JP2000284420A - 写真要素 - Google Patents

写真要素

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JP2000284420A
JP2000284420A JP2000079301A JP2000079301A JP2000284420A JP 2000284420 A JP2000284420 A JP 2000284420A JP 2000079301 A JP2000079301 A JP 2000079301A JP 2000079301 A JP2000079301 A JP 2000079301A JP 2000284420 A JP2000284420 A JP 2000284420A
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JP
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protective overcoat
stain
copolymer
film
photographic element
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JP2000079301A
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English (en)
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Charles Chester Anderson
チェスター アンダーソン チャールズ
Brian Andrew Schell
アンドリュー シェル ブライアン
Mario D Delaura
デニス デローラ マリオ
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Eastman Kodak Co
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 帯電防止性を示すと共に、処理機によるステ
インの付きにくい保護オーバーコートの提供。 【解決手段】 支持体;当該支持体の第一の面上に累置
された少なくとも一層のハロゲン化銀乳剤層;並びに当
該支持体の第二の面上に累置された保護オーバーコート
であって、破断点引張伸び率が50%以上であり且つ2
%伸び率におけるヤング率が344737kPa以上で
あるポリウレタン、フッ素含有アクリレート又はフッ素
含有メタクリレートのモノマーを含む繰返し単位Aと水
和可能な基を含有するエチレン系不飽和モノマーを含む
繰返し単位Bとを含む共重合体、及び導電剤、を含んで
なる当該保護オーバーコートを含んでなる写真要素。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は改良された写真要素
に、より具体的には、耐タール吸着性及び耐ステイン吸
収性を有し且つ帯電防止特性を示す写真要素に関する。
【0002】
【従来の技術】写真業界では、長年にわたり画像形成要
素を汚れや埃、引掻き傷や磨耗、及びステインの付着か
ら保護する必要性が認識されている。多くの研究は、汚
れや埃の引きつけの防止を画像形成要素に帯電防止層を
使用することにより行うことに集中している。最近の保
護オーバーコートの改良により、画像形成要素が製造時
や使用時に引掻き傷や磨耗を受けやすい傾向は減少して
いる。画像形成要素の耐ステイン性を改良することにつ
いては、ほとんど注意が払われていない。
【0003】織物や食品容器のような物品を土壌や耐ス
テイン性組成物で処理することは周知である。例えば、
米国特許第3,574,791号及び同第3,728,
151号明細書に、一方は高度にフッ素化され且つ疎油
性であり他方は親水性である二種類のセグメントを有す
るブロック又はグラフト共重合体が開示されている。米
国特許第4,579,924号明細書には、オーブンに
かけられる板紙の食品容器に撥油性及び撥水性並びに耐
食品汚染性を付与する製紙用添加物として有用なフルオ
ロケミカル系共重合体が記載されている。米国特許第
5,350,795号明細書には、周囲温度で硬化する
撥水、撥油性組成物が記載されている。当該組成物は、
フッ素系アクリレートコポリマー及びペルフルオロアル
キル側基を有するポリアルコキシル化ポリウレタンの水
溶液又は分散体を含む。米国再発行特許第34,348
号明細書には、アクリルアミド官能性モノマーから誘導
されたフッ素化ポリマーを含有する耐ステイン性組成物
が開示されている。米国特許第5,662,887号及
び同第5,607,663号明細書には、細菌やタンパ
ク性物質による汚染、吸着を低減する口内環境の表面及
び硬質組織のためのフルオロカーボン含有コーティング
が記載されている。
【0004】米国特許第4,229,524号明細書
に、感光性材料の層において、当該層の帯電防止性及び
密着性を改良するために使用できるペルフルオロアルキ
ル基を含有する共重合体が記載されている。耐ステイン
性オーバーコートに対する要件は、写真要素の場合には
やや独特のものとなる。耐ステイン性層はフィルムの透
明性、色その他の画像形成特性に影響を及ぼしてはなら
ない。耐ステイン性コーティングの適用及び硬化は、写
真要素の製造プロセスに適合するものでなければならな
い。当該オーバーコート層は、サブミクロンの厚さの層
として適用された場合に耐ステイン性を付与できなけれ
ばならない。さらに、耐ステイン性オーバーコートは、
耐引掻き傷性、耐磨耗性、耐フェロタイピング性及び耐
ブロック性をはじめとする優れた物理特性を有すること
も必要である。
【0005】写真要素には、その前面、後面のいずれに
も、多種多様な物質が吸着し、又は吸収される可能性が
あり、画質を低下させる永久ステインの原因となってい
る。このようなステインの原因物質の写真要素表面への
付着は様々な様式で起こり得る。例えば、写真要素の取
扱中に汚れ、指紋、グリース、等が写真要素上に付着す
ることがある。写真要素が汚れた表面に接触した時や、
例えば、コーヒーやソーダのような飲料が偶発的に溢れ
たために、写真要素が汚染されることもある。フィルム
処理中の未乾燥写真要素の表面に他のステインが付着す
ることもある。例えば、大部分が高分子の現像主薬酸化
体に由来するものであるタール様物質が、フィルム処理
液タンクの表面又は壁面に存在することがあり、これが
フィルム処理中に付着することがある。こうしたタール
は、写真要素の表面層に付着し、又は表面層内に拡散
し、除去することが極めて困難な褐色のステインを発生
させる場合がある。
【0006】フィルム処理機によるタールの付着やステ
インは、映画フィルムに用いられる一部の保護オーバー
コートについては特に問題となっている。米国特許第
5,786,134号、同第5,962,207号及び
同第5,952,165号明細書に、タールを拾い上げ
にくい改良された映画フィルムが記載されている。これ
らの特許出願明細書では、フィルムの裏側に、保護オー
バーコートの上に適用された耐ステイン性層が含まれ
る。当該保護オーバーコートは、順に導電層の上に適用
されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、新規な保護
オーバーコートを提供することにより、処理中のタール
の拾い上げを排除すると共に、静電荷の発生に伴う各種
の問題を解決することに関する。本保護オーバーコート
は、ポリウレタンと、一方がフッ素化され、したがって
疎油性であり、他方が水和可能である少なくとも二種の
セグメントを含有する共重合体と、導電剤とを含む塗布
組成物を塗布し、続いて乾燥することによって得られ
る。このため、本発明においては、従来技術のように別
の二層を追加塗布する必要なしに、タール付着のような
ステインが排除され且つ、静電荷の発生に伴う各種の問
題が解決される。さらに、本発明の保護オーバーコート
は、写真要素の透明性、摩擦特性その他の物理特性を損
なうことがなく、また溶剤又は水性媒体から低コストで
適用することができる。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、支持体、当該
支持体の第一の面上に累置された少なくとも一層のハロ
ゲン化銀乳剤層、並びに当該支持体の第二の面上に累置
された保護オーバーコートを含んでなる写真要素に関す
る。保護オーバーコートは、破断点引張伸び率が50%
以上であり且つ2%伸び率におけるヤング率が3447
37kPa(50,000 lb/in2 )以上であるポリウレタ
ン、フッ素含有アクリレート又はフッ素含有メタクリレ
ートのモノマーを含む繰返し単位Aと水和可能な基を含
有するエチレン系不飽和モノマーを含む繰返し単位Bと
を含む共重合体、及び導電剤、を含んでなる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明によると、高分子支持体の
片面上に少なくとも一層のハロゲン化銀乳剤層を、その
反対面上に、最外層として、耐ステイン性で導電性の保
護オーバーコートを有する写真要素であって、当該耐ス
テイン性で導電性の保護オーバーコートがポリウレタ
ン、耐ステイン性共重合体及び導電剤を含むことを特徴
とする写真要素が提供される。好ましくは、当該ポリウ
レタンは破断点引張伸び率が50%以上であり且つ2%
伸び率におけるヤング率が344737kPa(50,000
lb/in2 )以上である。当該耐ステイン性共重合体は、
フッ素含有アクリレート又はメタクリレートのモノマー
を含む繰返し単位Aと水和可能な基を含有するエチレン
系不飽和モノマーを含む繰返し単位Bとを含む。当該導
電剤は、写真処理液に対して固有的に安定である。
【0010】本発明の実施に用いられる写真用支持体材
料は、多種多様な支持体のいずれを含むこともできる。
典型的な支持体として、硝酸セルロースフィルム、酢酸
セルロースフィルム、ポリ(ビニルアセタール)フィル
ム、ポリスチレンフィルム、ポリ(エチレンテレフタレ
ート)フィルム、ポリ(エチレンナフタレート)フィル
ム、ポリカーボネートフィルム、ガラス、金属、紙、ポ
リマー塗被紙、等が挙げられる。支持体の厚さは問題で
はない。例えば、支持体の厚さとして0.0508〜
0.254mm(0.002〜0.010インチ)を採
用することにより非常に好ましい結果を得ることができ
る。密着性を高めるため、ポリエステル系支持体の上に
はアンダーコート又はプライマー層を使用することが典
型的である。このようなアンダーコート層は当該技術分
野では周知であり、例えば、米国特許第2,627,0
88号、同第2,698,235号、同第2,698,
240号、同第2,943,937号、同第3,14
3,421号、同第3,201,249号、同第3,2
71,178号及び同第3,501,301号明細書に
記載されているような、塩化ビニリデン/アクリル酸メ
チル/イタコン酸系ターポリマー又は塩化ビニリデン/
アクリロニトリル/アクリル酸系ターポリマーが含まれ
る。
【0011】写真フィルムや印画紙をはじめとする写真
要素においてバインダーとして皮膜形成性の親水性コロ
イドを使用することは極めて周知である。最も慣用され
ているのはゼラチンであり、そしてゼラチンは本発明に
使用する場合にも特に好ましい材料である。有用なゼラ
チンには、アルカリ処理ゼラチン(牛骨又は獣皮ゼラチ
ン)、酸処理ゼラチン(豚皮ゼラチン)、及びアセチル
化ゼラチン、フタル化ゼラチン、等のようなゼラチン誘
導体が含まれる。単独で又はゼラチンと一緒に使用でき
る他の親水性コロイドとして、デキストラン、アラビア
ゴム、ゼイン、カゼイン、ペクチン、コラーゲン誘導
体、コロジオン、寒天、アロールート、アルブミン、等
が挙げられる。さらに別の有用な親水性コロイドとし
て、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリ
(ビニルピロリドン)、等のような水溶性ポリビニル化
合物が挙げられる。
【0012】本発明の写真要素は、単純な黒白要素、す
なわちモノクロ要素であってもよいし、多層及び/又は
多色要素であってもよい。本発明のカラー写真要素は、
スペクトルの主要三領域の各領域に感光する色素像形成
性ユニットを含むことが典型的である。各ユニットは、
スペクトルの特定領域に感光するハロゲン化銀乳剤層を
単数又は複数含むことができる。要素の層は、画像形成
ユニットの層を含み、当該技術分野で周知の各種順序に
おいて配置することができる。
【0013】本発明による好適な写真要素は、イエロー
像色素を提供する材料が組み合わされている少なくとも
一層の青感性ハロゲン化銀乳剤層と、マゼンタ像色素を
提供する材料が組み合わされている少なくとも一層の緑
感性ハロゲン化銀乳剤層と、シアン像色素を提供する材
料が組み合わされている少なくとも一層の赤感性ハロゲ
ン化銀乳剤層とを含む。一又は二以上の乳剤層の他に、
本発明の要素は、写真要素において一般的な補助層、例
えば、オーバーコート層、ハレーション防止層、スペー
サー層、フィルター層、中間層、pH低下層(酸層とか
中和層と呼ばれる場合もある)、タイミング層、不透明
反射層、不透明吸光層、等を含むこともできる。
【0014】本発明の写真要素に用いられる感光性ハロ
ゲン化銀乳剤は、粗粒子、規則粒子もしくは微粒子のハ
ロゲン化銀結晶又はこれらの混合物を含むことができ、
また塩化銀、臭化銀、臭ヨウ化銀、塩臭化銀、塩ヨウ化
銀、塩臭ヨウ化銀及びこれらの混合物のようなハロゲン
化銀を含むことができる。乳剤は、例えば、平板状粒子
系の感光性ハロゲン化銀乳剤であってもよい。乳剤は、
ネガ型であっても直接ポジ型であってもよい。乳剤は、
潜像をハロゲン化銀粒子の主に表面に形成するものであ
っても、ハロゲン化銀粒子の主に内部に形成するもので
あってもよい。乳剤は、慣例に従い化学増感及び分光増
感することができる。乳剤は、典型的にはゼラチン系乳
剤であるが、慣例に従い他の親水性コロイドを使用する
こともできる。ハロゲン化銀乳剤に関する詳細は、リサ
ーチ・ディスクロージャー(Research Disclosure, Item
36544, September 1994) とその中に列記されている文
献に記載されている。
【0015】本発明に用いられる写真ハロゲン化銀乳剤
は、写真分野で慣用されている他の添加剤を含有するこ
とができる。有用な添加剤は、例えば、リサーチ・ディ
スクロージャー(Research Disclosure, Item 36544, Se
ptember 1994) に記載されている。有用な添加剤とし
て、分光増感色素、減感剤、カブリ防止剤、マスキング
カプラー、DIRカプラー、DIR化合物、ステイン防
止剤、像色素安定剤、フィルター色素やUV吸収剤のよ
うな吸収性材料、光散乱材料緒、塗布助剤、可塑剤、減
摩剤、等が挙げられる。
【0016】写真要素に用いられる色素像提供材料に依
存して、それをハロゲン化銀乳剤層に含める場合もあれ
ば、乳剤層と組み合わされた別個独立の層に含める場合
もある。色素像提供材料は、当該技術分野で知られてい
るいずれのものであってもよく、例えば、色素生成性カ
プラー、被漂白性色素、色素現像剤及びレドックス型色
素放出剤であることができ、また個別具体的に使用する
ものについては写真要素の特性や、所望の画像タイプに
も依存する。
【0017】別個の溶液による処理用に設計された常用
のカラー材料に用いられる色素像提供材料は、色素生成
性カプラー、すなわち現像主薬酸化体とのカップリング
により色素を生成する化合物、であることが好ましい。
シアン色素像を形成するための好ましいカプラーはフェ
ノール類及びナフトール類である。マゼンタ色素像を形
成するための好ましいカプラーはピラゾロン類及びピラ
ゾロトリアゾール類である。イエロー色素像を形成する
ための好ましいカプラーはベンゾイルアセトアニリド類
及びピバリルアセトアニリド類である。
【0018】本発明の保護オーバーコートはポリウレタ
ン、耐ステイン性共重合体及び導電剤を含有する。当該
ポリウレタンは脂肪族ポリウレタンであることが好まし
い。脂肪族ポリウレタンが好ましい理由は、熱安定性、
UV安定性に優れ、黄変しないからである。好ましく
は、本発明によるポリウレタンは、破断点引張伸び率が
50%以上であり且つ2%伸び率におけるヤング率が3
44737kPa(50,000 lb/in2 )以上であることを
特徴とする。これらの物理特性要件により、本オーバー
コート層は、硬質である上に靱性が高く、優れた耐磨耗
性と顕著なレジリエンスを同時に付与するものとなる。
【0019】本ポリウレタンは有機溶剤可溶性であって
も水分散性であってもよい。環境上の理由から、水分散
性ポリウレタンが好適である。水性ポリウレタン分散体
の調製法は、当該技術分野では周知であり、末端イソシ
アネート基を有するプレポリマーの水分散体をジアミン
又はジオールとの反応により連鎖延長させることを含
む。プレポリマーは、末端ヒドロキシル基を有するポリ
エステル、ポリエーテル、ポリカーボネート又はポリア
クリレートと過剰量の多官能性イソシアネートとを反応
させて得られる。次いで、この生成物を、イソシアネー
トと反応する官能基、例えば、ヒドロキシル基と、アニ
オンを生成し得る基(典型的にはカルボン酸基)とを有
する化合物で処理する。その後、当該アニオン性基を第
三アミンで中和して水性プレポリマー分散体を形成させ
る。
【0020】本発明の耐ステイン性共重合体は、フッ素
含有アクリレート又はフッ素含有メタクリレートのモノ
マーを含む繰返し単位Aと水和可能な基を含有するエチ
レン系不飽和モノマーを含む繰返し単位Bとを含むビニ
ル系共重合体である。より詳細には、繰返し単位Aは下
式で表されるフルオロ(メタ)アクリレート又はその混
合物から誘導される。 (Rf p LOCOCR=CH2 上式中、置換基Rf は、1個以上20個程度までの炭素
原子、好ましくは2〜10個の炭素原子を有する一価の
フッ素化された脂肪族有機基である。Rf の骨格鎖は直
鎖、分岐鎖又は環状鎖であることができ、また炭素原子
のみに結合したカテナリー二価酸素原子又は三価窒素原
子を含むこともできる。Rf は完全にフッ素化されてい
ることが好ましいが、Rf の骨格鎖上の置換基として、
炭素に結合した水素又は塩素原子が存在してもよい。R
f は少なくとも末端ペルフルオロメチル基を含有するこ
とが好ましい。pは1又は2であることが好ましい。
【0021】結合基Lは、単なる結合であるか、炭素原
子数1〜12個のヒドロカルビル結合基であってO,
P,S,Nのような置換又は無置換異種原子が置換及び
/又は介在していてもよいものである。RはH又はメチ
ルである。フルオロ(メタ)アクリレートモノマーは3
0質量%以上のフッ素を含有することが好ましい。本発
明において有用なフルオロ(メタ)アクリレートの例を
以下に示すが、これらに限定されるものではない。 CF3 (CF2 x (CH2 y OCOCR=CH2 (上式中、xは0〜20、好ましくは2〜10であり、
yは1〜10であり、そしてRはH又はメチルであ
る。) HCF2 (CF2 x (CH2 y OCOCR=CH2 (上式中、xは0〜20、好ましくは2〜10であり、
yは1〜10であり、そしてRはH又はメチルであ
る。)
【0022】
【化1】
【0023】(上式中、xは0〜20、好ましくは2〜
10であり、yは1〜10であり、zは1〜4であり、
R’はアルキル又はアリールアルキルであり、そして
R”はH又はメチルである。)
【0024】
【化2】
【0025】(上式中、xは0〜7であり、yは1〜1
0であり、そしてRはH又はメチルである。) CF3 (CF2 CF2 O)x (CF2 O)y (CH2
z OCOCR=CH2 (上式中、x+yは1〜20であり、zは1〜10であ
り、そしてRはH又はメチルである。)
【0026】繰返し単位Bは、水和可能なイオン性基も
しくは水和可能な非イオン性基又は水和可能なイオン性
基と水和可能な非イオン性基との組合せを有するエチレ
ン系不飽和モノマーから誘導される。水和可能なイオン
性基を有するモノマーには、下式で表される一官能性又
は多官能性カルボキシル含有モノマーが含まれる。 CH2 =CRL(COOH)x 上式中、RはH、メチル、エチル、カルボキシ、カルボ
キシメチル又はシアノであり、Lは、単なる結合である
か、炭素原子数1〜12個のヒドロカルビル結合基であ
ってO,P,S,Nのような置換又は無置換異種原子が
置換及び/又は介在していてもよいものである。Xは1
又は2である。当該繰返し単位は、プロトン化された酸
形で存在してもよいし、有機塩基又は無機塩基で中和さ
れた塩形で存在してもよい。
【0027】繰返し単位Bは、スルホン酸基を含有する
エチレン系不飽和モノマー、例えば、ビニルスルホン
酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メ
チルプロパンスルホン酸、等から誘導することもでき
る。別法として、繰返し単位Bは、リン酸基又はホウ酸
基を含有するエチレン系不飽和モノマーから誘導するこ
ともできる。これらの繰返し単位は、プロトン化された
酸形又は塩形で存在することができる。
【0028】繰返し単位Bは、置換又は無置換アンモニ
ウムモノマー、例えば、N,N,N−トリアルキルアン
モニウムメチルスチレン、N,N,N−トリアルキルア
ンモニウムアルキル(メタ)アクリレート、N,N,N
−トリアルキルアンモニウム(メタ)アクリルアミド、
等から誘導することもでき、その際の対イオンはフッ化
物、塩化物、臭化物、アセテート、プロピオネート、ラ
ウレート、パルメート、ステアレート、等であることが
できる。
【0029】さらに繰返し単位Bは、非イオン性の親水
性基を含有するエチレン系不飽和モノマーから誘導する
こともできる。適当なモノマーとして、一官能性又は多
官能性のヒドロキシル含有モノマー、例えば、ヒドロキ
シアルキル(メタ)アクリレート、N−ヒドロキシアル
キル(メタ)アクリルアミド、ポリ(オキシアルキレ
ン)含有(メタ)アクリレート、ポリ(オキシアルキレ
ン)含有イタコネート、(メタ)アクリルアミド及びビ
ニルピロリドンが挙げられる。
【0030】好ましくは、非イオン性の親水性基を含有
するモノマーは、ポリ(オキシアルキレン)基を含有す
る(メタ)アクリレートであって、当該オキシアルキレ
ン単位が2〜4個の炭素原子を有するもの、例えば、−
OCH2 CH2 −、−OCH 2 CH2 CH2 −、−OC
H(CH3 )CH2 −又は−OCH(CH3 )CH(C
3 )−であるものである。当該ポリ(オキシアルキレ
ン)に含まれるオキシアルキレン単位は、ポリ(オキシ
プロピレン)の場合のように同一であってもよいし、ま
たオキシエチレン単位のブロックとオキシプロピレン単
位のブロックとの異種の直鎖又は分岐鎖の場合のように
混合物として存在してもよい。当該ポリ(オキシアルキ
レン)基は4〜約200個、好ましくは15〜約150
個のオキシアルキレン単位を含有する。本発明の目的に
適したポリ(オキシアルキレン)含有(メタ)アクリレ
ートの代表例を下式で表す。 CH2 =CR’COO(CH2 CH2 O)x R” 上式中、R’とR”は各々独立にH又はメチルであり、
そしてxは4〜200である。
【0031】本発明のフルオロ(メタ)アクリレート共
重合体は10〜90質量%の単位Aと10〜90質量%
の単位Bとを含む。本発明のフルオロ(メタ)アクリレ
ート共重合体には、上記モノマー以外のモノマーが、本
発明に悪影響を及ぼさない程度の少量であれば、含まれ
ていてもよい。例えば、本発明の共重合体は、最大約4
0質量%、好ましくは最大約30質量%までであれば、
エチレン、酢酸ビニル、ハロゲン化ビニル、ハロゲン化
ビニリデン、アクリロニトリル、アルキル(メタ)アク
リレート、メタクリロニトリル、アクリル酸グリシジ
ル、メタクリル酸グリシジル、スチレン、アルキルスチ
レン、ビニルピリジン、ビニルアルキルエーテル、ビニ
ルアルキルケトン、ブタジエン、ビニルシラン及びこれ
らの混合物から誘導されたポリマーを含有することがで
きる。
【0032】本発明のフルオロ(メタ)アクリレート共
重合体はランダムコポリマー、グラフトコポリマー又は
ブロックコポリマーであることができる。当該共重合体
の分子量は約5000〜約10,000,000の範囲
にあることができる。耐ステイン性フルオロポリマーの
表面活性を高めるため、当該共重合体の分子量を約50
00〜100,000、最も好ましくは約5000〜約
50,000の範囲とすることが好ましい。当該共重合
体は有機溶剤可溶性であってもよいが、好ましくは水溶
性又は水分散性である。
【0033】本発明の保護オーバーコートは、写真処理
液に対して固有的に安定な導電剤を含有する。すなわ
ち、当該導電剤の導電特性がフィルム処理後に損なわれ
ることはない。本保護オーバーコートの抵抗率は、フィ
ルムの処理前後で約5×1011Ω/□以下である。本保
護オーバーコートに用いるのに好適な導電剤として、以
下の種類のものが挙げられる。 1)ドナーをドープした金属酸化物、酸素欠陥を含む金
属酸化物、導電性窒化物、導電性炭化物及び導電性臭化
物をはじめとする導電性含金属粒子。特に有用な粒子の
具体例として、導電性のSnO2 、In2 3 、ZnS
2 6 、InSbO4 、TiB2 、ZrB2 、NbB
2 、TaB2 、CrB、MoB、WB、LaB6 、Zr
N、TiN、WC、HfC、HfN及びZrCが挙げら
れる。これらの導電性粒子が記載されている特許の例と
して、米国特許第4,275,103号、同第4,39
4,441号、同第4,416,963号、同第4,4
18,141号、同第4,431,764号、同第4,
495,276号、同第4,571,361号、同第
4,999,276号、同第5,122,445号及び
同第5,368,995号が挙げられる。 2)例えば、米国特許第4,845,369号及び同第
5,166,666号に記載されているようなアンチモ
ンをドープした酸化錫を非導電性チタン酸カリウムウィ
スカー表面に被覆したものや、米国特許第5,719,
016号及び同第5,0731,119号に記載されて
いるようなアンチモンをドープした酸化錫の繊維又はウ
ィスカー、を含んでなる繊維状導電性粉末。 3)米国特許第4,237,194号及び同第5,37
0,981号並びに特願平2−282245号及び同2
−282248号に記載されている導電性ポリアセチレ
ン、ポリチオフェン及びポリピロール。
【0034】本発明の目的にとって特に好適な導電剤の
具体例として、アンチモンをドープした酸化錫の針状粒
子又は「ウィスカー」、例えば、石原産業株式会社製の
FS-10D、又は導電性ポリチオフェン、例えば、Bayer 社
からBaytron P の商品名で市販されているチオフェン含
有ポリマーが挙げられる。これらの導電剤はフィルム処
理液の影響を受けず、非常に低い濃度で用いた場合でも
優れた帯電防止特性を提供するものである。
【0035】本発明の保護オーバーコートは、約2〜約
20体積%の導電剤を含有する。体積%を使用する理由
は、導電剤の密度が、例えば、導電性ポリマーの場合の
1g/cm3 程度から導電性金属酸化物の場合の7g/cm3
近までというように、広範囲にわたり変動し得るからで
ある。保護オーバーコートは、質量基準で、ポリウレタ
ンとフルオロ(メタ)アクリレート共重合体とを約6対
約0.5、好ましくは約4対約1、最も好ましくは約4
対約2の比率で含有する。まったく意外なことに、本発
明者らは、導電剤、ポリウレタン及び耐ステイン性共重
合体のこれらの濃度範囲内において、良好な帯電防止特
性、物理特性及び耐ステイン性の各要件が同時に達成さ
れ得ることを発見した。
【0036】本発明の保護オーバーコートの耐磨耗性
は、当該ポリウレタン及び/又は共重合体において存在
している官能基、例えば、カルボキシル基、と反応する
架橋剤を添加することによって、改良することができ
る。この目的には、アジリジン、カルボジイミド、エポ
キシ、等の架橋剤が好適である。架橋剤は、保護オーバ
ーコートの総乾質量を基準として約0.5〜約30質量
%で使用することができる。しかしながら、架橋剤濃度
は乾燥塗布質量に対して約2〜12質量%とすることが
好ましい。当該耐ステイン性保護オーバーコートは、固
形分含有量約0.5〜約20.0質量%の塗布組成物か
ら塗布することにより乾燥塗布質量約50〜約3000
mg/m2 を与えることが好ましい。
【0037】写真フィルムの製造時及びその顧客による
取扱い時に良好な搬送特性を確保するための摩擦係数を
当該耐ステイン性保護オーバーコートに付与するため、
適当な減摩剤を含めることができる。米国特許第2,5
88,756号、同第3,121,060号、同第3,
295,979号、同第3,042,522号及び同第
3,489,567号明細書に記載されている脂肪酸の
高級アルコールエステル、高級脂肪酸カルシウム塩、金
属ステアリン酸塩、シリコーン化合物、パラフィン、等
をはじめとする多様な減摩剤を使用することができる。
十分な搬送特性を確保するためには、減摩面の摩擦係数
を0.10〜0.40の範囲にすべきである。しかしな
がら、最も好適な範囲は0.15〜0.30である。保
護オーバーコートの摩擦係数が0.15未満であると、
細長いスリットロール状の写真フィルムが保存中又は運
搬中に不安定となり、不安定なフィルムロールに一般的
な状態であるが、折り重なったり窪んだりする場合があ
る。当該摩擦係数が製造時に0.30よりも高い場合、
あるいは処理後に残存しない保護オーバーコート減摩剤
に一般的な状態であるが、当該摩擦係数が写真フィルム
処理後に0.30よりも高くなる場合には、写真フィル
ムの搬送特性が、特にある種の写真フィルム焼付け機及
び映写機において、低下することとなる。
【0038】特に水分散型の減摩剤が好ましい。この形
態の減摩剤は水性保護オーバーコート組成物に直接含め
ることができ、保護オーバーコート層の上に減摩層を別
個独立に適用しなくてもよくなるからである。水性保護
オーバーコートの内蔵型減摩剤としては、カルナバ蝋、
ポリエチレンオキシド、マイクロワックス、パラフィン
蝋、シリコーン、ステアレート及びアミドが良好に機能
する。しかしながら、低濃度の減摩剤で摩擦を制御する
有効性及び水性バインダーとの適合性に優れる点で、カ
ルナバ蝋又はステアレートの水分散型減摩剤が好適であ
る。
【0039】減摩剤の他、製造装置、焼付装置、処理装
置及び映写装置でのフィルムの搬送を改良するためには
マット剤が重要である。また、これらのマット剤は、ロ
ールフィルムに典型的な乳剤面の圧接時に保護オーバー
コートがフェロタイピングを起こす可能性を低下させる
こともできる。用語「フェロタイピング」は、巻きがき
ついロールのように、裏面の最外層が、乳剤面に圧接し
た時に、当該裏面層と乳剤面の表層とを分離する際にそ
れらの間に多少なりとも粘着性が認められるに十分な強
さで乳剤面に付着する状態を記述するものである。フェ
ロタイピングがひどい場合には、保護トップコートと乳
剤面の表層とを分離する時に乳剤表面が損傷を受けるこ
とがある。こうしたひどい損傷は乳剤のセンシトメトリ
ーに悪影響を及ぼす可能性がある。
【0040】本発明の耐ステイン性保護オーバーコート
はマット粒子を含有することができる。マット剤はシリ
カ、炭酸カルシウムその他の無機酸化物、ガラス球体、
粉砕ポリマー、高融点ワックス及び高分子マットビーズ
であることができる。形状及び粒径の均一性の点で、高
分子マットビーズが好適である。マット粒子の平均直径
は約0.5〜約5μmの範囲とすべきであるが、その好
適な範囲は約0.75〜約2.5μmである。マット粒
子の使用量は乾燥塗布質量として約1〜約100mg/
2 の範囲とすることができる。マット粒子の好適な塗
布質量は約1〜約50mg/m2 の範囲である。
【0041】
【実施例】以下、実施例を参照しながら本発明を詳説す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。 耐ステイン性共重合体の調製 耐ステイン性共重合体の調製には以下のモノマーを使用
した。 FX−13:2−(N−エチルペルフルオロオクタンス
ルホンアミド)エチルアクリレート
【0042】
【化3】
【0043】PGMA:ポリ(エチレングリコール)メ
タクリレート
【0044】
【化4】
【0045】AA:アクリル酸
【0046】
【化5】
【0047】本共重合体は、テトラヒドロフラン溶剤中
でのラジカル溶液重合法で調製し、次いでトリエタノー
ルアミンで中和して脱イオン水中に分散させた。以下、
フルオロアクリレート(3M Fluorad(商標)FX-13)、ポ
リエチレングリコールメタクリレート(Carbowax-550 ア
クリレート、PGMA) 及びアクリル酸(AA)を含有する共重
合体の一例を示す。1リットルの丸底フラスコに、 Flu
orad(商標)FX-13 (56 g)、PGMA(16 g)及びAA(8 g) を
320 g のテトラヒドロフラン及び0.5 g のAIBN開始剤と
共に装填した。そのフラスコを軽く振り混ぜてモノマー
開始剤混合物を溶解させ、次いでそれを窒素で10分間ス
パージした。そのフラスコをゴムのセプタムで封止し、
そして60℃の定温水浴に24時間浸漬した。その後得られ
たポリマー溶液を室温まで冷まし、11 gのトリエチルア
ミンを添加して中和し、最後に脱イオン水で希釈して固
形分含有率 7.7%のポリマー水溶液を得た。このポリマ
ーにおけるFX-13/PGMA/AA の質量比は60/30/10であり、
分子量は16,000であった。
【0048】例1 まず、延伸、幅出し前の支持体の両面にアクリロニトリ
ル、塩化ビニリデン及びアクリル酸からなる下塗用ター
ポリマーを最終塗布質量が約90 mg/m2になるように適用
することにより、下塗りしたポリエステル支持体を製作
した。下記成分からなる本発明の保護オーバーコートを
製作し、その層を支持体の片面上のターポリマー下塗層
の上に1g/m2の乾燥塗布質量で適用した。 耐ステイン性共重合体 FX-13/PGMA/AA=60/30/10 200 mg/m2 Sancure 898 * 水分散型ポリウレタン(B.F.Goodrich Co.) 600 mg/m2 多官能性アジリジン架橋剤(CX100, Zeneca Resins Co.) 30 mg/m2 アンチモンをドープした酸化錫ウィスカー(FS-10D 、石原産業) 5体積% * Sancure 898 は、破断点引張伸び率が210 %であり且つ2%伸び率におけるヤ ング率が792897 kPa(115,000 lb/in2)である。 次いで、この試料を電気抵抗率及び耐処理機タールステ
イン性について試験した。
【0049】タールステイン試験 ルーチン的なフィルム現像に際しては、副生物の発色現
像主薬酸化体が褐色の油状残留物を形成し、これがフィ
ルム表面に吸着して永久的な褐色の汚れた斑点、すなわ
ちタールを生ぜしめる場合がある。各試料のタール/ス
テインの蓄積傾向を測定するため、現像液タール模擬試
験を実施した。試験は約40.6℃(105°F)で行
い、現像液タンクから採取したタールを現像浴中に浸漬
したコーティング上に塗り付け、その後そのタールを希
硫酸で除去するというものとした。その後のステイン又
はタールが当該コーティングのタール吸着傾向を示すも
のとなる。
【0050】電気抵抗率試験 表面電気抵抗率の測定は、米国特許第2,801,19
1号に記載されているもののような方法により二点式D
Cプローブを用いたKiethley Model 616デジタルエレク
トロメーターで行った。抵抗率の測定はフィルムの耐ス
テイン性保護オーバーコートの面上で行った。例1は、
フィルム処理後の抵抗率値が5×109 Ω/□となっ
た。この値は優れた帯電防止能を与える高導電性層であ
ることを示すものである。さらに、例1は優れた耐処理
機タールステイン性を示した。
【0051】本発明の他の保護オーバーコート組成物を
調製し、耐タールステイン性及び電気抵抗率について評
価した。コーティング組成物の説明及び得られた結果を
以下の表に示す。以下の例で用いた共重合体の重量比は
FX-13/PGMA/AA=60/30/10とした。保護オーバーコートは
1g/m2 の総乾燥塗布質量で適用し、30mg/m 2
のCX100 多官能性アジリジン架橋剤を含有するものとし
た。以下の結果からわかるように、本発明の保護オーバ
ーコート組成物のみが、処理機タールステインに対して
優れた耐性を提供すると同時に、帯電防止特性が有効で
あることを示す5×1011Ω/□未満の抵抗率値を与え
た。フルオロ(メタ)アクリレート共重合体に対するポ
リウレタンの比率が高いオーバーコート(比較試料C1
〜C3)は、耐タールステイン性が不十分であった。
【0052】
【表1】
【0053】以下、本発明の好ましい具体的態様を項分
け記載する。 〔1〕支持体;前記支持体の第一の面上に累置された少
なくとも一層のハロゲン化銀乳剤層;並びに前記支持体
の第二の面上に累置された保護オーバーコートであっ
て、破断点引張伸び率が50%以上であり且つ2%伸び
率におけるヤング率が344737kPa以上であるポ
リウレタン、フッ素含有アクリレート又はフッ素含有メ
タクリレートのモノマーを含む繰返し単位Aと水和可能
な基を含有するエチレン系不飽和モノマーを含む繰返し
単位Bとを含む共重合体、及び導電剤、を含んでなる前
記保護オーバーコート;を含んでなる写真要素。 〔2〕当該支持体が硝酸セルロースフィルム、酢酸セル
ロースフィルム、ポリ(ビニルアセタール)フィルム、
ポリスチレンフィルム、ポリ(エチレンテレフタレー
ト)フィルム、ポリ(エチレンナフタレート)フィル
ム、ポリカーボネートフィルム、ガラス、金属又は紙を
含む、〔1〕項に記載の写真要素。 〔3〕当該繰返し単位Aが下式で表されるフルオロ(メ
タ)アクリレートから誘導された、〔1〕項に記載の写
真要素。 (Rf p LOCOCR=CH2 (上式中、置換基Rf は、1個以上20個程度までの炭
素原子を有する一価のフッ素化された脂肪族有機基であ
り、pは1又は2であり、そしてLは単なる結合である
か、1〜12個の炭素原子を含有するヒドロカルビル結
合基である。) 〔4〕当該フルオロ(メタ)アクリレートモノマーが3
0質量%以上のフッ素を含有する、〔3〕項に記載の写
真要素。 〔5〕当該繰返し単位Bが下式で表されるモノマーから
誘導された、〔1〕項に記載の写真要素。 CH2 =CRL(COOH)x (上式中、RはH、メチル、エチル、カルボキシ、カル
ボキシメチル又はシアノであり、Lは単なる結合である
か、1〜12個の炭素原子を含有するヒドロカルビル結
合基であり、Xは1又は2である。) 〔6〕当該共重合体が10〜90質量%の繰返し単位A
及び10〜90質量%の繰返し単位Bを含む、〔1〕項
に記載の写真要素。 〔7〕当該共重合体の分子量が約5000〜約10,000,000で
ある、〔1〕項に記載の写真要素。 〔8〕当該導電剤が導電性含金属粒子、繊維状導電性粉
末、導電性ポリアセチレン、導電性ポリチオフェン又は
導電性ポリピロールを含む、〔1〕項に記載の写真要
素。
〔9〕当該導電剤が当該保護オーバーコートの2〜約2
0体積%を構成している、〔1〕項に記載の写真要素。 〔10〕当該保護オーバーコートがさらに架橋剤、減摩
剤又はマット剤を含む、〔1〕項に記載の写真要素。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 マリオ デニス デローラ アメリカ合衆国,ニューヨーク 14464, ハムリン,クローズ ホロー ドライブ 87

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体;前記支持体の第一の面上に累置
    された少なくとも一層のハロゲン化銀乳剤層;並びに前
    記支持体の第二の面上に累置された保護オーバーコート
    であって、破断点引張伸び率が50%以上であり且つ2
    %伸び率におけるヤング率が344737kPa以上で
    あるポリウレタン、フッ素含有アクリレート又はフッ素
    含有メタクリレートのモノマーを含む繰返し単位Aと水
    和可能な基を含有するエチレン系不飽和モノマーを含む
    繰返し単位Bとを含む共重合体、及び導電剤、を含んで
    なる前記保護オーバーコート;を含んでなる写真要素。
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