JP2000335971A - 水系の溶剤から成る電子部品用セラミックススラリー組成物及びグリーンシートの製造方法 - Google Patents

水系の溶剤から成る電子部品用セラミックススラリー組成物及びグリーンシートの製造方法

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JP2000335971A
JP2000335971A JP11150768A JP15076899A JP2000335971A JP 2000335971 A JP2000335971 A JP 2000335971A JP 11150768 A JP11150768 A JP 11150768A JP 15076899 A JP15076899 A JP 15076899A JP 2000335971 A JP2000335971 A JP 2000335971A
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green sheet
slurry
water
sheet
cracks
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JP11150768A
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Takeshi Masumoto
雄志 増本
Tetsuo Miyazono
哲郎 宮園
Toshiaki Uki
利明 宇木
Toshihiro Gondo
俊博 権藤
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Nippon Tungsten Co Ltd
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Nippon Tungsten Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水を溶剤として使用するグリーンシートの
製造において、その乾燥時に割れを発生させない、ま
た、厚みが薄くて均一で、亀裂、ヒビ割れ、ピンホール
等の欠陥のない平滑で、且つ安定した高品質の良好な電
子部品用セラミックスグリーンシートを製造する。 【解決手段】水溶性バインダー、可塑剤、分散剤、消泡
剤、セラミックス原料粉末と、水とから成るセラミック
ススラリーを形成し、遠心力型真空攪拌脱泡機を使用す
ることでミクロな泡が無いスラリー6を抽出し、ドクタ
ーブレード法を用い、乾燥室入口部2aでアルミ放熱板
5からの輻射熱により熱をシートの中央部に集中させ、
複数個の通風孔を有する仕切り板3(a,b,c,d)
によりシート中央部から乾燥させ、熱風の流れをスラリ
ーの入口部2aから出口部2eへの一方向にして、徐々
に温度を低下させ乾燥することで、亀裂、ヒビ割れ、ピ
ンホール等の欠陥のない高品質なスグリーンシート7を
成型した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば電子部品用
のMIC(マイクロ波集積回路)基板や、多層セラミッ
クス基板、多層セラミックスコンデンサー、積層セラミ
ックスバリスター、積層圧電素子、積層コイルインダク
タ等の積層セラミックス等に用いる電子部品用セラミッ
クススラリー組成物、及びグリーンシートの製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、電子機器にはセラミックスある
いはガラス材料を用いた多層配線の電子回路基板が使用
されている。また、各種情報通信機器においても、多様
化、高集積化を図るため、電子回路基板として、アルミ
ナを主体とするセラミックス多層基板を用いるマルチチ
ップモジュールが適用されている。
【0003】更に、超小型の多層形受動素子として、セ
ラミックスチップコンデンサー等が各種電子装置に使用
されている。これらのセラミックス多層形電子部品は、
いずれも導電膜の形成により配線を施したグリーンシー
トを積み重ねて焼結する、通常、シート積層法といわれ
る方法で製造されている。
【0004】これらの、グリーンシートは、溶媒として
の有機溶剤とセラミックス原料粉末と、セラミックス原
料粉末同士を固着するための有機高分子材料(以下、バ
インダーという)と、必要に応じてグリーンシートに柔
軟性を付与するために加えられる少量の可塑剤とからな
り、セラミックス粉末、有機高分子材料及び可塑剤の混
合物に、有機高分子を溶解するための溶剤と必要に応じ
て分散剤とを加えた液状混合物(以下、スラリーとい
う)をドクターブレード法により帯状のキャリアフィル
ム上に連続塗工して乾燥し、有機溶剤を揮発除去して成
型される。
【0005】セラミックス粉末としては、基板材料とし
て要求される電気的、熱的特性等に応じて、アルミナ、
ムライトあるいはチタン酸バリウム等のセラミックス、
各種のガラス粉末あるいはその他の無機粉末の単独ある
いは混合物等が用いられ、バインダーとしてはポリブチ
ルブチラール樹脂が多用され、また、この樹脂の溶剤と
しては、通常、ブチルアルコール、メチルエチルケト
ン、テトラクロロエチレン等の各種有機溶剤が使用され
ている。
【0006】しかし、このような多量の有機溶剤あるい
は塩素系有機溶剤を使用する従来技術は、その使用が人
体に対して有害であり、且つ、環境汚染、火災、爆発等
の危険性を含むという問題点を有している。
【0007】近年、環境汚染の面からも有機溶剤を使用
しない水系スラリーの要望が高まっており、前述の有機
溶剤にのみ溶解する従来の有機高分子材料に替えて、水
に溶解するように改質したアクリル樹脂をバインダーと
して用い、水を溶剤としてスラリーを作成してグリーン
シートを成型する技術の開発が進められている。
【0008】しかし、この水を溶剤とする技術は、水溶
化アクリル樹脂をセラミックス粉末のバインダーとする
グリーンシートの製造時のスラリーの連続乾燥におい
て、従来の有機溶剤可溶タイプのバインダーを用いる場
合と比較して、シートの流れ方向に割れが生じ易く、乾
燥条件の変動により割れ、亀裂等のシート成型不良が多
発するという問題点を有していた。
【0009】また、水を溶剤として使用するグリーンシ
ート用バインダー、及びグリーンシート製造に関する従
来技術として、例えば、特開平2−307861号公
報、特開平5−319893号公報、特開平8−310
870号公報、特開平9−29718号公報等に記載さ
れた技術が知られている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記に
開示された、特開平5−319893号公報にあって
は、その内容として、シートの流れ方向の割れ対策の乾
燥方法で、シートの幅方向に対して中央部の溶剤の乾燥
速度が両側部より早くなるように熱風の温度を制御する
方法であった。
【0011】しかしながら、バインダーが固化する前か
ら、熱風が吹き付けられており、この方法では、スラリ
ーが波打ち、このまま乾燥するとシートに波打ちによる
厚みムラが生じ、それが原因で割れが生じるという問題
点が発生する。
【0012】また、前記特開平8−310870号公報
にあっては、その内容として、セラミックス粉末、水溶
性バインダー、水など体積固形分比率を限定し、その方
法によって欠陥のないグリーンシートを提供するもので
あった。
【0013】しかしながら、これらの内容では脱泡方法
がなく、脱泡不足から泡が消えず、シート表面に多数の
泡やピンホール、亀裂等が発生することが考えられる。
【0014】また、前記特開平9−29718号公報に
あっては、水溶性バインダーとして、アクリル系ポリマ
ーを使用し、ピンホール等の欠陥のない薄層のグリーン
シートを成型し、特に乾燥は比較的高い温度で処理し、
非常に安定なグリーンシートを作成している。
【0015】しかしながら、溶剤として水溶性アクリル
ポリマーを用い、単に従来知られているグリーンシート
組成物の乾燥方法では、水系のグリーンシートは安定し
て得られず、乾燥条件が非常に重要な要因であるので、
これらを解消しなければグリーンシートに亀裂、ピンホ
ール等の問題点が多く含まれ、特に生産性に於いては安
定した品質のものを得ることは困難であり、特にシート
製造の歩留りが大幅に低下するという問題点を有してい
た。
【0016】また、上記公報にあっては、粉砕混合、脱
泡方法等は記載されておらず、これら工程がなくては、
粉末の分散不足による粉末凝集や塊が存在し、また、ミ
クロな泡の発生によるピンホールが存在し、高品質なグ
リーンシートは得られないという問題点を有している。
【0017】そこで、本発明の目的は、前述したような
従来技術の問題点を解決し、水を溶剤として使用する電
子部品用セラミックスグリーンシートの製造方法におい
て、一番重要な工程である乾燥条件を確立し、安定なグ
リーンシートを成型することができる。
【0018】その結果、乾燥時に割れ、亀裂等を発生さ
せず、成型されたシート内部に歪みを内在させることな
く、そして、厚みが薄く、均一で且つピンホール等の欠
陥のない電子部品用セラミックススラリー組成物、及び
グリーンシートの製造方法を提供することを目的とす
る。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の電子部品用セラミックススラリー組成物
は、粒子径が定められた小さなセラミックス原料粉末に
対し、水溶性バインダー、可塑剤、分散剤、消泡剤、水
との定められた組成比から成り、そして、セラミックス
スラリー粘度が最適な範囲内に調整された組成物。
【0020】そして、これらを用いたグリーンシートの
成型方法に於いては、粘度の調整方法として高速回転混
合処理、次いで低速回転混合処理、更に、遠心力型真空
攪拌脱泡方法、篩処理等のスラリーの調整を行い、その
後シート乾燥方法として、複数の通風孔を有する金属板
を設けた乾燥室、更に、スラリーの入口部から出口部の
経路間において、その経路間の最初に輻射熱を利用した
放熱板を設置した方法を用いることにより、水系の溶剤
から成るグリーンシートが得られ、その結果、シートに
亀裂、ヒビ割れ、ピンホール等の欠陥のない平滑で、且
つ安定した高品質な電子部品用セラミックスグリーンシ
ートを製造することを可能にしたものである。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、平均粒子径が0.1〜1.5μmの範囲内にあるセ
ラミックス原料粉末100に対し、水溶性バインダー2
0〜65wt%、可塑剤3〜40wt%、分散剤2〜2
0wt%、消泡剤0.5〜5wt%、水10〜30wt
%の範囲内から成り、セラミックススラリー粘度が20
〜45(dPas)の範囲内に調整された電子部品用セ
ラミックススラリー組成物により構成されたもので、平
均粒子径が0.1〜1.5μmの範囲内のセラミックス
原料粉末を用いることで、亀裂、ヒビ割れ、ピンホール
等の欠陥のない平滑で、且つ安定した高品質な薄板のグ
リーンシートが得られる作用効果を持った原料粉末とな
る。
【0022】また、定められた範囲内の水溶性バインダ
ーは、グリーンシートに強度を付与する作用がある。
【0023】また、定められた範囲内の可塑剤は、成形
物中の高分子系結合剤の軟化温度を下げる役割があり、
レオロジー性を付与し、可塑性、柔軟性を付与する作用
がある。
【0024】また、定められた範囲内の分散剤は、PH
や粒子の表面電荷をコントロールし、原料粉末を一次粒
子に分散させる作用がある。
【0025】また、定められた範囲内の消泡剤は、水−
粉体−有機材料での泡を消す作用効果がある。
【0026】また、定められた範囲内の水は、これらの
各種薬剤を均一に分散混合するための溶媒としての作用
がある。
【0027】そして、セラミックススラリーの粘度を調
整することは、フィルム面に薄く、均一に、且つ安定
に、また、割れ、亀裂、ピンホール等の欠陥なく塗工す
るための作業性の安定化の作用を有する。これらの各々
の条件を含む調整されたスラリーにすることで、水系の
安定したグリーンシートを作成する作用がある。
【0028】本発明の請求項2に記載の発明は、水溶性
バインダーとして、水溶性高分子化合物であるアクリル
系ポリマー、または、ポリビニルアルコールを用いるこ
とにより構成されたもので、アクリル系ポリマーは、水
に可溶で、焼成時に於いても安定した熱分解をするた
め、灰分がほとんど残らないという作用効果がある。
【0029】なお、灰分の残留は、特に電子部品用セラ
ミックスに於いて、誘電特性を劣化させる悪因子であ
り、灰分が残らないということは高周波帯でのロスが非
常に小さい、つまり、誘電特性の一つであるQ(1/t
anδ)が高くなるという作用を有する。
【0030】また、ポリビニルアルコールは、原料粉末
に対する接着性と皮膜のタフネスが大きく、熱分解が緩
やかで、発熱が一時に爆発的に起こらず、少量の添加で
強度が増すという作用を有する。
【0031】これら水溶性バインダーを用いることで、
グリーンシートが強靭で柔らかく、割れ等の欠陥なく、
シート成型が安定で、且つ安価で再利用可能なバインダ
ーとしての作用を有する。
【0032】本発明の請求項3に記載の発明は、電子部
品用セラミックススラリー組成物に於いて、粘度調整と
して、最初に40〜80rpmの範囲内の高速回転混合
で分散処理を施し、次いで、10〜38rpmの範囲内
の低速回転混合で処理を施し、次いで、遠心力型真空攪
拌脱泡し、その後、篩を通過させる処理工程により構成
されたもので、粘度調整として、高速回転混合で粉末を
粉砕し分散処理を施すことによって粒子径を小さく均一
にする作用がある。
【0033】次いで、低速回転混合で大きな泡を消す消
泡の作用がある。更に遠心力型真空攪拌脱泡では短時間
でミクロな泡を消す消泡の作用がある。また、篩を通す
ことによって、異物、凝固物、塊を取り除く作用があ
る。
【0034】これら一連の処理工程を施すことによっ
て、亀裂、ヒビ割れ、ピンホール等の欠陥のない高品質
なグリーンシートを作成する作用がある。
【0035】本発明の請求項4に記載の発明は、水系の
溶剤から成るグリーンシートの乾燥に於いて、前記乾燥
は熱風の流れをスラリーの入口部から出口部の一方向に
した経路間に於いて、前記経路間の最初にアルミ放熱板
を設置し、次いで通風孔を有する金属の仕切り板により
複数個の乾燥室を設け、前記乾燥室の温度がスラリーの
入口部から出口部にかけて、入口部の温度が50〜60
℃、中間部の温度が30〜60℃、出口部の温度が30
〜40℃の温度勾配を持たせた工程により構成されたも
ので、熱風の流れをスラリー入口部から出口部へと一方
向にした経路間においてアルミ放熱板を設置すること
は、熱風の直風を避け、輻射熱による熱の伝達作用があ
る。また、金属の仕切り板を有する複数個の乾燥室を設
け、乾燥の温度勾配を持たせることによりグリーンシー
トを割れなく、均一に乾燥させる作用がある。
【0036】本発明の請求項5に記載の発明は、金属の
仕切り板に於いて、前記仕切り板はアルミ、銅、ステン
レスの1種または2種以上から成り、複数の通風孔を設
けた構造物により構成されたもので、仕切り板として、
アルミ、銅、ステンレスを用いることは、グリーンシー
トに均一に熱を伝え、均一に乾燥させるための熱伝導作
用がある。
【0037】以上のように、本発明の水溶性バインダー
を使用したグリーンシートの製造方法によれば、従来の
有機溶剤を使用したグリーンシートに比べ、高額な防爆
設備、有機溶剤洗浄時の環境問題、人体への影響等の全
ての問題点を解決できる。
【0038】また、従来技術での乾燥時の割れ、乾燥後
のグリーンシートの硬化によるパンチング性の問題点も
解決できる。このことにより、亀裂、ヒビ割れ、ピンホ
ール等の欠陥のない平滑で、且つ安定した高品質なグリ
ーンシートを生産することができる。
【0039】以下、本発明の実施の形態について図1〜
図6及び表1〜表8を用いて説明する。なお、、表1〜
表8に於いて範囲外の実施例には※印を付与し、また、
評価の項目中◎は良好、○は良、×は不良を意味する。
【0040】図1は一実施の形態におけるドクターブレ
ード装置の全体図を示す。図1に於いて2(a,b,
c,d,e)は、グリーンシートを徐々に乾燥するため
の乾燥室で、金属の仕切り板により覆われた構造物から
構成されている。また、各部屋には、温度計を設けてい
る。(図示せず) また、3(a,b,c,d,)は、熱伝導率を変化させ
るためのもので、アルミ、銅、ステンレスの仕切り板か
ら構成されている。
【0041】また、4はアルミ放熱板を熱風により直に
熱するもので、ニクロム線ヒーターから構成されてい
る。
【0042】また、5は熱を輻射熱により伝達するもの
で、アルミ放熱板から構成されている。
【0043】また、6はスラリー、7はグリーンシート
を示す。
【0044】また、8はグリーンシートを薄く、均一に
塗工するためのもので、本体がステンレス、刃先は超硬
材料から構成されているブレードである。
【0045】また、9はグリーンシートを薄く、均一に
塗工し、乾燥後はグリーンシートをフィルムからの剥離
を容易にするためのもので、表面をシリコンでコーティ
ングしたキャリアフィルムから構成されている。
【0046】また、スラリー粘度を適切な範囲内に調整
されたスラリー6は、ブレード8とキャリアフィルム9
により均一な厚みに成型されながら、入口部から乾燥室
2aを通り、2b、2c、2d、2eと徐々に乾燥さ
れ、グリーンシート7になり、出口部へ出て行く。
【0047】また、2a部では、ニクロム線ヒーター4
からの熱風をアルミ放熱板5に吹き付けることにより、
熱風を輻射熱に替え、輻射熱によりシートを乾燥させ
る。また、熱風の一部は仕切り板3a、3b、3c、3
dを通過し、乾燥室内2a、2b、2c、2d、2eを
徐々に温度を低下させながら通過し、入口部から出口部
への一方向へと流れる。
【0048】図2は一実施の形態におけるドクターブレ
ード装置中の乾燥室2a部のアルミ放熱板の拡大断面図
を示す。図2において、5はニクロム線ヒーター4から
の熱風を輻射熱により伝達し、シートを中央部から乾燥
させるもので、アルミ放熱板から構成されている。
【0049】図3〜図6は一実施の形態におけるドクタ
ーブレード装置の各乾燥室内を仕切る金属仕切り板3
(a,b,c,d)の拡大断面図を示す。図3〜図6に
於いて、3a、3b、3c、3dは熱伝導率を変化させ
るもので、複数個の通風孔を有するアルミ、銅、ステン
レスの仕切り板から構成されている。
【0050】なお、上記の一例では、複数の通風孔を有
する金属の仕切り板を持つ乾燥室から構成されたドクタ
ーブレード法を示したが、その他のロールコータ法、リ
バースロール法についても同様に実施が可能である。ま
た、通風孔の形状も丸、三角、四角等、孔が開いていれ
ばいずれの形状であっても良好な効果が得られる。そし
て、穴の位置、及び大きさ、形状等はグリーンシートの
要望する厚みにより組合せを変化させることができ、特
に厚いグリーンシートの場合は複数個の穴を中央部に設
けることにより亀裂、ヒビ割れ、ピンホール等の欠陥の
ないグリーンシートを成型することが可能である。
【0051】
【実施例】次に、本発明における具体例の一例を挙げ説
明する。
【0052】実施例1 本発明におけるスラリー組成物の作り方について説明す
る。
【0053】初めに、電子部品用セラミックス原料粉末
の粒子径の揃え方、作り方として、例えば、チタン酸バ
リウム系の誘電体材料を用い、ボールミル、アトライタ
等を用いて一次粉砕し、その後、粒子を揃えるため、水
簸法によりセラミックス原料粉末を作成した。
【0054】ここで、本発明で使用する原料粉末の平均
粒子径とそれを用いて焼結させたセラミックスの焼結表
面状態を表1に示す。
【0055】
【表1】 表1からも明らかなように、粉末の平均粒子径が1.6
μm以上(試料No.1)になると、焼結後の個々の結
晶粒子が粗雑で、10μm以上のものが存在し、ピンホ
ールが多発する。また逆に、0.1μm未満(試料N
o.5)では、粉末凝集が起こり易く、粉末の分散不足
からピンホールが発生する。
【0056】従って、使用する粉末の平均粒子径が0.
1〜1.5μmの範囲内(試料No.2〜4)にある原
料粉末を使用することにより、焼結されたセラミックス
の結晶粒子が3〜8μm前後と揃い、ピンホールがほと
んど存在しない高品質な(表面粗さRa:0.4μm以
下)セラミックスを得ることができた。特に試料No.
3の原料粉末の平均粒子径が0.5〜1.0の試料で
は、結晶粒子が5μmと揃い、全くピンホールがなく、
また、表面粗さはRa:0.2μmと著しく小さく、安
定で良好であった。
【0057】次に、上記記載のセラミックス原料粉末に
対し、水溶性バインダー(アクリル形ポリマー50%:
ポリビニルアルコール50%の比率)、可塑剤、分散
剤、水を所定の比率でボ−ルミルを用い高速回転混合で
24時間湿式混合した。次いで、消泡剤を添加し、低速
回転混合で泡立ちを抑え、スラリーを取り出し、B型粘
度計で粘度を測定した。最適なスラリー粘度に調整され
た後、遠心力型真空攪拌脱泡機で10分間処理し、ミク
ロな泡を脱泡し、グリーンシ−ト用スラリーを作成し
た。
【0058】実施例2 次に、本発明におけるグリーンシートの製造方法(ドク
ターブレード法)について説明する。
【0059】上記のようにスラリー粘度を最適な範囲内
に調整されたスラリーを図1に示すようなドクターブレ
ード装置にて塗工する。その方法は、図1中のスラリー
6をブレード8とキャリアフィルム9により均一な厚み
に成型されながら、入口部から乾燥室2aを通り、2
b、2c、2d、2eと徐々に乾燥され、グリーンシー
ト7になる。
【0060】その際、シートの波打ち防止と割れ対策の
ため、2a部では、ニクロム線ヒーター4からの熱風を
アルミ放熱板5に吹き付けることにより、熱風を輻射熱
に替え、輻射熱によりグリーンシートを乾燥させる。そ
して、熱風の一部は仕切り板3a、3b、3c、3dの
複数個の穴を通過し、乾燥室内2a、2b、2c、2
d、2eを徐々に温度を低下させながら通過し、入口部
から出口部への一方向へと流れる仕組みになっている。
【0061】ここで、スラリー組成の割合は、平均粒子
径が0.5〜1.0μmの原料粉末100に対して、バ
インダー15〜70wt%、可塑剤2〜42wt%、分
散剤1〜22wt%、消泡剤0〜6wt%、水8〜32
wt%の範囲内で変化させスラリーを作成した。(実施
例1のグリーンシート作成手順に従った。)次に、キャ
リアフィルム上に塗工スピードが6〜8cm/分で塗工
し、図1の乾燥室2a(58℃)、2b(56℃)、2
c(54℃)、2d(44℃)、2e(31℃)の温度
で乾燥したグリーンシートの表面状態を評価した。これ
らの結果を表2〜8に示す。
【0062】表2には、バインダー量(他の助剤量は一
定)を変化させた場合の粘度、及びシート状態について
評価した。
【0063】
【表2】 これによると、バインダー量が15wt%(試料No.
1)では、つまり、スラリー粘度が15(dPas)と
なり、スラリーの粘度が低くてキャリアフィルムとハジ
キ、及び液漏れが発生し、綺麗に塗工できなかった。
【0064】一方、バインダー量が70wt%(試料N
o.12)以上になると、つまり、スラリー粘度が48
(dPas)以上になり、スラリーから泡が抜けず、グ
リーンシート表面にピンホールが発生した。
【0065】なお、表には示していないが、スラリー粘
度がこれ以上高くなると、バインダーが固化し易くな
り、容器壁で固化し、ブレードの隙間に挟まりスラリー
流れが悪くなり、グリーンシートに筋状の欠陥が発生す
ることが確認された。また更に、スラリー粘度が高くな
ると硬くてシート成型が不可能であった。
【0066】以上のことから、シート成型可能な範囲
は、バインダー量が20〜65wt%(試料No.2〜
11)で、スラリー粘度は20〜45(dPas)であ
った。特に、バインダー量が30〜50wt%(試料N
o.4〜8)の範囲で、つまりスラリー粘度が25〜3
6(dPas)の範囲では、亀裂、ヒビ割れ、ピンホー
ル等の欠陥のない平滑で、且つ安定した高品質の良好な
グリーンシートが得られた。
【0067】表3には、可塑剤の量(他の助剤量は一
定)を変化させ場合の粘度、及びシート状態について評
価した。
【0068】
【表3】 これによると、添加する可塑剤が2wt%(試料No.
1)では、スラリー粘度は29(dPas)と適正であ
るが、グリーンシートに柔軟性が無くなり、キャリアフ
ィルムから剥がす時に引き割れが発生した。
【0069】一方、添加する可塑剤が42wt%(試料
No.8)と多い所では、スラリー粘度は65(dPa
s)を超え、スラリーから上手く泡が抜けず、グリーン
シート表面にピンホールが発生した。
【0070】以上のことから、シート成型可能な範囲
は、添加する可塑剤が3〜40wt%(試料No.2〜
7)であった。特に、5〜20wt%(試料No.3〜
5)の範囲で、亀裂、ヒビ割れ、ピンホール等の欠陥の
ない平滑で、且つ安定した高品質の良好なグリーンシー
トが得られた。
【0071】表4には、分散剤の量(他の助剤量は一
定)を変化させた場合の粘度、及びシート状態について
評価した。
【0072】
【表4】 これによると、添加する分散剤が1wt%(試料No.
1)では、混合中に原料粉末の分散力の低下から凝集が
起こり、塗工後に細かいツブツブ状の塊がグリーンシー
ト表面に発生した。なお、表には示していないが、ブレ
ードの隙間(厚み設定のゲージ)にこの凝集物が挟まり
易く、このような異物が挟まった部分ではスラリーが流
れないためグリーンシートに筋状の欠陥が発生すること
が確認された。
【0073】一方、添加する分散剤が22wt%(試料
No.7)では、スラリー粘度が18(dPas)と低
くなり、キャリアフィルムとハジキ、及び液漏れが発生
した。
【0074】以上のことから、シート成型可能な範囲
は、添加する分散剤が2〜20wt%(試料No.2〜
6)であった。特に、3〜5wt%(試料No.3〜
4)の範囲で、亀裂、ヒビ割れ、ピンホール等の欠陥の
ない平滑で、且つ安定した高品質の良好なグリーンシー
トが得られた。
【0075】表5には、消泡剤の量(他の助剤量は一
定)を変化させた場合の粘度、及びシート状態について
評価した。
【0076】
【表5】 これによると、添加する消泡剤が0wt%(試料No.
1)、つまり、添加しない場合スラリー中に気泡が残
り、塗工後グリーンシート表面にピンホールが発生し
た。
【0077】一方、添加する消泡剤が6wt%(試料N
o.7)では、スラリー粘度が21(dPas)と適正
であるが、キャリアフィルムとハジキ、及び液漏が発生
した。なおこの場合、消泡剤中の油成分がスラリー中に
多くなり、油膜が形成されることが確認され好ましくな
い。
【0078】以上のことから、シート成型可能で気泡が
存在しない範囲は、添加する消泡剤が0.5〜5wt%
(試料No.2〜6)であった。特に、1wt%(N
o.3)に於いては、亀裂、ヒビ割れ、ピンホール等の
欠陥のない平滑で、且つ安定した高品質の良好なグリー
ンシートが得られた。
【0079】表6には、水の量(他の助剤量は一定)を
変化させた場合の粘度、及びシート状態について評価し
た。
【0080】
【表6】 これによると、添加する水が8wt%(試料No.1)
では、スラリー粘度が47(dPas)と高くなり、ス
ラリーから上手く泡が抜けず、グリーンシート表面にピ
ンホールが発生し好ましくない。
【0081】更に、水分が少ないと水の蒸発により容器
壁でバインダーが固化し易く、固形物などがブレードの
隙間に挟まり、グリーンシートに筋状の欠陥が発生する
ことが確認された。更に、これ以上粘度が高くなると硬
くてシート成型が不可能であった。
【0082】一方、添加する水が32wt%(試料N
o.13)では、スラリー粘度が15(dPas)と低
くなり、キャリアフィルムとハジキ、及び液漏れが発生
した。以上のことから、シート成型可能な範囲は、添加
する水が10〜30wt%(試料No.2〜12)であ
った。特に18〜22wt%(試料No.6〜8)の範
囲で、亀裂、ヒビ割れ、ピンホール等の欠陥のない平滑
で、且つ安定した高品質の良好なグリーンシートが得ら
れた。
【0083】なお、上記の一例では、水溶性バインダー
としてアクリル系ポリマー、ポリビニルアルコールの混
合物を用いたが、各々単独でも良好な結果が得られた。
【0084】次に、表7には、グリーンシートの製造条
件について検討した。
【0085】
【表7】 これによると、製造条件No.1では、ボールミル混合
(高速回転:60rpm)のみで、スラリー及びシート
状態は気泡・塊が発生し好ましくない。
【0086】次に、製造条件No.2では、ボールミル
混合(高速回転:60rpm)後に低速回転混合(30
rpm)で処理すると大きな泡は消えるが、まだ若干の
ミクロな泡が存在しシート状態も好ましくない。
【0087】次に、製造条件No.3では、ボールミル
混合(高速回転:60rpm)後に低速回転混合(30
rpm)で処理し、更に遠心力型真空攪拌脱泡機で処理
することで、ミクロな泡が完全に消失する効果がある
が、細かいツブツブ状の塊がまだ若干存在しており好ま
しくない。
【0088】しかし、製造条件No.4では、ボールミ
ル混合(高速回転:60rpm)後に低速回転混合(3
0rpm)で処理し、次いで遠心力型真空攪拌脱泡機で
処理した後に篩い(325メッシュ)を通過させること
により、ミクロな泡、細かいツブツブ状の塊が全くなく
なり、高品質で良好なグリーンシートが得られた。な
お、実施例では325メッシュを用いたが、粘度により
メッシュの大きさを順次変化させることが可能である。
【0089】以上のことから、範囲内のスラリーを用
い、ボールミルにて高速回転(60rpm)で分散処理
を施し、次いで、低速回転(30rpm)で泡立ちを抑
え、次いで、遠心力型真空攪拌脱泡方法で処理し、その
後、篩を通過させることで亀裂、ヒビ割れ、ピンホール
等の欠陥のない平滑で、且つ安定した高品質の良好なグ
リーンシートが得られた。
【0090】表8には、グリーンシートの乾燥温度、及
び塗工条件について評価した。(図1参照)
【表8】 これによると、試料No.1に於いて、乾燥室内の温度
が入口部2a(48℃)、及び出口部2e(25℃)の
温度設定では、アルミ放熱板5の有無にかかわらず亀
裂、ヒビ割れが発生し、好ましくなかった。
【0091】また、試料No.2に於いて、乾燥室内の
温度が入口部2a(50℃)、中間部2c(45℃)、
出口部2e(31℃)の温度設定では、アルミ放熱板5
による大きな差が生じ、アルミ放熱板5有りでは亀裂、
ヒビ割れがなく非常に良好であった。しかし、アルミ放
熱板5無しでは亀裂、ヒビ割れが発生し、好ましくなか
った。
【0092】また、試料No.3に於いて、乾燥室内の
温度が入口部2a(58℃)、中間部2c(54℃)、
出口部2e(31℃)の温度設定では、アルミ放熱板5
有りでは亀裂、ヒビ割れがなく非常に良好であった。
【0093】すなわち、図2に示すようにニクロム線ヒ
ーター4にアルミの放熱板5を設けることで高温の熱風
を58℃の輻射熱に変え、スラリーを中央部から亀裂、
ヒビ割れ等を発生させることなく乾燥することができ
る。また、熱風の一部はその温度を徐々に低下させなが
ら乾燥室の2aから2b、2c、2d、2eへと順に流
れ、2eでは亀裂、ヒビ割れ、ピンホール等の欠陥のな
い平滑で、且つ安定した高品質の良好なグリーンシート
7が得られた。
【0094】また、試料No.4に於いて、乾燥室内の
温度が入口部2a(66℃)、出口部2e(43℃)と
非常に高い温度設定では、アルミ放熱板5有りにもかか
わらず亀裂、ヒビ割れが発生した。
【0095】また、試料No.5に於いて、乾燥室内の
温度が入口部2a(50℃)、中間部2c(63℃)、
出口部2e(31℃)の温度設定では、アルミ放熱板5
有りにもかかわらず中間部2cの温度が63℃と高いた
め、亀裂、ヒビ割れが発生し好ましくなかった。
【0096】以上のことから、ニクロム線ヒーター4、
及びアルミ放熱板5をスラリーの入口部、つまり、2a
部に設定し、風の流れを入口部2aから出口部2eへの
一方向にして、徐々に温度を低下させることで、すなわ
ち、上記内容からも明らかなように、乾燥室内の入口部
2aの温度を50〜60℃、中間部2cの温度を30〜
60℃、出口部2eの温度を30〜40℃の温度勾配に
設定することが好ましく、例えば試料No.5のよう
に、中央部2cが60℃を超える高い温度では亀裂、ヒ
ビ割れが発生し好ましくなかった。
【0097】なお、表8に示すように、仕切り板として
複数個の通風孔を設けた銅材質を用いたが、その他のア
ルミ、ステンレスについても同様に良好な結果が得られ
た。また、仕切り板はアルミ、銅、ステンレスのいずれ
かの金属板から成っており、それにより、熱伝導を変化
させ、乾燥速度、乾燥温度を調節することができる。更
に、ここでは記載していないが、仕切り板に穴のないも
の、または仕切り板のないものでは好ましくない結果で
あった。
【0098】特に、図3〜図6に示すように、これらの
金属仕切り板3(a,b,c,d)は、複数個の通風孔
と大きさ(径)を有する金属の板からできており、これ
らの通風孔を熱風が通過することで、温度、風量を調節
することができる。また、熱風の一部はスラリーの入口
部2aから出口部2e、つまり、乾燥室の2aから2
b、2c、2d、2eへと順に流れることで、その温度
を徐々に低下させながら2eでは最適な状態で高品質の
良好なグリーンシート7が得られた。
【0099】以上のことから、グリーンシートの乾燥方
法において、ニクロム線ヒーター4を乾燥室2aに設
け、熱風の流れを入口部2aから出口部2eへ(図1中
で右→左)の一方向にし、また、ニクロム線ヒーター4
にアルミの放熱板5を設け、仕切り板には複数個の通風
孔を有するアルミ、銅、ステンレスのいずれかの金属板
3(a,b,c,d)を使用することで、亀裂、ヒビ割
れ、ピンホール等の欠陥のない平滑で、且つ安定した高
品質の良好なグリーンシートを得ることができた。
【0100】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、セラミッ
クス原料粉末の平均粒子径の選定、及びスラリー粘度の
調整により、亀裂、ヒビ割れ、ピンホール等の欠陥のな
い平滑で、且つ安定した高品質の良好なグリーンシート
が得られるという有効な効果が得られる。
【0101】また、グリーンシートの成型に於いて、粘
度の調整方法として、高速回転混合、及び低速回転混合
で処理し、更に遠心力型攪拌脱泡処理、及び篩処理の一
連の処理工程を施すことにより粉末の分散、及びスラリ
ー中の泡、異物、塊を取り除く有効な効果が得られる。
【0102】また、水を溶剤として用いることによりグ
リーンシートの乾燥として、アルミ放熱板、複数個の乾
燥室、複数の通風孔を有する仕切り板を設け、更にスラ
リーの入口部から出口部の経路間に於いて乾燥の定めら
れた温度勾配を設けるという一連の工程を施すことによ
って割れの発生を解消し、良好なグリーンシートが製造
でき、厚みが均一で薄く、亀裂、ヒビ割れ、ピンホール
等の欠陥のない平滑で、且つ安定した高品質の良好なグ
リーンシートを容易に得るという有効な効果が得られ
る。
【0103】そして、これらのことにより結晶粒子の細
かい、均一な組成のセラミックスを得ることができるの
で、小型で精度の高い優れた特性を有するMIC基板、
積層基板等のセラミックス電子部品を作ることができ
る。
【0104】このように、水溶性のバインダーを使用す
ることで、製造設備に防爆対策が不要となり、安いコス
トで薄層のグリーンシートが量産化でき、低価格化、小
型化、薄型化、及び高信頼性のMIC基板等のセラミッ
クス電子部品を製造することができるという有利な効果
が得られる。
【0105】特に、グリーンシートは水を溶剤とし、バ
インダー成分も水溶性のものを使用していることから溶
解がし易く、再利用が可能で工業的利用価値は極めて大
きく、製造歩留りを向上させることができ、セラミック
ス電子部品の低コスト化を図れるという有利な効果が得
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態によるドクターブレード
装置を示す全体図である。
【図2】本発明の一実施の形態によるドクターブレード
装置の乾燥室2a部のアルミ放熱板を示す拡大断面図で
ある。
【図3】本発明の一実施の形態によるドクターブレード
装置の各乾燥室を仕切る金属仕切り板3aを示す拡大断
面図である。
【図4】本発明の一実施の形態によるドクターブレード
装置の各乾燥室を仕切る金属仕切り板3bを示す拡大断
面図である。
【図5】本発明の一実施の形態によるドクターブレード
装置の各乾燥室を仕切る金属仕切り板3cを示す拡大断
面図である。
【図6】本発明の一実施の形態によるドクターブレード
装置の各乾燥室を仕切る金属仕切り板3dを示す拡大断
面図である。
【符号の説明】
1 ドクターブレード装置 2 乾燥室(2a,2b,2c,2d,2e,・・・温
度計付き) 3 金属仕切り板(3a,3b,3c,3d) 4 ニクロム線ヒーター 5 アルミ放熱板 6 スラリー 7 グリーンシート 8 ブレード 9 キャリアフィルム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宇木 利明 福岡市博多区美野島1丁目2番8号 日本 タングステン株式会社内 (72)発明者 権藤 俊博 福岡市博多区美野島1丁目2番8号 日本 タングステン株式会社内 Fターム(参考) 4G030 AA10 AA16 BA01 CA08 GA04 GA11 GA15 GA16 GA20 PA22

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒子径が0.1〜1.5μmの範囲
    内にあるセラミックス原料粉末100に対し、水溶性バ
    インダー20〜65wt%、可塑剤3〜40wt%、分
    散剤2〜20wt%、消泡剤0.5〜5wt%、水10
    〜30wt%の範囲内から成り、セラミックススラリー
    粘度が20〜45(dPas)の範囲内に調整されたこ
    とを特徴とする水系の溶剤から成る電子部品用セラミッ
    クススラリー組成物。
  2. 【請求項2】 水溶性バインダーとして、水溶性高分子
    化合物であるアクリル系ポリマー、または、ポリビニル
    アルコールを用いることを特徴とする請求項1記載の水
    系の溶剤から成る電子部品用セラミックススラリー組成
    物。
  3. 【請求項3】 電子部品用セラミックススラリー組成物
    に於いて、粘度調整として、最初に40〜80rpmの
    範囲内の高速回転混合で分散処理を施し、次いで、10
    〜38rpmの範囲内の低速回転混合で処理を施し、次
    いで遠心力型真空攪拌脱泡し、その後、篩を通過させる
    ことを特徴とするグリーンシートの製造方法。
  4. 【請求項4】 水系の溶剤から成るグリーンシートの乾
    燥に於いて、前記乾燥は熱風の流れをスラリーの入口部
    から出口部の一方向にした経路間に於いて、前記経路間
    の最初にアルミ放熱板を設置し、次いで通風孔を有する
    金属の仕切り板により複数個の乾燥室を設け、前記乾燥
    室の温度がスラリーの入口部から出口部にかけて、入口
    部の温度が50〜60℃、中間部の温度が30〜60
    ℃、出口部の温度が30〜40℃の温度勾配に調整され
    たことを特徴とするグリーンシートの製造方法。
  5. 【請求項5】 金属の仕切り板に於いて、前記仕切り板
    はアルミ、銅、ステンレスの1種または2種以上から成
    り、複数の通風孔を設けたことを特徴とする請求項4記
    載のグリーンシートの製造方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7355838B2 (en) 2003-03-31 2008-04-08 Tdk Corporation Green sheet coating material, green sheet, production method of green sheet and production method of electronic device
US7666268B2 (en) 2003-09-12 2010-02-23 Tdk Corporation Green sheet coating material, green sheet, production method of green sheet and production method of electronic device
CN104227827A (zh) * 2014-09-11 2014-12-24 瑞声精密制造科技(常州)有限公司 陶瓷产品的成型方法
KR101613318B1 (ko) * 2008-08-11 2016-04-18 프라이믹스 가부시키가이샤 도료의 제조방법 및 장치
CN114057495A (zh) * 2021-11-18 2022-02-18 广东羚光新材料股份有限公司 一种mlcc用粘合剂及其制备方法和应用

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