JP2000292401A - ガス測定装置、ガス警報装置及びガス測定方法 - Google Patents

ガス測定装置、ガス警報装置及びガス測定方法

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JP2000292401A
JP2000292401A JP11096184A JP9618499A JP2000292401A JP 2000292401 A JP2000292401 A JP 2000292401A JP 11096184 A JP11096184 A JP 11096184A JP 9618499 A JP9618499 A JP 9618499A JP 2000292401 A JP2000292401 A JP 2000292401A
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gas
voltage
semiconductor
heater
component
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JP11096184A
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Junichi Koizumi
淳一 小泉
Hiroshi Tanimoto
広志 谷本
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MOTOSAN ENGINEERING CORP
MOTOSAN ENGINEERING KK
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MOTOSAN ENGINEERING CORP
MOTOSAN ENGINEERING KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 混合ガス中の微量成分ガスを検出することが
できるガス測定装置及びガス測定方法を提供する。 【解決手段】 正弦波電圧発生器16とノイズ発生器1
8とにより正弦波電圧とランダム電圧とを重ね合わせた
電圧をヒータ12Bに印加し、n型半導体18の導電率
を電圧として検出抵抗Rで検出し、マイコン20で混
合ガス中の成分ガス濃度を演算する。n型半導体12A
の表面のランダムな変化により一時的に検出限界を越え
る微弱出力電圧を検出抵抗Rで検出できるので、混合
ガス中の微量成分ガスの濃度を測定することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガス測定装置及び
ガス測定方法に係り、特に混合ガス中の成分ガス濃度を
測定するガス測定装置及び該ガス測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体ガスセンサ等の感ガス素子
を使用して混合ガス中の成分ガスのガス種や濃度を検出
するガス検出装置の開発がなされている。このようなガ
ス検出装置の感ガス素子としては、価格や安定性等の面
からn型酸化物半導体(SnO 、ZnO等)が多く用
いられている。通常、n型酸化物半導体センサはヒータ
等の加熱素子で200°C〜400°Cに加熱されて、
メタンやCO等の還元性ガスを検出する。大気中で酸素
はn型酸化物半導体表面に負イオン吸着しており、還元
性ガスが存在するとn型酸化物半導体表面で還元性ガス
による酸化反応が起こる。このとき、吸着酸素に捕捉さ
れていた電子が半導体へ移行しn型酸化物半導体に導電
率の変化が生じ、この導電率の変化を検出することによ
り還元性ガスの存在や濃度を検出することができる。
【0003】半導体ガスセンサでは、n型酸化物半導体
のみによる還元性ガス検出ではガス感度や選択性が不充
分であるので、白金(Pt)、パラジウム(Pd)等の
触媒をn型酸化物半導体中へ添加し、又はn型酸化物半
導体表面に担持触媒層を形成して検出対象ガスに対する
ガス感度及び選択性を向上させている。例えば、都市ガ
スやプロパンガスの検知に使用される半導体ガスセンサ
では主にパラジウムが添加されている。触媒活性は温度
域により異なるので、半導体ガスセンサの作動温度に適
合した触媒が選定される。
【0004】このような半導体ガスセンサを用いて混合
ガス中の成分ガス濃度を測定する技術としては、例え
ば、特開平第9−72871号公報に記載された混合ガ
ス測定方法がある。この混合ガス測定方法では、ガスセ
ンサ内蔵ヒータに正弦波等の周期的な電流を通電し、半
導体センサからの出力電圧を検出している(図1(A)
参照)。この時系列に変化する出力電圧の波形には、ヒ
ータ印加周波数成分である第1成分、それぞれの混合ガ
ス中のガス構成に特徴的な周波数成分である第2成分及
び第3成分等があり(図1(B)参照)、これらの波形
を周波数空間で解析するためにフーリエ変換して各成分
のパワースペクトルを検出し(図1(C)参照)、ニュ
ーラルネットワークを利用してガス濃度を推定してい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
第9−72871号公報に開示された技術では、センサ
からの出力電圧を構成する成分のうち、図1(B)に示
した第4成分のように強度の低い周波数成分中にも、混
合ガス中の微量成分ガスや半導体ガスセンサが特異的な
選択性を示さないガスに関する重要な情報が含まれてい
るが、強度が検出限界以下であったり、電気回路のノイ
ズに埋もれてしまいこれまで検出が不可能であった。
【0006】本発明は上記課題を解決するために、混合
ガス中の微量成分ガスを検出することができるガス測定
装置及びガス測定方法を提供することを目的とする。
【0007】また、本発明の他の目的は、空気中に含ま
れる特定微量ガスに対するガス警報装置を提供すること
である。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の第1の態様は、混合ガス中の成分ガス濃度
を測定するガス測定装置において、所定周波数の正弦波
電圧が印加されるヒータと、該ヒータにより前記成分ガ
スの吸脱着、酸化反応が起す電荷授受により導電率が変
化する半導体と、を有する半導体ガスセンサと、前記半
導体の導電率を電圧として検出する検出手段と、前記混
合ガス中の微量成分ガスが前記検出手段で検出されるよ
うに、前記ヒータ及び前記半導体の少なくとも一方に印
加されるノイズを発生させるノイズ発生手段と、前記検
出手段により検出された電圧に基づいて、前記混合ガス
中の成分ガス濃度を演算する演算手段と、を備えてい
る。
【0009】本発明では、半導体ガスセンサのヒータに
所定周波数の正弦波電圧が印加され、半導体ガスセンサ
の半導体は該ヒータにより成分ガスの吸脱着、酸化反応
が起す電荷授受により導電率が変化する。請求項2及び
請求項3にも記載したように、ノイズ発生手段により混
合ガス中の微量成分ガスが検出手段で検出されるよう
に、ヒータ及び半導体の少なくとも一方にノイズが印加
される。検出手段により混合ガス中の微量成分ガスが電
圧として検出され、演算手段により検出手段で検出され
た電圧に基づいて、混合ガス中の成分ガス濃度が演算さ
れる。本発明によれば、ノイズ発生手段により混合ガス
中の微量成分ガスが検出手段で検出されるように、ヒー
タ及び半導体の少なくとも一方にノイズが印加されるの
で、混合ガス中の微量成分ガスの濃度を測定することが
できる。
【0010】この場合において、ノイズ発生手段が発生
させるノイズをカオス性を有するようにすれば、カオス
性を有するノイズには周期性がないので、演算手段で混
合ガス中の成分ガス濃度を演算する際に、周期性を持つ
ノイズ成分を混合ガス中の微量成分ガスと誤認すること
を防止することができる。また、検出手段により検出さ
れる電圧のS/N比が最大となるようにノイズ発生手段
で発生させるノイズの電圧を決定すれば、微量成分ガス
が適切に検出される。更に、演算手段による演算では、
検出手段で検出された電圧をフーリエ変換して混合ガス
中の成分ガスの特徴を表す極座標データを演算し、該演
算された極座標データに基づいて混合ガス中の成分ガス
濃度を求めるようにしてもよい。このとき、極座標デー
タのうち、極座標の原点から最も離れた極座標データを
ヒータへの印加周波数成分として廃棄するようにすれ
ば、桁違いに大きな成分が除外されるので、微弱な成分
同士の関係が明確になる。
【0011】また、本発明の第2の態様は、ガス警報装
置であって、請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記
載のガス測定装置を備えている。本発明によれば、混合
ガス中の微量成分ガスの濃度を測定することができるガ
ス測定装置を備えたので、微量成分ガスについてのガス
警報を行うことができる。
【0012】そして、本発明の第3の態様は、混合ガス
中の成分ガス濃度を測定するガス測定方法であって、ヒ
ータに所定周波数の正弦波電圧を印加し、前記混合ガス
中の微量成分ガスが検出可能なように、前記ヒータ及び
半導体の少なくとも一方にノイズを加え、前記ヒータで
前記成分ガスの吸脱着、酸化反応が起す電荷授受により
導電率が変化する半導体の導電率を電圧として検出し、
前記検出された電圧に基づいて、前記混合ガス中の成分
ガス濃度を演算する、ステップを含む。
【0013】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)以下、図面を参
照して本発明をガス測定装置に適用した第1の実施の形
態について説明する。
【0014】図2に示すように、本実施形態のガス測定
装置10は混合ガス中の成分ガスのガス種や濃度を検出
するための半導体ガスセンサ12を備えている。
【0015】図3に示すように、この半導体ガスセンサ
12はアルミナセラミックチューブ12Fの周部に酸化
スズ(SnO)の微粒子を焼結した円筒状の半導体と
してのn型酸化物半導体(以下、n型半導体という。)
12Aを有している。アルミナセラミックチューブ12
Fは中空とされており、アルミナセラミックチューブ1
2F内にヒータとしてのヒータコイル12Bが挿入され
ている。n型半導体12Aの両端にはそれぞれ2個の図
示しない電極が印刷されており、これらの図示しない電
極にリードの一端が接合されている。電極リードの他端
及びヒータコイル12Bのリードの両端は円柱状の樹脂
成形ベース12Dの上面周縁部に印刷されたパッドにワ
イヤボンディングされている。
【0016】樹脂成形ベース12Dの上部には樹脂成形
ベース12Dと同外径で円筒状の樹脂成形筒12Gが樹
脂成形ベース12Dに接着されており、n型半導体12
Aは樹脂成形ベース12Dの上面に接触しないように樹
脂成形筒12Gの中央部に配置されている。樹脂成形ベ
ース12D及び樹脂成形筒12Gの外周部には筒状の樹
脂カバー12Eの内周が接着されており、樹脂カバー1
2Eの上部には図示しないステンレス製のメッシュがは
め込まれた開口が形成されている。また、樹脂成形ベー
ス12Dの各パッドからはピン12Cが下方向へ立設さ
れている。
【0017】図2に示すように、n型半導体12Aの一
端は半導体ガスセンサ12からの出力電圧VRLを取り
出すための検出手段としての検出抵抗Rに接続されて
おり、検出抵抗Rの他端は直流電源Vのマイナス端
子に接続されている。一方、n型半導体12Aの他端は
直流電源Vのプラス端子に接続されている。従って、
半導体ガスセンサ12は、直流電源V、n型半導体1
2A及び検出抵抗Rでガス種や濃度を検出するための
直流回路の一部を構成している。
【0018】なお、本実施形態では、半導体ガスセンサ
12にフィガロ技研株式会社製の商品名TGS813タ
イプを使用した。TGS813タイプは図3にも示した
ようにn型半導体12Aの両端からそれぞれ2本のピン
12Cが延出されているので、これら2本のピン12C
を共通に接続してn型半導体12Aの両端とすると共
に、TGS813タイプは低電圧でも駆動するので、直
流電源Vcの電圧として9Vを使用した。
【0019】また、ガス測定装置10は、一定周波数の
正弦波電圧を発生させる正弦波電圧発生器16と、ラン
ダムな電圧を発生させるノイズ発生手段としてのノイズ
発生器18と、を備えている。正弦波電圧発生器16は
印加された一定の直流電圧を正弦波電圧に変換するもの
であり、正弦波電圧の周波数を所望の正弦波周波数Fに
変更することが可能である。本実施形態では、正弦波電
圧発生器16に9Vの直流電圧を印加し、20mHzの
正弦波電圧を発生させた。また、ノイズ発生器18は非
線形関数f(X)を含む次式1のような簡単な差分方
程式に基づいて、パラメータa及び初期値X,Y
適正に定めることにより時系列的にカオス性を有するラ
ンダム電圧を生成することができる。
【0020】
【数1】
【0021】このXとf(X)との関係を、横軸に
、縦軸にf(X)をとって模式的に表せば図4に
示すようになる。なお、ノイズ発生器18は、図示しな
い直流電源、カオスモジュール、抵抗及び外部からのパ
ラメータa等の命令信号を受信する制御回路を含んで構
成されており、本実施形態では図示しないカオスモジュ
ールに新日本無線株式会社製の商品名NJH1101を
使用した。
【0022】これら正弦波電圧発生器16及びノイズ発
生器18で発生させた正弦波電圧及びランダム電圧は、
図2の結合点14に示すように、重ね合わされてヒータ
コイル12Bに印加される。この印加電圧によりヒータ
コイル12Bは加熱され、n型半導体12Aの円筒表面
温度は200°C以上に達する。
【0023】ここで、半導体ガスセンサ12の作動原理
を概説すれば、半導体ガスセンサ12はn型半導体12
A表面への化学吸着現象に依存していることから、n型
半導体12A表面でのガス吸脱着速度を高めるためにヒ
ータコイル12Bで加熱される。n型半導体12Aを流
れる電流は酸化スズの微粒子の接合部を通って流れ、半
導体ガスセンサ12が清浄な大気中にあるときは、n型
半導体12A表面への酸素の吸着により粒子界面のポテ
ンシャル障壁が高くなり電子の移動を妨げるので、n型
半導体12Aは高い抵抗値を示す。そこへ還元性ガスが
到達すると、n型半導体12A表面へのガス分子の吸着
や酸化反応が起こりポテンシャル障壁が低くなり電子の
移動が容易になるので、n型半導体12Aの抵抗値が小
さくなる。従って、n型半導体12Aの抵抗値の大きさ
を、検出抵抗R両端の出力電圧VRLとして取り出す
ことによりガス濃度を知ることができる。
【0024】また、ガス測定装置10は検出抵抗R
両端電圧である出力電圧VRLをアナログ信号からデジ
タル信号に変換するA/D変換回路22を備えており、
A/D変換回路22はA/D変換回路22内の図示しな
いサンプルホールド回路で量子化されたデジタル信号を
演算手段としてのマイクロコンピュータ(以下、マイコ
ンという。)20に出力するために入出力インターフェ
ース20Dに接続されている。
【0025】マイコン20はCPU20A、ROM20
B、RAM20C及び入出力インターフェース20Dを
含んで構成されている。入出力インターフェース20D
は、図示しない出力装置等へ接続するための入出力コネ
クタI/Oに接続されると共に、正弦波電圧発生器16
及びノイズ発生器18に接続されている。
【0026】次に、フローチャートを参照して本実施形
態のガス測定装置10の作用について説明する。マイコ
ン20に電源が投入されると、図5に示すガス測定処理
ルーチンの実行が開始される。
【0027】まず、ステップ110において、半導体ガ
スセンサ12のヒータコイル12Bに電圧を印加するた
めに、正弦波電圧発生器16内の図示しない半導体スイ
ッチをオンとさせ正弦波電圧発生器16に直流電圧(9
V)を印加するための信号を正弦波電圧発生器16に送
信すると共に、ROM20Bに格納されている正弦波周
波数F(20mHz)の情報を正弦波電圧発生器16へ
送信する。これにより正弦波電圧発生器16からの出力
電圧は図8(A)に示すように周波数Fを持つ正弦波電
圧となる。このように正弦波電圧をヒータコイル12B
に印加するのは、上述したように半導体ガスセンサ12
のガス検出がガスのn型半導体12A表面への化学吸着
に依ることから、n型半導体12Aの表面温度を周期的
に変化させることによりその変化に対応したガス種固有
の吸脱着が起こり、その結果、n型半導体12Aの抵抗
値が周期的に変化し、ガス種固有の抵抗変化パターンが
得られるからである。
【0028】また、ステップ110では、ノイズ発生器
18内の図示しない半導体スイッチをオンとさせノイズ
発生器18に電圧(例えば、5.0V)を印加するため
の信号をノイズ発生器18に送信すると共に、ROM2
0Bに格納されているパラメータa、初期値X,Y
の情報をノイズ発生器18へ送信する。これによりノイ
ズ発生器18からの出力電圧は図8(B)に示すように
ランダムな電圧となる。結合点14では正弦波電圧発生
器16からの正弦波電圧とノイズ発生器18からのラン
ダム電圧が重ね合わされて、ヒータコイル12Bには図
8(C)に示すような印加電圧が印加される。
【0029】図5のステップ120では、半導体ガスセ
ンサ12の使用時(数百度)と非使用時(室温)との温
度変化が大きいことからn型半導体12A表面でのガス
吸脱着平衡状態を確保するために、所定時間(例えば、
1分)待機する。この所定時間はマイコン20内の図示
しない内部時計により計測することができる。
【0030】次にステップ130では、次のステップ1
40において所定時間が経過したと判断されるまで、検
出抵抗R両端の出力電圧VRLをA/D変換回路22
を介して取り込み、RAM20Cに一旦格納する。ここ
で、n型半導体12Aの抵抗値をR、検出抵抗R
抵抗値をR、直流電源Vの電圧をVとすれば、A
/D変換回路22で量子化される前の、検出抵抗R
ら出力される出力電圧VRLは次式2で表すことができ
る。
【0031】
【数2】
【0032】なお、本実施形態では、20mHzで変化
する出力電圧VRLを4波形分取り込むために、ステッ
プ140での所定時間を200秒とした。
【0033】次のステップ150では、図6に示す極座
標データ処理サブルーチンが実行される。ステップ15
1では、後述する高速フーリエ変換上の要求からデータ
ポイント数が2の累乗でなければならず、また、離散デ
ータの周期と一致させることが困難であるので、ステッ
プ130でRAM20Cに格納した4波形分の波形から
適当な長さで波形を切り出し、切り出した波形のデータ
をRAM20Cに格納する。なお、本実施形態では2波
形分の波形を切り出した。図9(A)は切り出された波
形を模式的に示したものである。
【0034】次のステップ152では、切り出した2波
形分について高速フーリエ変換を行う。ここで行う高速
フーリエ変換は離散的フーリエ変換であり、この離散的
フーリエ変換について概説すれば、n個の複素信号配列
x[0], x[1], ・・・ x[n-1]をフーリエ変換したときの
出力F[k]は次式3で求めることができる。
【0035】
【数3】
【0036】このように、f/nを基本周波数とし
て、その整数倍の周波数kf/nに対するパワースペ
クトル(強度I)を求めることができる。図9(B)
は、図9(A)に示した波形をフーリエ変換したときの
周波数と強度Iとの関係を模式的に表したものである。
図9(B)に示すように、フーリエ変換によりヒータコ
イル12Bへの印加周波数成分である第1成分(周波数
)、それぞれ混合ガス中のガス構成に特徴的な周波
数成分である第2成分乃至第4成分(周波数f
)の周波数及び強度Iを把握することができる。
【0037】一般に、x[j]をフーリエ変換した出力F
[k]は複素数であるから、上記式3は次式4のようにも
表現することができる。なお、式4においてReは実部
を、Imは虚部を表す。
【0038】
【数4】
【0039】このように、出力F[k]は複素平面上で
実軸からθ[k]の位相角を有し、スカラ量としてF[k]
の絶対値、すなわち、r[k]を持つ極座標ベクトルとし
て表すことができる。そこで、図6に示す次のステップ
153では上記式4に示した関係を利用して極座標デー
タ(r,θ)を算出する。図10は図9(B)に示した
パワースペクトルを極座標データ(r,θ)として算出
し複素平面上にプロットしたときの様子を模式的に示し
たものである。なお、図9(B)に示した各成分のパワ
ースペクトル(f,I)〜(f,I)は、それ
ぞれ図10に示した極座標データ(r,θ)〜(r
,θ)に対応している。
【0040】次のステップ154では、極座標の原点か
ら最も離れた、ヒータコイル12Bへの印加周波数成分
を持つ極座標データ(r,θ)を廃棄して、図10
に模式的に示した例に即して換言すれば、極座標
(r,θ)、(r,θ)、(r,θ)のデ
ータをRAM20Cのワークエリアに残して、極座標デ
ータ処理サブルーチンを終了し、図5のステップ150
へ戻る。
【0041】次のステップ160では、ROM20Bに
格納され予め成熟させたニューラルネットワークのプロ
グラムを呼び出す。ガス測定におけるニューラルネット
ワークの構築については、特開平第9−72871号公
報に詳細に開示されており公知技術であるので、本明細
書では詳しくは触れないが、一言すれば入力層、中間層
及び出力層からなる3層構造を有し、極座標データ
(r,θ)を入力層に入力することにより出力層からガ
ス種及び濃度値を出力するものである。なお、本実施形
態のニューラルネットワークでは、パソコンにより入力
層から中間層、並びに、中間層から出力層の重み係数を
20,000回以上に亘って反復修正し習熟させたニュ
ーラルネットワークを移植した。
【0042】次のステップ170では、呼び出したニュ
ーラルネットワークの入力層に、ステップ154でRA
M20Cのワークエリアに確保した極座標データ
(r,θ )、(r,θ)、(r,θ)を入
力することにより、出力層から極座標データ(r,θ
)、(r,θ)、(r,θ)に対応するガス
種及び濃度値を得る。なお、個々の極座標データがある
ガスの種類や濃度に対応しているのではなく、3つの極
座標データの組み合わせが1つの混合ガス中のガス雰囲
気(ガス構成)に対応している。
【0043】次のステップ180では、ニューラルネッ
トワークプログラムを終了させ、ガス種及び濃度値の演
算結果をRAM20Cに残してガス測定処理ルーチンを
終了する。
【0044】そして、ガス測定処理ルーチンで演算され
たガス種及び濃度値は、図7に示すように、入出力コネ
クタI/Oに接続された図示しない出力装置からの出力
命令信号を受信すると(ステップ190)、図示しない
出力装置にガス種及び濃度値のデータを出力する(ステ
ップ191)。これにより、混合ガス中のガス種及びガ
ス濃度値を知ることができる。
【0045】本実施形態のガス測定装置10では、図8
(B)に示したランダム電圧を図8(A)に示した正弦
波電圧に対するノイズとして発生させ、図8(C)に示
したように、ヒータコイル12Bに印加する印加電圧を
ランダムに変化させている。従って、n型半導体12A
の表面温度がランダムに変化し、n型半導体12A表面
でのガスの吸着、酸化反応が多様化する。これにより、
n型半導体12Aの抵抗値も変化し、測定ガス雰囲気に
固有の抵抗値変化パターンが得られる。本ガス測定装置
10では、図1(B)に示したような混合ガス中の検出
限界に達しない微弱な波形成分(第4成分)でも、n型
半導体12Aの表面温度のランダムな変化により、図1
1に示すように、一時的に検出限界を越える微弱出力電
圧を出力することができる。また、この微弱出力電圧の
検出頻度により、微量成分ガス種等の影響で発生する微
弱な波形成分の周波数の情報を得ることができる。この
微弱な波形成分の周波数は、微量成分ガス種や濃度と高
い相関を有しているので、混合ガス中の微量成分ガスの
ガス種・濃度を演算することができる。このように、本
実施形態のガス測定装置10では、現在各分野で研究開
発が進められている確率共鳴 (Stochastic Resonance)
理論を利用して、検出限界外の成分ガスのガス種・濃度
値を顕在化している。
【0046】また、本ガス測定装置10では、パラメー
タa及び初期値X,Yを適正に定めることによりノ
イズ発生器18で発生させるランダム電圧にカオス性を
持たせると共に、2波形分の波形を切り出し(ステップ
150)高速フーリエ変換したので、正確に混合ガス中
のガス種及び該濃度値を測定することができる。
【0047】更に、図12に示すように、ノイズ強度を
変化させたときのS/N比はノイズ強度Nのところで
最大となる。本実施形態では、この最大S/N比となる
ノイズ強度Nをとる電圧をノイズ発生器18に印加し
ているので、適切なノイズが微弱な出力電圧を高め微量
成分ガスの測定を更に可能ならしめている。
【0048】上述したように本実施形態のガス測定装置
10によれば、混合ガス中のガス種及び濃度を単一のガ
スセンサで測定することができ、特に、これまで測定す
ることができなかった検出限界以下の微量の同系のガス
種(例えば、メタノール、エタノール等)の測定が可能
となる。
【0049】また、本ガス測定装置10では、市販の半
導体ガスセンサ12を用い、確率共鳴理論を応用したの
で、低コストにも拘わらず高精度のガス測定装置を実現
することができる。
【0050】なお、本実施形態では、混合ガス中のガス
種及び濃度値をニューラルネットワークを用いて演算し
たが、ニューラルネットワークに限らず例えばカオスア
トラクタによる解析等他の演算方法を使用してもよい。
【0051】また、本実施形態は微量ガス成分を検出す
るために桁違いに大きい極座標(r ,θ)を廃棄し
たが、極座標の原点から最も離れた極座標データは、ガ
ス種及び濃度の情報を含むので、(r,θ)の組み
合わせだけからガス種・濃度を演算することも可能であ
る。更に、rを廃棄して、θを残すようにしてもよ
く、また、適正な正規化を行えばrも残しても良い。
【0052】更に、本実施形態では、ステップ151で
波形を切り出したが、波形切り出しの際一般的に使用さ
れるハミング窓(Hamming window)やハニング窓(Hanning
window)等の時間窓(Time window)を用いるようにして
もよい。このようにすれば、切り出し開始端の誤差を減
少させることができる。
【0053】また、本実施形態では、測定対象の混合ガ
スを室温としたが、混合ガスを例えば0°C等の低い温
度に保つようにすれば、n型半導体12A表面の表面温
度と混合ガスとの温度差が大きくなり、n型半導体12
Aの導電率の変化レスポンスが向上してコイルヒータ1
2Bへの印加電圧の周波数を高くすることができるの
で、測定時間を短縮することができる。
【0054】また、本実施形態の半導体ガスセンサ12
に対し、測定開始前に、例えばオイルコンプレッサの圧
縮空気等を樹脂カバー12E上部の図示しないメッシュ
がはめ込まれた開口から直接送風してエアブラシングを
行えば、n型半導体12A表面が早く平衡状態に到達す
るので、ステップ120での待機時間を短縮することが
できる。特に、アミン系ガスを測定する場合には、エア
ブラシングを行うことが好ましい。
【0055】(第2実施形態)次に、本発明をガス測定
装置に適用した第2の実施の形態について説明する。本
実施形態は、異なる複数の周波数電圧をヒータコイル1
2Bに与え、異なる測定条件下で測定データを採取する
ことにより、混合ガス中のガス種及び濃度の測定精度を
更に高めるものである。なお、本実施形態以下の実施形
態において第1実施形態と同一部分は同一の符号を付し
その説明を省略し、異なる箇所について説明する。
【0056】図13に示すように、本実施形態のガス測
定処理ルーチンでは、ステップ120において所定時間
を経過したと判断すると、次のステップ210でROM
20B内に格納された正弦波周波数F(20mHz)
の情報を正弦波電圧発生器16に送信し、ステップ14
0で所定時間が経過したと判断されるまでステップ13
0において出力電圧VRLを取り込むので、第1実施形
態のガス測定装置の動作と同じである。
【0057】次のステップ220では、正弦波周波数F
(20mHz)での出力電圧取り込みが終了したの
で、次の正弦波周波数F(例えば、40mHz)での
出力電圧VRLを取り込むために、正弦波周波数F
nが3であるか否かを判断し、否定判断の場合には、ス
テップ230においてnを1インクリメントし、すなわ
ち、nを2として、ステップ210へ戻り、ROM20
Bに格納されている正弦波周波数Fの情報を正弦波電
圧発生器16に送信する。これによりヒータコイル12
Bに印加される印加電圧は周波数が異なるので、ステッ
プ130において異なった周波数電圧での出力電圧V
RLを取り込むことができる。ステップ220におい
て、肯定判断された場合には、正弦波周波数F(例え
ば、50mHz)までの測定すべきすべての出力電圧V
RLを取り込んだので、次のステップ150へ進む。
【0058】このように本実施形態のガス測定装置で
は、異なる正弦波周波数F〜Fの出力電圧VRL
取り込んでこれらの正弦波周波数の極座標(r,θ)の
組み合わせをニューラルネットワークの入力層へ入力す
ることにより、ニューラルネットワークへの入力情報が
多くなるので、第1実施形態のガス測定装置10より精
度の高いガス種及び濃度の演算を行うことができる。
【0059】なお、本実施形態では、これら正弦波周波
数F、Fに対応して各ガス種、濃度でのニューラル
ネットワークを十分に成熟させる必要があることはいう
までもなく、また、本実施形態では3種類の正弦波周波
数F〜Fで測定する例を示したが、異なる正弦波周
波数は3種類に限定されるものでないこともいうまでも
ない。
【0060】(第3実施形態)次に、本発明をガス測定
装置に適用した第3の実施の形態について説明する。本
実施形態は、第1実施形態のようにヒータコイル12B
側にノイズを入れるのではなく、n型半導体に直接ノイ
ズを加えるものである。
【0061】図14(A)及び(B)に示すように、本
実施形態に使用される半導体52Aは、半導体又はn型
酸化物半導体としてのn型半導体302中にノイズ発生
手段の一部としてのp型半導体304が埋め込まれてい
る。このn型半導体302は、アルミナセラミックチュ
ーブ308の周部にp型半導体302を埋め込むことが
できるように一部欠落させて円筒状に酸化スズの微粒子
を焼結したしたものである。p型半導体304の中央部
からは端部がワイヤボンディングされたリードが延出さ
れており、このリードの他端は図示しないパッドにワイ
ヤボンディングされると共に、下方向へ立設された図示
しないピンに接続されている。
【0062】図15に示すように、p型半導体304は
ノイズ発生手段の一部としての微少直流電源vのマイ
ナス端子に接続され、微少直流電源vのプラス端子は
直流電源Vcに接続されている。また、半導体ガスセン
サ52のヒータとしてのヒータコイル52Bは正弦波発
生器16に接続されている。従って、ヒータコイル52
Bには正弦波発生器16で発生した正弦波電圧が印加さ
れる。この微少直流電源vは、例えば、図16に示す
ように、ノイズ発生器18のプラス側に抵抗R 及び抵
抗Rの一端が接続され、抵抗Rの他端がNPN型ト
ランジスタTrのベース及び抵抗Rの一端に接続さ
れ、抵抗Rの他端はNPN型トランジスタTrのコレ
クタに接続され、抵抗Rの他端は抵抗Rの一端及び
ノイズ発生器18のマイナス側に接続され、抵抗R
他端に一端が接続され、NPN型トランジスタTrのエ
ミッタに他端が接続された抵抗Rの両端として作製す
ることができる。
【0063】このように、第3実施形態では、第1実施
形態のn型半導体12Aに代えてp型半導体を埋め込ん
だ半導体52Aを使用する点、半導体52Aのp型半導
体にノイズを通電させる点、及び、ヒータコイル12B
にノイズを加えない点で第1実施形態と異なっている。
【0064】本実施形態では、p型半導体304には微
少直流電源vにより順方向バイアス電圧が印加されノ
イズ発生器18によりノイズが加えられるので、半導体
52Aに直接ノイズを与えることができる。従って、第
1実施形態のようにヒータコイルにランダム電圧を加え
なくても第1実施形態のガス測定装置10と同様の効果
を得ることができる。
【0065】また、本実施形態では、微少直流電源v
の電圧が極めて小さいので、第1実施形態のガス測定装
置10に比べ消費電力を低減させることができる。
【0066】更に、本実施形態では、半導体52Aに直
接ノイズを加えているので、S/N比が最大となるよう
にノイズ強度である微少直流電源vの電圧を容易に定
めることができる。
【0067】なお、本実施形態では、p型半導体304
をn型半導体302に埋め込んだが、n型半導体302
の表面をノイズ電流が流れればよいので、p型半導体3
04をn型半導体302表面に焼結するようにしてもよ
い。
【0068】(第4実施形態)次に、本発明をガス警報
装置に適用した第4の実施の形態について説明する。本
実施形態は、空気中のガスを測定して、特定ガス種の濃
度値が所定値を越えるときにトリガ信号をブザー等の報
知器に送出するものである。
【0069】本実施形態のガス警報装置のマイコン20
は、書き込み、書き換え可能なEPROM20Eを有し
ており、マイコン20内のバスに接続されている(図1
参照)。また、入出力コネクタI/Oには、ブザー等の
図示しない報知器に接続されている。
【0070】本実施形態では、図示しない報知器を入出
力コネクタI/Oに接続する前に、入出力コネクタI/
Oに図示しないロムライタを接続し、図示しないロムラ
イタで警報を希望するガス種及びその濃度値のデータ
を、例えばデフォルト値で入力し、EPROM20Eに
は図示しないロムライタで入力されたガス種及びその濃
度値(設定ガス種及び設定濃度値)が書き込まれいる。
【0071】図17に示すように、本実施形態のガス警
報処理ルーチンでは、ステップ170でガス種及び濃度
値を演算した後、次のステップ410においてEPRO
M20Eに格納された設定ガス種及び設定濃度値を読み
出す。
【0072】次に、ステップ420では、演算されたガ
ス種のうち設定ガス種が含まれているか否かを判断し、
含まれていると判断した場合には、次のステップ430
においてステップ170で演算されたガス種の濃度値が
設定濃度値より大きいか否かを判断する。肯定判断の場
合には、次のステップ440において、図示しない報知
器へトリガ信号を送出する。図示しない報知器は、ガス
警報装置からのトリガ信号を受けて内蔵した図示しない
ラッチ回路等を作動させブザー等の音声を出力し続け
る。これにより、空気中に特定のガス種が含まれてお
り、その濃度値が設定値を越えていることが報知され
る。
【0073】次のステップ450では、図示しないラッ
チ回路等のラッチが解除されるまで、すなわち、ブザー
等が解除されるまで待機するために、図示しない報知器
からの解除信号を受信したか否かを判断する。否定判断
の場合には待機を続け、肯定判断の場合には、ステップ
110へ戻る。
【0074】一方、ステップ420及びステップ430
で否定判断された場合には、次のステップ460で所定
時間を経過するまで待機してステップ110へ戻る。
【0075】本実施形態のガス警報装置では、第1実施
形態のガス測定装置と同様に、大気中の微量ガス及び微
量ガスの濃度値を測定することができるので、微量ガス
についての警報を行うことができる。
【0076】また、本実施形態ではEPROM20Eを
マイコン20内に備えたので、警報を希望する場所毎に
ガス種及びそのガス種の濃度値を設定することができ
る。
【0077】更に、本実施形態ではステップ460で待
機している間は正弦波発生器16及びノイズ発生器18
への電源供給を停止してもよく、この場合にはガス警報
装置の消費電力を低減させることができる。また、以上
の実施形態では直流電源Vcのプラス端子をn型半導体
12Aに直接接続したが、この間にマイコン20からの
信号でオンオフする半導体スイッチを挿入すれば、測定
時間以外にはn型半導体12Aに電流が流れないので、
更に消費電力を低減させることができる。
【0078】なお、警報対象のガス種は必ずしも1種で
ある必要はなく、希望する複数のガス種を警報対象とす
るようにしてもよい。
【0079】また、以上の実施形態ではガス測定につい
て述べたが、本発明は微量ガスを測定できることから、
香りセンシングシステムへの適用が可能である。
【0080】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ノ
イズ発生手段により混合ガス中の微量成分ガスが検出手
段で検出されるように、ヒータ及び半導体の少なくとも
一方にノイズが印加されるので、混合ガス中の微量成分
ガスの濃度を測定することができる、という効果を得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は従来技術の半導体センサからの出力電
圧の波形を示す波形図であり、(B)は(A)の波形成
分を示す成分特性図であり、(C)は(B)の波形をフ
ーリエ変換したときのパワースペクトルを示す特性図で
ある。
【図2】本発明を適用した第1実施形態のガス測定装置
の概略構成を示すブロック図である。
【図3】第1実施形態のガス測定装置の半導体ガスセン
サの構造を示す一部破断外観斜視図である。
【図4】第1実施形態のガス測定装置のカオスモジュー
ルの差分方程式を模式的に示した説明図である。
【図5】第1実施形態のガス測定装置のガス測定処理ル
ーチンを示すフローチャートである。
【図6】図5の極座標データ処理サブルーチンの詳細を
示すフローチャートである。
【図7】第1実施形態のガス測定装置の演算結果出力ル
ーチンを示すフローチャートである。
【図8】(A)は正弦波電圧発生器からの出力電圧の波
形を模式的に示した波形図であり、(B)はカオスモジ
ュールからの出力電圧の波形を模式的に示した波形図で
あり、(C)はコイルヒータに印加される印加電圧の波
形を模式的に示した波形図である。
【図9】(A)は波形切り出し後の出力電圧の波形を模
式的に示した説明図であり、(B)は(A)の波形をフ
ーリエ変換したときのパワースペクトルを模式的に示し
た説明図である。
【図10】複素平面上に極座標データ(r,θ)をプロ
ットしたときの説明図である。
【図11】波形成分4のパワースペクトルを模式的に示
した説明図である。
【図12】ノイズ強度とS/N比との関係を示す説明図
である。
【図13】第2実施形態のガス測定装置のガス測定処理
ルーチンを示すフローチャートである。
【図14】(A)は第3実施形態のガス測定装置の半導
体52Aの構造を示す外観斜視図であり、(B)は
(A)のB−B線断面を示す断面図である。
【図15】第3実施形態のガス測定装置の一部の概略構
成を示すブロック図である。
【図16】図15の微少直流電源vの詳細を示す回路
図である。
【図17】第4実施形態のガス警報装置の警報処理ルー
チンを示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 ガス測定装置 12 半導体ガスセンサ 12A、52A、302 n型半導体(半導体、n型酸
化物半導体) 12B、52B ヒータコイル(ヒータ) 16 正弦波電圧発生器 18 ノイズ発生器(ノイズ発生手段) 20 マイコン(演算手段) 22 A/D変換回路 304 p型半導体(ノイズ発生手段の一部) R 検出抵抗(検出手段) v 微少直流電源(ノイズ発生手段の一部)

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 混合ガス中の成分ガス濃度を測定するガ
    ス測定装置において、 所定周波数の正弦波電圧が印加されるヒータと、該ヒー
    タにより前記成分ガスの吸脱着、酸化反応が起す電荷授
    受により導電率が変化する半導体と、を有する半導体ガ
    スセンサと、 前記半導体の導電率を電圧として検出する検出手段と、 前記混合ガス中の微量成分ガスが前記検出手段で検出さ
    れるように、前記ヒータ及び前記半導体の少なくとも一
    方に印加されるノイズを発生させるノイズ発生手段と、 前記検出手段により検出された電圧に基づいて、前記混
    合ガス中の成分ガス濃度を演算する演算手段と、 を備えたガス測定装置。
  2. 【請求項2】 混合ガス中の成分ガス濃度を測定するガ
    ス測定装置において、 所定周波数の正弦波電圧と該正弦波電圧に対しノイズと
    なり電圧がランダムに変化するランダム電圧とを重ね合
    わせた電圧が印加されるヒータと、該ヒータにより加熱
    され前記成分ガスの吸脱着、酸化反応が起す電荷授受に
    より導電率が低下するn型酸化物半導体と、を有する半
    導体ガスセンサと、 前記n型酸化物半導体の導電率を電圧として検出する検
    出抵抗と、 前記検出抵抗で検出された電圧に基づいて、前記混合ガ
    ス中の成分ガス濃度を演算する演算手段と、 を備えたガス測定装置。
  3. 【請求項3】 混合ガス中の成分ガス濃度を測定するガ
    ス測定装置において、 所定周波数の正弦波電圧が印加されるヒータと、該ヒー
    タにより加熱され前記成分ガスの吸脱着、酸化反応が起
    す電荷授受により導電率が低下するn型酸化物半導体
    と、該n型酸化物半導体を流れる電流に対しノイズとな
    るバイアス電流が通電されるp型半導体と、を有する半
    導体ガスセンサと、 前記n型酸化物半導体の導電率を電圧として検出する検
    出抵抗と、 前記検出抵抗で検出された電圧に基づいて、前記混合ガ
    ス中の成分ガス濃度を演算する演算手段と、 を備えたガス測定装置。
  4. 【請求項4】 前記ノイズ発生手段が発生させるノイズ
    は、カオス性を有することを特徴とする請求項1に記載
    のガス測定装置。
  5. 【請求項5】 前記ノイズ発生手段が発生させるノイズ
    の電圧は、前記検出手段により検出される電圧のS/N
    比が最大となるように電圧が決定されることを特徴とす
    る請求項1又は請求項4に記載のガス測定装置。
  6. 【請求項6】 前記演算手段は、前記検出手段で検出さ
    れた電圧をフーリエ変換して前記混合ガス中の成分ガス
    の特徴を表す極座標データを演算し、該演算された極座
    標データに基づいて前記混合ガス中の成分ガス濃度を演
    算することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれ
    か1項に記載のガス測定装置。
  7. 【請求項7】 前記演算手段は、前記極座標データのう
    ち該極座標の原点から最も離れた極座標データを前記ヒ
    ータへの印加周波数成分として廃棄することを特徴とす
    る請求項6に記載のガス測定装置。
  8. 【請求項8】 前記ヒータには周波数の異なる複数の正
    弦波電圧が印加されることを特徴とする請求項1乃至請
    求項7のいずれか1項に記載のガス測定装置。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至請求項8のいずれか1項に
    記載のガス測定装置を備えたガス警報装置。
  10. 【請求項10】 混合ガス中の成分ガス濃度を測定する
    ガス測定方法であって、 ヒータに所定周波数の正弦波電圧を印加し、 前記混合ガス中の微量成分ガスが検出可能なように、前
    記ヒータ及び半導体の少なくとも一方にノイズを加え、 前記ヒータで前記成分ガスの吸脱着、酸化反応が起す電
    荷授受により導電率が変化する半導体の導電率を電圧と
    して検出し、 前記検出された電圧に基づいて、前記混合ガス中の成分
    ガス濃度を演算する、 ステップを含むガス測定方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2022101899A (ja) * 2020-12-25 2022-07-07 公立大学法人 富山県立大学 匂い検出装置及び匂い検出方法
CN114858868A (zh) * 2022-04-27 2022-08-05 河南森斯科传感技术有限公司 一种快速响应恢复的半导体可燃气体传感器

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