JP2000280360A - 層群に対する再塗層パラメータを用いた3次元物体造形のためのステレオリソグラフィ方法および装置 - Google Patents

層群に対する再塗層パラメータを用いた3次元物体造形のためのステレオリソグラフィ方法および装置

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Abstract

(57)【要約】 造形物体の硬化層を形成する準備段階として、液体あ
るいはその他の流体状材料層を形成する際に用いられる
塗層パラメターの制御が改良された、3次元物体造形の
ための高速試作および製造(たとえばステレオリソグラ
フィ)方法および装置。前記造形物体の各硬化層は、一
次硬化層あるいは二次硬化層として扱われる。前記二次
硬化層に関しては、それに対応する層が形成された際に
硬化された部分は一部のみである。前記一次硬化層に関
しては、それに対応する層が形成された際に主たる部分
が硬化され、その際、二次硬化層中の以前に硬化されな
かった部分も同時に硬化される。一次層および二次層に
対する塗層膜形成について異なった制御を適用するため
に、一次層および二次層の群に対して再塗層パラメター
が与えられる。二次層の塗層制御は、一次層と比較した
個々の二次層あるいは二次層の組の相対位置に基づい
て、行われ得る。上記の制御改良により、連続する層の
各組において、(1)より高精度の層形成、および/ま
たは(2)より短い層形成時間が実現される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】関連出願の表示 本出願は、1999年5月11日にKrugerらに発行され
た米国特許第5,902,538号の一部継続出願であ
る。本明細書は、上記の参照出願の全開示内容を参照に
より記載しているものとする。
【0002】発明の属する技術分野 本発明は、高速試作および製造(Rapid Prototyping an
d Manufacturing; RP&M)技術(たとえばステレオリソ
グラフィ)を使用した3次元物体の造形に関するもので
ある。本発明は、より詳細には、複数の層から成るある
1つの組内において変化し、その変化を連続する複数の
組において繰り返すような再塗層パラメターを備えたス
テレオリソグラフィを用いた、3次元物体造形に関する
ものである。
【0003】発明の背景 1. 関連技術 高速試作および製造(Rapid Prototyping and Manufact
uring; RP&M)と呼ばれる技術分野に属する技術を利用
すると、ある3次元物体を表現したコンピュータ上の3次
元データから、高速かつ自動的にその3次元物体を造形
することができる。このRP&Mには、(1)ステレオリソ
グラフィ法、(2)選択的積層成型法、および(3)ラ
ミネート・オブジェクト作成法の3つの技術分類が含ま
れると考えられている。
【0004】ステレオリソグラフィ法の分類に属する技
術では、形成済みの層に接する流体状材料の新たな層を
形成させ、3次元物体の連続断面を表す断面データをも
とにこの層を選択的に硬化させ、硬化層(すなわち固体
化した層)を形成・密着させるという操作の繰り返しに
より、3次元物体を作成する。単にステレオリソグラフ
ィと呼ぶ場合は、ステレオリソグラフィ法に属する技術
のうち特に、所定の硬化刺激に露出することにより選択
的に硬化させられる液体材料を利用した技術を指すもの
と捕らえられている。ここで、液体材料とは典型的には
感光性重合体であり、所定の硬化刺激とは典型的には可
視光あるいは紫外線の放射エネルギーである。放射エネ
ルギーはレーザーで発生させるのが典型であるが、アー
ク灯や電灯等、他のエネルギー源の使用も可能である。
硬化刺激に対する流体の露出は、ビーム走査、あるいは
放射エネルギーを選択的に透過もしくは反射する光バル
ブを利用した一括露出制御により行われる。液体材料を
使用したステレオリソグラフィに関しては、多くの特
許、特許出願および特許公開が開示されており、そのい
くつかについては、後出の関連出願の項で簡潔に述べ
る。
【0005】ステレオリソグラフィ技術として知られる
他の技術としては、選択的レーザー焼結(Selective La
ser Sintering; SLS)が挙げられる。SLSは、粉末材料
層を赤外線放射エネルギーに露出し、粉末粒子を燒結も
しくは溶解させることにより、選択的硬化をはかる技術
に基づいている。SLSに関しては、1989年9月5日
にDeckardに発行された米国特許第4,863,538
号に記載されている。3番目に挙げられるのは、3次元
印刷(Three Dimensional Printing; 3DP)と呼ばれる
技術である。3DPは、粉末材料層に結合剤を選択的に吹
き付けることにより、選択的硬化をはかる技術に基づい
ている。3DPに関しては、1993年4月20日にSachs
に発行された米国特許第5,204,055号に記載さ
れている。
【0006】選択的積層成型法(Selective Deposition
Modeling; SDM)では、3次元物体の断面を表すデータ
をもとに、硬化性材料を一硬化層分ずつ選択的に重ねて
いくことにより、3次元物体を作成する。こうした技術
の1つに、溶解積層成型法(Fused Deposition Modelin
g; FDM)がある。FDMは、過熱された流体状の造形材料
を、造形物体の形成済み硬化層の上に糸状に押し出して
硬化させる過程を含む。FDMに関しては、1992年6
月9日にCrumpに発行された米国特許第5,121,3
29号に記載されている。他の技術としては、弾道粒子
成型法(Ballistic Particle Manufacturing; BPM)が
挙げられる。BPMでは、5軸インクジェット噴射機を用
いて、硬化済みの層の上に造形材料の粒子を発射する。
BPMに関しては、1996年5月2日に公開されたBrown
による国際特許公開第WO/96/12607号、199
6年5月2日に公開されたBrownによる国際特許公開第W
O/96/12608号、1996年5月2日に公開さ
れたMenhennettによる国際特許公開第WO/96/126
09号、1996年5月2日に公開されたMenhennettに
よる国際特許公開第WO/96/12610号に記載され
ている。3番目に挙げられる技術は、マルチジェット成
型法(Multijet Modeling; MJM)と呼ばれる技術で、複
数のインクジェット・オリフィスから造形材料の液滴を
選択的に吹き付けることにより、造形過程の高速化がは
かられている。MJMに関しては、1999年8月24日
にEarlらに発行された米国特許第5,943,235
号、および1996年9月27日にLeydenらにより出願
された米国特許出願第08/722,335号(両出願
とも本出願と同様3D Systems社に譲渡されている)に記
載されている。
【0007】ラミネート・オブジェクト作成法(Lamina
ted Object Manufacturing; LOM)では、造形される3
次元物体を表す断面データに応じて選択された順序で、
シート状の材料を積層、接着および選択的に切断するこ
とにより、3次元物体を造形する。LOMに関しては、19
88年6月21日にFeyginに発行された米国特許第4,
752,352号、1991年5月14日にKinzieに発
行された米国特許第5,015,312号、1993年
3月9日にHullらに発行された米国特許第5,192,
559号、および1995年7月6日に公開されたMori
taによる国際特許公開第WO/95/18009号に記
載されている。
【0008】本発明の技術は、主として液体材料を用い
たステレオリソグラフィによる物体造形のための技術、
より詳細には、いくつかの層上のいくつかの物体部分を
露出せずにおいた上で、それらの物体部分をその後の層
が液体材料表面にある際に露出するような露出技術を採
用した場合における、層形成のための技術である。本技
術分野においては、より精度よく、または/かつより適
切なタイミングで材料塗層を形成するための、改良技術
が求められている。
【0009】2. その他の関連特許および関連特許
出願 本明細書中では、前出および後出の特許、特許出願、お
よび特許公開の全内容を参照により記載しているものと
する。表1から表6は、本出願の譲受人が共有する特許
および特許出願の一覧表である。特定記載事項について
の参照先が分かるよう、表中には各特許および特許出願
の発明主旨を簡単に併記した。表中の発明主旨に関する
各項目は、文中に特記した事項に発明主旨を限定する意
図ものではなく、各特許出願および特許に記載されてい
る全ての発明主旨を含む意味合いのものである。表に示
した参照書類の記載事項は、多くの点で本出願の記載事
項と組み合わせて利用できる。例えば、種々のデータ操
作技術に関する参照書類と本発明の記載事項とを併せて
用いれば、より有用に修正された造形物体データを引き
出し、より精密および/または効率的な物体造形を行う
ことも可能である。他にも例を挙げると、各参照書類で
開示されている種々の装置構成についても、本発明に含
まれる新規の特徴と組み合わせた利用が可能である。
【0010】
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】 また、本明細書中では、以下の2冊の書籍に関しても全
内容を参照により記載しているものとする:(1)Paul
F. Jacobs著; Rapid Prototyping and Manufacturing:
Fundamentals of Stereolithography; 発行元Society
of Manufacturing Engineers, Dearborn MI, U.S.A.;
1992年 (日本語訳:「高速3次元成型の基礎」、
日経BPセンター、1993年); (2)Paul F. Jaco
bs著; Stereolithography and other RP&M Technologie
s: from Rapid Prototyping to Rapid Tooling; 発行元
Society of Manufacturing Engineers, Dearborn MI,
U.S.A.; 1996年。
【0011】発明の要約 本発明の第一の目的は、材料塗層膜の形成に費やす時間
を短縮することにより、3次元物体の造形をより高速に
て行うことである。
【0012】本発明の第二の目的は、改良された造形材
料塗層膜を形成することである。
【0013】本発明のさらなる特徴は、上記の目的を別
個に、あるいはあらゆる形で組み合わせて達成しようと
するところにある。
【0014】本発明は第一に、複数の密着した硬化層か
ら3次元物体を造形する方法を提供するものであって、
その方法は、(1)前記物体の次硬化層を形成する準備
段階として、直前に形成された材料層に連続して接する
材料層を形成し、それらの連続層のいくつかは一次層で
あり、各一次層同士は1つあるいは複数の二次層を挟ん
で分離されており、(2)少なくとも第一層群および第
二層群の層群を規定し、前記第一群は複数の前記一次層
を含む群とし、前記第二群は前記第一群中の連続した2
枚の一次層間に配された1つあるいは複数の前記二次層
を含む群とし、(3)前記一次層に対応する一次硬化層
の主たる部分を形成し、かつ二次硬化層の少なくとも一
部を形成するために、前記一次層を選択的に露出し、
(4)前記二次層に対応する前期二次硬化層の少なくと
も一部を形成するために、前記第二層を選択的に露出す
る工程を含む方法である。前記第一層および第二層の露
出により、前硬化層に対する硬化層の密着が得られ、複
数の密着した硬化層から物体を造形することができる。
前記第一層群の形成は、再塗層パラメターの第一組によ
り制御され、また前記第二層群の形成は、前記パラメタ
ーの第一組とは異なる再塗層パラメターの第二組により
制御される。
【0015】本発明は第二に、複数の密着した硬化層か
ら3次元物体を造形する方法を提供するものであって、
その方法は、(1)連続層の組の数Sを規定し、(2)
層の組を複数規定し、(3)前記複数の組のそれぞれか
ら1つあるいは複数の層を集めた層群を複数規定し、
(4)規定された前記各層群に再塗層パラメターを付与
し、(5)ある特定層の形成に使用される前記再塗層パ
ラメターは、前記特定層を含む層群のために指定された
再塗層パラメターに従うものとし、前記物体の次硬化層
を形成する準備段階として、直前に形成された材料層に
連続して接する材料層を形成し、(6)複数の密着した
硬化層から前記物体を造形するために、前記の層を選択
的に露出し、その層に対応する硬化層の少なくとも一部
を形成するといった、複数の要素を含む方法である。
【0016】本発明は第三に、複数の密着した硬化層か
ら3次元物体を造形する装置を提供するものであって、
その装置は、(1)前記物体の次硬化層を形成する準備
段階として、先に形成された材料層に連続して接する材
料層を形成する手段であって、それらの連続層のいくつ
かが一次層となり、各一次層同士が1つあるいは複数の
二次層を挟んで分離されるような手段、(2)少なくと
も第一層群および第二層群の層群を規定する手段であっ
て、前記第一群が複数の前記一次層を含む群となり、前
記第二群が前記第一群中の連続した2枚の一次層間に配
された1つあるいは複数の前記二次層を含む群となるよ
うな手段、(3)前記一次層に対応する一次硬化層の主
たる部分を形成し、かつ二次硬化層の少なくとも一部を
形成するための、前記一次層を選択的に露出する手段、
および(4)前記二次層に対応する二次硬化層の少なく
とも一部を形成するための、前記第二層を選択的に露出
する手段を備えた装置である。前記第一層および第二層
の露出により、前硬化層に対する硬化層の密着が得ら
れ、複数の密着した硬化層から物体を造形することがで
きる。この造形手段では、前記第一層群の形成は、再塗
層パラメターの第一組により制御され、また前記第二層
群の形成は、前記パラメターの第一組とは異なる再塗層
パラメターの第二組により制御される。
【0017】本発明は第四に、複数の密着した硬化層か
ら3次元物体を造形する装置を提供するものであって、
その装置は、(1)前記物体の次硬化層を形成する準備
段階として、先に形成された材料層に連続して接する材
料層を形成する塗層システムであって、それらの連続層
のいくつかが一次層となり、各一次層同士が1つあるい
は複数の二次層を挟んで分離されるようなシステム、
(2)少なくとも第一層群および第二層群の層群を規定
するためにプログラミングされたコンピュータであっ
て、前記第一群を複数の前記一次層を含む群とし、前記
第二群を前記第一群中の連続した2枚の一次層間に配さ
れた1つあるいは複数の前記二次層を含む群とするよう
にプログラミングされたコンピュータ、および(3)前
記材料層を選択的に露出する露出システムであって、そ
の担う露出に(A)前記一次層に対応する一次硬化層の
主たる部分を形成し、かつ二次硬化層の少なくとも一部
を形成するための前記一次層の露出、および(B)前記
二次層に対応する前期二次硬化層の少なくとも一部を形
成するための、前記第二層の露出を含むシステムを備え
た装置である。前記第一層および第二層の露出により、
前硬化層に対する硬化層の密着が得られ、複数の密着し
た硬化層から物体を造形することができる。この装置に
含まれる塗層システムは、前記第一層群の形成を、再塗
層パラメターの第一組により制御し、また前記第二層群
の形成を、前記パラメターの第一組とは異なる再塗層パ
ラメターの第二組により制御する。
【0018】本発明は第五に、上記第二の特徴として記
した方法を実行する装置を提供するものである。
【0019】関連の図と組み合わせて以下に述べる実施
形態から、本発明のさらなる特徴が明らかになるであろ
う。上述した本発明の特徴をそれぞれ組み合わせて実施
する事項も、本発明のまたさらなる特徴として含まれ
る。
【0020】本発明の好ましい実施形態の説明 図1および図2は、本発明を実施するための好ましいス
テレオリソグラフィ装置1(SLA)の概略を示した図
である。SLAの基礎をなす各構成要素については、前
出の参照書類表に示した通り、米国特許第4,575,
330号、5,184,307号、および5,182,
715号に記載されている。好ましいSLAには、造形
物体15の素となる造形材料5(すなわち感光性重合
体)を入れるための槽3、エレベータ7とその駆動機構
(図示せず)、エレベータに付属した支持台9、露出シ
ステム11、再塗層バー13とその駆動機構(図示せ
ず)、および最低1台のコンピュータが備わっている。
上記のコンピュータは、造形物体データの(必要に応じ
た)操作と、露出システム、エレベータ、および再塗層
装置の制御を行うためのものである。
【0021】図1は、造形物体の造形途中段階のうち、
最も新しく形成された硬化層が、造形材料5上部表面の
所望の水準(すなわち所望の作業面)から、およそ1層
の厚さ分だけ下の位置に下げられた段階を図示したもの
である。層の厚さは薄く、かつ造形材料は非常に粘性が
強いので、図1に示したように、支持台9を下降させて
も、造形材料は最新硬化層の上全体に効果的に流れてこ
ない。図2は、前硬化層上を塗層バー13が掃引し、次
の造形材料層が形成されている途中の段階を示した図で
ある。
【0022】好ましい露出システムについては、前出の
引例表に示した数件の特許および特許出願に記載があ
り、たとえば5,058,988号、5,059,02
1号、5,123,734号、08/792,347
号、09/248,352号および09/247,12
0号などが挙げられる。ここで言う好ましい露出システ
ムは、レーザー、ビーム集束システム、およびコンピュ
ータにより制御されたモーター駆動型もしくは検流計型
のXY可回転走査鏡を備えたものである。
【0023】好ましい制御システムとデータ操作システ
ム、および好ましいソフトウェアについては、米国特許
第5,184,307号、5,321,622号、5,
597,520号を含め、前出の引例表に挙げた多くの
特許に記載されている。
【0024】好ましい再塗層装置については、再塗層バ
ー13、調整された真空ポンプ17、およびバー13と
ポンプ17を繋ぐ真空管19に関する説明を含め、前出
の引例表に挙げた米国特許出願第08/790,005
号に記載されている。
【0025】好ましいSLAが有する他の要素(図示せ
ず)としては、液面水準制御システム、造形チャンバ
ー、温度制御システムを含む環境制御システム、安全用
インターロック、視認装置などが挙げられる。
【0026】本発明を実施するためのSLAは、カリフ
ォルニア州バレンシアの3D Systems社から入手可能であ
る。ここで言うSLAには、320nmで動作するCW
(連続波)HeCdレーザーを使用したSLA−25
0、355nmで動作する半導体レーザーを使用し、各
々パルス反復率22.2KHz、40KHz、25KH
zを採用しているSLA−3500、SLA−500
0、およびSLA−7000が含まれる。造形材料とし
て好ましいのは、カリフォルニア州ロサンゼルスのCIBA
Specialty Chemicals社により製造された感光性重合体
であり、これも3D Systems社から入手可能である。上記
重合体としては、SL 5170、SL 5190、およ
びSL 5530HTが挙げられる。
【0027】SLAの典型的動作には、造形材料による
塗層膜(すなわち造形材料層)の生成と、その塗層膜の
選択的硬化を繰り返し、複数の密着した硬化層からなる
造形物体を造形する動作が含まれる。この処理過程を概
念的に説明する。まず、エレベータに付属した支持台9
が、感光性重合体5の上面20から1層の厚さ分だけ沈
められる。感光性重合体の塗層膜は、液面から所望の深
さまでにある材料を硬化させるような所定の硬化刺激
(たとえば紫外ビーム)に選択的に露出され、造形物体
の第一硬化層が、エレベータに付属した支持台に密着し
た形で形成される。この第一硬化層は、造形物体の第一
断面、もしくは造形物体を支持台上に固定するための保
持部分の第一断面に相当する。この第一硬化層の形成
後、エレベータに付属した支持台および支持台に密着し
た第一硬化層は、1層の厚さに相当する深さ分、材料中
に沈められる。
【0028】以下、層厚その他の長さの単位には、
(1)インチ、(2)ミリインチ(すなわちミル)、あ
るいは(3)ミリメートルのいずれかの単位を用いる。
通常、用いられる材料は非常に粘性が強く、各材料層の
厚さは非常に薄い(たとえば4−10ミル)ので、最新
硬化層上には材料塗層膜が容易に形成されない(図1参
照)。塗層膜が容易に形成されない場合には、再塗層装
置によって、造形材料(すなわち感光性重合体)の表面
上もしくは表面よりも若干上の面上を掃引し、新たな塗
層膜の形成を助けることができる。上記の塗層膜形成過
程には、再塗層バーによる所望の速度での掃引処理が、
1回あるいは複数回含まれうる。
【0029】この塗層膜の形成後、造形物体の第二断面
を表現したデータに基づいて行われる、2回目の所定の
硬化刺激への材料露出により、2番目の材料層が硬化さ
せられる。この塗層膜形成過程と硬化過程とが、密着し
た複数の層(21、23、25、27、29、31、お
よび33)からなる造形物体が造形されるまで、幾度も
繰り返される。
【0030】造形技術によっては、いくつかのあるいは
全ての造形物体断面が、十分に硬化されない場合があり
うる。また、処理過程によっては、ある特定層に対応す
る硬化層(すなわち、造形物体の他の部分と比較した場
合、その特定層に相当する高さにあるべき硬化層)が、
その特定層が液体表面に位置するときにおいては、全く
あるいは部分的にしか露出されない場合もありうる。そ
の場合、上記特定層より後の、ある層の形成過程におい
て、その後形成層に印加される露出が、上記特定層に相
当する断面水準にある材料まで硬化させる程の材料変性
をもたらす露出であれば、上記硬化層の全体あるいは一
部は、この後形成層が材料表面にある際に形成されるこ
ともある。すなわち、ある特定硬化層に対応する層と、
その硬化層が硬化される際の表面層とは、必ずしも同一
とは限らないのである。ある硬化層あるいはある硬化層
の一部が硬化される際の表面層とは、その硬化層が硬化
された際に材料表面に位置している層のことであると言
ってもよい。ある硬化層に対応する層とは、造形物体の
他の部分と比較して、その硬化層が位置しているべき次
元的に正しい高さに相当する層のことである。
【0031】米国特許第5,902,538号は、所望
の解像度よりも大きな最小再塗層深さ(MRD)を有す
る造形材料を使用した場合に典型的に可能だと思われる
解像度に比して、より高い解像度での物体造形に用いる
露出技術および再塗層技術を提供している。ここで言う
MRDとは、完全に硬化された硬化層あるいは物体断面
上に形成される塗層膜の深さで、信頼性の高いあるいは
適切なタイミングの材料塗層膜形成のために必要不可欠
な深さのことであると考えればよい。前記断面の一部の
みを形成する場合には、MRDよりも薄くかつ妥当な信
頼性を有する塗層膜を形成することが可能なこともあ
る。この参照出願で開示されている好ましい実施形態
は、この現象の認知および利用に基づくものである。
【0032】さらに、米国特許第5,902,538号
中の好ましい実施形態においては、物体造形に使用され
る造形パラメターを変化させる層水準(たとえば、層が
水平に形成されていく場合は垂直方向の水準)を予め規
定することにより、簡略化されたデータ処理技術が実現
されている。これらの予め規定された水準に関しては、
(1)造形物体の位置(たとえば垂直方向位置)から独
立した規定、(2)造形物体の第一層の位置に基づく規
定、あるいは(3)造形物体のある面のある特定の場所
の垂直方向位置に基づく規定の、いずれの規定も可能で
ある。
【0033】図3は、ステレオリソグラフィの手法で作
成しようとするある物体40の側面図である。水平な層
を形成するという観点から、この図には垂直方向軸
(Z)および水平方向軸のうちの1つ(X)が記してあ
る。この物体を利用して、本発明の1つの好ましい実施
形態、および変更例の特徴を説明する。この物体は、水
平な(すなわち横に平らな)下向き面を2つ含んでい
る。1つは、物体下面の42であり、もう1つは、物体
中央に開いた穴46の上面44である。同様に、この物
体は、水平な(すなわち横に平らな)上向き面を2つ含
んでいる。1つは、物体上面の48であり、もう1つ
は、物体中央に開いた穴46の下面50である。この物
体は、2つの垂直な壁52と54を含んでおり、それら
は穴46の両側面にあたる。この物体はまた、両側面
に、非水平な(二アフラットと言うこともある)2つの
上向き領域56および58を含んでおり、同じく両側面
に、非水平な2つの下向き領域60および62を含んで
いる。
【0034】図4は、ステレオリソグラフィ法を利用し
て、前記物体をある解像度で造形した場合の形状例を図
示した図である。ここで、材料のMSDおよびMRD
(最小硬化深さおよび最小再塗層深さ;米国特許第5,
597,520号および米国特許第5,902,538
号に説明がある)は、共に所望の層厚(すなわち解像
度)以下である。この例では、各層の厚さ100は一定
である。図に示されているように、この造形物体は、2
0層の密着した硬化層101−120、およびそれらに
対応する20層の材料層201−220から形成されて
いる。材料層は典型的には上方表面から下方へと硬化さ
れていくため、断面データ、硬化層および材料層の指定
に際しては、上面位置に対応させた指定を行うのが典型
である。硬化層同士を確実に密着させるため、各硬化層
の少なくともいくらかの部分には、一層厚分よりも深い
硬化をもたらすような露出量が適用されるのが典型であ
る。状況によっては、こうした一層厚よりも深い硬化深
さを利用せずとも、確実に層の密着を図れる場合もあ
る。精度を最適化するために、物体データを操作して、
一層厚よりも大きなMSDに妥当性を持たせるか、ある
いは下向き面の領域が一層厚分より深く硬化しないよう
下向き面領域の露出を制限するのが典型である。
【0035】図3と図4を比較すると、この例にある造
形物体は、もとの設計に比べて過剰な大きさに複製され
ていることが分かる。垂直面および水平面の位置は正確
だが、傾斜した面あるいはニアフラットな面(水平面で
も垂直面でもない面)においては、各硬化層の最小はみ
出し部がもとの設計の外形面に接しており、最大はみ出
し部はもとの設計よりも外側にはみ出している。データ
の相関、露出および造形物体の大きさの問題について
は、米国特許第5,184,307号および5,32
1,622号、および前出の引例表に示した他の多くの
特許にさらなる説明がある。
【0036】図5は、図4に示した形成済みの造形物体
について、造形物体中の様々な領域および硬化層を区別
して分けた図である。1つの分類法によると(米国特許
第5,321,622号に記載されている)、造形物体
の各硬化層は、(1)下向き面領域、(2)上向き面領
域、および(3)連接面領域(すなわち、下向き面でも
上向き面でもない領域)のうち、1種類から3種類の領
域より形成されている。この分類法の場合、次の8個の
ベクトル型を実用化することができる。また、他の型の
ベクトルも規定および使用され得る。
【0037】下向き面輪郭 − 造形物体の下向き面領域を取り囲む輪郭 上向き面輪郭 − 造形物体の上向き面領域を取り囲む輪郭 連接面輪郭 − 造形物体の下向き面でも上向き面でもない領域を取
り囲む輪郭 下向き面ハッチ − 下向き面輪郭の内側に属する露出線。これらの露出
線の間隔は狭くても広くてもよく、また方向も一方向で
も多方向でもよい。
【0038】上向き面ハッチ − 上向き面輪郭の内側に属する露出線。これらの露出
線の間隔は狭くても広くてもよく、また方向も一方向で
も多方向でもよい。
【0039】連接面ハッチ − 連接面輪郭の内側に属する露出線。これらの露出線
の間隔は狭くても広くてもよく、また方向も一方向でも
多方向でもよい。
【0040】下向き面スキン/フィル − 下向き輪郭の内側に属する露出線で、硬化済み材料
の連続領域を形成するために密に分布している露出線。
【0041】上向き面スキン/フィル − 上向き輪郭の内側に属する露出線で、硬化済み材料
の連続領域を形成するために密に分布している露出線。
【0042】以上を組み合わせて、下向き面輪郭、下向
き面ハッチ、および下向き面フィルにより、造形物体の
下向き面領域が規定される。また、上向き面輪郭、上向
き面ハッチ、および上向き面フィルにより、造形物体の
上向き面領域が規定される。連接面輪郭および連接面ハ
ッチは、造形物体の連接面領域を規定する。下向き面領
域の下方には、その領域が密着すべき物体は何ら存在し
ないので(保持部分が存在する場合を除けば)、この領
域に適用される露出量は、下方硬化層への密着を図るた
めの過剰露出量を含まないのが典型である。しかし、M
SDに関する何らかの問題に適切に対処するため、過剰
露出が行われることもあり得る。上向き面領域および連
接面領域の下方には硬化された材料が存在するので、こ
れらの領域に印加される露出量には、下方硬化層への確
実な密着を図るための過剰露出量が含まれるのが典型で
ある。
【0043】表7は、図4に示した層および硬化層の指
定番号に基づいて、図5における各硬化層上に存在する
複数の異なる領域を、要約した表である。
【0044】
【表7】 領域の識別およびベクトル型の提唱に関する他の方法に
ついては、現在引用できるものとしては、米国特許第
5,184,307号、5,209,878号、5,2
38,639号、5,597,520号、5,943,
235号、5,902,538号、および米国特許出願
第08/855,125号を含めて、前出の引例表に示
した多くの特許および特許出願に記載されている。より
少ない設定項目しか含まない案も存在する。たとえば、
(1)下向き面領域と上向き面領域を統合して外面領域
とし、その外面領域と連接面領域のみを規定する方法、
(2)全てのフィル型ベクトルを統合して、1つの設定
項目とする方法、あるいは(3)上向きハッチと連接ハ
ッチ、または3種類全てのハッチ型ベクトルを統合して
1つの設定項目とする方法などがそれである。また、よ
り多くの設定項目を含む方法もある。たとえば、上向き
面領域と下向き面領域の片方あるいは双方を、水平な領
域と非水平な領域とに分割する方法などがそれである。
【0045】領域識別の方法には、各硬化層に付随する
境界領域のうち、いずれの部分が外部に面しており、あ
るいは/またはいずれの部分が硬化層内部に当たるのか
の識別を含むような方法もある。外部に面した境界領域
は、初期断面境界(InitialCross-Section Boundaries;
ICSB)に対応する。ICSBは、所望の様々な領域に形成
される断面に先立って形成される断面境界領域である
と、解釈すればよい。ICSBに関しては、米国特許第5,
321,622号および5,597,520号に記載さ
れている。内部境界は、両面を硬化層の造形物体部分に
挟まれている境界であり、一方、外部境界は、片面を硬
化層の造形物体部分に、もう片面を硬化層の非造形物体
部分に挟まれている境界である。
【0046】本発明の好ましい実施形態中の再塗層技術
を利用した物体造形では、米国特許第5,902,53
8号で使用されているのと類似の層形成技術が用いられ
る。層の硬化は、なるべくならば一次層および二次層が
有する基準に従って行われることが好ましく、この基準
は、MRDによる制限、あるいはある類似造形技術を用
いる根拠となるその他の事項に基づいて決まり得る(た
とえば、細かい形状を持たない領域の造形をより厚い層
を用いて行い、個々の硬化層が付加されるたびに造形物
体の未処理強度が増すようにするなど)。
【0047】図5の物体造形においては、使用される造
形材料のMRDによっては、図示した解像度よりも高い
解像度でこの物体を再現することが不可能な場合もあ
る。MRDが層厚100(図4)よりも大きい場合は、
この物体を図4に図示した解像度で再現することは不可
能と考えられる。しかしながら、米国特許第5,90
2,538号の記載事項に従えば、各硬化層全体を、そ
れに対応する層が材料表面にある際に、1硬化層ずつ正
確に形成していく造形技術とは異なる造形技術を使用す
ることになり、上記の物体再現も可能となる。
【0048】本発明の好ましい実施形態中で実現されて
いる造形技術においては、1層厚分よりも大きな最小硬
化深さ(MSD)が採用され得る。実施形態によって
は、使用されているMRDと同程度の大きさのMSDが
好ましい場合もある。図6は、5層厚分に等しいMSD
値を使用して造形された造形物体を示した図である。こ
の図示された物体を造形するためのデータは、図3から
図5のデータと米国特許第5,597,520号の記載
事項から導くことができる。これらの記載事項に従う
と、図6に示したように、硬化層に付随する下向き面
を、概念として相対的に上方の層中に押し上げて考え、
それにより上記下向き面領域の移動を受けた上記上方の
層に付随する初期断面データを除去することにより、高
解像度の物体造形を行うことができる。すべての下向き
面領域は、少なくとも5層厚分の深さだけ硬化されなく
てはならないので、各下向き面領域を元来対応する層お
よび硬化層から概念的に押し上げて考え、その下向き面
領域を、元来対応する層および硬化層とその上の4つ分
の層および硬化層との両方に対応させ、かつその下向き
面領域が、元来対応する層から4層分上に相当する層が
液面にある際に形成されるようにする。図5中の、左上
から右下に引かれた斜線を付した領域が、下向き面領域
である。また、右上から左下に引かれた斜線を付した領
域は上向き面領域であり、斜線の付されていない点模様
の領域は連接面領域である。
【0049】図6は、一次層および二次層の指定を利用
した造形技術の例を示した図である。この図は、5層厚
分のMSD値および5層厚分のMRD値を用いて造形さ
れた物体を図示したものである(MRDは、物理的な最
小再塗層深さに基づいて決定される場合もあれば、それ
に代わる類似の露出基準に従う物体造形を実現するため
の何らかの変数が設定される場合もある)。この造形物
体は、図7に記された一次層指定および二次層指定に従
って造形されたものである。図7中の「P」はその層が
一次層であることを示し、「S」はその層が二次層であ
ることを示す。
【0050】本明細書中では、一次層とは、その層に対
応する硬化層の主たる部分が、その層が材料表面にある
際に形成される層のことを指す。より好ましくは、一次
硬化層全体が、それに対応する一次層が材料表面にある
際に形成されるほうがよい。二次層とは、その層に対応
する硬化層が、少なくとも連接領域については一部し
か、その層が材料表面にある際に形成されない層のこと
を指す。他の定義の仕方として、一次および二次という
のは、その層が材料表面にある際に形成される硬化層の
範囲とは無関係な、層に付されたラベルであるとし、二
次層の形成時に不完全な塗層パラメターが用いられた結
果蓄積された再塗層誤差を補正するための周期的なラベ
ルとして、一次層が利用することとする定義もある。
【0051】本発明の第一の好ましい実施形態では、造
形物体の個々の層は複数の群に分類され、それぞれの群
に再塗層パラメターが割り当てられる。ここでは、個々
の層を組および群の双方に所属させることができる。上
位組、および上位群を規定することも可能である。
【0052】層の組とは、連続した一連の層のことを指
すと考えればよく、連続した組においては、各組中の個
々の層が有する何らかの特定の特徴が反復される。1つ
の層の組は、1つの一次層、および連続した一次層間に
存在する数の複数の二次層を含む組として規定すること
ができる。
【0053】そうした規定を用いた場合、様々な方法で
複数の組を規定することが可能である。たとえば1つ目
の例として、ある組中の全ての二次層が、その組の一次
層の下に位置している場合がある。図7中の(1)層2
01‐205、および(2)層206−210を2つの
組だと考えれば、この例に相当する。2つ目の例とし
て、二次層がその組に含まれる一次層の上に位置してい
る場合もある。図7中の(1)層205‐209、およ
び(2)層210−214を2つの組だと考えれば、こ
の例に相当する。3つ目の例として、二次層のうちいく
つかがその組に含まれる一次層の下に位置しており、残
りの二次層が一次層の上に位置している場合もある。図
7中の(1)層203‐207、および(2)層208
−212を2つの組だと考えれば、この例に相当する。
【0054】上位群は、2つ以上の組から成る。反復使
用されるが各組全てでは必要でないような複雑な再塗層
パラメターを規定する際には、これらの上位群が有用で
ある。上記のパラメターの反復が、複数の層の形成後に
行われる場合もあり得る。当然ながら、上位組およびさ
らに上位の組だけでなく、さらに別種の組を規定するこ
とも可能である。
【0055】層の組の規定という観点で、ある好ましい
実施形態を考えると、1つの組中の層であっても、いく
つかの層間で再塗層パラメターは変化させられ得るし、
異なる2つの組中の層であっても、類似層には同一の再
塗層パラメターが使用され得る。たとえば、組1が図7
中の層201−205を含み、組2が層206−210
を含む場合、層201と層206については、それぞれ
の組の一次層からの相対位置が同一なので、この2つは
類似層であると考えることができる。同様に、層202
と層207、層203と層208、層204と層20
9、および層205と層210もそれぞれ類似層とな
る。
【0056】別の視点に立って、各組あるいは各上位組
中の類似層を、層群に分類することもできる。あるい
は、個々の組から複数の層を抜き出して、層群を形成さ
せることも可能である。例として、一次層を1つの層群
として考えることが可能である。さらに、一次層の直下
にある二次層を2つ目の層群と考え、一次層の直上にあ
る二次層を3つ目の層群と考えることもできる。また別
の例として、各組の一次層、および一次層の直後に続く
1つの二次層の双方を、1つ目の層群に所属させ、残り
の二次層をもって2つ目の層群を形成させることも可能
である。
【0057】一般的に、再塗層パラメターは群ごとに指
定される。各群に対して同一の再塗層パラメターを使用
することも可能であるし、1つあるいは複数の群で異な
るパラメターを使用することも可能であるし、全ての群
で異なるパラメターを使用することも可能である。群の
数は、1つの組あるいは上位組を形成している層の数に
等しい場合もあれば、それより少ない場合(たとえば2
つあるいはそれ以上)もある。状況によっては、群の数
は3つ以上が好ましい場合もある。
【0058】層群への層の分類は、その塗層される層
と、前の一次硬化層あるいは次の一次硬化層との間に、
どれだけの距離あるいは層数が存在するかに基づいて、
行うことができる。たとえば、一次層に対して優良な塗
層膜を確実に形成し、適切な硬化層を形成させるため
に、ある特定の再塗層パラメターが必要となる場合があ
るので、まず一次層をもって1つ目の層群を形成させら
れる。次に、一次硬化層の硬化された広い領域上に渡っ
て塗層膜を形成するのに適当な塗層パラメターの使用が
求められる場合があるため、一次硬化層の直上の、1つ
あるいは複数の二次層をもって2つめの層群を形成させ
られる。一次硬化層を形成する土台の設定をするのにも
特別な再塗層パラメターの使用が求められる場合がある
ため、あるいは単に前一次硬化層からの塗層深さが1層
ごとに大きくなっていくために、一次硬化層の直下の、
1つあるいは複数の二次層をもって3つめの層群を形成
させられる。再塗層パラメターを変化させる必要があれ
ば、2つめの群と3つ目の群の間に、4つ目の群あるい
はさらに多くの群を規定してもよい。塗層膜形成処理の
改善または/および時間の節約のために、塗層パラメタ
ーを各群ごとに変化させることが可能なのである。
【0059】層群を利用することにより、造形時間の節
約、または/および塗層膜の品質向上が達成される。重
要性の低い群に、過度のあるいは不適当な塗層パラメタ
ーを与えたり、造形部分を形成する何百何千もの層の1
つ1つ全てに対して、塗層パラメターを指定する手間を
オペレーターに課したりすることなく、重要な層には所
望の塗層膜形成に十分な時間や掃引速度等を与えること
などにより、上記の利点を得ることができる。
【0060】本発明の第一の好ましい実施形態では、
“S”個の層から成る組(ここでは“S”=5;一次層
1つおよび二次層4つ)が提供され、また“M”個の層
群(ここでは“M”=3)に対して指定可能な異なる複
数の塗層パラメターが提供されている。すなわち、この
第一の好ましい実施形態においては、3組の塗層パラメ
ターを、5層から成る組のそれぞれに割り当てているこ
とになる。
【0061】この実施形態では、第一層群は一次層を含
む群である。第二層群は、N個の二次層(ここではN=
2)を含む群である。これらN個の二次層は、第一群に
分類された一次層の直下に位置する二次層である。Nの
最大値は、各組中の二次層の数あるいはそれ未満とな
る。各組中の残りの二次層は全て、第三群に属する層と
して扱われる。
【0062】この第一の実施形態では、1ミル(25ミ
クロン)の層厚が採用されており、5層ごとに一次層が
設けられている。二次層上においては、輪郭、上向き面
領域、および下向き面領域のみが形成される。一次層上
においては、先に形成された複数の二次層の硬化、およ
び前一次層が材料表面にある際に形成された硬化層への
上記の二次層の密着を図るのに十分な露出をもって、輪
郭、上向き面領域、下向き面領域、および連接面領域
(たとえば連接面ハッチ)が形成される。表8は、この
第一の実施形態に対するいくつかの好ましい再塗層パラ
メターを記した表である。ここでパラメターとして含ま
れるのは、各層群に対して塗層膜を形成する際の再塗層
バーによる掃引回数、再塗層バーの掃引速度、掃引中に
おける再塗層バー下部と直前硬化層間の間隔、Z−待機
時間(掃引処理の完了時点と次の露出開始時点との間に
存在する遅延時間)、および沈下前遅延時間(露出完了
時点と掃引処理の開始時点との間の時間)である。
【0063】
【表8】 表8を見れば分かる通り、本実施形態においては、1つ
の層群に対するZ−待機時間の値のみが変化させられて
いる。この1種類の群を除けば、5層から成る群のそれ
ぞれごとに、40秒だけ余分な造形時間がかかることと
なる。そのため、1インチの物体を造形する再には、8
000秒あるいは2.2時間(40秒*200群/イン
チ)だけの余分な造形時間が必要となることになる。仮
に造形物体が高さ10インチの物体であるとすれば、2
2時間もの時間が節約できる。言いかえれば、丸1日近
くの物体造形時間が節約可能なのである。いくつかの層
がより長いZ−待機時間を必要とする場合や、いくつか
の層のみがさらなる掃引処理を必要とし、他の層にはそ
うした掃引処理が必要でない場合等には、さらに大量の
時間を節約することも可能である。これらの例は、個々
の層群ごとに塗層パラメターを指定できるようにするこ
とで、物体造形処理に改良を加えられることを示すもの
である。
【0064】これらのパラメター値のうち1つあるいは
複数のパラメター値、およびその他に設けられ得るパラ
メター値に関しては、これらのパラメターをオペレータ
ーが何度も入力する必要をなくすため、物体造形処理に
おいてコンピュータが使用するメモリーへのパラメター
値入力が可能となっていることが好ましい。より好まし
いのは、1つ、あるいは恐らくは複数のパラメターに対
する適当な値を、再塗層処理の制御に使用される再塗層
様式ファイルに入力することである。この様式ファイル
は、ユーザーがマニュアル操作で選択することも可能で
あるし、あるいはより好ましくは、所望の造形処理に関
するいくつかの基本的な質問にユーザーが回答し、それ
をもとに制御コンピュータあるいはその他のコンピュー
タに、物体造形に用いる適当な様式ファイルを自動選択
させることも可能である。造形物体に様式ファイルを関
連づける技術については、米国特許出願第09/24
7,119号(1999年2月8日出願)にさらなる説
明が記載されている。
【0065】以上の実施形態に様々な修正を加えた変更
実施形態が複数可能となっており、それらにはたとえば
(1)第二層群に含まれる層の数を上記と異なる数(N
=1、3、あるいは4)にした形態、(2)各組に含ま
れる層の数を5以外の値(たとえば、2、3、4、6−
10、あるいはそれ以上)にした形態、(3)いくつか
の組に含まれる層の数を、他の組と異なる数にした形
態、(4)上位組、およびそれらに基づく層群を規定し
た形態、(5)群ごとに指定・変更する再塗層パラメタ
ーの数を、より少なくしたあるいはより多くした形態、
(6)層厚を変更した形態(たとえば、5ミクロン、1
0ミクロン、0.5ミル、20ミクロン、2ミル等)、
(7)一次層あるいは二次層上の露出領域を、前記第一
の実施形態に記載されたのと異なる領域にした形態など
がある。また、1硬化層ごとに行う通常の造形処理にお
いても、何らかの理由で層の組に対して可変的な再塗層
処理を行うことが有用であると考えられるような場合
は、本発明の再塗層技術が実際上利用可能である。
【0066】他の造形パラメター、たとえば層厚、露出
様式、組ごとの層の数、樹脂のタイプ等に対する好まし
い再塗層パラメターについては、当業者であれば、異な
る塗層パラメターを用いた複数の試験物体の造形を行
い、造形時間の短縮または/および塗層膜の品質向上を
もたらす、各群に最適なパラメターを決定することによ
り、経験的に決定することが可能である。
【0067】本明細書中の記載事項に従う物体造形装置
作成のために、本明細書中に記載された方法を実施する
には、ソフトウェアあるいはハード・コーディングによ
って、SLA制御コンピュータあるいは別個の処理コン
ピュータにプログラムを施すことで、システムへの所望
のパラメター入力、およびシステムによるそれらのパラ
メターの使用を可能にすればよい。
【0068】いずれの実施形態中の方法および装置と
も、先に明記した変更例の記載事項に従って変更するこ
とが可能である。さらに、上記の実施形態および変更例
中の方法および装置は、先の引例表に記載した特許およ
び特許出願中の様々な記載事項に従って、変更すること
が可能である。
【0069】以上では、ある特定の実施形態を記載およ
び説明し、かついくつかの変更例を示してきたが、本明
細書中の記載事項を一読すれば、当業者には明らかであ
ろう実施形態および変更例を他にも数多く見出せる。つ
まり、以上に示した実施形態は、本発明の範囲を制限す
る意図のものではなく、例示的な意味合いのものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するためのステレオリソグラフィ
装置の側面図。
【図2】本発明を実施するためのステレオリソグラフィ
装置の側面図。
【図3】ステレオリソグラフィを用いて造形しようとす
るある物体の側面図。
【図4】一層一層を順次正確に造形していく技術を利用
して造形した、図3の物体の側面図。
【図5】各層に付随する複数の異なる露出領域が記され
た、図4の物体の側面図。
【図6】5層厚分の最小硬化深さを想定した場合の、図
3の物体の側面図。
【図7】連続する一次層の間に4つの二次層を設けた場
合の、一次層と二次層から造形される物体の側面図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 クリス アール マナーズ アメリカ合衆国 カリフォルニア州 93021 ムーアパーク リヴァーグレン ストリート 4337

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の密着した硬化層から3次元物体を
    造形する方法であって、 前記物体の次硬化層を形成する準備段階として、直前に
    形成された材料層に接する、連続した材料層を形成する
    工程であって、前記連続層のうちのいくつかは一次層で
    あり、前記一次層同士はそれらの間に位置する1つある
    いは複数の二次層により隔てられているような工程、 少なくとも第一層群および第二層群を規定する工程であ
    って、前記第一層群は複数の前記一次層を含んでいて、
    前記第二層群は、前記第一層群中の前記連続した一対の
    一次層間に位置する、1つあるいは複数の前記二次層を
    含んでいるような工程、 前記一次層に対応する一次硬化層の主たる部分を形成
    し、かつ二次硬化層の少なくとも一部を形成するため
    に、前記一次層を選択的に露出する工程、および前記二
    次層に対応する前記二次硬化層の少なくとも一部を形成
    するために、前記二次層を選択的に露出する工程を含
    み、 前記一次層および前記二次層の前記露出処理の結果、硬
    化層が前硬化層に密着し、複数の密着した硬化層から前
    記物体が造形され、 前記第一層群の形成が、再塗層パラメターの第一組によ
    り制御され、前記第二層群の形成が、前記第一組とは異
    なる再塗層パラメターの第二組により制御されることを
    特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 少なくとも第三層群が、前記第二層群中
    に含まれないが前記第一層群中の前記一次層間に存在す
    る、1つあるいは複数の第二層を含み、かつ少なくとも
    再塗層パラメターの第三組が、少なくとも前記第三層群
    に含まれる前記の層の形成時に適用されることを特徴と
    する、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記少なくとも第三層群が、少なくとも
    該第三層群の他に第四層群を含み、 前記第三層群中の層の形成には、再塗層パラメターの前
    記第三組が使用され、かつ前記第四層群中の層の形成に
    は、再塗層パラメターの第四組が使用されることを特徴
    とする、請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記少なくとも第三層群が、少なくとも
    該第三層群の他に第四層群および第五層群を含み、 前記第三層群中の層の形成には、再塗層パラメターの前
    記第三組が使用され、 前記第四層群中の層の形成には、再塗層パラメターの第
    四組が使用され、かつ前記第五層群中の層の形成には、
    再塗層パラメターの第五組が使用されることを特徴とす
    る、請求項2記載の方法。
  5. 【請求項5】 連続する一次層の各対の間に、それぞれ
    同一の数の二次層が存在することを特徴とする、請求項
    1記載の方法。
  6. 【請求項6】 連続する一次層の1番目の対の間と、連
    続する一次層の2番目の対の間とでは、異なる数の二次
    層が存在することを特徴とする、請求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記第二層群が、連続する一次層の各対
    の間に位置する各1つの二次層を含み、 少なくともいくつかの前記連続する一次層間に、前記の
    二次層に含まれない他の二次層が少なくとも1つ存在す
    ることを特徴とする、請求項2記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記第二層群が、連続する一次層の各対
    の間に位置するそれぞれ2つあるいはそれ以上の連接し
    た二次層を含むことを特徴とする、請求項2記載の方
    法。
  9. 【請求項9】 前記少なくとも第三層群が、2つの連続
    する一次層間に位置するある1つの層を含むことを特徴
    とする、請求項2記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記少なくとも第三層群が、連続する
    一次層の各対の間に位置するそれぞれ2つあるいはそれ
    以上の連接した二次層を含むことを特徴とする、請求項
    2記載の方法。
  11. 【請求項11】 再塗層パラメターの前記少なくとも第
    三組が、再塗層パラメターの前記第一組および前記第二
    組と異なる組であることを特徴とする、請求項2記載の
    方法。
  12. 【請求項12】 請求項1記載の方法であって、 少なくともいくつかの層形成中において、少なくともい
    くつかの硬化層上を再塗層装置で掃引する工程を追加的
    に含み、 前記再塗層パラメターに、(1)前記再塗層装置が行う
    べき掃引動作の回数、(2)少なくとも1つの掃引動作
    の速度、(3)掃引動作中における、直前硬化層の上面
    と、前記再塗層装置下端との間隔、(4)掃引処理の完
    了時点と前記層の露出開始時点との間のZ−待機時間、
    および(5)沈下前遅延時間のうちの、1つあるいは複
    数のパラメターが含まれることを特徴とする方法。
  13. 【請求項13】 連続する一次層間に最低N個の二次層
    が存在し、 連続する一次層の各対の間にそれぞれ位置し、前記第二
    層群に属する層の数が数Sにより指定され、 SはNよりも小さく、 前記第二層群に属する層は一次層の直下に位置すること
    を特徴とする、請求項1記載の方法。
  14. 【請求項14】 複数の密着した硬化層から3次元物体
    を造形する方法であって、 連続するS個の層を組として規定する工程、 複数の層の組を規定する工程、 複数の層群を規定する工程であって、前記層群に含まれ
    る層は、前記複数の層の組のそれぞれから、1つあるい
    は複数の層が集められたものとされるような工程、 前記規定された層群のそれぞれに、再塗層パラメターを
    付与する工程、 前記物体の次硬化層を形成する準備段階として、直前に
    形成された材料層に接する、連続した材料層を形成する
    工程であって、ある特定層の形成に使用される前記再塗
    層パラメターは、前記特定層を含む前記層群のために指
    定された再塗層パラメターに従うような工程、および前
    記硬化層の少なくとも一部を前記の層が材料表面にある
    際に形成し、複数の密着した硬化層から前記物体を造形
    するために、前記の層を選択的に露出する工程を含む方
    法。
  15. 【請求項15】 複数の密着した硬化層から3次元物体
    を造形する装置であって、 前記物体の次硬化層を形成する準備段階として、直前に
    形成された材料層に接する、連続した材料層を形成する
    塗層システムであって、前記連続層のうちのいくつかは
    一次層となり、前記一次層同士はそれらの間に位置する
    1つあるいは複数の二次層により隔てられるような塗層
    システム、 少なくとも第一層群および第二層群を規定するためにプ
    ログラムされたコンピュータであって、前記第一層群は
    複数の前記一次層を含み、前記第二層群は、前記第一層
    群中の前記連続した一対の一次層間に位置する、1つあ
    るいは複数の前記二次層を含むような規定を行うコンピ
    ュータ、および前記材料層を選択的に露出するための露
    出システムであって、(1)前記一次層に対応する一次
    硬化層の主たる部分を形成し、かつ二次硬化層の少なく
    とも一部を形成するための、前記一次層の露出、および
    (2)前記二次層に対応する前記二次硬化層の少なくと
    も一部を形成するための、前記二次層の露出を含めて担
    うような露出システムを備え、 前記一次層および前記二次層の前記露出処理の結果、硬
    化層が前硬化層に密着し、複数の密着した硬化層から前
    記物体が造形され、 前記塗層システムが、再塗層パラメターの第一組による
    制御の下に、前記第一層群を形成し、前記第一組とは異
    なる再塗層パラメターの第二組による制御の下に、前記
    第二層群を形成することを特徴とする装置。
  16. 【請求項16】 複数の密着した硬化層から3次元物体
    を造形する方法であって、 連続するS個の層を組として規定する手段、 複数の層の組を規定する手段、 複数の層群を規定する手段であって、前記層群に含まれ
    る層は、前記複数の層の組のそれぞれから、1つあるい
    は複数の層が集められたものとされるような手段、 前記規定された層群のそれぞれに、再塗層パラメターを
    付与する手段、 前記物体の次硬化層を形成する準備段階として、直前に
    形成された材料層に接する、連続した材料層を形成する
    手段であって、ある特定層の形成に使用される前記再塗
    層パラメターは、前記特定層を含む前記層群のために指
    定された再塗層パラメターに従うような手段、および前
    記硬化層の少なくとも一部を前記の層が材料表面にある
    際に形成し、複数の密着した硬化層から前記物体を造形
    するために、前記の層を選択的に露出する手段を備えた
    装置。
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