JP2000313687A - 被覆粒状物及びこれを用いた配合肥料、作物の栽培方法 - Google Patents

被覆粒状物及びこれを用いた配合肥料、作物の栽培方法

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JP2000313687A
JP2000313687A JP11122045A JP12204599A JP2000313687A JP 2000313687 A JP2000313687 A JP 2000313687A JP 11122045 A JP11122045 A JP 11122045A JP 12204599 A JP12204599 A JP 12204599A JP 2000313687 A JP2000313687 A JP 2000313687A
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fertilizer
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magnesium
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Yuki Kasahara
ゆき 笠原
Shigemitsu Yoshida
重光 吉田
Atsushi Sakamoto
淳 坂本
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    • C05FERTILISERS; MANUFACTURE THEREOF
    • C05GMIXTURES OF FERTILISERS COVERED INDIVIDUALLY BY DIFFERENT SUBCLASSES OF CLASS C05; MIXTURES OF ONE OR MORE FERTILISERS WITH MATERIALS NOT HAVING A SPECIFIC FERTILISING ACTIVITY, e.g. PESTICIDES, SOIL-CONDITIONERS, WETTING AGENTS; FERTILISERS CHARACTERISED BY THEIR FORM
    • C05G5/00Fertilisers characterised by their form
    • C05G5/30Layered or coated, e.g. dust-preventing coatings
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Abstract

(57)【要約】 【課題】作物によるカルシウムおよびマグネシウムの吸
収量を向上させ、カルシウム欠乏症やマグネシウム欠乏
症を効率よく回避することを可能とする資材の提供。 【解決手段】加里肥料とアルカリ土類金属化合物とを含
有する粒子の表面を、被膜材料で被覆した被覆粒状物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は被覆粒状物、および
これを用いた配合肥料、および該被覆粒状物若しくは該
配合肥料を用いた作物の栽培方法に関する。更に詳しく
は、加里肥料とアルカリ土類金属化合物とを含有する粒
子の表面を、被膜材料で被覆した被覆粒状物、該被覆粒
状物と肥料成分とからなる配合肥料、該被覆粒状物若し
くは該配合肥料を用いた作物の栽培方法に関する。
【0002】
【従来の技術】日本や北米、ヨーロッパをはじめとする
今日の農業先進国においては、経済性追求の観点から、
単位面積当たりの収穫量を上げるために多量の肥料を施
用する、いわゆる多肥多収型農業が行われている。
【発明が解決しようとする課題】
【0003】このような、多肥多収型農業が行われてい
る地域では、作物のカルシウム欠乏症、マグネシウム欠
乏症が多発している。作物のカルシウム欠乏症、マグネ
シウム欠乏症の回避を目的として、より多くのカルシウ
ムやマグネシウムを施用しても、この症状は一向に改善
されず、無駄な施用になってしまうケースが多発してい
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らはかかる従来
技術の問題点に鑑み、日夜鋭意研究を重ねた結果、加里
肥料とアルカリ土類金属化合物とを含有する粒子の表面
を、被膜材料で被覆した被覆粒状物を栽培に用いれば、
作物によるカルシウムおよびマグネシウムの吸収量が向
上し、カルシウム欠乏症やマグネシウム欠乏症を効率よ
く回避することができ、更に、該被覆粒状物を用いて栽
培した作物は、病害虫にも犯されにくいことを見出し、
この知見に基づいて本発明を完成させた。
【0005】本発明は以下の1)〜10)の構成を有す
る。 1)加里肥料とアルカリ土類金属化合物とを含有する粒
子の表面を、被膜材料で被覆した被覆粒状物。 2)粒子中の加里肥料の含有量が20〜99.9重量%
の範囲であり、アルカリ土類金属化合物の含有量が0.
1〜80重量%の範囲である前記第1項に記載の被覆粒
状物。 3)粒子中の加里肥料の含有量が50〜99重量%の範
囲であり、アルカリ土類金属化合物の含有量が1〜50
重量%の範囲である前記第1項に記載の被覆粒状物。 4)被膜材料が樹脂である前記第1〜3項の何れか1項
に記載の被覆粒状物。 5)樹脂がオレフィン重合体、オレフィン共重合体、塩
化ビニリデン重合体、塩化ビニリデン共重合体から選ば
れた1種以上である前記第1〜4項の何れか1項に記載
の被覆粒状物。 6)前記第1〜5項の何れか1項に記載の被覆粒状物と
肥料成分とからなる配合肥料。 7)前記第1〜5項の何れか1項に記載の被覆粒状物を
用いた作物の栽培方法。 8)前記第6項に記載の配合肥料を用いた作物の栽培方
法。 9)作物が園芸作物である前記第7または8項に記載の
作物の栽培方法。 10)作物が蔬菜類である前記第7または8項に記載の
作物の栽培方法。
【0006】本発明に使用する加里肥料としては、硫酸
加里、塩化加里、粗製加里塩、苦汁加里塩、硫酸加里苦
土、重炭酸加里、フミン酸加里、燐酸加里、および硝酸
加里などを挙げることができ、本発明においては、これ
ら加里肥料から選ばれた1種以上を使用することができ
る。
【0007】本発明に使用するアルカリ土類金属化合物
としては、アルカリ土類金属の炭酸塩、塩化物、水酸化
物、燐酸塩、硫酸塩、腐食酸塩、リグニンスルホン酸
塩、あるいは燐酸アンモニウムマグネシウムなどを挙げ
ることができ、本発明においては、これらアルカリ土類
金属化合物から選ばれた1種以上を使用することができ
る。前述のアルカリ土類金属化合物の中でも、硫酸マグ
ネシウムやリグニンスルホン酸マグネシウムは、造粒し
易く、また価格が安いことから本発明に好ましく使用で
きる。
【0008】本発明の被覆粒状物は、前述の加里肥料か
ら選ばれた1種以上と、アルカリ土類金属化合物から選
ばれた1種以上とを含有する粒子(以下「芯材粒子」と
記述する)を、被膜材料で被覆した物であり、該粒子の
構造、造粒方法は特に限定されるものではない。
【0009】該芯材粒子は加里肥料の粉末とアルカリ土
類金属化合物の粉末との混合物を造粒したものであって
も良く、加里肥料の粒子の表面に、アルカリ土類金属化
合物の粉末若しくは微粒子を付着させたものであっても
良く、その逆に、アルカリ土類金属化合物の粒子の表面
に、加里肥料の粉末若しくは微粒子を付着させたもので
あってもよい。
【0010】該芯材粒子の造粒方法は特に限定されるも
のではないが、具体的には、押出し造粒法、被覆造粒
法、噴流造粒法、吸着造粒法、パン造粒法等を挙げるこ
とができる。そのなかでもパン造粒法あるいはブランジ
ャ造粒法は装置の構造、操作が簡易であり好ましい。
【0011】該芯材粒子に含まれる加里肥料の割合は、
20〜99.9重量%の範囲であることが好ましく、よ
り好ましくは、50〜99重量%の範囲である。該割合
が20〜99.9重量%の範囲であれば、カルシウム、
マグネシウムの吸収がより効率よく行われる。
【0012】該芯材粒子に含まれるアルカリ土類金属化
合物の割合は、0.1〜80重量%の範囲であることが
好ましく、より好ましくは1〜50重量%の範囲であ
る。該割合が0.1〜80重量%の範囲であれば、カル
シウム、マグネシウムの吸収がより効率よく行われる。
【0013】本発明に使用する芯材粒子は、加里肥料お
よびアルカリ土類金属化合物のみからなる粒子であって
も良いが、造粒効率を向上させることを目的として、各
種の造粒助剤や結合材を用いることが好ましい。
【0014】造粒助剤としては、ベントナイト、クレ
イ、カオリン、セリサイト、タルク、酸性白土、軽石、
珪砂、珪石、炭酸カルシウム、ゼオライト、パーライ
ト、バーミキュライト等の鉱物質材料や、モミガラ、オ
ガクズ、木質粉、パルプフロック、大豆粉、デンプン廃
糖蜜等の植物質材料を挙げることができ、結合材として
は、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロース、ヒド
ロキシエチルセルロース、リグニンスルホン酸塩類、ポ
リビニルアルコール、ポリエチレングリコール、界面活
性剤類、および流動パラフィン等を挙げることができ
る。
【0015】また、本発明の効果を損なわない範囲であ
れば、窒素肥料や燐肥料に代表されるその他肥料成分の
1種以上を芯材粒子に含有させても良い。窒素肥料とし
ては、硫酸アンモニア、硝酸ナトリウム、燐酸アンモニ
ア、硫酸苦土アンモニア、塩化アンモニア、硝酸アンモ
ニア、尿素、石灰窒素、イソブチルアルデヒド加工尿素
肥料、アセトアルデヒド加工尿素肥料、ホルムアルデヒ
ド加工尿素肥料、グアニール尿素などを挙げることがで
き、燐肥料としては、過燐酸石灰、苦土過燐酸石灰、重
過燐酸石灰、溶性燐肥、焼成燐肥、燐酸石灰などを挙げ
ることができる。更に、必要に応じ、鉄、マンガン、ホ
ウ素、亜鉛、銅、モリブデンなどの微量要素肥料、ま
た、石灰質肥料、珪酸質肥料等を含有させても良い。
【0016】該芯材粒子の粒径は特に制限はないが、実
用的には1.0mm以上であればよく、好ましくは1.
5〜4.0mmの範囲である。更に、製造の容易さ、使
用時の取扱い易さの面から2.0〜4.0mmであるこ
とがより好ましい。該芯材粒子の粒径は篩いを用いるこ
とにより容易に選択することができる。
【0017】本発明に用いる被膜材料としては、無機
質、有機質の何れの被膜材料を用いても良い。無機質の
被膜材料としては硫黄を挙げることができ、有機質の被
膜材料としては熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂などの樹脂
を挙げることができる。このうち被膜材料に樹脂を用い
た場合には、本発明の効果を長期に持続させることがで
きることから、本発明に好ましく使用することができ
る。その中でも、オレフィン重合体、オレフィン共重合
体、塩化ビニリデン重合体、塩化ビニリデン共重合体を
用いた場合には、より長期に亘って効果を持続させるこ
とができるようになることから、特に好ましい被膜材料
である。本発明に用いる被膜の構造は単層構造のもの、
2層構造のもの、それ以上の複数層構造のものであって
も使用することが出来る。
【0018】オレフィン重合体としてはポリエチレン、
ポリプロピレン、及びポリスチレンを挙げることがで
き、オレフィン共重合体としてはエチレン・プロピレン
共重合体、ブテン・プロピレン共重合体、ポリイソブテ
ン、イソブテン・イソプレン共重合体、スチレン・ブタ
ジエン共重合体、スチレン・ブタジエン・アクリロニト
リル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレ
ン・一酸化炭素共重合体、エチレン・酢酸ビニル・一酸
化炭素共重合体、エチレン・アクリレート共重合体、及
びエチレン・メタクリル酸共重合体等を挙げることがで
き、塩化ビニリデン共重合体としては塩化ビニリデン・
塩化ビニル共重合体を挙げることができる。
【0019】本発明の被膜材料は、前述の無機質若しく
は有機質の被膜材料から選ばれた1種以上のみであって
も良いが、該無機質若しくは有機質の被膜材料に、有機
質若しくは無機質のフィラーや界面活性剤を添加したも
のであっても良い。該フィラー及や界面活性剤の被膜材
料への添加は、本発明効果の持続期間を短くする傾向が
あり、例えば、前述の樹脂と組み合わせると、任意の効
果発現期間が設定可能となる。また、用いる界面活性剤
の種類によっては、被膜に親水性を付与することができ
ることから、被膜材料への界面活性剤の添加によって、
本発明の被覆粒状物を水田に施用した際における、該被
覆粒状物の浮上を防止することも可能になる。
【0020】有機質フィラーとしてはデンプン、セルロ
ース及びその誘導体、小麦粉、大麦粉、大豆粉、寒天
末、コーンスターチ等を挙げることができ、無機質フィ
ラーとしてはタルク、炭酸カルシウム、クレイ、ゼオラ
イト、ケイソウ土、シリカ及びその塩、金属酸化物、イ
オウ等を挙げることができる。
【0021】また、界面活性剤としては高級脂肪酸塩
類、高級アルキルジカルボン酸塩類、高級アルコール硫
酸エステル塩類、高級アルキル・スルフォン酸塩類、高
級アルキル・ジスルフォン酸塩類、スルフォン化高級脂
肪酸塩類、高級アルキル燐酸エステル塩類等のアニオン
界面活性剤、高級アルキル・アミン塩類、第4級アンモ
ニウム塩類等のカチオン界面活性剤、ポリオールの脂肪
酸エステル、ポリエチレン・オキサイド縮合型等のノニ
オン界面活性剤を挙げることができる。
【0022】被膜材料における該フィラーの添加割合
は、特に限定されるものではないが、該フィラーの過剰
な使用は被膜強度の低下、効果発現期間の制御困難を招
くことから、10〜90重量%の範囲であることが好ま
しく。より好ましくは20〜80重量%の範囲である。
【0023】また、被膜材料における該界面活性剤の割
合は、特に限定されるものではないが、該界面活性剤の
使用目的が、被膜への親水性付与である場合には、0.
01重量%以上であることが好ましく、より好ましい範
囲は0.05〜10重量%である。
【0024】本発明における被覆方法は特に限定される
ものではない。転動状態、流動状態若しくは噴流状態に
ある芯材粒子の表面に、溶解若しくは溶融した被膜材料
を噴霧若しくは塗布し、乾燥若しくは固化させることに
よって被膜を形成させる方法でも良く、溶解若しくは溶
融した液状の被膜材料に芯材粒子を浸漬させ、乾燥若し
くは固化させることによって被膜を形成させる方法であ
っても良い。
【0025】好ましい一例を挙げるならば、樹脂を主成
分とする被膜材料を有機溶媒で溶解させた樹脂溶液を、
噴流状態にある芯材粒子の表面に噴霧する一方、高速熱
風流により該芯材粒子表面の溶媒を除去乾燥し、被膜を
形成させる方法を挙げることができる。
【0026】そのときの製造条件としては、噴霧する被
覆液の液滴径を、できるだけ細かくし、該被覆液を芯材
粒子表面に均一に噴霧すると同時に、熱風で芯材粒子表
面に付着した被覆液を瞬時に乾燥させ、これを繰り返し
行って被膜を形成させるのがよい。被覆液の液滴径を細
かくするには被膜材料の濃度を低く抑え、被覆液の粘度
を下げれば良く、被覆液の被膜材料濃度を1〜15重量
%の範囲にすることが好ましい。低粘度の被覆液はスプ
レーで噴霧したときに噴霧液滴径が小さくなり、被覆率
が同一の場合、薄膜を繰り返し形成させることになるの
で被膜欠陥が生じにくい。
【0027】本発明における好ましい被膜の厚さは、芯
材粒子の粒径と密接に関係し、一義的に特定できるもの
ではないが、例えば芯材粒子の粒径が1.5〜4.0m
mの範囲である場合には、10〜100μmの範囲であ
ることが好ましい。
【0028】本発明の配合肥料は、前述の被覆粒状物と
窒素、燐酸、加里肥料に代表される肥料成分とを配合し
たものである。
【0029】窒素肥料としては、尿素、硫酸アンモニウ
ム、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウム、硝酸苦土ア
ンモニウム、リン酸アンモニウム、硝酸アンモニアソー
ダ、硝酸アンモニア石灰、石灰窒素、腐植酸アンモニ
ア、アセトアルデヒド加工尿素肥料(CDU)、ホルム
アルデヒド加工尿素(UF)、イソブチルアルデヒド加
工尿素(IBDU)、グアニール尿素(GU)、オキサ
ミドなどを挙げることができ、本発明においては、これ
らの1種以上を使用することができる。
【0030】燐酸肥料としては、過燐酸石灰、重過燐酸
石灰、苦土過燐酸石灰、リン酸アンモニウム、苦土燐
酸、硫燐安、リン硝安カリウム、塩燐安、溶成リン肥、
腐植酸リン肥などを挙げることができ、本発明において
は、これらの1種以上を使用することができる。
【0031】加里肥料としては、硫酸加里、塩化加里、
硫酸加里ソーダ、硫酸加里苦土、重炭酸加里、燐酸加
里、硝酸加里、腐植酸加里、珪酸加里などを挙げること
ができ、本発明においては、これらの1種以上を使用す
ることができる。
【0032】その他の肥料としては、珪酸カルシウム等
の珪酸質肥料、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム等
のマグネシウム肥料、生石灰、消石灰、炭酸カルシウム
等のカルシウム質肥料、硫酸マンガン、硫酸苦土マンガ
ン、鉱さいマンガン等の、マンガン質肥料、ホウ酸、ホ
ウ酸塩等のホウ素質肥料、鉄鋼スラグ等の含鉄肥料、骨
粉、油かす、肉かす等の有機質肥料等の肥料取締法に定
められる普通肥料(複合肥料を含む)を挙げることがで
き、本発明においては、これらの1種以上を使用するこ
とができる。
【0033】該被覆粒状物と肥料成分との配合割合、お
よび肥料成分中の組成は特に限定されるものではない
が、本発明の効果を損なうものであってはならない。
【0034】本発明の栽培方法は、該被覆粒状物若しく
は該配合肥料を用いた作物の栽培方法である。該栽培方
法においては作物が限定されるものではないが、食用作
物、飼料作物、工芸作物等の圃場作物、果樹、蔬菜、花
卉等の園芸作物に用いることができる。例えば、食用作
物としてはイネ、麦類、トウモロコシ、イモ類、マメ類
を挙げることができ、飼料作物としてはイネ科、マメ
科、飼料用根菜を挙げることができ、工芸作物としては
嗜好料作物(茶等)、香辛料作物(コショウ等)、油料
作物(ゴマ等)、糖料作物(甜菜等)、繊維作物(綿花
等)を挙げることができ、果樹としては仁果類(リンゴ
等)、核果類(モモ等)、柑橘類、熱帯果樹(パイナッ
プル等)を挙げることができ、蔬菜としては葉菜類、根
菜類、果菜類を挙げることができ、花卉としては1年
草、2年草、宿根草、花木等を挙げることができる。
【0035】本発明の栽培方法は、前述の作物の中でも
園芸作物の栽培において本発明の効果が顕著に認めら
れ、園芸作物の中でも蔬菜類においてより顕著に本発明
の効果が認められる。
【0036】本発明の被覆粒状物若しくは配合肥料の施
用方法は特に限定されるものではく、直接土壌に施用す
る方法であっても良く、また育苗培土の組成物の一つと
して本発明の被覆粒状物を添加すると云ったような方法
であっても良い。施用量は特に限定されるものではな
く、作物によって適宜決めることが可能である。
【0037】また、施用する時期も限定されるものでは
なく、育苗開始時に育苗箱や育苗ポットなどの育苗容器
に施用してもよく、苗を移植すると同時に定植穴の中に
投入してもよく、圃場へ播種するときに栽培土壌表面に
散布してもよく、また全面全層施肥法等用いてもよい。
施用に際しては、本発明の効果を損なわない範囲で、農
薬をはじめとする農業用資材と併用しても良い。
【0038】カルシウムやマグネシウムは、肥料の3要
素である窒素や加里に比べ施肥量も少量で良く、当然作
物による吸収量も少量で、通常であれば前作の残査や、
酸性土壌改良材として施用される分で必要な量が賄われ
ており、本発明の被覆粒状物若しくは配合肥料を用いた
場合には敢えてカルシウム、マグネシウムの施肥はしな
くてもよい場合がほとんどであるが、作物の種類や品種
によってさらに吸収を促進したい場合には、移植時に基
肥としてカルシウムやマグネシウムを施用し、作土中に
おけるカルシウム、マグネシウム濃度を上げておけばよ
い。以下に実施例をもって本発明の効果を説明するが、
本発明は以下の実施例に記載の内容に制限されるもので
はない。
【0039】
【実施例】(1)被覆粒状物の製造(実施例1〜3) 芯材粒子の製造 粒状物の造粒には円盤回転式造粒機を用いた。粒径50
0μm以下の粒度に粉砕された硫酸加里(和光純薬工業
株式会社製:特級)と硫酸マグネシウム七水和物(和光
純薬工業株式会社製:特級)とを原料として、廃糖蜜の
2倍希釈液(水希釈)を散布しながら、該原料を少量ず
つ該造粒機に供給し、造粒を行った。得られた粒子は大
型送風定温乾燥機(アドバンテック東洋株式会社製:FV
−1500)中で乾燥した後に取り出し、篩で2.0〜4.
0mmのものを篩い分け、実施例1、2、3に用いる芯
材粒子A、B、Cをそれぞれ製造した。芯材粒子の組成
は表1に示した通りである。 円盤回転式造粒機:皿径400mm;回転数15rpm 乾燥温度、時間:105℃、12時間
【0040】
【表1】 単
位:重量部
【0041】芯材粒子の被覆 粒の被覆には噴流被覆装置を用いた。本実施例において
用いた噴流被覆装置を図1に示す。1は噴流塔で塔径2
50mm、高さ2000mm、窒素ガス噴出口径50m
m、円錐角50度で粒子投入口2、排ガス出口3を有す
る。噴流用窒素ガスはブロアー10から送られ、オリフ
ィス流量計9、熱交換機8を経て噴流塔に至るが、流量
は流量計、温度は熱交換機で管理され、排気は排ガス出
口3から塔外に導き出される。被覆処理に使用される芯
材粒子は粒子投入口2から所定の熱風(窒素ガス)を通
しながら投入し、噴流を形成させる。粒子温度が所定の
温度になったら、被覆液を一流体ノズル4を通して噴霧
状で噴流に向かって吹き付ける。被覆液は液タンク11
で攪拌しておき、粉体使用の場合は粉体が被覆液中に均
一に分散されているように攪拌しておく。所定の被覆率
に達したらブロアーを止め、被覆された粒子を抜き出し
口7より排出する。
【0042】尚、被覆液は下記被膜材料を下記溶剤に投
入し、105〜110℃に加熱、攪拌することによって
調整した。本実施例では下記の基本条件を維持しつつ所
定の被覆率になるまで被覆を行った。 一流体ノズル:開口0.6mmフルコン型 熱風量:4m3/min 熱風温度:100±2℃ 粒子投入量:10kg 供試溶剤:テトラクロロエチレン(和光純薬工業株式会
社製:一級) 被覆液濃度:固形分1.5重量% 被覆液供給量:0.1kg/min 粒子温度:70±2℃ 被覆率(被覆粒状物重量にしめる被膜材料の割合):1
0重量% 被膜組成:PE/EVA/タルク/SA=15/15/70/1(単位:重量
部) ※PE:低密度ポリエチレン MI;20 d;0.922 ※EVA:エチレン・酢酸ビニル共重合体 VAc;15wt%
MI;7.0 ※タルク:平均粒径 10μm(富士タルク工業株式会社
製) ※SA:ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル
(ノニオン系界面活性剤) 前述の「芯材粒子の製造方法」で得られた芯材粒子A、
B、Cを、上記方法によって被覆を行い、本発明の被覆
粒状物である実施例1(芯材粒子A)、実施例2(芯材
粒子B)、実施例3(芯材粒子C)を得た。
【0043】(2)栽培試験(実施例4〜9、比較例
1、2) 小松菜(品種:卯月、実施例4〜6、比較例1)、シュ
ンギク(品種:中葉、実施例7〜9、比較例2)を対象
に熊本県水俣市袋の温室において栽培試験を行った。栽
培はコンテナ(41×58×18cm)で行った。3月9日に表2
に示した肥料を施用し、播種した。何れの区もカルシウ
ム施用量は同量である。小松菜は播種後42日目、シュ
ンギクは播種後58日目にサンプリングし、新鮮重、作
物体中加里濃度、カルシウム濃度、マグネシウム濃度等
を分析した。また土壌も定期的にサンプリングし、加里
成分の分析を行った。尚、上記以外の肥培管理は慣行法
に準じて行った。
【0044】
【表2】 単位:g/コンテナ LP:被覆尿素(リニア型70日タイプ)、チッソ株式
会社製 苦土:苦土重焼燐 苦石:炭酸苦土石灰 硫加:硫酸加里
【0045】作物体の分析結果を表3に示した。新鮮重
は小松菜、シュンギクともに大きな差は見られなかった
が、作物体中のCaO及びMgOは実施例>比較例の順となっ
た。
【0046】
【表3】
【0047】
【発明の効果】加里肥料とアルカリ土類金属化合物とを
含有する粒子の表面を、被膜材料で被覆した被覆粒状物
を栽培に用いれば、作物によるカルシウムおよびマグネ
シウムの吸収量が向上し、カルシウム欠乏症やマグネシ
ウム欠乏症を効率よく回避することができ、更に、該被
覆粒状物を用いて栽培した作物は、病害虫にも犯されに
くい。
【図面の簡単な説明】
【図1】噴流塔 粒子投入口 排ガス出口 一流体ノズル 粒子 被覆液ポンプ(定量ポンプ) 抜き出し口 熱交換機 オリフィス流量計 ブロアー 液タンク 被覆液 温度計(ガス温度) 温度計(塔内粒子温度)

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】加里肥料とアルカリ土類金属化合物とを含
    有する粒子の表面を、被膜材料で被覆した被覆粒状物。
  2. 【請求項2】粒子中の加里肥料の含有量が20〜99.
    9重量%の範囲であり、アルカリ土類金属化合物の含有
    量が0.1〜80重量%の範囲である請求項1に記載の
    被覆粒状物。
  3. 【請求項3】粒子中の加里肥料の含有量が50〜99重
    量%の範囲であり、アルカリ土類金属化合物の含有量が
    1〜50重量%の範囲である請求項1に記載の被覆粒状
    物。
  4. 【請求項4】被膜材料が樹脂である請求項1〜3の何れ
    か1項に記載の被覆粒状物。
  5. 【請求項5】樹脂がオレフィン重合体、オレフィン共重
    合体、塩化ビニリデン重合体、塩化ビニリデン共重合体
    から選ばれた1種以上である請求項1〜4の何れか1項
    に記載の被覆粒状物。
  6. 【請求項6】請求項1〜5の何れか1項に記載の被覆粒
    状物と肥料成分とからなる配合肥料。
  7. 【請求項7】請求項1〜5の何れか1項に記載の被覆粒
    状物を用いた作物の栽培方法。
  8. 【請求項8】請求項6に記載の配合肥料を用いた作物の
    栽培方法。
  9. 【請求項9】作物が園芸作物である請求項7または8に
    記載の作物の栽培方法。
  10. 【請求項10】作物が蔬菜類である請求項7または8に
    記載の作物の栽培方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002138004A (ja) * 2000-08-25 2002-05-14 Nogyo Kagaku Kenkyusho:Kk 農園芸用資材

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