うにした。従って、ガスの分析が、複数の化学センサか
ら得られた周波数の変化により行われる。そのとき、あ
らかじめ測定してある既知のガスの正規化変化量の組か
らなるデータベースを用意し、測定対象ガスが分析セル
内を流れた結果得られる正規化変化量の組と、データベ
ースに用意されている既知のガスの正規化変化量の組と
を比較することで、ガスの分析を行うようにすればよ
い。また、その比較によって、ガスの判別やガスの定量
を行う。
【0012】また、この発明のガス分析方法では、測定
対象ガスが分析セル内を流れた結果得られる変化量測定
手段により測定された化学センサそれぞれの周波数の変
化量の最大値の総和で、変化量測定手段が測定した各時
刻における化学センサの周波数の変化量それぞれを除算
して得られた正規化変化量の組を求め、変化量測定手段
により測定された各時刻における化学センサそれぞれの
周波数の変化量の組を求め、この変化量の組を正規化変
化量の組に所定の正の係数を乗じた値の和で近似し、そ
の係数を用いて分析セルを通過させたガスの定量を行う
ようにした。したがって、複数の化学センサから得られ
た周波数の変化とそれらを正規化した結果との関係によ
り、測定対象のガスの定量が行われる。ことを特徴とす
るガス分析方法。
【0013】また、この発明のガス分析プログラムを記
憶したプログラム記憶媒体は、測定対象ガスが分析セル
内を流れた結果得られる変化量測定手段により測定され
た化学センサそれぞれの周波数の変化量の最大値の総和
で、変化量測定手段が測定した各時刻における化学セン
サの周波数の変化量それぞれを除算して得られた正規化
変化量の組を求めるステップと、この正規化変化量の組
により分析セルを通過させたガスの分析を行うステップ
とを備えるようにした。
【0014】また、この発明のガス分析プログラムを記
憶したプログラム記憶媒体は、測定対象ガスが分析セル
内を流れた結果得られる変化量測定手段により測定され
た化学センサそれぞれの周波数の変化量の最大値の総和
で、変化量測定手段が測定した各時刻における化学セン
サの周波数の変化量それぞれを除算して得られた正規化
変化量の組を求めるステップと、変化量測定手段により
測定された各時刻における化学センサそれぞれの周波数
の変化量の組を求めるステップと、この変化量の組を正
規化変化量の組に所定の正の係数を乗じた値の和で近似
するステップと、その係数を用いて分析セルを通過させ
たガスの定量を行うステップとを備えるようにした。
【0015】また、この発明のガス分析用データを記録
した記録媒体は、測定対象ガスが分析セル内を流れた結
果得られる変化量測定手段により測定された化学センサ
それぞれの周波数の変化量の最大値の総和で、変化量測
定手段が測定した各時刻における化学センサの周波数の
変化量それぞれを除算して得られた正規化変化量の組か
ら構成するようにした。
【0016】
【発明の実施の形態】以下この発明の実施の形態を図を
参照して説明する。図1はこの実施の形態のガス分析装
置の構成を示す構成図である。このガス分析装置は、ま
ず、空気供給器101からの清浄な空気が、マスフロー
コントローラー102により一定流量に制御され、そし
て、測定セル103に供給される。ここで、空気供給器
101は、例えば、空気ボンベ、あるいはポンプなどに
より、定常的に清浄空気を供給するようにしている。ま
た、清浄空気が供給される測定セル103の前段には、
試験ガスをシリンジなどによって少量打ち込むポート1
04が設けられている。
【0017】その、測定セル103には、複数の水晶発
振子105が配置され、それら水晶発振子105の表面
にはガス吸着膜106が設けられ、化学センサを構成し
ている。そのガス吸着膜106としては、例えば、ポリ
フロロトリフルオロエチレン、フェニルアラニン等の有
機化合物の膜から構成すればよい。また、それら皮膜
は、ポリフロロトリフルオロエチレン、フェニルアラニ
ン等の有機物をターゲットとしたスパッタリング方法に
より、水晶発振子105の表面に被覆できる。そして、
この実施の形態では、各水晶発振子105に形成するガ
ス吸着膜106の状態を、それぞれ異なるようにした。
その状態をそれぞれ変えるためには、例えば、ガス吸着
膜106の材料をそれぞれ異なるようにすればよい。ま
た、ガス吸着膜106の形成膜厚をそれぞれ異なるよう
にしても良い。
【0018】また、水晶発振子105には発振回路10
7が設けられ、この発振回路107は水晶発振子105
の発振周波数で発振するようになっている。発振回路1
07の出力はスイッチ108によって切り替えられ、周
波数カウンタ109の入力に接続されている。そして、
周波数カウンタ109の出力はコンピュータ110に接
続されている。コンピュータ110は、周波数カウンタ
109で計測された発振回路107の発振周波数の変化
を追跡し、水晶発振子105の発振周波数の変化から、
測定セル103内を流れたガスの種類の同定や濃度の定
量を行うものである。
【0019】次に、このガス判別、定量装置の動作につ
いて説明する。まず、空気供給器101から定常的に清
浄空気を流した状態でポート104から試験ガスを打ち
込むと、水晶発振子105のガス吸着膜106への試験
ガス分子の吸着が開始する。このとき、この試験ガスの
吸着量の時間変化は水晶発振子105の圧電応答に変換
されるので、発振回路107の発振周波数を周波数カウ
ンタ109で計測することによって吸着量の時間変化を
モニターできる。
【0020】また、スイッチ108は、例えば5秒ごと
に、周波数カウンタ109と各発振回路107との接続
を切り替えている。このことにより、周波数カウンタ1
09を1つ備えるだけで、コンピュータ110は、複数
の発振回路107からの出力をサンプリングできる。な
お、周波数カウンタ109を発振回路107それぞれに
用意すれば、スイッチ108を用いることなく発振回路
107それぞれの出力を同時にサンプリングできる。
【0021】そして、コンピュータ110は、一定時間
ごとに周波数カウンタ109の出力をサンプリングし、
水晶発振子105の圧電応答を追跡する。これらコンピ
ュータ110の動作は、外部記憶装置111に記憶され
ているプログラムに従って行われるものである。この中
で、試験ガスは測定セル103内を短時間流れるため、
センサ応答は初めは急激に増加するが、試験ガスが測定
セル103内を通過した後は徐々に減少し始める。そし
て、この実施の形態では、そのセンサ応答を用い、外部
記憶装置111に記憶されているプログラムに従ったコ
ンピュータ110の以下に説明する動作により、ガスの
分析を行うようにした。
【0022】上述したように、水晶発振子上に有機材料
からなる吸着膜を形成し、これを被測定ガス中に晒すこ
とで吸着膜へ被測定ガスの分子を吸着させると、水晶発
振子の発振周波数が変化する。その発振周波数の変化量
は、吸着膜の質量変化すなわち吸着した被測定ガスの質
量に比例する。その水晶発振子からなるガスセンサを短
時間測定対象のガスに晒すと、tを時刻とした発振周波
数変化量であるセンサ応答m(t)は、図2(a)のよ
うな応答を示す。
【0023】まず、ガスが存在する間は、ガス分子がガ
ス吸着膜に吸着するため、センサ応答m(t)は急激に
増加する。しかし、ガスがなくなると、吸着膜に吸着し
たガス分子が離脱するため、センサ応答m(t)はゆっ
くりと減少していく。ここで、センサの最大応答値M
は、ガスの濃度が大きくなると比例的に大きくなり、ま
た、ガスの種類によってもその大きさは変化することが
わかっている。一方、センサ応答が減少していく課程
は、ガス濃度の影響を受けず、主に、ガス分子の化学的
性質や大きさなどガスの種類によって変化することが判
明した。
【0024】よって、図2(a)のように、最大応答M
が得られた時刻1からセンサ応答が減少していく時刻k
までのセンサ応答を用い、吸着膜に吸着したガスを判別
することが考えられる。すなわち、センサの最大応答値
Mにより対象とするガスの濃度すなわち定量が行え、セ
ンサ応答の減小の状態により対象とするガスの判別が行
える。
【0025】また、センサ応答が増加してていく課程
も、ガス濃度の影響を受けず、主に、ガス分子の大きさ
や化学的性質などガスの種類によって変化することがわ
かっている。従って、図2(b)のようにセンサ応答の
時間軸方向を拡大し、ガスが導入された時刻1から最大
応答Mが得られる時刻kまでのセンサ応答が増加してい
く課程を用いることでも、吸着膜に吸着したガスの判別
・定量が行える。すなわち、センサの最大応答値Mによ
り対象とするガスの濃度すなわち定量が行え、センサ応
答の増加の状態により対象とするガスの判別が行える。
【0026】以下では、センサ応答が減少していく状態
によりガス判別を行う場合についてより詳細に説明す
る。上述した水晶発振子型の化学センサのように、様々
なガスに対して応答を示すセンサは、ガス濃度の影響を
打ち消すために、上述したように、吸着膜の特性を変え
た複数のセンサを用いてガス判別を行うようにしてい
る。
【0027】ここで、n個のセンサを用いる場合、以下
の式1で示す各センサ応答m1(t),m2(t),…,
n(t)の最大値M1,M2,…,Mnの和Sで、以下の
式2に示すように、最大応答Mが得られた時刻1からセ
ンサ応答が減少する所定の時刻kまでの各センサ応答m
1(1),…,mn(1),m1(2),…,mn(2),
…,m1(k),…,mn(k)を除算して正規化したデ
ータ列のベクトルが、ガスの種類を表す有効な情報であ
ることが判明している。
【0028】 S=M1+M2+,…,+Mn・・・(式1)
【0029】 m1(1)/S,…,mn(1)/S,m1(2)/S,…,mn(2)/S,…, m1(k)/S,…,mn(k)/S・・・(式2)
【0030】ここで、以下の式3に示すように、あるガ
iに対する式2で示したデータ列のベクトルを正規化
センサ応答列Giとする。
【0031】 Gi=[ m1(1)/S,…,mn(1)/S,m1(2)/S,…,mn(2) /S,…,m1(k)/S,…,mn(k)/S ]T・・・(式3) ここで、Tはベクトルや行列の転置を表す。
【0032】そして、単独ガスの場合は、様々なガスに
関して収集した式3のデータベースと、試験ガスに対す
る式3の比較によりガス判別をすることができる。すな
わち、ベクトルとベクトルの距離を計算し、最も距離が
小さいベクトルを選び出し、測定したガスをそれが属す
るガス種に判別すればよい。
【0033】さらに、複数が混合したガスの分析の場合
は、次に示すようにする。以下の式4に示すように、数
種類のガスからなる混合ガスに対する、時刻1から所定
の時刻kまでのセンサ応答m1(1),…,mn(1),
1(2),…,mn(2),…,m1(k),…,m
n(k)のデータ列のベクトルをセンサ応答列ベクトル
Hとすると、このHは以下の式5に示すように近似でき
る。
【0034】 H=[m1(1),…,mn(1),m1(2),…,mn(2),…,m1(k) ,…,mn(k)]T・・・(式4)
【0035】 H≒a11+a22+,…,+app・・・(式5) ここで、aiはスカラーで各構成ガスの濃度によって決
まる量である。また、pは正の整数で実際の構成ガスの
数よりも大きくなければならず、この式は実際の構成ガ
スのGiを必ず含んでいるものとする。
【0036】混合ガスを判別、定量する場合は、ある試
験ガスに対するセンサ応答を上述した式5にあてはめ、
各係数aiを求めることによって各構成ガスの濃度を求
めることができる。ここで、各Giは、濃度既知の単独
ガスを上述したセンサで測定した結果得られているデー
タベースより既知である。すなわち、まず、各構成ガス
の係数ベクトルAを次の式6のように定める。
【0037】 A=[a1,a2,…,ap T・・・(式6)
【0038】さらに正規化センサ応答列の行列Gを、次
の式7のように定める。
【0039】 G=[G1,G2,…,Gp]・・・(式7)
【0040】すると、各構成ガスの係数ベクトルAは、
正規化センサ応答列の行列Gの擬似逆行列(GTG)-1
Tと、式5によるHより、次の式8で求めることがで
きる。
【0041】(GTG)-1TH・・・(式8)
【0042】しかしながら、式8で求まる係数は正の数
とは限らない。aiはガス濃度と同じく必ず正の数でな
ければならない。そこで、以下の式9に示すように、a
iをbi 2(biは実数)とし、以下の式10の値を最小に
するようなbiを求めた後、aiに変換することによって
各構成ガス濃度を求めることができる。
【0043】 b1 21+b2 22+,…,+bp 2p・・・(式9)
【0044】 (H−(b1 21+b2 22+,…,+bp 2p))T(H−(b1 21+b2 22+ ,…,+bp 2p))・・・(式10)
【0045】ここで、式10を最小にするようなb
iは、以下のように求める。まず、(式8)で求まるai
が負の値である場合は、例えば0.00001と十分小
さい値、一方、そのaiが正の値である場合は、aiの平
方根としてbiの初期値を定める。そして、以下の(式
11)で表される更新量をbiに加え、それを新たなbi
とする。
【0046】 ebii T(H−(b1 21+b2 22+,…,+bp 2p))・・・(式11) ここでeは十分小さな正の数で、例えば0.01であ
る。
【0047】次に、その新たなbiで再び式11を計算
し、biに加える。これを、例えば、300回繰り返し
てbiを求め、それを自乗することによりaiを求めるこ
とができる。以上の計算により、構成ガスでないガスに
関しては、求めたガス濃度は0に近くなるため、試験ガ
スに含まれていないと判断することができる。
【0048】また、定量は、単独ガスに対する応答から
得られる次の式12に示すガス濃度定量式のSに、上述
のことにより求めたaiを代入することによって行う。
【0049】RSh・・・(式12) ここで、Sは前述した式1における各センサ応答の最大
値の和である。また、Rは正の数からなる定数、hは実
数からなる定数でガス種によって異なる量である。
【0050】なお、上述では、aiをbi 2のような形に
したが、常に正の値である形式であればどのような関数
形でもよく、例えばexp(bi)のような指数関数に
することも可能である。その場合、上述した式11によ
る更新量は、以下の式13を用いるようにすればよい。
【0051】 1/2eexp(bi)Gi T(H−(exp(b1)G1+exp(b2)G2+,…,+ex p(bp)Gp))・・・(式13)
【0052】この場合、前述した式8で求まるaiが負
の値である場合は、例えば−10000、正の値である
場合はlog(ai)としてbiの初期値を定め、その式
13で表される更新量をbiに加えてそれを新たなbi
すればよい。そして、求めたbiをexp(bi)と変換
することによりaiを求めることができる。
【0053】図1に示したコンピュータ110では、以
上に説明したように、得られたセンサ応答(発振回路1
07出力)から、正規化と正規化応答の線形和の各係数
とを推定し、試験ガスの種類の同定と濃度の定量を行
う。これらの処理を図3のフローチャートにて説明す
る。はじめに、既知のガスの測定を行いデータベースを
作成しておく必要があるが、これはまず、図3(a)の
フローチャートに示すように、ステップS301で、既
知のガスをポート104から打ち込み、ステップS30
2で試験ガスに対する各化学センサの応答を獲得する。
【0054】次に、ステップS303で、各化学センサ
応答の最大値の和で、時刻1から時刻kまでの各化学セ
ンサの応答を除算して正規化する。すなわち、それら応
答曲線から、各化学センサの最大値を記憶してある時刻
1から時刻kまでの応答より式2に示した正規化応答を
求める。そして、ステップS304で、その正規化応答
を上記の式3の形でデータベースとしてコンピュータ1
10に記憶する。以上のことを、所定のガスにおいてそ
れぞれ行うことで、データベースを作成する。
【0055】次に、上述したようにデータベースが作成
された状態で、1つのガスの測定を行う場合について説
明する。図3(b)のフローチャートに示すように、ま
ず、ステップS311で、対象とする試験ガスをポート
104から打ち込み、ステップS312で試験ガスに対
する各化学センサの応答を獲得する。次に、ステップS
313で、各化学センサ応答の最大値の和で、時刻1か
ら時刻kまでの各化学センサの応答を除算して正規化す
る。すなわち、それら応答曲線から、各化学センサの最
大値を記憶してある時刻1から時刻kまでの応答より式
2に示した正規化応答を求める。そして、ステップS3
14で、その正規化応答をすでに用意してあるデータベ
ースの正規化応答と比較をし、ステップS325で試験
ガスの測定で得られた正規化応答と最も近い正規化応答
のガスに判別する。
【0056】次に、試験ガスが混合ガスの場合について
説明する。まず、ステップS401でポート104から
試験ガスを打ち込み、ステップS402でその試験ガス
に対する各化学センサの応答を獲得する。ここでは、上
記の式4に示したセンサ応答ベクトルHの形態で応答を
獲得する。次に、ステップS403で、上述したデータ
ベースより正規化センサ応答列の行列Gを求める。
【0057】次に、ステップS404で、その行列Gの
擬似逆行列と式4に示したセンサ応答列ベクトルHとに
より、上記式8に示したように、試験ガスを構成してい
る各ガスの係数ベクトルAを求める。次に、ステップS
405で、上記式10を最小にするようなbiを求め
る。これは、式11を用い、求めた係数ベクトルAの要
素が負の値である場合は十分小さい値0.00001
を,また正の値である場合はその平方根を初期値として
biの更新量を計算し,biに加えるという操作を30
0回繰り返すことによりb iを求める。
【0058】次に、ステップS405で、その求めた係
数biを自乗してaiを求める。そして、ステップS40
6で、上記式12のSにその求めた係数aiを代入して
構成ガス量を求めることができる。以上説明したよう
に、この実施の形態では、図1に示した水晶発振子10
5とそれぞれ特性の異なるガス吸着膜106からなる複
数の化学センサを用い、測定時にこれらから得られる応
答の変化を獲得することで、測定対象のガスの判別が行
えるようにした。この結果、測定ガスの量が少なくて
も、高い精度でガス判別が行えるようになる。
【0059】
【実施例】次に、上述した実施の形態におけるガス分析
方法の有効性を調べた結果について説明する。この実施
例では、化学センサはS−1からS−7まで7つを同時
に用い、それらの吸着膜は、次の表1に示す材料をそれ
ぞれ原料として用いてスパッタにより形成した。
【0060】[表1] S−1: フェニルアラニン S−2: D−チロシン S−3: DL−ヒスチジン S−4: D−アデニン S−5: D−グルコース S−6: ポリエチレン S−7: ポリクロロトリフルオロエチレン
【0061】テストに用いたガスは、次の表2に示す1
2種類で、25℃における飽和蒸気であるヘッドスペー
スガス0.25、0.50、0.75、1.00ccの4
種類の異なる量をシリンジでポート104(図1)より
打ち込んだ。なお、ヘッドスペースガスとは、密閉され
た一定容積の容器内に、以下の表2に示す各液体を充填
したときに、容器内の液体上部の空間に存在するそれら
の気体である。
【0062】[表2] メタノール エタノール 1−プロパノール ベンゼン トルエン アセトン 2−ブタノン(メチルエチルケトン) ジクロロメタン クロロフォルム メチルアセテート エチルアセテート テトラクロロエチレン
【0063】図4(a)にトルエンガス1cc、図4
(b)にトルエンガス0.25cc、図5(a)にアセト
ンガス1cc、図5(b)にアセトンガス0.25ccに対
する化学センサ応答(周波数変化量−時間)を示す。な
お、以降の図4〜図9において、m1は上述した化学セ
ンサS−1の応答結果、m2は上述した化学センサS−
2の応答結果、m3は上述した化学センサS−3の応答
結果、m4は上述した化学センサS−4の応答結果、m
5は上述した化学センサS−5の応答結果、m6は上述
した化学センサS−6の応答結果、m7は上述した化学
センサS−7の応答結果を示している。
【0064】図4から明らかなように、ガスの種類によ
って化学センサ応答が異なることがわかる。また、同じ
ガスでも、打ち込むガスの量によって化学センサ応答が
異なることがわかる。
【0065】図6(a)にトルエンガス1cc、図6
(b)にトルエンガス0.25cc、図7(a)にアセト
ンガス1cc、図7(b)にアセトンガス0.25ccに対
する正規化応答を示す。打ち込むガスの量を変えても同
じガスならば正規化応答は等しいことがわかる。
【0066】次に、上述した実施の形態におけるガス分
析方法と、やはり化学センサを用いた他の考えられる分
析方法とを比較した結果を示す。ここでは、12種類の
ガスと、それぞれ4種類の濃度(ガス量)からなる48
個のテストデータに関して比較テストを行った。また、
テストデータをひとつ選び、残りの47個のデータと比
較して、最も距離の近いデータを選びだし、そのデータ
の属するガス種に判別するという1−最近隣法によって
ガス判別テストを行った。
【0067】比較した判別方法は、次の4つの方法であ
る。 (方法1)以下の式14で示す、化学センサ応答m
1(t),m2(t),…,mn(t)の最大値M1,M
2,…,Mnの和SでM1,M2,…,Mnを除算した
ベクトルを用いる方法。これは、従来より一般的に用い
られている方法である。データベースとして、既知のガ
スに関して式14に示すベクトルを求めておき、また、
測定ガスに関して式14に示すベクトルを求めてデータ
ベースの用意してある複数のベクトルと比較する方法で
ある。
【0068】 M1/S,M2/S,…,Mn/S・・・(式14)
【0069】(方法2)以下の式15で示す、化学セン
サ応答m1(t),m2(t),…,mn(t)の最大値
M1,M2,…,Mnでm1(t),m2(t),…,m
n(t)を除算したベクトルを用いる方法。これは、化
学センサの動特性を利用した方法である。
【0070】 m1(1)/M1,…, mn(1)/Mn, m1(2)/M1,…, mn(2) /Mn,…, m1(k)/M1,…, mn(k)/Mn・・・(式15)
【0071】(方法3)各時刻での化学センサ応答m1
(t),m2(t),…,mn(t)の和である(式1
6)で、以下の式17に示すようにm1(t),m
2(t),…,mn(t)を除算したベクトルを用いる方
法。
【0072】 W(t)=m1(t)+m2(t)+,…,+mn(t)・・・(式16)
【0073】 m1(1)/W(1),…, m1(1)/W(1), m1(2)/W(2), …, mn(2)/W(2),…, m1(k)/W(k),…, mn(k)/ W(k)・・・(式17)
【0074】(方法4)(式2)で表される上述した実
施の形態の方法。
【0075】ここでは、前述したS−1からS−7の7
つの化学センサのサンプリング間隔を25秒とし、化学
センサが最大値を示した時点を時刻1とし、時刻20
(500秒)までサンプリングした。
【0076】以下に、上述の比較テストの結果を示す。
以下では、各方法における誤判別の数と、その後判別と
なったガス種に関して示している。例えば、方法1で
は、3個の誤判別があり、クロロフォルムの2つの濃度
のガス測定とトルエンの1つの濃度のガス測定で誤判別
があったことを示している。 (方法1) 3(クロロフォルム:2、トルエン:1) (方法2) 6(メチルアセテート:1、テトラクロロエチレン:
1、ベンゼン:1、2−ブタノン(メチルエチルケト
ン):3) (方法3) 5(トルエン:1、ベンゼン:4) (方法4) 0
【0077】以上示したように、この実施の形態による
方法4では、1つの誤判別もなかった。また、方法4に
ついては、サンプリング間隔を5秒、時刻10(50
秒)までサンプリングしたデータについても誤判別デー
タ数は0であった。このことより、化学センサが最大値
を示してから50秒間のデータでガス判別ができること
を示しており、本方法によって高精度なガス判別が短時
間で可能であることがわかる。
【0078】次に、複数のガスが混合した状態における
ガスの判別・定量に関して行った実験結果に関して説明
する。この実験では、実際には、水蒸気とアセトンガス
それぞれ0.5ccの混合ガスをサンプルとし、測定で
は、その混合ガスは以下の表3に示す8種類のガスが混
合されているものとして測定した。この測定の結果は、
それぞれ図8(a)と図8(b)とに示すようになっ
た。なお、この場合、式5におけるpは8(p=8)で
ある。
【0079】[表3] メタノール エタノール アセトン ジクロロメタン クロロフォルム メチルアセテート エチルアセテート 水蒸気
【0080】その結果、次の表4に示す結果となった。
この場合は、アセトンと水蒸気が実際に測定されている
ガスであり、この2つの真の量が0.5ccとなり、他の
ガスに関しては真の量は0である。そして、測定結果に
示されているように、ほぼ実際に対応した結果が得られ
ている。
【0081】 [表4] ガス 測定結果(cc) 真の量 (cc) メタノール 2.05×10-6 0 エタノール 0 0 アセトン 0.424 0.5 ジクロロメタン 2.9×10-7 0 クロロフォルム 1.0×10-6 0 メチルアセテート 3.4×10-9 0 エチルアセテート 6.0×10-7 0 水蒸気 0.445 0.5
【0082】ここで、アセトンを単独で測定したときに
用いる定量式は、その測定時の式6における係数をa3
とすると、次の式18に示すものとなり、これを用いて
表4の測定結果を得ている。
【0083】 2.0348×10-3×a3 1.1689・・・(式18)
【0084】また、水蒸気を単独で測定したときに用い
る定量式は、その測定時の式6における係数をa8とす
ると、次の式19に示すものとなり、これを用いて表4
の測定結果を得ている。
【0085】 1.3989×10-3×a8 1.0297・・・(式19)
【0086】また、その他のガスについても同様であ
り、所定の定量式に測定時の式6における係数を代入す
ることで測定結果を得ている。
【0087】ところで、上述したこの実施の形態のガス
分析方法における測定結果に関して、次に示すようにし
て評価を与えることができる。まず、環境ガスの分析に
おいてしばしば測定ガス中に水蒸気が含まれることが多
いので、測定ガスを水蒸気とその他のある一種類のガス
の混合ガスと仮定し、(式5)におけるpを2とする。
すると、(式6)は以下の式19に置き換えることがで
きる。
【0088】 A=[ak,a8T,k=1,…,7・・・(式20)
【0089】ここでは、水蒸気が含まれることを仮定し
ているのでa8は固定である。kの値を1から7まで順
次変化させ、その都度(式19)の係数ベクトルおよび
対応するガス濃度、そして、式10の平方根を計算す
る。式10の平方根は実際の化学センサ応答と式5との
誤差であり、小さいほど成分ガス同定の結果がよいこと
を示す。以下、そのようにして得られた水蒸気以外のガ
スと式10の平方根を表5に示す。
【0090】[表5] ガス (式10)の平方根 メタノール 57.03 エタノール 43.85 アセトン 25.04 ジクロロメタン 37.66 クロロフォルム 45.83 メチルアセテート 39.61 エチルアセテート 39.10
【0091】この結果は、水蒸気以外のガスはアセトン
ガスである可能性が高いことを表している。そして、こ
の場合、水蒸気0.445cc、アセトンガス0.424
ccと測定結果が得られる。その次に可能性が高いものと
して、ジクロロメタンガスがあるが、測定対象のガスが
水蒸気以外にジクロロメタンであるとした場合の測定
(定量)結果は、水蒸気0.50cc、ジクロロメタンガ
ス0.073ccとなった。このように式10の平方根を
比較することによって成分ガス同定の評価をすることが
できる。
【0092】以上の結果より明らかなように、この実施
の形態におけるガス分析方法では、化学センサの正規化
応答をガス種のデータベースとしてガスの判別を行うよ
うにしたので、例えば50秒と短時間で精度良いガス判
別が可能となっている。また、この実施の形態のガス分
析方法によれば、混合ガスに対する化学センサ応答を各
ガスに対する正規化応答の線形和に当てはめることによ
って正の数である各係数を求め、混合ガスに含まれるガ
スの種類ならびに濃度を定量するようにしたので、高精
度な混合ガス判別と濃度定量を行うことができることが
わかる。
【0093】
【発明の効果】以上説明したように、この発明では、水
晶発振子およびその表面に形成されてそれぞれ異なる特
性の有機材料からなるガス吸着膜からなる複数の化学セ
ンサを内部に備えた分析セルと、化学センサを発振させ
る発振手段と、この発振手段により発振している化学セ
ンサそれぞれの周波数の変化量を所定の時間間隔で求め
る変化量測定手段とを用い、まず、分析セルに測定対象
のガスを所定量流し、次に、測定対象ガスが分析セル内
を流れた結果得られる変化量測定手段により測定された
化学センサそれぞれの周波数の変化量の最大値の総和
で、変化量測定手段が測定した各時刻における化学セン
サの周波数の変化量それぞれを除算して得られた正規化
変化量の組を求め、そして、この正規化変化量の組によ
り分析セルを通過させたガスの分析を行うようにした。
従って、ガスの分析が、複数の化学センサから得られた
周波数の変化により行われるようになるので、この発明
によれば、より少ない検体量でより高い精度でガスの分
析ができるようになるという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態におけるガス分析装置
の構成を示す構成図である。
【図2】 セル内にガスを流したときのセル内にある化
学センサにおける応答を示す特性図である。
【図3】 この発明のガス分析方法を説明するためのフ
ローチャートである。
【図4】 この発明の他の形態のガス分析方法を説明す
るためのフローチャートである。
【図5】 この発明のガス分析装置によって得られた周
波数変化量の時間変化を示す特性図である。
【図6】 この発明のガス分析装置によって得られた周
波数変化量の時間変化を示す特性図である。
【図7】 この発明のガス分析装置によって得られた周
波数変化量の時間変化を示す特性図である。
【図8】 この発明のガス分析装置によって得られた周
波数変化量の時間変化を示す特性図である。
【図9】 この発明のガス分析装置によって得られた周
波数変化量の時間変化を示す特性図である。
【符号の説明】 101…空気供給器、102…マスフローコントローラ
ー、103…測定セル、104…ポート、105…水晶
発振子、106…ガス吸着膜、107…発振回路、10
8…スイッチ、109…周波数カウンタ、110…コン
ピュータ、111…外部記憶装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小川 茂樹 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日本 電信電話株式会社内 Fターム(参考) 2G060 AA01 AB09 AB26 AE19 AF20 BB10 BC05 HC08 KA01

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水晶発振子およびその表面に形成されて
    それぞれ異なる特性の有機材料からなるガス吸着膜から
    なる複数の化学センサを内部に備えた分析セルと、 この化学センサを発振させる発振手段と、 この発振手段により発振している前記化学センサそれぞ
    れの周波数の変化量を所定の時間間隔で求める変化量測
    定手段と、 この変化量測定手段により測定された前記化学センサそ
    れぞれの周波数の変化量の最大値の総和で、前記変化量
    測定手段が測定した各時刻における前記化学センサの周
    波数の変化量それぞれを除算して得られた正規化変化量
    の組を求める演算手段と、 前記分析セルを通過させたガスの分析を前記演算手段が
    求めた正規化変化量の組により行う判別手段とを備えた
    ことを特徴とするガス分析装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のガス分析装置において、 あらかじめ測定してある既知のガスの正規化変化量の組
    からなるデータベースを新たに備え、 前記判別手段は、前記データベースに用意されている既
    知のガスの正規化変化量の組と前記演算手段が求めた正
    規化変化量の組とを比較することで、前記ガスの分析を
    行うことを特徴とするガス分析装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のガス分析装置において、 前記判別手段は、前記データベースに用意されている既
    知のガスの正規化変化量の組と前記演算手段が求めた正
    規化変化量の組とを比較することで、前記ガスの判別を
    行うことを特徴とするガス分析装置。
  4. 【請求項4】 請求項2記載のガス分析装置において、 前記判別手段は、前記データベースに用意されている既
    知のガスの正規化変化量の組と前記演算手段が求めた正
    規化変化量の組とを比較することで、前記ガスの定量を
    行うことを特徴とするガス分析装置。
  5. 【請求項5】 水晶発振子およびその表面に形成されて
    それぞれ異なる特性の有機材料からなるガス吸着膜から
    なる複数の化学センサを内部に備えた分析セルと、 この化学センサを発振させる発振手段と、 この発振手段により発振している前記化学センサそれぞ
    れの周波数の変化量を所定の時間間隔で求める変化量測
    定手段と、 この変化量測定手段により測定された前記化学センサそ
    れぞれの周波数の変化量の最大値の総和で、前記変化量
    測定手段が測定した各時刻における前記化学センサの周
    波数の変化量それぞれを除算して得られた正規化変化量
    の組を求める第1の演算手段と、 前記変化量測定手段により測定された各時刻における前
    記化学センサそれぞれの周波数の変化量の組を求める第
    2の演算手段と、 この第2の演算手段が求めた変化量の組を前記第1の演
    算手段により得られた正規化変化量の組に所定の正の係
    数を乗じた値の和で近似する第3の演算手段と、 この第3の演算手段により得られた係数を用いて前記分
    析セルを通過させたガスの定量を行う判別手段とを備え
    たことを特徴とするガス分析装置。
  6. 【請求項6】 水晶発振子およびその表面に形成されて
    それぞれ異なる特性の有機材料からなるガス吸着膜から
    なる複数の化学センサを内部に備えた分析セルと、前記
    化学センサを発振させる発振手段と、この発振手段によ
    り発振している前記化学センサそれぞれの周波数の変化
    量を所定の時間間隔で求める変化量測定手段とを用いた
    ガス分析方法において、 前記分析セルに測定対象のガスを所定量流し、 前記測定対象ガスが前記分析セル内を流れた結果得られ
    る前記変化量測定手段により測定された前記化学センサ
    それぞれの周波数の変化量の最大値の総和で、前記変化
    量測定手段が測定した各時刻における前記化学センサの
    周波数の変化量それぞれを除算して得られた正規化変化
    量の組を求め、 この正規化変化量の組により前記分析セルを通過させた
    ガスの分析を行うことを特徴とするガス分析方法。
  7. 【請求項7】 請求項6記載のガス分析装置において、 あらかじめ測定してある既知のガスの正規化変化量の組
    からなるデータベースを用意し、 前記測定対象ガスが前記分析セル内を流れた結果得られ
    る正規化変化量の組と、前記データベースに用意されて
    いる既知のガスの正規化変化量の組とを比較すること
    で、前記ガスの分析を行うことを特徴とするガス分析方
    法。
  8. 【請求項8】 請求項7記載のガス分析方法において、 前記測定対象ガスが前記分析セル内を流れた結果得られ
    る正規化変化量の組と、前記データベースに用意されて
    いる既知のガスの正規化変化量の組とを比較すること
    で、前記ガスの判別を行うことを特徴とするガス分析方
    法。
  9. 【請求項9】 請求項7記載のガス分析方法において、 前記測定対象ガスが前記分析セル内を流れた結果得られ
    る正規化変化量の組と、前記データベースに用意されて
    いる既知のガスの正規化変化量の組とを比較すること
    で、前記ガスの定量を行うことを特徴とするガス分析方
    法。
  10. 【請求項10】 水晶発振子およびその表面に形成され
    てそれぞれ異なる特性の有機材料からなるガス吸着膜か
    らなる複数の化学センサを内部に備えた分析セルと、前
    記化学センサを発振させる発振手段と、この発振手段に
    より発振している前記化学センサそれぞれの周波数の変
    化量を所定の時間間隔で求める変化量測定手段とを用い
    たガス分析方法において、 前記分析セルに測定対象のガスを所定量流し、 前記測定対象ガスが前記分析セル内を流れた結果得られ
    る前記変化量測定手段により測定された前記化学センサ
    それぞれの周波数の変化量の最大値の総和で、前記変化
    量測定手段が測定した各時刻における前記化学センサの
    周波数の変化量それぞれを除算して得られた正規化変化
    量の組を求め、 前記変化量測定手段により測定された各時刻における前
    記化学センサそれぞれの周波数の変化量の組を求め、 この変化量の組を前記正規化変化量の組に所定の正の係
    数を乗じた値の和で近似し、 前記係数を用いて前記分析セルを通過させたガスの定量
    を行うことを特徴とするガス分析方法。
  11. 【請求項11】 水晶発振子およびその表面に形成され
    てそれぞれ異なる特性の有機材料からなるガス吸着膜か
    らなる複数の化学センサを内部に備えた分析セルと、前
    記化学センサを発振させる発振手段と、この発振手段に
    より発振している前記化学センサそれぞれの周波数の変
    化量を所定の時間間隔で求める変化量測定手段とを用い
    たガス分析を行うためのプログラムを記憶した記憶媒体
    において、 測定対象ガスが前記分析セル内を流れた結果得られる前
    記変化量測定手段により測定された前記化学センサそれ
    ぞれの周波数の変化量の最大値の総和で、前記変化量測
    定手段が測定した各時刻における前記化学センサの周波
    数の変化量それぞれを除算して得られた正規化変化量の
    組を求めるステップと、 この正規化変化量の組により前記分析セルを通過させた
    ガスの分析を行うステップとから構成されたガス分析プ
    ログラムを記憶したプログラム記憶媒体。
  12. 【請求項12】 水晶発振子およびその表面に形成され
    てそれぞれ異なる特性の有機材料からなるガス吸着膜か
    らなる複数の化学センサを内部に備えた分析セルと、前
    記化学センサを発振させる発振手段と、この発振手段に
    より発振している前記化学センサそれぞれの周波数の変
    化量を所定の時間間隔で求める変化量測定手段とを用い
    たガス分析を行うためのプログラムを記憶した記憶媒体
    において、 測定対象ガスが前記分析セル内を流れた結果得られる前
    記変化量測定手段により測定された前記化学センサそれ
    ぞれの周波数の変化量の最大値の総和で、前記変化量測
    定手段が測定した各時刻における前記化学センサの周波
    数の変化量それぞれを除算して得られた正規化変化量の
    組を求めるステップと、 前記変化量測定手段により測定された各時刻における前
    記化学センサそれぞれの周波数の変化量の組を求めるス
    テップと、 この変化量の組を前記正規化変化量の組に所定の正の係
    数を乗じた値の和で近似するステップと、 前記係数を用いて前記分析セルを通過させたガスの定量
    を行うステップとから構成されたガス分析プログラムを
    記憶したプログラム記憶媒体。
  13. 【請求項13】 水晶発振子およびその表面に形成され
    てそれぞれ異なる特性の有機材料からなるガス吸着膜か
    らなる複数の化学センサを内部に備えた分析セルと、前
    記化学センサを発振させる発振手段と、この発振手段に
    より発振している前記化学センサそれぞれの周波数の変
    化量を所定の時間間隔で求める変化量測定手段とを用い
    たガス分析用のデータを記録した記録媒体において測定
    対象ガスが前記分析セル内を流れた結果得られる前記変
    化量測定手段により測定された前記化学センサそれぞれ
    の周波数の変化量の最大値の総和で、前記変化量測定手
    段が測定した各時刻における前記化学センサの周波数の
    変化量それぞれを除算して得られた正規化変化量の組か
    ら構成されたガス分析用データを記録した記録媒体。
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