JP2000309187A - 筆記具 - Google Patents

筆記具

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JP2000309187A JP11121539A JP12153999A JP2000309187A JP 2000309187 A JP2000309187 A JP 2000309187A JP 11121539 A JP11121539 A JP 11121539A JP 12153999 A JP12153999 A JP 12153999A JP 2000309187 A JP2000309187 A JP 2000309187A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】移動抵抗が実質的に零であり、また衝撃等が作
用した場合のインクの飛散を防止するスライド栓11を
備えた筆記具を提供する。 【解決手段】スライド栓11とインク貯溜室2の内周面
との間に隙間Gを形成してこの隙間に液膜を介在させて
実質的に非接触とし、このスライド栓11の移動抵抗を
液膜の粘性抵抗のみとして移動抵抗を実質的に零とし、
またこのスライド栓11の外周面の端縁部を刃先角度が
鋭角の刃状縁部16に形成し、この部分で隙間G内のイ
ンクの自由表面を強く保持させ、衝撃等によるインクの
飛散を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インク貯溜室内に
実質的に非接触状態で挿入され移動抵抗が実質的に零で
あるスライド栓を設けた筆記具に関する。さらに特定す
れば、本発明は筆記具が床に落下した場合等、衝撃が作
用した場合でも、上記のスライド栓の外周の隙間からイ
ンクの飛沫が飛散することがなく、また作動の安定性が
高い筆記具を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、インク貯溜室内に摺動自在な
スライド栓を備えた筆記具がある。このものは、筆記具
の本体内に略円筒状のインク貯溜室が形成されており、
このインク貯溜室の先端側はボールチップ、フエルトチ
ップ等のペン体に連通し、また後端部は尾栓等を介して
大気に連通している。そして、このインク貯溜室内に
は、インクが充填され、また摺動自在なスライド栓が収
容されている。
【0003】このスライド栓は、このインク貯溜室の内
周面との間で液密を維持しつつ軸方向に摺動自在なもの
で、このスライド栓によりこのインク貯溜室内はインク
が充填された前端部側の部分と、上記の尾栓を介して大
気に連通した後端部側の空気の部分とに区画されてい
る。したがって、このインクが温度変化により膨脹収縮
した場合には、上記のスライド栓が摺動してこの膨脹収
縮を補償し、また筆記等によりインクが消費されると、
これに対応してスライド栓が前進してゆく。
【0004】このようなスライド栓形の筆記具は、イン
ク貯溜室内のインクが常に大気圧と略等しい圧に維持さ
れるので、温度変化や気圧の変化によりインクがペン体
から押し出されるいわゆるボタ落ちや、ペン体からイン
ク貯溜室内に空気が吸入される等の不具合がなく、安定
した筆記が可能であるとともに、インク貯溜室内に大量
のインクを収容することができる、等の長所がある。
【0005】しかし、このスライド栓は、インク貯溜室
の内周面との間で液密を維持するために、一般にシリコ
ーンゴム等の弾性部材で形成され、インク貯溜室の内周
面にある程度のシール接触圧で圧接されている。したが
って、このスライド栓が摺動する際には、ある程度の摺
動抵抗力が発生することは避けられない。
【0006】したがって、温度変化によるインクの膨脹
収縮、インクの消費等によりスライド栓が摺動する際に
は、その摺動抵抗によりこのインクに正圧または負圧が
発生し、ペン体からインクがボタ落ちしたり、またペン
体を介してインク貯溜室内に空気が吸入される等の不具
合が生じる。
【0007】このような不具合を防止するには、このス
ライド栓の摺動抵抗を可能な限り小さくすることが望ま
しい。このため、インク貯溜室内に実質的に非接触状態
で収容され、摺動抵抗が実質的に零であるスライド栓を
備えた筆記具が開発されている。
【0008】図19には、このような筆記具の例を示
す。図中の101は筆記具の本体であって、この本体1
01内はインク貯溜室102に形成されており、インク
が充填されている。また、このインク貯溜室102内に
は、スライド栓104が軸方向に移動自在に設けられ、
このスライド栓によりこのインク貯溜室102内がイン
クの充填されている部分と、空気の部分である空気側室
103とに区画されている。
【0009】上記のインク貯溜室102は、インクの供
給制御機構105を介してペン体たとえば水性ボールチ
ップ106に連通されている。また、この本体101の
後端部には尾栓107が装着され、上記の空気側室10
3はこの尾栓107に形成された大気連通管108を介
して大気に連通されている。
【0010】上記のスライド栓104は、たとえば中空
の円筒カップ状をなし、その外径はインク貯溜室2の内
径よりわずかに小さく形成されており、このスライド栓
104の外周面とインク貯溜室102の内周面との間に
は、わずかの隙間Gが形成されている。そして、この隙
間G内には、毛細管力によりインクが薄膜状に介在し、
このスライド栓104は実質的に非接触の状態で移動自
在となっている。
【0011】したがって、このスライド栓104が移動
する際に受ける抵抗は、このインクの薄膜の粘性抵抗の
みである。インクの消費、温度変化によるこのスライド
栓の移動速度は極めて小さいので、実際にこのスライド
栓104が移動する際の抵抗は実質的に零となる。これ
により、上述したような不具合が確実に防止される。
【0012】また、このようなスライド栓4は上記のよ
うにその移動抵抗が実質的に零であるので、この筆記具
をそのペン体106を下向きにした姿勢にしておくと、
重力により、このスライド栓104がインク貯溜室10
2内のインク中に沈降し、ペン体106側まで不所望に
移動してしまうことがある。このような不具合を防止す
るために、上記のスライド栓104の見掛け上の比重は
インクの比重より小さく、このインクに対して浮遊性を
有するように構成されている。
【0013】ところで、このようなスライド栓において
は、その外周の隙間に常にインクの薄膜が介在してい
る。したがって、たとえばこの筆記具をたとえばその尾
栓107を下にして床上に落下させてしまったような場
合に、上記のスライド栓の隙間G内のインクが衝撃によ
り飛沫となって空気側室103に飛散することがある。
このような筆記具は、インクの残量が外部から視認でき
るように、本体101が透明な合成樹脂材料で形成され
ている場合が多い。したがって、このようにインクの飛
沫が空気側室103内に飛散すると、この筆記具の外観
を損ねる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上の事情
に基づいてなされたもので、実質的に非接触のスライド
栓を備えた筆記具において、このスライド栓の外周の隙
間内のインクが空気側室内に飛散するのを防止し、また
安定した作動をなすことができるスライド栓を備えた筆
記具を提供するものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
は、内部にインク貯溜室が形成された本体と、上記の本
体の先端部に設けられ上記のインク貯溜室内に連通した
ペン体と、上記のインク貯溜室内に移動自在に設けられ
このインク貯溜室内をインクの充填されている部分と空
気の充填されている空気側室とに区画するスライド栓と
を備えたものにおいて、上記のスライド栓の外径は上記
のインク貯溜室の内径より小さく形成されこれらの間が
実質的に非接触の状態に維持されており、また上記のス
ライド栓の外周面の上記空気側室の外周縁部はその断面
の刃先角度が鋭角をなす刃状縁部に形成されていること
を特徴とするものである。
【0016】一般に、隙間内等に毛細管力で保持されて
いる液体の自由表面は、この隙間を構成する壁面の段
部、屈曲部の位置に形成され、かつその位置に保持され
る傾向がある。また、このような自由液面の位置の保持
力は、段部や屈曲部の角度が大きい程大きくなる傾向が
ある。
【0017】この発明では、上記のスライド栓の空気側
室側の外周縁部は、鋭角の刃先角度を有する刃状縁部に
形成されているので、隙間内のインクの自由表面は、こ
の刃状縁部の位置に形成されかつ強く保持される。した
がって、衝撃が作用したような場合でも、この隙間内の
インクの自由表面がこの刃状縁部の位置に確実に保持さ
れ、インクの飛散が確実に防止される。
【0018】また、請求項2に記載の本発明は、前記の
スライド栓は、前記の空気側室側の端部が開放された中
空円筒形をなし、この開放側の端部の内周面が円錐型の
テーパ面に形成され、このテーパ面によりこのスライド
栓の空気側室側の外周縁部が刃状縁部に形成されている
ことを特徴とするものである。したがって、簡単構造で
鋭角の刃状縁部を形成することができる。
【0019】また、請求項3に記載の本発明は、前記の
スライド栓は、前記のインクに対して浮遊性を有してい
るものである。したがって、移動抵抗が実質的に零であ
つても、このスライド栓がインク中に沈降することはな
い。
【0020】また、請求項4に記載の本発明は、前記の
スライド栓のインク側の端部は凸状に形成されているこ
とを特徴とするものである。したがって、この筆記具を
製造する際に、筆記具の本体を鉛直に保持してインク貯
溜室内にインクを注入し、その上にスライド栓を落下さ
せる際に、このスライド栓の先端面とインクの液面との
間の空気が周囲に排除され、気泡が封入されてしまうこ
とを確実に防止することができる。
【0021】また、請求項5に記載の本発明は、内部に
インク貯溜室が形成された本体と、上記の本体の先端部
に設けられ上記のインク貯溜室内に連通したペン体と、
上記のインク貯溜室内に移動自在に設けられこのインク
貯溜室内をインクの充填されている部分と空気の充填さ
れている空気側室とに区画するスライド栓とを備えたも
のにおいて、上記のスライド栓の外径は上記のインク貯
溜室の内径より小さく形成されこれらの間が実質的に非
接触の状態に維持されており、また上記のインク貯溜室
内には軸方向に移動自在な重錘が収容されていることを
特徴とするものである。
【0022】したがって、たとえばこの筆記具をその尾
栓側を下向きにして床上等に落下させたような場合に
は、上記の重錘が慣性力により上記のスライド栓を空気
側室側に押圧する。これにより、インク貯溜室内の容積
が増大してこのインク貯溜室内のインクの圧力が負圧と
なる。よって、このスライド栓の外周の隙間内のインク
も、インク貯溜室側に引き戻されるように負圧が作用す
るので、この隙間内のインクが飛散するのを防止するこ
とができる。
【0023】また、請求項6に記載の本発明は、前記の
スライド栓は、前記のインクに対して浮遊性を有してい
るものである。したがって、移動抵抗が実質的に零であ
つても、このスライド栓がインク中に沈降することはな
い。
【0024】また、請求項7に記載の本発明は、前記の
スライド栓のインク側の端部は凸状に形成されているこ
とを特徴とするものである。したがって、この筆記具を
製造する際に、筆記具の本体を鉛直に保持してインク貯
溜室内にインクを注入し、その上にスライド栓を落下さ
せる際に、このスライド栓の先端面とインクの液面との
間の空気が周囲に排除され、気泡が封入されてしまうこ
とを確実に防止することができる。
【0025】また、請求項8に記載の本発明は、内部に
インク貯溜室が形成された本体と、上記の本体の先端部
に設けられ上記のインク貯溜室内に連通したペン体と、
上記のインク貯溜室内に移動自在に設けられこのインク
貯溜室内をインクの充填されている部分と空気の充填さ
れている空気側室とに区画するスライド栓とを備えたも
のにおいて、上記のスライド栓は、互いに独立した第1
のスライド栓本体と第2のスライド栓本体とから構成さ
れており、上記の第1および第2のスライド栓本体の外
径は上記のインク貯溜室の内径より小さく形成されこれ
らの間が実質的に非接触の状態に維持されており、また
これら第1のスライド栓本体と第2のスライド栓本体と
の間には空間部が形成されており、この空間部には空気
または不揮発性のオイルが封入されていることを特徴と
するものである。
【0026】したがって、これら第1および第2のスラ
イド栓本体の間に封入された空気または不揮発性オイル
のシール作用により、隙間内のインクの飛散が防止され
る。また、このものは、第1および第2のスライド栓が
互いに移動可能であるから、これらのスライド栓の円滑
な移動を妨げることがなく、また温度変化等によりこの
封入されている空気または不揮発性オイルが膨張収縮を
しても、これら第1および第2のスライド栓本体が互い
に移動することにより、この膨張収縮を防止することが
できる。
【0027】また、請求項9に記載の本発明は、前記の
第1および第2のスライド栓本体は、連結機構により互
いに軸方向および径方向に相対的に移動自在に連結され
ていることを特徴とするものである。
【0028】したがって、これら第1および第2のスラ
イド栓本体が不所望に離れてしまうこと等の不具合が防
止でき、またこれらスライド栓本体は互いにある程度独
立して移動できるので、その作動の円滑さを損なうこと
はない。
【0029】また、請求項10に記載の本発明は、前記
のスライド栓のインク側の端部は凸状に形成されている
ことを特徴とするものである。したがって、この筆記具
を製造する際に、筆記具の本体を鉛直に保持してインク
貯溜室内にインクを注入し、その上にスライド栓本体を
落下させる際に、このスライド栓本体の先端面とインク
の液面との間の空気が周囲に排除され、気泡が封入され
てしまうことを確実に防止することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、図を参照して本発明の実施
形態を説明する。図1ないし図4は本発明の第1の実施
形態の筆記具を示す。この実施形態のものは、速乾性の
インクを使用したボールチップ形の筆記具である。
【0031】図中の1はこの筆記具の本体であって、こ
の本体1は略円筒状をなし、その内部には円筒状のイン
ク貯溜室2が形成されている。このインク貯溜室2内に
は、インク10が充填されており、また後述するような
構造のスライド栓11が軸方向に移動自在に設けられて
いる。そして、このスライド栓11によって、このイン
ク貯溜室2内は、インク10の充填されている部分と、
空気の部分の空気側室3とに区画されている。なお、こ
の本体1の壁は透明な合成樹脂材料等で形成され、内部
のインクの残量が外部から視認できるように構成されて
いる。
【0032】また、この本体1の先端部には、ペン体た
とえばボールチップ5が設けられ、このボールチップ5
は後述するインク調整機構4を介して上記のインク貯溜
室2の先端部側に連通している。また、この本体1の後
端部には尾栓6が取付られ、この尾栓6には内側に突出
した流出防止管8およびその中心に形成された大気連通
路7が形成されており、この大気連通孔7を介して上記
のインク貯溜室2内の空気側の空気側室3が大気に連通
されている。
【0033】このような筆記具は、温度変化等によりイ
ンク貯溜室2内のインク10が膨脹、収縮した場合、ま
たは筆記によりこのインク10が消費された場合には、
上記のスライド栓11が実質的に抵抗が零の状態で軸方
向に移動してこのインク10の体積変化を補償し、この
インク10の圧力を常時大気圧と等しい圧力に維持す
る。また、このインク貯溜室2内のインクは、インク調
整機構4により水頭圧や流量が調整、補償され、前記の
ペン体たとえばボールチップ5に供給され、安定した筆
記がなされる。
【0034】また、上記のインク貯溜室2内には、たと
えば鋼球等からなる重錘14が収容されている。この重
錘14は、インク貯溜室2内のインク10の比重より大
きい比重の材料で形成され、この筆記具を振ることによ
り、このインク貯溜室2内で移動し、インク10を攪拌
する作用をなす。また、この重錘14は、後述するよう
に、スライド栓11の外周面とインク貯溜室2の内周面
との間の隙間内のインクが衝撃等により飛散するのを防
止する作用をなす。
【0035】次に、上記のスライド栓11の構成および
作用を説明する。この第1の実施形態のものは、上記の
スライド栓11が単一の有底筒状のカップ状のスライド
栓本体12から構成されており、その外周面は円筒面に
形成されている。そして、このスライド栓本体12は、
その底部をペン体5側にしてインク貯溜室2内に実質的
に非接触の状態で移動自在に収容されている。そして、
このスライド栓本体12の外周面とインク貯溜室2の内
周面との間には、隙間Gが形成されている。そして、こ
の隙間G内には、毛細管力によりインク10が薄膜状に
介在しており、このスライド栓11を実質的に非接触状
態に維持し、かつこのスライド栓11の移動抵抗を実質
的に零としている。
【0036】なお、ここで上記の実質的な非接触状態と
は、スライド栓11の外周面の一部がインク貯溜室2の
内周面に軽く接触している場合や、このスライド栓11
の外周面に案内用のわずかな突出高さの凸部が形成さ
れ、この凸部がインク貯溜室2の内周面に軽く接触して
いる場合等も含むものとする。
【0037】この隙間Gの間隙は、上記のような実質的
な非接触状態を維持し、移動抵抗を実質的に零とするた
めには、0.02mm以上であることが好ましい。ま
た、この隙間Gの間隙が大きいと、この隙間G内に保持
されているインクの薄膜によるシールが破れやすく、ま
たこの隙間G内に保持されているインクが衝撃等により
飛散しやすくなるので、この隙間Gの間隙は0.05m
m以下であることが好ましい。
【0038】また、このスライド栓11の見掛け上の比
重は、インクの比重より小さく、このスライド栓11は
インクに対して浮遊性を有している。また、この実施形
態では、このスライド栓11の比重はインクの比重と極
めて近く、よってわずかの浮遊性を有している。
【0039】そして、上記のスライド栓本体12の尾栓
6側の開放端部の内周縁部には、円錐状のテーパ部13
が形成されており、この開放端部の外周縁部は先鋭に形
成され、刃先角度が鋭角の刃状縁部16として形成され
ている。そして、図2および図3に拡大して示すよう
に、上記の隙間G内には、にインクが液膜状に介在し、
このスライド栓11を実質的に無抵抗で移動自在に潤滑
し、またこの隙間Gのシール作用をなしている。
【0040】また、この実施形態では、この筆記具の本
体1の空気側室3内に少量の不揮発性オイル、たとえば
シリコーン油15が封入されている。そして、このシリ
コーン油15は、上記の空気側室3およびカップ状のス
ライド栓本体12の内面に液膜状に保持され、またこの
スライド栓本体12の開放端部の縁部に形成された隙間
Gの端部を封止し、この隙間G内のインクの蒸発を防止
している。
【0041】次に、上記の第1の実施形態の作用を説明
する。図3に示すように、上記のスライド栓本体12の
外周面とインク貯溜室2の内周面との間の隙間G内に
は、前述のようにインクが毛細管力により液膜状に介在
する。そして、このスライド栓11は実質的に無抵抗で
移動し、インクの消費、膨張、収縮を補償することは前
述の通りである。
【0042】この場合に、上記の隙間G内のインクは、
このスライド栓本体12の開放端部において自由表面S
を形成する。この場合に、前記のようにこのスライド栓
本体12の開放端部にはテーパ部13が形成されてお
り、この開放端部の縁部は先鋭な刃状縁部16に形成さ
れているので、このインクの自由表面Sはこの先鋭な刃
状縁部16の位置に形成され、かつ安定してこの位置に
保持される。
【0043】すなわち、隙間内に毛細管力により保持さ
れている液体の自由表面は、この隙間を形成する壁面の
屈曲部、段部等の位置に形成され、かつその位置に安定
して保持される傾向がある。そして、この屈曲部や段部
の角度が鋭角に近い程、この自由表面の保持力は大きく
なる。
【0044】上記の実施形態では、このスライド栓本体
12の開放端部の縁部は、上記のようにテーパ部13が
形成されて刃先角度が鋭角の刃状縁部16として形成さ
れている。したがって図3に示すように、隙間G内のイ
ンクの自由表面Sはこの刃状縁部16の位置に形成さ
れ、かつこの位置に強く保持される。
【0045】そして、たとえばこの筆記具を上記の尾栓
6側を下向きにして床面上に落下させてしまったような
場合には、上記のインク貯溜室2内のインク10および
スライド栓11に尾栓6に向かう方向の衝撃的な慣性力
が作用する。しかし、上記のボールチップ5等のペン体
は、外側から内部に向かう方向の流体の流れを阻止する
逆止弁作用があり、また他のフエルトチップ等のペン体
でも、瞬間的な差圧に対してはシール作用がある。よっ
て、このペン体側から内部に空気が侵入することはな
く、このインク10およびスライド栓11が尾栓6側に
移動してしまうことはない。
【0046】しかし、前述したように、上記のスライド
栓11の外周の隙間G内には、薄膜状のインクが介在し
ているため、このインクの一部が飛沫となって空気側室
3内に飛散する場合がある。しかし、この実施形態のも
のは、このスライド栓11の刃状縁部16の位置にイン
クの自由表面Sが強く保持されているので、上記のよう
なインクの飛散が効果的に防止される。
【0047】また、このようなインクの自由表面Sの保
持作用は、この筆記具を水平の姿勢で放置した場合に、
このスライド栓11が不所望に移動するのを防止する作
用もなす。
【0048】すなわち、この筆記具を水平の姿勢にした
場合には、インク貯溜室2の上側と下側との間には、こ
のインク貯溜室2の直径に相当する水頭圧が作用する。
したがって、スライド栓11の下側の隙間G内のインク
の薄膜のシールが破れ、インク貯溜室2内のインクが空
気側室3に流出し、このスライド栓11がペン体側に不
所望に移動してしまうことがある。
【0049】しかし、この実施形態のものは、上記のス
ライド栓11の外周の隙間G内のインクの自由表面S
が、上記の刃状縁部16の位置に強く保持されているの
で、この隙間G内の液膜状のインクのシール作用が強
く、上記のような不具合を防止することができる。
【0050】また、上記のように、このスライド栓11
の外周の隙間G内のインクのシール作用が強いので、こ
の筆記具をペン体5を下向きにして保持した場合におい
て、インク貯溜室2内のインクがこの隙間Gを通って空
気側室3内に流出することが防止される。したがって、
このスライド栓11は、必ずしもインクに対して浮遊性
を有していなくても、ペン体5側に沈降することは防止
される。
【0051】次に、上記の重錘14の作用について説明
する。この重錘14は、この筆記具を振ることによつ
て、このインク貯溜室2内を移動し、このインク貯溜室
2内のインクを攪拌する作用をなすとともに、上記のよ
うにこの筆記具を床上等に落下させてしまったような場
合でも、衝撃によるインクの飛散を防止する作用もなす
ことができる。
【0052】すなわち、上記のように尾栓6下向きにし
てこの筆記具を床面等に落下させたような場合には、そ
の衝撃によりこの重錘14がこのスライド栓11の底部
に当接して慣性力によりこのスライド栓11を尾栓6側
に押圧する。よって、この押圧力によりインク貯溜室の
容積が増大するような荷重が作用し、その分だけインク
貯溜室2内のインクの圧力が低下して負圧となる。よっ
て、この負圧により図4に示すように、隙間G内のイン
クの自由表面Sがインク貯溜室2側に引き込まれ、衝撃
によるインクの飛散を効果的に防止することができる。
【0053】なお、この実施形態では、インクの飛散を
より効果的に防止するために、スライド栓11の外周縁
部に刃状縁部16を形成し、かつインク貯溜室2内に上
記のような重錘14を収容したものであるが、上記の2
つの構成のいずれか一方だけでも衝撃によるインクの飛
散を防止することができるものである。
【0054】また、前記のように、空気側室3内に封入
されたシリコーン油15が上記の隙間G内のインクの自
由表面Sを覆っているので、このインクの蒸発が効果的
に防止される。この場合に、上述のように上記の自由表
面Sの保持作用が強いので、このインクとシリコーン油
とが混合してしまうことが確実に防止される。
【0055】また、図5には、本発明の筆記具の第2の
実施形態を示す。このものは、スライド栓本体12の開
放端部の近傍の外形を縮小して隙間の幅を広くし、この
部分をオイル溜り部17として形成したものである。こ
のものは、このオイル溜り部17に比較的多量のシリコ
ーン油15が溜まるので、このスライド栓11が移動し
てもこのオイル溜り部17内のシリコーン油15が排除
されるのが防止され、隙間G内のインクの自由表面Sの
被覆作用が大きく、このインクの乾燥をより効果的に防
止することができる。
【0056】なお、この実施形態は上記の点以外は前記
の第1の実施形態と同様の構成で、図5中で第1の実施
形態と対応する部分には同じ符号を付してその説明を省
略する。
【0057】また、図6には本発明の第3の実施形態を
示す。このものは、前述したようなカップ状のスライド
栓11のスライド栓本体12の開放端部にプラグ部材2
0を装着してこれを閉塞し、またこのプラグ部材20の
外周面には細溝部または粗面部21が形成されている。
【0058】この実施形態のものは、上記のプラグ部材
20で閉塞されたカップ状のスライド栓本体12内にシ
リコーン油15が貯溜保持され、このシリコーン油15
は上記のプラグ部材20の外周面の細溝部または粗面部
21から少量ずつ流出し、スライド栓11の外周面と本
体1の内周面との間の隙間Gの端部のインクの自由表面
を覆い、その蒸発を防止する。
【0059】一般に、このようなスライド栓11がペン
体側に移動してゆくと、本体1の空気側室3の内周面に
シリコーン油15が残り、このシリコーン油が消費され
てゆき、隙間G内のインクの自由表面が露出し、このイ
ンクが乾燥する場合がある。これを防止するには、空気
側室3内に多量のシリコーン油を封入しておけば良い
が、このようにすると、シリコーン油を多量に必要とす
る他、筆記具の本体1が透明な場合に、外観を損なう等
の問題がある。
【0060】しかし、この実施形態によれば、上記のプ
ラグ部材20で閉塞されたスライド栓本体12内に必要
量のシリコーン油が保持され、このシリコーン油が細溝
部または粗面部21から少量ずつ補給されるので、上記
のような不具合を防止することができる。
【0061】また、図7には本発明の第4の実施形態の
筆記具を示す。このものは、カップ状のスライド栓本体
12の内面に複数のリブ部22を突設し、これらリブ部
22の表面や隅部にシリコーン油15を付着保持させて
おき、このシリコーン油を少量ずつ補給して隙間G内の
インクの自由表面Sを常時被覆しておくものであり、上
記の第3の実施形態と同様の作用をなす。
【0062】なお、上記の第3および第4の実施形態の
ものは、上記の点以外は前記の第11の実施形態のもの
と同様な構成であり、図6および図7中で上記の第1の
実施形態と対応する部分には同じ符号を付してその説明
は省略する。
【0063】また、図8には本発明の第5の実施形態の
筆記具を示す。この実施形態のスライド栓11は、前述
した第1の実施形態と同様のスライド栓本体32を備え
ている。そして、このスライド栓本体32の先端部は、
凸状部、例えば円錐部33に形成されている。
【0064】また、このスライド栓本体32の中心部に
は、尾栓側に向けて軸部34が突設されている。この軸
部34は、このスライド栓本体32の重量を調整してそ
の浮力を適宜設定する作用をなすとともに、この筆記具
を組み立てる際に、自動組み立て機のチャック等でこの
軸部34の先端部を掴み、このスライド栓11を把持す
るための把持部としても作用する。
【0065】この第5の実施形態のものは、上記の点以
外は前述の第1の実施形態と同様な構成、作用であり、
図8中で第1の実施形態と対応する部分には同じ符号を
付してその説明は省略する。
【0066】なお、前述したように、このような筆記具
を組み立てる際には、筆記具の本体を略鉛直に保持し、
この本体の内面をインクで濡らさないようにしてインク
を注入し、その後にスライド栓を本体の上端部に挿入し
て重力により落下させ、インクの表面に浮かせるもので
ある。
【0067】上記の場合に、インクの表面と挿入された
スライド栓との間の空気は、このスライド栓の外周面と
本体の内周面との間の隙間から逃がされる。しかし、こ
のスライド栓のペン体側すなわち下側の端面が平坦な場
合には、空気の一部が逃げ切れず、このスライド栓の先
端面の部分に気泡となって残ることがある。
【0068】この第5の実施形態では、そのスライド栓
本体32の先端部が凸状に形成されているので、上記の
ように空気が気泡となって残ることを確実に防止するこ
とができる。以下、図9ないし図11を参照して、上記
のようなスライド栓を用いた場合の筆記具の組み立て工
程を説明する。
【0069】まず、図9に示すように、この筆記具の本
体1をそのペン体側を下にして略鉛直に保持し、この本
体1の内周面を濡らさないようにして所定量のインク1
0を注入する。そして、この本体1の上端部から、上記
のようなスライド栓11を挿入する。このスライド栓1
1は、重力により落下し、インク10とこのスライド栓
11との間の空気は、このスライド栓11の外周面と本
体1の内周面との間の隙間Gから逃がされる。
【0070】次に、図10に示すように、このスライド
栓111がインク10の液面に達すると、まず先端の円
錐部33の中心部から液面中に没してゆく。したがっ
て、このスライド栓11の先端部と液面との間の空気
は、放射方向に押し出され、隙間Gを通って逃がされ
る。よって、この部分の空気は確実に逃がされ、気泡と
なって残ることはない。
【0071】そして、このスライド栓11がさらに下降
すると、図11に示すようにインク10が隙間G内にも
進入し、このスライド栓11はインク中に完全に没した
状態となり、このインク上に浮遊する。
【0072】なお、上記の実施形態では、スライド栓1
1の先端部の円錐部33の頂角は約120°に設定して
おり、この角度以下であれば、上記の空気の逃がし作用
は確実である。但し、この円錐部の頂角は、120°以
上でも良い。また、このスライド栓の先端部の形状は、
円錐形には限らず、円錐台形、球面状、その他の任意の
凸状形状であれば、上記のような空気の逃がし作用を達
成する。
【0073】また、前述の実施形態では、このスライド
栓の外周面と本体の内周面との間の隙間にインクを介在
させた場合を示したが、場合によっては、この隙間にシ
リコーン油等の不揮発性オイルを介在させる場合もあ
る。図12および図13には、このような場合の筆記具
の組み立て工程を示す。
【0074】このような製造工程では、図12に示すよ
うに、インク10の液面上に所定量のシリコーン油15
を注入しておく。そして、上記と同様に、本体1の上端
からスライド栓11を挿入し、重力により落下させる。
【0075】そして、このスライド栓11がシリコーン
油15の液面に達すると、前述のように空気が逃がされ
る。そして、このスライド栓11がさらに下降すると、
インク10の上のシリコーン油15が周囲に排除され、
図13に示すように、このシリコーン油15が隙間G内
に介在される。
【0076】このようにして製造された筆記具のスライ
ド栓11は、隙間G内にシリコーン油15が介在してい
るので、より高いシール性が得られるとともに、インク
の乾燥をより効果的に防止する。
【0077】また、このスライド栓11の先端部は前述
のように凸状たとえば円錐部33に形成されているの
で、空気を確実に逃がすとともに、インク10の上のシ
リコーン油15のみを周囲に排除して隙間G内に逃がす
ので、インクとシリコーン油とが混ざることがない。な
お、このような製造方法は、上記のように先端部が凸状
をなしていないスライド栓を用いても実施可能であるこ
とはもちろんである。
【0078】また、図14には本発明の第6の実施形態
の筆記具のスライド栓を示す。この実施形態のスライド
栓41は、前述の第5の実施形態のスライド栓本体と同
様の第1のスライド栓本体32と、この尾栓側に挿入さ
れた第2のスライド栓本体42とから構成されている。
【0079】上記の第2のスライド栓本体42は、カッ
プ状をなしており、その底部には前記の第1のスライド
栓本体32の軸部34の先端部が当接し、これらの間に
空間、すなわち区画溝部24が形成されている。また、
第1のスライド栓本体32の隙間Gにはインクが介在
し、また第2のスライド栓本体42の隙間Gには、シリ
コーン油15が介在され、インクの乾燥を防止してい
る。
【0080】この実施形態のものは、前述の第1の実施
形態と同様の作用をなすが、第1のスライド栓本体32
と第2のスライド栓本体42が別々の部材であるため、
空気やインクの膨張、収縮に伴ってこれらの間の区画溝
部24の間隔が変化することができ、より自由かつ円滑
に移動することができる。また、このものは、第1のス
ライド栓本体32の軸部34がストッパとして作用し、
この区画溝部24の最小間隔を確保している。
【0081】また、図15には本発明の第7の実施形態
の筆記具のスライド栓を示す。このスライド栓51は、
カップ状の第1のスライド栓本体52と、第2のスライ
ド栓本体53とを備え、尾栓側の第2のスライド栓本体
53から軸部54を突設し、その先端を第1のスライド
栓本体52の内面に当接させたものである。
【0082】なお、この実施形態のものは、上記の点以
外は前述の第6の実施形態と同様な構成であり、図15
中において上記の第6の実施形態と対応する部分には同
じ符号を付してその説明は省略する。
【0083】また、図16には本発明の第8の実施形態
の筆記具のスライド栓を示す。この実施形態のスライド
栓61は、前記の第7の実施形態の第1のスライド栓本
体と同様な構成の第1のスライド栓本体62および第2
のスライド栓本体63を互いに離間して配置したもの
で、これらの間の空間が区画溝部24として構成されて
いる。
【0084】この実施形態のものは、ストッパ部材とし
て作用する軸部がないので、これらの間の区画溝部24
の最小間隔を機械的に規制することはできないが、この
区画溝部24内には所定量の空気が封入されているの
で、この区画溝部24の最小間隔は確保される。また、
この実施形態は、構造が簡単であるので、製造が容易で
ある。
【0085】なお、この実施形態は、上記の点以外は前
記の第1の実施形態と同様な構成であり、図16中にお
いて、第7の実施形態と対応する部分には同じ符号を付
してその説明は省略する。
【0086】また、図17には、本発明の第9の実施形
態を示す。このものは、前述の図16に示す第8の実施
形態と同様に、そのスライド栓71は互いに独立した第
1のスライド栓本体72と、第2のスライド栓本体73
とから構成され、これらの間には区画溝部24が形成さ
れ、この区画溝部24内には、空気または不揮発性オイ
ルが封入されている。
【0087】この実施形態のものは、第1および第2の
スライド栓本体72,73は同じ形状のもので、その先
端部は径が縮小されて小径部74が形成され、第2のス
ライド栓本体73の先端が第1のスライド栓本体72の
後端に当接し、上記の第2の先端部の小径部74の部分
が区画溝部24に形成されている。
【0088】また、この実施形態では、上記の小径部7
4を形成する段部がテーパ状に形成され、これらスライ
ド栓本体72,73の外周面の前後両縁部が刃先角度が
鋭角の刃状縁部16として形成されている。また、これ
らのスライド栓本体72,73は中空状のもので、その
内面には前述した図7に示す第4の実施形態と同様のリ
ブ部22が形成され、封入されたシリコーン油等を保持
するように構成されている。
【0089】なお、この実施形態は上記の点以外は前記
の第8の実施形態と同様の構成であり、図17中で第8
の実施形態と対応する部分には同じ符号を付してその説
明は省略する。
【0090】また、図18は本発明の第10の実施形態
を示す。この実施形態のスライド栓81は、互いに独立
した中空カップ状の第1のスライド栓本体82と第1の
スライド栓本体83とを備えており、これらの間が区画
溝部24に形成されている。
【0091】また、この実施形態では、第1のスライド
栓本体82の先端部内面、第2のスライド栓本体83の
先端部の外面にそれぞれ嵌合凹部84,85が形成され
ている。そして、これらのスライド栓本体82,83
は、連結部材86により互いに連結されている。この連
結部材86の両端部には、それぞれ球状部87が形成さ
れており、これらの球状部87は上記の嵌合凹部84,
85内に全方向に回動自在に嵌合している。
【0092】したがって、この実施形態のものは、この
連結部材86により第1および第2のスライド栓本体8
2,83が互いに連結され、これらの間の区画溝部24
の間隔を一定に維持する。また、この連結部材86の両
端部の球状部87は第1および第2のスライド栓本体8
2,83に対して回動自在に嵌合しているので、これら
スライド栓本体は互いに径方向に相対的に変位自在でか
つ相対的に傾動自在であるので、これらスライド栓本体
82,83の円滑な移動を妨げることがない。
【0093】なお、この実施形態は、上記の点以外は前
記の第9の実施形態と同様の構成であり、図18中第9
の実施形態と対応する部分には同じ符号を付してその説
明は省略する。
【0094】なお、本発明は上記の実施形態にも限定さ
れず、たとえばスライド栓の構造は必ずしも上述の実施
形態のものには限定されず、各種の構造のものが採用可
能である。また、インクの調整機構等も、上記の実施形
態には限定されず、その他の任意のインク調整機構を採
用することができる。さらに、ペン体の種類、インクの
種類も任意のものを採用可能である。
【0095】
【発明の効果】上述の如く本発明によれば、スライド栓
の外周とインク貯溜室の内周との間に隙間が形成されて
おり、この隙間内にインクまたは不揮発性オイルが薄膜
状に介在するので、このスライド栓が実質的に非接触か
つ無抵抗の状態で移動する。また、この筆記具を床面上
に落下させた場合等、衝撃が作用した場合でも上記の隙
間内のインクが飛沫となって飛散するのが防止される
等、その効果は大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態の筆記具の縦断面図。
【図2】第1の実施形態の筆記具のスライド栓の部分の
縦断面図。
【図3】第1の実施形態の筆記具のスライド栓の部分の
拡大縦断面図。
【図4】第1の実施形態の筆記具のスライド栓の部分の
拡大縦断面図。
【図5】第2の実施形態の筆記具のスライド栓の部分の
拡大縦断面図。
【図6】第3の実施形態の筆記具のスライド栓の部分の
縦断面図。
【図7】第4の実施形態の筆記具のスライド栓の部分の
縦断面図。
【図8】第5の実施形態の筆記具のスライド栓の部分の
縦断面図。
【図9】第5の実施形態のスライド栓を用いた製造方法
の説明図。
【図10】第5の実施形態のスライド栓を用いた製造方
法の説明図。
【図11】第5の実施形態のスライド栓を用いた製造方
法の説明図。
【図12】第5の実施形態のスライド栓を用いた製造方
法の説明図。
【図13】第5の実施形態のスライド栓を用いた製造方
法の説明図。
【図14】第6の実施形態の筆記具のスライド栓の部分
の縦断面図。
【図15】第7の実施形態の筆記具のスライド栓の部分
の縦断面図。
【図16】第8の実施形態の筆記具のスライド栓の部分
の縦断面図。
【図17】第9の実施形態の筆記具のスライド栓の部分
の縦断面図。
【図18】第10の実施形態の筆記具のスライド栓の部
分の縦断面図。
【図19】従来の実質的に非接触のスライド栓を備えた
筆記具の縦断面図。
【符号の説明】
1 筆記具の本体 2 インク貯溜室 5 ボールチップ 6 尾栓 10 インク 11,41,51,61,71,81 スライド栓 13 テーパ部 14 重錘 15 シリコーン油 16 刃状縁部 32,52,62,72,82 第1のスライド栓本体 42,53,63,73,83 第2のスライド栓本体 33 円錐部 86 連結部材 G 隙間

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部にインク貯溜室が形成された本体
    と、上記の本体の先端部に設けられ上記のインク貯溜室
    内に連通したペン体と、上記のインク貯溜室内に移動自
    在に設けられこのインク貯溜室内をインクの充填されて
    いる部分と空気の充填されている空気側室とに区画する
    スライド栓とを備えたものにおいて、 上記のスライド栓の外径は上記のインク貯溜室の内径よ
    り小さく形成されこれらの間が実質的に非接触の状態に
    維持されており、また上記のスライド栓の外周面の上記
    空気側室の外周縁部はその断面の刃先角度が鋭角をなす
    刃状縁部に形成されていることを特徴とする筆記具。
  2. 【請求項2】 前記のスライド栓は、前記の空気側室側
    の端部が開放された中空円筒形をなし、この開放側の端
    部の内周面が円錐型のテーパ面に形成され、このテーパ
    面によりこのスライド栓の空気側室側の外周縁部が刃状
    縁部に形成されていることを特徴とする請求項1の筆記
    具。
  3. 【請求項3】 前記のスライド栓は、前記のインクに対
    して浮遊性を有しているものであることを特徴とする請
    求項1の筆記具。
  4. 【請求項4】 前記のスライド栓のインク側の端部は凸
    状に形成されていることを特徴とする請求項1の筆記
    具。
  5. 【請求項5】 内部にインク貯溜室が形成された本体
    と、上記の本体の先端部に設けられ上記のインク貯溜室
    内に連通したペン体と、上記のインク貯溜室内に移動自
    在に設けられこのインク貯溜室内をインクの充填されて
    いる部分と空気の充填されている空気側室とに区画する
    スライド栓とを備えたものにおいて、 上記のスライド栓の外径は上記のインク貯溜室の内径よ
    り小さく形成されこれらの間が実質的に非接触の状態に
    維持されており、また上記のインク貯溜室内には軸方向
    に移動自在な重錘が収容されていることを特徴とする筆
    記具。
  6. 【請求項6】 前記のスライド栓は、前記のインクに対
    して浮遊性を有しているものであることを特徴とする請
    求項5の筆記具。
  7. 【請求項7】 前記のスライド栓のインク側の端部は凸
    状に形成されていることを特徴とする請求項5の筆記
    具。
  8. 【請求項8】 内部にインク貯溜室が形成された本体
    と、上記の本体の先端部に設けられ上記のインク貯溜室
    内に連通したペン体と、上記のインク貯溜室内に移動自
    在に設けられこのインク貯溜室内をインクの充填されて
    いる部分と空気の充填されている空気側室とに区画する
    スライド栓とを備えたものにおいて、 上記のスライド栓は、互いに独立した第1のスライド栓
    本体と第2のスライド栓本体とから構成されており、上
    記の第1および第2のスライド栓本体の外径は上記のイ
    ンク貯溜室の内径より小さく形成されこれらの間が実質
    的に非接触の状態に維持されており、またこれら第1の
    スライド栓本体と第2のスライド栓本体との間には空間
    部が形成されており、この空間部には空気または不揮発
    性のオイルが封入されていることを特徴とする筆記具。
  9. 【請求項9】 前記の第1および第2のスライド栓本体
    は、連結機構により互いに軸方向および径方向に相対的
    に移動自在に連結されていることを特徴とする請求項8
    の筆記具。
  10. 【請求項10】 前記のインク側のスライド栓本体のイ
    ンク側の端部は凸状に形成されていることを特徴とする
    請求項8の筆記具。
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