JP2000297232A - 湿気硬化性プライマー組成物およびその製造方法 - Google Patents

湿気硬化性プライマー組成物およびその製造方法

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JP2000297232A
JP2000297232A JP11106397A JP10639799A JP2000297232A JP 2000297232 A JP2000297232 A JP 2000297232A JP 11106397 A JP11106397 A JP 11106397A JP 10639799 A JP10639799 A JP 10639799A JP 2000297232 A JP2000297232 A JP 2000297232A
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Japan
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isocyanate
urethane prepolymer
terminated urethane
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JP11106397A
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English (en)
Inventor
Koji Abe
孝司 阿部
Hisashi Kawanabe
恒 川那部
Kaoru Ueno
薫 上野
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】多環式脂肪族ジイソシアネートと活性水素
化合物との反応によって得られるNCO含有率1.0〜
15.0重量%のイソシアネート末端ウレタンプレポリ
マーを含有する湿気硬化性プライマー用組成物。 【効果】反応硬化性,耐黄変性に優れる。又接着性、乾
燥性、貯蔵安定性にも優れる。本願は発明のプライマー
用組成物を用いると作業性に優れ黄変の面で外観上問題
の無い湿気硬化性プライマーが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は建材用塗膜防水材あ
るいは建築用、車両用等に用いられるシーリング材等の
下塗りとして使用される湿気硬化性プライマー組成物お
よびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、一般のシーリング材や塗膜防水材
は、用途、基材に応じて適切なプライマーを使用するこ
とによりシーリング材、防水材自体の特性を活かしたま
ま基材との接着力を高めたり、シーリング材の被着体へ
の汚染を防止したり、建築物の歪み等の外力に対抗しう
るようにすることができるようになる。すなわち、これ
らプライマーの使用によりシーリング材、防水材の特性
が活かされるわけであり、プライマーは重要な役割を担
っている。
【0003】このようなプライマーとしては、シランカ
ップリング剤の有機溶液及びこれにエポキシ樹脂、ポリ
エステル樹脂等を添加したものが主に用いられていた
が、近年ではポリイソシアネート成分を有する、例えば
芳香族系ポリイソシアネートを用いたポリウレタン樹
脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂、末端にアルコキシシラ
ンを有するポリウレタン樹脂を有機溶剤に溶解したもの
等が知られている。一般的な組成については、既に特開
昭57−21418号公報等で明らかにされており、種
々の類似したウレタン樹脂組成物からなるプライマーが
知られている。これらのポリウレタン樹脂からなるプラ
イマーは、ジフェニルメタンジイソシアネート(MD
I)、ポリメリックジフェニルメタンジイソシアネート
(クルードMDI)、トリレンジイソシアネート(TD
I)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラ
メチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)など
の芳香族ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネー
ト(IPDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(H
DI)、水素化キシリレンジイソシアネート(水添XD
I)、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート(水添
MDI)などの脂肪族ジイソシアネートと活性水素化合
物との反応によって得られる末端にイソシアネート基を
有するポリウレタンプレポリマーを主成分とするものが
主に使用されている。これらのプライマーとしては、被
着体および防水層、あるいはシーリング層との良好な接
着性、速やかに次工程に移るため、数十分から一時間程
度のタックフリータイムが必須の要件とされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記したプラ
イマー組成物において、ポリメリックジフェニルメタン
ジイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネートを用
いた場合、反応性、接着性は問題ないものの太陽光に暴
露されることにより徐々に酸化を受け黄変が生じ、とり
わけ施工部位の端部のはみ出し部分において外観上問題
となる。一方、脂肪族ジイソシアネートを用いた場合、
黄変し難くはなるものの反応性が極端に遅くなるという
問題がある。このように反応性、黄変性を満足するプラ
イマーはいまだ得られていない。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記のよ
うなプライマーの課題を解決するため、鋭意研究を重ね
た結果、多環式脂肪族ジイソシアネートと活性水素化合
物との反応によって得られるイソシアネート末端ウレタ
ンプレポリマーを用いることにより、これらの課題を解
決しうることを見いだし本発明を完成するに至った。す
なわち、本発明は、以下の(1)〜(3)を提供するも
のである。 (1) 多環式脂肪族ジイソシアネートと活性水素化合
物との反応によって得られるNCO含有率1.0〜1
5.0重量%のイソシアネート末端ウレタンプレポリマ
ーを含有することを特徴とする湿気硬化性プライマー用
組成物。 (2) 前記多環式脂肪族ジイソシアネートが以下の一
般式(I)[化2]で表されることを特徴とする(1)記載
の湿気硬化性プライマー用組成物。
【0006】
【化2】 (式中m,nはそれぞれ1〜5の整数を示す) (3) 多環式脂肪族ジイソシアネートと活性水素化合
物とを反応せしめてNCO含有率1.0〜15.0重量
%のイソシアネート末端ウレタンプレポリマーを製造す
る湿気硬化性プライマー用組成物の製造方法。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。 (多環式脂肪族ジイソシアネート)本発明において使用
する多環式脂肪族ジイソシアネートとは、例えば、2,
5(6)-ジイソシアネートメチルビシクロ[2,2,
1]ヘプタン、2-イソシアネートメチル-5(6)-イ
ソシアネートエチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン、
2,5(6)-ジイソシアネートエチルビシクロ[2,
2,1]ヘプタン、2,5(6)-ジイソシアネートプ
ロピルビシクロ[2,2,1]ヘプタン、2,5(6)
-ジイソシアネートブチルビシクロ[2,2,1]ヘプ
タン、2,5(6)-ジイソシアネートペンチルビシク
ロ[2,2,1]ヘプタン、5(6)-ジイソシアネー
トメチルビシクロ[2,2,2]オクタン、2-イソシ
アネートメチル-5(6)-イソシアネートエチルビシク
ロ[2,2,2]オクタン、2,5(6)-ジイソシア
ネートエチルビシクロ[2,2,2]オクタン、2,5
(6)-ジイソシアネートプロピルビシクロ[2,2,
2]オクタン、2,5(6)-ジイソシアネートブチル
ビシクロ[2,2,2]オクタン、2,5(6)-ジイ
ソシアネートペンチルビシクロ[2,2,1]オクタ
ン、
【0008】3(4),8(9)-ジイソシアネートメ
チルトリシクロ[5,2,1,02,6]デカン、3
(4)-イソシアネートメチル-8(9)-イソシアネー
トエチルトリシクロ[5,2,1,02,6]デカン、3
(4),8(9)-ジイソシアネートエチルトリシクロ
[5,2,1,02,6]デカン、3(4),8(9)-ジ
イソシアネートプロピルトリシクロ[5,2,1,0
2,6]デカン、3(4),8(9)-ジイソシアネートブ
チルトリシクロ[5,2,1,02,6]デカン、3
(4),8(9)-ジイソシアネートペンチルトリシク
ロ[5,2,1,02,6]デカン、3(4),7(8)-
ジイソシアネートメチルビシクロ[4,3,01,6]ノ
ナン、3(4)-イソシアネートメチル-7(8)-イソ
シアネートエチルビシクロ[4,3,01,6]ノナン、
3(4),7(8)-ジイソシアネートエチルビシクロ
[4,3,01,6]ノナン、3(4),7(8)-ジイソ
シアネートプロピルビシクロ[4,3,01,6]ノナ
ン、3(4),7(8)-ジイソシアネートブチルビシ
クロ[4,3,01,6]ノナン、3(4),7(8)-ジ
イソシアネートペンチルビシクロ[4,3,01,6]ノ
ナン等であり、これら単独またはこれらの混合物であ
る。これらの多環式脂肪族ジイソシアネートの中でも、
特に好ましくは一般式(I)で表される多環式脂肪族イ
ソシアネートであり、これら単独またはこれらの混合物
である。
【0009】(活性水素化合物)本発明で使用される活
性水素化合物とは、例えば、分子末端に2個以上の水酸
基を有する化合物で、エチレングリコール、ジエチレン
グリコール、プロピレングリコール、グリセリン、グル
コース、ソルビトール、シュークロース、トリメチロー
ルプロパン、ペンタエリスリトール等の多価アルコール
1種または2種以上にエチレンオキサイド、プロピレン
オキサイド、ブチレンオキサイド等の1種または2種以
上を付加重合して得られるポリエーテルポリオールおよ
びテトラヒドロフランを開環重合して得られるポリテト
ラメチレンエーテルグリコール等である。以上のほか、
エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジ
オール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、グリセ
リン、トリメチロールプロパン等あるいはその他の低分
子ポリオールの1種または2種以上とグルタル酸、アジ
ピン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ダ
イマー酸等あるいはその他の低分子ジカルボン酸やオリ
ゴマー酸の1種または2種以上との縮合重合およびカプ
ロラクトン等の開環重合して得られるポリエステルポリ
オール。ヒマシ油等の水酸基含有高級脂肪酸エステルも
使用できる。更にはポリカーボネートポリオール、1,
2−もしくは1,4-ポリブタジエンポリオールまたは
これらの水素添加物、アクリルポリオールおよび前記の
公知のポリエーテルポリオール乃至ポリエステルポリオ
ールにアクリロニトリル、スチレン、メチルメタクリレ
ート等のエチレン性不飽和化合物をグラフト重合させて
得たポリマーポリオール等も使用できる。これら前記活
性水素化合物は1種または2種以上を混合して使用でき
る。また、必要に応じ、例えば、エチレングリコール、
ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロ
ピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロ
ピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオー
ル、ヘキサンジオール、グリセリン、ソルビトール、シ
ュークロース、トリメチロールプロパン、ヘキサントリ
オール等の低分子多価アルコールを前記ポリオールに混
合して使用することもできる。
【0010】(イソシアネート末端ウレタンプレポリマ
ー)本発明において使用するイソシアネート末端ウレタ
ンプレポリマーとは多環式脂肪族ジイソシアネートと活
性水素化合物とをイソシアネート末端のウレタンプレポ
リマーのNCO含有率(以下、NCO%と記す)が1.
0〜15.0重量%になるように反応せしめたものであ
る。本発明のイソシアネート末端ウレタンプレポリマー
の製造方法は、前記多環式脂肪族ジイソシアネートと前
記活性水素化合物とを一括してブレンドまたはどちらか
一方を先に仕込み他方を後から添加して10〜120℃
にて1〜150時間反応させることにより製造される。
反応を速めるために公知の触媒を添加して反応させ製造
してもよい。イソシアネート末端ウレタンプレポリマー
のNCO%が1.0重量%以上であると、硬化物の硬度
の観点ですぐれ、また、15.0重量%以下であると硬
化時の発泡が抑制されたり、クラックの発生を防止する
ことができるので好ましい。即ち、イソシアネート末端
ウレタンプレポリマーのNCO%が1.0〜15.0重
量%の範囲内であるものがプライマー組成物用として好
ましく、NCO%が1.5〜15.0重量%の範囲がよ
り好ましい。
【0011】(湿気硬化性プライマー用組成物)本発明
において、湿気硬化性プライマー用組成物とは前記イソ
シアネート末端ウレタンプレポリマーを含有するもので
ある。本湿気硬化性プライマー用組成物はそのまま湿気
硬化性プライマーとしてそのまま用いてもよいことはい
うまでもない。本発明の湿気硬化性プライマー組成物の
製造方法は、イソシアネート末端ウレタンプレポリマー
のNCO%が1.0〜15.0重量%となるように、前
記多環式脂肪族ジイソシアネートと活性水素化合物とを
反応させることにより製造される。前記多環式脂肪族ジ
イソシアネートは以下の一般式(I)で表される多環式
脂肪族イソシアネートであることが好ましく、これらは
混合物で用いてもよい。多環式脂肪族ジイソシアネート
と活性水素化合物とを反応させる際に本願発明の主旨に
反しない限りその他のジイソシアネート化合物を併用し
てもよいことは言うまでもない。また、硬化性を速める
ために公知の反応促進触媒を添加し混合させて製造して
もよい。反応促進触媒としてはポリウレタンの硬化用触
媒として一般に使用されている触媒があり、例えば、オ
クチル酸錫、ナフテン酸錫、ジブチル錫ジラウレート、
オクチル酸亜鉛等の錫、亜鉛、鉛、ビスマス、コバル
ト、マンガン、鉄等の有機金属塩類またはトリエチルア
ミン、トリエチレンジアミン、N,N-ジメチルシクロ
ヘキシルアミン、1,8-ジアザビシクロ[5,4,
0]ウンデセンー7、N,N,N’,N’-テトラメチ
ルエチレンジアミン、ジエチルベンジルアミン等の3級
アミン類があげられる。添加量としては、配合物中0.
01〜3重量%の範囲で使用する。
【0012】更に、塗装性に適した粘度と乾燥性を得る
ために溶剤等で適度に希釈して調製することが望まし
い。塗装性に適した粘度とは、1000mPa・s(2
0℃)以下が好ましく、希釈はプレポリマー分として1
〜70重量%、好ましくは5〜60重量%の範囲が適切
である。希釈剤として用いる溶剤は、例えば、トルエ
ン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン、酢酸エチル、ノルマルヘキサン、セロソルブア
セテート等のイソシアネートとは反応しないものであ
り、これら1種または2種以上混合して使用してもよ
い。また、当然のことながら多環式脂肪族ジイソシアネ
ートと活性水素化合物とを反応させてイソシアネート末
端プレポリマーを製造する際に、予め多環式脂肪族ジイ
ソシアネートまたは活性水素化合物を前記希釈剤等で希
釈して調製することも可能である。本発明の湿気硬化性
プライマー組成物は、例えば、建材用塗膜防水材、建築
用あるいは車両用等の一液シーリング材用のプライマー
として有用に用いられる。
【0013】(湿気硬化性プライマーの添加剤)本発明
の湿気硬化性プライマー組成物は湿気硬化性プライマー
の使用目的に応じて接着性向上助剤、チクソ性付与剤、
充填剤、可塑剤、その他の助剤を添加して使用すること
も可能である。接着性向上助剤としては、アミノアルコ
キシシラン、メルカプトアルコキシシラン、ビニルアル
コキシシラン、エポキシアルコキシシラン等のシラン系
カップリング剤およびチタン系、アルミ系カップリング
剤等があり、配合物中0.5〜30重量%の範囲で使用
する。チクソ性付与剤としては、例えば、コロイダルシ
リカ、脂肪酸アミドワックス、ステアリン酸アルミニウ
ム、表面処理ベントナイト、ポリエチレン短繊維、フェ
ノール樹脂短繊維等があり、配合物中3〜10重量%の
範囲で使用する。充填剤としては、例えば、炭酸カルシ
ウム、酸化チタン、酸化カルシウム、タルク、クレー、
硫酸アルミニウム、カオリン、ゼオライト、珪藻土、カ
ーボンブラック、塩化ビニルペーストレジン、ガラスバ
ルーン、フェノール樹脂バルーン、塩化ビニリデン樹脂
バルーン等があり、配合中5〜50重量%の範囲で使用
する。
【0014】可塑剤としては、例えば、ジオクチルフタ
レート(DOP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジ
ラウリルフタレート(DLP)、ブチルベンジルフタレ
ート(BBP)、ジオクチルアジペート(DOA)、ジ
イソデシルアジペート(DIDA)、ジイソノニルアジ
ペート(DINA)、トリオクチルホスフェート(TO
P)等およびポリエステル、ウレタン化ポリエーテル等
のオリゴマー可塑剤があり、配合物中1〜50重量%の
範囲で使用する。前記各成分の他に安定剤、着色剤(顔
料、染料等)、消泡剤、粘度調整剤等を必要に応じて使
用しても良い。前記のような接着性向上助剤、チクソ性
付与剤、充填剤、可塑剤、その他の助剤等必要な添加物
を配合して湿気硬化性プライマー組成物を製造する方法
は、特に制限はなく、単に混合したり、その他の公知の
方法で、例えば、接着性向上助剤、チクソ性付与剤、充
填剤、可塑剤、その他の助剤等必要な添加物をプラネタ
リミキサーまたはディゾルバーなどの混合機を用いて攪
拌混合した後、前記イソシアネート末端ウレタンプレポ
リマーを加えて充分混合することもできる。この場合、
注意すべき点としては、各種添加物の水分含有率が高い
時は、予め脱水を施すか、またはゼオライト等の脱水剤
を添加するのが適当である。このようにして得られた湿
気硬化性プライマー組成物は窒素雰囲気中にて密閉缶に
詰めて貯蔵する。
【0015】
【実施例】以下に実施例と比較例を挙げて本発明を説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。また本発明では特に断らない限り「%」等は重量
基準を示す。 〈試験方法〉引張強度、破断伸度は、硬化性組成物を2
3℃、相対湿度50%(以後50%RHと表記する)中
で7日間硬化させた厚さ0.1mmのフィルムをJIS
K-6301により測定し、引張強度、破断伸度を求め
た。硬化性は硬化性組成物が指触にて23℃、50%R
H中でタックフリーとなるまでの時間を調べた。これら
の湿気硬化性組成物を硬化させた試料をサンシャインウ
ェザオメーターに20時間照射して黄変性を観察した。
【0016】接着性試験は湿気硬化性プライマー組成物
をモルタル板に刷毛で塗布し、23℃、50%RHにて
1時間放置乾燥させた後、ウレタン系塗膜防水材サンシ
ラールC(三井化学(株)製)を塗布し、23℃、50
%RHで7日間養生した後、被着体に対する接着性を調
べた。さらに、アルミ基材を用いてウレタン系シーリン
グ材との接着性を調べた。サンプル作成条件は、湿気硬
化性プライマー組成物をアルミ板に刷毛で塗布し、23
℃、50%RHにて1時間放置乾燥させた後、ウレタン
系シーリング材を塗布し、23℃、50%RHで7日間
養生して試験片とし、接着性を調べた。
【0017】(実施例1)1リットルのセパラブルフラ
スコに窒素フローしながら307.0gのDiol-7
00(平均分子量700のポリオキシプロピレンジオー
ル、三井化学(株)製)、91.3gのトリメチロール
プロパンおよび0.6gのジブチル錫ジラウレートを仕
込み、60℃に昇温してトリメチロールプロパンを完全
に溶解させた。ここに601.1gの2,5(6)-ジ
イソシアネートメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン
(別名:ノルボルナンジイソシアネートメチル(以下N
BDIと略す)コスモネートNBDI三井化学(株)
製)を徐々に加え、80℃に加熱、撹拌しながら10時
間反応することにより反応を完結させ、NCO%=1
2.2%のイソシアネート末端ウレタンプレポリマー
(P−1)を得た。1リットルのセパラブルフラスコに
窒素フローしながらウレタンプレポリマー(P−1)3
50g、酢酸エチル650gを加え、常温、常圧下で3
0分撹拌混合し、本発明の湿気硬化性プライマー組成物
(PR−1)(NCO%=4.2%)を得た。その結
果、PR−1は表−1に示すように、良好な乾燥性を示
し、引張強度、伸び等の機械物性、上塗り層との接着性
にも優れていた。さらにはサンシャインウェザオメータ
ー20時間照射後においても黄変は見られなかった。ま
た、PR−1は23℃で6か月間貯蔵後に於いても増粘
やNCO%の低下は認められず、良好な貯蔵安定性を示
した。
【0018】(実施例2)1リットルのセパラブルフラ
スコに窒素フローしながら593.0gのテラタン10
00(平均分子量1000のポリテトラメチレンエーテ
ルグリコール、デュポン(株)製)、51.7gのMN
-300(平均分子量300のポリオキシプロピレント
リオール、三井化学(株)製)および0.6gのジブチ
ル錫ジラウレートを仕込み、ここに354.4gのNB
DIを徐々に加え、80℃に加熱、撹拌しながら10時
間反応することにより反応を完結させ、NCO%=7.
2%のイソシアネート末端ウレタンプレポリマー(P−
2)を得た。実施例1においてウレタンプレポリマーを
P−2とした以外は同様にして、本発明の湿気硬化性プ
ライマー組成物(PR−2)(NCO%=2.5%)を
得た。その結果、PR−2は表−1に示すように、良好
な乾燥性を示し、引張強度、伸び等の機械物性、上塗り
層との接着性にも優れていた。さらにはサンシャインウ
ェザオメーター20時間照射後においても黄変は見られ
なかった。また、PR−2は23℃で6か月間貯蔵後に
於いても増粘やNCO%の低下は認められず、良好な貯
蔵安定性を示した。
【0019】(実施例3)実施例2において、テラタン
1000を626.3g、MN−300を54.7g、
NBDIを318.4gとしてNCO%=5.3%のイ
ソシアネート末端ウレタンプレポリマー(P−3)を得
た。実施例1においてウレタンプレポリマーをP−3と
した以外は同様にして、本発明の湿気硬化性プライマー
組成物(PR−3)(NCO%=1.8%)を得た。そ
の結果、PR−3は表−1に示すように、良好な乾燥性
を示し、引張強度、伸び等の機械物性、上塗り層との接
着性にも優れていた。さらにはサンシャインウェザオメ
ーター20時間照射後においても黄変は見られなかっ
た。また、PR−3は23℃で6か月間貯蔵後に於いて
も増粘やNCO%の低下は認められず、良好な貯蔵安定
性を示した。
【0020】(実施例4)実施例3のプライマー(PR
−3)を用い、ウレタン系シーリング材を用いて接着性
を調べた例である。剥離状態はシーリング材の凝集破壊
であり、良好な接着性を示した。
【0021】(比較例1)1リットルのセパラブルフラ
スコに窒素フローしながら285.6gのDiol−7
00、84.9gのトリメチロールプロパンおよび0.
6gのジブチル錫ジラウレートを仕込み、60℃に昇温
してトリメチロールプロパンを完全に溶解させた。ここ
に628.9gのIPDI(ヒュルスジャパン(株)
製)を徐々に加え、80℃に加熱、撹拌しながら10時
間反応することにより反応を完結させ、NCO%=1
2.2%のイソシアネート末端ウレタンプレポリマー
(P−4)を得た。実施例1においてウレタンプレポリ
マーをP−4とした以外は実施例1と同様にして、湿気
硬化性ポリウレタン組成物(PR−4)(NCO%=
4.2%)を得た。この湿気硬化性ポリウレタン組成物
(PR−4)は表−1に示すように、硬化性が極端に低
いものであった。また、接着性も実施例に比較して劣る
ものであった。
【0022】(比較例2)1リットルのセパラブルフラ
スコに窒素フローしながら296.4gのDiol-7
00および197.5gのMN−300を仕込み、ここ
に506.1gのコスモネートT−80(2,4体含有
量/2,6体含有量80/20のトリレンジイソシアネ
ート、三井化学(株)製)を徐々に加え、80℃に加
熱、撹拌しながら5時間反応することにより反応を完結
させ、NCO%=12.2%のイソシアネート末端ウレ
タンプレポリマー(P−5)を得た。実施例1において
ウレタンプレポリマーをP−5とした以外は実施例1と
同様にして、湿気硬化性ポリウレタン組成物(PR−
5)(NCO%=4.2%)を得た。この湿気硬化性ポ
リウレタン組成物(PR−5)は表−1に示すように、
硬化性、接着性等は良好であったが、サンシャインウェ
ザオメーター20時間照射後において黄変が認められ
た。
【0023】(比較例3)比較例1のプライマー(PR
−4)を用い、ウレタン系シーリング材を用いて接着性
を調べた例である。剥離状態はシーリング材の界面剥離
であり、実施例4の結果と比べて接着性に劣る結果とな
った。
【0024】
【表1】
【0025】
【発明の効果】本発明のプライマー用組成物は多環式脂
肪族ジイソシアネートからなるイソシアネート末端ウレ
タンプレポリマーを含有しており、一般の脂肪族イソシ
アネートからなるウレタンプレポリマーと比較して反応
硬化性,耐黄変性に優れる。又接着性、乾燥性、貯蔵安
定性にも優れる。本願は発明のプライマー用組成物を用
いると作業性に優れ黄変の面で外観上問題の無い湿気硬
化性プライマーが得られる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4H017 AA04 AB03 AC01 AC05 AC16 AE03 AE05 4J038 DG051 DG111 DG121 DG131 DG191 DG221 DG271 DG291 GA11 LA02 NA03 NA12 NA24 NA26 PA14 PA20 4J040 MA06 PA13

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多環式脂肪族ジイソシアネートと活性水素
    化合物との反応によって得られるNCO含有率1.0〜
    15.0重量%のイソシアネート末端ウレタンプレポリ
    マーを含有することを特徴とする湿気硬化性プライマー
    用組成物。
  2. 【請求項2】前記多環式脂肪族ジイソシアネートが以下
    の一般式(I)[化1]で表されることを特徴とする請求
    項1記載の湿気硬化性プライマー用組成物。 【化1】 (式中m、nはそれぞれ1〜5の整数を示す。)
  3. 【請求項3】多環式脂肪族ジイソシアネートと活性水素
    化合物とを反応せしめてNCO含有率1.0〜15.0
    重量%のイソシアネート末端ウレタンプレポリマーを製
    造することを特徴とする湿気硬化性プライマー用組成物
    の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20020050320A (ko) * 2000-12-21 2002-06-27 이계안 자동차 이음부용 밀봉제 조성물
JP2006037037A (ja) * 2004-07-30 2006-02-09 Toyo Ink Mfg Co Ltd 接着剤組成物
JP2006037038A (ja) * 2004-07-30 2006-02-09 Toyo Ink Mfg Co Ltd 接着剤組成物
JP2010195850A (ja) * 2009-02-23 2010-09-09 Sunstar Engineering Inc 退色性プライマー組成物

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