JP2000288559A - 水酸化ラジカルを利用した排水処理方法及び排水処理装置 - Google Patents

水酸化ラジカルを利用した排水処理方法及び排水処理装置

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JP2000288559A
JP2000288559A JP11101277A JP10127799A JP2000288559A JP 2000288559 A JP2000288559 A JP 2000288559A JP 11101277 A JP11101277 A JP 11101277A JP 10127799 A JP10127799 A JP 10127799A JP 2000288559 A JP2000288559 A JP 2000288559A
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hydrogen peroxide
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waste water
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Kazuhiro Nakanishi
一弘 中西
Tsunakatsu Imamura
維克 今村
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ZENKEN KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 排水中に含まれている有機物を分解除去して
排水を浄化する。 【解決手段】 オーバーフロータンク11に供給された
排水Wには、過酸化水素が5〜30mMのモル濃度で添
加されている。過酸化水素が添加された排水Wは、オー
バーフロータンク11から流出し、液膜流路12の流路
面12a上を、10mm以下の液膜厚さの液膜として流
れる。この液膜となった排水Wには、紫外線ランプ22
から紫外線が照射される。このため、液膜中には多量の
水酸化ラジカルが発生し、この水酸化ラジカルにより、
排水中の有機物が酸化・分解される。このように有機物
が分解して浄化された排水Wは、回収タンク30に流れ
込む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水酸化ラジカルを
利用した排水処理方法及び排水処理装置に関するもので
ある。かかる本発明は、過酸化水素に紫外線を照射して
過酸化水素を分解させることにより発生した水酸化ラジ
カル(OHラジカル)を利用して、排水中に含まれてい
る難分解性の有機物を分解・浄化・殺菌するものであ
る。
【0002】排水中に含まれている難分解性の有機物を
分解・浄化・殺菌する本発明は、例えば、次のような分
野に適用することができる。 1万種を越す有機合成染料排水や、発酵工場、精糖工
場、食品製造工場などから大量に排出される着色排水の
脱色・分解と、活性汚泥処理の負担の低減を可能にす
る。 めっき工場などで発生するシアン化合物の無毒化。 半導体工場などで発生するトリハロメタンなど塩素化
合物の脱塩素による無害化。 洗剤・界面活性剤などを含む汚濁水の清澄化。 無菌水の製造及び工業用原料水の無菌化。
【0003】
【従来の技術】化学工場(めっき工場,塗装工場などを
含む)、発酵工場,精糖工場,食品製造工場,染料工場
などからは、難分解性の有機物を含む排水や着色排水が
排出されている。これら排水中に含まれている有機物
は、河川や海域の富栄養化および環境汚染を引き起こす
ため、排水中から有機物を除去することは、環境汚染防
止や排水の再利用(資源の有効活用)の観点から重要で
ある。
【0004】排水中の有機物を除去する従来手法として
は、活性炭や活性汚泥を利用した手法や、凝縮沈殿法が
一般的である。しかし、これらの従来手法では、排水の
処理に伴い汚泥が発生するため、汚泥を焼却したり埋め
立てしたりする後処理が不可決であり、後処理のために
も、多大のコストや時間がかかっていた。
【0005】例えば、めっき工場や塗装工場では、界面
活性剤を使用しているため、排水のCOD(化学的酸素
要求量)やBOD(生物化学的酸素要求量)が高いた
め、活性炭を使用して排水を処理しているが、多大な手
間と費用を必要としている。
【0006】そこで、汚泥がほとんど発生せず、後処理
が不要なラジカル酸化反応を利用した手法が注目されて
いる。このラジカル酸化反応を利用した手法としては、
オゾン処理を利用した手法、光触媒反応を利用した手
法、Fenton反応を利用した手法が知られている。
【0007】しかし、オゾン処理を利用した手法では、
水へのオゾンの溶解度が低く充分な処理効率が得られ
ず、また低濃度でもオゾンが人体の健康に悪影響を与
え、更に、高価なオゾン発生装置が必要である。
【0008】光触媒反応により発生する水酸化ラジカル
を用いた有機物分解手法では、触媒と光を用いるためラ
ンニングコストは極めて安いが、処理速度が極めて低
い。光触媒に過酸化水素を併用する手法も提案されてい
るが、実用化にはほど遠い。
【0009】水酸化第2鉄を用いてFenton反応により水
酸化ラジカルを発生させて有機物の酸化分解を行う方法
は、水酸化ラジカルを効率的に発生させることができる
点では優れているが、同時に莫大な金属水酸化物の沈殿
が発生するという欠点が付随してしまう。従って排水処
理には適さない。
【0010】一方、ラジカル酸化反応を利用した排水処
理の一つとして、紫外線−過酸化水素による水酸化ラジ
カルを利用する手法が知られている。この紫外線−過酸
化水素による水酸化ラジカルを利用した手法では、過酸
化水素に紫外線を照射して過酸化水素を分解させること
により水酸化ラジカル(OHラジカル)を発生させ、こ
の水酸化ラジカルの高い酸化力を利用して、排水中の有
機物を酸化分解して有機物を除去する手法である。
【0011】このように、過酸化水素に紫外線を照射し
て分解させることにより発生した水酸化ラジカルを利用
した手法では、水酸化ラジカルの酸化還元電位が極めて
高いことから、有機物を迅速に分解除去することが期待
でき、また、塩素系酸化物等を用いる薬品処理とは異な
り二次的な環境汚染物質を生成しないという長所があ
る。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかし、紫外線−過酸
化水素による水酸化ラジカルを利用した従来の排水処理
装置では、排水が貯溜される槽中に紫外線ランプを設置
したり、排水が流れる管中に紫外線ランプを設置してい
た。
【0013】このような従来技術では、紫外線ランプが
排水中に水没して配置されているため、紫外線が水中を
透過する際に大幅に減衰し、水酸化ラジカルは紫外線ラ
ンプの近傍でしか発生しない。また、ラジカル反応の結
果生じる気泡が紫外線ランプの表面に付着して紫外線の
透過を阻止してしまう。このため、水酸化ラジカル自体
の潜在的酸化力は大きいにもかかわらず、その酸化力を
十分に引き出すことができず、大量の排水を処理して有
機物を効率的・連続的に処理することはできず、排水処
理装置としては効率の悪いものであった。
【0014】本発明は、上記従来技術に鑑み、紫外線−
過酸化水素による水酸化ラジカルの高い酸化力を利用し
て、難分解性の有機物を含む排水を浄化処理することの
できる排水処理方法及び排水処理装置を提供することを
目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の構成は、過酸化水素を添加した排水を薄い液膜とし
て流し、この液膜に紫外線を照射することにより過酸化
水素が分解して発生した水酸化ラジカルにより、前記排
水中に含まれている有機物を酸化・分解することを特徴
とする。
【0016】また本発明の構成は、過酸化水素の濃度が
5〜30mMとなるように過酸化水素を排水に添加し、
このように過酸化水素を添加した排水を10mm以下の
液膜厚さの液膜として流し、この液膜に紫外線を照射す
ることにより過酸化水素が分解して発生した水酸化ラジ
カルにより、前記排水中に含まれている有機物を酸化・
分解することを特徴とする。
【0017】また本発明の構成は、過酸化水素を添加し
た排水を薄い液膜として流す液膜流し部材と、流れる液
膜に対して紫外線を照射する紫外線照射部材とを有する
ことを特徴とする。
【0018】また本発明の構成は、過酸化水素の濃度が
5〜30mMとなるように過酸化水素を添加した排水を
10mm以下の液膜厚さの液膜として流す液膜流し部材
と、流れる液膜に対して紫外線を照射する紫外線照射部
材とを有することを特徴とする。
【0019】また本発明の構成は、前記液膜流し部材
は、過酸化水素が添加された排水が供給されると共に壁
面の一部から前記排水がオーバーフローするオーバーフ
ロータンクと、オーバーフロータンクから流れ出てきた
過酸化水素を液膜として流す液膜流路とで構成されてい
ることを特徴とする。
【0020】また本発明の構成は、前記液膜流路の流路
面は、酸化チタンでなる平板、または、鏡面仕上された
ステンレス板で形成されていることを特徴とする。
【0021】また本発明の構成は、前記紫外線照射部材
は、紫外線ランプと反射板とを備えていることを特徴と
する。
【0022】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面
に基づき詳細に説明する。
【0023】図1は本発明の実施の形態にかかる水酸化
ラジカルを利用した排水処理装置を示す。同図に示すよ
うに、液膜流し部材10は、オーバーフロータンク11
と液膜流路12とで構成されている。
【0024】オーバーフロータンク11内には、ポンプ
1により排水Wが供給される。この供給される排水Wに
は、モル濃度が5〜30mMとなる程度に過酸化水素が
添加されている。オーバーフロータンク11の壁面のう
ち、一部の壁面11aは低くなっており、供給された排
水Wは、この壁面11aをオーバーフローして流れ出
す。
【0025】液膜流路12は、オーバーフロータンク1
1の壁面11aの下辺に接続されており、オーバーフロ
ータンク11側(一端側)から、オーバーフロータンク
11とは反対側(他端側)に向かい、流路面12aが水
平に広がっている。この液膜流路12の流路面12a
は、酸化チタンでなる平板、または、鏡面仕上されたス
テンレス板で形成されている。このため、壁面11aを
オーバーフローしてきた排水Wは、流路面12a上を一
端側から他端側に向かい、均一な液膜厚さの液膜となっ
て広がって流れていく。このとき、排水Wの液膜の液膜
厚さは、10mm以下となっている。つまり、液膜厚さ
が10mm以下となるように、排水Wの供給量を制御し
ている。
【0026】なお、流路面12aを除き、液膜流し部材
10は、基本的にはステンレス鋼で製作されている。
【0027】紫外線照射部材20は、液膜流路12の上
方に配置されている。この紫外線照射部材20は、下面
が開放したドーム型(蒲鉾型)の反射ケース21内に複
数本の紫外線ランプ22を配置した構成となっている。
反射ケース21はアルミニウムにより形成されており、
内面は光反射面となっている。
【0028】紫外線ランプ22は、波長が254nmよ
りも短い紫外線を発光する。紫外線ランプ22から発光
された紫外線は、流路面12aを流れる液膜となってい
る排水Wに向かって、上方から照射される。なお、排水
Wに照射される紫外線としては、紫外線ランプ22から
流路面12aに向かって直接照射される光成分と、反射
ケース21にて一旦反射されてから流路面12aに向か
って照射される光成分とがある。
【0029】流路面12aを流れていった排水Wは、流
路面12aの他端側から回収タンク30に向かって落下
していく。回収タンク30内にたまった排水Wは、外部
に排出される。
【0030】上記構成となっている排水処理装置では、
排水Wを薄い液膜として液膜流路12の流路面12aに
流し、この液膜となっている排水Wに向かって紫外線を
照射しているため、紫外線の透過距離(排水W中を透過
する距離)を極めて短くすることができる。このため、
液膜中での紫外線の減衰は殆ど無視できる程度に小さく
なる。勿論、紫外線ランプ22から液膜までの空気中で
の紫外線の減衰は無視できる。
【0031】また、有機物の分解に伴い発生したガス
(後述)は、液膜が薄いため液膜の表面から容易に散逸
する。このため、発生ガスが気泡となって紫外線ランプ
22の表面に付着することはなく、発生ガスが紫外線透
過の邪魔になることはない。
【0032】したがって、液膜となって流れる排水W中
に含まれている過酸化水素は、紫外線により確実に分解
され、多量の水酸化ラジカル(OHラジカル)が、液膜
全面に発生する。このように、多量の水酸化ラジカルが
発生するため、液膜となって流れている排水W中に含ま
れている有機物は、酸化還元電位が2.8Vと極めて高
い水酸化ラジカルにより酸化・分解され効率的に且つ迅
速に分解・除去される。
【0033】水酸化ラジカルの発生は(1)式により、
有機物の分解は(2)式により示される。 H2 2 +(紫外線照射) → 2・OH ・・・・(1) OH+有機物 →分解物+O2 +OH- or H2 O ・・・・(2) なお、(2)式から分かるように、有機物の分解の際に
は、ガスO2 が発生するが、前述したように、ガスは液
膜表面から散逸する。
【0034】また排水中に含まれている過酸化水素の濃
度(モル濃度)が5〜30mMとなる程度に過酸化水素
が添加されているため、水酸化ラジカルの発生は、より
効果的に発生する。なお、水酸化ラジカルの効果的な発
生のためには、過酸化水素の濃度(モル濃度)として5
〜30mMが最適であることは、後述する実験データに
より示す。つまり、本実施の形態では、過酸化水素の濃
度は5〜30mMと極めて薄いが、この濃度範囲よりも
薄くても濃くても、水酸化ラジカルを効果的に発生させ
ることはできず、濃度範囲を5〜30mMとしたことに
より、効果的に水酸化ラジカルの発生ができ、ひいて
は、確実・迅速に有機物の分解ができるのである。
【0035】液膜流路12の流路面12aを液膜となっ
て流れる排水Wは、紫外線照射により、含有されている
有機物が酸化・分解されて有機物が分解・除去される。
有機物が分解・除去された排水Wは、回収タンク30に
流れ込み、回収タンク30から外部に排出される。
【0036】かくして、排水Wを連続的に流しつつ、排
水W中に含まれている有機物を効果的に且つ迅速に分解
・除去することができる。つまり、図1に示す排水処理
装置を用いて排水処理実験をしたところ、過酸化水素の
濃度が5〜30mMとなるように過酸化水素を排水Wに
添加し、この排水を10mm以下の液膜として流路面1
2a上に流しつつ、紫外線を照射することにより、排水
W中に含まれている有機物を分解することができること
が確認できた。
【0037】また、本実施の形態にかかる排水処理装置
では、構成が簡単であるため、製造コストを安くするこ
とができる。さらに、紫外線ランプ22の交換も容易に
できる。
【0038】更にまた、液膜の流れが完全混合ではなく
栓流(Plug flow )に近いために、装置全体の反応効率
が増加する。つまり、反応を連続的に行う装置形態とし
ては、連続槽型反応器(Continuous stirred tank react
or) と押し出し流れ型反応器(Plug flow reactor) とに
大別されるが、一般に知られているように、押し出し流
れ型反応器(Plug flow reactor) は、連続槽型反応器(C
ontinuous stirred tank reactor) に比べて反応率が高
い。本願装置では、液膜の流れが完全混合ではなく栓流
(Plug flow )に近いため、押し出し流れ型反応器(Plu
g flow reactor) として動作し、反応率が増加するので
ある。
【0039】更にまた、排水Wに含まれている有機物
は、液膜流路12を流れる際に確実に分解・除去される
ため、回収タンク30に回収された排水Wをそのまま外
部に排出することができる。この結果、排水Wが、ポン
プ1→オーバーフロータンク11→液膜流路12→回収
タンク30という経路に沿い1回流れるだけで浄化され
る、いわゆる1パス型の排水処理装置とすることができ
る。
【0040】処理可能な排水Wとしては各種のものがあ
るが、例えば、無電解ニッケルメッキ排水、畜産屎尿排
水、界面活性剤(ノニオン界面活性剤)を含む汚濁排水
を処理することができ、これら排水を無害化・清澄化す
ることができる。
【0041】例えば、無電界ニッケルメッキ排水では、
メッキ後の部品を水洗する工程において、部品に付着し
たメッキ液が排水中に混入され、排水にはジ亜リン酸
塩、亜リン酸塩が含まれることになるが、この排水に過
酸化水素を添加して、図1に示す排水処理装置にて処理
することにより、ジ亜リン酸塩、亜リン酸塩をリン酸塩
に酸化して固定化することができ、無害化処理ができ
る。
【0042】また畜産屎尿排水中の有機物を分解処理す
ることができる。したがって本排水処理装置を畜産産業
に利用すれば、経営規模の拡大や、混住化の進展等によ
り非常に深刻化している畜産を取り巻く環境問題(排水
処理問題)を解決することができる。
【0043】さらに、半導体などの精密部品・製造装置
の洗浄では界面活性剤(ノニオン界面活性剤)が使用さ
れているが、この界面活性剤(ノニオン界面活性剤)を
含む汚濁排水の清澄化ができる。またシアン化合物の無
毒化や、トリハロメタンなどの塩素化合物の脱塩素化に
よる無害化も可能である。
【0044】また、着色排水の脱色・分解を行うことが
できる。この着色排水の脱色・分解については、詳細な
実験をしたので、実験内容を次に述べる。
【0045】<着色排水の脱色・分解実験例>ここで、
着色排水(色素水溶液)について行った脱色・分解の実
験例を説明する。実験は次に示すような条件で行った。 使用装置・・・・・図1と同様な装置であるが、回収タ
ンクに回収した排水を再びオーバフロータンクに戻す循
環型とした。(実機では循環型ではなく図1に示すよう
に1パス型としている)。 液膜流路・・・・・長さ30cm,幅20cm 過酸化水素濃度・・0〜1250mM 紫外線強度・・・・123W/m2 液膜厚さ・・・・・3.6〜5.0mm 液膜の流速・・・・0.15m/s 液温度・・・・・・25°C 色素濃度・・・・・5μM
【0046】また、脱色速度は、次のようにして評価し
た。即ち、適当時間間隔で色素水溶液をサンプリング
し、最大吸収波長における吸光度を測定し、回収タンク
における未反応色素濃度の経時変化を求めた。そして得
られた経時変化から、液膜流路における脱色速度定数K
dec を算出した。
【0047】なお脱色速度定数Kdec は次式(3)によ
り示される。 Kdec =−(1/τ)×ln(1−Kapp ×V/v)・・・・(3) ただし、τ:液膜流路における滞在時間 Kapp :見かけの一次反応速度定数 V:色素水溶液の全体量 v:液膜流速
【0048】色素としてメチルオレンジを用いた色素水
溶液(色素濃度5μM)について分解・脱色実験をした
ときの、脱色速度定数を求めた結果を図2に示す。図2
に示す測定結果から分かるように、脱色速度定数Kdec
を最適にするには、過酸化水素の濃度に最適範囲(具体
的には5〜30mM)が存在することが分かった。そし
て、過酸化水素濃度が10mM近傍に、脱色速度定数K
dec の最大値があることが分かった。また、異なる流膜
流速,液膜厚さのときにも、ほぼ同一の測定結果が得ら
れていることから、脱色速度定数Kdec の計算式が妥当
であることが、逆に確認された。
【0049】図3は、5種類の色素についての色素水溶
液(色素濃度5μM,液膜厚さ3.6mm)について分
解・脱色実験をしたときの、脱色速度定数Kdec を求め
た結果を示す。5種類の色素としては、OrangeII, Meth
ylene Blue, Malachite Green, Rhodamin B, Methyl Or
angeを用いた。この図3に示す測定結果からは、色素に
よって脱色速度定数Kdec の大きさ自体は変化している
が、いずれの色素についても、過酸化水素濃度が10m
M近傍に、脱色速度定数Kdec の最大値があることが分
かった。
【0050】また、OHラジカルの生成・消滅挙動を計
算モデルによりシミュレーションした結果(内容は割愛
する)は、図2,図3の実験結果と一致した。
【0051】なお、固体表面(例えば精肉工場において
使用されるスチールコンベアの表面)に付着した汚れ物
質(肉蛋白等の有機物)を分解・浄化して殺菌をするこ
とにも、本発明方法を適用することができる。つまり、
過酸化水素の濃度が5〜30mMとなるように過酸化水
素を水に添加し、このように過酸化水素を添加した水
(過酸化水素水)を10mm以下の液膜厚さの液膜とし
て前記固体表面に流す。そしてこの液膜に紫外線を照射
する。そうすると過酸化水素が分解して大量に発生した
水酸化ラジカルにより、固体表面に付着している汚れ物
質(肉蛋白等の有機物)を酸化・分解して浄化・殺菌す
ることができる。
【0052】
【発明の効果】以上実施の形態と共に具体的に説明した
ように、本発明では、濃度を薄くして過酸化水素を排水
に添加し、この排水を液膜として流し、この液膜に紫外
線を照射するようにしているため、液膜中に多量の水酸
化ラジカルが発生して、排水中の有機物を酸化・分解し
て排水の浄化を、確実・迅速に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる水酸化ラジカルを
利用した排水処理装置を示す構成図。
【図2】メチルオレンジの脱色速度定数の測定結果を示
す特性図。
【図3】各色素の脱色速度定数の測定結果を示す特性
図。
【符号の説明】
1 ポンプ 10 液膜流し部材 11 オーバーフロータンク 12 液膜流路 12a 流路面 20 紫外線照射部材 21 反射ケース 22 紫外線ランプ 30 回収タンク W 排水
フロントページの続き Fターム(参考) 4D037 AA01 AA11 AA13 AB03 AB04 AB05 AB12 AB14 AB15 BA18 BB01 BB02 BB04 CA11 4D050 AA01 AA12 AA13 AA17 AB02 AB03 AB06 AB11 AB19 AB38 AB47 BB09 BC06 BC09 BD02 BD06 BD08

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 過酸化水素を添加した排水を薄い液膜と
    して流し、この液膜に紫外線を照射することにより過酸
    化水素が分解して発生した水酸化ラジカルにより、前記
    排水中に含まれている有機物を酸化・分解することを特
    徴とする水酸化ラジカルを利用した排水処理方法。
  2. 【請求項2】 過酸化水素の濃度が5〜30mMとなる
    ように過酸化水素を排水に添加し、このように過酸化水
    素を添加した排水を10mm以下の液膜厚さの液膜とし
    て流し、この液膜に紫外線を照射することにより過酸化
    水素が分解して発生した水酸化ラジカルにより、前記排
    水中に含まれている有機物を酸化・分解することを特徴
    とする水酸化ラジカルを利用した排水処理方法。
  3. 【請求項3】 過酸化水素を添加した排水を薄い液膜と
    して流す液膜流し部材と、流れる液膜に対して紫外線を
    照射する紫外線照射部材とを有することを特徴とする水
    酸化ラジカルを利用した排水処理装置。
  4. 【請求項4】 過酸化水素の濃度が5〜30mMとなる
    ように過酸化水素を添加した排水を10mm以下の液膜
    厚さの液膜として流す液膜流し部材と、流れる液膜に対
    して紫外線を照射する紫外線照射部材とを有することを
    特徴とする水酸化ラジカルを利用した排水処理装置。
  5. 【請求項5】 前記液膜流し部材は、過酸化水素が添加
    された排水が供給されると共に壁面の一部から前記排水
    がオーバーフローするオーバーフロータンクと、オーバ
    ーフロータンクから流れ出てきた過酸化水素を液膜とし
    て流す液膜流路とで構成されていることを特徴とする請
    求項3または請求項4の水酸化ラジカルを利用した排水
    処理装置。
  6. 【請求項6】 前記液膜流路の流路面は、酸化チタンで
    なる平板、または、鏡面仕上されたステンレス板で形成
    されていることを特徴とする請求項5の水酸化ラジカル
    を利用した排水処理装置。
  7. 【請求項7】 前記紫外線照射部材は、紫外線ランプと
    反射板とを備えていることを特徴とする請求項3または
    請求項4の水酸化ラジカルを利用した排水処理装置。
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