JP2000310557A - 水中音響評価装置 - Google Patents
水中音響評価装置Info
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- Measurement Of Velocity Or Position Using Acoustic Or Ultrasonic Waves (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 この共分散行列の値の設定を改善し、より安
定した推定ができる水中音響評価装置を得る。 【解決手段】 ある一定時刻毎の音波を信号に変換した
観測受波系列を信号処理する観測受波系列処理器１と、
あらかじめ定められた計算条件に基づいて、ある一定時
刻毎の計算受波系列を算出する受波系列計算器２と、信
号処理した観測受波系列の絶対値及び算出した計算受波
系列の絶対値を算出し、対応する時刻における観測受波
系列の絶対値と計算受波系列の絶対値とを比較して、大
きい方の値を２乗し、観測受波系列の共分散行列の対角
要素とする共分散計算器３と、観測受波系列、計算受波
系列及び観測受波系列の共分散行列に基づいて散乱係数
を算出する推定器４とを備えている。
定した推定ができる水中音響評価装置を得る。 【解決手段】 ある一定時刻毎の音波を信号に変換した
観測受波系列を信号処理する観測受波系列処理器１と、
あらかじめ定められた計算条件に基づいて、ある一定時
刻毎の計算受波系列を算出する受波系列計算器２と、信
号処理した観測受波系列の絶対値及び算出した計算受波
系列の絶対値を算出し、対応する時刻における観測受波
系列の絶対値と計算受波系列の絶対値とを比較して、大
きい方の値を２乗し、観測受波系列の共分散行列の対角
要素とする共分散計算器３と、観測受波系列、計算受波
系列及び観測受波系列の共分散行列に基づいて散乱係数
を算出する推定器４とを備えている。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は音波伝搬の計測分野
において散乱係数等の伝搬特性を計測する際の水中音響
評価装置に係るものである。
において散乱係数等の伝搬特性を計測する際の水中音響
評価装置に係るものである。
【０００２】
【従来の技術】従来、音波の伝搬特性を計測において、
散乱係数を計測するための方法として、例えばGouliang
Jin, Renhe Zhang:15th International Congress on A
coustics,P.257-260に示されているものがある。このよ
うな方法で、一般に水中において海面、海底及び水その
ものの散乱係数を計測するため、音源からパルス状の包
絡線を有する音波（短時間の音波）を放出した際に、受
波器が水中の音波を信号として受信し、そのレベル（パ
ワー）を時系列で計測処理する。その際、受波器を複数
個設置し、整相と呼ばれる手法により、指向性を持たせ
た計測処理を行っている。
散乱係数を計測するための方法として、例えばGouliang
Jin, Renhe Zhang:15th International Congress on A
coustics,P.257-260に示されているものがある。このよ
うな方法で、一般に水中において海面、海底及び水その
ものの散乱係数を計測するため、音源からパルス状の包
絡線を有する音波（短時間の音波）を放出した際に、受
波器が水中の音波を信号として受信し、そのレベル（パ
ワー）を時系列で計測処理する。その際、受波器を複数
個設置し、整相と呼ばれる手法により、指向性を持たせ
た計測処理を行っている。
【０００３】ここで、受波器により受信された信号に対
する寄与成分のうち、散乱係数に依るものは、一般に極
めて小さい。そのため、２回以上の散乱を経て受信され
た信号については、信号全体のレベルに対してその寄与
が十分小さいものとして無視することができる。したが
って、散乱係数は、音源−散乱点間及び散乱点−受波器
間の伝搬損失、反射損失等が既知であればその経路を経
由した音波の受信レベル（受信した信号のパワー）に基
づいて原理的に算出できる。すなわち、散乱係数は、受
信レベルから伝搬損失、反射損失、送信レベル及び整相
特性を除去することにより求められる。ここで、送信レ
ベルと整相特性とは既知であり、伝搬損失と反射損失と
については、通常、計算により算出したり、観測値から
算出したりしたものを用いる。
する寄与成分のうち、散乱係数に依るものは、一般に極
めて小さい。そのため、２回以上の散乱を経て受信され
た信号については、信号全体のレベルに対してその寄与
が十分小さいものとして無視することができる。したが
って、散乱係数は、音源−散乱点間及び散乱点−受波器
間の伝搬損失、反射損失等が既知であればその経路を経
由した音波の受信レベル（受信した信号のパワー）に基
づいて原理的に算出できる。すなわち、散乱係数は、受
信レベルから伝搬損失、反射損失、送信レベル及び整相
特性を除去することにより求められる。ここで、送信レ
ベルと整相特性とは既知であり、伝搬損失と反射損失と
については、通常、計算により算出したり、観測値から
算出したりしたものを用いる。
【０００４】しかし、実際には、受波器が受信した信号
にはさまざまな経路で到達した信号が重畳している。そ
のため、単純に受波レベルから伝搬損失や反射損失を除
去しても精度の高い散乱係数を得ることはできない。そ
こで、これらのデータから散乱係数を算出するために、
「推定」と呼ばれる手法を用いている。この推定による
手法では、観測条件に近い環境（音波伝搬モデルとして
表す）を計算の中で実現し、その計算結果との差から散
乱係数の差を求める。ここで、観測量（観測された受信
信号を処理した受波系列：以下、観測受波系列という）
をＲｉ（ｉ＝１，２，…，ｎ）、求めたい未知パラメー
タをｘｊ（ｊ＝１，２，…，ｍ）、音波伝搬モデルによ
り算出した受波系列（以下、計算受波系列という）をＲ
ｃｉ（ｉ＝１，２，…，ｎ）とし、観測受波系列から算
出した観測値と計算受波系列から算出した計算値の一致
度を示す量であるコスト（cost）を次式（１）で示すこ
とにする。このコストは、観測値と計算値との一致度を
各ノルムの和として表し、一致すればするほど小さい値
となる。
にはさまざまな経路で到達した信号が重畳している。そ
のため、単純に受波レベルから伝搬損失や反射損失を除
去しても精度の高い散乱係数を得ることはできない。そ
こで、これらのデータから散乱係数を算出するために、
「推定」と呼ばれる手法を用いている。この推定による
手法では、観測条件に近い環境（音波伝搬モデルとして
表す）を計算の中で実現し、その計算結果との差から散
乱係数の差を求める。ここで、観測量（観測された受信
信号を処理した受波系列：以下、観測受波系列という）
をＲｉ（ｉ＝１，２，…，ｎ）、求めたい未知パラメー
タをｘｊ（ｊ＝１，２，…，ｍ）、音波伝搬モデルによ
り算出した受波系列（以下、計算受波系列という）をＲ
ｃｉ（ｉ＝１，２，…，ｎ）とし、観測受波系列から算
出した観測値と計算受波系列から算出した計算値の一致
度を示す量であるコスト（cost）を次式（１）で示すこ
とにする。このコストは、観測値と計算値との一致度を
各ノルムの和として表し、一致すればするほど小さい値
となる。
【０００５】
【数１】
【０００６】このようにして算出した（ｘｊを算出する
ための）線形推定の演算子には、観測受波系列の共分散
行列が含まれる。従来は、この観測受波系列の共分散行
列における対角要素には、観測受波系列の値そのものの
共分散を値とする方法が採られていた。
ための）線形推定の演算子には、観測受波系列の共分散
行列が含まれる。従来は、この観測受波系列の共分散行
列における対角要素には、観測受波系列の値そのものの
共分散を値とする方法が採られていた。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、計算受
波系列により計算値を算出する過程において、例えばモ
デルの仮定条件が実際の音場の条件と大きく離れる等、
その仮定が十分成り立たないことがある。その場合、実
際の観測値と計算値とが大きくかけ離れてしまう。この
ような状況で、従来のように観測受波系列の値そのもの
を共分散行列の値として設定したのでは、推定において
仮定する線形性は保たれず、良好な推定ができないとい
う問題が生じていた。
波系列により計算値を算出する過程において、例えばモ
デルの仮定条件が実際の音場の条件と大きく離れる等、
その仮定が十分成り立たないことがある。その場合、実
際の観測値と計算値とが大きくかけ離れてしまう。この
ような状況で、従来のように観測受波系列の値そのもの
を共分散行列の値として設定したのでは、推定において
仮定する線形性は保たれず、良好な推定ができないとい
う問題が生じていた。
【０００８】そこで本発明として、この共分散行列の値
の設定を改善することにより、前述の問題を解決し、よ
り安定した推定ができる水中音響評価装置を得ることを
課題とする。
の設定を改善することにより、前述の問題を解決し、よ
り安定した推定ができる水中音響評価装置を得ることを
課題とする。
【０００９】
【課題を解決するための手段】本発明に係る水中音響評
価装置は、ある一定時刻毎の音波を信号に変換した観測
受波系列を信号処理する観測受波系列処理器と、あらか
じめ定められた計算条件に基づいて、ある一定時刻毎の
計算受波系列を算出する受波系列計算器と、信号処理し
た観測受波系列の絶対値及び算出した計算受波系列の絶
対値を算出し、対応する時刻における観測受波系列の絶
対値と計算受波系列の絶対値とを比較して、大きい方の
値を２乗し、観測受波系列の共分散行列の対角要素とす
る共分散計算器と、観測受波系列、計算受波系列及び観
測受波系列の共分散行列に基づいて散乱係数を算出する
推定器とを備えている。本発明においては、観測受波系
列処理器が信号処理した観測受波系列と受波系列計算器
が算出した計算受波系列に基づいて、共分散計算器３
が、それらの絶対値を算出する。各時刻における観測受
波系列の絶対値と計算受波系列の絶対値とを比較し、大
きな方の値を２乗して共分散行列の対角要素の値を算出
する。推定器が、その共分散行列並びに観測受波系列及
び計算受波系列に基づいて推定を行い、散乱係数を算出
する。
価装置は、ある一定時刻毎の音波を信号に変換した観測
受波系列を信号処理する観測受波系列処理器と、あらか
じめ定められた計算条件に基づいて、ある一定時刻毎の
計算受波系列を算出する受波系列計算器と、信号処理し
た観測受波系列の絶対値及び算出した計算受波系列の絶
対値を算出し、対応する時刻における観測受波系列の絶
対値と計算受波系列の絶対値とを比較して、大きい方の
値を２乗し、観測受波系列の共分散行列の対角要素とす
る共分散計算器と、観測受波系列、計算受波系列及び観
測受波系列の共分散行列に基づいて散乱係数を算出する
推定器とを備えている。本発明においては、観測受波系
列処理器が信号処理した観測受波系列と受波系列計算器
が算出した計算受波系列に基づいて、共分散計算器３
が、それらの絶対値を算出する。各時刻における観測受
波系列の絶対値と計算受波系列の絶対値とを比較し、大
きな方の値を２乗して共分散行列の対角要素の値を算出
する。推定器が、その共分散行列並びに観測受波系列及
び計算受波系列に基づいて推定を行い、散乱係数を算出
する。
【００１０】また、本発明に係る水中音響評価装置は、
ある一定時刻毎の音波を信号に変換した観測受波系列を
信号処理する観測受波系列処理器と、あらかじめ定めら
れた計算条件に基づいて、ある一定時刻毎の計算受波系
列を算出する受波系列計算器と、信号処理した観測受波
系列の絶対値及び算出した計算受波系列の絶対値を算出
し、対応する時刻における観測受波系列の絶対値と計算
受波系列の絶対値とを比較して、大きい方の値を２乗
し、観測受波系列の共分散行列の対角要素とする共分散
計算器と、観測受波系列、計算受波系列及び共分散行列
に基づいて算出した散乱パラメータにより散乱係数を求
める推定器とを備え、受波系列計算器は、推定器が算出
した散乱パラメータに基づいてあらかじめ定められた計
算条件を更新設定するものである。本発明においては、
観測受波系列処理器が信号処理した観測受波系列と受波
系列計算器が算出した計算受波系列に基づいて、共分散
計算器３が、それらの絶対値を算出する。各時刻におけ
る観測受波系列の絶対値と計算受波系列の絶対値とを比
較し、大きな方の値を２乗して共分散行列の対角要素の
値を算出する。推定器が、その共分散行列並びに観測受
波系列及び計算受波系列に基づいて推定を行い、算出し
た散乱パラメータを受波系列計算器にフィードバック
し、受波系列計算器はそのパラメータに基づいて計算条
件を更新し、次に計算受波系列を算出する場合には更新
した計算条件を用いる。
ある一定時刻毎の音波を信号に変換した観測受波系列を
信号処理する観測受波系列処理器と、あらかじめ定めら
れた計算条件に基づいて、ある一定時刻毎の計算受波系
列を算出する受波系列計算器と、信号処理した観測受波
系列の絶対値及び算出した計算受波系列の絶対値を算出
し、対応する時刻における観測受波系列の絶対値と計算
受波系列の絶対値とを比較して、大きい方の値を２乗
し、観測受波系列の共分散行列の対角要素とする共分散
計算器と、観測受波系列、計算受波系列及び共分散行列
に基づいて算出した散乱パラメータにより散乱係数を求
める推定器とを備え、受波系列計算器は、推定器が算出
した散乱パラメータに基づいてあらかじめ定められた計
算条件を更新設定するものである。本発明においては、
観測受波系列処理器が信号処理した観測受波系列と受波
系列計算器が算出した計算受波系列に基づいて、共分散
計算器３が、それらの絶対値を算出する。各時刻におけ
る観測受波系列の絶対値と計算受波系列の絶対値とを比
較し、大きな方の値を２乗して共分散行列の対角要素の
値を算出する。推定器が、その共分散行列並びに観測受
波系列及び計算受波系列に基づいて推定を行い、算出し
た散乱パラメータを受波系列計算器にフィードバック
し、受波系列計算器はそのパラメータに基づいて計算条
件を更新し、次に計算受波系列を算出する場合には更新
した計算条件を用いる。
【００１１】
【発明の実施の形態】実施形態１．図１は本発明の第１
の実施の形態に係る水中音響評価装置の構成を示すブロ
ック図である。水中音響評価装置は、観測受波系列処理
器１、受波系列計算器２、共分散計算器３及び推定器４
で構成される。観測受波系列処理器１は、各受波器（図
示せず）が受信し、ある一定時刻毎にサンプリングした
信号（観測データ）を、雑音除去、整相等、データ解析
に必要な信号処理を行い、観測受波系列を算出する。受
波系列計算器２は、あらかじめ定められた計算条件（例
えば、水深、音源や受波器の位置、海底又は海面ロス、
散乱パラメータ等）を音波伝搬モデルとして表す。この
音波伝搬モデル及び観測データに基づいて、同一のサン
プリングレートで計算受波系列を算出する。共分散計算
器３は、観測受波系列処理器１が算出した観測受波系列
及び受波系列計算器２が計算した計算受波系列に基づい
て、観測受波系列の共分散行列を算出する。推定器４は
観測受波系列、計算受波系列及び共分散行列に基づいて
線形推定を行い、散乱パラメータを算出し、散乱係数を
求める。
の実施の形態に係る水中音響評価装置の構成を示すブロ
ック図である。水中音響評価装置は、観測受波系列処理
器１、受波系列計算器２、共分散計算器３及び推定器４
で構成される。観測受波系列処理器１は、各受波器（図
示せず）が受信し、ある一定時刻毎にサンプリングした
信号（観測データ）を、雑音除去、整相等、データ解析
に必要な信号処理を行い、観測受波系列を算出する。受
波系列計算器２は、あらかじめ定められた計算条件（例
えば、水深、音源や受波器の位置、海底又は海面ロス、
散乱パラメータ等）を音波伝搬モデルとして表す。この
音波伝搬モデル及び観測データに基づいて、同一のサン
プリングレートで計算受波系列を算出する。共分散計算
器３は、観測受波系列処理器１が算出した観測受波系列
及び受波系列計算器２が計算した計算受波系列に基づい
て、観測受波系列の共分散行列を算出する。推定器４は
観測受波系列、計算受波系列及び共分散行列に基づいて
線形推定を行い、散乱パラメータを算出し、散乱係数を
求める。
【００１２】次に、本実施の形態における水中音響装置
の動作について説明する。音源（図示せず）からパルス
状の包絡線を有する音波を放出した際に、受波器が水中
の音波を信号として受信し、そのレベル電気信号に変換
する。ある一定時刻毎にサンプリングしたその信号を観
測データとし、観測受波系列処理器１は、雑音除去、整
相等、データ解析に必要な信号処理を行い、残響パワー
である観測受波系列を算出する。一方、受波系列計算器
２は音波伝搬モデル及び観測データに基づいて計算受波
系列を算出する。共分散計算器３は、観測受波系列処理
器１が信号処理した観測受波系列と受波系列計算器２が
算出した計算受波系列に基づいて、各時刻における観測
受波系列の絶対値と計算受波系列の絶対値とを比較し、
大きな方の値を２乗する。このようにして各時刻毎に算
出した値を共分散行列の対応する対角要素として共分散
行列を算出する。推定器４は、観測受波系列、計算受波
系列及び共分散行列に基づいて、観測受波系列と計算受
波系列との差を算出し、そのノルムを算出する等の線形
推定を行い、推定結果（散乱パラメータ）を算出し、散
乱係数を求める。
の動作について説明する。音源（図示せず）からパルス
状の包絡線を有する音波を放出した際に、受波器が水中
の音波を信号として受信し、そのレベル電気信号に変換
する。ある一定時刻毎にサンプリングしたその信号を観
測データとし、観測受波系列処理器１は、雑音除去、整
相等、データ解析に必要な信号処理を行い、残響パワー
である観測受波系列を算出する。一方、受波系列計算器
２は音波伝搬モデル及び観測データに基づいて計算受波
系列を算出する。共分散計算器３は、観測受波系列処理
器１が信号処理した観測受波系列と受波系列計算器２が
算出した計算受波系列に基づいて、各時刻における観測
受波系列の絶対値と計算受波系列の絶対値とを比較し、
大きな方の値を２乗する。このようにして各時刻毎に算
出した値を共分散行列の対応する対角要素として共分散
行列を算出する。推定器４は、観測受波系列、計算受波
系列及び共分散行列に基づいて、観測受波系列と計算受
波系列との差を算出し、そのノルムを算出する等の線形
推定を行い、推定結果（散乱パラメータ）を算出し、散
乱係数を求める。
【００１３】以上のように第１の実施の形態において
は、観測受波系列処理器１が信号処理した観測受波系列
と受波系列計算器２が算出した計算受波系列に基づい
て、共分散計算器３が、それらの絶対値を算出し、各時
刻における観測受波系列の絶対値と計算受波系列の絶対
値とを比較し、大きな方の値を２乗することで共分散行
列の対角要素の値をより大きくし、推定器４が、その共
分散行列並びに観測受波系列及び計算受波系列に基づい
て推定を行い、散乱係数を算出するようにしたので、た
とえ、観測受波系列と計算受波系列との差が大きくなっ
ても、その分、共分散行列の対角要素の値も大きくな
り、安定率を高めることができ、推定結果を安定させる
ことができる。特に、観測受波系列と計算受波系列とを
デシベル（ｄＢ）的に算出する場合等、差の広がり方が
激しい場合には有効である。
は、観測受波系列処理器１が信号処理した観測受波系列
と受波系列計算器２が算出した計算受波系列に基づい
て、共分散計算器３が、それらの絶対値を算出し、各時
刻における観測受波系列の絶対値と計算受波系列の絶対
値とを比較し、大きな方の値を２乗することで共分散行
列の対角要素の値をより大きくし、推定器４が、その共
分散行列並びに観測受波系列及び計算受波系列に基づい
て推定を行い、散乱係数を算出するようにしたので、た
とえ、観測受波系列と計算受波系列との差が大きくなっ
ても、その分、共分散行列の対角要素の値も大きくな
り、安定率を高めることができ、推定結果を安定させる
ことができる。特に、観測受波系列と計算受波系列とを
デシベル（ｄＢ）的に算出する場合等、差の広がり方が
激しい場合には有効である。
【００１４】実施形態２．第２の実施の形態における水
中音響装置の構成は、基本的には図１と同じである。た
だ、第２の実施の形態においては、共分散計算器３の代
わりに共分散計算器３Ａを用いて共分散行列の算出を行
っている。この共分散計算器３Ａは、共分散行列の対角
要素の算出方法が共分散計算器３とは異なる。
中音響装置の構成は、基本的には図１と同じである。た
だ、第２の実施の形態においては、共分散計算器３の代
わりに共分散計算器３Ａを用いて共分散行列の算出を行
っている。この共分散計算器３Ａは、共分散行列の対角
要素の算出方法が共分散計算器３とは異なる。
【００１５】次に本実施の形態について説明する。共分
散計算器３Ａ以外の手段については、第１の実施の形態
で説明したことと同様の動作を行うので、説明を省略す
る。共分散行列３は、各時刻における観測受波系列の絶
対値と計算受波系列の絶対値とを比較し、大きい方の値
を２乗して、その値を対角要素とする共分散行列を算出
した。共分散計算器３Ａは、観測受波系列処理器１が信
号処理した観測受波系列と受波系列計算器２が算出した
計算受波系列に基づいて、各時刻における観測受波系列
の絶対値と計算受波系列の絶対値との積を算出する。こ
のようにして各時刻毎に算出した値を共分散行列の対応
する対角要素として共分散行列を算出する。
散計算器３Ａ以外の手段については、第１の実施の形態
で説明したことと同様の動作を行うので、説明を省略す
る。共分散行列３は、各時刻における観測受波系列の絶
対値と計算受波系列の絶対値とを比較し、大きい方の値
を２乗して、その値を対角要素とする共分散行列を算出
した。共分散計算器３Ａは、観測受波系列処理器１が信
号処理した観測受波系列と受波系列計算器２が算出した
計算受波系列に基づいて、各時刻における観測受波系列
の絶対値と計算受波系列の絶対値との積を算出する。こ
のようにして各時刻毎に算出した値を共分散行列の対応
する対角要素として共分散行列を算出する。
【００１６】以上のように第２の実施の形態において
は、観測受波系列処理器１が信号処理した観測受波系列
と受波系列計算器２が算出した計算受波系列に基づい
て、共分散計算器３Ａが、それらの絶対値の積を算出し
て、共分散行列の対角要素とし、推定器４が、その共分
散行列並びに観測受波系列及び計算受波系列に基づいて
推定を行い、散乱係数を算出するようにしたので、たと
え、観測受波系列と計算受波系列との差が大きくなって
も、その分、共分散行列の対角要素の値も大きくなり、
安定率を高めることができ、推定結果を安定させること
ができる。
は、観測受波系列処理器１が信号処理した観測受波系列
と受波系列計算器２が算出した計算受波系列に基づい
て、共分散計算器３Ａが、それらの絶対値の積を算出し
て、共分散行列の対角要素とし、推定器４が、その共分
散行列並びに観測受波系列及び計算受波系列に基づいて
推定を行い、散乱係数を算出するようにしたので、たと
え、観測受波系列と計算受波系列との差が大きくなって
も、その分、共分散行列の対角要素の値も大きくなり、
安定率を高めることができ、推定結果を安定させること
ができる。
【００１７】実施形態３．図２は本発明の第３の実施の
形態に係る水中音響評価装置の構成を示すブロック図で
ある。図において、図１と同じ図番を付しているもの
は、第１の実施の形態で説明したことと同様の動作を行
うので、説明を省略する。図２においては、図１の受波
系列計算器２の代わりに受波系列計算器２Ａを用いて計
算受波系列の算出を行っている。この受波系列計算器２
Ａは、算出された散乱パラメータをフィードバックして
計算条件を更新する点で受波系列計算器２とは異なる。
なお、この図では、共分散計算器を共分散計算器３とし
ているが、第２の実施の形態のように、共分散計算器３
Ａで共分散行列を算出することも可能である。
形態に係る水中音響評価装置の構成を示すブロック図で
ある。図において、図１と同じ図番を付しているもの
は、第１の実施の形態で説明したことと同様の動作を行
うので、説明を省略する。図２においては、図１の受波
系列計算器２の代わりに受波系列計算器２Ａを用いて計
算受波系列の算出を行っている。この受波系列計算器２
Ａは、算出された散乱パラメータをフィードバックして
計算条件を更新する点で受波系列計算器２とは異なる。
なお、この図では、共分散計算器を共分散計算器３とし
ているが、第２の実施の形態のように、共分散計算器３
Ａで共分散行列を算出することも可能である。
【００１８】次に本実施の形態について説明する。受波
系列計算器２Ａ以外の手段については、第１の実施の形
態で説明したことと同様の動作を行うので説明を省略す
る。受波器が受波した信号による観測データに基づい
て、散乱パラメータを算出する手順は、第１又は第２の
実施の形態と同様である。その散乱パラメータを受波系
列計算器２Ａにフィードバックする。受波系列計算器２
Ａは入力された散乱パラメータに基づいて、計算条件を
更新し、次に計算受波系列を算出する際には、更新した
計算条件に基づいて算出する。推定により算出された散
乱パラメータを用いて計算受波系列を算出することによ
り、共分散計算器３では、より観測データに基づいた共
分散行列が算出可能である。したがって、この動作を繰
り返すことにより、計算受波系列及び共分散行列の対角
要素の値が逐次的に近似していくことになる。
系列計算器２Ａ以外の手段については、第１の実施の形
態で説明したことと同様の動作を行うので説明を省略す
る。受波器が受波した信号による観測データに基づい
て、散乱パラメータを算出する手順は、第１又は第２の
実施の形態と同様である。その散乱パラメータを受波系
列計算器２Ａにフィードバックする。受波系列計算器２
Ａは入力された散乱パラメータに基づいて、計算条件を
更新し、次に計算受波系列を算出する際には、更新した
計算条件に基づいて算出する。推定により算出された散
乱パラメータを用いて計算受波系列を算出することによ
り、共分散計算器３では、より観測データに基づいた共
分散行列が算出可能である。したがって、この動作を繰
り返すことにより、計算受波系列及び共分散行列の対角
要素の値が逐次的に近似していくことになる。
【００１９】以上のように第３の実施の形態において
は、観測受波系列処理器１が信号処理した観測受波系列
と受波系列計算器２Ａが算出した計算受波系列に基づい
て、共分散計算器３が、それらの絶対値を算出し、各時
刻における観測受波系列の絶対値と計算受波系列の絶対
値とを比較し、大きな方の値を２乗して共分散行列の対
角要素の値とし、推定器が、その共分散行列並びに観測
受波系列及び計算受波系列に基づいて推定を行って算出
した散乱パラメータを、受波系列計算器２Ａにフィード
バックし、その値に基づいて受波系列計算器２Ａは計算
受波系列を算出するための計算条件を更新するようにし
たので、この更新を繰り返すことで、より精度の高い共
分散行列を算出することができ、安定率の高い散乱パラ
メータが精度よく算出可能となる。
は、観測受波系列処理器１が信号処理した観測受波系列
と受波系列計算器２Ａが算出した計算受波系列に基づい
て、共分散計算器３が、それらの絶対値を算出し、各時
刻における観測受波系列の絶対値と計算受波系列の絶対
値とを比較し、大きな方の値を２乗して共分散行列の対
角要素の値とし、推定器が、その共分散行列並びに観測
受波系列及び計算受波系列に基づいて推定を行って算出
した散乱パラメータを、受波系列計算器２Ａにフィード
バックし、その値に基づいて受波系列計算器２Ａは計算
受波系列を算出するための計算条件を更新するようにし
たので、この更新を繰り返すことで、より精度の高い共
分散行列を算出することができ、安定率の高い散乱パラ
メータが精度よく算出可能となる。
【００２０】実施形態４．上述の実施の形態では特に示
唆しなかったが、本発明において、共分散行列を算出す
る際には、非対角要素の設定に関しては、特に決まった
ものはない。例えば、非対角要素をすべて０にしてもよ
いし、測定対象等のモデルに対応させて様々な設定を行
ってもよい。
唆しなかったが、本発明において、共分散行列を算出す
る際には、非対角要素の設定に関しては、特に決まった
ものはない。例えば、非対角要素をすべて０にしてもよ
いし、測定対象等のモデルに対応させて様々な設定を行
ってもよい。
【００２１】実施形態５．上述の実施の形態では、水中
（特に浅海水）の散乱（残響）について説明したが、本
発明はこれに限定されるものではなく、他の推定（例え
ば、地中波）にも適用することができる。
（特に浅海水）の散乱（残響）について説明したが、本
発明はこれに限定されるものではなく、他の推定（例え
ば、地中波）にも適用することができる。
【００２２】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、観測受波
系列処理器が信号処理した観測受波系列と受波系列計算
器が算出した計算受波系列に基づいて、共分散計算器
が、それらの絶対値を算出し、各時刻における観測受波
系列の絶対値と計算受波系列の絶対値とを比較し、大き
な方の値を２乗することで共分散行列の対角要素の値を
より大きくし、推定器が、その共分散行列並びに観測受
波系列及び計算受波系列に基づいて推定を行い、散乱係
数を算出するようにしたので、たとえ、観測受波系列と
計算受波系列との差が大きくなっても、その分、共分散
行列の対角要素の値も大きくり、安定率を高めることが
でき、推定結果を安定させることができる。
系列処理器が信号処理した観測受波系列と受波系列計算
器が算出した計算受波系列に基づいて、共分散計算器
が、それらの絶対値を算出し、各時刻における観測受波
系列の絶対値と計算受波系列の絶対値とを比較し、大き
な方の値を２乗することで共分散行列の対角要素の値を
より大きくし、推定器が、その共分散行列並びに観測受
波系列及び計算受波系列に基づいて推定を行い、散乱係
数を算出するようにしたので、たとえ、観測受波系列と
計算受波系列との差が大きくなっても、その分、共分散
行列の対角要素の値も大きくり、安定率を高めることが
でき、推定結果を安定させることができる。
【００２３】また、本発明によれば、観測受波系列処理
器が信号処理した観測受波系列と受波系列計算器が算出
した計算受波系列に基づいて、共分散計算器が、それら
の絶対値を算出し、各時刻における観測受波系列の絶対
値と計算受波系列の絶対値とを比較し、大きな方の値を
２乗することで共分散行列の対角要素の値をより大きく
し、推定器が、その共分散行列並びに観測受波系列及び
計算受波系列に基づいて推定を行って算出した散乱パラ
メータを、受波系列計算器にフィードバックし、その値
に基づいて受波系列計算器は計算受波系列を算出するた
めの計算条件を更新するようにしたので、この更新を繰
り返すことで、より精度の高い共分散行列を算出するこ
とができ、安定率の高い散乱パラメータが精度よく算出
可能となる。
器が信号処理した観測受波系列と受波系列計算器が算出
した計算受波系列に基づいて、共分散計算器が、それら
の絶対値を算出し、各時刻における観測受波系列の絶対
値と計算受波系列の絶対値とを比較し、大きな方の値を
２乗することで共分散行列の対角要素の値をより大きく
し、推定器が、その共分散行列並びに観測受波系列及び
計算受波系列に基づいて推定を行って算出した散乱パラ
メータを、受波系列計算器にフィードバックし、その値
に基づいて受波系列計算器は計算受波系列を算出するた
めの計算条件を更新するようにしたので、この更新を繰
り返すことで、より精度の高い共分散行列を算出するこ
とができ、安定率の高い散乱パラメータが精度よく算出
可能となる。
【図１】本発明の第１の実施の形態に係る水中音響評価
装置の構成を示すブロック図である。
装置の構成を示すブロック図である。
【図２】本発明の第３の実施の形態に係る水中音響評価
装置の構成を示すブロック図である。
装置の構成を示すブロック図である。
１ 観測受波系列処理器 ２ 受波系列計算器 ３ 共分散計算器 ４ 推定器
Claims (3)
- 【請求項１】 ある一定時刻毎の音波を信号に変換した
観測受波系列を信号処理する観測受波系列処理器と、 あらかじめ定められた計算条件に基づいて、前記ある一
定時刻毎の計算受波系列を算出する受波系列計算器と、 信号処理した前記観測受波系列の絶対値及び算出した前
記計算受波系列の絶対値を算出し、対応する時刻におけ
る観測受波系列の絶対値と前記計算受波系列の絶対値と
を比較して、大きい方の値を２乗し、前記観測受波系列
の共分散行列の対角要素とする共分散計算器と、 前記観測受波系列、前記計算受波系列及び前記観測受波
系列の共分散行列に基づいて散乱係数を算出する推定器
とを備えたことを特徴とする水中音響評価装置。 - 【請求項２】 ある一定時刻毎の音波を信号に変換した
観測受波系列を信号処理する観測受波系列処理器と、 あらかじめ定められた計算条件に基づいて、前記ある一
定時刻毎の計算受波系列を算出する受波系列計算器と、 信号処理した前記観測受波系列の絶対値及び算出した前
記計算受波系列の絶対値を算出し、対応する時刻におけ
る観測受波系列の絶対値と前記計算受波系列の絶対値と
を比較して、大きい方の値を２乗し、前記観測受波系列
の共分散行列の対角要素とする共分散計算器と、 前記観測受波系列、前記計算受波系列及び前記共分散行
列に基づいて算出した散乱パラメータにより散乱係数を
求める推定器とを備え、 前記受波系列計算器は、前記推定器が算出した散乱パラ
メータに基づいてあらかじめ定められた計算条件を更新
設定することを特徴とする水中音響評価装置。 - 【請求項３】 前記共分散計算器は、対応する時刻にお
ける観測受波系列の絶対値と前記計算受波系列の絶対値
とを比較し、大きい方の値を２乗して、前記観測受波系
列の共分散行列の対角要素とする代わりに、対応する時
刻における観測受波系列の絶対値と前記計算受波系列の
絶対値とを算出し、それらの積を算出して前記観測受波
系列の共分散行列の対角要素とすることを特徴とする請
求項１又は２記載の水中音響評価装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11119540A JP2000310557A (ja) | 1999-04-27 | 1999-04-27 | 水中音響評価装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11119540A JP2000310557A (ja) | 1999-04-27 | 1999-04-27 | 水中音響評価装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000310557A true JP2000310557A (ja) | 2000-11-07 |
Family
ID=14763829
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP11119540A Pending JP2000310557A (ja) | 1999-04-27 | 1999-04-27 | 水中音響評価装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2000310557A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2015190058A1 (ja) * | 2014-06-09 | 2015-12-17 | 日本電気株式会社 | 目標検出装置 |
-
1999
- 1999-04-27 JP JP11119540A patent/JP2000310557A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2015190058A1 (ja) * | 2014-06-09 | 2015-12-17 | 日本電気株式会社 | 目標検出装置 |
| JPWO2015190058A1 (ja) * | 2014-06-09 | 2017-04-20 | 日本電気株式会社 | 目標検出装置 |
| US10495742B2 (en) | 2014-06-09 | 2019-12-03 | Nec Corporation | Target detection device |
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