JP2000323088A - 反射型飛行時間質量分析装置および分析方法 - Google Patents

反射型飛行時間質量分析装置および分析方法

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JP2000323088A
JP2000323088A JP11130949A JP13094999A JP2000323088A JP 2000323088 A JP2000323088 A JP 2000323088A JP 11130949 A JP11130949 A JP 11130949A JP 13094999 A JP13094999 A JP 13094999A JP 2000323088 A JP2000323088 A JP 2000323088A
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ions
ion
energy
flight
time
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Hiroyasu Shichi
広康 志知
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】試料を構成する分子種の同定や試料に含まれる
微量な原子を超高感度で分析可能な反射型飛行時間質量
分析装置と分析方法およびこれらを応用した分析装置と
分析方法を提供する。 【解決手段】イオンを飛行時間の長さの違いによって分
離した後に、上記イオンの持つエネルギの違いによって
イオンを選別する手段を設け、上記選別後のイオン量を
計測する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、試料から発生する
イオンの飛行時間を計測して、イオンを質量分離するこ
とによって、試料を構成する分子種の同定や試料に含ま
れる微量な原子の分析を行う反射型飛行時間質量分析装
置と分析方法およびこれらを応用した分析装置と分析方
法に係り、特に超高感度分析に好適な反射型飛行時間質
量分析装置と分析方法およびこれを応用した分析装置と
分析方法に関する。
【0002】
【従来の技術】飛行時間質量分析装置は、一定のエネル
ギを持ったイオンが一定の距離を飛行するのに要する時
間が、そのイオンの質量の平方根に比例することを利用
して質量を分離する。この飛行時間質量分析装置には、
測定できる質量範囲が広い、イオンの透過率が大きい、
多元素同時分析ができるなどの優れた特徴があり、高分
子材料を構成する分子種の同定や固体表面の極微量分析
などに広く使われている。
【0003】上記飛行時間質量分析装置で固体表面の極
微量分析に応用する例としては、イオンビーム照射によ
って試料から放出される二次イオンを検出するTOF−
SIMS装置や、同じくイオンビーム照射によって試料
から放出される中性粒子にレーザ光を照射し、中性粒子
をイオン化して検出するスパッタ中性粒子質量分析装置
(SNMS)などがある。
【0004】飛行時間質量分析装置では、質量数の小さ
いイオンは検出器に早く到達し、大きなイオンは遅く到
達することを利用して質量を分離する。例えば飛行距離
1mで加速電圧1kVのとき、質量数10のイオンは約
7.2μsec後に、質量数100のイオンは約22.8
μsec後に検出器に到着する。したがって、イオン発生
後から約7.2μsecのイオン強度を計測すれば、質量
数10の原子もしくは分子の存在量に関する情報を得る
ことができることになる。
【0005】ところで検出すべきイオンが加速される以
前に初期エネルギを持っている場合、あるいはイオンが
生成される領域に加速電圧勾配がある場合には、個々の
イオンの持つエネルギにバラツキが生じる。例えば一次
イオン照射によって試料から放出された二次イオンや中
性粒子は数eVのエネルギを持ち、かつ上記エネルギは
個々の粒子によって異なる。また、中性粒子にレーザ光
を照射することで検出するべきイオンを生成させる場合
には、このイオン生成空間に存在する電圧勾配のため、
個々のイオンの持つエネルギに違いが生じる。
【0006】以上のような場合には、個々のイオンの持
つエネルギの差によって、同じ質量のイオンでも検出器
までの到達時間が異なることになる。このことは到達時
間の差によって質量数を分離する原理とは逆の効果をも
たらす。すなわち質量分解能が低下することになる。
【0007】上記のような質量分解能の低下をおさえる
ため、イオンの持つエネルギ差を打ち消すような工夫を
したのが静電反射器を備えた反射型飛行時間質量分析装
置である。この静電反射器は、飛行時間質量分析装置で
イオンの軌道を折り返すように働く。すなわち飛行時間
質量分析装置に導かれたイオンは無加速度空間を飛行し
た後、静電反射器に侵入する。そしてイオンはそのエネ
ルギが大きいほど静電反射器の奥深くまで侵入すること
になり、静電反射器内での飛行時間は長くなる。一方、
静電反射器以外の空間では、イオンのエネルギが大きい
ほど飛行時間が短くなる。したがって、静電反射器の寸
法や電圧配分等を調整すれば、質量の同じイオンがイオ
ン検出器に到着する時間はエネルギによらず一定に近づ
けることが可能となる。
【0008】従来の反射型飛行時間質量分析装置の例と
しては、例えば特開平5−225950号に記載されて
いる。また、このような飛行時間質量分析装置が表面分
析装置に応用された従来の装置の例としては、例えば特
開平5−62643号に記載されている。
【0009】図2を用いて従来例の装置の動作原理を説
明する。まず一次イオン源1から引き出されたイオンビ
ーム2は、パルス電圧電源3、一組の静電偏向板4およ
びアパーチャ5で構成されるイオンビームパルス化機構
6、走査電源7および互いに直交する二組の静電偏向板
8で構成されるイオンビーム走査機構9およびイオンビ
ームレンズ10を通過して、最後に試料台11上の試料
12に照射される。そして試料12から放出された二次
イオン13は反射型飛行時間質量分析計18に導かれ
る。また中性粒子14が分析される場合は、中性粒子1
4はレーザビーム16を照射され、発生した光イオン1
7が反射型飛行時間質量分析計18に導かれる。
【0010】反射型飛行時間質量分析計18に導かれた
イオンは途中、静電反射器20で折り返して飛行し、最
後にイオン検出器22によって検出される。ここでイオ
ン検出器22には、電子増倍管やチャンネルプレートを
使い、イオンを電子に変換後、信号を増幅する。そして
イオン量の計測はこの出力を測定することによって行
う。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、飛行時
間型質量分析装置が、固体表面の極微量不純物分析など
のように極微量の信号を計測する必要がある場合には次
のような問題があった。すなわち、図3に示すように静
電反射器は、イオン飛行方向に比例して増大する傾斜電
界を形成するための複数の電極から構成される。そして
最終段の電極21は円板状の電極もしくはメッシュ電極
から構成される。
【0012】ここで検出すべきほとんどのイオンは静電
反射器内で折り返すが、最終段の電極21の電位以上の
高いエネルギを持つイオンは最終段の電極21に衝突す
ることになる。最終段の電極をメッシュ電極とすれば、
これらの高いエネルギを持つイオンはメッシュを通り抜
けることになるが、やはり一部はメッシュを構成する細
線に衝突することになる。このように衝突したイオン
は、そのエネルギのまま反射し、かつ飛行距離がエネル
ギに対して短くなるため、イオン検出器には、その質量
数が到達すべき時間よりも早く到達することになる。
【0013】したがって、このようなイオンは、本来検
出されるべき質量数のイオン信号に対してバックグラウ
ンドノイズとなる。また、イオンがメッシュを構成する
細線に衝突した際には、二次イオンが放出される。この
イオンの一部もイオン検出器方向に飛行してバックグラ
ウンドノイズとなる。つまり、従来の装置には、イオン
がメッシュを構成する細線に衝突することに起因して、
バックグラウンドノイズが生じ、検出感度を劣化させる
という問題があった。
【0014】また、試料から放出される中性粒子をレー
ザ光照射によってイオン化して検出する中性粒子質量分
析装置の場合、レーザ光照射によってイオン化したイオ
ンと、試料から放出された二次イオンを静電反射器によ
って分離することがある。すなわち、相対的に低いエネ
ルギを持つ光イオンのみを静電反射器によって反射さ
せ、相対的に高いエネルギを持つ二次イオンは最終段の
メッシュ電極を通り抜けるように静電反射器を設定する
のである。
【0015】しかし前述したように、一部の二次イオン
はメッシュに衝突し、イオン検出器の方向に飛行する。
この二次イオンも、光イオン検出にとってはバックグラ
ウンドノイズとなる。また、前述の例と同じく、イオン
がメッシュを構成する細線に衝突した際には、イオンが
放出される。このイオンの一部もイオン検出器方向に飛
行してバックグラウンドノイズとなる。つまり、光イオ
ンを検出する場合でも、従来の装置には、イオンがメッ
シュを構成する細線に衝突することに起因して、バック
グラウンドノイズが生じ、検出感度を劣化させるという
問題があった。
【0016】本発明の目的は、上記従来技術の問題を解
決し、微量分析をする場合に、検出感度が劣化すること
なく超高感度分析が可能な飛行時間型質量分析装置と分
析方法およびこれを応用した分析装置と分析方法を提供
することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的は、イオン発生
装置、上記イオンを加速する手段、上記イオンの軌道を
飛行途中で折り返すイオン反射手段、上記イオンの飛行
時間を計測する手段、および質量数毎のイオン量を計測
する手段からなる反射型飛行時間質量分析装置におい
て、上記イオンが飛行時間の長さの違いによって分離し
た後に、上記イオンの持つエネルギの違いによってイオ
ンを選別する手段を有し、選別後のイオン量を計測する
ことを特徴とする反射型飛行時間質量分析装置とするこ
とによって達成される。
【0018】ここで、上記エネルギの違いによってイオ
ンを選別する手段は、静電型エネルギ分離器、あるいは
静電型イオンレンズと静電型エネルギ分離器の組合せな
どから構成することができる。
【0019】また、イオン発生装置は、イオンビームを
試料に照射して試料から放出された中性粒子にレーザを
照射してイオンを発生させる装置あるいはイオンビーム
を試料に照射して試料から二次イオンを発生させる装置
などで構成することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態の一例を
図1を用いて説明する。この例では本発明をスパッタ中
性粒子質量分析計に応用した。
【0021】本装置は次のよう動作させる。まず一次イ
オン源1から引き出されたイオンビーム2は、パルス電
圧電源3、一組の静電偏向板4およびアパーチャ5で構
成されるイオンビームパルス化機構6、走査電源7およ
び互いに直交する二組の静電偏向板8で構成されるイオ
ンビーム走査機構9およびイオンビームレンズ10を通
過して、最後に試料台11上の試料12に照射される。
この試料12には5kVの電圧を印加してあり、質量分
析計方向にイオンを導くために、1kV/mmの電界勾配
が質量分析計方向にできている。
【0022】そしてイオンビームが照射された試料12
からは、二次イオン13および中性粒子14が放出され
る。そして、レーザ装置15から放出されたレーザビー
ム16を試料上約1mmを通過させることによって、試料
12から放出された中性粒子14にレーザビーム16を
照射する。レーザビーム16の照射によってイオン化さ
れた光イオン17は電界によって加速され飛行時間型質
量分析計18に導入される。
【0023】次に各イオンは飛行時間型質量分析計内を
軌跡19にしたがって飛行し静電反射器20に到着す
る。ここで静電反射器20の最終段の電極21はメッシ
ュによって構成されており4.5kVの電圧が印加され
ている。このようにすると、電圧5kVが印加された試
料12から放出された二次イオン13はすべて5kV以
上のエネルギを持つため、メッシュ電極21を通り抜
け、試料上1mmの位置でイオン化された光イオン17は
約4kvのエネルギを持つためそのほとんどがこの静電
反射器20で反射されることになる。しかしごく一部の
二次イオン13は静電反射器20の最終段のメッシュ電
極21に衝突してそのままのエネルギでイオン検出器2
2の方向に飛行することになる。
【0024】イオン検出器22の付近の詳細を図4に示
す。この飛行質量分析計ではイオン検出器22の前に球
面型エネルギ分離器23が設けてあり、4.5kV以上
のエネルギを持つイオンはイオン検出器22に到達しな
いように設定しておく。すると上記5kV以上のエネル
ギを持つ二次イオン13は、図4の破線で示した軌跡2
4を通りスリット25によって除去される。約4kVの
エネルギを持つ光イオン14は、図4の実線で示した軌
跡26を通り、スリット25を通過する。そしてチャン
ネルプレート27によって増幅され、その電流が測定さ
れる。以上のようにして二次イオンのバックグラウンド
ノイズの少ない超高感度の分析が可能になる。
【0025】以上の例では、エネルギ分離器単体のみを
用いているが、イオンがエネルギ分離器に到着する際、
その範囲が空間的に拡がっている場合がある。図5に示
すようにイオンレンズ28を挿入してイオンの軌道を収
束すると、エネルギ分解能が向上して、バックグラウン
ド低減効果か大きくなる場合がある。
【0026】次に本装置によって、超高集積回路(以下
ULSI)中のドーパントを試料断面方向から分析する
方法について説明する。ULSI中のドーパント分析に
ついては、従来よりその重要性が指摘されてきたが、極
微小領域の分析になるため、感度が十分得られず困難で
あった。しかしすでに説明したスパッタ中性粒子質量分
析計は従来の装置に比べて原理的に高感度でるため十分
期待できる。ULSI中のドーパント分析では、不良原
因を特定することを目的とする場合が多い。
【0027】図6に分析用の試料作製の様子を示す。ま
ず試料29をおおまかに切断した後、集束イオンビーム
30を試料上を走査させて試料を削り取り、特定の領域
の断面を作製する。図7に分析目的の断面の構成を表
す。この試料断面では、トランジスタのゲートに電圧を
印加する電極31、および電流の通路となるプラグ32
がみられる。また図中のプラグ32の下方には、ほう素
が注入されている領域33がある。このほう素の横方向
の分布を調べることが分析の目的となる。
【0028】そこで、まず、質量数が11のほう素イオ
ンがイオン検出器に到着する時間のイオン検出量を計測
する。本発明によれば、バックグラウンドが非常に少な
いため、ほう素を超高感度検出することが可能となる。
ここで、あらかじめ濃度のわかった試料で同じ測定によ
ってほう素イオンの検出個数を調べておけば、ほう素濃
度を知ることができる。次に極微細に集束したイオンビ
ームを図中の矢印34にそって移動させる。同じように
ほう素の濃度を調べていけば、横方向の濃度分布が得ら
れる。
【0029】このようにして得たほう素の横方向分布の
分析例を図8に示す。動作が正常なトランジスタのもの
と異常なものとで、この分布を比較すれば、その不良原
因を究明できる。
【0030】上述のように、本発明によれば不良解析が
迅速にできるようになり、デバイス製造歩留まりを向上
でき、デバイス製造コストを低減することが可能にな
る。また、このように実際のULSIデバイスのドーパ
ント分布がわかると、不良解析のみならずプロセス条件
の決定に要する時間を短縮することができ、開発コスト
の低減にもつながる。
【0031】なお、この例では、球面型エネルギ分離器
を用いたが、円筒型エネルギ分離器、ベッセルボックス
型エネルギ分離器あるいは平行平板型エネルギ分離器お
よびこれらの複数を任意に組合せてなるエネルギ分離器
等、エネルギを分離できる機能を有するものであれば他
のエネルギ分離器でもよい。
【0032】図9に円筒型エネルギ分離器35もしくは
ベッセルボックス型エネルギ分離器36を用いた例を示
す。これらのエネルギ分離器を用いた場合、上記の球面
型エネルギ分離器に比べ、イオンの軌道方向が変化しな
いため、装置構造を単純化できるという効果がある。
【0033】図10に円筒型エネルギ分離器部分の斜視
図および図11にその断面図を示す。この円筒型エネル
ギ分離器でも、4.5kV以上のエネルギを持つイオン
はイオン検出器22に到達しないように設定しておく。
すると上記5kV以上のエネルギを持つ二次イオン13
は図11の破線で示した軌跡24を通り、イオン検出器
には到達しない。約4kVのエネルギを持つ光イオン1
4は、図11の実線で示した軌跡26を通り、スリット
25を通過する。そしてチャンネルプレート27によっ
て増幅され、その電流が測定される。以上のようにして
二次イオンのバックグラウンドノイズのない超高感度の
分析が可能になる。
【0034】図12にベッセルボックス型エネルギ分離
器部分の斜視図および図13にその断面図を示す。この
ベッセルボックス型エネルギ分離器36でも、4.5k
V以上のエネルギを持つイオンはイオン検出器22に到
達しないように設定しておく。すると上記5kV以上の
エネルギを持つ二次イオン13は図13の破線で示した
軌跡24を通り、途中のストッパ37で進路が妨げられ
る。約4kVのエネルギを持つ光イオン14は図13の
実線で示した軌跡26を通り、スリット25を通過す
る。そしてチャンネルプレート27によって増幅され、
その電流が測定される。
【0035】以上いずれの場合でも二次イオンのバック
グラウンドノイズの少ない超高感度の分析が可能にな
る。
【0036】また、以上の例では、試料から放出された
中性粒子をレーザによってイオン化して検出する例につ
いて述べたが、試料から放出される二次イオン17につ
いても同様に本発明を用いることができる。すなわち、
二次イオンを検出する場合にも、高いエネルギをもつ一
部のイオンが静電反射器の電極に衝突してイオン検出器
方向に飛行する。これらのイオンは本来到達すべき時間
よりも早くイオン検出器に到着するものと考えられる
が、やはりエネルギ分離器によって除去することが可能
であるため、バックグラウンドノイズの少ない超高感度
の分析が可能になる。このように二次イオンを分析する
場合には、レーザと同期を取る必要がなくパルスイオン
ビームの繰返し周波数を、レーザの周波数とは無関係に
多くすることができるため、分析時間を短くすることが
できる。
【0037】また、図14に示すように試料12にレー
ザ装置38から引き出したレーザビーム39を照射し
て、試料12から放出されるイオン13を検出したり、
上記の例と同様に試料から放出される中性粒子14にレ
ーザビーム16を照射して生成したイオンを分析する場
合にも同様な効果がある。この場合には特に、一度に多
くのイオン17を発生させることができるため、バルク
分析に有効である。また試料上の微小粒子を分析する場
合、有機物を分析する場合および絶縁物を分析する場合
にも同様に、バックグラウンドを少なくできるため、微
小粒子や分子種の同定や絶縁物中の高感度不純物分析が
可能になる。
【0038】また、図15に示すようにフィラメント4
0から放出した電子41をガス状の試料42に照射して
生成したイオン43を分析する場合にも同様な効果があ
る。この場合には、ガスの成分を調べたり、ガス中の極
微量の不純物を調べたりするのに有効である。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、試料を構成する分子種
の同定や試料に含まれる微量な原子の分析のための、特
に超高感度分析に好適な反射型飛行時間質量分析装置と
分析方法およびこれを応用した分析装置と分析方法を提
供することができる。
【0040】本発明を用いた表面分析装置によってUL
SI中の極微小領域のドーパント分布分析や、微小粒子
の高感度分析が可能になる。このことによってULSI
の製造歩留まりの向上による製造コストの低減および、
開発期間の短縮による開発コストの低減が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の質量分析装置を示す構成
図。
【図2】従来の質量分析装置の構成図。
【図3】静電反射器の一例を示す斜視図。
【図4】本発明の一実施例で用いたエネルギ分析器の構
成例を示す斜視図。
【図5】本発明の一実施例で用いたエネルギ分析器の構
成例を示す斜視図。
【図6】分析試料の作製状況を示す斜視図。
【図7】試料の特定部位を示す断面図。
【図8】ほう素の横方向分布の分析例を示す測定図。
【図9】本発明の一実施例を示す質量分析装置の構成
図。
【図10】本発明の一実施例で用いたエネルギ分析器の
構成例を示す斜視図。
【図11】本発明の一実施例で用いたエネルギ分析器の
構成例を示す縦断面図。
【図12】本発明の一実施例で用いたエネルギ分析器の
構成例を示す斜視図。
【図13】本発明の一実施例で用いたエネルギ分析器の
構成例を示す縦断面図。
【図14】本発明の一実施例を示す質量分析装置の構成
図。
【図15】本発明の一実施例を示す質量分析装置の構成
図。
【符号の説明】
1…一次イオン源、2…イオンビーム、3…パルス電圧
電源、4…一組の静電偏向板、5…アパーチャ、6…イ
オンビームパルス化機構、7…走査電源、8…互いに直
交する二組の静電偏向板、9…イオンビーム走査機構、
10…イオンビームレンズ、11…試料台、12…試
料、13…二次イオン、14…中性粒子、15…レーザ
装置、16…レーザビーム、17…光イオン、18…飛
行時間質量分析計、19…軌跡、20…静電反射器、2
1…メッシュ電極、22…イオン検出器、23…エネル
ギ分離器、24…破線で示した軌跡、25…スリット、
26…実線で示した軌跡、27…チャンネルプレート、
28…イオンレンズ、29…ULSI試料、30…集束
イオンビーム、31…ゲート電極、32…プラグ、33
…ほう素注入領域、34…分析領域、35…円筒型エネ
ルギ分析器、36…ベッセルボックス型エネルギ分析
器、37…ストッパ、38…レーザ装置、39…レーザ
ビーム、40…フィラメント、41…電子、42…イオ
ン。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G001 AA03 AA05 AA10 AA13 BA06 CA05 DA01 DA02 EA04 EA20 FA01 KA01 KA20 LA11 MA01 MA04 MA05 NA15 NA19 RA04 SA01 4M106 AA02 AA10 BA03 CA51 CB02 DH01 5C038 FF07 FF10 GG07 KK06

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】イオン発生装置、イオンを加速する手段、
    イオンの軌道を飛行途中で折り返すイオン反射手段、イ
    オンの飛行時間を計測する手段、および質量数毎のイオ
    ン量を計測する手段からなる反射型飛行時間質量分析装
    置において、上記イオンを飛行時間の長さの違いによっ
    て分離した後に、上記イオンの持つエネルギの違いによ
    ってイオンを選別する手段を設け、上記選別後のイオン
    量を計測することを特徴とする反射型飛行時間質量分析
    装置。
  2. 【請求項2】上記エネルギの違いによってイオンを選別
    する手段が、静電型エネルギ分離器であることを特徴と
    する請求項1記載の反射型飛行時間質量分析装置。
  3. 【請求項3】上記エネルギの違いによってイオンを選別
    する手段が、静電型イオンレンズと静電型エネルギ分離
    器の組合せからなることを特徴とする請求項1記載の反
    射型飛行時間質量分析装置。
  4. 【請求項4】上記イオン発生装置が、イオンビームを試
    料に照射して試料から放出された中性粒子にレーザを照
    射してイオンを発生させる装置であることを特徴とする
    請求項1記載の反射型飛行時間質量分析装置。
  5. 【請求項5】上記イオン発生装置が、イオンビームを試
    料に照射して試料から二次イオンを発生させる装置であ
    ることを特徴とする請求項1記載の反射型飛行時間質量
    分析装置。
  6. 【請求項6】イオン発生手段から発生させたイオンを加
    速し、イオン反射手段により上記イオンの軌道を飛行途
    中で折り返し、上記イオンの飛行時間を計測および質量
    数毎のイオン量を計測する反射型飛行時間質量分析方法
    において、上記イオンを飛行時間の長さの違いによって
    分離し、さらに上記イオンの持つエネルギの違いによっ
    てイオンを選別し、選別後のイオン量を計測することを
    特徴とする質量分析方法。
  7. 【請求項7】請求項6記載の質量分析方法において、上
    記イオンを飛行時間の長さの違いによって分離した後
    に、イオン反射手段の機構部品に衝突して飛行してきた
    イオンをエネルギ分離器によって除去した後に、イオン
    量を計測することを特徴とする質量分析方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011233248A (ja) * 2010-04-23 2011-11-17 Tokyo Institute Of Technology レーザイオン化質量分析装置

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