JP2000329718A - 発泡体試料の熱伝導率測定方法及び測定装置 - Google Patents

発泡体試料の熱伝導率測定方法及び測定装置

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JP2000329718A
JP2000329718A JP11140581A JP14058199A JP2000329718A JP 2000329718 A JP2000329718 A JP 2000329718A JP 11140581 A JP11140581 A JP 11140581A JP 14058199 A JP14058199 A JP 14058199A JP 2000329718 A JP2000329718 A JP 2000329718A
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foam sample
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hot plate
low
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Yasutaka Suzuki
泰隆 鈴木
Takeshi Kobori
健 小堀
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 実際に用いられる温度に対応する低温域での
熱伝導率の測定でも、低温側熱板に結露が生じない発泡
体試料の熱伝導率測定を可能にする。 【解決手段】 発泡体試料1の両面に半導体の昇温冷却
モジュールから成る熱板2、3を配置すると共に、発泡
体試料1の上面及び下面にそれぞれ熱流計4、5及び熱
電対6、7を設け、各々の面の温度を一定の温度差に保
ち、かつ発泡体試料1の周囲をその平均温度に保ちなが
ら、所与の原理式に従って当該発泡体試料1の熱伝導率
を求める熱伝導率測定方法又は装置において、発泡体試
料1、熱板2、3及び熱電対6、7を含む測定ヘッド9
又は測定装置本体部分を低温の恒温槽11の中に配設し
て、低温域の熱伝導率の測定を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、発泡体試料の熱
伝導率、特に冷蔵庫の断熱材壁に使用される発泡ウレタ
ンのような熱伝導率の低い発泡体試料の熱伝導率を測定
するのに適した熱伝導率測定方法及び測定装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の発泡ウレタンのような断
熱材の熱伝導率測定装置として、発泡体試料両面に半導
体の昇温冷却モジュールを配置し、その一方を高温側熱
板とし他方を低温側熱板とすると共に、発泡体試料の両
面にそれぞれ熱流計及び温度センサを設け、各々の面の
温度を一定の温度差に保ち、かつ発泡体試料の周囲をそ
の平均温度に保ちながら、所与の原理式に従って当該発
泡体試料の熱伝導率を求める熱伝導率測定装置が知られ
ている。
【0003】この測定装置は湿度の多い場所等で使用す
ると結露することがあるので、それに備えて、結露した
場合は常温又は410℃程度に昇温し、前面扉を開け完
全に乾燥させて使用するようになっている。また、結露
を嫌う場合は、装置裏面にガス導入口を設け、このガス
導入口から何らかの乾燥ガス(例えば空気、N2等)を
入れて使用するようになっている。すなわち、装置に
は、乾燥気体(空気など)を吹き込むエアーパージのラ
インもついている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、試験の
対象がプレハブ冷凍冷蔵庫等の断熱壁に使用される断熱
材としての発泡体である場合、その熱伝導率測定を、こ
のような常温又は410℃程度に昇温したり、乾燥ガス
を入れて行うのでは、実際の使用状態における断熱材の
測定からかけ離れた状態の値を測定することになる。
【0005】そこで、通常使用される温度に対応する低
温域において熱伝導率の測定を行うことが望まれるが、
本発明者等が当該低温域において熱伝導率の測定を行っ
たところ、低温側熱板に結露が生じること、このためメ
ンテナンスに手数がかかること、また、正確なデータが
得られないことが判った。即ち、このままでは発泡体試
料たる発泡体を常温か又は乾燥させて測定するかの方法
によらざるを得ないことになる。
【0006】よって、発泡体試料が冷蔵倉庫等の断熱壁
のパネルとして使用されている状態を正しく反映した低
温域の熱伝導率測定データが得られるようにすること、
さらに、当該測定装置で測定可能な範囲でなるべく実際
の使用条件に合わせて温度範囲を広く(低温側0℃以
下、高温側30℃)とり、各種発泡体における温度と熱
伝導率との関係が把握できるようにすることが望まれ
る。
【0007】この発明は上記事情に鑑みなされたもの
で、実際に用いられる温度に対応する低温域での熱伝導
率の測定でも、低温側熱板に結露が生じない発泡体試料
の熱伝導率測定方法及び測定装置を提供することを目的
とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明は以下のように構成したものである。
【0009】(1)請求項1記載の測定方法は、発泡体
試料の両面に半導体の昇温冷却モジュールから成る熱板
を配置すると共に、発泡体試料の両面にそれぞれ熱流計
及び温度センサを設け、各々の面の温度を一定の温度差
に保ち、かつ発泡体試料の周囲をその平均温度に保ちな
がら、所与の原理式に従って当該発泡体試料の熱伝導率
を求める熱伝導率測定方法において、前記発泡体試料、
熱板及び温度センサを含む測定ヘッド又は測定装置本体
部分を低温の恒温室内に配設し、低温域の熱伝導率の測
定を行うことを特徴とする。
【0010】(2)請求項2記載の熱伝導率測定装置
は、発泡体試料の両面に半導体の昇温冷却モジュールか
ら成る熱板を配置し、その一方を高温側熱板とし他方を
低温側熱板とし、この高温側熱板及び低温側熱板に既知
の熱流感度を有する熱流計と温度センサを埋め込んで、
各々の面の温度を一定の温度差に保ち、かつ発泡体試料
の周囲をその平均温度に保ちながら、所与の原理式に従
って当該発泡体試料の熱伝導率を求める熱伝導率測定装
置において、前記発泡体試料、熱板及び温度センサを含
む測定ヘッド又は測定装置本体部分を、断熱パネルにて
外部と区画される低温の恒温室内に配設したことを特徴
とする。
【0011】上記したこの発明の方法及び装置によれ
ば、発泡体試料、熱板及び温度センサを含む測定ヘッド
又は測定装置本体部分を、実際に使用される温度に対応
する低温の恒温室内に配設し、低温域の熱伝導率の測定
を行うようにしているので、実際の使用状態(例えば低
温側0℃以下、高温側30℃)における断熱材の低温域
の熱伝導率の測定でも、低温側熱板に結露が生じない状
態で、発泡体試料の熱伝導率を測定することができる。
【0012】また低温側熱板に結露が生じないことか
ら、従来結露が生じた場合に必要であった装置の乾燥工
程をなくすことができる。従って、装置のメンテナンス
に手数がかからない。
【0013】また低温側熱板に結露が生じないことか
ら、発泡体試料が冷蔵倉庫等の断熱壁のパネルとして使
用されている状態を正しく反映した正確な低温域の熱伝
導率測定データを得ることができる。よって、各種発泡
体における温度と熱伝導率との関係を的確に把握するこ
とができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下にこの発明の実施形態を図面
に基づいて詳細に説明する。
【0015】まず、この発明の熱伝導率測定方法及び測
定装置で測定しようとする発泡体を具備する断熱パネル
にて構成される冷蔵倉庫の全体の構成を、図3に示す。
図において、冷蔵倉庫21は、例えばプレハブ式の小型
冷蔵倉庫であり、この発明における測定対象物である一
対の金属表面板間に例えば発泡ポリウレタン等の断熱性
心材を充填した断熱性の床パネル22、外壁パネル2
3、屋根パネル24を用いて構成される。即ち、床パネ
ル22の上に外壁パネル23を四方を囲むように立設
し、この外壁パネル23の上に屋根パネル24を取付け
て、長方形の密閉した箱形に庫室21aが構成され、外
壁パネル23による側壁25に扉26を備えた出入り口
27が設けられている。28は屋根パネル24による天
井である。そしてこの冷蔵倉庫21にクロスダクトを使
用した冷却装置30が装着されている。
【0016】冷却装置30は、常法により室内ユニット
36と室外ユニット37とから成り、室内ユニット36
は、静圧をとれる吸入ファン35aにより吸入した循環
空気を冷却する冷却器に1本のクロスダクト32を連結
した単数クロスダクトユニットを備え、このユニットの
クロスダクト32を吊下げ手段で支持して構成される。
【0017】次に、この発明に係る熱伝導率測定方法及
び測定装置を、図1及び図2を参照して説明する。
【0018】図1において、符号1は発泡体試料であ
り、断熱材としてのウレタンフォームから成る。その大
きさは200mm×200mm×30mm(t)であ
る。この発泡体試料1の上下の面には、ペルチェ効果を
利用した半導体の昇温冷却モジュールから成る熱板2、
3を配置し、その一方を高温側熱板2とし他方を低温側
熱板3としている。また、この高温側熱板2及び低温側
熱板3に既知の熱流感度を有する熱流計4,5と温度セ
ンサとしての熱電対6,7とを埋め込んである。
【0019】上記半導体の昇温冷却モジュールから成る
熱板2、3の外側には、水槽からの冷却水を流す水冷ジ
ャケット(図示せず)が、ヒートシンクとして設けられ
ている。この水冷のヒートシンクと上記熱板2、3の半
導体サーモジュールとにより、発泡体試料1の上下面の
温度差を変えられる昇温冷却システムが構成されてい
る。この昇温冷却システムにおける半導体サーモジュー
ルに対する冷却水の水温と温度安定性により、装置の能
力が変化する。つまり、水温により設定温度が制限され
る。
【0020】なお、図1において、符号8は厚さ計測機
構であり、例えばステッピングモータ8aとボールねじ
機構8b等にて構成されて、高温側熱板2を低温側熱板
3へ近づけて発泡体試料1に当接させることが可能な構
造で、その基準位置から発泡体試料1に当接するまでの
距離を発泡体試料1の厚さLとして計測するものであ
る。
【0021】以上の発泡体試料1、熱板2、3及び熱電
対6、7を含んで測定ヘッド9が構成されている。
【0022】この実施形態に示す測定装置の場合、測定
ヘッド9と演算制御ユニット10とが一体化しており、
この測定装置本体部分即ち、測定ヘッドと演算制御ユニ
ット10を、一点鎖線枠で示す温度の安定した低温槽か
ら成る恒温室11(以下に恒温槽11という)内に入れ
ている。
【0023】測定装置本体11内の演算制御ユニット1
0はマイクロプロセッサを内蔵しており、測定条件の設
定はキーボードより行い、最高9点までの温度設定がで
きるようになっている。13は演算制御ユニット10に
接続されたデータ処理プリンタであり、熱伝導率の測定
結果をプリントアウトする。
【0024】上記恒温槽11は、図2に示すように、一
対の表面板14a間に断熱性心材例えば発泡ポリウレタ
ン等の断熱心材14bを充填した断熱パネル14にて形
成される天井15と側壁16及び床17によって外部と
区画されると共に、側面の一部に例えばガラス等の断熱
性の透明部材にて形成される扉18が開閉可能に装着さ
れて、外部と区画形成されている。また、恒温槽11の
側壁16の上部には恒温流体導入口16aが設けられて
おり、この恒温流体導入口16aと、外部に設置された
冷凍サイクルによる冷却装置40とがダクト41を介し
て接続されている。なお、恒温流体16aにはファン4
2が装着されており、このファン42によって所定温度
の恒温流体即ち空気が恒温槽11内に供給されるように
構成されている。
【0025】このように構成される恒温槽11内に、例
えば載置テーブル43を配置して、この載置テーブル4
3上に、測定ヘッド9と演算制御ユニット10を載置
し、恒温槽11の外部にデータ処理プリンタ13やモニ
タ(図示せず)を配置して、発泡体試料1の熱伝導率を
測定することができる。
【0026】なお、上記説明では、恒温槽11は、冷凍
サイクルによる冷却装置を具備する場合について説明し
たが、図1に二点鎖線で示すように、恒温水槽12から
の冷却水を流す水冷ジャケット(図示せず)による冷却
装置を備えた構造としてもよい。
【0027】測定原理は熱流計法(JIS A 141
2,ASM C518,ISO 8301)で、試料を通
過する熱流量密度を起電力に換算できるように予め校正
された熱流計を用いて測定し、そのときの資料上下の温
度差を計測することにより熱伝導率を求めるものであ
る。
【0028】上記したように熱板2、3には、既知の熱
流感度を有する熱流計4、5と温度測定用熱電対6、7
が埋め込まれている。この高温側熱板2及び低温側熱板
3間に、発泡体試料1をセットし、この熱板2、3の各
々の上面及び下面の温度を一定の温度差に保ち、かつ、
発泡体試料1の周囲をその平均温度に保ちながら、下記
の原理式(1)に従って当該発泡体試料1の熱伝導率の
計測をする。その際、測定ヘッド9及び演算制御ユニッ
ト10から成る測定装置本体部分は恒温槽11に入れ、
恒温槽11により発泡体試料1の周囲温度を安定化した
低温にする。
【0029】発泡体試料1の熱伝導率λは、発泡体試料
1と上下面の熱流密度QH、QLと試料の両面の温度T
H,TLの温度差ΔT(ΔT=TH−TL)、および試
料の厚さLより、下記の(1)式により求めることがで
きる。
【0030】 λ=[(QH+QL)/2]・[L/ΔT] … (1) 測定範囲は熱伝導率が0.005−0.8W/mk(但
し、熱コンダクタンス12W/mk以下)、温度は低温
側熱板(上面板)3で−20℃〜50℃、高温側熱板
(下面板)2で5〜75℃の間で可変であり、プレハブ
冷凍冷蔵庫パネルのように、低温域での熱伝導率の値が
重要であるものについても、測定温度範囲が適合するも
のである。
【0031】本装置は、スタート後、上下の熱流計4、
5の値の比較により定常状態になったのを確認し、測定
を行う。このことは操作が簡便で測定を短時間で行うこ
とができることを意味する。
【0032】この発明者等は、低温の恒温槽11内に測
定部(測定ヘッド9又はこれを含む測定装置本体部分)
を入れて測定する方法を検討した。ここでは、測定部を
5℃の恒温槽11内に設置した場合をこの発明の実施形
態例とし、また、測定部を23±2℃の室内に設置した
場合を従来の比較例とし、それぞれ測定部の結露の発生
状況ならびに結露が熱伝導率に与える影響を調べた。
【0033】測定時の測定平均温度は−5℃と0℃の2
水準(−5℃から測定)とし、上下熱板2、3の温度差
を30℃とした。測定は、測定部を5℃の恒温槽11内
に設置した条件から行い、23±2℃の条件は、前条件
の測定終了後、23±2℃に調整した室内に約30分間
以上保持した後に行った。
【0034】ここで、測定平均温度とは上下熱板2、3
の設定可能な温度を使って測定できる最低平均測定温度
であり、例えば上熱板温度を−20.0℃とし且つ下熱
板温度を10.0℃に設定(上下熱板温度差30℃)し
た場合、測定平均温度は両熱板温度の和の半分として計
算され−5℃となる。上下熱板温度差が30℃の場合に
測定平均温度−5℃が得られる条件のケースとしては、
上記の場合の他、上熱板温度と下熱板温度の設定が−2
0.0℃と10.0℃の場合、−15.0℃と15.0
℃の場合、−5.0℃と25.0℃の場合、5.0℃と
35.0℃の場合、15.0℃と45.0℃の場合等が
あるが、ここでは目的の冷蔵倉庫の使用温度に近づけ
て、上熱板温度−20.0℃及び下熱板温度10.0℃
に設定した場合を用い、測定平均温度−5℃とした。測
定平均温度0℃を得る場合も同様である。
【0035】次に、上下熱板温度差を30℃としたが、
これは次の理由による。即ち、実パネルの使用温度でみ
ると、パネル厚さ42mmでは庫内最低温度が−5℃
(パネル厚さが大きくなれば庫内最低温度は低くなる)
であり、庫外温度を30℃とすると35℃の温度差にな
る。この温度差はパネル厚さが大きくなるほど大きくな
ることから、測定温度差はなるべく大きくとった方がよ
いことになる。従って、標準的な上下熱板温度差は30
℃とした。
【0036】なお、発泡体試料1のウレタンフォームは
フォームが剥き出しの状態で管理すると、熱伝導率が徐
々に上昇する。これは、発泡剤ガスが空気中に揮散し空
気と置換されることによるものである。そこで、測定試
料を作製する直前まで表面材、枠材でカバーされたパネ
ルの状態で保管し、切断面はフォームの剥き出し部がな
いようアルミ箔テープを貼付した。測定試料の作製は、
バンドソーで所定の寸法に切断し、暫定的に23±2℃
の恒温室内に1日保管した。これは測定は本来、試料作
製直後に測定することが望ましいが、測定試料作製中や
測定中(2〜3時間かかる)でも熱伝導率は徐々に変化
していること、試料作製直後では寸法が安定しない場合
があること等の理由からである。
【0037】表1に熱伝導率の測定結果を示す。
【0038】
【表1】 表1から判るように、測定後の測定部の観察では、比較
例の23±2℃の雰囲気温度では結露が生じる。これに
対し、この発明の5℃の雰囲気の恒温槽11内で測定し
た場合には、結露が生じないことを確認した。また、測
定結果の熱伝導率値にも、比較例とこの発明の場合とで
相異が認められる。
【0039】即ち、実際の使用状態に近い低温側−20
℃及び高温側10℃における断熱材の低温域(測定平均
温度−5℃、0℃)の熱伝導率の測定でも、低温側熱板
3に結露を生じさせない状態で、発泡体試料1の熱伝導
率を測定することができる。また低温側熱板3に結露が
生じないことから、従来結露が生じた場合に必要であっ
た装置の乾燥工程をなくすことができる。従って、装置
のメンテナンスに手数がかからない。また低温側熱板3
に結露が生じないことから、発泡体試料1が冷蔵倉庫等
の断熱壁のパネルとして使用されている状態を正しく反
映した正確な低温域の熱伝導率測定データを得ることが
できる。
【0040】上記実施形態では、発泡体試料の両面に半
導体の昇温冷却モジュールから成る熱板2,3を配置す
ると共に、発泡体試料1の上面及び下面にそれぞれ熱流
計4,5及び温度センサとしての熱電対6、7を設け、
各々の上面及び下面の温度を一定の温度差に保ち、かつ
発泡体試料1の周囲をその平均温度に保ちながら、所与
の原理式に従って当該発泡体試料1の熱伝導率を求める
熱伝導率測定方法において、上記発泡体試料1、熱板
2,3及び温度センサを含む測定ヘッド9又は測定装置
本体11部分を恒温槽11の中に配設し、低温域の熱伝
導率の測定を行う形態について説明した。
【0041】しかし、この発明はこの形態に限定される
ものではない。例えば、この種の発泡体の熱伝導率測定
装置としては、発泡体から成る2つ割りの発泡体試料の
間に細線ヒータと熱電対を挟み、ヒータに一定電力を印
加したときの時間に対する発泡体試料内温度を測定して
行き、このときの温度が時間の対数に比例することから
熱伝導率を求めるいわゆる熱線法熱伝導率測定装置が知
られており、このような熱伝導率測定にも適用できるも
のである。
【0042】また、上記実施形態では、発泡体試料1を
水平に配置する場合について説明したが、発泡体試料1
の配置形態は任意でよく、例えば垂直に配置してもよ
い。
【0043】また、発泡体試料(発泡樹脂)中に発熱体
を配置し、これに一定の電力を供給し続けることによっ
て、発生するジュール熱が発泡体試料に伝導されてゆく
際の発熱体の温度上昇過程を温度センサにより計測し、
これを所与の原理式に従って解析することにより当該発
泡体試料の熱伝導率を求める熱伝導率測定方法も知られ
ており、このような方法の熱伝導率測定にも適用できる
ものである。
【0044】
【発明の効果】以上に説明したように、この発明の発泡
体試料の熱伝導率測定方法及び測定装置によれば、発泡
体試料、熱板及び温度センサを含む測定ヘッド又は測定
装置本体部分を低温の恒温室内に配設し、低温域の熱伝
導率の測定を行うようにしているので、以下のような優
れた効果が得られる。
【0045】実際の使用状態又はこれに近い低温域の断
熱材の熱伝導率測定でも、低温側熱板に結露を生じさせ
ない状態で、発泡体試料の熱伝導率を測定することがで
きる。
【0046】また低温側熱板に結露が生じないことか
ら、従来結露が生じた場合に必要であった装置の乾燥工
程をなくすことができる。従って、装置のメンテナンス
に手数がかからない。
【0047】また低温側熱板に結露が生じないことか
ら、発泡体試料が冷蔵倉庫等の断熱壁のパネルとして使
用されている状態を正しく反映した正確な低温域の熱伝
導率測定データを得ることができる。よって、各種発泡
体における温度と熱伝導率との関係を的確に把握するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る熱伝導率測定装置の概略構成図
である。
【図2】上記熱伝導率測定装置の概略断面図である。
【図3】この発明の熱伝導率の測定対象に係る発泡体を
用いた冷蔵倉庫の全体の構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 発泡体試料 2 高温側熱板 3 低温側熱板 4、5 熱流計 6、7 熱電対 8 厚さ計測機構 9 測定ヘッド 10 演算制御ユニット 11 恒温槽(恒温室) 12 恒温水槽 13 データ処理プリンタ 14 断熱パネル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G040 AB09 BA02 BA25 CA02 CB03 CB14 DA03 DA13 EA07 EA08 EB02 EC03 HA16

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発泡体試料の両面に半導体の昇温冷却モ
    ジュールから成る熱板を配置すると共に、発泡体試料の
    両面にそれぞれ熱流計及び温度センサを設け、各々の面
    の温度を一定の温度差に保ち、かつ発泡体試料の周囲を
    その平均温度に保ちながら、所与の原理式に従って当該
    発泡体試料の熱伝導率を求める熱伝導率測定方法におい
    て、 前記発泡体試料、熱板及び温度センサを含む測定ヘッド
    又は測定装置本体部分を低温の恒温室内に配設し、低温
    域の熱伝導率の測定を行うことを特徴とする発泡体試料
    の熱伝導率測定方法。
  2. 【請求項2】 発泡体試料の両面に半導体の昇温冷却モ
    ジュールから成る熱板を配置し、その一方を高温側熱板
    とし他方を低温側熱板とし、この高温側熱板及び低温側
    熱板に既知の熱流感度を有する熱流計と温度センサを埋
    め込んで、各々の面の温度を一定の温度差に保ち、かつ
    発泡体試料の周囲をその平均温度に保ちながら、所与の
    原理式に従って当該発泡体試料の熱伝導率を求める熱伝
    導率測定装置において、 前記発泡体試料、熱板及び温度センサを含む測定ヘッド
    又は測定装置本体部分を、断熱パネルにて外部と区画さ
    れる低温の恒温室内に配設したことを特徴とする発泡体
    試料の熱伝導率測定装置。
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