JP2000300494A - 食器洗い乾燥機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 食器洗い乾燥機に給水する水中に含まれる金
属イオンをイオン交換により除去し、洗浄力低下や、す
すぎ終了後に食器表面への白い汚れの付着を防止しでき
る食器洗い乾燥機を提供することを目的としているもの
である。 【解決手段】 洗浄槽１に洗浄水やすすぎ水を供給する
給水装置８を備えて、給水装置８の経路又は循環経路に
イオン交換装置９を配置した食器洗浄機であり、イオン
を除去することにより、洗浄効率を向上させることがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、一般家庭用の食器
洗い乾燥機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の食器洗い乾燥機について、図５に
基づいて説明する。

【０００３】食器の洗浄を行う場合には、被洗浄物であ
る食器を洗浄槽２１の食器かご２２に収納し、洗剤を投
入して運転を開始する。運転が開始されると、まず洗浄
ポンプ２３が洗浄水を加圧する動作が安定するように、
所定量の洗浄水を洗浄槽２１に供給する給水工程が実行
される。続いて、洗浄ポンプ２３によって加圧され且つ
ヒータ２４によって加熱された洗浄水が洗剤と共に洗浄
ノズル２５の噴射口から噴射される本洗浄工程が行われ
る。洗浄水は洗浄ノズル２５の噴射口から鉛直方向また
は斜め上方向に噴射される。また洗浄ノズル２５はこの
噴射反力によって略水平に回転する。このように回転す
る洗浄ノズル２５から噴射された洗浄水の衝突力・洗剤
・熱等の作用によって、食器は洗浄されるものである。

【０００４】洗浄水が所定の温度に高まるとともに、所
定時間の本洗工程を経ると、次に食器等から洗い落とさ
れた汚れを含む洗浄水を排水ポンプ２６によって機外に
排出する排水工程に入る。引き続いて、新たに洗浄水を
供給する給水工程と、洗剤や残菜（食器に付着した汚れ
を残菜ともいう）で汚れた食器をすすぐために洗浄水を
洗浄ノズル２５から噴射するすすぎ工程と、前記排水工
程とが連続して数回繰り返されて、洗浄工程を終了す
る。特に、次工程の乾燥工程を短時間で行うために、最
終のすすぎ工程は、ヒータ２６によって洗浄水を加熱し
ながら行う加熱すすぎ工程となっている。なお、２７
は、洗浄ポンプ２３、ヒータ２４、排水ポンプ２６等を
制御する制御装置である。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上述の従来構成の食器
洗い乾燥機は、洗浄及びすすぎに使用される水に関し何
ら対応しておらずにそのまま使用しているのが現状であ
った。しかし、使用する水中には、地域によっては金属
イオン（特にＣａ、Ｍｇイオン）が多く含まれる水も多
く、これらの金属イオンが含まれた水で食器洗い乾燥機
を運転すると、洗剤が金属イオンと結合し、洗浄力を低
下させたり、すすぎ終了後に食器表面に炭酸カルシウム
等の白い汚れが残ったりするといったような課題を有し
ている。

【０００６】本発明は、以上のような従来の食器洗い乾
燥機が有している課題を解決するものである。特に、使
用する水の金属イオンを除去することを目的としている
ものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明の食器洗い乾燥機
は、洗浄槽に洗浄水やすすぎ水を供給する給水装置を備
えて、給水装置の経路にイオン交換装置を配置したもの
である。

【０００８】この発明により、食器洗い乾燥機い給水す
る水中に含まれる金属イオンをイオン交換により除去す
ることが出来、洗浄力の低下や、すすぎ終了後に食器表
面への白い汚れの付着を防止し、どのような地域でもき
れいに食器洗うことが出来る食器洗い乾燥機を提供する
ものである。

【０００９】

【発明の実施の形態】上記課題を解決するため本発明
は、被洗浄物を収納する食器かごを内装する洗浄槽と、
洗浄水を噴射する洗浄ノズルと洗浄水を加圧する洗浄ポ
ンプと、洗浄槽の開口部を閉じる蓋と、洗浄槽に洗浄水
を供給する給水装置とを備えて、給水装置経路にイオン
交換装置を配置したものである。

【００１０】また、洗浄槽に洗浄水を送る循環経路にイ
オン交換装置を配置したものもある。

【００１１】このような構成により、食器洗い乾燥機に
給水する水の中に含まれる金属イオンを給水時や洗浄ポ
ンプでの循環時にイオン交換装置を通過することにより
イオン交換により金属イオンを除去するものである。

【００１２】また、請求項４、５記載の発明は、洗浄槽
に給水する給水装置に切換装置を設け２経路とし、その
１方にイオン交換装置を配置したもの、洗浄槽に洗浄水
を送る循環経路に切換装置を設け２経路とし、その１方
にイオン交換装置を配置したものであり、各々経路の切
換により、給水、循環水の全ての水がイオン交換装置を
通過することを防止でき、必要以上にイオン交換を行っ
てイオン交換装置の寿命を早めることを防止するもので
ある。

【００１３】また、本発明の６，７記載の発明は、洗浄
工程時及び最終すすぎ工程時のどちらか一方又は両方で
の洗浄槽への給水はイオン交換装置を配置した経路側か
ら給水されるよう切換装置を動作させる構成及び、洗浄
工程時及び最終すすぎ工程時のどちらか一方又は両方で
の洗浄槽への洗浄水、すすぎ水の循環はイオン交換装置
を配置した経路側から給水されるよう切換装置を動作さ
せる構成により、洗浄力の低下を起こす洗浄工程と、食
器表面に炭酸カルシウム等の白い汚れが残る最終のすす
ぎ時のみイオン交換装置を通る構成とし、食器洗い乾燥
機の各工程で、金属イオンを除去する必要のある工程で
のみイオン交換装置を通し、イオン交換装置の寿命をの
ばす様にしたものである。

【００１４】

【実施例】以下、この発明の実施例について、図面を参
照しつつ説明する。

【００１５】（実施例１）図１において、１は洗浄槽、
２は食器、調理道具等の被洗浄物を収納する食器かご、
３は洗浄水を加圧する洗浄ポンプ、４は洗浄水を加熱す
るヒータ、５は洗浄水を噴射する噴射口を有する洗浄ノ
ズルであり、６は洗浄水を機外に排出する排水ポンプで
ある。７は洗浄ポンプ３やヒータ４等の運転を制御する
制御装置である。また、８は水道管等より水を洗浄槽１
内に給水するための給水弁で、洗浄槽１につながり、そ
の経路にイオン交換装置９を設けたものである。

【００１６】また、図２の様に、洗浄水を洗浄槽１の底
部１０より、洗浄ポンプ３で洗浄ノズル５送るための経
路中にイオン交換装置９を設けてもよい。

【００１７】洗浄工程の運転方法は、基本的に従来のも
のと同様であるので説明を省略する。図１に示す、実施
例では給水時に必ずイオン交換装置９を水が通過するた
め、洗浄槽１に入る水は、水中の金属イオンが完全に除
去されている。

【００１８】また、図２の構成では、洗浄ポンプ３の運
転時にイオン交換装置９を必ず通過するため、同様に、
水中の金属イオンが完全に除去される。

【００１９】（実施例２）本実施例は、基本構成が実施
例１と同様であり、基本構成についての説明は省略す
る。図３に示すよ給水弁８と、洗浄槽１の間の経路を切
換装置１１より２つに分岐し、その１方にイオン交換装
置９を設けている。

【００２０】また、図４では、洗浄水を洗浄槽１の底部
１０より、洗浄ポンプ３で洗浄ノズル５送るための経路
を切換装置１１より２つに分岐し、その１方にイオン交
換装置９を設けている。

【００２１】食器洗い乾燥機の工程には予洗、洗浄、す
すぎ、乾燥という様々な工程があり、全ての工程で水中
の金属イオンを除去する必要はない。そのため、図３，
４の構成のように、金属イオンの除去に必要な食器洗い
乾燥機洗浄工程時に切換装置１１が動作し、イオン交換
装置９側に経路が切り替わり、金属イオンを除去する。
また、それ以外の工程では、別の経路で水が流れ、イオ
ン交換装置を通過せず、イオン交換装置９の寿命をのば
すことが出来る。

【００２２】また、これらのイオン交換装置９を通過さ
せ、金属イオンを除去する必要のある食器洗い乾燥機の
工程は、洗浄時に洗剤の洗浄力を低下させないようにす
る洗浄工程時と最終的なすすぎの段階で食器に炭酸カル
シウム等の白点が付着しないようにする最終すすぎ工程
である。そして、これらの工程のどちらか１方又は両方
でイオン交換装置９を通過させるように切換装置１１を
動作させるものである。

【００２３】

【発明の効果】この発明は、以上のように構成されてい
るので、以下に記載されるような効果を有する。

【００２４】請求項１から３記載の発明によれば、洗浄
槽に洗浄水を供給する給水装置とを備えて、給水装置経
路にイオン交換装置を配置し、また、洗浄槽に洗浄水を
送る循環経路にイオン交換装置を配置したことにより、
食器洗い乾燥機に給水する水の中に含まれる金属イオン
を給水時や洗浄ポンプでの循環時にイオン交換装置を通
過させ、イオン交換により金属イオンを除去し、洗剤が
金属イオンと結合し、洗浄力を低下させたり、すすぎ終
了後に食器表面に炭酸カルシウム等の白い汚れが残った
りことを無くするという効果がある。

【００２５】また、請求項４、５記載の発明によれば、
洗浄槽に給水する給水装置に切換装置を設け２経路と
し、その１方にイオン交換装置を配置し、また、洗浄槽
に洗浄水を送る循環経路に切換装置を設け２経路とし、
その１方にイオン交換装置を配置したことにより、各々
の経路の切換により、給水、循環水の全ての水がイオン
交換装置を通過することを防止でき、必要以上にイオン
交換を行ってイオン交換装置の寿命を早めることを防止
するものである。

【００２６】また、請求項６、７記載の発明によれ
ば、、洗浄工程時及び最終すすぎ工程時のどちらか一方
又は両方での洗浄槽への給水はイオン交換装置を配置し
た経路側から給水されるよう切換装置を動作させる構成
及び、洗浄工程時及び最終すすぎ工程時のどちらか一方
又は両方での洗浄槽への洗浄水、すすぎ水の循環はイオ
ン交換装置を配置した経路側から給水されるよう切換装
置を動作させる構成により、洗浄力の低下を起こす洗浄
工程と、食器表面に炭酸カルシウム等の白い汚れが残る
最終のすすぎ時のみイオン交換装置を通る構成とし、食
器洗い乾燥機の各工程のうち、金属イオンを除去する必
要のある工程でのみでイオン交換装置を通するように
し、食器洗い乾燥機の洗浄性能を確保出来る最低限のイ
オン交換で済み、イオン交換装置の寿命を延ばす等の効
果がある。

【００２７】本発明により、どのような地域でもきれい
に食器を洗うことが出来る食器洗い乾燥機を提供できる
ものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例１における食器洗い乾燥機の要
部断面図

【図２】本発明の実施例１における他の食器洗い乾燥機
の要部断面図

【図３】本発明の実施例２における食器洗い乾燥機の要
部断面図

【図４】本発明の実施例２における他の食器洗い乾燥機
の要部断面図

【図５】従来の食器洗浄機の要部断面図

【符号の説明】

１ 洗浄槽 ３ 洗浄ポンプ ７ 制御装置 ８ 給水弁 ９ イオン交換装置 １１ 切換装置

フロントページの続き (72)発明者 乾 浩章 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 井上 隆幸 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Ｆターム(参考） 3B082 BD01 BD04

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 被洗浄物を収納する食器かごを内装する
   洗浄槽と、洗浄水を噴射する洗浄ノズルと洗浄水を加圧
   する洗浄ポンプと、洗浄槽の開口部を閉じる蓋と、洗浄
   槽に洗浄水を供給する給水装置とを備え、前記給水装置
   経路にイオン交換装置を配置した食器洗い乾燥機。
2. 【請求項２】 被洗浄物を収納する食器かごを内装する
   洗浄槽と、洗浄水を噴射する洗浄ノズルと洗浄水を加圧
   する洗浄ポンプと、洗浄槽の開口部を閉じる蓋と、洗浄
   槽に洗浄水を供給する給水装置とを備え、前記洗浄ポン
   プを介して洗浄槽に洗浄水を送る循環経路にイオン交換
   装置を配置した食器洗い乾燥機。
3. 【請求項３】 洗浄槽に洗浄ポンプを介して洗浄水を送
   る循環経路にイオン交換装置を配置した請求項１記載の
   食器洗い乾燥機。
4. 【請求項４】 洗浄槽に給水する給水装置に切換装置を
   設け２経路とし、その１方にイオン交換装置を配置した
   請求項１記載の食器洗い乾燥機。
5. 【請求項５】 洗浄槽に洗浄水を送る循環経路に切換装
   置を設け２経路とし、その１方にイオン交換装置を配置
   した請求項２記載の食器洗い乾燥機。
6. 【請求項６】 洗浄工程時及び最終すすぎ工程時のどち
   らか一方又は両方での洗浄槽への給水はイオン交換装置
   を配置した経路側から給水されるよう切換装置を動作さ
   せる構成の請求項３記載の食器洗い乾燥機。
7. 【請求項７】 洗浄工程時及び最終すすぎ工程時のどち
   らか一方又は両方での洗浄槽への洗浄水、すすぎ水の循
   環はイオン交換装置を配置した経路側から給水されるよ
   う切換装置を動作させる構成の請求項３記載の食器洗い
   乾燥機。