JP2000303220A - 水 着 - Google Patents

水 着

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JP2000303220A
JP2000303220A JP11116305A JP11630599A JP2000303220A JP 2000303220 A JP2000303220 A JP 2000303220A JP 11116305 A JP11116305 A JP 11116305A JP 11630599 A JP11630599 A JP 11630599A JP 2000303220 A JP2000303220 A JP 2000303220A
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polyurethane
fiber
swimsuit
terminal
hydroxyl group
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JP11116305A
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English (en)
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Masahiko Mihoichi
真彦 三歩一
Muneto Makiyama
宗刀 牧山
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリウレタン系弾性繊維を用いた伸縮性布帛
からなり耐塩素性に優れた水着を提供する。 【解決手段】 高分子ポリオールとして末端に水酸基を
有する飽和炭化水素系重合体を使用したポリウレタンか
らなるポリウレタン系弾性繊維と、ポリアミド繊維又は
ポリエステル繊維とからなり、ポリウレタン系弾性繊
維、又はポリウレタン系弾性繊維の外面をステープル
状、スパン糸又はフィラメント状のポリアミド繊維又は
ポリエステル繊維で被覆した伸縮性糸と、スパン糸又は
フィラメント状のポリアミド繊維又はポリエステル繊維
とを交編又は交織するか、ポリウレタン系弾性繊維の外
面をポリアミド繊維又はポリエステル繊維で被覆した伸
縮性糸のみを用いて編織してなり、好ましくはポリウレ
タン系弾性繊維を3〜20重量%含む伸縮性布帛で作製
した水着。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水着に関するもの
であり、更に詳しくは、プール中のような塩素水環境に
おける耐久性に優れたポリウレタン系弾性繊維に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】水着は伸縮性が要求されることから、ポ
リウレタン系弾性繊維とポリアミド繊維又はポリエステ
ル繊維とからなる伸縮性布帛から製造されている。前記
ポリウレタン系弾性繊維は従来から主として湿式、乾式
及び溶融紡糸法により製造されている。一般にポリウレ
タンウレア構造を持つこの繊維は、弾性特性、伸長回復
性に優れた性質を有しているが、ソフトセグメント成分
としてポリエーテルジオールを使用しているが為に、耐
塩素性が非常に劣ることが欠点として挙げられる。
【0003】耐塩素性が悪いとプールの殺菌用塩素によ
り水着の伸縮性が損なわれ、耐久性が低下する。耐塩素
性改善方法としては、例えば特公昭61−35283号
公報に記載された酸化マグネシウムや酸化アルミニウム
を添加する方法や、特公昭60−43444号公報に記
載された酸化亜鉛を添加する方法等が提案されている
が、乾式(湿式)紡糸用ドープにこれら金属酸化物が均
一に分散しにくいため、その結果、得られた弾性糸の耐
塩素性に斑が生じたり、又、金属酸化物が紡糸口金に付
着し易く、その結果、糸切れを生じ易くなり、生産性を
著しく低下させるという欠点がある。更に染色などの後
加工工程において、例えば処理浴通過の際に、これら金
属酸化物が脱落するため、所望の耐塩素性が得られない
という問題が生じている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来技術の有する問題点を解決し、ポリウレタン系弾性
繊維を用いた伸縮性布帛からなり、耐塩素性に優れた水
着を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題に
ついて鋭意検討した結果、ポリウレタン系弾性繊維を用
いた伸縮性布帛からなる水着において、前記ポリウレタ
ン系弾性繊維として、末端に水酸基を有する飽和炭化水
素系重合体を用いたポリウレタンからなる繊維を用いる
ことにより、耐塩素性に優れた水着を製造することがで
きることを見い出した。すなわち本発明に係る水着は、
ポリウレタン系弾性繊維と他の繊維とからなる伸縮性布
帛より作製され、前記ポリウレタン系弾性繊維が、高分
子ポリオールとして末端に水酸基を有する飽和炭化水素
系重合体を使用したポリウレタンからなることを特徴と
するものである。
【0006】本発明の水着を作製する前記伸縮性布帛に
おいては、前記ポリウレタン系弾性繊維を布帛中で3〜
20重量%含むことが好ましい。この伸縮性布帛は、前
記ポリウレタン系弾性繊維、又はこれの外面をステープ
ル状、スパン糸又はフィラメント状の他の繊維で被覆し
た伸縮性糸を、スパン糸又はフィラメント状の他の繊維
と交編又は交織することで製造することができる。又、
前記ポリウレタン系弾性繊維と他の繊維とからなる伸縮
性糸のみを用いて編織して製造することもできる。前記
ポリウレタン系弾性繊維又は前記伸縮性糸と組み合わせ
る他の繊維としては、ポリアミド繊維(ナイロン繊維)
及びポリエステル繊維が好ましい。
【0007】前記ポリウレタン系弾性繊維を構成するポ
リウレタンにおいては、高分子ポリオールとしての末端
に水酸基を有する飽和炭化水素系重合体はポリウレタン
中で20重量%以上使用することが望ましいが、他の高
分子ポリオールと併用して用いることもできる。又、末
端に水酸基を有する飽和炭化水素系重合体の平均分子量
は500〜8000であることが好ましい。更に、末端
に水酸基を有する飽和炭化水素系重合体の平均官能価は
1.5〜2.6であることが好ましい。
【0008】又、末端に水酸基を有する飽和炭化水素系
重合体としては、主骨格がポリイソブチレンである該重
合体、主骨格が水素添加ポリブタジエンである該重合
体、更に主骨格が水素添加ポリイソプレンである該重合
体を用いることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳細に説明
する。本発明で使用されるポリウレタン系弾性繊維を構
成するポリウレタンは、高分子ポリオール、有機ポリイ
ソシアナート及び鎖延長剤から合成される化合物であ
る。
【0010】本発明に使用される末端に水酸基を有する
飽和炭化水素系重合体の骨格をなす重合体は、(1)エ
チレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン等の炭
素数2〜6のオレフィン系化合物を主モノマーとして重
合させる、(2)ブタジエン、イソプレン等のジエン系
化合物を単独重合させたり、あるいは上記オレフィン系
化合物とジエン系化合物とを共重合させたりした後、水
素添加するなどの方法により得ることができる。
【0011】これらの方法により得られる重合体のう
ち、末端に官能基を導入しやすく、又、分子量を制御し
やすいという点から、イソブチレン系重合体や水素添加
ポリブタジエン系重合体又は水素添加ポリイソプレン系
重合体が本発明に使用される末端に水酸基を有する飽和
炭化水素系重合体の骨格をなす重合体として望ましい。
【0012】末端に水酸基を有する飽和炭化水素系重合
体の重合方法としては、(1)開始剤としてH22を用
いてカチオン重合することにより直接末端に水酸基を導
入する方法、(2)アニオン重合触媒を用いて末端にア
ルカリ金属が結合した構造のリビングポリマーを製造
し、次いでモノエポキシ化合物、ホルムアルデヒド等を
反応させるリビングアニオン重合方法、(3)リビング
カチオン重合後、末端にアルケニル基を導入し、更にハ
イドロボレーンョン法を用いて末端を水酸基化する方
法、(4)カチオン重合によって得られるハロゲン末端
炭化水素系重合体と、保護された水酸基および炭素−炭
素二重結合を有する化合物との反応により、末端に保護
された水酸基を導入後、加水分解等により末端を水酸基
化する方法等が知られている。本発明においては、後述
するように平均官能価を制御しやすい点から、前記
(3)の方法(以下「リビング重合法」という。)また
は(4)の方法で重合された重合体が好ましい。
【0013】このリビング重合法においてアルケニル基
を飽和炭化水素系重合体に導入する方法については、例
えば次の方法が挙げられる。即ち、開始剤兼連鎖移動剤
としてハロゲン原子を有し、該ハロゲン原子が結合する
炭素原子が芳香環炭素に結合している化合物及び/又は
該炭素原子が第3級炭素原子である化合物を使用し、か
つ触媒としてルイス酸を使用してイソブチレンを含有す
るカチオン重合性モノマーをカチオン重合させた後、ア
リルトリメチルシランを重合系に添加することによりア
リル基を末端に有するイソブチレン系重合体を得ること
ができる。又、他の方法としては、1,9−デカジエン
のような非共役ジエン類やp−ヘキセニルオキシスチレ
ンのようなアルケニルオキシスチレン類を重合系に添加
することによりアルケニル基を主鎖又は側鎖の末端に有
するイソブチレン系重合体の製造法を挙げることができ
る。
【0014】本発明において使用する開始剤兼連鎖移動
剤としては、例えば下記の一般式(1)で表されるもの
を挙げることが出来る。
【0015】
【化1】 〔式中、R1は芳香環基又は置換若しくは非置換の脂肪
族炭化水素基を示す。R2、R3は同一又は異なっていて
もよく、水素原子又は置換若しくは非置換の1価の炭化
水素基を示す。但し、R1が脂肪族炭化水素基の場合に
はR2、R3は同時に水素原子ではない。Xはハロゲン原
子、R4COO−基(R4は水素原子又は炭素数1〜5の
アルキル基を示す。)又はR5O−基(R5は水素原子又
は炭素数1〜5のアルキル基を示す。)を表す。nは1
以上8以下の整数である。〕
【0016】この一般式(1)で表される化合物として
は、例えば下記の一般式(2)で表される化合物が挙げ
られる。 AYn (2) 〔式中、Aは1〜4個の芳香環を有する基を示す。又、
Yは下記の一般式(3)で表される化合物である。nは
1以上8以下の整数である。〕
【0017】
【化2】 〔式中、R6、R7は同一又は異なって水素原子又は炭素
数1〜20の1価の炭化水素基を示す。Xはハロゲン原
子、R4COO−基(R4は水素原子又は炭素数1〜5の
アルキル基を示す。)又はR5O−基(R5は水素原子又
は炭素数1〜5のアルキル基を示す。)を表す。〕
【0018】一般式(2)で表される化合物における1
〜4個の芳香環を有する基であるAは、縮合反応により
形成されたものでもよく、非縮合系のものでも良い。こ
のような芳香環を有する基としては、例えば1〜6価の
フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、アントラセン
基、フェナンスレニル基、ピレニル基、Ph−(C
2p−Ph基(Phはフェニル基、pは1〜10の整
数である。)、等が挙げられ、これらの芳香環を有する
基は炭素数1〜20の直鎖及び/又は分枝の脂肪族炭化
水素基や、水酸基、エーテル基、ビニル基などの官能基
を有する基で置換されていても良い。
【0019】一般式(1)で表される他の化合物として
は、下記の一般式(4)で表される化合物も挙げられ
る。 BZm (4) 〔式中、Bは炭素数4〜40、好ましくは9〜20の置
換あるいは非置換の炭化水素基を示す。Zは第三級炭素
原子に結合したハロゲン原子、R8COO−基(R8は水
素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を示す。)又はR
9O−基(R9は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基
を示す。)を表す。mは1〜4の整数である。〕
【0020】一般式(4)で表される化合物としては、
例えばビニル基、シリル基などのような、Z以外の官能
基を有するものを使用することも出来る。
【0021】更に一般式(1)で表される化合物として
は、α−ハロスチレン単位を有するオリゴマー等も挙げ
られる。開始剤兼連鎖移動剤として用いることのできる
α−ハロスチレン単位を有するオリゴマーとしては、例
えばα−クロロスチレンのオリゴマーや、α−クロロス
チレンとこれと共重合し得る単量体とを共重合させたオ
リゴマー等が挙げられる。
【0022】一般式(1)で表される化合物はこれらに
限定されるものではない。又、これらの化合物は単独で
用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
【0023】本発明において、一般式(1)で表される
化合物のうち、ハロゲン原子、R4COO−基(R4は水
素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を示す。)又はR
5O−基(R5は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基
を示す。)を2個以上有するもの、又はハロゲン原子、
4COO−基又はR5O−基と他の反応性官能基とを有
する化合物を開始剤兼連鎖移動剤として用いると、生成
する重合体の官能化度を高く出来るので非常に有効であ
る。
【0024】通常、上記一般式(1)で表される具体的
な化合物としては、α−クロロスチレンのオリゴマー
や、下記に挙げられる化合物等を使用するが、これらに
限定されるものではない。
【0025】
【化3】 〔式中、Xはハロゲン原子、R4COO−基(R4は水素
原子又は炭素数1〜5のアルキル基を示す。)又はR5
O−基(R5は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基
を示す。)を表す。〕
【0026】
【化4】 〔式中、Xはハロゲン原子、R4COO−基(R4は水素
原子又は炭素数1〜5のアルキル基を示す。)又はR5
O−基(R5は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基
を示す。)を表す。〕
【0027】これらの化合物の中で好ましいものとして
は、下記の化合物が挙げられる。
【0028】
【化5】
【0029】
【化6】
【0030】又、下記のようなCH3COO−基含有化
合物も好ましい化合物として挙げられる。
【0031】
【化7】
【0032】
【化8】
【0033】更に、下記のようなCH3O−基含有化合
物も好ましい化合物として挙げられる。
【0034】
【化9】
【0035】これらの化合物は、開始剤として使用され
る成分であり、本発明においては、一種又は二種以上混
合して用いられる。又、これらの化合物の使用量を調節
することにより、得られるイソブチレン系重合体の数平
均分子量を任意に設定することができる。
【0036】本発明において、上記一般式(1)で表さ
れる化合物の使用量は、通常、イソブチレンを含有する
カチオン重合性モノマーの0.01〜20重量%の範囲
であり、好ましくは0.1〜10重量%の範囲である。
【0037】又、カチオン重合触媒成分として用いられ
るルイス酸は、一般式MXa(式中、Mは金属原子、X
はハロゲン原子であり、aは整数で金属原子の原子価で
ある)で表されるもの、例えばBCl3、AlCl3、S
nCl4、TiCl4、VCl 5、FeCl3、BF3等が
挙げられるが、これらに限定されるものではない。これ
らのルイス酸のうち、TiCl4、BCl3、SnC
4、BF3等が好ましく、特に好ましいものとしてTi
Cl4が挙げられる。上記ルイス酸の使用量は開始剤兼
連鎖移動剤のモル数に対して0.1〜10倍が好まし
く、更に好ましくは2〜5倍である。
【0038】上記方法により得られた末端にアルケニル
基が導入された飽和炭化水素系重合体を、ハイドロボレ
ーション等の公知の方法により末端に水酸基を導入する
ことができる。
【0039】又、重合体の分子量としては500〜30
000のものが用いられるが、数平均分子量が500〜
10000程度のものが好ましく、特に500〜800
0程度の流動性を有する粘稠な液体であるものが取扱い
やすさの点から好ましい。数平均分子量が500未満で
あると繊維の伸長性が低下し、逆に30000を越える
と、繊維の伸長回復性が劣るため好ましくない。
【0040】本発明において使用される末端に水酸基を
有する飽和炭化水素系重合体の平均官能価は1.5〜
2.6、好ましくは1.8〜2.3のものが良い。ここ
で「平均官能価」とは1分子当たりの活性水素原子の平
均数を意味する。このような活性水素原子は、ポリオー
ルの場合、水酸基と関連する。前記平均官能価が1.5
未満であると、ポリウレタン樹脂の重合度が低下し、繊
維の力学的特性が劣る傾向になる。又、逆に2.6を越
えるとポリウレタン樹脂重合時に架橋点が増加し、紡糸
の安定性が低下したり、ひいては繊維の力学的性質や生
産性が低下する傾向にあり好ましくない。
【0041】本発明では高分子ポリオールとして、上述
した末端に水酸基を有する飽和炭化水素系重合体と他の
高分子ポリオールを併用して用いることができる。但し
高分子ポリオールとして末端に水酸基を有する飽和炭化
水素系重合体をポリウレタン中で20重量%以上使用す
ることが好ましい。20重量%未満であると本発明の目
的である耐光性、耐熱水性が低下する傾向があり好まし
くない。
【0042】他の高分子ポリオールとしては、ジヒドロ
キシポリエステル類、ジヒドロキシポリカーボネート
類、ジヒドロキシポリエーテル類等が挙げられる。
【0043】ジヒドロキシポリエステル類としては、エ
チレングリコール、プロピレングリコール、1,6−ヘ
キサンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチ
ルグリコール類の少なくとも一種とコハク酸、グルタル
酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン
酸、β−メチルアジピン酸、イソフタル酸等のジカルボ
ン酸の少なくとも一種とを反応させて得られるものが挙
げられる。
【0044】ジヒドロキシポリカーボネート類として
は、ポリカプロラクトングリコール等が挙げられる。
【0045】ジヒドロキシポリエーテル類としてはポリ
テトラメチレングリコール、ポリエチレングリコール、
ポリプロピレングリコール等が挙げられる。
【0046】本発明において使用される有機ポリイソシ
アナートは、イソシアナート基を分子中に少なくとも2
個有する公知の脂肪族、芳香族、脂環式有機ポリイソシ
アナートである。例えば、有機ジイソシアナートとして
は、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート、p
−フェニレンジイソシアナート、トルイレンジイソシア
ナート、1,5−ナフチレンジイソシアナート、ヘキサ
メチレンジイソシアナート、キシリレンジイソシアナー
ト、イソホロンジイソシアナート、4,4’−ジシクロ
ヘキシルメタンジイソシアナート、トランスシクロヘキ
サン−1,4−ジイソシアナート、テトラメチルキシリ
レンジイソシアナート、水素添加キシリレンジイソシア
ナート、水素添加メチレンジフェニルジイソシアナート
等が挙げられる。
【0047】又、有機トリイソシアナートとしては、ト
リメチロールプロパン又はグリセリン1molに3mo
lのトリレンジイソシアナートが付加したもの等が挙げ
られる。
【0048】好ましい有機イソシアナートは分子量が2
00〜500のものであり、特に4,4’−ジフェニル
メタンジイソシアナートが好ましい。これらの有機ポリ
イソシアナートは単独で用いても良く、混合して用いて
も良い。
【0049】本発明において使用される鎖延長剤として
は、イソシアナート基と反応し得る水素原子を少なくと
も2個有する分子量400以下の低分子化合物、即ち多
価アルコール類、多価アミン類等が挙げられる。
【0050】多価アルコールとしては、エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオー
ル、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオ
ール、1,12−ドデカンジオール、エトキシル化ヒド
ロキノン、1,4−シクロヘキサンジオール、トリメチ
ロールプロパン、グリセリン、ソルビトール等が挙げら
れる。好ましい多価アルコールとしては分子量50〜2
50の脂肪族ジオールである。
【0051】多価アミン類としては、ヒドラジン、1,
2−ジアミノエタン、1,3−ジアミノプロパン、1,
4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,
6−ジアミノヘキサン、3,3’−ジクロロ−4,4’
−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフ
ェニルメタン等が挙げられる。これらの鎖延長剤は単独
で用いても良く、混合して用いても良い。
【0052】本発明で用いるポリウレタン系弾性繊維の
ポリウレタン系樹脂は公知の方法により製造することが
できる。例えば、高分子ポリオール、有機ポリイソシア
ナート、鎖延長剤及び他の添加剤を同時に混合し高温に
て反応させる、いわゆる「ワンショット」法が挙げられ
る。他の方法としては高分子ポリオールをまず有機ポリ
イソシアナートと反応させイソシアナート末端プレポリ
マーを合成し、続いてこのプレポリマーを鎖延長剤と反
応させる、いわゆる「プレポリマー」法が挙げられる。
更に、まず鎖延長剤を有機ポリイソシアナートと反応さ
せ、次いで得られた生成物を高分子ポリオールと反応さ
せるような上記方法の変法を用いることも可能である。
又、前記ポリウレタン系樹脂の製造においては触媒を必
要に応じて使用できる。
【0053】得られるポリウレタンの平均分子量は一般
的に5000〜500000、好ましくは10000〜
400000の範囲である。5000より小さいと力学
的特性に劣り、500000より大きいと、紡糸性に劣
る為である。
【0054】このようにして得られたポリウレタン樹脂
は、公知の乾式紡糸法、湿式紡糸法、溶融紡糸法により
繊維化してポリウレタン系弾性繊維を得ることができ
る。この中でも、溶融紡糸法が品質、製造コスト及び環
境の点から好ましい紡糸法である。又、樹脂製造、紡糸
工程の適当な段階において、通常ポリウレタンと共に用
いられる顔料、染料、充填剤、滑剤、安定剤、抗酸化
剤、難燃剤、帯電防止剤、表面処理剤等の添加剤を必要
に応じて使用できることは言うまでもない。
【0055】前記ポリウレタン系弾性繊維の断面形状に
は特に限定はないが、通常の場合は円形断面でよいし、
円形が2〜8個集合した断面でもよい。又、このポリウ
レタン系弾性繊維の繊度についても特に制限はないが、
通常は20〜140デニールの範囲である。
【0056】本発明の水着は、上記のようなポリウレタ
ン系弾性繊維を他の繊維と組み合わせた伸縮性布帛にて
製造される。布帛中のポリウレタン系弾性繊維の混率に
も特に制限はないが、通常は3〜20重量%の範囲内で
用いられる。ポリウレタン系弾性繊維と組み合わされる
他の繊維としては、ポリアミド繊維(ナイロン繊維)、
ポリエステル繊維、コットン繊維、アクリル繊維、羊
毛、更には混紡糸など、各種のものを用いることができ
るが、これらの中でも、ポリアミド繊維及びポリエステ
ル繊維が好ましい。ポリアミド繊維としては、ナイロン
6及びナイロン66が代表的である。ポリエステル繊維
としては、テレフタル酸とエチレングリコールの重縮合
により合成されるポリエチレンフタレートポリマーから
溶融紡糸により得られる通常のポリエステル繊維を用い
ることができ、ポリエステルの重合方法としてはエステ
ル交換法、直接重合法のいずれでもよい。又、テレフタ
ル酸と1,4−ブタンジオールからなるポリブチレンテ
レフタレート繊維を用いることもできる。
【0057】伸縮性布帛の製造方法としては、上記のよ
うなポリウレタン系弾性繊維をそのまま用い(ベアヤー
ン使い)、これをスパン糸又はフィラメント状の他の繊
維と交編又は交織してもよいし、又、ポリウレタン系弾
性繊維の外面をステープル状、スパン糸又はフィラメン
ト状の他の繊維で被覆した伸縮性糸を、スパン糸又はフ
ィラメント状の他の繊維と交編又は交織してもよいし、
更には前記伸縮性糸のみで編織してもよい。
【0058】前記ポリウレタン系弾性繊維の外面を他の
繊維で被覆した伸縮性糸としては、シングルカバードヤ
ーン、ダブルカバードヤーン、コアスパンヤーン、合撚
糸、更にはスパンヤーンとカバードヤーンとの組み合わ
せなど、各種態様で用いることができる。又、他の繊維
との交編、交織の方法としては、ツーウェイトリコッ
ト、パワーネットなどの経編、天竺などの丸編、更には
織物など、用途に応じて各種の手法を適宜採用して布帛
を製造することができる。
【0059】
【実施例】以下実施例にて本発明を具体的に説明する。
尚、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0060】[ポリウレタン弾性繊維の製造] 水酸基末端ポリイソブチレンの製造 1リットルの耐圧ガラス製オートクレーブ(重合容器)
に攪拌用羽根、三方コック及び真空ラインを取り付け
て、真空ラインで真空に引きながら重合容器を100℃
で1時間加熱することにより乾燥させ、室温まで冷却
後、三方コックを開いて重合容器内を窒素で常圧に戻し
た。次いで、三方コックの一方から窒素を流しながら、
注射器を用いて重合容器にモレキュラーシーブ処理によ
って乾燥させた塩化メチレン180ミリリットル及びn
−ヘキサン348ミリリットルを導入した。続いて、p
−ビス(α−クロロイソプロピル)ベンゼン(下記化合
物A)44.8mmolを溶解させた塩化メチレン10
ミリリットルの溶液を添加した。
【0061】
【化10】
【0062】次に、酸化バリウムを充填したカラムを通
過させることにより脱水したイソブチレン112.8g
を封入しているニードルバルブ付耐圧ガラス製液化ガス
採取管を三方コックに接続した後、重合容器本体を−7
0℃のドライアイス−アセトンバスに浸漬して、重合容
器内部を攪拌しながら1時間冷却した。冷却後、真空ラ
インにより内部を減圧した後、ニードルバルブを開い
て、イソブチレンを耐圧ガラス製液化ガス採取管から重
合容器に導入した。次いで、三方コックの一方から窒素
を流すことにより常圧に戻し、更に攪拌下に1時間冷却
を続けた後、重合容器を−70℃に保持した。
【0063】次にTiCl4の7.11g(37.5m
mol)を注射器を用いて三方コックから添加して重合
を開始させ、1時間経過した時点でアリルトリメチルシ
ラン12.27g(107.5mmol)を添加した。
更に8時間反応させた後、反応混合物を水に注ぎ込むこ
とにより触媒を失活させた。その後、有機層を純水によ
り3回洗浄した後、分液し、塩化メチレン、n−ヘキサ
ン及びアリルトリメチルシランを減圧留去することによ
り、末端に二重結合を有するイソブチレンポリマーを1
18g得た。
【0064】次に、この末端に二重結合を有するイソブ
チレンポリマー100gを21℃にて乾燥THF2リッ
トルに溶解した。アルゴン気流下、9−ボラビシクロ
〔3.3.1〕ノナン(以下「9−BBN」と略す。)
の0.5molTHF溶液400ミリリットル(9−B
BN量で20mmol)に、21℃で上記イソブチレン
ポリマーTHF溶液を37分で滴下した。反応液を25
℃に昇温し、同温度で5時間反応した。反応液に3N水
酸化ナトリウム水溶液266ミリリットルを滴下し、続
いて30%過酸化水素水80ミリリットルを滴下した。
反応液を25℃で14時間攪拌後、炭酸カリウム100
gを添加した。反応混合物を410gまで減圧濃縮し、
n−ヘキサン3リットルを加え溶解した。有機層を十分
に水洗した後、溶媒を減圧留去することにより、末端に
水酸基を有するイソブチレンポリマーを得た。
【0065】上記のようにして得られたポリマーの数平
均分子量Mn及び分子量分布(Mw/Mn:但しMwは
重量平均分子量)をGPC法により求めた。又、300
MHz1H−NMR分析により各構造に帰属するプロト
ン(開始剤由来のプロトン:6.5〜7.5ppm、ポ
リマーの末端由来のプロトン:3〜4ppm)の共鳴信
号の強度を測定、比較することにより末端構造(平均官
能価Fn:1分子当たりの水酸基の数)を求めた。その
結果、Mn=2450、Mw/Mn=1.48、Fn=
1.87であった。
【0066】ポリウレタン弾性繊維の製造 (製造例1)上記で得られたポリイソブチレンポリオー
ル100重量部に対し、4,4’−ジフェニルメタンジ
イソシアナート(以下「MDI」と略す。)21.2重
量部を攪拌機付き反応器に仕込み、80℃にて2時間反
応させ、末端にイソシアナートを有するプレポリマーを
得た。次に、このプレポリマー及び1,4−ブタンジオ
ール(以下「BD」と略す。)をそれぞれ80℃に加熱
し、定量ポンプにより重量比でプレポリマー/BD=1
21.2/3.76となるように2軸押出機(先端のノ
ズル温度200℃)に供給し、連続溶融重合を行い、生
成したポリウレタンをストランド状に水中に押出し、カ
ットしてペレット化した。このペレットを90℃にて2
4時間真空乾燥し、単軸押出機を有する溶融紡糸機を用
いて、紡糸温度200℃、紡糸速度100m/minで
40デニールのポリウレタン弾性繊維を得た。
【0067】(製造例2)ポリテトラメチレンエーテル
グリコール(分子量2000)100重量部に対し、M
DIの26重量部を攪拌機付き反応器に仕込み、80℃
にて2時間反応させ、末端にイソシアナートを有するプ
レポリマーを得た。次に、このプレポリマー及びBDを
それぞれ80℃に加熱し、定量ポンプにより重量比でプ
レポリマー/BD=126/4.7となるように2軸押
出機(先端のノズル温度200℃)に供給し、連続溶融
重合を行い、生成したポリウレタンをストランド状に水
中に押出し、カットしてペレット化した。このペレット
を90℃にて24時間真空乾燥し、単軸押出機を有する
溶融紡糸機を用いて、紡糸温度200℃、紡糸速度10
0m/minで40デニールのポリウレタン弾性繊維を
得た。
【0068】(実施例1)フロント糸に50d/13f
のナイロンフィラメントを用い、バック糸に製造例1で
得られた40dのポリウレタン弾性繊維を用いて、ツー
ウェイトリコットの代表的なハーフ組織である編地を製
編した。続いて熱水中でリラックス処理を行い、ピンテ
ンターで160℃、30秒の仕上げセットを行った。
【0069】(実施例2)フロント糸に50d/24f
のポリエステルフィラメントを用い、バック糸に製造例
1で得られた40dのポリウレタン弾性繊維を用いて、
ツーウェイトリコットの代表的なハーフ組織である編地
を製編した。続いて熱水中でリラックス処理を行い、ピ
ンテンターで160℃、30秒の仕上げセットを行っ
た。
【0070】(比較例2)フロント糸に50d/13f
のナイロンフィラメントを用い、バック糸に製造例2で
得られた40dのポリウレタン弾性繊維を用いて、ツー
ウェイトリコットの代表的なハーフ組織である編地を製
編した。続いて熱水中でリラックス処理を行い、ピンテ
ンターで160℃、30秒の仕上げセットを行った。
【0071】上記のような実施例1、2及び比較例1で
得られた生地について、以下に示す耐塩素性試験を行っ
た。 (耐塩素性試験)NaOCl 30ppmを含有し、水
温30℃、PH7.5の塩素水を調製し、水槽内で水を
攪拌して、流水状態を作り、生地を経て方向に40%伸
張した状態で浸漬し、6時間経過後の生地の応力をJI
S L−1096に従い測定した。
【0072】上記耐塩素性試験の結果、実施例1、実施
例2の生地は応力保持率がそれぞれ85%、88%であ
るのに対し、比較例1の生地では35%であった。
【0073】以上の実施例及び比較例から明らかなよう
に、ポリウレタン系弾性繊維として、末端に水酸基を有
する飽和炭化水素系重合体を用いたポリウレタンからな
るものを用いた伸縮性布帛から作製した本発明の水着
は、耐塩素性が非常に優れていることが判る。これに対
し、比較例から明らかなように、ポリエーテルポリオー
ルを用いたポリウレタンからなる従来のポリウレタン系
弾性繊維を用いた伸縮性布帛より作製される水着では、
耐塩素性が非常に劣ることが判る。
【0074】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、伸縮性
及び耐塩素性に優れた水着を提供することができる。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリウレタン系弾性繊維と他の繊維とか
    らなる伸縮性布帛で作製されてなり、前記ポリウレタン
    系弾性繊維が、高分子ポリオールとして末端に水酸基を
    有する飽和炭化水素系重合体を使用したポリウレタンか
    らなることを特徴とする水着。
  2. 【請求項2】 前記伸縮性布帛が、前記ポリウレタン系
    弾性繊維を3〜20重量%含むものである請求項1記載
    の水着。
  3. 【請求項3】 前記伸縮性布帛が、前記ポリウレタン系
    弾性繊維を、その外面を、ステープル状、スパン糸又は
    フィラメント状の他の繊維で被覆した伸縮性糸として用
    いてなるものである請求項1記載の水着。
  4. 【請求項4】 前記伸縮性布帛が、前記ポリウレタン系
    弾性繊維又は前記伸縮性糸と、スパン糸又はフィラメン
    ト状の他の繊維とを交編又は交織してなるものである請
    求項1又は3記載の水着。
  5. 【請求項5】 前記伸縮性布帛が、前記伸縮性糸のみを
    用いて編織してなるものである請求項3記載の水着。
  6. 【請求項6】 前記他の繊維がポリアミド繊維又はポリ
    エステル繊維である請求項1記載の水着。
  7. 【請求項7】 前記ポリウレタン系弾性繊維が末端に水
    酸基を有する飽和炭化水素系重合体を20重量%以上含
    有するポリウレタンからなる請求項1記載の水着。
  8. 【請求項8】 前記ポリウレタンにおける末端に水酸基
    を有する飽和炭化水素系重合体の平均分子量が500〜
    8000である請求項1記載の水着。
  9. 【請求項9】 前記ポリウレタンにおける末端に水酸基
    を有する飽和炭化水素系重合体の平均官能価が1.5〜
    2.6である請求項1記載の水着。
  10. 【請求項10】 前記ポリウレタンにおける末端に水酸
    基を有する飽和炭化水素系重合体の主骨格がポリイソブ
    チレンである請求項1記載の水着。
  11. 【請求項11】 前記ポリウレタンにおける末端に水酸
    基を有する飽和炭化水素系重合体の主骨格が水素添加ポ
    リブタジエンである請求項1記載の水着。
  12. 【請求項12】 前記ポリウレタンにおける末端に水酸
    基を有する飽和炭化水素系重合体の主骨格が水素添加ポ
    リイソプレンである請求項1〜4記載の水着。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009125438A1 (en) * 2008-04-10 2009-10-15 Tessitura Taiana Virgilio S.P.A. Fabric particularly for a swimsuit

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