JP2000322095A - 音声復号装置 - Google Patents

音声復号装置

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JP2000322095A
JP2000322095A JP11133075A JP13307599A JP2000322095A JP 2000322095 A JP2000322095 A JP 2000322095A JP 11133075 A JP11133075 A JP 11133075A JP 13307599 A JP13307599 A JP 13307599A JP 2000322095 A JP2000322095 A JP 2000322095A
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Japan
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speech
signal
voice
lsp
unit
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JP11133075A
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Hisashi Yajima
久 矢島
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 DTMF信号等の非音声信号の伝送特性の改
善をはかりつつ、符号化アルゴリズムが本来持っている
音声伝送品質が維持された高能率音声符号化・復号装置
を提供するに当たり、従来型の符号器との対向接続を可
能としつつ、DTMF信号等の非音声信号をインチャネ
ルで伝送可能とする音声復号装置を得る。 【解決手段】 復号器201に、符号器から伝送されて
きた信号が音声信号か非音声信号かを識別し、識別を出
力する音声/非音声識別部420と、所定の音声パラメ
ータについての補正処理を加える補正処理機能ブロック
423とを設けて、音声/非音声識別部420からの識
別結果に応じて、補正処理機能ブロック423による補
正処理を施すようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、音声のディジタ
ル有線通信および無線通信において用いられる音声復号
装置に関し、特に、DTMF(Dual Tone M
ulti−Frequency)信号、PB(Push
Button)信号などの音声周波数帯域を用いた非
音声信号を、インチャネルで音声信号とともに伝送する
際の音声復号装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】企業内通信においては、通信コストの低
減が最も重要な課題である。通信トラヒックの大部分を
占める音声信号の高能率伝送を実現するため、近年、I
TU−Tの勧告G.729に準拠した、8kbit/s
共役構造代数的符号励振線形予測(Conjugate
−Structure Algebraic−Code
−Excited Linear Predictio
n:以下、CS−ACELPという)音声符号化方式に
代表されるような、音声符号化・復号方式に基づく高能
率音声符号化を適用する事例が増えつつある。
【0003】伝送速度が8kbit/sクラスの音声符
号化アルゴリズムにおいては、小さな伝送速度で高品質
な音声信号を得るため、入力信号を音声信号に特化した
構成となっている。このことを上記8kbit/s C
S−ACELP方式を例にとって説明する。図9にその
符号器のブロック図を、図10にその復号器のブロック
図を示す。この符号化方式は、人間の発声機構をモデル
化した符号化アルゴリズムとなっている。すなわち、復
号器201側に人間の声道情報をモデル化した合成フィ
ルタ部412(音声のスペクトル包絡に対応する線形フ
ィルタ)を構成し、それを人間の声帯音源に相当する、
符号帳に蓄えられた時系列の信号(励振信号再生部41
1の出力)で駆動することで、符号器101側にて符号
化された音声信号を再生する、CELP(Code−E
xcited Linear Prediction)
方式に基づいている。なお、そのアルゴリズムについて
は、ITU−T Recommendatipn G.
729,“Codingof Speech at 8
kbit/s using Conjugate−St
ructure Algebraic−Code−Ex
cited Linear Prediction(C
S−ACELP)”などにも詳細に説明されている周知
のものである。
【0004】符号化アルゴリズムが音声に特化された構
造になると、高能率音声符号化を用いた伝送路におけ
る、音声周波数帯域を用いた音声信号以外の信号(例え
ば、DTMF信号、PB信号、No.5シグナリング、
モデム信号など)の伝送特性は、伝送効率が高能率にな
ればなるほど低下する傾向がある。
【0005】このことを示す一例として、音声パラメー
タの1つである線スペクトル対(Line Spect
rum Pair;以下、LSPという)係数の量子化
の詳細について、図11、図12を用いて説明する。こ
こで、図11は、図9に示した符号器101内のLSP
量子化部309の詳細構成を示すブロック図であり、図
12は、図10に示した復号器201内のLSP逆量子
化部407の詳細構成を示すブロック図である。
【0006】CS−ACELP音声符号化方式は、LS
P係数の量子化に3つの処理手順を踏むことで実現され
ている。すなわち、LSP量子化部309は、以下に示
す3つの処理機能ブロックを有している。 (1)フレーム間で予測可能な成分を差し引いて効率的
に量子化する、MA予測成分計算部308(MAはMo
ving Average;移動平均) (2)ターゲットとなるLSP係数を、音声により学習
された符号帳を用いて大雑把に量子化するための、LS
P量子化符号帳310内の第1段LSP符号帳335 (3)第1段で大雑把に量子化された、ターゲットとな
るLSP係数に対して微調整を行うため、乱数系列を用
いた、LSP量子化符号帳310内の第2段LSP符号
帳336
【0007】上記(1)の移動平均予測を用いることに
より、周波数特性の急激な変化の少ない、すなわちフレ
ーム間で相関性の強い信号を効率的に量子化することが
出来る。また(2)の学習された符号帳を用いることに
より、音声信号特有のスペクトル包絡の概形を、少ない
伝送容量で効率よく表現することが出来る。また、
(2)の学習された符号帳に加えて、(3)の乱数系列
を用いた符号帳を併合することにより、スペクトル包絡
の微妙な変化にも柔軟に追随することが出来る。以上の
観点から、LSP量子化部309は、音声信号のスペク
トル包絡情報の特徴を効率よく符号化するのによく適し
た方式であるといえる。
【0008】一方、非音声信号、特にDTMF信号の符
号化においては、以下のような性質を考慮する必要があ
る。 (1)スペクトル包絡に関して、音声信号とDTMF信
号とでは明らかに異なっている。 (2)信号継続時間とポーズ時間の間でスペクトル特性
に急激な変化があり、利得も急激に変化する。ただし、
信号継続時間内に限定すれば、スペクトル特性、利得と
もに変化量は極めて小さい。 (3)LSP係数の量子化歪がそのままDTMF信号の
周波数歪に反映されるため、LSP量子化歪はできるだ
け小さくする必要がある。 (4)DTMF信号が継続する区間においては、周波数
特性は極めて安定している。 以上の観点から、上記LSP量子化部309は、DTM
F信号固有の性質を考慮したものとは言えず、DTMF
信号のスペクトル包絡情報を符号化するのに必ずしも効
果的な方法であるとは言えない。
【0009】以上の例で示したように、DTMF信号の
ような非音声信号は、いくつかの観点で音声信号とは異
なる性質を有しているため、非音声信号の符号化に当た
って、特に伝送速度が低く符号化のための冗長性が少な
いという条件の下では、音声信号と同じ手法を用いるの
は適当とは言えない。
【0010】ところで、企業内通信においては、電話通
信における呼接続などのために、シグナリング伝送のた
めの信号線を別途設けることをせず、DTMF信号等を
用いて、インチャネルでシグナリング伝送を行うことが
多い。この場合、割当てられた伝送路が、上記の高能率
音声符号化を用いた伝送路であれば、DTMF信号の伝
送特性は悪化するため、呼接続が正常にできなくなるケ
ースが、比較的高い頻度で発生するといった弊害があ
る。
【0011】このような問題を解決する第1の手段とし
て、例えば、特開平9−81199号公報に開示されて
いるような、図13に示す装置構成がとられることがあ
る。この構成においては、音声信号とDTMF信号のよ
うな非音声信号とを識別する手段(DTMF検出器11
2、DTMF符号化パターン検出器218)と、DTM
F信号をあらかじめ符号化したパターンを記憶している
メモリ(DTMF符号化パターンメモリ118,21
7)を、送信側と受信側とで有しており、この識別手段
においてDTMF信号の入力を識別すると、DTMF信
号の番号に対応する符号化パターンを保持するメモリの
インデックスを受信側に送信し、受信側では、そのイン
デックスを識別して、その番号に対応するDTMF信号
を生成するものである。
【0012】また、上記のような問題を解決する第2の
手段としては、例えば、特願平10−65418号の明
細書および図面に示されるような、図14に示す装置構
成がとられることがある。この構成においては、音声信
号の符号化に最適化された符号化処理機能ブロック10
5と、非音声信号(例えばDTMF信号)を少ない歪で
圧縮符号化できるように最適化された符号化処理機能ブ
ロック106とを符号器101に持たせる。伝送対象と
なる音声周波数帯域の信号が音声信号か非音声信号かを
識別する手段(音声/非音声信号識別器102)を設
け、当該識別手段の判定結果に応じて切り替えられる切
替手段(切替スイッチ103,104)で、上記符号化
処理機能ブロック105,106のいずれかを選択した
上で符号化処理を行う。また、符号器101の出力に判
定結果を畳み込む手段(多重化部107)を設け、伝送
速度を変えることなく、かつ音声品質を極力劣化させる
ことなくそれらを伝送路に送出する。
【0013】また、復号器201にも同様に、符号化さ
れた音声信号の復号に最適化された復号処理機能ブロッ
ク205と、圧縮符号化されたDTMF信号等の非音声
信号を少ない歪で復号できるように最適化された復号処
理機能ブロック206とを持たせる。符号器101の出
力に畳み込まれて伝送路を伝送されてくる、識別手段の
判定結果を分離する手段(多重分離部202)を設け、
この分離手段で分離された判定結果に応じて切り替えら
れる切替手段(切替スイッチ203,204)で、上記
復号処理機能ブロックのいずれかを選択した上で、符号
器101の出力の復号処理を行う。
【0014】次に、この音声符号化・復号装置の動作に
ついて説明する。図14の送信側において、音声/非音
声信号識別器102は、入力される音声周波数帯域の信
号が音声信号であるか非音声信号であるかを常に監視し
ており、その判定結果に基づいて符号器101の動作モ
ードを決定する。音声/非音声信号識別器102で「音
声」と判定された場合には、切替スイッチ103を10
3A側に、切替スイッチ104を104A側にそれぞれ
倒す。その結果、符号器101の内部において、符号化
処理機能ブロック105が選択され、音声信号を高能率
に符号化するのに適した動作モード(以下、音声モード
と称する)となる。この音声モードにおいて、符号器1
01は音声信号の符号化処理を所定の符号化アルゴリズ
ムに基づいて実行し、入力された音声信号に対応する符
号列を出力する。
【0015】また、音声/非音声信号識別器102で
「非音声」と判定されたときは、切替スイッチ103を
103B側に、切替スイッチ104を104B側にそれ
ぞれ倒す。その結果、符号器101の内部において、符
号化処理機能ブロック106が選択され、非音声信号
(例えばDTMF信号)を、少ない歪で圧縮符号化する
のに適した動作モード(以下、非音声モードと称する)
となる。この非音声モードにおいて、符号器101はD
TMF信号等の非音声信号の符号化処理を所定の符号化
アルゴリズムに基づいて実行し、入力された非音声信号
に対応する符号を出力する。さらに多重化部107で
は、音声信号あるいは非音声信号の信号が符号化された
もの(以下、音声/非音声符号と称する)と、音声/非
音声信号識別器102の出力である入力信号の識別結果
(音声信号か、非音声信号か)を多重化して伝送路へ送
出する。
【0016】一方、図14の受信側においては、まず伝
送路から受信された信号列が、多重分離部202におい
て音声/非音声符号と、音声/非音声信号識別器102
の判定結果とに分離される。このように信号列から取り
出された音声/非音声信号識別器102の判定結果が
「音声」であれば、切替スイッチ203を203A側
に、切替スイッチ204を204A側にそれぞれ倒す。
その結果、復号器201の内部において、復号処理機能
ブロック205が選択され、符号器101の音声モード
に対応した復号器201の動作モードとなる。この動作
モードにおいて、復号器201は所定の復号アルゴリズ
ムに基づいて復号処理を実行し、音声信号を復号する。
このとき、符号化・復号処理はいずれも音声モードで実
行されているので、復号された音声信号は、符号化アル
ゴリズムがもつ本来の性能に見合った品質となってい
る。
【0017】また、多重分離部202で信号列から取り
出された音声/非音声信号識別器102の判定結果が
「非音声」であれば、切替スイッチ203を203B側
に、切替スイッチ204を204B側にそれぞれ倒す。
その結果、復号器201の内部において、復号処理機能
ブロック206が選択され、符号器101の非音声モー
ドに対応した復号器201の動作モードとなる。この動
作モードにおいて、復号器201は所定の復号アルゴリ
ズムに基づいて復号処理を実行し、非音声信号(例えば
DTMF信号等)を復号する。このとき、符号化・復号
処理はいずれも非音声モードで実行されているので、復
号されたDTMF信号等の非音声信号は、音声モードで
実行されるよりも一層歪の少ないものとなっている。
【0018】以上述べたような従来の高能率音声符号化
によれば、音声信号伝送時においては、音声信号の符号
化により適した、通常の音声符号化・復号アルゴリズム
を用いた方法で、また、非音声信号、特にDTMF信号
等の伝送時においては、一部の処理機能ブロックを、非
音声信号の符号化により適した方法に切り替えて、符号
化・復号処理を実行するので、非音声信号伝送時に、伝
送速度を上げることなく、高品質の非音声信号を伝送す
ることができるようになる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】以上のように構成され
た従来の高能率音声符号化に基づいて、音声通信システ
ムを構築するに当たっては、符号器101、復号器20
1の両者に上記非音声モードを搭載することが必須であ
る。例えば、送信側(符号化側)のみの改良を行った場
合、非音声モードに対して受信側(復号側)が対応でき
ていないため、正常な非音声信号を復号する手段がな
く、異音が発生するなど、通話者にとって好ましくない
現象が発生する恐れがあるという課題があった。
【0020】また、企業内通信システム等の構築に当た
っては、諸事情により音声伝送装置を送信側と受信側と
で同時にリプレイスできない事例が発生するという課題
があった。例えば、従来ITU−Tの勧告G.729に
準拠したCS−ACELP方式に基づく音声コーデック
を搭載した音声伝送装置(例えばマルチメディア多重化
装置)が構築されていた場合には、DTMF信号のイン
チャネル伝送の実現を目的として、上記に掲げたような
非音声モードに対応した音声伝送装置を、受信側のみで
リプレイスしたとしても、相手側の音声伝送装置は従来
型の符号器であるため対向接続ができない。従って、相
手先の音声伝送装置もリプレイスが必要となり、音声伝
送装置のユーザに更に高額な投資を要求することとなる
ため、リプレイスが困難なものになるといった課題もあ
った。
【0021】この発明は上記ような課題を解決するため
になされたもので、DTMF信号等の非音声信号の伝送
特性の改善をはかりつつ、符号化アルゴリズムが本来持
っている音声伝送品質が維持された高能率音声符号化・
復号装置を提供するに当たって、従来型の符号器との対
向接続を可能にするとともに、DTMF信号等の非音声
信号をインチャネルで伝送することができる音声復号装
置を得ることを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】この発明に係る音声復号
装置は、音声/非音声識別部を設けて、符号器から伝送
されてきた信号が音声信号か非音声信号かを識別し、そ
の識別結果に応じて、補正処理機能ブロックによる所定
の音声パラメータについての補正処理を施すようにした
ものである。
【0023】この発明に係る音声復号装置は、LSP係
数を補正対象の音声パラメータとしたものである。
【0024】この発明に係る音声復号装置は、3次以上
の高次のスペクトルピークの検出結果を、音声/非音声
識別部における、音声信号か非音声信号かの識別のため
の1つの要素として用いるようにしたものである。
【0025】この発明に係る音声復号装置は、複数フレ
ーム連続して得られた音声/非音声識別部の識別結果
を、音声周波数帯域の信号が無音となるまでクリップす
るようにしたものである。
【0026】この発明に係る音声復号装置は、音声/非
音声識別部の識別結果をある一定の期間保持するように
したものである。
【0027】この発明に係る音声復号装置は、音声/非
音声識別部に、その識別結果が「非音声」となった場合
に、シグナリングのディジット情報を検出する機能を持
たせ、補正処理機能ブロックがそのディジット情報をも
とに、記憶部に保持している標本パラメータを用いて、
復号された音声パラメータの補正を行うようにしたもの
である。
【0028】この発明に係る音声復号装置は、DTMF
信号の周波数スペクトルを表現する周波数近傍に、補正
処理機能ブロックが補正を行うLSP係数の次数を限定
するようにしたものである。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の一形態を
説明する。 実施の形態1.図1は、ITU−Tの勧告G.729
(CS−ACELP方式)をベースとして構築した、こ
の発明の実施の形態1における音声復号装置で用いられ
る復号器の構成を示すブロック図である。図において、
201は音声周波数帯域の信号が所定のアルゴリズムに
基づいて高能率に圧縮符号化され、伝送路を経由して送
られてくる信号列を、元の音声周波数帯域の信号に再合
成する復号器である。202は伝送路から受信した上記
信号列を、適応符号帳インデックス、利得量子化符号帳
インデックス、代数的符号帳インデックス、およびLS
P符号帳インデックスに分離して、復号器201にそれ
ぞれ入力する多重分離部である。
【0030】この復号器201内において、401は受
信した適応符号帳インデックスをもとに、励振信号の周
期成分(適応コードベクトル)v[n]を復号する適応
符号帳復号部である。402はメモリに格納されている
利得量子化符号帳であり、403は受信した利得量子化
符号帳インデックスをもとに、利得量子化符号帳402
を参照して、励振信号の周期成分の利得値gpと、非周
期成分利得値の利得情報γとを復号する利得逆量子化部
である。404はその利得情報γをもとに移動平均を計
算し、励振信号の非周期成分の利得値gcを計算する利
得MA予測部である。405は受信した代数的符号帳イ
ンデックスをもとに、励振信号の非周期成分c[n]の
復号を行う代数的符号帳復号部であり、408はその励
振信号の非周期成分c[n]の代数的符号帳では表現し
きれない短周期のピッチ成分を強調するピッチプレフィ
ルタ部である。
【0031】406はメモリに格納されているLSP量
子化符号帳であり、407は受信したLSP符号帳イン
デックスをもとにLSP量子化符号帳406を参照し、
音声パラメータの1つであるLSP係数を復号するLS
P逆量子化部である。409は現在のフレームにおける
LSP係数と直前のフレームにおけるLSP係数とで、
LSP係数の補間処理を行うLSP内挿部であり、41
0はそのLSP係数をLP係数(LPはLinear
Prediction;線形予測)に変換する係数変換
部である。
【0032】411は適応符号帳復号部401で得られ
た励振信号の周期成分v[n]、および代数的符号帳復
号部405で得られ、ピッチプレフィルタ部408で短
周期のピッチ成分が強調された非周期成分c[n]のそ
れぞれに、利得逆量子化部403で得られた利得情報g
p、および利得MA予測部404で得られた利得値gc
を掛け合わせた後、両者を加算して励振信号u[n]を
生成する励振信号再生部である。412は励振信号再生
部411で生成した励振信号u[n]をもとに復号信号
s[n]を再合成する合成フィルタ部であり、413は
合成フィルタ部412で再合成された復号音声信号s
[n]より音声信号sf[n]を生成するポストフィル
タ部、414はその音声信号sf[n]に対して低域除
去、およびスケーリングを行う後処理部である。
【0033】さらに、420は合成フィルタ部412で
再合成された復号音声信号s[n]をもとに、伝送され
てきた信号が音声信号か、非音声信号(DTMF信号)
かを識別する音声/非音声識別部としての音声/DTM
F信号識別器である。421,422はこの音声/DT
MF信号識別器420の識別結果によって切り替えられ
る切替スイッチである。423はこの切替スイッチ42
1,422の切り替えによってLSP内挿部409と係
数変換部410との間に接続され、LSP逆量子化部4
07およびLSP内挿部409によって復号されたLS
P係数の補正を行う、補正処理機能ブロックとしてのL
SP係数補正部である。
【0034】次に動作について説明する。伝送路を経由
して送られてきた信号列は多重分離部202に入力され
て、ピッチ遅延情報P0,P1,P2(適応符号帳イン
デックス)、量子化された利得情報GA1,GA2,G
B1,GB2(利得量子化符号帳インデックス)、コー
ドインデックスS1,S2,C1,C2(代数的符号帳
インデックス)、およびLSPインデックスL0,L
1,L2,L3(LSP符号帳インデックス)に分離さ
れ、それぞれ復号器201に入力される。
【0035】復号器201内では、適応符号帳復号部4
01において、この多重分離部202にて分離されたピ
ッチ遅延情報P0,P1,P2をもとに、励振信号の周
期成分v[n]を復号し、その励振信号の周期成分v
[n]を励振信号再生部411に入力する。
【0036】また、利得逆量子化部403は多重分離部
202で分離された量子化されている利得情報GA1,
GA2,GB1,GB2をもとに、メモリに格納されて
いる利得量子化符号帳402を参照して、励振信号の周
期成分の利得値gpと、非周期成分利得値の利得情報γ
とを復号し、励振信号の周期成分の利得値gpを励振信
号再生部411に、非周期成分利得値の利得情報γを利
得MA予測部404にそれぞれ入力する。この非周期成
分利得値の利得情報γを受けた利得MA予測部404
は、その利得情報γをもとに移動平均を計算し、励振信
号の非周期成分の利得値gcを生成して、その励振信号
の非周期成分の利得値gcを励振信号再生部411に入
力する。
【0037】さらに、代数的符号帳復号部405は多重
分離部202で分離されたコードインデックスS1,S
2,C1,C2をもとに、励振信号の非周期成分c
[n]の復号を行い、それをピッチプレフィルタ部40
8に入力する。ピッチプレフィルタ部408ではこの代
数的符号帳復号部405で復号された励振信号の非周期
成分c[n]の、代数的符号帳では表現しきれない短周
期のピッチ成分を強調した後、励振信号再生部411に
入力する。
【0038】LSP逆量子化部407は多重分離部20
2にて分離されたLSPインデックスL0,L1,L
2,L3をもとに、メモリに格納されているLSP量子
化符号帳406を参照して、音声パラメータの1つであ
るLSP係数を復号し、それをLSP内挿部409に入
力する。LSP内挿部409はLSP逆量子化部407
で復号されたLSP係数をもとに、現在のフレームにお
けるLSP係数と、直前のフレームにおけるLSP係数
とによるLSP係数の補間処理を行う。ここで、動作モ
ードが音声モードとなっていて、切替スイッチ421が
421A側に、切替スイッチ422が422A側に倒れ
ているものとすると、LSP内挿部409で補間処理さ
れたLSP係数は、そのまま係数変換部410に入力さ
れる。係数変換部410はこのLSP内挿部409から
のLSP係数をLP係数に変換し、それを合成フィルタ
部412およびポストフィルタ部413に入力する。
【0039】励振信号再生部411は適応符号帳復号部
401より入力された励振信号の周期成分v[n]と、
代数的符号帳復号部405で生成され、ピッチプレフィ
ルタ部408にて短周期のピッチ成分が強調された励振
信号の非周期成分c[n]のそれぞれについて、利得逆
量子化部403から入力された利得情報gp、および利
得MA予測部404から入力された利得値gcを乗算し
た後、それら両者の和をとって励振信号u[n]を生成
する。生成された励振信号u[n]は合成フィルタ部4
12に送られ、合成フィルタ部412では係数変換部4
10より入力されたLP係数をもとに、その励振信号u
[n]より復号音声信号s[n]を再合成する。再合成
された復号音声信号s[n]はポストフィルタ部413
に送られ、ポストフィルタ部413では係数変換部41
0より入力されたLP係数をもとに、その復号音声信号
s[n]より音声信号sf[n]を生成する。生成され
た音声信号sf[n]は後処理部414に入力され、後
処理部414はその音声信号sf[n]に対して高域通
過フィルタ(High Pass Filter;以
下、HPFと称す)による低域除去、およびスケーリン
グなどの処理を行った後、外部に出力する。
【0040】なお、以上の動作については、ITU−T
RecommendationG.729,“Cod
ing of Speech at 8kbit/s
using Conjugate−Structure
Algebraic−Code−Excited L
inear Prediction(CS−ACEL
P)”などに詳細に説明されている周知のもので、図1
0に示した従来の復号器201でも同様に動作する。
【0041】ここで、合成フィルタ部412より出力さ
れる復号音声信号s[n]は、音声/DTMF信号識別
器420にも供給されている。音声/DTMF信号識別
器420では、この合成フィルタ部412からの復号信
号s[n]をもとに、伝送されてきた信号が音声信号か
非音声信号(DTMF信号)かを識別判定する。判定の
結果、「音声」と判定された場合には動作モードが音声
モードとなり、切替スイッチ421を421A側に、切
替スイッチ422を422A側に倒す。また、入力され
た信号がDTMF信号であって「非音声」と判定された
場合には動作モードが非音声モードとなり、上記切替ス
イッチ421,422をそれぞれ、421B側および4
22B側に倒す。
【0042】「音声」と判定された符号化処理フレーム
の次のフレームでは、前述のように切替スイッチ421
および422がそれぞれ421A,422A側に倒れて
いるので、LSP内挿部409からのLSP係数はその
まま係数変換部410へ送られてLP係数に変換され、
合成フィルタ部412とポストフィルタ部413に入力
される。従って、この場合には、ITU−Tの勧告G.
729に示されている上記動作と同一の動作でLSP係
数を復号する。合成フィルタ部412ではこの係数変換
部410からのLP係数をもとに、音声信号の復号処理
を行う。
【0043】一方、「非音声」と判定された符号化処理
フレームの次のフレームでは、前述のように切替スイッ
チ421および422はそれぞれ421B,422B側
に倒れているので、LSP内挿部409からのLSP係
数はLSP係数補正部423を経由して、DTMF信号
のスペクトル歪を減らすような補正が掛けられて係数変
換部410へ送られる。例えば、LSP係数は周波数の
ディメンジョンを持った係数であることから、DTMF
信号のトーン周波数に対応する係数について、周波数シ
フト、スペクトル強調などの操作を行うことで、量子化
により重畳されたスペクトル歪を除去するように補正を
行う。係数変換部410はこのLSP係数補正部423
で補正されたLSP係数をもとにLP係数を算出し、そ
れを合成フィルタ部412およびポストフィルタ部41
3に供給する。合成フィルタ部412ではこの係数変換
部410からのLP係数をもとに、DTMF信号の復号
処理を行う。
【0044】なお、上記音声/DTMF信号識別器42
0には、一般のDTMF信号検出器では認識できないよ
うな波形歪を持った信号が入力されることが想定され
る。従って、音声/DTMF信号識別器420の検出基
準は、一般的に用いられているDTMF信号検出器の基
準値(例えば、TTC標準 JJ−20.12)よりも
緩やかにしておく必要がある。
【0045】ここで、上記説明においては、補正を加え
る対象となる音声パラメータをLSP係数とした場合に
ついて示したが、これはLSP係数を補正の対象とした
場合に、DTMF信号などの非音声信号の伝送を最も高
品質に行うことが可能となるためであり、他の音声パラ
メータを補正を加える対象としてもよいことはいうまで
もない。
【0046】以上のように、この実施の形態1によれ
ば、音声信号伝送時においては、音声信号の符号化によ
り適した、通常の音声符号化・復号アルゴリズムを用い
た方法で、また、非音声信号(DTMF信号)の伝送時
においては、一部の処理機能ブロックを、非音声信号の
符号化により適した方法に切り替えて、符号化・復号処
理を実行しているので、非音声信号伝送時に、伝送速度
を上げること無く、高品質の非音声信号を伝送すること
ができるという効果が得られる。
【0047】また、復号処理の一部に変更を加えるだけ
で、アルゴリズムの本質に関わるような切り替えを行う
ものではないため、例えば、音声信号入力中に、音声/
DTMF信号識別器420で「非音声」と誤識別した場
合でも、多少の劣化はあるものの、ある程度の音声伝送
品質は維持することが可能となり、通話中に耳触りとな
るような弊害は抑えられるといった効果も得られる。
【0048】さらに、復号処理の変更は、符号器の動作
について何ら影響を及ぼすものではないので、復号器2
01のリプレイスだけでDTMF信号の伝送性能の向上
がはかれ、ユーザに高額の投資を要求することがなくな
り、導入しやすくなるなどの効果も得られる。
【0049】実施の形態2.次に、この発明による音声
復号装置の実施の形態2として、音声/DTMF信号識
別器420の具体的な実現例について説明する。図2は
この実施の形態2の音声/DTMF信号識別器420に
おける、音声信号と非音声信号(DTMF信号)との識
別原理を説明するための周波数スペクトル図である。こ
の図2では横軸を周波数、縦軸を振幅とする。一例とし
て、#3をダイヤルしたときのDTMF信号の周波数分
布を実線で、男性が「う」を発声したときの音声信号の
周波数分布を破線でそれぞれ示している。
【0050】実施の形態1の説明においても述べたよう
に、音声/DTMF信号識別器420には、一般のDT
MF信号検出器では認識できないような波形歪を持った
信号が入力されることが想定されため、一般的に用いら
れているDTMF信号検出器よりも判定基準を緩やかに
しておく必要がある。そのため、誤識別を起こす確率も
それだけ高まると考えられ、これにより、例えば実際は
音声信号が伝送されていたにもかかわらず、音声/DT
MF信号識別器420にて「DTMF信号」と判定され
た場合には、LSP係数補正部423によって無用なL
SP係数の補正が行われることになるため、音声品質の
劣化を招く。
【0051】そこで、この実施の形態2による音声/D
TMF信号識別器420では、以下のような対策を施
す。ここで、DTMF信号は図2に実線で示すように、
スペクトルピークは必ず2本しか存在しないが、音声信
号は同図に破線で示すように、高次のスペクトルピーク
をとることが多い。そこで、3次以上の高次のスペクト
ルピークがあった場合、音声/DTMF信号識別器42
0はその検出結果を「音声」と判定するようにする。音
声信号のスペクトル包絡はLSP係数の疎密で表現され
ているため、LSP係数を用いてスペクトルのピークを
示す周波数をある程度特定することができる。例えば、
LSP係数のi次と(i+1)次の値の差が所定の閾値
を下回ったとすると、そこにスペクトルのピークがある
と判断できる。スペクトルピークが3つ以上確認された
場合には、他の要素による判定結果が「非音声」であっ
たとしても、音声/DTMF信号識別器420はその判
定を「音声」に覆す。
【0052】このように、この実施の形態2によれば、
3次以上のスペクトルピークの検出結果を、音声/非音
声判定の1つの要素として用いているので、識別基準を
緩やかにしたことによる誤認識の確率を減らすことがで
きるという効果が得られる。
【0053】実施の形態3.次に、この発明による音声
復号装置の実施の形態3について説明する。通常、高能
率音声符号化においては、ディジタルサンプルをある一
定の時間分だけ蓄積しておき、それをもとに一括して処
理を行う、いわゆるフレーム処理を行うことが多い。従
って、音声/DTMF信号識別器420も符号化フレー
ム単位(例えば、上記CS−ACELP方式においては
符号化フレームが10msecであるため10msec
毎)に検出処理を行うことがリーズナブルである。とこ
ろで、音声/DTMF信号識別器420の構成によって
は、波形の乱れなどにより、連続信号の途中でDTMF
信号と認識しなくなるといったケースが発生することが
ある。
【0054】ここで、図3は音声/DTMF信号識別器
420の動作の一例を、復号波形と対比して説明するた
めの波形図であり、その縦軸は復号された音声周波数帯
域の信号のレベルを、横軸は時間をそれぞれ示してい
る。また、音声周波数帯域の信号の復号には、一例とし
てCS−ACELP方式を用いることを想定し、横軸に
はCS−ACELP方式の処理フレーム長である10m
sec毎に点線による補助線を付している。
【0055】通常の通信においては、DTMF信号と音
声信号との間に無音が入ることはなく、単一のトークス
パートにDTMF信号が混ざるようなケース、またはそ
の逆にDTMF信号の伝送が中断されてそれ以外の信号
(例えば音声信号)が連続して続けられるケースは極め
て少ない。従って、図3に示すように、波形の途中で
「音声」と認識されているケースでも、本来ならばDT
MF信号が伝送されていると考えるのが妥当である。こ
のような現象に対処するために、この実施の形態3にお
いては、音声/DTMF信号識別器420に、複数フレ
ーム連続して「非音声」と判定された後は、音声周波数
帯域の信号が無音となるまで、判定結果をクリップする
機能を持たせている。これにより、DTMF信号の送信
途中での誤判定と考えられる部位、すなわち、3フレー
ム連続して「非音声」と判定された後、1フレームだけ
「音声」と判定された部位についても、「非音声」との
判定結果がクリップされるため、LSP係数補正部42
3によるLSP係数の補正が行われる。
【0056】このように、この実施の形態3によれば、
DTMF信号送信途中での誤判定と考えられる部位につ
いてもLSP係数の補正が行われるため、より精度よく
DTMF信号の復号を行うことが可能なるという効果が
得られる。
【0057】実施の形態4.上記実施の形態3では、連
続して「非音声」と判定された後は、音声周波数帯域の
信号が無音となるまで判定結果をクリップする機能を持
たせて、DTMF信号の送信途中での誤判定を防止する
場合について説明したが、判定結果を一定時間保持す
る、いわゆるハングオーバー機能を持たせることによっ
ても、DTMF信号の送信途中での誤判定を防止するこ
とができる。この実施の形態4はそのような音声/DT
MF信号識別器420を実現するものであり、その動作
の手順を図4のフローチャートに示す。
【0058】音声/DTMF信号識別器420はステッ
プST1において、処理フレームがDTMF信号の伝送
を行うDTMFフレームであるか否かの判定を行う。そ
の結果、DTMFフレームであった場合には、ステップ
ST2でカウンタを初期値に設定し、ステップST8に
おいてLSP係数補正部423に補正処理を実行させ、
次の処理フレームとなるまで処理を一旦終了する。DT
MFフレームでなかった場合には、ステップST3にお
いて無音フレームであるか否かの判定を行い、無音フレ
ームであれば、ステップST4でカウンタのリセットを
行った後、次の処理フレームとなるまで処理を一旦終了
する。一方、無音フレームでなかった場合にはステップ
ST5に進み、カウンタの値が0であるか否かを判定す
る。カウンタの値が0であった場合には、ステップST
6においてLSP係数補正部423に補正処理を実行さ
せる。その後、ステップST7にてカウンタのデクリメ
ントを行い、次の処理フレームとなるまで処理を一旦終
了する。なお、カウンタの値が0でなかった場合には、
そのまま次の処理フレームとなるまで一旦処理を終了す
る。
【0059】このように、この実施の形態4によれば、
一旦非音声信号(DTMF信号)と判定された場合に
は、カウンタが0になるまでの一定の期間、またはトー
クスパートの切れ目が検出されるまでの間は、DTMF
信号の伝送区間と判定されるので、図3に示すような瞬
間的に誤判定されていると考えられる区間についてもL
SP係数の補正が行われ、精度の高いDTMF信号の復
号が可能になるという効果が得られる。
【0060】実施の形態5.次に、この発明の実施の形
態5について説明する。ここで、図5はこの発明の実施
の形態5による音声復号装置で用いられる復号器の構成
を示すブロック図であり、この場合も図1と同様に、I
TU−Tの勧告G.729(CS−ACELP方式)を
ベースとして構築されている。なお、相当部分には図1
と同一符号を付してその説明を省略する。図において、
420Aは図1に符号420を付して示したものに相当
する、音声/非音声識別部としての音声/DTMF信号
識別器であるが、音声周波数帯域の信号の識別結果が
「非音声」となった場合に、伝送されてきた信号として
あるシグナリング情報が送信されてきたものと仮定し
て、そのシグナリングのディジット情報を検出し、出力
する機能を有している点で、実施の形態1のそれとは異
なっている。また、423Aは図1に符号423を付し
て示したものに相当する、補正処理機能ブロックとして
のLSP係数補正部であるが、音声/DTMF信号識別
器420Aの識別結果が「非音声」となった場合に、こ
の音声/DTMF信号識別器420Aによって検出され
て出力されたディジット情報をもとに、復号された音声
パラメータを標本パラメータを用いて補正するものであ
るという点で、実施の形態1のそれとは異なっている。
【0061】また、図6は上記LSP係数補正部423
Aの内部構成を示すブロック図である。図において、4
30は受信する可能性のあるシグナリング情報の信号波
形をパラメータ化した標本パラメータを保持する記憶部
であり、ここでは、標本パラメータとしての標本LSP
係数を保持する標本LSPメモリとなっている。431
は音声/DTMF信号識別器420Aの識別結果が「非
音声」となった場合に、当該音声/DTMF信号識別器
420Aより出力されるディジット情報をもとに、復号
された音声パラメータとしてのLSP係数を、標本LS
Pメモリ430に保持されている標本LSP係数を用い
て補正する補正処理部である。
【0062】次に動作について説明する。音声/DTM
F信号識別器420Aは、識別結果が「非音声」になる
と検出情報を切替スイッチ421および422に送り、
当該切替スイッチ421,422の動作を制御すると同
時に、DTMF信号が検出された場合には、当該DTM
F信号のディジット情報を検出してLSP係数補正部4
23Aに送信する。このLSP係数補正部423Aの標
本LSPメモリ430には、各ディジットについてあら
かじめ、DTMF信号のスペクトル包絡を忠実に表現す
る典型的なLSP係数が格納されている。LSP係数補
正部423Aは音声/DTMF信号識別器420Aの検
出したディジット情報を受信すると、それに対応するス
ペクトル包絡を表現する典型的なLSP係数列を標本L
SPメモリ430より抽出し、それを標本LSP係数と
する。
【0063】補正処理部431はこの標本LSP係数を
用いて、復号されたDTMF信号のLSP係数の補正処
理を行う。図7はこの補正処理部431によるLSP係
数の補正処理を説明するための概念図であり、この場
合、ある標本LSP係数と復号されたLSP係数とを、
周波数軸上にプロットして補間処理を行う場合について
示している。なお、この図7において、横軸は周波数を
示しており、この周波数軸上の第1段目は標本LSP係
数をプロットしたものを、第3段目は復号されたLSP
係数の一例のプロット点をそれぞれ示し、第2段目は補
正されたLSP係数のプロット点を示している。
【0064】ここで、この図7に示した例では、復号器
201がCS−ACELP方式に基づくことを前提に、
LSP係数は10次としてあるが、用いる復号方式に応
じてLSP係数の次数は変更することができる。
【0065】補正処理部431は、上記標本LSP係数
と、符号器から送信されてきたLSPインデックスL0
〜L3をもとに、復号された量子化LSP係数との中間
値を計算して、それを補正されたLSP係数として出力
する。すなわち、ディジット検出情報に従って標本LS
Pメモリ430から出力された、あるDTMF信号を表
現する標本LSP係数を、図7の周波数軸の第1段目に
プロットし、符号化パラメータ(LSPインデックスL
0〜L3)より、LSP量子化符号帳406、LSP逆
量子化部407、およびLSP内挿部409を経由して
復号された復号LSP係数を、図7の周波数軸上の第3
段目にプロットする。そして、図7の周波数軸の第2段
目に黒丸で示すように、上記標本LSP係数と符号器か
ら送信されてきたLSPインデックスL0〜L3をもと
に復号された復号LSP係数との中間点を計算し、それ
を補正LSP係数として出力する。このようにして、n
次の補正LSP係数は、n次の復号LSP係数とn次の
標本LSP係数の平均値として容易に計算することがで
きる。
【0066】このように、この実施の形態5によれば、
音声/DTMF信号識別器420Aの識別結果が「非音
声」となった場合に、ディジット情報をもとに、復号L
SP係数を標本LSP係数を用いて補正を加えること
で、復号LSP係数を、より本来のDTMF信号のもつ
スペクトルに近い形に補正することができるという効果
が得られる。
【0067】実施の形態6.上記実施の形態5では、全
ての復号LSP係数について、標本LSP係数を用いた
補正処理を行うものを示したが、補正の目的がDTMF
信号のスペクトル歪を取り除くことにあることから、D
TMF信号のスペクトル包絡のピークにかかる復号LS
P係数についてのみ補正を施せば、当初の目的を達成す
ることが可能である。
【0068】図8はこの実施の形態6における補正処理
部431による補正処理を説明するための概念図であ
り、この場合も、復号器201がCS−ACELP方式
に基づくことを前提に、復号LSP係数は10次として
示している。ここで、上記CS−ACELP方式で用い
られる10次の復号LSP係数のうち、DTMF信号の
トーン周波数に相当するスペクトルの表現に関わるLS
P係数は、通常1次から6次の係数に限られていること
が知られている。そこで、図示のように、標本LSP係
数としてあらかじめ標本LSPメモリ430に用意して
おくLSP係数を、例えば1次から6次までとする。そ
して、これら1次から6次までの標本LSP係数を用い
て、1次から6次までの復号LSP係数のみを補間処理
し、それを補正LSP係数として出力する。
【0069】このように、この実施の形態6によれば、
補正を行う復号LSP係数の次数を、DTMF信号の周
波数スペクトルの周波数近傍に限定しているので、標本
LSP係数を格納する標本LSPメモリの容量を削減す
ることが可能になるという効果が得られる。
【0070】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、符号
器から伝送されてきた信号が音声信号か非音声信号かを
識別し、その識別結果に応じて、所定の音声パラメータ
についての補正処理を施すように構成したので、音声信
号伝送時には音声信号の符号化により適した、通常の音
声符号化・復号アルゴリズムを用いて、非音声信号(特
にDTMF信号)の伝送時には、一部の処理機能ブロッ
クを、非音声信号の符号化により適したものに切り替え
て、符号化・復号処理を実行することが可能となり、非
音声信号伝送時に、伝送速度を上げることなく、高品質
の非音声信号を伝送できる音声復号装置が得られる効果
があり、さらに、アルゴリズムの本質に関わるような切
り替えを行う必要がなくなって、音声信号入力中に「非
音声」と誤識別された場合でも、通話中に耳触りとなる
ような弊害は抑えられ、また、復号器の処理の変更は符
号器の動作に何らの影響も及ぼさないので、復号器のリ
プレイスだけで、非音声信号の伝送性能の向上がはかれ
るため、導入がしやすいなどの効果もある。
【0071】この発明によれば、補正対象の音声パラメ
ータとしてLSP係数を用いるように構成したので、D
TMF信号などの非音声信号の伝送をより高品質なもの
とすることが可能になるという効果がある。
【0072】この発明によれば、音声/非音声識別部に
おける識別のための1つの要素として、3次以上の高次
のスペクトルピークの検出結果を用いるように構成した
ので、識別基準を緩やかにしたことによる誤認識の確率
を低減できるという効果がある。
【0073】この発明によれば、音声周波数帯域の信号
が無音となるまで、複数フレーム連続して得られた音声
/非音声の識別結果をクリップするように構成したの
で、非音声信号送信途中での誤判定と考えられる部位に
ついてもLSP係数の補正が行われるため、より精度よ
く非音声信号の復号を行うことができるという効果があ
る。
【0074】この発明によれば、ある一定の期間、音声
/非音声の識別結果を保持するように構成したので、一
旦非音声信号と判定された場合には、当該一定の時間が
経過するまでは、非音声信号の伝送区間と判定されるた
め、瞬間的に誤判定されていると考えられる区間につい
てもLSP係数の補正を行うことができ、精度の高い非
音声信号の復号が可能なるという効果がある。
【0075】この発明によれば、音声/非音声の識別結
果が「非音声」となった場合にシグナリングのディジッ
ト情報を検出し、そのディジット情報をもとに、復号さ
れた音声パラメータの補正を、標本パラメータを用いて
行うように構成したので、復号された音声パラメータ
を、より本来の非音声信号のもつスペクトルに近い形に
補正することができるという効果がある。
【0076】この発明によれば、補正を行うLSP係数
の次数を、DTMF信号の周波数スペクトルを表現する
周波数近傍に限定するように構成したので、標本LSP
係数を格納する記憶部のメモリ容量を削減することが可
能になるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による音声復号装置
で用いられる復号器の構成を示すブロック図である。
【図2】 この発明の実施の形態2における音声信号と
非音声信号の識別原理を説明するための周波数スペクト
ル図である。
【図3】 この発明の実施の形態3における音声/DT
MF信号識別器の動作を、復号波形と対比して説明する
ための波形図である。
【図4】 この発明の実施の形態4における音声/DT
MF信号識別器の動作の手順を示すフローチャートであ
る。
【図5】 この発明の実施の形態5による音声復号装置
で用いられる復号器の構成を示すブロック図である。
【図6】 実施の形態5におけるLSP係数補正部の内
部構成を示すブロック図である。
【図7】 実施の形態5におけるLSP係数の補正処理
を説明するための概念図である。
【図8】 この発明の実施の形態6におけるLSP係数
の補正処理を説明するための概念図である。
【図9】 CS−ACELP方式に基づく従来の符号器
を示すブロック図である。
【図10】 CS−ACELP方式に基づく従来の復号
器を示すブロック図である。
【図11】 図9に示した符号器内のLSP量子化部の
構成を示すブロック図である。
【図12】 図10に示した復号器内のLSP逆量子化
部の構成を示すブロック図である。
【図13】 従来の音声符号化・復号装置の構成の一例
を示すブロック図である。
【図14】 従来の音声符号化・復号装置の構成の他の
例を示すブロック図である。
【符号の説明】
201 復号器、420,420A 音声/DTMF信
号識別器(音声/非音声識別部)、423,423A
LSP係数補正部(補正処理機能ブロック)、430
標本LSPメモリ(記憶部)、431 補正処理部。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 符号器にて符号化された音声周波数帯域
    の信号を受けて、再び元の音声周波数帯域の信号に復号
    するための復号器を備えた音声復号装置において、 前記符号器から伝送されてきた信号が、符号化された音
    声信号か非音声信号かの識別を行う音声/非音声識別部
    と、 前記音声周波数帯域の信号の所定の音声パラメータにつ
    いて補正を加える補正処理機能ブロックとを有し、 前記音声/非音声識別部の識別結果に応じて、前記補正
    処理機能ブロックによる補正処理を施すことを特徴とす
    る音声復号装置。
  2. 【請求項2】 補正処理機能ブロックが補正を加える対
    象となる音声パラメータが、線スペクトル対係数である
    ことを特徴とする請求項1記載の音声復号装置。
  3. 【請求項3】 音声/非音声識別部は、3次以上の高次
    のスペクトルピークを検出する機能を有し、 その検出結果を、音声周波数帯域の信号が音声信号か非
    音声信号かを判定するための1つの要素として用いるも
    のであることを特徴とする請求項1記載の音声復号装
    置。
  4. 【請求項4】 音声/非音声識別部は、符号化フレーム
    と同期して識別結果を更新し出力する機能と、音声周波
    数帯域の信号が有音か無音かを検出する機能とを有し、 複数フレーム連続して得られた前記識別結果を、前記音
    声周波数帯域の信号が無音となるまでクリップするもの
    であることを特徴とする請求項1記載の音声復号装置。
  5. 【請求項5】 音声/非音声識別部は、識別結果をある
    一定期間保持するものであることを特徴とする請求項1
    記載の音声復号装置。
  6. 【請求項6】 音声/非音声識別部は、音声周波数帯域
    の信号の識別結果が「非音声」となった場合に、伝送さ
    れた音声周波数帯域の信号が、あるシグナリング情報が
    送信されてきたものとして、そのシグナリングのディジ
    ット情報を検出する機能を有するものであり、 さらに補正処理機能ブロックは、受信する可能性のある
    シグナリング情報の信号波形をパラメータ化した、標本
    パラメータを保持する記憶部と、 前記音声/非音声識別部の識別結果が「非音声」となっ
    た場合に、前記ディジット情報をもとに、復号された音
    声パラメータを、前記記憶部に保持されている標本パラ
    メータを用いて補正する補正処理部とを有するものであ
    ることを特徴とする請求項1記載の音声復号装置。
  7. 【請求項7】 補正処理機能ブロックが補正を行う線ス
    ペクトル対係数の次数を、DTMF信号の周波数スペク
    トルを表現する周波数の近傍に限定したことを特徴とす
    る請求項2または請求項6記載の音声復号装置。
JP11133075A 1999-05-13 1999-05-13 音声復号装置 Abandoned JP2000322095A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009541802A (ja) * 2006-06-30 2009-11-26 フラウンホーファーゲゼルシャフト・ツア・フェルデルング・デア・アンゲバンテン・フォルシュング・エー・ファウ 動的可変ワーピング特性を有するオーディオエンコーダ、オーディオデコーダ及びオーディオプロセッサ
US8682652B2 (en) 2006-06-30 2014-03-25 Fraunhofer-Gesellschaft Zur Foerderung Der Angewandten Forschung E.V. Audio encoder, audio decoder and audio processor having a dynamically variable warping characteristic
JP2017028715A (ja) * 2016-09-12 2017-02-02 Kddi株式会社 Dtmf信号識別装置、dtmf信号識別方法、及びdtmf信号識別用プログラム

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