JP2000319184A - 皮膚の美的外観を改善するための方法 - Google Patents

皮膚の美的外観を改善するための方法

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JP2000319184A
JP2000319184A JP2000114849A JP2000114849A JP2000319184A JP 2000319184 A JP2000319184 A JP 2000319184A JP 2000114849 A JP2000114849 A JP 2000114849A JP 2000114849 A JP2000114849 A JP 2000114849A JP 2000319184 A JP2000319184 A JP 2000319184A
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Sureshu I S Rattan
ラッタン,スレシュ・アイ・エス
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Senetek PLC
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Abstract

(57)【要約】 【課題】哺乳類の皮膚の美的外観を改善させる方法を提
供すること。 【解決手段】式I: 【化1】 (式中のR1はフルフリル、フェニル、ベンジル、炭素
原子4、5または6個のn−アルキル、(シクロヘキシ
ル)メチル、(3−ヒドロキシメチル−3−メチル)ア
リルおよび3,3−ジメチルアリルよりなる群から選ば
れる)6−(置換アミノ)プリン系サイトカイニンの有
効量を含有する組成物を哺乳動物の皮膚に施用すること
を含む哺乳類の皮膚の美的外観を改善させる方法であっ
て、施用する量が哺乳類の皮膚の美的外観を改善するの
に足る量であるが哺乳類の皮膚の成長速度と総増殖能を
有意に変化させない量である、哺乳類の皮膚の美的外観
を改善させる方法により前記課題が解決される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、哺乳動物細胞にお
いて細胞の成長速度または全増殖能(totalpro
liferative capacity)を高めるこ
となく哺乳類の皮膚の美的外観を改善するための方法に
関するものである。
【0002】より詳細には、本発明はインビボにおける
ヒトの皮膚の細胞を含めた哺乳動物細胞に対して老化が
及ぼす不都合な影響に対抗するために、既知の化合物で
あるカイネチン、および他の6−(置換アミノ)プリン
系サイトカインを使用する方法、ならびにそれらの方法
を実施するための組成物に関するものである。
【0003】
【発明の背景】細胞の老化過程を阻止することは、とら
え所がないが、生物科学の永続的な目標である。老化過
程を阻止することは、多数の重要な実際上の結果を伴う
であろう。たとえば細胞が若い細胞の特性を保持するな
らば、培養細胞による有用な産物の産生が改善されるで
あろう。またヒトの皮膚その他の器官における細胞の老
化を阻止することは、それに伴って構造および機能の完
全性(integrity)が保存されるので、著しく
有用であろう。皮膚の場合、細胞老化の不都合な影響を
改善することによって、美的完全性(美的外観)も有利
に保存されるであろう。
【0004】若い細胞と老化した細胞とを区別する多数
の属性が確認されている。たとえば若い哺乳動物細胞−
−ヒトの線維芽細胞を含む−−は標準培養において健康
かつ清浄に見え;規則的で長く、薄い紡錘形の形態をも
ち;培養基質上でコンフルエントになるのに伴い並列し
て密に充填され;互いに重なり合って増殖することがな
く;1個以外の核をもつことは稀であり;かつ培地中に
細胞屑を生じることはほとんどない。これに対し老いた
線維芽細胞は多数の老化関連症候、たとえば偏平で不規
則な形態、異常に大きな大きさ、希薄な増殖、培養基質
の単位面積当たり低い細胞収率、有意頻度の多核細胞、
トリプシン処理が困難なこと、および培地中における細
胞屑の生成速度が高いことなどを示す。若い細胞を老い
た細胞から区別する特徴的な形態、および老いた細胞に
見られる高水準の自己蛍光は、若い細胞を老いた細胞と
区別する種々の生理学的および生化学的特徴を反映して
おり、これには成長因子への依存度が高いことならびに
若い細胞におけるDNAおよび蛋白質合成の速度が高い
ことが含まれる。
【0005】若い細胞を老いた細胞と区別する形態学
的、生理学的および生化学的特徴は、大部分が培養にお
けるヒトを含めた哺乳動物の細胞(通常は線維芽細胞)
の研究から確認されたものである。これらの研究におい
て培養細胞の″年齢″は、初代培養(組織から調製した
もの)から、この初代培養に由来する、またはその子孫
である当該培養までに起こった細胞数倍増の回数により
測定される。
【0006】しかし培養細胞の研究において見出され
た、若い細胞を老いた細胞と区別する特徴は、生存哺乳
動物においてインビボで見られる細胞にも該当し、これ
らの細胞は培養線維芽細胞と多くの特徴、たとえば類似
の生化学的特徴および厳重な成長制御(すなわち厳重な
増殖制御)を共有する。皮膚の真皮層(dermis)
および胃腸管内壁の上皮の下にある結合組織層の線維芽
細胞は、培養における線維芽細胞に見られるものと類似
する老化の特徴を示す細胞の例である。
【0007】普通は厳重な増殖制御下で定期的に分裂す
る、生存哺乳動物の組織内にあるこのような線維芽細胞
の″年齢″の尺度は、これらの細胞とその哺乳動物のほ
ぼ誕生の時点におけるそれらの祖先との間で起こった細
胞分裂の回数である。細胞分裂は定期的に起こるので、
一般にその哺乳動物の暦年齢、および細胞と誕生時のそ
れらの祖先との間の細胞分裂により測定したその細胞の
年齢の間には、相関関係がある。
【0008】培養における線維芽細胞の他の特徴は、細
胞の″全増殖能″である。これは培養体がそれの″老化
した″細胞の死(成長および分裂の停止)のため培養体
の成長が停止するまでに培養体が行いうる細胞数倍増の
全回数により測定される。ヒト線維芽細胞培養体に関し
ては、この全増殖能は一般に初代培養につき倍増回数約
45−60である。当技術分野で理解されているよう
に、培養体の成長の停止は極めて速やかに起こると思わ
れ、成長速度(倍増時間の逆数により判定)は若い細胞
に特徴的なほぼ正常値からわずか数回の倍増でゼロにま
で低下する。正常な線維芽細胞、すなわち細胞が不死ま
たは″癌化″状態にトランスフォームされていないもの
の培養においては、″全増殖能″はそれが由来する初代
培養から培養体を隔てる倍増回数の関数として低下す
る。正常な培養細胞の″全増殖能″に関連する他の用語
は、細胞の″寿命(life expectancy,
life span)″である。正常細胞の″寿命″は
それらの細胞が存在する培養体が由来する初代培養の″
全増殖能″である。
【0009】正常な線維芽細胞、特にヒト由来のものが
培養において狭い範囲に制限された(数回以内の倍増)
全増殖能をもつという事実は、それらの細胞が置かれて
いる厳重な増殖制御を明示するものである。正常な状態
では全増殖能が制限されている細胞が、時にトランスフ
ォームしてこの制限を失う場合がある。このような細胞
の培養体は、時には継代に対する明らかな制限なしに反
復継代することができる。このような細胞は不死である
と言われる。不死は癌細胞の特徴である。癌細胞はほと
んど、または全く増殖制御されない。
【0010】生存哺乳動物のインビボにおける細胞、た
とえば皮膚の真皮および腸管上皮の下にある結合組織層
の線維芽細胞の全増殖能の測定は、特定の倍増回数に関
してその哺乳動物種に特徴的な狭い範囲に制限されてい
る(たとえば上記のようにヒトに関しては45−60
回;ネズミに関しては約10回)培養状態の線維芽細胞
の場合のように簡単には測定できない。しかし生存哺乳
動物におけるこれらの細胞は、細胞が正常である場合は
分裂する能力が制限されており、厳重な増殖制御下にあ
ることは明らかである。
【0011】たとえば成人の真皮からの正常細胞を用い
て樹立された初代培養における線維芽細胞は、ヒトの胎
児または新生児からの正常細胞を用いて樹立された初代
培養における線維芽細胞より全増殖能が低いことが知ら
れている。事実、多数のヒト供与体に関する研究から、
正常な真皮層細胞を用いて樹立された初代培養における
線維芽細胞は、培養において供与体の年齢に反比例した
全増殖能をもつことが明らかである。
【0012】不死または″癌化″状態にトランスフォー
ムされた培養細胞に特徴的な全増殖能制限喪失に伴っ
て、しばしば増殖速度−−これを本明細書においては″
成長速度″と呼ぶ−−が異常に上昇する。増殖速度、す
なわち成長速度は、細胞が分裂する速度の尺度である。
【0013】同様に、インビボにおける癌細胞を特徴づ
ける厳重な増殖制限喪失に伴って、しばしば細胞の成長
速度が異常に上昇する。
【0014】インビボにおいて老化する細胞の″若い″
表現型を保存する従来の試みに際しては、常に細胞の成
長速度が上昇した。ところが細胞の成長速度の上昇−−
これは必然的に細胞分裂の速度を上昇させる−−は、細
胞が不死または癌化状態にトランスフォームする危険性
を増大させることが認められた。
【0015】同様に培養細胞の全増殖能をその正常な限
界を越えて人為的に高める処理は、不死または癌化状態
へのトランスフォーメーションの危険性を増大させるこ
とが認められた。
【0016】細胞の厳重な増殖制限に干渉することによ
り、または成長速度もしくは全増殖能に対する制限もし
くは両者に干渉することによりトランスフォーメーショ
ンを引き起こす危険性は、恐らく遺伝子発現の制御に関
する細胞のゲノムまたは生化学的メカニズムに対してこ
れらの干渉が及ぼす作用によるものであろう。
【0017】さらに少なくとも培養細胞に関しては、成
長速度または全増殖能を高める処理、たとえば上皮およ
び血小板由来の成長因子、インシュリン、グルココルチ
コイド、朝鮮人参(オタネニンジン、Panax gi
nseng)エキス、およびジベレリン植物ホルモン
は、一般に処理がほとんど必要ない″若い″細胞のみ
の″若い″表現型の保存に有効である。それらの正常な
寿命の少なくとも約80−90%を終えた″老いた″細
胞は、これらの物質を高濃度で(それらの寿命の約半分
以下を終えた″若い″細胞について有効な濃度よりはる
かに高い)用いたとしてもほとんど(たとえ反応した場
合でも)反応しない。
【0018】インビボまたはインビトロで老化が細胞に
及ぼす不都合な作用を改善するために用いられる、また
細胞の成長速度または全増殖能を高める組成物はいずれ
も、正常な状態では厳重な増殖制御下にある細胞を含む
組織(すなわち皮膚、腸管壁)に対してその組成物を用
いる限りは少なくとも慎重に考慮されなければならな
い。
【0019】本発明以前には、細胞の成長速度または全
増殖能を有害なほど高める可能性なしに、形態学的、生
理学的および生化学的特性に対して老化が及ぼす不都合
な作用を改善する組成物は得られていない。
【0020】本発明にとって、特にヒトの皮膚の真皮に
おける、ならびに他の哺乳動物の外皮およびヒトその他
の動物の胃腸管内壁の上皮の下にある対応する結合組織
層における線維芽細胞の役割を理解することが適切であ
る。線維芽細胞は、皮膚の構造的、機能的および美的完
全性、ならびに上皮で覆われたこれら以外の表面組織の
構造的、機能的および美的完全性の維持に必要な多数の
成分を合成する。これらの成分には下記のものが含まれ
る:コラーゲンおよびエラスチン、これらは皮膚および
他の表面組織の三次元構造に関与する線維性蛋白質であ
る;フィブロネクチン、すなわち細胞の固定および細胞
形態の維持に関与する蛋白質;ならびに上皮および基底
細胞層ならびにそれらの下にある結合組織層の維持に必
須である多数の蛋白性成長因子。皮膚その他の表面組織
の健康の維持において線維芽細胞による蛋白質合成が重
要な役割を果たしているので、また得られた証拠が線維
芽細胞の蛋白質生合成活性は年齢と共に著しく低下する
ことを示しているので(たとえば培養状態の胎児由来ヒ
ト線維芽細胞の寿命の約70%の時点におけるコラーゲ
ン合成速度は、寿命の20%以下の時点におけるそれら
の線維芽細胞の合成速度の約50%にすぎない)、それ
らの線維芽細胞の全増殖能または成長速度に影響を及ぼ
すことなく、蛋白質合成に対する老化の不都合な作用を
改善する方法および組成物は特に有利であろう。
【0021】本発明は、式I:
【0022】
【化2】
【0023】(式中のR1はフルフリル、フェニル、ベ
ンジル、炭素4、5もしくは6個のn−アルキル、(シ
クロヘキシル)メチル、3,3−ジメチルアリルまたは
3−ヒドロキシメチル−3−メチルアリルである)の6
−(置換アミノ)プリンサイトカイニン−−カイネチン
およびその6−アミノプリン同族体を含む−−に関する
ものである。
【0024】サイトカイニンは、オーキシン(他の群の
植物ホルモン)ならびにビタミン、無機塩類および糖を
含有する標準培地中で植物組織の外植体における細胞分
裂を促進するそれらの能力により規定される1群の植物
ホルモンである。
【0025】サイトカイニン、特にカイネチン(6−フ
ルフリル−アミノプリン)、ゼアチン(6−(3−ヒド
ロキシメチル−3−メチルアリル)−アミノプリン)、
または6−(3,3−ジメチルアリル)−アミノプリ
ン)が塩基部分であるリボヌクレオチドは特定の植物お
よび動物細胞においてある種類のトランスファーRNA
の成分として同定された。
【0026】カイネチンはコムギ胚芽抽出物の特定のR
NA結合性蛋白質とコンプレックスを形成することが知
られており、植物において蛋白質合成を促進することが
示唆されている。スピリンおよびアジュコーツィン(S
pirin,Ajtkhozhin),Trends
in Biochem.Sci.,1985年4月,
p.162。
【0027】さらにカイネチンは、カイネチンを培地に
添加する通常の培養法によって、蛋白質に富む酵母の調
製に用いられている。東ドイツ特許第148,889号
明細書(1981)(ダーウェント・ワールド・パテン
ト・インデックス・アブストラクト)。カイネチンは微
生物培養の成長を増進させることも報告されている。M
erck Index,第10版,見出し5148(メ
ルク・アンド・コ,米国ニュージャージ々州ローウェ
イ、1983)。
【0028】最後に特開昭60−19709号公報(1
985年)には、1%を越えないカイネチンおよび20
%を越えない未解明の紫根エキスからなる組成物が示さ
れ、これはヒトの皮膚における細胞分裂を促進し、これ
により皮膚の老化を防止すると述べられている。
【0029】
【発明の概要】意外にも哺乳動物細胞を種々の6−(置
換アミノ)プリン系サイトカイニンに暴露すると、普通
は細胞の老化に伴って起こる年齢に関連した形態学的変
化の開始を遅延させ、さらには逆行させることにより、
それらの細胞に対して老化が及ぼす不都合な作用を改善
すること、およびこの暴露は細胞の成長速度または全増
殖能を高めることなしにこの改善効果を及ぼすことが、
今回見出された。
【0030】この知見に基づいて、培養およびインビ
ボ、たとえばヒトの皮膚における細胞を含めた哺乳動物
細胞に対して老化が及ぼす不都合な作用を改善−−逆行
を含む−−するための新規な組成物および方法が提供さ
れる。
【0031】たとえば本方法および組成物は特に、普通
は老化を伴うヒトの皮膚の構造的、機能的および美的完
全性の劣化を遅延および逆行させる用途に有用である。
【0032】先に述べたように、哺乳動物細胞の生化学
的、生理学的または形態学的特性に対して老化が及ぼす
不都合な作用を改善するためにこれまで用いられた組成
物はすべて、細胞の成長速度または全増殖能をも、望ま
しくないほど高める。
【0033】すなわち、本発明は、式I:
【0034】
【化3】
【0035】(式中のR1はフルフリル、フェニル、ベ
ンジル、炭素原子4、5または6個のn−アルキル、
(シクロヘキシル)メチル、(3−ヒドロキシメチル−
3−メチル)アリルおよび3,3−ジメチルアリルより
なる群から選ばれる)6−(置換アミノ)プリン系サイ
トカイニンの有効量を含有する組成物を哺乳動物の皮膚
に施用することを含む哺乳類の皮膚の美的外観を改善さ
せる方法であって、施用する量が哺乳類の皮膚の美的外
観を改善するのに足る量であるが哺乳類の皮膚の成長速
度と総増殖能を有意に変化させない量である、哺乳類の
皮膚の美的外観を改善させる方法にある。
【0036】
【発明の詳細な記述】1観点においては、本発明は哺乳
動物細胞に対して老化が及ぼす不都合な作用を改善する
方法であって、該細胞にそれらの細胞に対する不都合な
作用を改善するのに有効な濃度のサイトカイニン、すな
わち6−(置換アミノ)プリンを含む組成物を投与する
ことよりなる方法に関するものである。
【0037】他の観点においては、本発明は哺乳動物細
胞に対して老化が及ぼす不都合な作用を改善する組成物
であって、それらの細胞に対する不都合な作用を改善す
るのに有効な濃度のサイトカイニン、すなわち6−(置
換アミノ)プリンを含む組成物に関するものである。
【0038】本発明の方法および組成物において老化が
及ぼす不都合な作用を改善するのに有効な化合物として
使用しうる6−(置換アミノ)プリン系サイトカイニン
には、カイネチン、ゼアチン、6−(3,3−ジメチル
アリル)アミノプリン、6−(ベンジル)アミノプリ
ン、6−(フェニル)アミノプリン、6−(n−アルキ
ル)アミノプリン(ここでn−アルキル基は4、5また
は6個の炭素原子を含む)、および6−(シクロヘキシ
ル)メチルアミノプリンが含まれる。極めて好ましいも
のはカイネチン(6−(フルフリル)アミノプリン)で
ある。
【0039】本発明の方法および組成物により処置しう
る哺乳動物細胞には、ヒト細胞、ならびに培養細胞およ
び生存動物におけるインビボ細胞が含まれる。
【0040】細胞は、培養の場合いかなる組織に由来す
るものであってもよく、インビボの場合いかなる組織の
部分であってもよい。本発明の方法および組成物は、好
ましくはヒトのインビボにおける組織内の線維芽細胞、
たとえばヒトの皮膚の真皮、およびヒトの小腸または胃
の内壁の上皮の下にある結合組織層の線維芽細胞につき
適用される。極めて好ましい用途はヒトの皮膚の細胞に
対するものである。
【0041】従って本発明はさらに、老化に普通に伴う
皮膚および胃腸管内壁上皮の構造的および機能的完全性
ならびに皮膚の美的完全性の崩壊を遅延(または逆行)
させるための方法およびそれを実施するための組成物に
関するものである。
【0042】本発明の方法および組成物は、意外にも有
利なほど低い6−(置換アミノ)プリン系サイトカイニ
ン濃度で有効である。濃度は一般に組織培養培地中にお
いて10-6−5×10-4Mである。これらの濃度におい
てサイトカイニンは明らかに哺乳動物細胞に対して毒作
用をもたない。
【0043】意外にも、また特に有利には、本発明方法
は本方法により処置された細胞の成長速度または全増殖
能に有意の影響を及ぼすことがない。本発明の方法およ
び組成物は、処置された細胞におけるDNA合成の速度
または量に影響を及ぼさない。老化する細胞の″若い″
表現型を保存または再生するための他の組成物とは異な
り、本発明の組成物および方法はインビボでの多くの細
胞、たとえば表皮および他の上皮の線維芽細胞および特
定の細胞が正常に機能するために維持しなければならな
い厳重な増殖制御に影響を及ぼさない。
【0044】哺乳動物細胞に対して″老化が及ぼす不都
合な作用を改善する″とは、培養またはインビボにおけ
る正常な哺乳動物細胞において″老化″に伴って普通に
起こる前記の形態学的変化の発現を遅延または逆行させ
ることを意味する。
【0045】本発明方法を実施するに際して哺乳動物細
胞が暴露される組成物が、細胞に対して老化が及ぼす不
都合な作用を改善するのに有効な量の6−(置換アミ
ノ)プリン系サイトカイニンを含有するか否かは、当業
者が確認しうる。老化に伴う形態学的変化は、培養物か
ら取り出した細胞、組織から生検により採取した細胞な
どの鏡検によって当業者が容易に認識しうる。
【0046】培養における哺乳動物細胞は遺伝子工学的
処理を行うことなく組織から直接に増殖させてもよく、
または目的産物を産生させるために既知の各種遺伝子工
学的技術のいずれかにより遺伝学的に修飾されてもよ
く、また当技術分野で理解されているように診断、治療
その他の用途に用いる有用な蛋白質、たとえばリンホカ
インまたはホルモンを製造するために利用しうるが、こ
れらの場合、老化が及ぼす不都合な作用を本発明の組成
物および方法により改善することによって、細胞はそれ
らの細胞の実際の状態より″若い″状態に有利に維持さ
れる。実際に、多数回継代培養され、老化細胞に特徴的
な形態学的特徴を呈している哺乳動物細胞の培地に有効
量の6−(置換アミノ)プリン系サイトカイニンを添加
すると、それらの形態学的特徴がより若い細胞のものへ
逆行する。
【0047】インビボにおける哺乳動物細胞、たとえば
ヒトの皮膚の真皮または胃腸管内壁の上皮の下にある結
合組織層の線維芽細胞の機能的完全性を保存し、または
老化が及ぼす不都合な作用を逆行させる場合にはその完
全性を改善するに際して、特にヒトの皮膚の美的完全性
を保存するに際して、本発明の組成物および方法がもた
らす利点は明らかであり、先に述べたとおりである。
【0048】本発明組成物は、老化が及ぼす不都合な作
用を改善するのに有効な量の6−(置換アミノ)プリン
系サイトカイニンを本発明により投与する細胞の性質お
よびその環境に応じて、多数の形態のうちのいずれかを
とることができる。
【0049】培地に装入または懸濁した培養細胞につい
ては、本発明組成物は約10-6M(すなわち1μM)−
約5×10-4Mの6−(置換アミノ)プリン系サイトカ
イニンを補充した哺乳動物細胞用培地である。式Iの好
ましいサイトカイニン:
【0050】
【化4】
【0051】(式中のR1はフルフリル、フェニル、ベ
ンジル、炭素4、5もしくは6個のn−アルキル、(シ
クロヘキシル)メチル(−CH2(C611))、3−ヒ
ドロキシメチル−3−メチルアリル(−CH2CH=C
(CH3)(CH2OH))または3,3−ジメチルアリ
ル(−CH2CH=C(CH32)である)について
は、培地中の濃度範囲は0.2−100ppmである。
極めて好ましいサイトカイニンであるカイネチンについ
ては、好ましい濃度範囲は培地中において約25−約2
50μM(すなわち約5−約50ppm)である。
【0052】培養細胞の場合、老化が及ぼす不都合な作
用を改善するのに有効な量の6−(置換アミノ)プリン
系サイトカイニンを投与する本発明方法は、本発明組成
物である培地に細胞を単に装入、増殖させることにより
実施しうる。
【0053】本発明方法は、インビボにおける哺乳動物
細胞、たとえばヒトの皮膚の真皮またはヒトの胃腸管内
壁の上皮の下にある結合組織層の線維芽細胞(または他
の活性細胞、たとえばケラチン細胞(keratino
cyte))については、それらの細胞を老化が及ぼす
不都合な作用を改善するのに有効な量の6−(置換アミ
ノ)プリン系サイトカイニンに暴露することにより実施
される。
【0054】一般にこれらの暴露は、本発明では老化が
細胞に及ぼす不都合な作用を改善するために望まれる期
間にわたって定期的に反復されるであろう。暴露の頻度
は下記に依存する:関与する細胞、細胞が位置する場所
(たとえば6−(置換アミノ)プリン系サイトカイニン
を含有しない組成物による反復フラッシが起こる胃腸管
内の細胞は皮膚の細胞より頻繁な暴露を必要とする)、
ならびに活性細胞、たとえば結合組織層の線維芽細胞に
対して老化が及ぼす不都合な作用を改善するのに有効な
濃度において結合組織層(胃腸管内壁の上皮の下にあ
る)へ透過するために有効な濃度範囲(一般に約10−
約1000ppm)の6−(置換アミノ)プリン系サイ
トカイニンの濃度。
【0055】胃腸管内壁の上皮の下にある結合組織層に
ついては、本発明方法は下記により実施される:経口用
として生理学的に許容しうるものであり、胃腸管内壁の
上皮の下にある結合組織層を透過するのに有効な濃度範
囲(一般に約10−約1000ppm)の6−(置換ア
ミノ)プリン系サイトカイニンを含む液剤、懸濁剤また
はトニックである本発明組成物を、該結合組織層内の活
性細胞、たとえば線維芽細胞に対して老化が及ぼす不都
合な作用を改善するのに有効な濃度になるまで摂取させ
る。
【0056】ヒトの皮膚の線維芽細胞(または他の活性
細胞、たとえばケラチン細胞)については、本発明方法
は下記により実施される:皮膚の外表に適用するものと
して生理学的に許容しうるものであり、適切なビヒクル
中における有効な濃度、すなわち皮膚の真皮を透過する
のに有効な濃度の6−(置換アミノ)プリン系サイトカ
イニンを含むクリーム、軟膏、ローション、ゲル剤、液
剤、香水、固形剤などである本発明組成物を、該真皮内
の活性細胞(たとえば線維芽細胞)に対して老化が及ぼ
す不都合な作用を改善するのに有効な濃度において適用
する。
【0057】ヒトの皮膚につき使用するための本発明組
成物は、6−(置換アミノ)プリン系サイトカイニン、
好ましくは前記式Iのいずれかを有効な濃度範囲、一般
に約0.2−約1000ppm、好ましくは約0.5−
約500ppmにおいて、クリーム、軟膏、ローショ
ン、ゲル剤、液剤もしくは固形基剤または当技術分野で
無毒性であることが知られており、かつ皮膚科学的に許
容しうるビヒクル中に用いて調製される。ヒトの皮膚に
つき用いるための本発明組成物中に溶解、懸濁、分散な
どされる6−(置換アミノ)プリン系サイトカイニンの
濃度(または重量分率)は、皮膚の活性細胞、たとえば
線維芽細胞に約0.2−約100ppmにおいて付与さ
れる濃度であろう。一般に皮膚を水和するのを補助する
皮膚軟化性または潤滑性ビヒクルの方が、皮膚を乾燥さ
せる揮発性ビヒクル、たとえばエタノールより好まし
い。
【0058】ヒトの皮膚につき用いるための本発明組成
物を調製するのに適した基剤またはビヒクルの例は、ペ
トロラタム、ペトロラタム+揮発性シリコーン、ラノリ
ン、コールドクリーム(米国薬局方)、および親水軟膏
(米国薬局方)である。好ましい本発明組成物は約10
−約100ppmのカイネチンを適切な軟膏またはクリ
ームの基剤と共に含有する。
【0059】許容しうるビヒクルの選択は、6−(置換
アミノ)プリン系サイトカイニンを投与する方法によっ
て大部分が決定される。それらの方法には局所投与が含
まれる。局所投与に適した薬剤学的および皮膚科学的に
許容しうるビヒクルには、ローション、クリーム、液
剤、ゲル剤、テープなどに用いるのに適したものが含ま
れる。一般にビヒクルは有機性のものまたは水性エマル
ジョンであり、6−(置換アミノ)プリン系サイトカイ
ニンをそれに分散、懸濁または溶解しうるものである。
ビヒクルには薬剤学的に許容しうる皮膚軟化剤、皮膚浸
透促進剤、着色剤、香料、乳化剤、増粘剤および溶剤が
含まれてもよい。それらの形態についての詳細をさらに
以下に示す: 1.ローション ローションは、有効量の6−(置換アミノ)プリン系サ
イトカイニン(皮膚の活性細胞、たとえば線維芽細胞に
約0.2−約100ppmの6−(置換アミノ)プリン
系サイトカイニンを付与するのに有効な量);1−50
%、好ましくは3−15%の皮膚軟化剤からなり;残部
は水、C2もしくはC3アルコール、または水とアルコー
ルの混合物である。数種の皮膚軟化剤が知られている。
それらの皮膚軟化剤は下記のものである: a.炭化水素系油およびろう。その例は鉱油、ペトロラ
タム、パラフィン、セレシン、オゾケライト、微晶ろ
う、ポリエチレンおよびパーヒドロスクアレンである。
【0060】b.シリコーン油、たとえばジメチルポリ
シロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、水溶性お
よびアルコール可溶性のシリコーン−グリコールコポリ
マー。 c.トリグリセリド系油脂、たとえば植物、動
物および海洋源から得られるもの。その例にはヒマシ
油、紅花油、綿実油、トウモロコシ油、オリーブ油、タ
ラ肝油、アーモンド油、アボカド油、パーム油、ゴマ
油、および大豆油が含まれる(ただしこれらに限定され
ない)。
【0061】d.アセトグリセリドエステル、たとえば
アセチル化モノグリセリド。
【0062】e.エトキシル化グリセリド、たとえばエ
トキシル化グリセリルモノステアレート。
【0063】f.10−20個の炭素原子を含む脂肪酸
のアルキルエステル。本発明においては脂肪酸のメチ
ル、イソプロピルおよびブチルエステルが有用である。
その例には下記のものが含まれる(ただしこれらに限定
されない):ヘキシルラウレート、イソヘキシルラウレ
ート、イソヘキシルパルミテート、イソプロピルパルミ
テート、イソプロピルミリステート、デシルオレエー
ト、イソデシルオレエート、ヘキサデシルステアレー
ト、デシルステアレート、イソプロピルイソステアレー
ト、ジイソプロピルアジペート、ジイソヘキシルアジペ
ート、ジヘキシルデシルアジペート、ジイソプロピルセ
バケート、ラウリルラクテート、ミリスチルラクテート
およびセチルラクテート。
【0064】g.10−20個の炭素原子を含む脂肪酸
のアルケニルエステル。その例には下記のものが含まれ
る(ただしこれらに限定されない):オレイルミリステ
ート、オレイルステアレートおよびオレイルオレエー
ト。
【0065】h.9−22個の炭素原子を含む脂肪酸。
適切な例には下記のものが含まれる(ただしこれらに限
定されない):ペラルゴン酸、ラウリン酸、ミリスチン
酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、
ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、リノレイン酸、
リシノール酸、アラキドン酸、ベヘン酸およびエルカ
酸。
【0066】i.10−22個の炭素原子を含む脂肪ア
ルコール。ラウリル、ミリスチル、セチル、ヘキサデシ
ル、ステアリル、イソステアリル、ヒドロキシステアリ
ル、オレイル、リシノレイル、ベヘニル、エルシルおよ
び2−オクチルドデシルアルコールが満足すべき脂肪ア
ルコールの例である。
【0067】j.脂肪アルコールエーテル。10−20
個の炭素原子を含むエトキシル化脂肪アルコールには、
1−50個のエチレンオキシド基もしくは1−50個の
プロピレンオキシド基またはそれらの混合物が結合した
ラウリル、セチル、ステアリル、イソステアリル、オレ
イルおよびコレステロールアルコールが含まれる(ただ
しこれらに限定されない)。
【0068】k.エーテルエステル、たとえばエトキシ
ル化脂肪アルコールの脂肪酸エステル。
【0069】l.ラノリンおよび誘導体。ラノリン、ラ
ノリン油、ラノリンろう、ラノリンアルコール、ラノリ
ン脂肪酸、イソプロピルラノレート、エトキシル化ラノ
リン、エトキシル化ラノリンアルコール、エトキシル化
コレステロール、プロポキシル化ラノリンアルコール、
アセチル化ラノリン、アセチル化ラノリンアルコール、
ラノリンアルコールリノレエート、ラノリンアルコール
リシノレエート、ラノリンアルコールリシノレエートの
アセテート、エトキシル化アルコール−エステルのアセ
テート、ラノリンの水添分解物、エトキシル化水素添加
ラノリン、エトキシル化ソルビトールラノリン、ならび
に液状および半固形ラノリン吸収基剤が、ラノリンから
誘導された皮膚軟化剤の例である。
【0070】m.多価アルコールおよびポリエーテル誘
導体。プロピレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール(分子量2000−40
00)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリ
コール、ポリオキシプロピレンポリオキシエチレングリ
コール、グリセリン、エトキシル化グリセリン、プロポ
キシル化グリセリン、ソルビトール、エトキシル化ソル
ビトール、ヒドロキシプロピルソルビトール、ポリエチ
レングリコール(分子量200−6000)、メトキシ
ポリエチレングリコール350、550、750、20
00、5000、ポリ[エチレンオキシド]ホモポリマ
ー(分子量100,000−5,000,000)、ポ
リアルキレングリコールおよび誘導体、ヘキシレングリ
コール、(2−メチル−2,4−ペンタンジオール)、
1,3−ブチレングリコール、1,2,6−ヘキサント
リオール、米国薬局方エトヘキサジオール(2−エチル
−1,3−ヘキサンジオール)、C15−C18ビシナルグ
リコール、ならびにトリメチロールプロパンのポリオキ
シプロピレン誘導体がその例である。
【0071】n.多価アルコールエステル。エチレング
リコール モノ−およびジ脂肪酸エステル、ジエチレン
グリコール モノ−およびジ脂肪酸エステル、ポリエチ
レングリコール(分子量200−6000)モノ−およ
びジ脂肪酸エステル、プロピレングリコール モノ−お
よびジ脂肪酸エステル、ポリプロピレングリコール20
00モノオレエート、ポリプロピレングリコール200
0モノステアレート、エトキシル化プロピレングリコー
ルモノステアレート、グリセリル モノ−およびジ脂肪
酸エステル、ポリグリセロール ポリ脂肪酸エステル、
エトキシル化グリセリルモノステアレート、1,3−ブ
チレングリコールモノステアレート、1,3−ブチレン
グリコールジステアレート、ポリオキシエチレンポリオ
ール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、およ
びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが、満
足すべき多価アルコールエステルの例である。
【0072】o.ろうエステル、たとえば密ろう、鯨ろ
う(スパームアセチ)、ミリスチルミリステートおよび
ステアリルステアレート。
【0073】p.密ろう誘導体、たとえばポリオキシエ
チレンソルビトール密ろう。これらは密ろうと種々のエ
チレンオキシド含量のエトキシル化ソルビトールが反応
してエーテル−エステル混合物を形成したものである。
【0074】q.植物ろう。カルナウバろう、およびカ
ンデリラろうが含まれる(ただしこれらに限定されな
い)。
【0075】r.リン脂質、たとえばレシチンおよび誘
導体。
【0076】s.ステロール類。コレステロールおよび
コレステロール脂肪酸エステルがその例である。
【0077】t.アミド、たとえば脂肪酸アミド、エト
キシル化脂肪酸アミド、および固形脂肪酸アルカノール
アミド。
【0078】ローションは、さらに好ましくは1−10
%、より好ましくは2−5%の乳化剤を含む。乳化剤は
ノニオン、アニオンまたはカチオンのいずれであっても
よい。満足すべきノニオン乳化剤の例には下記のものが
含まれる(ただしこれらに限定されない):10−20
個の炭素原子を含む脂肪アルコール、2−20モルのエ
チレンオキシドまたはプロピレンオキシドと縮合した1
0−20個の炭素原子を含む脂肪アルコール、2−20
モルのエチレンオキシドと縮合した6−12個の炭素原
子をアルキル鎖中に含むアルキルフェノール、エチレン
オキシドのモノ−およびジ脂肪酸エステル、エチレング
リコールのモノ−およびジ脂肪酸エステル(脂肪酸部分
が10−20個の炭素原子を含む)、ジエチレングリコ
ール、分子量200−6000のポリエチレングリコー
ル、分子量200−3000のプロピレングリコール、
グリセリン、ソルビトール、ソルビタン、ポリオキシエ
チレンソルビトール、ポリオキシエチレンソルビタンお
よび親水性ろうエステル。適切なアニオン乳化剤の例に
は下記のものが含まれる(ただしこれらに限定されな
い):脂肪酸石鹸、たとえばナトリウム−、カリウム−
およびトリエタノールアミン石鹸(脂肪酸部分が10−
20個の炭素原子を含む)。他の適切なアニオン乳化剤
の例には下記のものが含まれる(ただしこれらに限定さ
れない):アルカリ金属−、アンモニウム−または置換
アンモニウムアルキルスルフェート、アルキルアリール
スルホネート、およびアルキルエトキシエーテルスルホ
ネート(10−30個の炭素原子をアルキル部分に含
む)。アルキルエトキシエーテルスルホネートは1−5
0個のエチレンオキシド単位を含む。満足すべきカチオ
ン乳化剤には、第四アンモニウム、モルホリニウムおよ
びピリジニウム化合物が含まれる。この前の節に述べた
皮膚軟化剤のいくつかは乳化性をももつ。それらの皮膚
軟化剤を含有するローションを調製した場合、追加の乳
化剤は不必要であるが、それが組成物中に含有されても
よい。
【0079】ローションの残部は水またはC2もしくは
3アルコール、あるいは水とアルコールの混合物であ
る。ローションは単にすべての成分を一緒に混合するこ
とによって調製される。好ましくは6−(置換アミノ)
プリン系サイトカイニンを混合物に溶解する。
【0080】通常の任意成分が含有されてもよい。それ
らの添加剤の1種は、組成物の1−10%の量の増粘剤
である。適切な増粘剤の例には下記のものが含まれる
(ただしこれらに限定されない):架橋カルボキシポリ
メチレンポリマー、エチルセルロース、ポリエチレング
リコール、トラガントゴム、カラヤゴム、キサンタンゴ
ムおよびベントナイト、ヒドロキシエチルセルロースお
よびヒドロキシプロピルセルロース。
【0081】2.クリーム クリームは、有効量の6−(置換アミノ)プリン系サイ
トカイニン(たとえば約0.2−約100ppmの6−
(置換アミノ)プリン系サイトカイニンを皮膚の活性細
胞、たとえば線維芽細胞に付与するのに有効な量);5
−50%、好ましくは10−25%の皮膚軟化剤からな
り、残部は水である。前記の皮膚軟化剤をクリーム組成
物にも使用しうる。所望によりクリーム剤形は前記の適
切な乳化剤を含有する。乳化剤が含有される場合、それ
は組成物中に3−50%、好ましくは5−20%の量で
含有される。
【0082】3.液剤 液剤の剤形は、有効量の6−(置換アミノ)プリン系サ
イトカイニン(たとえば約0.2−約100ppmの6
−(置換アミノ)プリン系サイトカイニンを皮膚の活性
細胞、たとえば線維芽細胞に付与するのに有効な量)か
らなり;残部は水、適切な有機溶剤、または水とそれら
の有機溶剤の組み合わせである。溶剤または溶剤系の一
部として適切な有機物質は下記のものである:プロピレ
ングリコール、ポリエチレングリコール(分子量200
−600)、ポリプロピレングリコール(分子量425
−2025)、グリセリン、ソルビトールエステル、
1,2,6−ヘキサントリオール、エタノール、イソプ
ロパノール、酒石酸ジエチル、ブタンジオールおよびそ
れらの混合物である。それらの溶剤系は水を含有しても
よい。
【0083】液剤状のこれらの組成物は皮膚にそのまま
適用することができ、またはエアゾール剤に調製し、ス
プレーとして皮膚に適用することができる。エアゾール
組成物はさらに25−80%、好ましくは30−50%
の適切な噴射剤を含む。それらの噴射剤の例は塩素化、
フッ素化および塩素化フッ素化された低分子量炭化水素
である。亜酸化窒素、二酸化炭素、ブタンおよびプロパ
ンも噴射剤ガスとして用いられる。これらの噴射剤は当
技術分野で理解されているように、容器内容物を噴射さ
せるのに適切な量および圧力下で用いられる。
【0084】4.ゲル剤 ゲル組成物は、前記の液剤組成物に適切な増粘剤を混合
するだけで調製しうる。適切な増粘剤の例はローション
に関して先に述べた。
【0085】ゲル状組成物は、有効量の6−(置換アミ
ノ)プリン系サイトカイニン(たとえば約0.2−約1
00ppmの6−(置換アミノ)プリン系サイトカイニ
ンを皮膚の活性細胞、たとえば線維芽細胞に付与するの
に有効な量);5−75%、好ましくは10−50%の
前記有機溶剤;0.5−20%、好ましくは1−10%
の増粘剤からなり;残部は水である。
【0086】5.固形剤 固形剤の形の組成物は唇または他の身体部分に適用する
ためのスティック型組成物として用いられる。それらの
組成物は、有効量の6−(置換アミノ)プリン系サイト
カイニン(たとえば約0.2−約100ppmの6−
(置換アミノ)プリン系サイトカイニンを皮膚の活性細
胞、たとえば線維芽細胞に付与するのに有効な量);5
0−98%、好ましくは60−90%の前記皮膚軟化剤
からなる。この組成物はさらに1−20%、好ましくは
5−15%の適切な増粘剤、ならびに所望により乳化剤
および水を含有しうる。ローションに関して前述した増
粘剤が固形剤の組成物に適当に使用される。
【0087】ヒトの顔の皮膚に適用するのに適した本発
明組成物の例は、10部(重量)のグリセリンモノステア
レート、10部のセチルアルコール、30部の鯨ろう、
10部のツウィーン20(ソルビタンモノステアレート
のポリオキシアルキレン誘導体)、10部のスパン20
(ソルビタンモノラウレート)、12.5部のグリセリ
ン、および100部の水を混合することにより調製され
た基剤中における、10−100ppmのカイネチンか
らなる。カイネチンの代わりに用いられる、老化が及ぼ
す不都合な作用を改善するのに有効な成分の例は、ゼア
チン、6−(3,3−ジメチルアリル)アミノプリン、
6−ベンジルアミノプリン、またはカイネチンと6−
(n−ヘキシル)アミノプリンもしくは6−ベンジルア
ミノプリンとの組み合わせである。
【0088】他の成分、たとえば保存剤(たとえばメチ
ル−パラベンまたはエチル−パラベン)、香料、色素な
ど、皮膚に適用する組成物に望ましい安定性、芳香もし
くは色、または他の望ましい特性、たとえば太陽からの
化学線からの遮蔽性を付与することが知られている成分
を、本発明のこれらの局所用組成物中に用いることもで
きる。
【0089】本発明組成物は、老化が及ぼす不都合な作
用を改善するのに有効な6−(置換アミノ)プリン系サ
イトカイニン以外の成分をも含有しうる。しかしこれら
のサイトカイニンを単独で用いることの利点の1つであ
る、処置された細胞の成長速度および全増殖能が著しい
影響を受けないという点は、処置された細胞の成長速度
もしくは全増殖能またはこれらの双方を高める前記他の
成分を用いた場合には希薄になりやすい。従って本発明
の好ましい組成物は、老化が及ぼす不都合な作用を改善
するのに有効な唯一の成分として6−(置換アミノ)プ
リン系サイトカイニンを含むであろう。
【0090】ヒトの皮膚に用いるための本発明組成物
は、好ましくは本発明方法により処置したい領域の皮膚
に1日1回適用されるであろう。
【0091】本発明方法は、前記のようにヒトの皮膚の
処置に適した本発明組成物を不特定期間、すなわちその
者が本発明の方法および組成物によって付与される、皮
膚の老化による不都合な作用の改善を得たいと望む期間
中、好ましくは毎日適用することにより、ヒトの皮膚に
適用される。その者の年齢、その組成物を適用する皮膚
の状態、および組成物中の6−(置換アミノ)プリン系
サイトカイニンの濃度(または重量分率)に応じて、皮
膚の基底細胞層の線維芽細胞において蛋白質合成速度低
下の遅延、および老化に関連した形態学的変化の遅延が
皮膚の表面に見えるようになるまで、本発明組成物の1
日1回適用が少なくとも約1カ月間、最高で少なくとも
約1年間は必要であろう。本発明方法の適用を停止する
と、本方法により改善された老化作用はいつかは再び起
こるであろう。
【0092】
【実施例】本発明を以下の実施例により説明する。
【0093】実施例I 短期細胞増殖に対するカイネチンの作用 正常な二倍体ヒト胚性皮膚線維芽細胞であるKISと表
示される株の短期増殖に対するカイネチンの作用を、当
技術分野で″1工程成長曲線″実験として知られている
方法により調べた。このために、10%ウシ胎仔血清、
抗生物質およびグルタミンを補充したダルベッコの改良
イーグル培地(DMEM)を入れた数個の培養フラスコ
に同数のKIS細胞(105個)を添加した。培地中に
おいて最終濃度40μM、80μMおよび200μMの
カイネチンを得るために、緩衝塩類溶液(ハンク氏緩衝
液)中に調製したカイネチン原液を種々の容量でフラス
コに添加した。次いで培養物を37℃で5%CO2の雰
囲気中においてインキュベートした。実験はすべて3重
試験法により行われた。
【0094】種々の用量のカイネチンで処理された細胞
の付着頻度を測定するために、各用量からの培養フラス
コ1組を、接種の6時間後に培養フラスコの底表に付着
した細胞の数を計数するために用いた。これは、まず細
胞をトリプシン処理によりはずし、それらを新鮮な培地
に再懸濁し、コールターカウンターによりそれらの数を
計数することにより行われた。
【0095】カイネチン処理または非処理細胞の成長速
度または増殖速度を推定するために、上記の各組におい
て24時間毎に細胞数を測定した。すべての細胞がコン
フルエント状態になり、細胞数がそれ以上増加しなくな
るまでこれを続けた(通常は8−10日間)。下記の結
果が得られた。
【0096】1.光学顕微鏡下での細胞の鏡検により判
定されるように、正常なヒト細胞は種々の用量のカイネ
チンで処理した際に不都合な形態学的影響を示さない。
【0097】2.カイネチンはヒト細胞に対して明らか
な毒作用を示さなかった。処理細胞と非処理細胞との間
で細胞付着度、培地中における細胞残屑、および培養基
質の単位面積当たりの細胞数に差がなかったからであ
る。
【0098】3.カイネチン処理ヒト細胞および非処理
ヒト細胞は双方とも同じ成長速度を示し、同時にコンフ
ルエント状態に達した。これは、カイネチンが培養に際
して成長速度を増大させなかったことの明瞭な証拠であ
る。これを支持する他の証拠を実施例IIに示す。
【0099】実施例II カイネチンが長期成長速度および全増殖能に及ぼす影響 カイネチンがKIS細胞の長期成長速度および全増殖能
に及ぼす影響を、当技術分野で″寿命曲線(longe
vity curve)″実験として知られている方法
により調べた。このために、少なくとも16個の平行し
たKIS細胞培養物を培地中40μMのカイネチンの存
在下で、同数の非処理培養物と共に維持した。実験はす
べて集団倍増水準(PDL)6から出発した。これは予
めインビトロで測定した正常な寿命見込みの約12%で
ある(すなわち細胞の全増殖能は約PDL=50であ
る)。
【0100】細胞培養、トリプシン処理および細胞数測
定の方法は実施例Iの場合と同様であった。ただし長期
実験のためには、培養物がコンフルエント状態になる毎
に連続継代培養した。4−5週間にわたって培地を毎週
交換したにもかかわらずすべての細胞がコンフルエント
状態になるのを停止するまで、この連続継代培養を続け
た。カイネチン処理および非処理により達成された正確
なPDL数を推定するために、平行して実験した16個
の培養物のうち少なくとも4個のコンフルエント培養フ
ラスコ内の細胞を、若い場合は分割比1:4、それらの
成長が老化のため低下し始めている場合は1:2に小分
割した。培養物が細胞接種とコンフルエント到達の間に
行ったPDL数は logN/log2 により判定さ
れた;式中のNはコンフルエント培養物中の細胞数をそ
のフラスコに最初に接種した細胞数で割ったものであ
る。最後に、各培養物につきインビトロにおけるそれら
の寿命の終了時に累積PDLを計算した。
【0101】累積PDLに関しては、培地中にカイネチ
ンが連続的に存在する、または存在しない状態で培養し
たヒト細胞の寿命には、差がなかった。この一連の実験
において、両タイプの培養物とも47−49の最大PD
Lを達成した。これは、培地中のカイネチンの存在によ
って細胞の全増殖能が有意には変化しなかったことを意
味する。
【0102】しかし暦の上ではカイネチン処理細胞(2
17日)は対照(196日)より長く生存するように見
えた。これは、それらの寿命の終了時に(すなわち、も
はやコンフルエントを達成し得ない時点で)、カイネチ
ン処理細胞の方が少なくとも2週間ははるかに健康に見
える状態を維持し、培地中へ有意数の死細胞を脱落させ
ることがなかったためである。
【0103】成長速度については、時間の関数としての
集団倍増回数の曲線の傾斜はカイネチン処理および非処
理の両方につき実験的に区別し得なかった。従ってカイ
ネチン処理培養と非処理の対照培養の成長速度には有意
差がなかった。カイネチンは培養状態のヒト細胞の正常
な寿命(すなわち全増殖能)に対して、遺伝的に決定さ
れている固有の制限を有意に変更しなかった。
【0104】DNA合成および成長速度 カイネチンを含めたサイトカイニンは、植物において細
胞分裂の最終段階、すなわち細胞質分裂の完了を助成す
ることが知られている。これは、サイトカイニンの存在
下で細胞が癌化状態にトランスフォームされる危険性を
高める様式でサイトカイニンが哺乳動物細胞におけるD
NA合成に影響を及ぼす可能性のあることを示唆してい
た。
【0105】従って培養状態のヒト細胞のDNA合成に
対するカイネチンの作用を調べるために、核飛跡オート
ラジオグラフィー法、および酸不溶性物質中における3
H−チミジン取り込み法を利用して研究を行った。
【0106】オートラジオグラフィー用のために、KI
S細胞を種々の濃度のカイネチンの存在下で(40−2
00μM)、またはその不在下で、滅菌ガラスカバース
リップ上において増殖させた。種々の処理期間後に(3
H)チミジン(1マイクロキュリー/ml)を、短期間
(2時間)−−その期間の細胞周期数を測定するために
−−、または長期間(24−48時間)−−細胞周期の
S期に進入しうる培養細胞数を推定するために−−培養
物に添加した。標識期間が終了した時点で、細胞を標準
法によりオートラジオグラフィー用として処理した。露
光、現像および染色処理の完了後に、顕微鏡により各ス
ライド内に少なくとも500個の細胞が計数された。周
期性−細胞(放射性チミジンを吸収し、それらの新たに
合成されたDNA内へ取り込んで、オートラジオグラフ
ィー的に黒色の核を形成した細胞)、および非周期性−
細胞の%を、こうして測定した。カイネチン処理および
非処理細胞は、2時間およびより長期間(24−48時
間)の標識後に、実験的に区別し得ない%の周期性およ
び非周期性−細胞を含むことが認められた。
【0107】同様に90分間または72時間の標識後
に、カイネチン処理および非処理KIS細胞による3
−チミジン取り込みの推定値−−シンチレーション計数
管により測定した、細胞106個当たりの酸不溶性物質
からのdpmによる−−は、カイネチン処理によるDN
A合成の促進を示さなかった。
【0108】実施例Iに示したように、多数の独立した
実験がカイネチンはヒト細胞の培養において追加の細胞
増殖を誘発しないことを示した。本実施例の実験は、カ
イネチンがDNA合成を促進するか、または細胞を対照
細胞がその周期に進入するより早期に新たな細胞周期へ
押しやることはないことを示す。従ってカイネチンはヒ
ト細胞の細胞成長速度を変更しない。
【0109】実施例III カイネチンが細胞形態に及ぼす影響 連続継代培養に際し細胞の形態が老化に関連して変化す
ることは、老化の研究に携わる細胞生物学者に周知の現
象である。培養における若いヒト線維芽細胞は、薄く、
長い紡錘形であり、コンフルエントになるにつれ整列し
て密に充填される。寿命の90%以上を終えた老いた細
胞は、大きさが著しく大きく、著しく偏平であり、不規
則な形状をもち、著しく液胞性となり、多数の、いわゆ
る″残余小体(residual body)″を含
み、これは蛍光顕微鏡下で観察すると紫外線で励起され
た際に強い自己蛍光を示す。
【0110】40μMのカイネチンの存在下で増殖させ
たKIS細胞および不在下で増殖させたものを形態学的
にPDL=44で比較した。カイネチン処理細胞は、老
いた細胞に典型的な形態をもたなかった。カイネチン処
理細胞は若い(たとえばPDL=14)細胞より大きさ
が有意に大きくはないのに対し、非処理細胞は有意に大
きかった。カイネチン処理細胞は、大部分が紡錘形の外
観を維持した;それらは不規則に位置していなかった;
またそれらはカイネチン処理しなかったものほど多数の
液胞および残余小体を含まなかった。このように寿命の
終末期においてすらある程度若い外観を劇的に維持した
ことは、カイネチンが10-6−10-4Mのオーダーの濃
度で老化に関連した症候の開始を遅延させうる明らかな
証拠である。
【0111】他の1組の実験において、既に老いた(た
とえばPDL40以上)細胞を、培地に種々の濃度のカ
イネチンを添加した際にある程度若い外観へ形態学的に
逆行させうることが見出された。逆行の程度は、カイネ
チン暴露以前に到達していた老齢の程度(若い細胞ほど
逆行が著しい)、培地に添加するカイネチンの濃度、お
よびカイネチンが存在する期間に依存する。寿命の80
%以上を終えたKIS細胞(PDL40以上)は、培地
中に200μMのカイネチンを用いた場合、2−3週間
後にPDL=30−35の細胞の外観を呈し始めた。
【0112】培地からカイネチンを除去したのちに″老
いた″形態を再生する速度は依然として確実でないが、
実験によればカイネチンを培地に導入したのちに若い形
態へ逆行する速度よりはるかに遅いことが示される。
【0113】細胞の収率および大きさ 培養における細胞老化の1パラメーターは、培養が老齢
に近づいた際の細胞収率(すなわちコンフルエント層内
の細胞数)の低下である。これは主として細胞が年齢と
共に次第に大きくなるという事実によるものである。従
って培養フラスコの面積が同一のままである場合、細胞
が周期的継代培養と共にそれらの寿命の終末に近づくと
フラスコ当たりの細胞数は減少する。1組のKIS細胞
培養物を、培地中にカイネチンを用いずに周期的に継代
培養した。他の1組のKIS細胞培養物を同様に処理
し、ただし培地中に40μMのカイネチンを含有させ
た。非処理細胞については、細胞収率はPDL=43ま
では25cm2当たり約1.5×106にほぼ一定に維持
され、次いでPDL=48において25cm2当たり約
3.5×105に低下し、ここで成長は停止した。処理
細胞については、細胞収率はPDL=48まで25cm
2当たり約1.5×106にほぼ一定に維持され、次いで
PDL=49において25cm2当たり約7×105に低
下し、ここで成長は停止した。このようにカイネチン処
理細胞について寿命の終末期においてすら″若い″細胞
に特徴的な細胞収率が維持されたことは、ヒト細胞にお
いてカイネチン処理によりある種の老化症候の開始を遅
延させることに関して著しく有意である。
【0114】以上、本発明をある程度詳細に記載した
が、当業者には前記のとおり本発明の精神の範囲内にお
いて修正および変更をなしうることは自明であろう。こ
れらの修正および変更も以下の請求の範囲に包含される
ものとする。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 7/00 A61K 7/00 S 7/48 7/48 A61P 43/00 107 A61P 43/00 107 // C07D 473/34 361 C07D 473/34 361

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式I: 【化1】 (式中のR1はフルフリル、フェニル、ベンジル、炭素
    原子4、5または6個のn−アルキル、(シクロヘキシ
    ル)メチル、(3−ヒドロキシメチル−3−メチル)ア
    リルおよび3,3−ジメチルアリルよりなる群から選ば
    れる)6−(置換アミノ)プリン系サイトカイニンの有
    効量を含有する組成物を哺乳動物の皮膚に施用すること
    を含む哺乳類の皮膚の美的外観を改善させる方法であっ
    て、施用する量が哺乳類の皮膚の美的外観を改善するの
    に足る量であるが哺乳類の皮膚の成長速度と総増殖能を
    有意に変化させない量である、哺乳類の皮膚の美的外観
    を改善させる方法。
  2. 【請求項2】 哺乳類の皮膚がヒトの皮膚であり、前記
    組成物が哺乳動物の皮膚に施用するためのスキンローシ
    ョン、軟膏、クリーム、固形スティク又はスプレーとし
    て製剤化されている請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 R1がフルフリルまたは(3−ヒドロキ
    シメチル−3−メチル)アリルである請求項1または2
    に記載の方法。
  4. 【請求項4】 施用量が0.2〜1000ppmである
    請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 【請求項5】 施用量が0.5〜500ppmである請
    求項4に記載の方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8404660B2 (en) 2007-11-25 2013-03-26 Instytut Chemii Bioorganicznej Pan Method of obtaining of 4-N-furfurylcytosine and/or its derivatives, an anti-aging composition and use of 4-N-furfurylcytosine and/or its derivatives in the manufacture of anti-aging composition

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